JPH08117240A - 治療装置 - Google Patents

治療装置

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JPH08117240A
JPH08117240A JP6282513A JP28251394A JPH08117240A JP H08117240 A JPH08117240 A JP H08117240A JP 6282513 A JP6282513 A JP 6282513A JP 28251394 A JP28251394 A JP 28251394A JP H08117240 A JPH08117240 A JP H08117240A
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JP
Japan
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crushing
vibration
blood vessel
vibrating body
frequency
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Withdrawn
Application number
JP6282513A
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English (en)
Inventor
Takehiro Takojima
武広 蛸島
Yoshinobu Kakihara
良亘 柿原
Isao Nakamura
功 中村
Hiromi Ikada
宏臣 筏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
SB Kawasumi Laboratories Inc
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Kawasumi Laboratories Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血管内の閉塞物を破砕する治療装置におい
て、振動エネルギーを効果的に使用して閉塞物を破砕で
きるようにする。 【構成】 カテーテルの先端部11から破砕振動体30
が突出している。破砕振動体30は複数の圧電素子33
a,33bが積層された積層体33と、その先部の共振
体36とから構成され、圧電素子の厚み方向の振動歪み
により、破砕振動体30全体が突出方向へ振動できる。
この破砕振動体30により閉塞物に振動が与えられて閉
塞物が破砕または粉砕される。圧電素子の振動が血管閉
塞物に効率良く与えられ、低消費電力で且つ発熱量が少
なくなる。また破砕振動体30を生体親和性の材料層3
5で覆うことにより人体への悪影響を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管内に挿入されるカ
テーテルの先端部に、血管内の閉塞物を破砕する破砕体
が設けられた治療装置に係り、特に圧電素子の積層体を
有する破砕振動体が設けられた治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アテローム性動脈硬化症の原因となる血
小板や血餅などの血管閉塞物を除去する治療方法とし
て、血管内に挿入されるカテーテルの先端からレーザ光
を照射して血管閉塞物を除去する方法や、カテーテル先
端にドリルなどの機械的な破砕手段を設けて血管閉塞物
を除去する方法が考えられている。ただし、レーザ光に
より血管閉塞物を蒸発除去する方法では、レーザ光を血
管閉塞物に正確に照射するのが困難であり、正常細胞に
レーザ光が当たって損傷するおそれがある。またドリル
などの機械的な破砕手段を備えたものも同様に、血管内
壁に傷を与えるおそれがある。
【0003】また特開平1−288249号公報には、
血管内に挿入されるカテーテル内に探針を挿入し、この
探針にカテーテルの基端すなわち体外から超音波振動を
与え、探針の先端の振動により血管閉塞物を破砕する装
置が開示されている。この装置は、カテーテル内の全長
にわたって挿入された探針に対し基端側から超音波振動
が与えられて探針全体が振動するものであるため、多大
な振動エネルギーが必要となるのみならず、探針および
カテーテルの発熱量が多くなる問題が生じる。さらに探
針全体の振動によりカテーテルを損傷するおそれもあ
る。また超音波振動を利用して血管閉塞物を除去する治
療を行うものとして特開平2−124128号公報に開
