JPH08114109A - 低周波数騒音用共鳴型消音器 - Google Patents

低周波数騒音用共鳴型消音器

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JPH08114109A
JPH08114109A JP25071394A JP25071394A JPH08114109A JP H08114109 A JPH08114109 A JP H08114109A JP 25071394 A JP25071394 A JP 25071394A JP 25071394 A JP25071394 A JP 25071394A JP H08114109 A JPH08114109 A JP H08114109A
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frequency noise
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崇 吉永
Toshio Yamaguchi
利男 山口
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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National Aerospace Laboratory of Japan
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気流中の低周波数騒音を効果的に消音し、こ
の低周波数騒音に周波数変化が生じても効果的に消音で
きる共鳴型消音器を提供する。 【構成】 空気の流れを減速するディフューザ1と、こ
のディフューザ1の空気出口1aに設けて騒音を消音す
る消音塔2とを有する設備において、前記ディフューザ
1と消音塔2との接続空間に共鳴箱3を形成し、この共
鳴箱3内に位置するディフューザ1に上流側開口孔4
A,中央部開口孔4B,下流側開口孔4Cとを設け、こ
れらの開口孔4A,4B,4Cの周縁に枠部材6を設け
て消音の目的とする共鳴周波数に応じた所定面積と所定
厚さに形成するとともに、開口孔4A,4B,4Cに選
択的に開閉させる開閉手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、低周波数
の騒音を共鳴させて消音するための共鳴型消音器に関
し、更に詳しくは、ディフューザと消音塔との接続空間
又は気流のある管路において、特に約30ヘルツ以下の
低周波数の消音効果を向上させた低周波数騒音用共鳴型
消音器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な分野で利用されている
設備において広帯域の騒音を空気中に発散している設備
があり、その一例として風洞実験を行うための風洞設備
がある。この風洞設備で、特に吹出し式の風洞設備は、
例えば図8の全体図に示すように、空気を蓄える球形タ
ンク51と、この球形タンク51からの空気を導く導管
52と、この導管52内の空気の圧力を調節する調圧弁
53と、この調圧弁53により調圧された空気を噴出す
る可変ノズル54と、この可変ノズル54から噴出され
た空気により模型実験するための測定部55と、この測
定部55からの空気を拡散させて減速するディフューザ
56と、このディフューザ56の空気出口に設けられて
騒音を消音する消音塔57とから大きく構成されてい
る。
【0003】このような風洞設備においては、上記測定
部55に設けられた模型支持装置により実験模型を支持
し、タンク51からの空気を調圧弁53により圧力調節
して可変ノズル54により模型位置で所定の風速となる
ように噴出し、この模型に作用する力やモーメント等を
測定することにより各種実験を行っている。そして、実
験後の高速空気はディフューザ56により減速させら
れ、消音塔57で消音された後大気中に放出されてい
る。
【0004】また、通常は、消音塔57が内部壁面に張
られたグラスウール等の吸音材と、曲がり57aとスプ
リッタ57bとによって吸音する構成であるため、例え
ば、125ヘルツ以上の中,高周波数騒音や30〜40
