JPH08113778A - 液晶組成物およびこれを含む液晶素子 - Google Patents

液晶組成物およびこれを含む液晶素子

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JPH08113778A
JPH08113778A JP27611594A JP27611594A JPH08113778A JP H08113778 A JPH08113778 A JP H08113778A JP 27611594 A JP27611594 A JP 27611594A JP 27611594 A JP27611594 A JP 27611594A JP H08113778 A JPH08113778 A JP H08113778A
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liquid crystal
crystal composition
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chiral smectic
general formula
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Application number
JP27611594A
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English (en)
Inventor
Kyoko Endo
恭子 遠藤
Chizu Sekine
千津 関根
Koichi Fujisawa
幸一 藤沢
Yukari Fujimoto
ゆかり 藤本
Tsutomu Matsumoto
努 松本
Masayoshi Minamii
正好 南井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (式中、R71はアルキル基、アルコキシアルキル基を示
し、l、m、pおよびqは0または1を示し、A71、A
72およびA73はそれぞれ独立にフェニレン基等を示
す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の
化合物と、 (式中、R11およびR12はアルキル基、アルコキシ基ま
たはアルコキシアルキル基の何れかを示し、A11、A12
およびA13はそれぞれ独立にフェニレン基等を示す。)
で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物
を含有することを特徴とする強誘電性カイラルスメクチ
ック液晶組成物。 【効果】カイラルスメクチックC相の上限温度が高く、
かつ自発分極が十分大きく、表示素子などの液晶素子に
用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な強誘電性カイラ
ルスメクティック液晶組成物およびそれを用いた液晶素
子に関する。さらに詳しくは、応答速度が改良された新
規な液晶組成物、およびそれを使用した光シャッターや
表示素子などに使用できる液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年情報化社会の進展に伴い、各種の表
示装置はマンマシーンインターフェースの一つとして、
その重要性がますます高まっている。そのような中で平
面ディスプレイ、特に液晶ディスプレイ(LCD)は、
薄型・軽量・低電圧駆動・低消費電力などの特徴を有
し、急速に普及してきた。液晶ディスプレイに代表され
る液晶素子のうち情報量の大きいマトリクス型液晶素子
には、アクティブマトリクス方式と単純マトリクス方式
と呼ばれている二つの駆動方法がある。
【0003】アクティブマトリクス方式は、ポリシリコ
ン、アモルファスシリコンなどの薄膜トランジスターま
たはダイオードを画素毎に非線形素子として装着したも
のである。しかし、アクティブマトリクス方式は、複雑
な製造プロセスと歩留まりの悪さから、大面積化、低価
格化および高密度化に関して課題を有しており、価格や
生産性などを考え合わせると単純マトリクス方式の方が
有力である。
【0004】現在実用化されている単純マトリクス方式
の液晶素子としてはTN型・STN型液晶を用いたもの
が主流である。しかしこれらの液晶素子の光学的な応答
は、電界印加時に生じる液晶分子の誘電率異方性に基づ
く平均的な液晶分子軸の特定方向への配列を利用してい
る。従ってこれらの液晶素子の光学的な応答速度の限界
は、ミリ秒のオーダーであり、情報量の増大を考えると
不十分である。
【0005】また、情報量を増大させるために走査線の
数を増大すると、コントラスト比の低下やクロストーク
が原理的に避けられない。これはTN型やSTN型の液
晶がメモリー性(双安定性)を示さないことによる本質
的な問題である。このことを改良するために、二周波駆
動法、電圧平均化法および多重マトリクス法など種々の
駆動法が提案されているが問題の本質的な解決ではな
く、大容量化、高密度化は容易ではない。またこれらの
液晶は視野角の制約や表示品質にも大きな問題がある。
【0006】このような液晶素子の本質的な問題点を解
決することを目標に、1980年にN.A.Clark
とS.T.Lagerwallは、双安定性を有する液
晶を利用する液晶素子を提案した(米国特許第4367
924号明細書、特開昭56−107216号公報な
ど)。このような双安定性を示す液晶としてはカイラル
スメクチックC相を発現する強誘電性液晶が主として用
いられている。
【0007】強誘電性液晶を用いることの特徴の一つ
は、強誘電性液晶が双安定性を示すことにある。双安定
性とは、強誘電性液晶を透明電極を有する二枚のガラス
基板間に狭持した場合に、印加する電界の向きに依存し
て二つの光学的な安定状態を有し、しかもこの二つの光
学的安定状態は、印加した電界を除去しても維持される
性質である。このような性質を有することから、強誘電
性液晶を用いた液晶素子は走査線の数を増大させてもコ
ントラスト比の低下やクロストークがないことが期待で
きる。
【0008】もう一つの強誘電性液晶の特徴は、高速応
答性にある。すなわち強誘電性液晶の光学的応答は、強
誘電性液晶が有する自発分極と電場との直接的な相互作
用によって生じる液晶分子の配列の変化を利用するた
め、前述したTN型、STN型液晶の場合の光学応答に
比較して、約1000倍速い。
【0009】すなわち、強誘電性液晶素子は、(1)二
つの光学的安定状態を示し、その光学的安定状態が電界
を除去してもそのまま保持され(双安定性)、(2) そ
の二つの光学的安定状態をマイクロ秒オーダーでスイッ
チングする(高速応答性)という本質的な特徴を有す
る。さらに強誘電性液晶素子は、(3)液晶分子が基板
に対して平行な面内で応答し、セル厚さも薄いので表示
の視角依存性が小さい(広視野角)という特徴も有して
いる。
【0010】したがって強誘電性液晶素子は、アクティ
ブマトリクス方式の場合のように高価な非線形素子を必
要とせず、単純マトリクス方式で大表示容量と高表示品
