JPH08114455A - ジャイロのドリフト補正方法及び補正回路 - Google Patents

ジャイロのドリフト補正方法及び補正回路

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JPH08114455A
JPH08114455A JP7236112A JP23611295A JPH08114455A JP H08114455 A JPH08114455 A JP H08114455A JP 7236112 A JP7236112 A JP 7236112A JP 23611295 A JP23611295 A JP 23611295A JP H08114455 A JPH08114455 A JP H08114455A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】停車しなくてもドリフトを補正し得るジャイロ
のドリフト補正方法及びドリフト補正回路と地図データ
のある場所からない場所へ車が移動した場合もドリフト
の補正を続けるジャイロのドリフト補正回路の提供。 【構成】ジャイロセンサ3の出力をA/D変換手段6で
一定時間毎にA/D変換しデータAを得てFIRフィル
タ21に入力してその出力Bを得る。次に、マップマッ
チング手段7から車の方位データを一定時間毎にインタ
ーフェイス回路24を通して微分回路25に入力しその
出力Cを得てFIRフィルタ26に入力しその出力をD
とする。フィルタ出力B,Dを減算器22に入力してド
リフト補正値E=BーDを得る。そして、A/D変換手
段6からのデータAと補正値Eを減算器22に入力して
出力F=AーEを得る。この出力Fをジャイロ補正値と
してデットレコニング手段8に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体のナビゲーシ
ョン・システム等に用いるジャイロに関し、特に、その
ドリフト補正方法及びドリフト補正回路に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体、例えば、車のナビゲーション装
置は、角度センサにより方位の変化を測定し、その結果
を用いて表示装置に表示された地図上に自車位置を表示
し、運転者に現在位置を認識させることを目的としてい
る。
【0003】図8は上述の車載用ナビゲーション装置1
00の主要部分の構成例を示すブロック図であり、ジャ
イロセンサ(圧電振動ジャイロ(角度センサ))3の出
力電圧をA/D変換手段6でA/D変換しこの出力デー
タ(デジタル信号)をデットレコニング手段8に入力す
る。そして、距離センサとしてのスピードセンサー2か
らのデータをインターフェイス5を介してデットレコニ
ング手段8に取込みデットレコニング手段8でデットレ
コニング処理を行ない、その結果(座標データ)をマッ
プマッチング手段7に与える。マップマッチング手段7
はGPS1からの座標データに基づいて地図データを格
納している地図データ検索手段9から取り出し、デット
レコニング手段8により得られた座標データを比較し、
描画手段10により地図及び車両位置のイメージデータ
を合成し、表示手段11上に表示する(車載用ナビゲー
ション装置100はGPSデータを用いるナビゲーショ
ン方式を例としているが、GPSデータを用いないナビ
ゲーション方式であっても、ジャイロセンサ3,A/D
変換手段6,及びデットレコニング手段8間の構成は同
様である)。
【0004】なお、マップマッチング手段7,デットレ
コニング手段8,検索手段9,描画手段10は通常プロ
グラム(以下、ナビゲーションプログラム)によって行
われ、これらのナビゲーションプログラムの実行及びナ
ビゲーション装置全体の制御は制御部(図示せず)によ
って行われる。
【0005】上記従来のナビゲーション装置では、位置
表示を短い周期(例えば、1〜2秒周期)で行う場合、
デットレコニング処理とマップマッチング処理(後述)
をその周期で行っており、角度センサとして圧電振動ジ
ャイロを使用する場合、圧電振動ジャイロの出力電圧を
一定時間毎にサンプリングし、A/D変換してマイクロ
コンピュータに取り込みこれを1秒間周期で積分して積
分値を1秒間の角度変化量として求め、次に、この角度
変化量と距離センサからの移動距離により移動ベクトル
を求めて前回の座標にこれを加算することで新しい座標
を求めていた。また、車両の方位も前回の方位に角度変
化量を加算することにより新しい方位を求め(デットレ
コニング処理)ていた。
【0006】更に、ナビゲーション装置が持つ地図デー
タと上記車両の座標を比較することにより、表示地図上
で車両位置を修正していた(マップマッチング処理)。
しかしながら、圧電振動ジャイロでは停止中や直線走行
のようにセンサ出力がゼロであるべきときでも、温度や
湿度等の影響によるドリフト(Drift;ぶれ)が生ずる
ので出力電圧が完全には0(ゼロ)にならず、積分を続
けると誤差が大きくなってしまうという問題点があっ
た。
【0007】そして、このようなドリフトの補正方法と
して、 特公昭58−39360号公報には、一定時間が経
過したら車両が停止している間に圧電振動ジャイロの出
力電圧を計測してその直流成分X(ボルト)を求めてお
き、車両が走行している間はこのXを出力電圧から減算
してドリフトを除去する技術、すなわち、停止時の電圧
を基準電圧として一定時間毎に測定し、補正する方法が
開示されており、また、 特開平6−42976号公報には、マップマッチン
グ処理時に、直線道路を走行している場合にその道路の
方位を車両の方位とする技術、すなわち、地図情報によ
る(ジャイロ出力のオフセット補正による方位の修正)
方法が開示されている。更に、 特開平4−346023号公報には、車両がマップ
マッチング状態で、自車が走行中であると推定された道
路の地図データから第1のリンク情報を記憶し、この値
と一定時間経過した時点の第2のリンク方位からリンク
方位差を算出し、この期間のジャイロの方位変化量との
誤差からオフセット値を推定してジャイロのドリフトを
補正する技術が開示されている。なお、この技術ではG
PSの方位データが得られている場合はこのデータとジ
ャイロの出力から求めた方位データを比較してオフセッ
ト値を求めて補正する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術による圧電振動ジャイロのドリフト補正方法の特
徴は、 車の静止時の圧電振動ジャイロの出力電圧成分を用
いて車の走行時の圧電振動ジャイロの出力電圧を補正す
る、 車の直進時に、記憶されている地図情報に基づく道
路の方位を用いて積分後の角度を補正する、 車両がマップマッチング状態である場合にジャイロ
出力から得られたリンク方位とマップマッチングから得
られたリンク方位を比較し、その差を蓄積する事により
ドリフト補正値を求める、点にあり、それぞれ次の
(1),(2),(3)に示すような問題点があった。
【0009】(1) 上記の点に関しては、高速道路
や信号機のない道路(例えば、山間の細道)では停車す
る機会がなく静止時の電圧の計測ができない点。 (2) 上記の点に関しては、直線道路がない場合、
地図データのない場所では修正ができない。また、修正
可能な場合でも修正対象が積分データでありセンサデー
タ(例えば、圧電振動ジャイロの出力)ではない点。 (3) 上記の点に関しては、マップマッチング状態
を前提としているため、地図データの無い場所では補正
できず、そして現在のナビゲーション装置では車両の通
行できる全ての地図データを持っているわけではないの
で、補正のできる可能性が低い点。 また、車両は常に移動しているためマップマッチング状
態にあっても一時的に地図のない場所へ移動してしまう
可能性が高く、マップマッチング状態を維持することが
困難である点。さらに、マップマッチング状態にあって
も、リンク方位と車両の進行方向が一致しているとは限
らない点。例えば、 a.車線変更の為にハンドルを操作した場合にはリンク
方位と車両の進行方向が不一致となり、また、 b.高速道路等でパーキングエリアに入った場合にはリ
ンク方位と車両の進行方向が一致する可能性が低く、 c.曲り角の場合には、デジタル地図データでは曲り角
を2本のリンクで表現し、90度の曲りに対して1本の
リンクを0度、他の1本のリンクを90度と仮定してい
るが、実際の車両方位は時刻の経過と共に0度→1度→
2度→・・・・→89度→90度のように連続的に変化
するのに対し、リンク方位は上述したように0度か90
度のどちらかで現されるだけなので、リンク方位と実際
の車両方位からオフセット値を推定すると、一時的に大
きな誤差が生じてしまいジャイロのドリフト補正に悪い
影響があった。 更にまた、GPSの方位データは、車両の移動速度が遅
いと誤差が増大し、停止した場合には計算不能となり、
また、GPS受信機に人工衛星からの電波が入らない場
合にも計算が不可能になる点。ここで、上記問題の解決
課題として、停車できなくてもドリフト補正が実現でき
ればドリフトが発生しないためマップ・マッチング処理
の精度が向上する。また、地図データのある場所からな
い場所へ車が移動した場合でもドリフトの補正を続ける
ことができればナビゲーション装置の現在位置表示性能
が向上する。
【0010】本発明は上記問題点の解消及び上記課題の
解決を目的になされたものであり、(イ)停車しなくて
もドリフトを補正し得る圧電振動ジャイロのドリフト補
正方法及びドリフト補正回路の提供、及び、(ロ)地図
データのある場所からない場所へ車が移動した場合でも
ドリフトの補正を続け得るジャイロのドリフト補正回路
の提供、を目的とする。(ハ)さらに、車両がマップマ
ッチング状態に無く、地図データが無い場合でもジャイ
ロの補正ができるジャイロのドリフト補正方法及びドリ
フト補正回路の提供、及び、(ニ)補正値を求めるとき
に一時的な誤差を生じないジャイロのドリフト補正方法
及びドリフト補正回路の提供、及び、(ホ)GPSから
正確な方位データが得られない場合でもジャイロのオフ
セット補正ができるジャイロのドリフト補正方法及びド
リフト補正回路の提供、を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに第1の発明のジャイロのドリフト補正方法は、角度
変化を検出するジャイロセンサとマップマッチング手段
を含む移動体のナビゲーション装置において、(1)ジ
ャイロセンサからの出力信号から一定時間毎にデジタル