ヘルツ以上の低周波数騒音はある程度は吸音することが
できるが、それ以下の低周波数、例えば10ヘルツ程度
の低周波数にあっては吸音することができない。そのた
め、出口側に低周波数騒音を消音するための共鳴型消音
器58が設けられている場合が多い。この共鳴型消音器
58は、管路58aの周囲に形成された共鳴箱58bの
中央部に開口孔58cが設けられた一般的な共鳴型消音
器58が用いられており、消音しようとする低周波数を
共鳴箱58bで共鳴させて消音するように構成されてい
る。
【0005】なお、この種の従来技術として特公昭55−
47212号公報記載の発明があるが、この公報記載の発明
は屈曲した共鳴多孔筒と吸音材とにより消音する消音装
置であり、また、他の従来技術として実公平3− 43362
号公報記載の発明があるが、この公報記載の発明は多段
拡張タイプの消音器で一部のリターンパイプに小孔を設
けて消音する消音器であり、これらの発明では、この出
願に係る発明が消音しようとする気流のある場合の低周
波数には適応が難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、吹出し式
の風洞設備において、実験の高速化に対応して模型を高
マッハ数で試験する需要が急増しており、そのマッハ数
も、例えば3〜4程度となっている。また、マッハ数1
を越えて実験した場合、大気に戻る時に大きな衝撃波を
発生し、この衝撃波は、通常ディフューザ56上流側の
管路の中で微妙に振動するため、この衝撃波により、通
常、約30ヘルツ以下で、特に10〜20ヘルツ程度の
超低周波数の大きな騒音を発生してしまう。
【0007】そして、この騒音は、上述したように消音
塔57では消音できないため、出口側に設けられた低周
波数騒音専用の共鳴型消音器58の消音効果のみによっ
て消音しようとしている。
【0008】しかし、この共鳴型消音器58では、管路
58aを比較的速度のある気流が流れるため、開口孔5
8c部において気流音(気流が共鳴型消音器を通過する
際に発生する音)が発生し新たな騒音発生源となってし
まう。しかも、この騒音は、開口孔58cの位置が適切
でない場合には共鳴周波数よりも低い周波数帯域では増
音してしまう場合がある。
【0009】このような気流発生音を低く抑えるために
は、開口孔58cの数を増やすとともに孔径を小さくす
る必要があるが、共鳴型消音器58の構造面や施工面で
孔数を多くすることができない場合が多く、この場合に
は大きな開口孔を設けることにより対応する場合が多
い。
【0010】しかし、大きな開口孔58cを設けると、
管路58a内に気流があるため開口孔58c部で気流が
乱れ、上記したように新たな騒音を発生させる。しか
も、開口孔58cの面積が大きい程、気流の乱れが大き
くなって騒音発生レベルも増加してしまう。
【0011】そのため、開口孔58cを大きくすること
もできず、低周波数騒音は共鳴型消音器58で効果的な
消音ができずに大気中へと漏出している。
【0012】また、流量の多い超音速風洞の場合、既に
消音塔の高さは30m近くに達し、このような高所に更
に低周波騒音用の共鳴型消音器を付加することは工事が
難しいだけでなく、地域によっては建築基準法上の高さ
制限に触れる場合がある。
【0013】このような低周波数の騒音は人間の耳には
聞こえないため、通常は騒音として捉えることが難しい
が、この低周波数の騒音は窓枠や家具等にがたつきや振
動等を生じさせたり、地震と間違えるような振動を生じ
させたりするため、騒音源周辺の生活環境に悪影響を及
ぼしている。
【0014】このことは、上記風洞設備における騒音に
限られるものではなく、送風機の吸排気口等の気流のあ
る管路においても同様に低周波数の騒音を消音すること
ができないため、送風機の設けられた周辺の生活にも悪
影響を及ぼす場合がある。
【0015】この出願に係る発明は上記課題に鑑みて、
気流中の低周波数騒音を効果的に消音することができる
共鳴型消音器を提供することを一つの目的とし、該低周
波数騒音に周波数変化が生じても効果的に消音すること
ができる共鳴型消音器を提供することをもう一つの目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る低周波数騒音用共鳴型消音器は、空