質を達成できる高品質大型ディスプレイとして期待され
ている。
【0011】また最近、液晶の応答時間が特定の電圧で
最小値を示すように調整された液晶材料を用いたマトリ
クスアレイ型液晶セルのアドレス法(インバースモード
またはτーVminモード)が、マシュウ フランシス
ボーンにより報告された(特開平3−20715号公
報)。このようなアドレス法では、液晶の応答時間が特
定の電圧で最小値を示すことを利用して、応答時間の電
圧依存性における正勾配部分を用いて液晶素子を駆動し
ている。このような駆動法を用いることにより、ちらつ
きが少なく、良好な画質が得られることが期待される。
【0012】このようなインバースモードに適した液晶
材料は、良好な配向状態を得るために必要な相系列、す
なわち等方相から徐冷したときにコレステリック相、ス
メクチックA相を経てカイラルスメクチックC相に転移
する相系列を有し、低粘度で高速応答性を示すという強
誘電性液晶材料として従来から要求されている特性のほ
かに、誘電率異方性が少なくとも1kHz〜40kHz
の周波数範囲にわたって負を示すことである。
【0013】これまでインバースモード用の液晶材料
は、学術雑誌や学会発表でいくつか報告されているが、
解決しなければならない課題を有している。そのような
課題の一つに、キラルスメクチックC相を示す温度範囲
が十分に広く、しかも応答時間が特定の電界で最小値を
示す液晶材料の開発がある。例えば第19回液晶討論会
(平成5年)講演予稿集249頁および251頁に記載
の組成物は、インバースモード用液晶材料として優れた
ものではあるが、カイラルスメクチックC相の上限温度
に関しては、実用的な観点からは満足できるものではな
い。また、パネル化においては、Vmin値に温度依存
性が大きく、動作温度の決定が困難であるのも現状であ
る。
【0014】このため現在までに強誘電性を示す液晶材
料に関して莫大な研究がなされ報告されている。強誘電
性液晶素子を実用化するためには、解決しなければなら
ない課題がいくつか存在しているが、特に広い動作温度
を持つこと、駆動条件にかかわる物性の温度依存性が小
さい液晶材料を提供することが要求されている。
【0015】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、充
分な大きさの自発分極を誘起することができ、かつカイ
ラルスメクチックC相の上限温度が保持された強誘電性
液晶組成物および該組成物を用いた液晶素子を提供する
ことである。またインバースモード用液晶材料の場合
は、自発分極には最適値が存在するが、キラルドーパン
トの少量添加でその最適値を達成することができ、かつ
添加してもカイラルスメクチックC相の上限温度が保持
された強誘電性液晶組成物および該組成物を用いた液晶
素子を提供することである。さらにτーV特性における
Vmin値の温度依存性が小さい強誘電性液晶組成物お
よび該組成物を用いた液晶素子を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は次に記す発明か
らなる。 〔1〕下記一般式(V)
【0017】
【化12】 (式中、R51は炭素数2〜20のアルキル基またはアル
コキシル基を、X5 は−COO−または−CH2 O−
(但し、結合部位は問わない)をそれぞれ示す。lおよ
びmはそれぞれ1または2である。nは0〜5の整数で
ある。Zは水素原子またはフッ素原子を表す。*印は不
斉炭素であることを示す)で表される化合物、または一
般式(VI)
【0018】
【化13】 (式中、R61は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、
6 は−COO−または−CH2 O−(但し、結合部位
は問わない)を、Y6 は−O−または−COO−(但
し、結合部位は問わない)をそれぞれ示し、A6
【0019】
【化14】 を示し、nは0〜5の整数であり、mは0または1であ
る。Zは水素原子またはフッ素原子を表す。*印は不斉
炭素であることを示す)で表される化合物、または一般
式(VII)
【0020】
【化15】 (式中、R71は炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の
アルキル基、炭素数2〜20の飽和もしくは不飽和のア
ルコキシアルキル基を示し、l、 m、pおよびqは0ま
たは1を示し、A71、A72およびA73はそれぞれ独立に
【0021】
【化16】 (式中、vは0〜4の整数を示し、rおよびsは0〜3
の整数を示す。)で表される縮合環または単環から選ば
れるものであり、A71が縮合環であるときは、pとqの
和は0または1であり、かつ、A72およびA73は単環で
あり、A71が単環であるときは、pとqの和は1または
2であり、pとqの和が2の場合、A72およびA73はい
ずれも単環である。nは0〜8の整数である。Y7 は二
重結合または三重結合または単結合を示す。Zは水素原
子またはフッ素原子を表す。*印は不斉炭素であること
を示す)で表される化合物、または一般式(VIII)
【0022】
【化17】 (式中、R81およびR82は炭素数1〜18のアルキル基
を示し、X8 は単結合または−O−を示す。mは0また
は1であり、環Aはフッ素置換されていてもよいフェニ
レン基またはシクロヘキシレン基を、環Bはフッ素置換
されていてもよいフェニレン基を表す。nは0〜5の整
数である。*印は不斉炭素であることを示す。(但し、
この中で一般式(V)から(VII)で表されるものは
除く))で表される化合物の中から選ばれる、少なくと
も一種類以上を含有することを特徴とする強誘電性カイ
ラルスメクチック液晶組成物。
【0023】〔2〕前記項〔1〕記載の強誘電性カイラ
ルスメクチック液晶組成物と、下記一般式(I)
【0024】
【化18】 (式中、R11はハロゲン原子で置換されていてもよい炭
素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基またはアルコ
キシアルキル基のいずれかを示し、これらの中に不飽和
結合を含んでいてもよく、R12はハロゲン原子で置換さ
れていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、アルコキ
シ基またはアルコキシアルキル基のいずれかを示し、こ
れらの中に不飽和結合を含んでいてもよく、A11
12、およびA13はそれぞれ独立に
【0025】
【化19】 (式中、iは0〜4の整数を示し、j、kは0〜3の整
数を示す。)で表される縮合環または単環から選ばれる
ものであり、p、qはそれぞれ独立に0または1であ
り、A11、A12およびA13のいずれかが縮合環であると
きは、pとqの和は0または1であり、A11が縮合環で
あるときは、pとqの和は0または1であり、かつA12
およびA13は単環であり、A11が単環であるときは、p
とqの和は1または2であり、pとqの和が2の場合に
は、A12およびA13はいずれも単環である。*印は不斉
炭素であることを示し、Zは水素原子またフッソ原子を