示された血管内内視鏡カテーテルがある。図7はこの種
のカテーテルの構造の概略を示したものである。
【0004】図7に示すものは、血管Bの内部に挿入さ
れるカテーテル1の先端部から粉砕吸引体2が突出して
設けられている。粉砕吸引体2内には、超音波発振素子
3と、超音波を粉砕吸引体2の先端に伝える発振管路4
が埋設されている。さらに粉砕吸引体2には、2重管に
よる吸引路5が埋設され、粉砕吸引体2の先端面に吸引
孔が開口している。さらに粉砕吸引体2の内部には、吸
引路5から血液と粉砕物を吸引するポンプや、吸引され
た血液と粉砕物を分離するためのフィルタなどが設けら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す従来例は、
粉砕吸引体2の内部に埋設された微小な超音波発振素子
3の振動により、血管閉塞物Aを粉砕しようとするもの
であるが、微小な超音波発振素子3により、ポンプや吸
引路5などが埋設された粉砕吸引体2全体を有効に振動
させ、血管閉塞物Aを効果的に粉砕するのは困難であ
る。すなわち、粉砕吸引体2の全体を振動させる構造で
あるため、超音波発振素子3から血管閉塞物Aへの振動
の伝達効率が悪く、振動エネルギーの損失が大きくなっ
て消費電力が多くなる。また、粉砕吸引体2全体に粉砕
のために必要な振動を与えようとした場合、超音波発振
素子3での振動エネルギーが過大になって、粉砕吸引体
2の発熱量が多くなる。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、超音波振動を利用して血管内の閉塞物を除去する
に際し、超音波振動のエネルギーを血管閉塞物の破砕エ
ネルギーとして効率良く変換できるようにし、小電力で
効果的な破砕治療ができるとともに、発熱量を低減でき
るようにした治療装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による治療装置
は、血管内に挿入されるカテーテルの先端部に、厚み方
向へ振動する圧電素子が積層された破砕振動体が突出し
て設けられ、破砕振動体全体が突出方向へ共振振動する
ことにより血管内の閉塞物が破砕されることを特徴とす
るものである。
【0008】本発明は、突出方向へ積層された圧電素子
そのものが破砕振動体としてカテーテルの先端部から突
出しているものである。破砕振動体は、圧電素子の積層
体のみで構成してもよいし、圧電素子の積層体とその先
端部に固定されたヘッド部とから構成してもよい。また
は、破砕振動体として、突出方向へ積層された圧電素子
の先端部にヘッド部として共振体を設けたものとするこ
とも可能である。
【0009】さらに、破砕振動体の少なくとも先端面
に、生体親和性の材料層を設けることが好ましく、さら
にカテーテルの先端部から突出する破砕振動体の外周全
体を生体親和性の材料層で覆うことが好ましい。
【0010】また、個々の圧電素子に所定の駆動周波数
の交流電界を与える発振駆動回路と、破砕振動体の振動
周波数を検出する検出部と、圧電素子に与えられる交流
電界の駆動周波数と検出部で検出された振動周波数とを
比較して、この比較結果に基づいて発振駆動回路の発振
を停止させる比較部とが設けられた構成とすることがで
きる。
【0011】
【作用】上記手段では、血管内に挿入されるカテーテル
の先端部から、全体が突出方向へ振動する破砕振動体が
突出して設けられている。破砕振動体は、圧電素子が積
層され、または圧電素子の積層体の先端にヘッド部が固
定され、または圧電素子の積層体の先端に共振体が固定
されたものとなる。カテーテルの先端部が、血管内の閉
塞物に接近すると、例えばバルーンによりカテーテルの
先端部が血管内で固定される。破砕振動体に所定の駆動
周波数の交流電界が与えられると、個々の圧電素子が厚
み方向へ振動し、圧電素子が積層されて構成された破砕
振動体がその突出方向へ共振して振動する。破砕振動体
の先端部が血管閉塞物に当たると、振動により血管閉塞
物が破砕されまたは粉砕されて除去される。
【0012】破砕振動体はその突出方向へ共振して振動
するものであるため、血管閉塞物以外の部分の血管内壁
に過大な振動が直接に与えられることがなく、血管の内
壁の損傷などを防止できる。
【0013】破砕振動体は、それ自体が圧電素子の積層
体を主体として構成され、破砕振動体の全体が自らの力
により振動するものであるため、血管閉塞物へ与える振
動の発生効率および伝達効率がよく、血管閉塞物に振動
を効果的に与えてその破砕または粉砕を確実に行える。
また振動の発生効率および伝達効率がよいために消費電
力が少なく、また破砕振動体の発熱も抑制できる。