データを得て、該デジタルデータから所定時間内の第1
の移動平均値を求め、(2)マップマッチング処理によ
って得られた車両の方位データを一定時間毎に取り出し
てその差分値を得て、該差分値に基づいて所定時間内の
第2の移動平均値を求め、(3)上記第1の移動平均値
と第2の移動平均値との差を求めてドリフト補正値と
し、(4)デジタルデータと上記ドリフト補正値の差を
算出し補正済ジャイロデータを得る、ことを特徴とす
る。
【0012】第2の発明は上記第1の発明のジャイロの
ドリフト補正方法において、更に、ステップ(3)で求
めたドリフト補正値を保存し、ステップ(4)での補正
済ジャイロデータの計算時に当該保存されたドリフト補
正値を取り出して用いる、ことを特徴とする。
【0013】第3の発明は、上記第1または第2の発明
のジャイロのドリフト補正方法において、移動体が当該
移動体のナビゲーション装置の格納部に格納されている
地図データに規定する範囲以外の場所に移動した時には
ドリフト補正値の更新を停止して、ドリフト補正を継続
することを特徴とする。
【0014】第4の発明のジャイロのドリフト補正回路
は、角度変化を検出するジャイロセンサと、マップマッ
チング手段と、を含む移動体のナビゲーション装置にお
いて、上記ジャイロセンサからの出力データを入力して
一定時間毎の第1の移動平均値を求める第1の演算手段
と、前記マップマッチング手段からの移動体の方位デー
タの差分値を入力して一定時間毎の第2の移動平均値を
求める第2の演算手段と、第1の移動平均量から第2の
移動平均量を減算してドリフト補正量を求める第1の減
算手段と、前記ジャイロセンサからの出力データよりド
リフト補正量を減算して補正済ジャイロデータを得る第
2の減算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】第5の発明は、第4の発明の回路におい
て、第1の演算手段と第2の演算手段との入力側に、前
記ジャイロセンサからの出力データを所定時間遅延させ
る遅延手段を設けたことを特徴とする。
【0016】第6の発明のジャイロのドリフト補正回路
は、角度変化を検出するジャイロセンサと、マップマッ
チング手段と、を含む移動体のナビゲーション装置にお
いて、上記ジャイロセンサからの出力データの現在から
過去のN回分の第1の和データを計算する第1の和演算
手段と、前記マップマッチング手段からの移動体の方位
データの差分値の現在から過去のN回分の第2の和デー
タを計算する第2の和演算手段と、第1の和データから
第2の和データを減算して差出力を得る第1の減算手段
と、上記差出力を入力データと比較する比較手段と、上
記比較手段の出力を積分しその積分出力を上記入力デー
タとして比較手段に戻すと共に該積分出力を時間で除算
してドリフト補正値を得る演算手段と、前記ジャイロセ
ンサからの出力データよりドリフト補正値を減算して補
正済ジャイロデータを得る第2の減算手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0017】第7の発明のジャイロのドリフト補正回路
は、角度変化を検出するジャイロセンサと、マップマッ
チング手段と、を含む移動体のナビゲーション装置にお
いて、上記ジャイロセンサからの出力データの現在から
過去のN回分の第1の和データを計算する第1の和演算
手段と、前記マップマッチング手段からの移動体の方位
データの差分値の現在から過去のN回分の第2の和デー
タを計算する第2の和演算手段と、第1の和データから
第2の和データを減算して差出力を得る第1の減算手段
と、上記差出力を入力データと比較する比較手段と、上
記比較手段の出力を積分しその積分出力を上記入力デー
タとして比較手段に戻すと共に該積分出力をFIRフィ
ルタに入力させてドリフト補正値を得る演算手段と、前
記ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正値
を減算して補正済ジャイロデータを得る第2の減算手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0018】第8の発明のジャイロのドリフト補正回路
は、角度変化を検出するジャイロセンサと、マップマッ
チング手段と、を含む移動体のナビゲーション装置にお
いて、上記ジャイロセンサからの出力データの現在から
過去のN回分の第1の和データを計算する第1の和演算
手段と、前記マップマッチング手段からの移動体の方位
データの差分値の現在から過去のN回分の第2の和デー
タを計算する第2の和演算手段と、第1の和データから
第2の和データを減算して差出力を得る第1の減算手段
と、上記差出力を入力データと比較する比較手段と、上
記比較手段の出力データの現在から過去のN回分の第3
の和データを計算し該第3の和データを上記入力データ
として比較手段に戻すと共に該第3の和データを所定の
定数で除算してドリフト補正値を得る演算手段と、前記
ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正値を
減算して補正済ジャイロデータを得る第2の減算手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0019】第9の発明は第4の回路の発明において、
第1及び第2の演算手段がFIRフィルタであることを
特徴とする。
【0020】第10の発明のジャイロのドリフト補正回
路は、角度変化を検出するジャイロセンサと、地図情報
を格納した格納部と、ジャイロセンサ出力から電圧変化
データを得る変換手段と、該変換手段の出力及び距離セ
ンサから得た移動距離量から座標変化量を得て前回の座
標に今回の変化量を加算して座標データを得るデットレ
コニング手段と、デットレコニング手段からの方位デー
タと前記地図情報に基づいて移動体の現在位置を得るマ
ップマッチング手段と、を含む移動体のナビゲーション
装置のジャイロのドリフト補正回路であって、変換手段
からの電圧変化データを入力して一定時間内の第1の移
動平均量を得る第1のフィルタ手段と、マップマッチン
グ手段からの移動体の方位データの差分値に基づいて一
定時間内の第2の移動平均量を得る第2のフィルタ手段
と、第1の移動平均量と第2の移動平均量との差を得る
第1の減算手段と、電圧変化データと第1の減算手段の
出力の差を得て前記デットレコニング手段に与える第2
の減算手段と、を有することを特徴とする。
【0021】第11の発明は、上記第10の発明のドリ
フト補正回路において、更に、第1及び第2のフィルタ
手段に時間情報を与えるクロックパルス発生手段と、移
動体が当該移動体のナビゲーション装置の格納部に格納
されている地図データに規定する範囲以外の場所に移動
した時にはドリフト補正値の更新をしないようクロック
パルス発生手段からの時間情報を遮断するスイッチ手段
と、を有することを特徴とする。
【0022】第12の発明は、上記第10または第11
の発明のドリフト補正回路において、更に、変換手段と
第1のフィルタ手段との間にマップマッチング手段にお
ける差分値出力時間相当分の遅延を行わせる遅延手段を
設けることを特徴とする。
【0023】第13の発明は、角度変化を検出するジャ
イロセンサと、地図情報を格納した格納部と、ジャイロ
センサ出力から電圧変化データを得る変換手段と、該変
換手段の出力及び前記距離センサから得た移動距離量か
ら座標変化量を得て前回の座標に今回の変化量を加算し
て座標データを得るデットレコニング手段と、デットレ
コニング手段からの座標データと地図情報に基づいて移
動体の現在位置を得るマップマッチング手段と、を含む
移動体のナビゲーション装置のジャイロのドリフト補正
回路であって、変換手段からの電圧変化データを入力し
て現在から過去のN回分のデータの和を計算する第1の
N点和演算手段と、前記マップマッチング手段から移動
体の方位データを得て方位データの差分値を得る微分手
段と、前記微分手段の出力を入力して現在から過去のN
回分のデータの和を計算する第2のN点和演算手段と、
第1及び第2のN点和演算手段の出力の差を出力する第
1の減算手段と、第1の減算手段の出力に基づいてドリ
フト補正値の応答をマップマッチング手段における差分
値出力時間相当分遅延させてドリフト補正値を得る補正
値応答遅延手段と、電圧変化データからドリフト補正値
を減算する第2の減算手段と、を有することを特徴とす
る。
【0024】第14の発明のジャイロのドリフト補正方
法は、角度変化を検出するジャイロセンサと、デットレ
コニング手段と、マップマッチング手段と、を含む移動
体のナビゲーション装置において、下記(1)乃至
(5)のステップを含むことを特徴とする。 (1)表示車両方位を得て時刻と共に記憶し、 (2)ジャイロセンサからの出力を積分してジャイロ方
位とし、一定時間経過した場合はステップ(3)を実行
し、経過していない場合は上記積分を繰返す。 (3)上記一定時間が経過した時点の表示車両方位を取
得し、方位差を得る。 (4)方位差とジャイロ方位の差分を求め、該差分を上
記一定時間で除算することによりオフセット補正値を得
る、 (5)ジャイロ出力から上記オフセット補正値を減算し
てジャイロ出力の補正を行う。
【0025】第15の発明は上記第14の発明のジャイ
ロのドリフト補正方法において、マップマッチング手段
で得た座標を自車位置と推定して該推定値により道路上
に自車位置が決定された場合に該道路の方向を表示車両
方位とし、マップマッチング手段で得た推定値により道
路上に自車位置が決定できない場合にはデットレコニン
グ処理で得た推測位置を現在位置として車両方向を表示
車両方位とする、ことを特徴とする。
【0026】第16の発明は上記第14の発明のジャイ
ロのドリフト補正方法において、自律航法で得た座標と
GPSから得た座標の差が大きいときはGPSから得た
方位を表示車両方位とし、GPSの受信ができないと
き、或いはGPSから得た座標とマップマッチング手段
で得た座標の差が少ないときには、マップマッチング手
段で得た座標を自車位置と推定して該推定値により道路
上に自車位置が決定された場合に該道路の方向を表示車
両方位とし、マップマッチング手段で得た推定値により
道路上に自車位置が決定できない場合にはデットレコニ
ング処理で得た推測位置を現在位置として車両方向を表
示車両方位とする、ことを特徴とする。
【0027】第17の発明のジャイロのドリフト補正装
置は、GPS受信機と、角度変化を検出するジャイロセ
ンサと、デットレコニング手段と、マップマッチング手