示し、nは0〜10の整数、r、s、tおよびuはそれ
ぞれ独立に0または1である。但し、u=1の場合はト
ランスオレフィンである。)で表される化合物の少なく
とも一種類を必須成分として含有することを特徴とする
強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
【0026】〔3〕一般式(I)で示される化合物のう
ち、u=1である化合物を用いることを特徴とする前記
項〔2〕記載の強誘電性カイラルスメクチック液晶組成
物。
【0027】〔4〕一般式(I)で示される化合物のう
ち、u=1であり、A11、A12およびA13の少なくとも
一つが
【化20】 である化合物を用いることを特徴とする前記項〔2〕記
載の強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
【0028】〔5〕前記項〔2〕記載の強誘電性カイラ
ルスメクチック液晶組成物と、下記一般式(IV)
【化21】 (式中、R41は炭素数5〜15のアルキル基、アルコキ
シ基またはアルコキシアルキル基を表し、R42はハロゲ
ン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキ
ル基もしくはアルコキシ基またはハロゲン原子で置換さ
れていてもよい炭素数2〜10のアルコキシアルキル基
を表し、R41およびR42の連続するメチレン鎖は二重結
合または三重結合で置換されていてもよく、cおよびd
はそれぞれ独立に1または2であり、cとdの和は3で
あり、eは0〜10の整数であり、f、gおよびhはそ
れぞれ独立に0または1であり、X4 は−COO−また
は−OCO−であり、ベンゼン環の水素原子の少なくと
も1つはフッ素原子に置換されており、*印は不斉炭素
であることを示し、Zは水素原子またはフッ素原子であ
る。)で表される化合物を必須成分として含有すること
を特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液晶組成
物。
【0029】〔6〕一般式(I)で示される化合物のう
ち、A11、A12およびA13の少なくとも一つが
【化22】 である化合物を用いることを特徴とする前記項〔2〕記
載の強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物と、前記
一般式(IV)で表される化合物を必須成分として含有
することを特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液
晶組成物。
【0030】〔7〕前記項〔4〕記載の強誘電性カイラ
ルスメクチック液晶組成物と、前記一般式(IV)で表
される化合物を必須成分として含有することを特徴とす
る強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
【0031】〔8〕前記項〔1〕記載の強誘電性カイラ
ルスメクチック液晶組成物であって、前記一般式(V)
〜(VIII)で表される化合物の比率(モル基準)が
1〜20%であることを特徴とする強誘電性カイラルス
メクチック液晶組成物。
【0032】
〔9〕前記項〔1〕から項〔8〕記載の強
誘電性カイラルスメクチック液晶組成物から選ばれる少
なくとも一種の液晶組成物を一対の電極基板間に挟持し
てなることを特徴とする液晶素子。
【0033】前記一般式(V)で示される化合物の具体
例としては、以下に示すものが挙げられる。以下、化2
3〔(V−1)〜(V−12)〕〜化24〔(V−1
3)〜(V〜24)〕で示される化合物において、R51
は炭素数2〜20のアルキル基を示す。Zは水素原子ま
たはフッ素原子を示す。nは0〜5の整数である。
【0034】
【化23】
【0035】
【化24】
【0036】前記一般式(VI)で示される化合物の具
体例としては、以下に示すものが挙げられる。以下、化
25〔(VI−1)〜(VI−12)〕〜化26〔(V
I−13)〜(VI−24)〕で示される化合物におい
てR61は炭素数1〜20のアルキル基を示す。Zは水素
原子またはフッ素原子を示す。nは0〜5の整数であ
る。
【0037】
【化25】
【0038】
【化26】
【0039】前記一般式(VII)で示される化合物の
具体例としては、以下に示すものが挙げられる。以下、
化27〔(VII−1)〜(VII−12)〕〜化38
〔(VII−133)〜(VII−150)〕で示され
る化合物においてR71は炭素数1〜20のアルキル基を
示す。Zは水素原子またはフッ素原子を示す。nは0〜
8の整数である。
【0040】
【化27】
【0041】
【化28】
【0042】
【化29】
【0043】
【化30】
【0044】
【化31】
【0045】
【化32】
【0046】
【化33】
【0047】
【化34】
【0048】
【化35】
【0049】
【化36】
【0050】
【化37】
【0051】
【化38】
【0052】前記一般式(VIII)で示される化合物
の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。以
下、化39〔(VIII−1)〜(VIII−16)〕
で示される化合物においてR81およびR82は炭素数1〜
18のアルキル基を示す。nは0〜5の整数である。
【0053】
【化39】
【0054】光学活性化合物は、例えば、特開平1−1
04026、特開平2−275864または特開平3−
264566号公報などに記載の方法で合成することが
できる。
【0055】前記一般式(I)で示される化合物の具体
例としては、以下に示すものが挙げられる。以下、化4
7〔(I−1)〜(I−12)〕〜化49〔(I−2
5)〜(I−30)〕で示される化合物においてR11
12はそれぞれハロゲン原子で置換されていてもよい炭
素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基またはアルコ
キシアルキル基である。また化50〔(I−1a)〜
(I−12a)〕〜化107〔(I−1as)〜(I−
9as)〕の化合物において、式中の二重結合は全てト
ランス結合である。Gは、
【0056】
【化40】 または、
【0057】
【化41】 である。またEは、
【0058】
【化42】 または、
【0059】
【化43】 または、
【0060】
【化44】 または、
【0061】
【化45】 または、
【0062】
【化46】 または水素原子である。式中のZは水素原子またはフッ
素原子である。nは0〜10の整数、iおよびkはそれ
ぞれ独立に1〜20の整数である。
【0063】
【化47】
【0064】
【化48】
【0065】
【化49】
【0066】
【化50】
【0067】
【化51】
【0068】
【化52】
【0069】
【化53】
【0070】
【化54】
【0071】
【化55】
【0072】
【化56】
【0073】
【化57】
【0074】
【化58】
【0075】
【化59】
【0076】
【化60】
【0077】
【化61】
【0078】
【化62】
【0079】
【化63】
【0080】