【0014】また、破砕振動体の少なくとも先端面に生
体親和性の材料層を形成することにより、人体に対する
悪影響を防止できる。
【0015】さらに、発振駆動回路から破砕振動体へ、
所定の駆動周波数の交流電界を与え、且つ破砕振動体の
振動周波数を電圧により検出し、この振動周波数と駆動
周波数とを比較する比較部を設ければ、血管閉塞物の破
砕が完了しまたは血管閉塞物から破砕振動体が離れたと
きに、直ちに破砕振動体の振動を停止させることができ
る。
【0016】すなわち、破砕振動体が血管閉塞物を破砕
または粉砕しているときにはその負荷により破砕振動体
の振動周波数が低下するが、破砕が完了すると振動周波
数が高くなる。よって破砕振動体を構成する圧電素子の
振動周波数を監視し、この振動周波数と駆動周波数とを
比較部により比較すると、両周波数が一致しまたは近似
した時点で血管閉塞物の破砕が完了しまたは破砕振動体
が血管閉塞物から外れたことを知ることができる。この
時点で、破砕振動体への交流電界の印加を停止し、破砕
振動体を停止させると、血管閉塞物が破砕された後の破
砕振動体の振動により血管内壁などの正常細胞に傷を付
けることを有効に防止できる。
【0017】破砕振動体を構成する圧電素子の振動周波
数を検出するための具体例としては、圧電素子に交流電
界を間欠的に与えて破砕振動体を間欠駆動し、この交流
電界の休止期間に、共振している破砕振動体の圧電素子
から電圧を検出すればよい。あるいは、圧電素子に交流
電界を連続的に与えて破砕振動体を駆動し、圧電素子に
検出用の電極を設けて、駆動中の破砕振動体の圧電素子
の分極による電位差を常に検出するものであってもよ
い。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の治療装置を示す斜視図、図2は治
療装置が血管の内部に挿入された状態を示す断面図、図
3と図4は、破砕振動体を構造別に示す断面図、図5と
図6は破砕振動体に接続されている圧電駆動部の回路構
成を実施例別に示すブロック図である。符号10は、内
視鏡と治療装置を兼ねたカテーテルであり、このカテー
テル10は臨床治療において血管Bの内部に挿入され
る。カテーテル10の先端部11の基部にはバルーン1
2が設けられている。先端部11が血管B内の治療部に
接近すると、体外からカテーテル10内を経てバルーン
12内に気体または液体が供給されてバルーン12が膨
張し、図2に示すようにカテーテル10の先端部11が
血管Bのほぼ中央部に保持される。
【0019】カテーテル10の先端部11の端面11a
からは、本発明の特徴となる破砕振動体30が突出して
いる。破砕振動体30は、体外からの手動操作または電
動操作により、端面11aから前方((イ)方向)へ例
えば30mm程度の長さまで突出できるように構成され
ている。また、破砕振動体30への配線経路13は、カ
テーテル10内を伝わって体外へ導かれ、この配線経路
13に圧電駆動部40が接続されている。カテーテル1
0の先端部11の端面11aには、イメージング部17
が設けられている。イメージング部17は血管Bの内部
を観察または探査するものであり、その構造としては、
超音波の送受信により血管Bの内部構造をイメージ検出
(イメージ探査)するものと、血管Bの内部構造を直接
視認するものとがある。
【0020】直接視認する場合には、イメージング部1
7が光ファイバにより構成され、体外には、光ファイバ
により送られてくる血管B内の映像を撮影するテレビカ
メラ18と、映像を表示するテレビジョンなどの映像表
示装置19が設けられる。イメージング部17により、
血管B内の状態が視認されるものである場合には、カテ
ーテル10の先端部11の端面11aにライトガイド1
4が設けられる。ライトガイド14には光ファイバなど
の導光路15が接続されている。体外には、導光路15
に光を与える光源16が設けられ、光源16から発せら
れる光がライトガイド14から血管B内に照射され、血
管B内が照明される。
【0021】超音波送受信方式では、テレビカメラ18
の代わりに超音波送受信部20が設けられ、イメージン
グ部17は超音波の発振および受信アンテナとなる。こ
の場合、イメージング部17から血管B内の前方へ超音
波が送られ、そのエコーがイメージング部17により検
知され、超音波送受信部20によりこれが検出される。
上記エコーの検出時間などにより先端部11の前方に血
管閉塞物Aが存在しているか否か探査される。あるいは
超音波のエコーに基づいて血管B内のイメージ像が生成
され、これが映像表示装置などに表示されるものであっ