段と、とを含む移動体のナビゲーション装置において、
自律航法で得た座標とGPSから得た座標の差が大きい
ときはGPSから得た方位を表示車両方位とし、GPS
の受信ができないとき、或いはGPSから得た座標とマ
ップマッチング手段で得た座標の差が少ないときには、
マップマッチング手段で得た座標を自車位置と推定して
該推定値により道路上に自車位置が決定された場合に該
道路の方向を表示車両方位とし、マップマッチング手段
で得た推定値により道路上に自車位置が決定できない場
合にはデットレコニング処理で得た推測位置を現在位置
として車両方向を表示車両方位とする表示車両方位選択
手段と、表示車両方位選択手段から表示車両方位を得て
時刻と共に記憶する記憶手段と、ジャイロセンサからの
出力を一定時間積分してジャイロ方位データを得る積分
手段と、前記一定時間経過後にその時点の表示車両方位
を取得し前記記憶された表示車両方位データとの方位差
を得る方位差検出手段と、上記方位差とジャイロ方位の
差分を求め、該差分を上記一定時間で除算することによ
りオフセット補正値を得るオフセット補正値算出手段
と、前記ジャイロ出力から上記オフセット補正値を減算
してジャイロ出力の補正を行うオフセット補正手段と、
とを有することを特徴とする。
【0028】第18の発明は上記第17の発明のジャイ
ロのドリフト補正回路において、更に、地磁気センサを
備え、マップマッチング手段で得た推定値により道路上
に自車位置が決定できない場合に前記補正されたジャイ
ロ出力に代えて上記地磁気センサからの角度データ値を
デットレコニング手段の入力として用いることを特徴と
する。
【0029】
【発明の実施の態様】第1の発明のジャイロのドリフト
補正方法では、ジャイロセンサからの出力信号から一定
時間毎にデジタルデータを得て、該デジタルデータから
所定時間内の第1の移動平均値を求め、マップマッチン
グ処理によって得られた車両の方位データを一定時間毎
に取り出してその差分値を得て、該差分値に基づいて所
定時間内の第2の移動平均値を求め、第1の移動平均値
と第2の移動平均値との差を求めてドリフト補正値と
し、デジタルデータと上記ドリフト補正値の差を算出し
補正済ジャイロデータを得るので、車両の(停止又は移
動)状態に拘らずドリフト補正値を得ることができる。
【0030】第2の発明のドリフト補正方法では、第1
の発明において、求めたドリフト補正値を保存し、補正
済ジャイロデータの計算時に当該保存されたドリフト補
正値を取り出して用いるので、移動体が地図データに規
定する範囲以外の場所に位置する場合等、地図データが
ない場所に移動した時には、保存されている前回の補正
値が今回の補正済ジャイロデータの計算データとして用
いられる。
【0031】第3の発明のジャイロのドリフト補正方法
では、上記第1または第2の発明において、移動体が当
該移動体のナビゲーション装置の格納部に格納されてい
る地図データに規定する範囲(例えば、地図データに規
定する道路)以外の場所に位置する時にはドリフト補正
値の更新を停止して、ドリフト補正を継続するので、前
回の補正値により補正済ジャイロデータが計算される。
【0032】第4の発明では、ジャイロセンサからの出
力データ及びマップマッチング手段からの方位データよ
り一定時間毎に第1及び第2の移動平均値を求め、両者
を減算することによってドリフト値を得て、補正済ジャ
イロデータを求める。
【0033】第5の発明では第4の発明において、ジャ
イロセンサからの出力データを所定時間遅延させ、マッ
プマッチング手段での計算時間に対応できるようにす
る。
【0034】第6の発明では、第4の発明での第1及び
第2の移動平均量に代えて、現在から過去のN回分の第
1及び第2の和データを計算すると共にその差出力の比
較、積分及び時間除算を行ってドリフト補正値を得る。
【0035】第7の発明では、第6の発明での時間除算
に代えてFIRフィルタによる演算を行わせる。
【0036】第8の発明では、第6の発明での積分及び
時間除算に代えて、比較出力データの現在から過去のN
回分の第3の和データを計算し、該第3の和データを定
数で除算してドリフト補正値を得る。
【0037】第9の発明では、第6の発明での第1及び
第2の移動平均量を、FIRフィルタで求める。
【0038】第10の発明のジャイロのドリフト補正回
路では、第1のフィルタ手段により変換手段からの電圧
変化データを入力して一定時間内の第1の移動平均量を
得て、第2のフィルタ手段によりマップマッチング手段
から移動体の方位データの差分値を基に一定時間内の第
2の移動平均量を得て、第1の減算手段により第1の移
動平均量と第2の移動平均量との差(ドリフト補正値)
を得て、車両の(停止又は移動)状態に拘らずドリフト
補正値を得ることができる。また,第2の減算手段によ
り電圧変化データと第1の減算手段の出力の差を得てデ
ットレコニング手段に与えるので、デットレコニング手
段によるより正確な方位決定を可能とする。
【0039】第11の発明のジャイロのドリフト補正回
路は、第10の発明において、移動体が当該移動体のナ
ビゲーション装置の格納部に格納されている地図データ
に規定する範囲以外の場所に位置する時にはドリフト補
正値の更新を停止して、ドリフト補正を継続するので、
前回の補正値により補正済ジャイロデータが計算され
る。
【0040】第12の発明のジャイロのドリフト補正回
路は、第10または第11の発明において、変換手段と
第1のフィルタ手段との間にマップマッチング手段にお
ける差分値出力時間相当分の遅延を行わせる遅延手段を
設けるので、マップマッチング手段による差分出力時間
内に生じ得るドリフト補正値の大きな変動が抑制され
る。
【0041】第13の発明のジャイロのドリフト補正回
路は、ドリフト補正値の応答をマップマッチング手段に
おける差分値出力時間相当分遅延させてドリフト補正値
を得る補正値応答遅延手段により、マップマッチング手
段による差分値出力時間内に生じ得るドリフト補正値の
大きな変動が抑制される。
【0042】第14の発明のジャイロのドリフト補正方
法は、表示車両方位を得て時刻と共に記憶し、ジャイロ
センサからの出力を積分してジャイロ方位とし、一定時
間経過した場合は上記一定時間が経過した時点の表示車
両方位を取得し、方位差を得る。次に、方位差とジャイ
ロ方位の差分を求め、該差分を上記一定時間で除算する
ことによりオフセット補正値を得てジャイロ出力から上
記オフセット補正値を減算してジャイロ出力の補正を行
う。
【0043】第15の発明は上記第14の発明のジャイ
ロのドリフト補正方法において、マップマッチング手段
で得た推定値により道路上に自車位置が決定できない場
合にはデットレコニング処理で得た推測位置を現在位置
として車両方向を表示車両方位として、オフセット補正
値を得てジャイロ出力の補正を行う。
【0044】第16の発明は上記第14の発明のジャイ
ロのドリフト補正方法において、GPSから得た方位,
マップマッチング手段で得た車両方位,デットレコニン
グ処理で得た車両方向のいずれかをその時点のGPSま
たはマップマッチングの状態により選択して表示車両方
位として、オフセット補正値を得てジャイロ出力の補正
を行う。
【0045】第17の発明のジャイロのドリフト補正装
置は、表示車両方位選択手段から表示車両方位を得て時
刻と共に記憶し、ジャイロセンサからの出力を一定時間
積分してジャイロ方位データを得て、表示車両方位と記
憶された表示車両方位データとの方位差を得て、方位差
とジャイロ方位の差分を求めて時間で除算することによ
りオフセット補正値を得る。そして、ジャイロ出力から
上記オフセット補正値を減算してジャイロ出力の補正を
行う。これにより多くの情報からその時点で一番正確と
判定された情報をナビゲーション装置が選択して得た表
示車両方位を用いることになり、個々の情報の欠点を補
った精度の高いジャイロのドリフト補正が実現する。な
お、地図データの無い場所では、表示車両方位を求める
ために使用できるデータが方位センサからのデータとG
PSの方位データだけとなる。よって、表示車両方位は
方位センサからの方位データ、またはGPSが受信可能
で信頼できる場合にGPSの方位データそのものとな
る。そこで、方位センサのデータで表示車両方位が求ま
るとき、ジャイロの出力を方位センサとして用いると誤
差検出手段の出力がゼロとなってしまう。しかし、車両
が地図データがない場所に移動する以前に地図データの
ある場所を走行していた場合にはその間に積分手段にオ
フセット値が累積している。これに対し、方位差検出手
段ではオフセット値の累積がないため車両が地図データ
が無い場所に移動してからしばらくの間はオフセット補
正が可能となる。そして、オフセット補正量が時間の経
過と共に減少していき最終的にゼロとなる。したがっ
て、地図データのある場所を走行したあとなら短時間で
あれば地図データの無い場所を走行してもオフセットが
補正される。また、その途中でGPSの方位データが得
られる場合には、その時点までのマップマッチングに蓄
積されたオフセット値が捨てられるため長時間地図デー
タの無い場所を走行していてもオフセットが補正でき
る。
【0046】第18の発明では、地磁気センサを方位セ
ンサとして用いるので地磁気センサの角度のオフセット
にジャイロ出力の積分値が追従する。よって積分制御と
なり、ジャイロのオフセットはゼロに補正される。
【0047】
【実施例】本発明に基づくジャイロのドリフト補正方法
は、図8のナビゲーション装置100を例とすれば、ジ
ャイロセンサ3からの出力信号を一定時間毎にA/D変
換してデータAを得て、データAから所定時間tの移動
平均値Bを求める(但し、地図データがない時には後述
の補正値Eを計算しない)。次に、ナビゲーション装置
100のマップマッチング手段7から車両の方位データ
を一定時間毎に取り出しその差分値Cを求め、差分値C
から所定時間tの移動平均値Dを求める。上記2つの移
動平均値B,Dから差(B−D)を求め補正値Eとす
る。そして、データAと補正値Eの差(E−A)を計算
し補正済ジャイロデータFを得る。なお、補正値Eは毎
回保存され、保存された補正値は補正済ジャイロデータ
Fの計算時に取り出される。
【0048】<実施例1>図2は、本発明に基づくジャ
イロのドリフト補正方法の一実施例を示すフローチャー
トであり、コンピュータプログラムにより実現した例で
ある(説明上、本実施例のプログラムを実行するナビゲ
ーション装置の構成として図8のナビゲーション装置1