【化64】
【0081】
【化65】
【0082】
【化66】
【0083】
【化67】
【0084】
【化68】
【0085】
【化69】
【0086】
【化70】
【0087】
【化71】
【0088】
【化72】
【0089】
【化73】
【0090】
【化74】
【0091】
【化75】
【0092】
【化76】
【0093】
【化77】
【0094】
【化78】
【0095】
【化79】
【0096】
【化80】
【0097】
【化81】
【0098】
【化82】
【0099】
【化83】
【0100】
【化84】
【0101】
【化85】
【0102】
【化86】
【0103】
【化87】
【0104】
【化88】
【0105】
【化89】
【0106】
【化90】
【0107】
【化91】
【0108】
【化92】
【0109】
【化93】
【0110】
【化94】
【0111】
【化95】
【0112】
【化96】
【0113】
【化97】
【0114】
【化98】
【0115】
【化99】
【0116】
【化100】
【0117】
【化101】
【0118】
【化102】
【0119】
【化103】
【0120】
【化104】
【0121】
【化105】
【0122】
【化106】
【0123】
【化107】
【0124】前記一般式(IV)で示される化合物の具
体例としては、以下に示すものが挙げられる。以下、化
108〔(IV−1)〜(IV−12)〕〜化111
〔(IV−37)〜(IV−51)〕で示される化合物
において、R41は炭素数5〜15のアルキル基、アルコ
キシル基またはアルコキシアルキル基、R42は炭素数1
〜10のアルキル基、アルコキシル基または炭素数2〜
10のアルコキシアルキル基であり、R41およびR42
連続するメチレン鎖は二重結合または三重結合に置換さ
れていてもよく、Zは水素原子またはフッ素原子であ
り、rは0〜10の整数であり、*印は不斉炭素である
ことを示す。
【0125】
【化108】
【0126】
【化109】
【0127】
【化110】
【0128】
【化111】
【0129】本発明の液晶組成物には、強誘電性液晶相
における自発分極値の調整およびコレステリック相にお
ける螺旋ピッチの調整を目的として、他の光学活性化合
物を一種以上適当な割合で混合することができる。該光
学活性化合物はそれ自身が液晶相を示す必要は必ずしも
ない。また液晶温度範囲の拡大および保持等を目的に、
他のノンキラル化合物を1種以上適当な割合で混合する
ことができる。具体例としては以下に記載したような化
合物を用いることができる。
【0130】以下、化112〔(X−1)〜(X−1
2)〕〜化113〔(X−13)〜(X−19)〕で示
される化合物において、R10は炭素数5〜15のアルキ
ル基、R11はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基またはハ
ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のア
ルコキシアルキル基を示し、mは0〜10の整数を示
し、Zは水素原子またはフッ素原子を示し、*印は不斉
炭素であることを示す。
【0131】
【化112】
【0132】
【化113】
【0133】本発明で用いる他の光学活性化合物の具体
例を示したが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
【0134】本発明に関わる液晶素子は種々のタイプの
液晶素子、表示装置として利用することができる。液晶
素子の構造は特に限定するものではないが、図1に強誘
電性液晶素子の一例の概略図を示す。図1において、1
は偏光板、2はガラス基板、3は透明電極、4は絶縁性
の配向制御膜、5は強誘電性液晶、6はスペーサーであ
る。
【0135】図1に記載したような構造をもつ液晶素子
の一つの例として表面安定化型強誘電性液晶表示装置を
挙げることができる。この表示装置は、二枚のガラス基
板2の間の間隔を極めて薄くしたセルに強誘電性液晶を
水平配向するようにつめたものである。強誘電性液晶層
5の厚さは、二枚のガラス基板2の間隔とそれらの上で
強誘電性液晶層5の方向に設置された透明電極3と絶縁
性配向膜4の厚みのみで決定され、通常0.5〜20μ
m、好ましくは1〜5μmである。
【0136】透明電極3は、液晶層側のガラス基板2上
に被覆されており、その材料としては通常 ITO(Indium
-Tin Oxide)、In2 3 およびSnO2 などが用いら
れている。
【0137】透明電極3の液晶層側5には、絶縁性配向
膜が設置されている。この際、配向膜がそれ単独で充分
な絶縁性を有する場合には、配向膜のみでよいが、必要
に応じて配向膜および該配向膜の下に絶縁膜を設置し、
その両者で絶縁性配向膜としてもかまわない。
【0138】配向膜としては、有機物、無機物、低分子
および高分子など公知のものを使用することができる。
高分子物質としては、例えばポリイミド、ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリスチレ
ン、ポリエステル、ポリエステルイミドや種々のフォト
レジストなどを必要に応じて用いることができる。
【0139】またこれらの高分子物質を配向膜として用
いた場合には必要に応じてこれら配向膜の表面を、ガー
ゼやアセテート植毛布などを用いて、一方向にこする、
いわゆるラビング処理を行なうことによって液晶分子の
配向をより一層促進することができる。
【0140】絶縁膜としては、例えば、チタン酸化物、
アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、シリコン酸
化物、シリコン窒化物などを用いることができる。
【0141】これらの配向膜や絶縁膜を形成する方法と
しては、必要に応じて、それら用いる物質によって最適
な方法を用いることができる。例えば、高分子物質の場
合には、その高分子物質またはその前駆体を、それらの
物質を溶解できる溶媒に溶解後、スクリーン印刷法、ス
ピンナー塗布法、浸漬法などの方法で塗布することがで
きる。無機物質の場合には、浸漬法、蒸着法、斜方蒸着
法などを用いることができる。
【0142】これら絶縁性配向膜の厚みとしては、特に
限定するものでないが、10Å〜20μm、好ましくは
20Å〜1000Åである。これら絶縁性配向膜4およ
び透明電極3を設置した二枚のガラス基板3は、スペー
サー6を介して所定の間隔に保持される。スペーサーと
しては、シリカ、アルミナ、高分子よりなり、所定の直
径または厚みを有するビーズ、ファイバーまたはフィル
ム状の絶縁性の材料を用いることができる。これらスペ
ーサ6を2枚のガラス基板2で挟持し、周囲を例えばエ
ポキシ系接着剤等を用いてシールした後、強誘電性液晶
を封入することができる。
【0143】二枚のガラス基板の外側には、通常一枚ま
たは二枚の偏光板1が設置されている。二色性色素を添
加するゲストーホスト法の場合は用いる偏光板は一枚
で、複屈折法の場合は用いる偏光板は二枚である。図1
には二枚の偏光板を用いた場合が例示されている。この
