JPH08113774A - ダイヤモンド砥粒、砥石及びそれらの製造方法 - Google Patents
ダイヤモンド砥粒、砥石及びそれらの製造方法Info
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- JPH08113774A JPH08113774A JP6278488A JP27848894A JPH08113774A JP H08113774 A JPH08113774 A JP H08113774A JP 6278488 A JP6278488 A JP 6278488A JP 27848894 A JP27848894 A JP 27848894A JP H08113774 A JPH08113774 A JP H08113774A
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Abstract
石を提供する。 【構成】 この砥石は、ある特定のダイヤモンド砥粒を
使用して製造される。ある特定のダイヤモンド砥粒と
は、表面に結晶構造がβ−SiC(3C)[JCPDS
No 29−1129]であるSiCが形成されてな
るものである。このダイヤモンド砥粒群を、レジノイド
系結合剤又はビトリファイド系結合剤を使用して、所定
形状に成型して砥石が得られる。ある特定のダイヤモン
ド砥粒の製造方法としては、ダイヤモンド砥粒本体と珪
素粉末とを混合して、不活性ガスの存在下で1000〜
1600℃に加熱するというものである。この際、触媒
を添加して加熱してもよい。また、ダイヤモンド砥粒本
体と珪素粉末とを混合する際、珪素粉末がダイヤモンド
砥粒本体表面に密着して被覆されるように、少量のバイ
ンダーを添加して混合してもよい。
Description
満足のゆく抗折強度を持つ砥石及びその製造方法に関す
るものである。また、このような砥石を原料となるダイ
ヤモンド砥粒及びその製造方法に関するものである。
合剤で結合してなる砥石は、広く知られている。そし
て、ダイヤモンド砥粒と結合剤との結合力を向上させ、
抗折強度の高い砥石を得るために、種々の提案が行われ
ている。例えば、特開平2−243270号公報には、
ダイヤモンド砥粒と結合剤との結合力を向上させるため
に、ダイヤモンド砥粒表面に、浸漬法に由来する金属炭
化物(炭化バナジウムや炭化クロム等)や金属窒化物
(窒化チタン等)を被覆することが提案されている。し
かしながら、この方法では、単にダイヤモンド砥粒表面
を粗面化して、ダイヤモンド砥粒と結合剤との結合力を
向上させるものであるため、比較的少量の結合剤で満足
のゆく抗折強度を持つ砥石を得ることは困難であった。
てダイヤモンド砥粒表面を、金属等の皮膜で被覆する方
法や、CVD法(化学蒸着法)によってダイヤモンド砥
粒表面を、金属等の皮膜で被覆する方法が提案されてい
るが、いずれも前述の方法によるものと大差のないもの
であった。
を結合して砥石を得ることの利点は、次のような点にあ
る。即ち、結合剤の量を抑制することによって、砥石中
に多量の気孔を存在させることができる点である。多数
の気孔を持つ砥石は、ダイヤモンド砥粒が完全に結合剤
に埋め込まれておらず、外気と接触しているため、以下
のような利点を持つものである。つまり、ダイヤモンド
砥粒が完全に結合剤に埋め込まれていないため、砥石表
面のダイヤモンド砥粒は露出していることになる。従っ
て、この露出しているダイヤモンド砥粒によって、良好
な研削が図れるのである。そして、研削を続けてゆく
と、ダイヤモンド砥粒が脱落するが、その下層に存在す
るダイヤモンド砥粒も完全に結合剤で埋め込まれていな
いため、新たに外部に露出することになる。従って、こ
のダイヤモンド砥粒によって良好な研削を図ることがで
きるのである。即ち、比較的少量の結合剤を用いてなる
砥石は、砥石中の結合剤を除去しながら研削を行う必要
がなく、研削効率の大幅な向上が図れるという利点があ
るのである。
は、従来の方法と全く異なる方法でダイヤモンド砥粒表
面を改質して、ダイヤモンド砥粒表面を結合剤との親和
性(濡れ性)に優れたものにすることによって、比較的