00を例とする)。なお、ここで、ジャイロのドリフト
プログラムはナビゲーション装置100のナビゲーショ
ン動作を実行するナビゲーションプログラムの一部分
(サブルーチン)としてROM(図示せず)に格納さ
れ、ナビゲーション装置100のナビゲーション動作の
実行時に取り出されてナビゲーション装置100のCP
U(図示せず)により実行制御される。
【0049】図1において、ステップS1ではジャイロ
センサ3からの出力信号を一定時間毎にA/D変換され
たデジタルデータを読んでデータAとし、ステップS2
に移行する。ステップS2で、マップマッチング手段7
を介して地図データ検索手段9から現在位置付近の地図
データが得られるか否か(地図データの有無)を判定
し、地図データが得られる場合にはステップS3に移行
し、地図データが得られない場合にはステップS7に移
行する。ステップS3で、ステップS1で得たデータA
から10分間の移動平均値を計算しその結果をBとして
ステップS4に移行する。ステップS4で、ナビゲーシ
ョン装置100のマップマッチング手段7から車両の方
位データ(ナビゲーション装置100ではマップマッチ
ング手段7の車両方位データを車両位置の描画に用いて
いるのでこの車両方位データを流用する)を一定時間毎
に取りだしメモリ(図示せず)に保存している前回の方
位データとの差を求め差分値Cとし、ステップS5に移
行する。
【0050】ステップS5で、差分値Cから10分間の
移動平均値を計算してその結果をDとし、ステップS6
に移行する。ステップS6で、補正値E=B−Dを算出
し、その結果をメモリ(図示せず)に保存してステップ
S7に移行する。ステップS7で、メモリに保存した補
正値Eを取りだし、データAと補正値Eの差(E−A)
を計算し補正済ジャイロデータFを得る。なお、補正値
Eは毎回保存され、保存された補正値は補正済ジャイロ
データFの計算時に取り出されるので、ステップS2の
判定で地図データがない場合には、保存されている前回
の補正値Eが今回の補正済ジャイロデータFの計算デー
タとして用いられる。そして、得られた補正済ジャイロ
データFをナビゲーション装置100のデットレコニン
グ手段8にジャイロセンサ出力の補正済みデータとして
引き渡す。
【0051】<実施例2>図2で(a)は本発明に基づ
くジャイロのドリフト補正回路の一実施例の構成を示す
ブロック図であり、ドリフト補正回路20はナビゲーシ
ョン装置100のA/D変換手段6,デットレコニング
手段8,及びマップマッチング手段7に接続する回路で
ある。なお、本実施例では、説明上、ナビゲーション装
置100の各構成部分1〜11は図8と同様とする。ド
リフト補正回路20で、21は第1のFIRフィルタ、
22,23は減算器、24はインターフェイス、25は
微分回路、26は第2のFIRフィルタ、27はクロッ
ク発生器、28はスイッチである。また、図2で(b)
はドリフト補正回路20のFIRフィルタ21,26の
構成例、(c)はドリフト補正回路20の微分回路25
の構成例である。
【0052】図2で、ジャイロセンサ3の出力をA/D
変換手段6で一定時間毎にA/D変換し、デジタルデー
タAを得て第1のFIRフィルタ21に入力してその出
力をBとする。次に、ナビゲーション装置100のマッ
プマッチング手段7から車両の方位データを一定時間毎
にインターフェイス回路24を通して微分回路25に入
力しその出力Cを得て、出力Cを第2のFIRフィルタ
26に入力しその出力をDとする。これら2つのフィル
タ出力を減算器22に入力してドリフト補正値E=B−
Dを得る。そして、A/D変換手段6からのデータAと
補正値Eを減算器22に加えて出力F=A−Eを得る。
この出力Fをジャイロ補正値としてデットレコニング手
段8に与える。
【0053】なお、ここで、図2(a)の例に示すよう
に第1のFIRフィルタ21及び第2のFIRフィルタ
26にはクロック発生器27からクロックが供給される
が、地図データがない場合にはスイッチ28をOFFに
してクロックの供給を停止し、補正値Eをホールドす
る。これにより、地図データがない場合には減算器23
にはデータAと前回の補正値Eが与えられることとな
る。
【0054】FIRフィルタ21,26は図2(b)の
ブロック図に示すように、N個の遅延回路221(遅延
時間T)と、N+1個の乗算器222及びN個の加算器
223を有し、入力信号(IN)はまず、1次のフィル
タ段階で乗算回路222−0により係数h0が掛けられ
加算器223−1に入力される。また、遅延回路221
−1で時間Tだけ遅延され入力信号(IN)に乗算回路
222−1により係数h1が掛けられ加算器223−1
に入力されこれら2つの信号が加算される。
【0055】2次のフィルタ段階では遅延回路221−
2で時間2Tだけ遅延され入力信号(IN)に乗算回路
222−2により係数h2が掛けられ加算器223−2
に入力される。また、加算器223−2には加算器22
2ー2の結果が入力されこれら2つの信号が加算され
る。
【0056】同様に、i次のフィルタ段階では遅延回路
221−iで時間i・Tだけ遅延され入力信号(IN)
に乗算回路222−iより係数hiが掛けられ加算器2
23−iに入力される。また、加算器223−iには加
算器222−(iー1)の結果が入力されこれら2つの
信号が加算される。このように、FIRフィルタを用い
ることにより係数h0〜Hnを適当に選ぶことにより移
動平均値を得ることができる。
【0057】微分回路25は図2(c)の例に示すよう
に遅延回路251(遅延時間T)と減算回路252から
なり、入力信号(IN)の一方を減算器252の正端子
に加え、入力信号(IN)の他方を遅延回路251を通
して時間Tだけ遅延させ減算器252の負端子に加える
ことにより差分値を得る。
【0058】<実施例3>上記実施例1のドリフト補正
方法及び実施例2のドリフト補正回路20では車両が交
差点を曲った時にマップマッチング手段7からその曲り
に相当する差分値が直ちに得られるものと仮定してい
る。しかしながら、マップマッチング手段7による計算
には1〜5秒程度の時間が必要であり、この期間にはド
リフト補正値が大きく変動する可能性がある。そこで、
本実施例では車両が交差点を曲がった時に要するマップ
マッチング処理による差分値計算時間内のドリフト補正
値の変動抑制機能を加えたドリフト補正回路の構成例に
ついて、図3のブロック図により説明する。
【0059】図3は本発明に基づくジャイロのドリフト
補正回路の一実施例の構成を示すブロック図であり、ド
リフト補正回路30はナビゲーション装置100のA/
D変換手段6,デットレコニング手段8,及びマップマ
ッチング手段7に接続する回路である。なお、本実施例
では、説明上、ナビゲーション装置100の各構成部分
1〜11は図8と同様とする。
【0060】ドリフト補正回路30で、21は第1のF
IRフィルタであり第1のフィルタ手段に相当し、2
2,23は減算器、24はインターフェイス、25は微
分回路、26は第2のFIRフィルタ、31は遅延回路
であり、第1のFIRフィルタ21〜第2のFIRフィ
ルタ26までの構成は図2のドリフト補正回路20と同
様である。なお、本実施例では微分回路25及び第2の
FIRフィルタは第2のフィルタ手段を構成する。本実
施例のドリフト補正回路30ではA/D変換手段6から
のデータAに遅延回路31により遅延時間を与えてマッ
プマッチング手段7によるマップマッチング処理の計算
時間に相当する時間だけ遅延させる。これによりマップ
マッチング手段による差分出力相当時間内に生じ得るド
リフト補正値の大きな変動を小さくし、抑制する。他の
処理は図2のドリフト補正回路30と同様であり、説明
を省略する。
【0061】<実施例4>本実施例は一時的に演算回路
41,51の出力に誤差が大きく発生した場合に、これ
にリミッタをかける回路を示す。図4で、ドリフト補正
回路40はナビゲーション装置100のA/D変換手段
6,デットレコニング手段8,及びマップマッチング手
段7に接続する回路である。なお、本実施例では、説明
上、ナビゲーション装置100の各構成部分1〜11は
図8と同様とする。
【0062】ドリフト補正回路40で、41,51はN
点和の演算回路、42は減算回路、43はコンパレー
タ、44は積分回路、45はクロックパルス発生回路、
46はカウンタ回路、47は除算回路、48は減算器、
49はインターフェイス、50は微分回路である。な
お、本実施例ではコンパレータ43,積分器44,クロ
ックパルス発生回路45,カウンタ回路46,及び除算
回路47はリミッタを構成する。ドリフト補正回路40
では図2のFIRフィルタ(第1のFIRフィルタ2
1,第2のFIRフィルタ26)をN点和の演算回路4
1,51と乗算回路(実際には除算回路47)に分割し
て、その間でコンパレータ43と積分回路44を用いる
ことによりドリフト補正値の一時的な変動を抑制する。
ここで、N点和の演算回路41,51は図7(a)に示
す構成の回路であり、N点の有限離散時間x(n)に対
し、下記式(1)による演算を行う回路である。
【0063】
【数1】
【0064】すなわち、N個の遅延回路411(遅延時
間T)と、N個の加算器412を有し、入力信号(I
N)は、先ず、遅延回路411−1で時間Tだけ遅延さ
れ、加算器412−2に入力される。また、加算器41
2−2には入力信号(IN)が入力されこれら2つの信
号が加算される。次に、入力信号は遅延回路411−2
で時間2Tだけ遅延され加算器412−2に入力され
る。また、加算器412−2には加算器412−1の結
果が入力されこれら2つの信号が加算される。同様に、
入力信号は遅延回路411−iで時間i・Tだけ遅延さ
れ加算器412−iに入力される。また、加算器412
−iには加算器412(i−1)の結果が入力されこれ
ら2つの信号が加算される。これにより、時系列データ
に対し現在から過去のN回分のデータの和が計算され
る。
【0065】図4のドリフト補正回路40では、N点和
の演算回路41,51の出力を減算回路42に加え差出
力を得て、コンパレータ43に入力する。コンパレータ
43はもう一方の入力データ(積分回路44の出力)と
の比較を行い、2つの入力の差が一定範囲ε内(ε≧
0)であれば0(ゼロ)を出力し、差出力側が大きけれ
ば正の値を、その反対なら負の値を出力する。この値を
図7(b)に示すような積分回路44に入力して積分を
行い、その出力をコンパレータ43に戻す。このような
動作により積分回路44の出力には差出力に追従した出