際、二枚の偏光板は互いの偏光軸を直交させた状態、す
なわちクロスニコル状態となっている。透明電極3は、
適当なリード線が接続されており、外部の駆動回路に接
続されている。
【0144】
【実施例】以下、実施例により、本発明に関してより詳
細に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0145】実施例1、比較例1 一般式(VII)および(I)で示される化合物を、表
1に示す割合(モル%、以下同じ)で混合し、強誘電性
カイラルスメクチック液晶組成物A(実施例1)を調製
した。
【0146】
【表1】
【0147】この液晶組成物Aを、透明電極とポリイミ
ド配向膜を塗布した二枚のガラス基板間に、スペーサー
を用いてギャップが2μmになるように挟持し、この二
枚のガラス基板のそれぞれ外側に偏光面が90゜回転し
た状態で二枚の偏光板を設置し液晶素子を作製した。こ
の際、光の入射側の偏光軸はポリイミド配向膜のラビン
グ方向に一致するように設置した。
【0148】次にこの液晶素子を用いてSc* 相の上限温
度と自発分極を測定した。相転移温度はホットステージ
でセルの温度を制御し、温度変化に伴う液晶相のテクス
チャー変化を偏光顕微鏡で観察して決定した。セルは直
交した偏光板の間に挿入して観察しているので、入射光
の振動面に対して光学異方性を持つ相のみ観察できる。
温度は2.5℃/minの割合で変化させた。自発分極
は、三角波を印加したときの分極反転電流から自発分極
の電荷密度を求める三角波法で測定した。測定法は以下
においても同様である。
【0149】比較のために液晶組成物Aの中の一般式
(VII)で示される化合物の代わりに別の化合物を表
2に示す割合で混合し、液晶組成物1(比較例1)を調
製した。
【0150】
【表2】
【0151】この液晶組成物1を用いて、液晶組成物A
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相の上限温度と自発分
極を測定した。測定結果を表3に示す。なお、自発分極
測定温度は、Sc* 相上限温度が著しく異なるため、SA-S
c*転移点から10℃の点で測定した。結果を表3に記し
た。
【0152】
【表3】
【0153】表3に記載したS*相上限温度と自発分極の
測定値から明らかなように、本発明に関わる液晶組成物
の方が、S*相上限温度が高く自発分極が大きく優れてい
る。すなわち、一般式(VII)で示される化合物をキ
ラルドーパントとして用いることによって、S*相上限温
度が高く、自発分極が大きい組成物を提供することがで
きる。
【0154】実施例2、比較例2 一般式(VII)および(I)で示される化合物を、表
4に示す割合で混合し、強誘電性カイラルスメクチック
液晶組成物B(実施例2)を調製した。
【0155】
【表4】
【0156】この液晶組成物Bを用いて、実施例1と同
様に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc
* 相の上限温度と自発分極を測定した。
【0157】比較のために液晶組成物Bの中の一般式
(VII)で示される化合物の代わりに別の化合物を表
5に示す割合で混合し、液晶組成物2(比較例2)を調
製した。
【0158】
【表5】
【0159】この液晶組成物2を用いて、液晶組成物B
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相の上限温度と自発分
極を測定した。これらの測定結果を表6に示す。なお、
自発分極測定温度はSc* 相上限温度が著しく異なるた
め、SA-Sc*転移点から10℃の点で測定した。
【0160】
【表6】
【0161】表6に記載したS*相上限温度と自発分極の
測定値から明らかなように、本発明の液晶組成物の方
が、S*相上限温度が高く自発分極が大きく優れている。
すなわち、一般式(VII)で示される化合物をキラル
ドーパントとして用いることにより、S*相上限温度が高
く、自発分極が大きい組成物を提供することができる。
【0162】実施例3、比較例3 一般式(VII)および(I)で示される化合物を、表
7に示す割合で混合し、強誘電性カイラルスメクチック
液晶組成物C(実施例3)を調製した。
【0163】
【表7】
【0164】この液晶組成物Cを用いて実施例1と同様
にして液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いて
Sc* 相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために
液晶組成物Cの中の一般式(VII)で示される化合物
の代わりに別の化合物を表8に示す割合で混合し、液晶
組成物3(比較例3)を調製した。
【0165】
【表8】
【0166】この液晶組成物3を用いて、液晶組成物C
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。これらの測定結果を表9に示す。なお、自
発分極測定温度は25℃で測定した。
【0167】
【表9】
【0168】表9に記載したS*相上限温度と自発分極の
測定値から明らかなように、本発明に関わる液晶組成物
の方が、S*相上限温度が高く自発分極が大きく優れてい
る。すなわち、一般式(VII)で示される化合物をキ
ラルドーパントとして用いることによって、S*相上限温
度が高く、自発分極が大きい組成物を提供することがで
きる。
【0169】実施例4、比較例4 一般式(VII)および(I)で示される化合物を、表
10に示す割合で混合し、強誘電性カイラルスメクチッ
ク液晶組成物D(実施例4)を調製した。
【0170】
【表10】
【0171】この液晶組成物Dを用いて実施例1と同様
に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc*
相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために液晶
組成物Dの中の一般式(VII)で示される化合物の代
わりに別の化合物を表11に示す割合で混合し、液晶組
成物4(比較例4)を調製した。
【0172】
【表11】
【0173】この液晶組成物4を用いて、液晶組成物D
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。測定結果を表12に示す。なお、自発分極
測定温度は25℃で測定した。
【0174】
【表12】
【0175】表12に記載したS*相上限温度と自発分極
の測定値から明らかなように、本発明の液晶組成物の方
が、S*相上限温度が高く自発分極が大きく優れている。
すなわち、一般式(VII)で示される化合物をキラル
ドーパントとして用いることによって、S*相上限温度が
高く、自発分極が大きい組成物を提供することができ
る。
【0176】実施例5、比較例5 一般式(VII)、(I)および(IV)で示される化
合物を、表13に示す割合で混合し、強誘電性カイラル
スメクチック液晶組成物E(実施例5)を調製した。
【0177】
【表13】