てもよい。なお、イメージング部17が超音波の送受信
を行うものである場合、血管B内の照明手段は不要であ
り、前記ライトガイド14を設ける必要はない。
【0022】カテーテル10の先端部11の端面11a
には、還流液送液部21と、吸引部22とが設けられて
いる。還流液送液部21には、体外にて還流液供給部2
3が接続されている。破砕振動体30によって、血管B
内の閉塞物Aを破砕するときには、還流液送液部21か
ら血管B内に還流液が吐出される。破砕された閉塞物A
の粉砕物はこの還流液とともに吸引部22内に吸引され
る。カテーテル10の先端部11内には、吸引部22か
ら吸引された還流液から破砕物を除去するフィルタが設
けられ、さらに吸引部22から吸引された還流液を還流
液送液部21へ送る循環路が形成されている。またこの
循環路にて還流液を還流させる小型のポンプが内蔵され
ている。
【0023】次に前記破砕振動体30の構造を説明す
る。図3に示すように、カテーテル10内には破砕振動
体30の支持体31が設けられ、その基端は体外にてカ
テーテル10の外部に出ている。前述のようにこの支持
体31の基端を手動または電動で操作することにより、
先端部11から破砕振動体30が30mm程度まで延び
出ることができる。支持体31の先部にはクッション材
32が接続されさらにその先部に圧電素子の積層体(超
音波振動子)33が接続されている。前記クッション材
32はシリコンゴムなどの軟弾性体であり、積層体33
の振動が支持体31に伝播されるのを防止するものであ
る。
【0024】積層体33は、それぞれ複数の円板状の圧
電素子33aと33bが交互に重ねられたものであり、
その重なり方向は、破砕振動体30の突出方向((イ)
方向)である。個々の圧電素子33aと33bは、同じ
厚さ寸法のPZT系セラミック材料などにより形成され
ている。圧電素子33aと33bは同じものであるが、
その誘電分極方向が33aと33bとで逆向きとなって
いる。図5に示すように交互に積層された圧電素子33
aと33bの間には、電極33cと33dが互い違いに
介装されている。各電極33cと33dに交流電界を与
えると、圧電素子33aと33bはそれぞれ与えられる
電界の方向が相違する。ただし圧電素子33aと33b
は誘電分極方向が互いに逆向きであるため、交流電界に
よりそれぞれの圧電素子33a,33a,…と33b,
33b…が同時に厚み方向((イ)方向)へ膨張と収縮
を繰返し、その結果、積層体33が(イ)方向へ共振す
る。
【0025】図3の実施例では、上記積層体33の先端
にヘッド部34が設けられる。このヘッド部34は最先
部の圧電素子に対し前記電極を挟んで接着固定されてい
るものである。このヘッド部34はステンレススチール
やチタンなどの金属により形成されている。閉塞物Aが
破砕されるときには、このヘッド部34が閉塞物Aに振
動を与えるため、ヘッド部34の先端面34aは球面な
どの曲面形状とすることが好ましい。なお、ヘッド部3
4を設けず、最先部の圧電素子により閉塞物Aに振動を
与えるものであってもよい。破砕振動体30の少なくと
も先端部、すなわち前記ヘッド部34の先端面34aに
は、生体親和性の材料層(または材料膜)35を形成し
ておくことが好ましい。この材料層35は例えばカーボ
ン(C)やダイアモンドライクカーボン(DLC)など
である。閉塞物Aに当たる前記先端面34aに、生体親
和性の材料層35を設けておくことにより、人体への悪
影響を防止できる。なお、図3と図4の実施例では、先
端面のみならず破砕振動体30の周囲全体に、前記生体
親和性の材料層35が形成されている。このように構成
することが最も好ましい。
【0026】図4の実施例では、支持体31にクッショ
ン材32を介して積層体(超音波振動子)33が接続さ
れているが、この積層体33は図3に示すものよりも短
く、積層される圧電素子33aと33bの数が少なくな
っている。積層体33の先端には共振体36が設けられ
ている。この共振体36は、最先部の圧電素子に対し前
記電極を挟んで接着固定されている。共振体36は、ス
テンレススチールやチタンなどの金属により形成された
ものである。積層体33に交流電界が与えられて積層体
33が(イ)方向へ共振したときに、共振体36は、積
層体33と共に共振し破砕振動体30全体が(イ)方向
へ共振できるように、ヤング率や寸法が選択されて形成
される。
【0027】図3と図4に示すそれぞれの実施例を比較
すると、図3では圧電素子33aと33bの積層数が多
いために、発生振幅が大きくまた発生する振動による力
も大きくなる。図4に示すものは、圧電素子33aと3