力が得られる。なお、クロックパルス発生器45とカウ
ンタ回路46により時間データが得られる。上記出力を
除算回路47で時間で除算することにより変動の小さい
ドリフト補正値が得られる。このドリフト補正値を減算
器48に入力し、データAからの差F=A−Eを得る。
この出力Fをジャイロ補正値としてデットレコニング手
段8に与える。
【0066】<実施例5>本実施例は一時的に演算回路
41,51の出力に誤差が大きく発生した場合に、これ
にリミッタをかける回路を示す。図5で、ドリフト補正
回路50はナビゲーション装置100のA/D変換手段
6,デットレコニング手段8,及びマップマッチング手
段7に接続する回路である。なお、本実施例では、説明
上、ナビゲーション装置100の各構成部分1〜11は
図8と同様とする。ドリフト補正回路50は、図4のド
リフト補正回路40において除算回路47の代りにFI
Rフィルタ55を用いるものであり、コンパレータ43
と積分回路44を用いることによりドリフト補正値の一
時的な変動を抑制する。
【0067】<実施例6>本実施例は一時的に演算回路
41,51の出力に誤差が大きく発生した場合に、これ
にリミッタをかける回路を示す。図6で、ドリフト補正
回路60はナビゲーション装置100のA/D変換手段
6,デットレコニング手段8,及びマップマッチング手
段7に接続する回路である。なお、本実施例では、説明
上、ナビゲーション装置100の各構成部分1〜11は
図8と同様とする。ドリフト補正回路60は、図4のド
リフト補正回路40において積分回路44の代りにN点
和の演算回路61を用い、時間による除算を行う除算回
路47を定数により除算を行う除算回路62としたもの
であり、コンパレータ43を用いることによりドリフト
補正値の一時的な変動を抑制する。
【0068】上記実施例3〜実施例6でドリフト補正値
の変動を小さくする回路(図3〜図6のドリフト補正回
路30,40,50,60)を示したが、実施例1の場
合と同様にプログラムによりこれらの回路を実現するこ
とができる。
【0069】<実施例7>図9は本発明のナビゲーショ
ン装置の他の実施例の構成を示すブロック図であり、G
PS受信機201,距離センサ202,地磁気センサ2
03,ジャイロセンサ204,デットレコニング手段2
06,マップマッチング手段207,地図データ21
0,表示車両方位選択手段211,表示装置212は前
述の実施例1〜6で説明したナビゲーション装置の構成
と同様であり、本実施例でナビゲーション装置200は
それらに積分手段221〜オフセット補正手段235か
らなるオフセット補正部を付加した構成をなす。また、
オフセット補正手段は望ましくはナビゲーション装置2
00のナビゲーション動作を実行するナビゲーションプ
ログラムの一部分(サブルーチン)としてROM(図示
せず)に格納され、ナビゲーション装置200のナビゲ
ーション動作の実行時に取り出されてナビゲーション装
置200のCPU(図示せず)により実行制御される。
【0070】図9に示すように、ナビゲーション装置2
00はGPS受信機201,距離センサ202,地磁気
センサ203やジャイロセンサ204のような方位セン
サ等から情報を得てデットレコニング手段206及びマ
ップマッチング手段207等による処理を経て自車位置
を推定して地図データ210を検索し、表示データ作成
手段211によりオフセット補正に用いる表示車両方位
をGPSまたはマップマッチングの状態から判定して選
択し表示データを作成して、表示装置212上に地図を
描画し、図10の例に示すように地図300上に自車位
置マーク301を表示する。
【0071】デットレコニング手段206では距離セン
サ202からの移動距離と方位センサからの方位変化量
θを用いて次式により移動ベクトルを求める。推定車両
方位は前回の方位をθ0 とするとθ0 +θとなる。 Δx=1cos(θ0 + θ) Δy=1sin(θ0 + θ) この(x,y)が推測位置であり、マップマッチング手
段207の入力データとなる。マップマッチング手段2
07では上記推測位置と地図データ209を用いて地図
上の自車位置を推定する。マップマッチング手段207
は、まず、車両が直進しているか旋回しているかを判定
する。直進している場合には車両の進行方位に近い道路
を選択する。次に、過去にマップマッチングでできた道
路に接続される道路を選択する。そして、推測位置から
最も近い道路を1本選択し、この選択された道路に推測
位置から垂線を下し、道路との交点を自車位置とする。
旋回している場合には、車両の方位変化の過程と道路の
方位変化の形状を比較して道路を1本選択し、この選択
された道路に推測位置から垂線を下し、道路との交点を
自車位置とする。ただし、進行方向に近い道路がなかっ
たり、接続されている道路がなかったり、道路の形状が
一致しなかった場合には自車位置を推測位置とする。
【0072】さらに、道路を見付けた場合にはマップマ
ッチングの車両方位を道路の方位とする。自車位置を推
測位置とした場合には、マップマッチングの車両方位を
道路の方位とする。自車位置を推測位置とした場合には
θ0 +θをマップマッチング処理で得た車両方位とす
る。ここまででマップマッチング処理が完了するが、G
SPデータが信頼できるときには次の処理を行う。マッ
プマッチング処理の結果得た自車位置座標とGPSデー
タの座標が大きくずれている場合には自車位置のデータ
を捨ててGPSデータを自車位置とし、GPSデータの
方位データを表示車両方位とする。このようにして、セ
ンサとGPSから自車位置と表示車両方位が得られる
が、これでも正確に実際の車両方位が得られるとは限ら
ない。例えば駐車場でナビゲーションシステムの電源を
切ったままターンテーブルで車両を回転させたり、立体
駐車場で旋回を繰返した場合等ではGPSの方位デー
タ、地図データ、ジャイロセンサのデータのいずれもが
使えない。これに対しては表示車両方位のマニアル修正
が有効となる。ナビゲーションシステムでは一般的に
「自車位置修正」、「自車方位修正」の機能が備えられ
ており、これらは地図表示画面で自車位置と表示車両方
位を自車マークを使って表示しているとき、実際の位置
または方位と表示が一致していないと運転者が認識した
場合に情報入力手段により運転者の推定した位置または
方位に修正を行う機能であり、この機能を用いることに
より前述の様な特殊な状態の場合でも正確な表示車両方
位が決められる。このようにマップマッチング処理によ
り自車位置とマップマッチングの車両方位が決定される
と自車位置を中心とした地図データ210を読み出しこ
のデータにより地図描画手段211”が表示装置212
上に地図を描画する。自車位置マーク301は地図上に
推定した自車位置を示すと共に、車両の進行する方位
(表示方位と呼ぶ)を示している。この表示方法はナビ
ゲーション装置が動作している間は常時1つの値を保持
し、常に新しい情報で更新されているので、マップマッ
チングできない時でも方位センサ、GPS等からのデー
タにより更新される。
【0073】本発明におけるジャイロの補正方法につい
て図1のナビゲーション装置200のオフセット補正手
段および図11のフローチャートを基に以下説明する。
ステップS101では、ナビゲーション装置200から
表示車両方位を取得し、記憶手段231により記憶しス
テップS102に移行する(ここで、記憶した値をMと
する)。ステップS102ではジャイロ204の出力を
積分しジャイロ方位としてステップS103に移行する
(ここでのジャイロ方位をGとする)。ステップS10
3では一定時間Tだけ経過したか否かを調べ経過してい
ない場合はステップS102に戻りジャイロ出力の積分
を繰返す。経過した場合はステップS104に移行す
る。ステップS104では一定時間が経過した時点の表
示車両方位を取得し、値Mとの差(方位差)Dを方位差
検出手段232により計算しステップS105に移行す
る(D=現在車両方位−M)。ステップS105では方
位差Dとジャイロ方位Gの差(誤差)Eを誤差検出手段
233により求めステップS106に移行する(E=D
−G)。誤差Eからオフセット算出手段234によりオ
フセット補正値を計算してステップS107に移行す
る。オフセット算出手段234はEの値をステップS2
での経過時間Tで除算することにより角速度データに変
換してオフセット補正値Oを得る(O=E/T)。ここ
で、ステップS2での経過時間Tはオフセット算出手段
234による除算演算で誤差が増加しないように選ばれ
る。オフセット補正手段235によりジャイロ204の
出力からオフセット補正値Oを減算して補正を行う(補
正済ジャイロ出力=補正前ジャイロ出力−O)。
【0074】<具体例>図12は上述のジャイロ出力の
オフセット補正方法の説明図であり、図では処理や入出
力機器を矩形のブロックで示し、データを円で示してあ
る。また、説明上、ナビゲーション装置200’の各構
成部分201〜235は図9とほぼ同様であり、記号の
同じ各構成部分の機能及び構成は図9の場合と同様であ
る(表示データ作成手段211は表示車両方位選択手段
211’および地図描画手段211”を含むものとす
る)。本発明のジャイロ出力のオフセット補正では、ナ
ビゲーション装置200’の表示方位のデータを基準方
位として使用しオフセット値を制御するため、ナビゲー
ション装置200’の内部状態の影響を受ける。よって
ナビゲーション装置200’の状態も含めて説明を行
う。また、ナビゲーション装置200’ではその内部状
態がGPS受信機201の測位中か否か、マップマッチ
ングが可能か否かでデータの処理方法が異なってくるの
で、これらを場合分けして説明する。
【0075】(1)GPS測位中の場合:表示車両方位
選択手段211’は自律航法で求めた座標とGPS受信
により求めた座標に大きな誤差がある場合には、GPS
受信の状態がよければGPSからの座標を現在位置と推
定する。GPSの受信状態が悪ければ自律航法の座標を
現在位置とする。GPSの座標を現在位置とした場合、
ジャイロの補正は以下のように実行される。 (a)方位センサ(地磁気センサ203,ジャイロ20
4)および距離センサからのデータを捨ててデットレコ
ニング手段206及びマップマッチング手段207で求
めた座標と方位データを捨てる。そして、GPS受信に
より求めた座標と方位データを現在位置のデータとしこ
れにより地図の表示を行う。 (b)上記表示車両方位データと記憶手段231に記憶
されているデータから方位差検出手段232により差を