気の流れを減速するディフューザと、該ディフューザの
空気出口に設けて騒音を消音する消音塔とを有する設備
において、前記ディフューザと消音塔との接続空間に共
鳴箱を形成し、該共鳴箱内に位置するディフューザの周
囲の少なくとも上流と下流に複数の開口孔を設け、該開
口孔に消音の目的とする低周波数騒音に応じて選択的に
開閉させる開閉手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0017】請求項2に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器は、上記請求項1の低周波数騒音用共鳴型消音器にお
いて、開口孔にパンチングメタルを設けたことを特徴と
するものである。
【0018】請求項3に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器は、上記請求項2の低周波数騒音用共鳴型消音器にお
いて、パンチングメタルの開口率をほぼ20%にしたこ
とを特徴とするものである。
【0019】
【作用】請求項1に係る低周波数騒音用共鳴型消音器に
よれば、ディフューザと消音塔との接続空間に設けた共
鳴型消音器により、特別な設置スペースを要することな
くディフューザから消音塔へ流れる気流の消音の目的と
する低周波数を、ディフューザの周囲に設けた複数の開
口孔を開閉させる開閉手段により、消音の目的とする低
周波騒音に応じて、少なくとも上流と下流に設けた複数
の開口孔を選択的に開閉させて低周波数を消音すること
ができる。
【0020】請求項2に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器によれば、上記請求項1の作用を奏するとともに、開
口孔に設けたパンチングメタルにより、気流音を増大さ
せることがなく消音できる。
【0021】請求項3に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器によれば、上記請求項2の作用を奏するとともに、開
口率をほぼ20%にしたパンチングメタルにより、パン
チングメタルの強度を落とすことなく気流音も増大させ
ることがなく上流からの伝播する低周波騒音を消音でき
る。
【0022】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図1は低周波数騒音用共鳴型消音
器の一実施例を示す全体断面図で、図2は図1のA−A
拡大断面図であり、吹出し式の風洞設備における実施例
を示している。
【0023】図示するように、ディフューザ1とその空
気出口1a側に接続された消音塔2との間の接続空間に
共鳴箱3が形成さており、この実施例では、ディフュー
ザ1を支持する消音塔2の壁面の一部を利用した空間に
より共鳴箱3が形成されている。そして、この共鳴箱3
内に位置するディフューザ1の周囲には複数の開口孔4
が設けられており、この実施例では上流側開口孔4Aと
下流側開口孔4C及び中央部開口孔4Bの3列を設け、
各列共に所定の大きさで等角度に8個の開口孔4A,4
B,4Cを設けている。なお、各開口孔4A,4B,4
Cの上流側には補強リブ5A,5B,5Cを設けてディ
フューザ1の強度を保持している。
【0024】そして、この実施例では図示していないが
これらの開口孔4A,4B,4Cに開閉蓋を設け、この
開閉蓋を、例えば手動若しくは流体圧シリンダ等のアク
チュエータを用いた開閉手段により開閉可能なよう構成
している。なお、この開閉は、発生する騒音や消音を目
的とする低周波数に応じて最適な位置を自動的に開閉す
るように構成してもよい。
【0025】これは、テーパ状の共鳴型消音器において
は、通常、断面積が小さい所で大きな共鳴箱3を設けた
方が減音効果が大きいことから、音の主流側の断面が小
さい箇所、つまり上流側に開口孔4を設けた方が減音効
果が高く、一方、共鳴型消音器では、音圧の高い所に開
口孔4を設ければ減音効果が大きく、この開口孔4の位
置が適切でないと期待した減音効果が得られない場合が
あるからである。
【0026】更に、上記するような風洞設備にあって