3bの積層数が少ないために図3に示す破砕振動体に比
べて振動の力が弱いが、共振体36を設けることによ
り、省電力で効果的な共振振動を発生させることができ
る。図4の実施例でも、共振体36の先端面36aは球
面などの曲面に形成されている。また、共振体36の先
端面36a、すなわち破砕振動体30の先端面と、さら
に好ましくは破砕振動体の周囲全体が生体親和性の材料
層35により被覆されている。
【0028】図5は、圧電素子の積層体33を振動させ
る圧電駆動部40の回路構成の第1実施例を示してい
る。圧電駆動部40には、所定の駆動周波数Faの交流
電界(交流電圧)を発生する発振駆動回路41が設けら
れている。この発振駆動回路41は発振素子を主体とし
て構成されたものである。パルス発生部42は、発振駆
動回路41を間欠発振(パルス発振)させるものであ
る。パルス発生部42は、基準発振部43により発振さ
れる基準クロック信号に基づいて、一定周期の間欠パル
スPを発生させるものであり、この間欠パルスPが発振
駆動回路41に与えられているときにのみ、発振駆動回
路41から前記駆動周波数Faの交流電界が発せられ
る。
【0029】発振駆動回路41から発せられる駆動周波
数Faの交流電界は、増幅部44により増幅され、配線
経路13を経て電極33cと33dに与えられる。これ
により、各圧電素子33a,33a…と33b,33
b,…は厚さ方向へ伸縮して振動し、図3または図4に
示す破砕振動体30が、突出方向((イ)方向)へ共振
して振動する。電極33cと33dには、間欠パルスP
の周期に応じて間欠的に駆動周波数Faの交流電界が与
えられるが、この交流電界の付与の休止期間中も圧電素
子の積層体33は共振して振動し続けようとする。この
ときの各圧電素子33a,33bの振動歪みに応じて電
極33cと33dの間には電圧が発生し、この電圧は積
層体33の振動周波数Fbに比例したものとなる。
【0030】図5に示す圧電駆動部40では、電圧検出
部45により、前記振動周波数Fbが電圧の変化として
検出される。また発振駆動回路41から発せられる交流
電界(交流電圧)は、遅延回路47により前記間欠パル
スPの半周周期分だけ遅延させられて周波数比較部46
に与えられる。また前記電圧検出部45により検出され
た電圧は遅延されることなく周波数比較部46に与えら
れる。周波数比較部46では、間欠パルスPの半周期分
だけ遅延した交流電界の駆動周波数Faと、前記電圧検
出部45により検出された電圧による振動周波数Fbと
が比較される。周波数比較部46では、前記駆動周波数
Faと振動周波数Fbとが一致し、または近似したとき
に、パルス発生部42に停止信号が与えられ、このと
き、パルス発生部42から発振駆動回路41への間欠パ
ルスPの送信が停止される。これにより、発振駆動回路
41の発振動作が停止し、破砕振動体30の振動が停止
する。
【0031】図6は圧電駆動部40の第2実施例を示し
ている。この第2実施例では、発振駆動回路41が間欠
動作せず、駆動周波数Faの交流電界が連続的に発せら
れるものとなっている。一方、圧電素子の積層体33で
は、駆動用の前記電極33c,33dの他に検出用電極
51,51,…が設けられている。各検出用電極51
は、駆動用の電極33cと同じ境界位置に介装されてい
る。ただし、圧電素子33aと33bの対向部の表面
(図6の紙面直交方向の圧電素子の面)において、電極
33cと検出用電極51とが重ならない位置に設けられ
ている。また、圧電素子33aと33bの対向部の表面
において、駆動用の電極33cの面積よりも検出用電極
51の面積が小さく形成され、検出用電極51の存在に
より、圧電素子33a,33bに与えられる駆動用の交
流電界が極端に小さくならないものとなっている。
【0032】一方、電極33cと検出用電極51に対す
る対向電極となる電極33dは、圧電素子33aと33
bの対向部の表面のほぼ全域を占める面積を有してい
る。この実施例では、発振駆動回路41から連続的に発
せられる駆動電界が、駆動用の電極33cと33dとに
より各圧電素子33aおよび33bに与えられ、圧電素
子33aと33bが連続的に共振振動する。圧電素子3
3aと33bが振動し続けている際、検出用電極51と
対向している電極33dとの間には、各圧電素子33
a,33bの歪みによる電位差が発生する。この電位差
は配線経路52を経て電圧検出部45により検出され
る。電圧検出部45により検出される交流電圧の周波数
は、積層体33の振動周波数Fbに対応したものとな
る。
【0033】配線経路13により与えられる交流電界の
駆動周波数Faと、電圧検出部45により検出された交