求め方位差とする。記憶手段231にはナビゲーション
装置200’の起動時の表示車両方位データおよびその
ときの時刻を記憶しておく。或いは、走行中に停車して
ジャイロ204のキャリブレーションを実施したときの
表示車両方位データおよびそのときの時刻を記憶してお
いてもよい。 (c)積分手段221では、上記記憶手段231にデー
タを記憶した時刻から積分を開始し、ジャイロ204の
角速度データから角度データを得る。 (d)誤差検出手段233では、上記(b)の方位デー
タと(c)の角度データから差を求め、これを角度誤差
とする。 (e)オフセット算出手段234では(d)の角度誤差
を時間データで除算しオフセット誤差を求める。時間デ
ータとしては現在時刻から(b)のデータを記憶した時
刻を減算した経過時間を用いる。 (f)オフセット補正手段234ではジャイロからの角
速度データから(e)のオフセット誤差を減算すること
により誤差を除去する。
【0076】次に、GPS測位中の場合について具体的
な数値で補正の過程を示す。 (a’)GPSの方位データを北を基準として時計回り
に360度で表すとき、現在の方位データを48度と仮
定する。 (b’)記憶手段231の方位データが48度で時刻が
8時32分0秒であったと仮定すると、方位差は次式で
求められる。 (方位差)=(表示車両方位データ)−(記憶データ)
=48−48=0 (c’)ジャイロ204の角速度データをEsinωt
+0.01と仮定する。つまり、振幅Eで正弦波で角速
度が発生しオフセットが0.01vあるとする。この角
速度データを1000秒間積分するとωt=2nπとな
ると仮定すれば(n:整数)、sinωt=0となり、
sinωtの積分値もゼロとなりオフセット分(0.0
1v×1000=10v)だけが残る。このデータを変
換感度20mv/degで角度に換算すると、 10v/(20mv/deg)=500deg となる。これが角度データとなる。 (d’)角度誤差は(b’)と(c’)から500度と
なる。すなわち、 (角度誤差)=(角度データ)−(方位差)=500−
0=500deg (e’)現在時刻を8時48分40秒と仮定すると、時
間データは16分40秒=1000秒となり、この値で
角度誤差を除算する。すなわち、 (オフセット誤差)=(角度誤差/時間データ)×(変
換感度)=(500/1000)×(20/1000)
=0.01v (f’)ジャイロ204の角速度データからオフセット
誤差を減算すると、 (補正後のジャイロデータ)=(角速度データ)−(オ
フセット誤差)=Esinωt+0.01−0.01=
Esinωt となり、直流分のオフセットが除去できる。
【0077】(2)マップマッチング中の場合:表示車
両方位選択手段211’は、GPSの受信ができない場
合、或いはGPSの受信状態が良くてGPSからの座標
とマップマッチング手段207で求めた座標が近似して
いる場合にはマップマッチング手段207で求めた座標
を現在位置と推定する。そして、マップマッチング手段
207は自車位置のある道路を見付けた場合にジャイロ
204の補正を次のようにして実行する(道路が見付か
らなかった場合には後述の(3)によりジャイロの補正
を行う)。 (a)ジャイロ204からの角速度データはオフセット
補正が行われる。この補正はオフセット誤差データを角
速度データに加算することであり、初期値がゼロで時系
列に沿って以下の処理により求められるオフセット誤差
を用いる。 (b)オフセットの補正された角速度データは積分手段
221により積分されて角度データとなる。また、地磁
気センサ203の値が正しいと考えられる場合には地磁
気センサ203からの角度データを使用する。 (c)距離センサからの距離データと(b)の角度デー
タからデットレコニング手段206により推測位置を求
める。また、角度データをそのまま推測方位とする。 (d)推測位置と推測方位からマップマッチング手段2
06により自車位置のある道路を探す。道路を見付けた
場合にはその道路上で自車位置を決定し、その道路の方
向を車両方位として角度データを捨てる。 (e)上記(d)で求められた自車位置を表示車両方位
選択手段211’でGPS受信機201からの座標と比
較する。GPSの受信状態が良くて2つの座標が遠い場
合には前述した(1)の処理を行い、近い場合には上記
(d)の自車位置を表示車両位置とし、車両方向を表示
車両方位として地図描画手段211”により地図の表示
を行う。 (f)上記表示車両方位データと記憶手段231に記憶
されているデータから方位差検出手段232により差を
求め方位差とする。記憶手段231にはナビゲーション
装置200’の起動時の表示車両方位データおよびその
ときの時刻を記憶しておく。或いは、走行中に停車して
ジャイロ204のキャリブレーションを実施したときの
表示車両方位データおよびそのときの時刻を記憶してお
いてもよい。 (g)積分手段221では、上記記憶手段231にデー
タを記憶した時刻から積分を開始し、ジャイロ204の
角速度データから角度データを得る。 (h)誤差検出手段233では、(f)の方位データと
(g)の角度データから差を求め、これを角度誤差とす
る。 (i)オフセット算出手段234では(h)の角度誤差
を時間データで除算しオフセット誤差を求める。時間デ
ータとしては現在時刻から(f)のデータを記憶した時
刻を減算した経過時間を用いる。 (j)オフセット補正手段234ではジャイロからの角
速度データから(i)のオフセット誤差を減算すること
により誤差を除去する。
【0078】次に、マップマッチング中の場合について
具体的な数値で補正の過程を示す。 (a’)ジャイロ204の角速度データをEsinωt
+0.01と仮定する。 (b’)この角速度データを1秒間積分した結果を変換
感度20mv/degで角度に換算すると、1秒間の回
転量をθdegとして、 θ+0.01v/(20mv/deg)=θ+0.5d
eg となり、また、θ={∫(Esinωt)dt}/0.
02より求められる(但し積分∫はここではΔt=0か
ら1までの積分を意味する)。すなわち、ジャイロ20
4の回転量とオフセットによる0.5度の誤差が加算さ
れて角度データとなる。 (c’)推測方位データは前回の方位をθ0として、θ0
+θ+0.5度となる。 (d’)ここでは道路の方向が(θ0+θ)度であると
仮定する。 (e’)このとき表示車両方位は(θ0+θ)度とな
る。 (f’)記憶手段231の方位データが0度で時刻が8
時32分0秒であったと仮定すると、方位差は次式によ
り求められる。 (方位差)=(表示車両方位データ)−(記憶データ)
=θ0+θ−θ0=θdeg (g’)積分手段231では(b’)と同じ結果(θ+
0.5度)となる。 (h’)角度誤差は(f)と(g)より、 (角度誤差)=(角度データ)−(方位差)=θ+0.
5−θ=0.5deg (i’)上記のような角度誤差の発生が1000秒継続
すると、現在時刻が8時48分40秒となり角度誤差も
1000倍の500度となる。この角度誤差からオフセ
ット誤差を求める。すなわち、 (オフセット誤差)=(角度誤差/時間データ)×(変
換感度)=(500/1000)×0.02=0.01
v (j’)ジャイロ204の角速度データからオフセット
誤差を減算すると、 (補正後のジャイロデータ)=(角速度データ)−(オ
フセット誤差)=Esinωt+0.01−0.01=
Esinωt となり、直流分のオフセットが除去される。
【0079】(3)デットレコニング中の場合:表示車
両方位選択手段211’は、GPSが受信できない場
合、或いは、GPSの受信状態が良くてGPSからの座
標とデットレコニング手段206で求めた座標が近い場
合にデットレコニング手段206による推測位置を現在
位置と推定する(但し、マップマッチングで道路がみつ
からない場合)。 (a)ジャイロ204からの角速度データに対してはオ
フセット補正が行われる。この補正は、オフセット誤差
データを角速度データに加算することであり、初期値が
ゼロで時系列に沿って以下の処理により求められるオフ
セット誤差を用いる。 (b)オフセットの補正された角速度データは積分手段
221により積分されて角度データとなる。また、地磁
気センサ203の値が正しいと考えられる場合には地磁
気センサ203からの角度データを使用する。 (c)距離センサからの距離データと(b)の角度デー
タからデットレコニング手段206により推測位置を求
める。また、角度データをそのまま推測方位とする。そ
してマップマッチング手段207でこの位置に対する道
路がみつからない場合に推測位置と推測方位を自車位置
と車両方位とする。 (d)上記(c)で求められた自車位置を表示車両方位
選択手段211’でGPS受信機201からの座標と比
較する。GPSの受信状態が良くて2つの座標が遠い場
合には上述した(1)の処理を行うこととなり、近い場
合には上記(c)の自車位置を表示車両位置とし、車両
方向を表示車両方位として地図描画手段211”により
地図の表示を行う。 (e)上記表示車両方位データと記憶手段231に記憶
されているデータから方位差検出手段232により差を
求め方位差とする。記憶手段231にはナビゲーション
装置200’の起動時の表示車両方位データおよびその
ときの時刻を記憶しておく。或いは、走行中に停車して
ジャイロ204のキャリブレーションを実施したときの
表示車両方位データおよびそのときの時刻を記憶してお
いてもよい。 (f)積分手段221では、上記記憶手段231にデー
タを記憶した時刻から積分を開始し、ジャイロ204の
角速度データから角度データを得る。 (g)誤差検出手段233では、(e)の方位データと
(f)の角度データから差を求め、これを角度誤差とす
る。 (h)オフセット算出手段234では(g)の角度誤差
を時間データで除算しオフセット誤差を求める。時間デ
ータとしては現在時刻から(e)のデータを記憶した時
刻を減算した経過時間を用いる。 (i)オフセット補正手段234ではジャイロからの角
速度データから(h)のオフセット誤差を減算すること
により誤差を除去する。
【0080】次に、マップマッチング中の場合について
具体的な数値で補正の過程を示す。 (a’)ジャイロ204の角速度データをEsinωt
+0.01と仮定する。 (b’)この角速度データを1秒間積分した結果を変換
感度20mv/degで角度に換算すると、1秒間の回
転量をθdegとして、 θ+0.01v/(20mv/deg)=θ+0.5d
eg となり、また、θ={∫(Esinωt)dt}/0.