は、例えばマッハ数1.5程度の低マッハ数からマッハ
数4程度の高マッハ数までの実験を行うので、これによ
って低周波数騒音の発生位置に変化を生じる場合がある
ため、発生する騒音や消音目的とする騒音に応じて、上
記上流,下流又は中央の開閉蓋を開閉可能に構成して最
適な消音効果の実現を図っている。
【0027】なお、この実施例ではディフューザ1の上
流側と下流側と中央部とに開口孔4A,4B,4Cを設
けているが、すくなくとも上流側と下流側とに設ければ
騒音の変化に対応することができる。また、以下の説明
における構成には、上流側にA,中央部にB,下流側に
Cを付して説明する。
【0028】上記開口孔4A,4B,4Cの詳細を、上
流側開口孔4Aを例にした図3(a)の平面図,(b)の横断
面図,(c)の縦断面図、及び図4の一部拡大図に基づいて
説明する。なお、4A,4B,4Cは共鳴周波数が同一
に設定されている。
【0029】まず、ディフューザ1の周方向に等角度で
設けられた開口孔4Aの外周側、すなわち共鳴箱3側に
は、所定厚の枠部材6A(全体は枠部材6)が設けられ
ている。この枠部材6Aは、厚みWを所定の厚みにする
ことにより、開口孔4Aの面積と共鳴箱3の容積との関
係で所定の共鳴周波数を減衰するようにしている。すな
わち、このように連結空間を利用して共鳴型消音器Sを
構成した場合、共鳴箱3の容積には制限があるので、こ
の共鳴箱3の容積と消音を目的とする共鳴周波数に応じ
た開口孔4Aの面積と開口孔4Aの周縁の厚みWに決定
している。そして、この開口孔4Aの周縁の厚みWを所
定値にするために、この実施例では予め所定の厚みWに
形成された枠部材6Aを設けている。この実施例では、
開口孔4A,4B,4Cの共鳴周波数が全て約8ヘルツ
となるように面積及び枠部材6A,6B,6Cの厚みW
が設定されている。なお、開口孔4の大きさ及び枠部材
6の厚みWは消音目的の低周波数に応じて決定すればよ
く、それにより目的とする共鳴周波数で効果的な消音が
可能となる。
【0030】一方、このディフューザ1の内部を流れる
気流は、例えば40m/s 程度の速度があるため、ディフ
ューザ1の周囲に複数の開口孔4Aを設けた場合には、
この開口孔4Aにより気流音が増加する場合がある。
【0031】そこで、この実施例では開口孔4Aにパン
チングメタル7A(全体はパンチングメタル7)を設け
ることにより、ディフューザ1内部の気流に大きな乱れ
を生じさせないようにしている。このパンチングメタル
7Aは、ディフューザ1と同一厚みのパンチングメタル
7Aを取付ボルト8Aで上記枠部材6Aに取付けてお
り、パンチングメタル7Aの周囲にスペーサ7aを設け
ることよりパンチングメタル7Aの内面がディフューザ
1の内面と同一面となるように構成されている。
【0032】これによりパンチングメタル7Aの内外面
は共にディフューザ1と同一面となっている。また、こ
のパンチングメタル7Aは、ほぼ20%の開口率で形成
されており、このパンチングメタル7Aを設けることに
より、ディフューザ1の内部を流れる気流によって新た
な気流音を増音させることがなく、しかも開口孔4A部
における十分な強度も発揮させている。なお、パンチン
グメタル7の開口率は、20%以上、例えば50%であ
ってもよいが、気流音の増音を低く抑えるためにはほぼ
20%が好ましい。
【0033】このようにこの出願に係る共鳴型消音器S
によれば、ディフューザ1と消音塔2との連結空間を利
用してディフューザ1の周囲を共鳴箱3に利用し、しか
もこのディフューザ1に開口孔4を設けて共鳴型消音器
Sを構成しているため、特別な設置スペースを必要とす
ることなく少ないスペースで共鳴型消音器Sを設備内に
設けることができる。
【0034】以上のように構成された共鳴型消音器Sに
よれば、ディフューザ1の上流側から流れてきた気流中
の低周波数騒音は、共鳴型消音器Sに構成されたディフ
ューザ1の開口孔4から共鳴箱3側へと流れて共鳴し、
予め設定された所定の共鳴周波数に応じた低周波数騒音
が消音される。このことは、以下に示す実験結果から確
認することができる。
【0035】図5の線図は、共鳴型消音器Sを構成する
ディフューザ1の入口における気流の速度を15m/s,3