流電圧の周波数(圧電素子の振動周波数)Fbは、周波
数比較部46により常に比較される。前述のように、破
砕振動体30が血管閉塞物Aに当たっていると、圧電素
子の積層体33の負荷が大きくなって積層体33の振動
周波数Fbが低下し、血管閉塞物Aの破砕が完了し、ま
たは破砕振動体30が血管閉塞物Aから外れると振動周
波数Fbが高くなる。図6の実施例では、周波数比較部
46により、周波数FaとFbが一致しまたは近似した
ときに、スイッチング回路53に信号が与えられ、発振
駆動回路41から配線経路13への交流電界の供給が断
たれる。または周波数比較部46からの信号により発振
駆動回路41の発振が停止させられる。これにより、血
管閉塞物Aの破砕が完了したときなどに、破砕振動体3
0の駆動が直ちに停止させられる。
【0034】次に、上記治療装置の動作について説明す
る。図1に示すカテーテル10の先端部11は、患者の
血管Bの内部に挿入される。X線撮影などにより予め予
想されている患部まで先端部11が送られると、カテー
テル10の送り込みが止められ、バルーン12内に気体
または液体が供給されて、図2に示すようにカテーテル
10の先端部11が血管Bのほぼ中心部に保持される。
イメージング部17により血管B内の内部構造を視認ま
たは探査しながら、破砕振動体30を先端部11から前
進させ、血管閉塞物Aに当たる位置まで突出させる。そ
して、発振駆動回路41から配線経路13を介して駆動
周波数Faの交流電界が間欠的に電極33cと33dに
与えられる。その結果、破砕振動体30全体が超音波振
動体として機能し、破砕振動体30全体が自ら振動し、
血管閉塞物Aが振動により破砕または粉砕される。この
破砕操作の間、還流液送液部21から還流液を吐出し続
ける。破砕振動体30により破砕または粉砕された閉塞
物は、還流液と共に吸引部22から吸引され、先端部1
1内部のフィルタなどにより分離される。
【0035】破砕振動体30が閉塞物Aに当たって破砕
が行なわれているときには、その負荷により破砕振動体
30の振動数が低下する。この振動周波数Fbは電圧検
出部45により電圧の変化として検出される。周波数比
較部46では駆動周波数Faと振動周波数Fbとが比較
される。破砕が完了し、破砕振動体30の負荷が軽くな
ると、振動周波数Fbが高くなり、駆動周波数Faに一
致しまたは近似する。このときに、図5の圧電駆動部4
0では、パルス発生部42に停止信号が与えられて、発
振駆動回路41の発振が停止し、破砕振動体30の振動
が停止する。また図6の圧電駆動部40を用いる場合に
は、スイッチング回路53により駆動用の交流電界の供
給が断たれ、破砕振動体30の振動が停止する。このよ
うに、血管閉塞物Aの破砕が完了し、または破砕振動体
30が血管閉塞物Aから離れて負荷が低下すると、自動
的に破砕振動体30の振動が停止することになり、血管
内の正常な部分が破砕振動体30により傷つけられるこ
とがない。
【0036】なお、発振駆動回路41の発振が停止して
いるときに、発振駆動回路41の発振を始動する操作を
行ったときには、周波数比較部46の比較動作と無関係
に発振駆動回路41が発振を開始する。その後に、前記
周波数FaとFbが一旦相違するようになり、その後に
両周波数FaとFbが一致しまたは近似したときに前記
の停止信号がパルス発生部42に与えられ、またはスイ
ッチング回路53に与えられる。したがって、破砕動作
開始時、または一度破砕振動体30が停止した後では、
周波数比較部46の比較結果と無関係に、スイッチ操作
などにより破砕振動体30の振動を直ちに開始させある
いは再開させることができる。
【0037】また、始動操作により発振駆動回路41が
発振を開始し、周波数比較部46から停止信号が発せら
れて、発振駆動回路41からの交流電界が断たれたとき
に、タイマによりカウントされた所定時間経過後に、自
動的に発振駆動回路41の発振を開始させることが可能
である。この発振再開後は、一定時間のうちに振動の周
波数Fbが低下しなかったら直ちに発振を停止させる。
また一定時間のうちに振動の周波数Fbが低下したら、
血管閉塞物Aの破砕または粉砕が完了して、振動の周波
数Fbが上昇するまで発振駆動回路41の間欠発振を継
続させる構造としてもよい。
【0038】次に図4に示す構造の破砕振動体30の具
体例を示す。圧電素子33a,33bを、PZT系セラ
ミックにより形成し、その直径を0.5mmから1.5
mmの範囲とし、積層体33の長さを5〜15mmとす
ると、前記駆動周波数Faを1kHzから100kHz
の範囲で選択できる。また破砕振動体30の振動による