少量の結合剤で満足のゆく抗折強度を持つ砥石を得るこ
とを試みた。その結果、ダイヤモンド砥粒本体と珪素と
を混合して、気相反応又は固相反応を進行させ、ダイヤ
モンド砥粒表面にSiCを形成させると、このSiCと
結合剤との結合力が格段に向上し、比較的少量の結合剤
で高い抗折強度を持つ砥石が得られることが判明し、本
発明に到達したのである。
モンド砥粒本体表面の構成元素である炭素に、珪素が化
学結合して、表面にSiCが形成されてなり、該SiC
の結晶の種類が、主としてβ−SiC[JCPDS N
o 29−1129]であることを特徴とするダイヤモ
ンド砥粒に関するものである。また、ダイヤモンド砥粒
本体と珪素粉末とを混合して、不活性ガスの存在下で1
000〜1600℃に加熱することを特徴とするダイヤ
モンド砥粒の製造方法に関するものである。更に、この
ダイヤモンド砥粒を用いた砥石及びその製造方法に関す
るものである。
ては、従来よりダイヤモンド砥粒として使用されている
ものが好適に使用しうる。代表的には、多結晶ダイヤモ
ンド砥粒を使用することができ、例外的に単結晶ダイヤ
モンド砥粒を使用することもできる。使用するダイヤモ
ンド砥粒本体の粒度は、50〜150μ程度であり、好
ましくは80〜140μ程度であり、最も好ましくは1
00μ程度のものである。
に市販されている、純度が96〜98%程度のものが使
用される。珪素粉末の粒度は、ダイヤモンド砥粒本体よ
りも小さい方が好ましく、50μ以下であり、より好ま
しくは10μ以下であり、最も好ましくは1μ程度であ
る。なお、本発明における粒度は、全てメジアン径を採
用している。。
砥粒本体と珪素粉末とが、均一に混合される。ダイヤモ
ンド砥粒本体と珪素粉末との混合割合は、ダイヤモンド
砥粒本体100重量部に対して、珪素粉末1〜40重量
部程度が好ましい。珪素粉末が1重量部未満であると、
ダイヤモンド砥粒表面に形成されるSiCの量が少なく
なって、結合剤とダイヤモンド砥粒との親和性(濡れ
性)が低下し、結合力が低下する傾向が生じる。逆に、
珪素粉末が40重量部を超えると、ダイヤモンド砥粒の
表面のみならず、内部までSiCが形成されてゆき、ダ
イヤモンド砥粒の硬度が低下し、研削性能が低下する傾
向が生じる。
する際、バインダーを添加しておくのが好ましい。この
バインダーの作用によって、ダイヤモンド砥粒本体表面
に珪素粉末が密着して被覆され、ダイヤモンド砥粒本体
表面を構成している炭素原子と珪素粉末中の珪素原子と
が反応しやすくなり、SiCが形成されやすくなるから
である。バインダーとしては、接着作用を持つ合成樹脂
であればどのようなものでも使用しうるが、特にアクリ
ル系樹脂を使用するのが好ましい。アクリル系樹脂は、
ダイヤモンド砥粒表面と珪素粉末の両者に対して親和性
が良く、接着力が大きいからである。バインダーを使用
する際には、溶媒に溶解させて使用するのが好ましく、
例えば、アクリル系樹脂を使用した場合には、アルコー
ル溶媒に溶解して使用するのが好ましい。また、バイン
ダーの使用量は、ごく微量で差し支えなく、ダイヤモン
ド砥粒本体100重量部に対して、1重量部未満で差し
支えない。
を混合する際、そこに触媒を添加混合してもよい。この
触媒は、ダイヤモンド砥粒本体表面を構成している炭素
原子と、珪素粉末中の珪素原子との反応を促進させるも
のである。触媒としては、鉄系触媒,ニッケル系触媒,
コバルト系触媒等の公知の触媒を使用することができ
る。特に、フェルニコ(Fe−Ni−Co合金)を触媒
して使用するのが好ましい。触媒は、一般的には粉末の
形態で添加され、その粒度はダイヤモンド砥粒本体及び
珪素粉末の粒度よりも小さいものを使用するのが好まし
い。従って、一般的に10μ以下程度のものが好まし
く、特に1μ程度のものが好ましい。また、触媒の添加
量は、ダイヤモンド砥粒本体100重量部に対して、1
0重量部以下であるのが好ましく、特に5重量部以下で
あるのが好ましい。
物は、又は場合によりこれらとバインダーや触媒との混
合物は、容器に収納し、容器内に不活性ガスを充満させ
る。不活性ガスとしては、一般的にアルゴンガスが使用