【0178】この液晶組成物Eを用いて実施例1と同様
に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc*
相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために液晶
組成物Eの中の一般式(VII)で示される化合物の代
わりに別の化合物を表14に示す割合で混合し、液晶組
成物5(比較例5)を調製した。
【0179】
【表14】
【0180】この液晶組成物5を用いて、液晶組成物E
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。これらの測定結果を表15に示す。なお、
自発分極測定温度は25℃で測定した。
【0181】
【表15】 表15に記載したS*相上限温度と自発分極の測定値から
明らかなように、本発明の液晶組成物の方が、S*相上限
温度が高く自発分極が大きく優れている。すなわち、一
般式(VII)で示される化合物をキラルドーパントと
して用いることによって、S*相上限温度が高く、自発分
極が大きい組成物を提供することができる。
【0182】次に上記強誘電性液晶素子を用いて、応答
時間の電界依存性(τ―V特性)を測定し、インバース
モード用液晶材料としての性能を評価した。ここで応答
時間とは、モノポーラーパルスを印加したときに、良好
なスイッチング状態が得られる最小パルス幅とした。
【0183】τ―V特性は次のようにして評価した。す
なわち液晶素子に、図1に示すようなデューティー比が
1:400のモノポーラーパルスを印加してスイッチン
グさせ、その時の透過光量の変化を光電子増倍管で検知
した後電流電圧変換し、オシロスコープに入力して観察
した。
【0184】ある電界において良好なスイッチングが得
られる、すなわちメモリー性を保持できる最小のパルス
幅を、その印加電界に対する最小パルス幅とした。ここ
でメモリー性を保持できないとは、2つの安定状態間の
コントラスト比が低下する状態とした。このようにして
最小パルス幅印加電界に対してプロットし、τ―V特性
を得た。τ―V特性における印加電界の最小値をEmin
、そのときのパルス幅をτmin とした。
【0185】液晶組成物Eの25℃と40℃における、
τ―V特性を図2に示す。また比較のために液晶組成物
5の25℃と40℃における、τ―V特性を図3に示
す。またVmin の25℃と40℃のシフト値を表16に
示す。
【0186】
【表16】
【0187】表16に記載したVmin の25℃と40℃
のシフト値から明らかなように、本発明の液晶組成物の
方が、Vmin の温度依存性が小さく優れている。すなわ
ち、一般式(VII)で示される化合物をキラルドーパ
ントとして用いることによって、温度依存性が小さい組
成物を提供することができる。
【0188】実施例6 一般式(VII)、(I)および(IV)で示される化
合物を、表17に示す割合で混合し、強誘電性カイラル
スメクチック液晶組成物F(実施例6)を調製した。
【0189】
【表17】
【0190】この液晶組成物Fを用いて実施例1と同様
に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc*
相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために液晶
組成物Fの中の一般式(VII)で示される化合物の代
わりに別の化合物を表18に示す割合で混合し、液晶組
成物6(比較例6)を調製した。
【0191】
【表18】
【0192】この液晶組成物6を用いて、液晶組成物F
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。測定結果を表19に示す。なお、自発分極
測定温度は25℃で測定した。
【0193】
【表19】 表19に記載したS*相上限温度と自発分極の測定値から
明らかなように、本発明の液晶組成物の方が、S*相上限
温度が高く自発分極が大きく優れている。すなわち、一
般式(VII)で示される化合物をキラルドーパントと
して用いることによって、S*相上限温度が高く、自発分
極が大きい組成物を提供することができる。
【0194】次にτ―V特性を測定した。液晶組成物F
の25℃と40℃における、τ―V特性を図4に示す。
また比較のために液晶組成物6の25℃と40℃におけ
る、τ―V特性を図5に示す。またVmin の25℃と4
0℃のシフト値を表20に示す。
【0195】
【表20】 表20に記載したVmin の25℃と40℃のシフト値か
ら明らかなように、本発明の液晶組成物の方が、Vmin
の温度依存性が小さく優れている。すなわち、一般式
(VII)で示される化合物をキラルドーパントとして
用いることによって、温度依存性が小さい組成物を提供
することができる。
【0196】実施例7、比較例7 一般式(VII)、(I)および(IV)で示される化
合物を、表21に示す割合(モル%以下同じ)で混合
し、強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物G(実施
例7)を調製した。
【0197】
【表21】
【0198】この液晶組成物Gを用いて実施例1と同様
に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc*
相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために液晶
組成物Gの中の一般式(VII)で示される化合物の代
わりに別の化合物を表22に示す割合で混合し、液晶組
成物7(比較例7)を調製した。
【0199】
【表22】
【0200】この液晶組成物7を用いて、液晶組成物G
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。測定結果を表23に示す。なお、自発分極
測定温度は25℃で測定した。
【0201】
【表23】 表23に記載したS*相上限温度と自発分極の測定値から
明らかなように、本発明の液晶組成物の方が、S*相上限
温度が高く自発分極が大きく優れている。すなわち、一
般式(VII)で示される化合物をキラルドーパントと
して用いることによって、S*相上限温度が高く、自発分
極が大きい組成物を提供することができる。
【0202】次にτ―V特性を測定した。液晶組成物G
の25℃と40℃における、τ―V特性を図6に示す。
また比較として液晶組成物6の25℃と40℃におけ
る、τ―V特性を図7に示す。またVmin の25℃と4
0℃のシフト値を表24に示す。
【0203】
【表24】
【0204】表24に記載したVmin の25℃と40℃
のシフト値から明らかなように、本発明の液晶組成物の
方が、Vmin の温度依存性が小さく優れている。すなわ
ち、一般式(VII)で示される化合物をキラルドーパ
ントとして用いることによって、温度依存性が小さい組
成物を提供することができる。
【0205】実施例8、(比較例7) 一般式(VII)、(I)および(IV)で示される化
合物を、表25に示す割合(モル%以下同じ)で混合