力は、駆動周波数Faを30から40kHzとしたとき
に0.2N(ニュートン)程度を得ることができる。
【0039】なお、前記イメージング部17から超音波
を発振しそのエコーの検出で血管閉塞物Aを探査する場
合、必要となる周波数が1〜30MHz程度である。一
方、血管閉塞物Aの破砕のために圧電素子の積層体33
に与えられる交流電界は2〜100kHz程度である。
そこで、破砕振動体30の圧電素子の積層体33に1〜
30MHzの駆動周波数を与えることが可能な構造にす
れば、破砕振動体30から血管B内に1〜3MHzの超
音波を送信し且つそのエコーを検出し、イメージングを
行うことが可能である。またイメージング完了後に、閉
塞物Aの破砕を行うときには、破砕振動体30に与える
駆動周波数Faを2〜100kHzに切換えればよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明では、カテーテルの
先端部から突出した破砕振動体が、全体として超音波振
動体として機能して振動し、この振動により血管閉塞物
を破砕できるようにしているため、圧電素子により発せ
られる振動エネルギーを、血管閉塞物の破砕エネルギー
として効率的に変換できる。したがって電力消費を低減
でき、また発熱量も少なくなる。また破砕振動体は突出
方向へのみ共振振動しそれ以外の方向へ振動しないた
め、血管内壁などに余分な力を与えることがなく、正常
細胞を破損するおそれがない。
【0041】また、破砕振動体として、圧電素子の積層
体に共振体が接続されたものとすると、振動の発生効率
がよくなり、さらに低消費電力で、血管閉塞物を充分に
破砕する振動エネルギーを得ることができる。
【0042】また破砕振動体に生体親和性の材料層を設
けることにより、人体への悪影響を防止できる。
【0043】さらに、破砕振動体が閉塞物の破砕を完了
したときの振動周波数を検出し、これと駆動周波数とを
比較して破砕振動体の振動を停止させれるようにすれ
ば、閉塞物の破砕完了後の振動により血管内壁などを損
傷することを自動的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治療装置を示す斜視図、
【図2】図1の治療装置が血管に挿入された状態を示す
断面図、
【図3】破砕振動体の断面図、
【図4】他の実施例の破砕振動体の構造を示す断面図、
【図5】圧電素子の積層体と圧電駆動部の第1実施例を
示す回路ブロック図、
【図6】圧電駆動部の第2実施例を示す回路ブロック
図、
【図7】従来の治療装置が血管に挿入されている状態を
示す断面図、
【符号の説明】
10 カテーテル 11 先端部 14 ライトガイド 17 イメージング部 21 還流液送液部 22 吸引部 30 破砕振動体 31 支持体 32 クッション材 33 積層体 33a,33b 圧電素子 33c,33d 電極 40 圧電駆動部 41 発振駆動回路 45 電圧検出部 46 周波数比較部 51 検出用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 功 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 筏 宏臣 神奈川県相模原市横山台1丁目26番7号 川澄化学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管内に挿入されるカテーテルの先端部
    に、厚み方向へ振動する圧電素子が積層された破砕振動
    体が突出して設けられ、破砕振動体全体が突出方向へ共
    振振動することにより血管内の閉塞物が破砕されること
    を特徴とする治療装置。
  2. 【請求項2】 破砕振動体は、突出方向へ積層された圧
    電素子とその先端に固定された共振体とから構成される
    請求項1記載の治療装置。
  3. 【請求項3】 破砕振動体の少なくとも先端面には、生
    体親和性の材料層が設けられている請求項1または2記
    載の治療装置。
  4. 【請求項4】 個々の圧電素子に所定の駆動周波数の交
    流電界を与える発振駆動回路と、破砕振動体の振動周波
    数を検出する検出部と、圧電素子に与えられる交流電界
    の駆動周波数と検出部で検出された振動周波数とを比較
    して、この比較結果に基づいて発振駆動回路の発振を停
    止させる比較部とが設けられている請求項1ないし3の
    いずれかに記載の治療装置。
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