5m/s,45m/s,65m/s と変化させた時の出口側におけ
る気流音を測定した結果である。一点鎖線は開口孔4が
無い場合のデータであり、点線は開口孔4Aを一列開放
したパンチングメタル7A無しのデータであり、実線は
開口孔4Aを一列開放したパンチングメタル7A有りの
データである。なお、この実験は1/15の模型実験で
あるため、約10ヘルツの低周波数を15倍した値に近
い中心周波数が約160ヘルツにおける値を例にする。
【0036】この実験結果から、開口孔4の無い状態の
ディフューザ1に開口孔4Aを開けると、約2〜7デシ
ベルの気流音の上昇が見られ、この開口孔4Aにパンチ
ングメタル7Aを設けると、気流速度が比較的速い35
m/s 〜65m/s においては、気流音、すなわち騒音のレ
ベルが下がることが確認できる。
【0037】そして、図6(a),(b) のグラフ図に示すよ
うに、共鳴型消音器Sの消音性能をパンチングメタル7
Aの無い状態とパンチングメタル7Aを付けた状態とで
実験した時のスピーカ音だけを測定した結果を見ると、
パンチングメタル7Aの無い状態であってもパンチング
メタル7Aを付けた状態であっても共鳴型消音器Sの挿
入損失、すなわち消音量は160ヘルツで約23デシベ
ルとなっており、効果的な消音効果が得られることが確
認できる。
【0038】従って、これら図5,図6における実験結
果は1/15の模型実験であることから、実際の設備に
あっては約10ヘルツ付近で効果的な消音効果が得られ
ると言える。
【0039】一方、開口孔4の開放位置による低周波数
騒音の消音効果は、図7(a) に示す上流側開口孔4Aを
使用した場合のグラフ図と、(b) に示す下流側開口孔4
Cを使用した場合のグラフ図に示すような結果が得られ
る。このグラフ図において、黒塗り部aを含んだグラフ
がディフューザ1を共鳴型消音器Sに構成する前のレベ
ルであり、黒塗り部aが減音量で、薄塗り部bが増音量
である。なお、この結果は実際の共鳴型消音器Sにおけ
る実験結果を示しており、共鳴周波数を8ヘルツに設定
している。
【0040】このグラフ図から、(a) に示す上流側開口
孔4Aを開放させた共鳴型消音器Sの場合には、共鳴周
波数の8ヘルツとその上下において約10デシベルの減
音量が確認されるが、それ以下の2〜5ヘルツにおいて
約5デシベル前後の増音量が確認されている。
【0041】また、(b) に示す下流側開口孔4Cを開放
させた共鳴型消音器Sの場合には、共鳴周波数の8ヘル
ツとその上下において約10デシベルの減音量が確認さ
れ、それ以下の3ヘルツ程度において僅かな増音が確認
されている。
【0042】この実験結果によると、8ヘルツの共鳴周
波数では、ディフューザ1の上流側開口孔4A、つまり
騒音源に近い小径側に設けた開口孔4Aを開放させた方
が減音量が大きいことが確認された。しかし、上流側開
口孔4Aを使用した場合には、約2〜5ヘルツにおいて
増音が確認されているため、この低周波数における増音
が問題となる場合には下流側開口孔4Cを使用すればよ
く、この出願に係る共鳴型消音器Sを適用する設備や消
音を目的とする低周波数に応じて最適な位置の開口孔4
を開放して使用すればよい。
【0043】これらの開口孔4A,4B,4Cは、発生
する低周波数騒音や消音目的とする低周波数に応じて上
流側開口孔4A又は下流側開口孔4Cあるいは中央部開
口孔4Bを使用したり、これらの開口孔4A,4B,4
Cを複数組合せて開放することにより最も効果的な消音
効果が得られる位置を使用すればよい。
【0044】上記実施例では開口孔4を上流,中央,下
流の3箇所に設けているが、少なくとも上流と下流に設
ければ低周波数の変化にも対応することができ、その他
4箇所以上であってもよい。
【0045】なお、上記実施例では、テーパ状のディフ
ューザ1を例に説明したが、ディフューザ1と消音塔2
との連結部がストレート状に構成されていてもこの出願
に係る発明を適用することは可能であり、共鳴型消音器
Sを構成するディフューザ1の形態は特に限定されるも
のではない。また、この場合にも上述した実施例と同等
の作用効果を奏することができる。
【0046】また、上記共鳴型消音器Sは、気流のある