し、強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物H(実施
例8)を調製した。
【0206】
【表25】
【0207】この液晶組成物Hを用いて実施例1と同様
に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc*
相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために、液
晶組成物Hの中の一般式(VII)で示される化合物の
代わりに別の化合物を表26に示す割合で混合し、液晶
組成物7(比較例7)を調製した。
【0208】
【表26】
【0209】この液晶組成物7を用いて、液晶組成物H
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。測定結果を表27に示す。なお、自発分極
測定温度は25℃で測定した。
【0210】
【表27】
【0211】表27に記載したS*相上限温度と自発分極
の測定値から明らかなように、本発明の液晶組成物の方
が、S*相上限温度が高く自発分極が大きく優れている。
すなわち、一般式(VII)で示される化合物をキラル
ドーパントとして用いることによって、S*相上限温度が
高く、自発分極が大きい組成物を提供することができ
る。
【0212】次にτ―V特性を測定した。液晶組成物H
の25℃と40℃における、τ―V特性を図8に示す。
また比較のために液晶組成物7の25℃と40℃におけ
る、τ―V特性を図7に示す。またVmin の25℃と4
0℃のシフト値を表28に示す。
【0213】
【表28】
【0214】表28に記載したVmin の25℃と40℃
のシフト値から明らかなように、本発明の液晶組成物の
方が、Vmin の温度依存性が小さく優れている。すなわ
ち、一般式(VII)で示される化合物をキラルドーパ
ントとして用いることによって、温度依存性が小さい組
成物を提供することができる。
【0215】実施例9、(比較例7) 一般式(VII)、(I)および(IV)で示される化
合物を、表29に示す割合で混合し、強誘電性カイラル
スメクチック液晶組成物I(実施例9)を調製した。
【0216】
【表29】
【0217】この液晶組成物Iを用いて実施例1と同様
に液晶素子を作製した。次にこの液晶素子を用いてSc*
相の上限温度と自発分極を測定した。比較のために液晶
組成物Iの中の一般式(VII)で示される化合物の代
わりに別の化合物を表30に示す割合で混合し、液晶組
成物7(比較例7)を調製した。
【0218】
【表30】
【0219】この液晶組成物7を用いて、液晶組成物I
と同様の液晶素子を作製し、Sc* 相上限温度と自発分極
を測定した。測定結果を表31に示す。なお、自発分極
測定温度は25℃で測定した。
【0220】
【表31】
【0221】表31に記載したS*相上限温度と自発分極
の測定値から明らかなように、本発明の液晶組成物の方
が、S*相上限温度が高く自発分極が大きく優れている。
すなわち、一般式(VII)で示される化合物をキラル
ドーパントとして用いることによって、S*相上限温度が
高く、自発分極が大きい組成物を提供することができ
る。
【0222】次にτ−V特性を測定した。液晶組成物I
の25℃と40℃における、τ−V特性を図9に示す。
また比較のために液晶組成物7の25℃と40℃におけ
る、τ−V特性を図7に示す。またVmin の25℃と4
0℃のシフト値を表32に示す。
【0223】
【表32】
【0224】表32に記載したVmin の25℃と40℃
のシフト値から明らかなように、本発明の液晶組成物の
方が、Vmin の温度依存性が小さく優れている。すなわ
ち、一般式(VII)で示される化合物をキラルドーパ
ントとして用いることによって、温度依存性が小さい組
成物を提供することができる。
【0225】
【発明の効果】本発明のカイラルスメクチックC相を示
す液晶組成物は従来の強誘電性カイラルスメクチックC
相を示す液晶組成物に比較してカイラルスメクチックC
相の上限温度が高く、かつ自発分極が十分大きく、表示
素子などの液晶素子に用いることができる。またインバ
ースモード用組成物としては、キラルドーパントの少量
添加で自発分極の最適値を達成することができ、かつ添
加してもカイラルスメクチックC相の上限温度が保持さ
れたものを得ることがてきる。さらに、上記の特徴以外
にτ−V特性におけるVmin の温度依存性が小さく、表
示素子などの液晶素子に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶セルに印加する波形を示す。
【図2】実施例5の液晶組成物Eのτ−V特性を示す。
【図3】実施例5の液晶組成物5のτ−V特性を示す。
【図4】実施例6の液晶組成物Fのτ−V特性を示す。
【図5】実施例6の液晶組成物6のτ−V特性を示す。
【図6】実施例7の液晶組成物Gのτ−V特性を示す。
【図7】実施例7の液晶組成物7のτ−V特性を示す。
【図8】実施例8の液晶組成物Hのτ−V特性を示す。
【図9】実施例9の液晶組成物Iのτ−V特性を示す。
【図10】強誘電性液晶を用いた表示装置の一例の概略
図を示す。
【符号の説明】
1. 偏向板 2. ガラス電極 3. 透明電極 4. 絶縁性の配向制御膜 5. 強誘電性液晶層 6. スペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/137 (72)発明者 藤本 ゆかり 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 松本 努 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 南井 正好 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(V) 【化1】 (式中、R51は炭素数2〜20のアルキル基またはアル
    コキシル基を、X5 は−COO−または−CH2 O−
    (但し、結合部位は問わない)をそれぞれ示す。lおよ
    びmはそれぞれ1または2である。nは0〜5の整数で
    ある。Zは水素原子またはフッ素原子を表す。*印は不
    斉炭素であることを示す)で表される化合物、または一
    般式(VI) 【化2】 (式中、R61は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、
    6 は−COO−または−CH2 O−(但し、結合部位
    は問わない)を、Y6 は−O−または−COO−(但
    し、結合部位は問わない)をそれぞれ示し、A6 は 【化3】 を示し、nは0〜5の整数であり、mは0または1であ
    る。Zは水素原子またはフッ素原子を表す。*印は不斉
    炭素であることを示す)で表される化合物、または一般
    式(VII) 【化4】 (式中、R71は炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の