02より求められる(但し積分∫はここではΔt=0か
ら1までの積分を意味する)。すなわち、ジャイロ20
4の回転量とオフセットによる0.5度の誤差が加算さ
れて角度データとなる。 (c’)推測方位データは前回の方位をθ0として、θ0
+θ+0.5度となる。 (d’)表示車両方位もθ0+θ+0.5度となる。 (e’)方位差は次式により求まる。 (方位差)=(表示車両方位データ)−(前回の方位デ
ータ)=θ0+θ+0.5−θ0=+θ+0.5deg (f’)積分手段231では上記(b’)と同じ結果
(θ+0.5deg)となる。 (g’)角度誤差は(e)と(f)よりゼロとなる。す
なわち、 (角度誤差)=(角度データ)−(方位差)=θ+0.
5−(θ+0.5)=0
【0081】以上のようにデットレコニングによる推測
データしか使えない場合には角度誤差がゼロとなり、オ
フセット誤差もゼロとなって補正ができないこととな
る。これは地図データのない場所を走行することに相当
し、補正のための基準となるデータが何もないときに起
こる。なお、この場合でも、地磁気センサ203からの
角度データがあれば(b’)で角度データがθ度とな
り、(g’)で角度誤差が0.5度となってオフセット
補正が可能になる。さらに、所定時間以上前述の(1)
または(2)の状態で積分手段231にオフセットを含
んだ角速度データが積分された状態で保存されていた場
合、一時的に地図データのない場所を走行して方位差の
変化分と積分手段231の変化分が一致する場合にも、
誤差検出手段233から角度誤差が生じるのでオフセッ
トの補正が可能である。
【0082】この場合の過程を前記(a)の各速度デー
タが1000秒経過した例をもとに説明する。 (e’)初期状態よりジャイロ204の回転量が0度と
すると、 (方位差)=(表示車両方位データ)−(前回の方位デ
ータ)=48−48=0deg (f’)積分手段231でもオフセット分だけが残る。
すなわち、 0.01v×1000/(0.02v/deg)=50
0deg (g’)角度誤差は(e”)と(f)より、 (角度誤差)=(角度データ)−(方位差)=500−
0=500deg (h’)経過時間を1000秒とすると、 (オフセット誤差)=(角度誤差/時間データ)×(変
換感度)=(500/100)×0.02=0.01v (i’)オフセット補正では以下のようにオフセットが
除去される。 (補正後のジャイロデータ)=(角速度データ)−(オ
フセット誤差)=Esinωt+0.01−0.01=
Esinωt
【0083】ここで、地図データのない場所へ入ると次
のようになる。 (e”)表示車両方位データがEsinωt+0.01
となりオフセット分だけを考えると、(方位差)=48
+(0.01/0.02)−48=0.5deg (f”)積分手段231の値は、 500+(0.01/0.02)=500.5deg (g”)角度誤差は、 (角度誤差)=500.5−0.5=500deg (h”)オフセット誤差は、 (オフセット誤差)=(500/1001)×0.02
≒0.00999v (i”)オフセット補正は、 (補正後のジャイロデータ)=Esinωt+0.01
−0.00999=Esinωt+0.00001 となり、徐々に補正値が減少していくが、その期間、積
分されたデータにより補正がされる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両が停止状態或いは移動状態のいずれであってもドリフ
トの補正が可能となるので、高速道路や信号機のない道
路での方位検出が正確になり、その結果ナビゲーション
装置の表示性能が向上する。また、直線道路がない場合
でも、ドリフトの除去されたデータをナビゲーション装
置に入力するので修正自体が不要となる。更に、事前に
地図データのある場所を走行して車両及びジャイロセン
サの温度変化がなくなっている場合に補正値が安定して
くる。この場合、車が地図データのない場所に移動して
も補正値は大きく変化しないため、単純に補正値をホー
ルドするだけでドリフトの補正が可能となり、ナビゲー
ション装置の現在位置表示性能が向上する。更にまた、
第12〜第13の発明ではドリフト補正回路にリミッタ
を設けることにより一時的な変動を抑制することができ
る。また、第14〜17の発明では車両がマップマッチ
ング状態かどうかに拘らず、補正が可能である。また、
地図のない場所では地磁気センサ,GPS受信機からの
情報により補正が可能である。更に、リンク方位ではな
い連続的に変化する表示車両方位を使っているため、一
時的な誤差を生じない。また、第17の発明では、多く
の情報からその時点で一番正確と判定された情報をナビ
ゲーション装置が選択して得た表示車両方位を用いてい
るので個々の情報の欠点を補った精度の高いジャイロの
ドリフト補正が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくジャイロのドリフト補正方法の
一実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明に基づくジャイロのドリフト補正回路の
一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に基づくジャイロのドリフト補正回路の
他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に基づくジャイロのドリフト補正回路の
他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に基づくジャイロのドリフト補正回路の
他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に基づくジャイロのドリフト補正回路の
他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】N点和の演算回路及び積分回路の構成例を示す
ブロック図である。
【図8】従来のナビゲーション装置の構成例を示すブロ
ック図である。
【図9】本発明のナビゲーション装置の一実施例の構成
を示すブロック図である。
【図10】地図の表示例である。
【図11】ジャイロの補正方法の一例を示すフローチャ
ートである。
【図12】ジャイロ出力のオフセット補正方法の説明図
である。
【符号の説明】
3,204 ジャイロセンサ 6 A/D変換回路(変換手段) 7,208 マップマッチング手段 8,207 デットレコニング手段 20,30,40,50,60 ドリフト補正回路 21 FIRフィルタ(第1のフィルタ手段) 22,23 減算器(減算手段) 25 微分回路(第2のフィルタ手段) 26 FIRフィルタ(第2のフィルタ手段) 31 遅延回路(遅延手段) 41,51 N点和の演算回路 42,48 減算器(減算手段) 43 コンパレータ(補正値応答遅延手段) 44 積分回路(補正値応答遅延手段) 47 除算回路(補正値応答遅延手段) 61 N点和の演算回路(補正値応答遅延手段) 62 定数除算回路(補正値応答遅延手段) 100,200,200’ ナビゲーション装置 201 GPS受信機 203 距離センサ 210 地図データ 211 表示データ作成手段 211’ 表示車両方位選択手段 212 表示装置 221,222 積分手段 231 記憶手段 232 方位差検出手段 233 誤差検出手段 234 オフセット算出手段 235 オフセット補正手段

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度変化を検出するジャイロセンサと、
    マップマッチング手段を含む移動体のナビゲーション装
    置において、(1)ジャイロセンサからの出力信号から
    一定時間毎にデジタルデータを得て、該デジタルデータ
    から所定時間内の第1の移動平均値を求め、(2)マッ
    プマッチング処理によって得られた車両の方位データを
    一定時間毎に取り出してその差分値を得て、該差分値に
    基づいて所定時間内の第2の移動平均値を求め、(3)
    上記第1の移動平均値と第2の移動平均値との差を求め
    てドリフト補正値とし、(4)前記デジタルデータと上
    記ドリフト補正値の差を算出し補正済ジャイロデータを
    得る、 ことを特徴とするジャイロのドリフト補正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジャイロのドリフト補正
    方法において、更に、ステップ(3)で求めたドリフト
    補正値を保存し、ステップ(4)での補正済ジャイロデ
    ータの計算時に当該保存されたドリフト補正値を取り出
    して用いる、ことを特徴とするジャイロのドリフト補正
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のジャイロのドリ
    フト補正方法において、移動体が当該移動体のナビゲー
    ション装置の格納部に格納されている地図データに規定
    する範囲以外の場所に移動した時にはドリフト補正値の
    更新を停止して、ドリフト補正を継続することを特徴と
    するジャイロのドリフト補正方法。
  4. 【請求項4】 角度変化を検出するジャイロセンサと、
    マップマッチング手段と、を含む移動体のナビゲーショ
    ン装置において、 上記ジャイロセンサからの出力データを入力して一定時
    間毎の第1の移動平均値を求める第1の演算手段と、 前記マップマッチング手段からの移動体の方位データの
    差分値を入力して一定時間毎の第2の移動平均値を求め
    る第2の演算手段と、 第1の移動平均量から第2の移動平均量を減算してドリ
    フト補正量を求める第1の減算手段と、 前記ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正
    量を減算して補正済ジャイロデータを得る第2の減算手
    段と、 を備えたことを特徴とするジャイロのドリフト補正方
    法。
  5. 【請求項5】 第1の演算手段と第2の演算手段との入
    力側に、前記ジャイロセンサからの出力データを所定時
    間遅延させる遅延手段を設けたことを特徴とする請求項
    4に記載のジャイロのドリフト補正方法。
  6. 【請求項6】 角度変化を検出するジャイロセンサと、
    マップマッチング手段と、を含む移動体のナビゲーショ
    ン装置において、 上記ジャイロセンサからの出力データの現在から過去の
    N回分の第1の和データを計算する第1の和演算手段
    と、 前記マップマッチング手段からの移動体の方位データの
    差分値の現在から過去のN回分の第2の和データを計算
    する第2の和演算手段と、 第1の和データから第2の和データを減算して差出力を