管路、例えば送風機の吸排気口等の気流のある管路にお
いても同様に適用することが可能であり、これらに適用
することにより、上述したディフューザ1を用いた共鳴
型消音器Sと同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うに構成しているので、以下に記載するような効果を奏
する。
【0048】請求項1に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器によれば、ディフューザと消音塔との接続空間に設け
た共鳴型消音器により、特別な設置スペースを要するこ
となくディフューザから消音塔へ流れる気流の消音の目
的とする低周波数を、ディフューザの周囲に設けた複数
の開口孔を開閉させる開閉手段により、消音の目的とす
る低周波数騒音に応じて、少なくとも上流と下流に設け
た複数の開口孔を選択的に開閉させて低周波数を効果的
に消音することができるため、発生する低周波数又は消
音を目的とする低周波数に応じた効果的な消音が可能と
なる。
【0049】請求項2に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器によれば、上記請求項1の効果を奏するとともに、開
口孔に設けたパンチングメタルにより、気流音を増大さ
せることなく効果的な消音が可能となる。
【0050】請求項3に係る低周波数騒音用共鳴型消音
器によれば、上記請求項2の効果を奏するとともに、開
口率をほぼ20%にしたパンチングメタルにより、パン
チングメタルの強度を落とすことなく気流音も増大させ
ることなく効果的な消音が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る低周波数騒音用共鳴型消音器の
一実施例を示す全体断面図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】開口孔の詳細を示す図面であり、(a) は平面
図,(b) は横断面図,(c) は縦断面図である。
【図4】図3(b) における一部拡大図である。
【図5】1/15模型実験による気流の速度を変化させ
た時の気流音を示す線図である。
【図6】1/15模型実験による共鳴型消音器の挿入損
失を示す測定結果のグラフ図であり、(a) がパンチング
メタル無し、(b) がパンチングメタル有りの場合であ
る。
【図7】開口孔の開閉位置を変化させた時の音圧レベル
を示す実験結果のグラフ図であり、(a) は上流側開口孔
を使用した場合、(b) は下流側開口孔を使用した場合で
ある。
【図8】従来の吹出し式風洞設備とその消音塔と共鳴型
消音器を示す全体図である。
【符号の説明】
1…ディフューザ 2…消音塔 3…共鳴箱 4…開口孔 4A…上流側開口孔 4B…中央部開口孔 4C…下流側開口孔 6…枠部材 6A…上流側枠部材 6B…中央部枠部材 6C…下流側枠部材 7…パンチングメタル 7A…上流側パンチングメタル 7B…中央部パンチングメタル 7C…下流側パンチングメタル S…共鳴型消音器 a…減音量 b…増音量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気の流れを減速するディフューザと、
    該ディフューザの空気出口に設けて騒音を消音する消音
    塔とを有する設備において、 前記ディフューザと消音塔との接続空間に共鳴箱を形成
    し、該共鳴箱内に位置するディフューザの周囲の少なく
    とも上流と下流に複数の開口孔を設け、該開口孔に消音
    の目的とする低周波数騒音に応じて選択的に開閉させる
    開閉手段を設けたことを特徴とする低周波数騒音用共鳴
    型消音器。
  2. 【請求項2】 開口孔にパンチングメタルを設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の低周波数騒音用共鳴型消音
    器。
  3. 【請求項3】 パンチングメタルの開口率をほぼ20%
    にしたことを特徴とする請求項2記載の低周波数騒音用
    共鳴型消音器。
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