    アルキル基、炭素数2〜20の飽和もしくは不飽和のア
    ルコキシアルキル基を示し、l、 m、pおよびqは0ま
    たは1を示し、A71、A72およびA73はそれぞれ独立に 【化5】 (式中、vは0〜4の整数を示し、rおよびsは0〜3
    の整数を示す。)で表される縮合環または単環から選ば
    れるものであり、A71が縮合環であるときは、pとqの
    和は0または1であり、かつA72およびA73は単環であ
    り、A71が単環であるときは、pとqの和は1または2
    であり、pとqの和が2の場合、A72およびA73はいず
    れも単環である。nは0〜8の整数である。Y7 は二重
    結合または三重結合または単結合を示す。Zは水素原子
    またはフッ素原子を表す。*印は不斉炭素であることを
    示す)で表される化合物、または一般式(VIII) 【化6】 (式中、R81およびR82は炭素数1〜18のアルキル基
    を示し、X8 は単結合または−O−を示す。mは0また
    は1であり、環Aはフッ素置換されていてもよいフェニ
    レン基またはシクロヘキシレン基を、環Bはフッ素置換
    されていてもよいフェニレン基を表す。nは0〜5の整
    数である。*印は不斉炭素であることを示す。(但し、
    この中で一般式(V)から(VII)で表されるものは
    除く))で表される化合物の中から選ばれる、少なくと
    も一種類以上を含有することを特徴とする強誘電性カイ
    ラルスメクチック液晶組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の強誘電性カイラルスメクチ
    ック液晶組成物と、下記一般式(I) 【化7】 (式中、R11はハロゲン原子で置換されていてもよい炭
    素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基またはアルコ
    キシアルキル基のいずれかを示し、これらの中に不飽和
    結合を含んでいてもよく、R12はハロゲン原子で置換さ
    れていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、アルコキ
    シ基またはアルコキシアルキル基のいずれかを示し、こ
    れらの中に不飽和結合を含んでいてもよく、A11
    12、およびA13はそれぞれ独立に 【化8】 (式中、iは0〜4の整数を示し、j、kは0〜3の整
    数を示す。)で表される縮合環または単環から選ばれる
    ものであり、p、qはそれぞれ独立に0または1であ
    り、A11、A12およびA13のいずれかが縮合環であると
    きは、pとqの和は0または1であり、A11が縮合環で
    あるときは、pとqの和は0または1であり、かつA12
    およびA13は単環であり、A11が単環であるときは、p
    とqの和は1または2であり、pとqの和が2の場合に
    は、A12およびA13はいずれも単環である。*印は不斉
    炭素であることを示し、Zは水素原子またフッ素原子を
    示し、nは0〜10の整数、r、s、tおよびuはそれ
    ぞれ独立に0または1である。但し、u=1の場合はト
    ランスオレフィンである。)で表される化合物の少なく
    とも一種類を必須成分として含有することを特徴とする
    強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
  3. 【請求項3】一般式(I)で示される化合物のうち、u
    =1である化合物を用いることを特徴とする請求項2記
    載の強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
  4. 【請求項4】一般式(I)で示される化合物のうち、u
    =1であり、A11、A12およびA13の少なくとも一つが 【化9】 である化合物を用いることを特徴とする請求項2記載の
    強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
  5. 【請求項5】請求項2記載の強誘電性カイラルスメクチ
    ック液晶組成物と、下記一般式(IV) 【化10】 (式中、R41は炭素数5〜15のアルキル基、アルコキ
    シ基またはアルコキシアルキル基を表し、R42はハロゲ
    ン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキ
    ル基もしくはアルコキシ基またはハロゲン原子で置換さ
    れていてもよい炭素数2〜10のアルコキシアルキル基
    を表し、R41およびR42の連続するメチレン鎖は二重結
    合または三重結合で置換されていてもよく、cおよびd
    はそれぞれ独立に1または2であり、cとdの和は3で
    あり、eは0〜10の整数であり、f、gおよびhはそ
    れぞれ独立に0または1であり、X4 は−COO−また
    は−OCO−であり、ベンゼン環の水素原子の少なくと
    も1つはフッ素原子に置換されており、*印は不斉炭素
    であることを示し、Zは水素原子またはフッ素原子であ
    る。)で表される化合物を必須成分として含有すること
    を特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液晶組成
    物。
  6. 【請求項6】一般式(I)で示される化合物のうち、A
    11、A12およびA13の少なくとも一つが 【化11】 である化合物を用いることを特徴とする請求項2記載の
    強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物と、前記一般
    式(IV)で表される化合物を必須成分として含有する
    ことを特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液晶組
    成物。
  7. 【請求項7】請求項4記載の強誘電性カイラルスメクチ
    ック液晶組成物と、前記一般式(IV)で表される化合
    物を必須成分として含有することを特徴とする強誘電性
    カイラルスメクチック液晶組成物。
  8. 【請求項8】請求項1記載の強誘電性カイラルスメクチ
    ック液晶組成物であって、前記一般式(V)〜(VII
    I)で表される化合物の比率(モル基準)が1〜20%
    であることを特徴とする強誘電性カイラルスメクチック
    液晶組成物。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8記載の強誘電性カイ
    ラルスメクチック液晶組成物から選ばれる少なくとも一
    種の液晶組成物を一対の電極基板間に挟持してなること
    を特徴とする液晶素子。
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