    得る第1の減算手段と、 上記差出力を入力データと比較する比較手段と、 上記比較手段の出力を積分しその積分出力を上記入力デ
    ータとして比較手段に戻すと共に該積分出力を時間で除
    算してドリフト補正値を得る演算手段と、 前記ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正
    値を減算して補正済ジャイロデータを得る第2の減算手
    段と、を備えたことを特徴とするジャイロのドリフト補
    正回路。
  7. 【請求項7】 角度変化を検出するジャイロセンサと、
    マップマッチング手段と、を含む移動体のナビゲーショ
    ン装置において、 上記ジャイロセンサからの出力データの現在から過去の
    N回分の第1の和データを計算する第1の和演算手段
    と、 前記マップマッチング手段からの移動体の方位データの
    差分値の現在から過去のN回分の第2の和データを計算
    する第2の和演算手段と、 第1の和データから第2の和データを減算して差出力を
    得る第1の減算手段と、 上記差出力を入力データと比較する比較手段と、 上記比較手段の出力を積分しその積分出力を上記入力デ
    ータとして比較手段に戻すと共に該積分出力をFIRフ
    ィルタに入力させてドリフト補正値を得る演算手段と、 前記ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正
    値を減算して補正済ジャイロデータを得る第2の減算手
    段と、を備えたことを特徴とするジャイロのドリフト補
    正回路。
  8. 【請求項8】 角度変化を検出するジャイロセンサと、
    マップマッチング手段と、を含む移動体のナビゲーショ
    ン装置において、 上記ジャイロセンサからの出力データの現在から過去の
    N回分の第1の和データを計算する第1の和演算手段
    と、 前記マップマッチング手段からの移動体の方位データの
    差分値の現在から過去のN回分の第2の和データを計算
    する第2の和演算手段と、 第1の和データから第2の和データを減算して差出力を
    得る第1の減算手段と、 上記差出力を入力データと比較する比較手段と、 上記比較手段の出力データの現在から過去のN回分の第
    3の和データを計算し該第3の和データを上記入力デー
    タとして比較手段に戻すと共に該第3の和データを所定
    の定数で除算してドリフト補正値を得る演算手段と、 前記ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正
    値を減算して補正済ジャイロデータを得る第2の減算手
    段と、を備えたことを特徴とするジャイロのドリフト補
    正回路。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の演算手段がFIRフ
    ィルタであることを特徴とする請求項4に記載のジャイ
    ロのドリフト補正回路。
  10. 【請求項10】 角度変化を検出するジャイロセンサ
    と、地図情報を格納した格納部と、ジャイロセンサ出力
    から電圧変化データを得る変換手段と、該変換手段の出
    力及び距離センサから得た移動距離量から座標変化量を
    得て前回の座標に今回の変化量を加算して座標データを
    得るデットレコニング手段と、デットレコニング手段か
    らの座標データと前記地図情報に基づいて移動体の現在
    位置を得るマップマッチング手段と、を含む移動体のナ
    ビゲーション装置において、 前記変換手段からの電圧変化データを入力して一定時間
    内の第1の移動平均量を得る第1のフィルタ手段と、 前記マップマッチング手段からの移動体の方位データの
    差分値に基づいて一定時間内の第2の移動平均量を得る
    第2のフィルタ手段と、 前記第1の移動平均量と第2の移動平均量との差を得る
    第1の減算手段と、 前記電圧変化データと前記第1の減算手段の出力の差を
    得て前記デットレコニング手段に与える第2の減算手段
    と、 を有することを特徴とするジャイロのドリフト補正回
    路。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のドリフト補正回路に
    おいて、更に、第1及び第2のフィルタ手段に時間情報
    を与えるクロックパルス発生手段と、移動体が当該移動
    体のナビゲーション装置の格納部に格納されている地図
    データに規定する範囲以外の場所に移動した時にはドリ
    フト補正値の更新をしないよう前記クロックパルス発生
    手段からの時間情報を遮断するスイッチ手段と、を有す
    ることを特徴とするジャイロのドリフト補正回路。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載のドリフト
    補正回路において、更に、変換手段と第1のフィルタ手
    段との間にマップマッチング手段における差分値出力時
    間相当分の遅延を行わせる遅延手段を設けることを特徴
    とするジャイロのドリフト補正回路。
  13. 【請求項13】 角度変化を検出するジャイロセンサ
    と、地図情報を格納した格納部と、ジャイロセンサ出力
    から電圧変化データを得る変換手段と、該変換手段の出
    力及び距離センサから得た移動距離量から角度変化量を
    得て前回の座標に今回の変化量を加算して座標デの和を
    計算する第1のN点和演算手段と、 前記マップマッチング手段から移動体の方位データを得
    て方位データの差分値を得る微分手段と、 前記微分手段の出力を入力して現在から過去のN回分の
    データの和を計算する第2のN点和演算手段と、 前記第1及び第2のN点和演算手段の出力の差を出力す
    る第1の減算手段と、 第1の減算手段の出力に基づいてドリフト補正値の応答
    をマップマッチング手段における差分値出力時間相当分
    遅延させてドリフト補正値を得る補正値応答遅延手段
    と、前記電圧変化データから前記ドリフト補正値を減算
    する第2の減算手段と、を有することを特徴とするジャ
    イロのドリフト補正回路。
  14. 【請求項14】 角度変化を検出するジャイロセンサ
    と、デットレコニング手段と、マップマッチング手段
    と、を含む移動体のナビゲーション装置において、下記
    (1)乃至(5)のステップを含むことを特徴とするジ
    ャイロのドリフト補正方法。 (1)表示車両方位を得て時刻と共に記憶し、 (2)ジャイロセンサからの出力を積分してジャイロ方
    位とし、一定時間経過した場合はステップ(3)を実行
    し、経過していない場合は上記積分を繰返す。 (3)上記一定時間が経過した時点の表示車両方位を取
    得し、方位差を得る。 (4)方位差とジャイロ方位の差分を求め、該差分を上
    記一定時間で除算することによりオフセット補正値を得
    る、 (5)ジャイロ出力から上記オフセット補正値を減算し
    てジャイロ出力の補正を行う。
  15. 【請求項15】 マップマッチング手段で得た座標を自
    車位置と推定して該推定値により道路上に自車位置が決
    定された場合に該道路の方向を表示車両方位とし、 マップマッチング手段で得た推定値により道路上に自車
    位置が決定できない場合にはデットレコニング処理で得
    た推測位置を現在位置として車両データの差分値を入力
    して一定時間毎の第2の移動平均値を求める第2の演算
    手段と、 第1の移動平均量から第2の移動平均量を減算してドリ
    フト補正量を求める第1の減算手段と、 前記ジャイロセンサからの出力データよりドリフト補正
    量を減算して補正済ジャイロデータを方向を表示車両方
    位とする、ことを特徴とする請求項14に記載のジャイ
    ロのドリフト補正方法。
  16. 【請求項16】 自律航法で得た座標とGPSから得た
    座標の差が大きいときはGPSから得た方位を表示車両
    方位とし、 GPSの受信ができないとき、或いはGPSから得た座
    標とマップマッチング手段で得た座標の差が少ないとき
    には、マップマッチング手段で得た座標を自車位置と推
    定して該推定値により道路上に自車位置が決定された場
    合に該道路の方向を表示車両方位とし、 マップマッチング手段で得た推定値により道路上に自車
    位置が決定できない場合にはデットレコニング処理で得
    た推測位置を現在位置として車両方向を表示車両方位と
    する、ことを特徴とする請求項14に記載のジャイロの
    ドリフト補正方法。
  17. 【請求項17】 GPS受信機と、角度変化を検出する
    ジャイロセンサと、デットレコニング手段と、マップマ
    ッチング手段と、とを含む移動体のナビゲーション装置
    において、 自律航法で得た座標とGPSから得た座標の差が大きい
    ときはGPSから得た方位を表示車両方位とし、GPS
    の受信ができないとき、或いはGPSから得た座標とマ
    ップマッチング手段で得た座標の差が少ないときには、
    マップマッチング手段で得た座標を自車位置と推定して
    該推定値により道路上に自車位置が決定された場合に該
    道路の方向を表示車両方位とし、マップマッチング手段
    で得た推定値により道路上に自車位置が決定できない場
    合にはデットレコニング処理で得た推測位置を現在位置
    として車両方向を表示車両方位とする表示車両方位選択
    手段と、 表示車両方位選択手段から表示車両方位を得て時刻と共
    に記憶する記憶手段と、 ジャイロセンサからの出力を一定時間積分してジャイロ
    方位データを得る積分手段と、 前記一定時間経過後にその時点の表示車両方位を取得し
    前記記憶された表示車両方位データとの方位差を得る方
    位差検出手段と、 上記方位差とジャイロ方位の差分を求め、該差分を上記
    一定時間で除算することによりオフセット補正値を得る
    オフセット補正値算出手段と、 前記ジャイロ出力から上記オフセット補正値を減算して
    ジャイロ出力の補正を行うオフセット補正手段と、とを
    有することを特徴とするジャイロのドリフト補正回路。
  18. 【請求項18】 更に、地磁気センサを備え、マップマ
    ッチング手段で得た推定値により道路上に自車位置が決
    定できない場合に前記補正されたジャイロ出力に代えて
    上記地磁気センサからの角度データ値をデットレコニン
    グ手段の入力として用いることを特徴とするジャイロの
    ドリフト補正回路。
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