されるが、窒素ガス等の他の不活性ガスを使用しても差
し支えない。そして、容器内が不活性ガスで完全に充満
された後、1000〜1600℃に加熱して、反応を進
行させる。また、反応時間は、1〜10時間程度が好ま
しく、3〜7時間程度がより好ましく、5時間程度が最
も好ましい。この反応は、固体状のダイヤモンド砥粒本
体と固体若しくは加熱により気体となった珪素とが反応
するものであり、固相反応又は気相反応である。加熱温
度が1000℃未満では、ダイヤモンド砥粒本体表面を
構成している炭素原子と、珪素粉末中の珪素原子との反
応が進行しにくく、ダイヤモンド砥粒表面にSiCが形
成されにくくなるので、好ましくない。逆に、加熱温度
が1600℃を超えると、ダイヤモンド砥粒本体を構成
している炭素原子がダメージを受けて、ダイヤモンド砥
粒の硬度が低下する恐れがあるので、好ましくない。
体と珪素粉末とを反応させる際、容器内に微量の酸素を
流通させるのが好ましい。これは、ダイヤモンド砥粒本
体が加熱によってダメージを受け、炭化物が不活性ガス
中に遊離してきた場合、この炭化物を二酸化炭素や一酸
化炭素にするためである。炭化物が不活性ガス中に遊離
していると、この炭化物がダイヤモンド砥粒本体表面に
再付着する恐れがあり、得られるダイヤモンド砥粒の硬
度が低下する恐れがあるからである。
たように、ダイヤモンド砥粒本体と珪素粉末とを固相反
応又は気相反応で反応させて得られるものである。この
ようなダイヤモンド砥粒は、ダイヤモンド砥粒本体表面
の構成元素である炭素に、珪素が化学結合して、表面に
SiCが形成されてなるものである。また、このSiC
の結晶は、主としてβ−SiC[JCPDS No 2
9−1129]で形成されているものである。このよう
な結晶構造を持つSiCがダイヤモンド砥粒表面に存在
することによって、結合剤との親和性(濡れ性)が向上
し、抗折強度の高い砥石、換言すれば比較的少量の結合
剤で満足のゆく抗折強度を持つ砥石が得られるのであ
る。ここで、β−SiC[JCPDS No 29−1
129]における、βとはベータ型の結晶構造であると
いう意味であり、[JCPDS No 29−112
9]とは国際的に統一された番号であり、SiCの結晶
構造の一種として同定されたものである。また、本発明
に係るダイヤモンド砥粒の表面は、このベータ型のもの
が主体となっていればよく、他にα−SiC[JCPD
S No 29−1130]やα−SiC[JCPDS
No 29−1126]なるSiCが若干量形成され
ていても差し支えない。なお、ダイヤモンド砥粒本体表
面の構成元素である炭素に、珪素が化学結合して、表面
にSiCが形成されており、且つこのSiCの結晶が主
としてβ−SiC[JCPDS No 29−112
9]であるダイヤモンド砥粒は、上述した製造方法によ
って容易に得ることができるが、この方法とは異なる方
法で製造してもよいことは勿論である。
知の方法で結合剤によって結合され、砥石とされるので
ある。結合剤としては、従来より使用されているレジノ
イド系結合剤(合成樹脂製の結合剤)又はビトリファイ
ド系結合剤(ガラス系の結合剤)が使用される。特に、
ビトリファイド系結合剤を使用するのが好ましい。ビト
リファイド系結合剤の中でも、Al2O3及びLi2CO3
を主体とするもの、或いはSiO2及びPbOを主体と
するものを使用するのが、より好ましい。砥石を製造す
る際には、まずこのような結合剤とダイヤモンド砥粒群
とを混合する。混合割合としては、ダイヤモンド砥粒群
100体積部に対して、結合剤が20〜70体積部が好
ましく、20〜40体積部がより好ましく、35体積部
程度が最も好ましい。結合剤の量が20体積部より少な
いと、ダイヤモンド砥粒に対する結合力が十分でなく、
抗折強度の低い砥石しか得られない恐れがある。また、
結合剤の量を70体積部を超えて多くしても、もはやダ
イヤモンド砥粒に対する結合力が向上せず、却って得ら
れる砥石中の気孔率が低下する恐れがある。
圧・加熱(即ち焼結)して結合剤を硬化させ、ダイヤモ
ンド砥粒群が結合剤で結合された砥石が得られるのであ
る。焼結は、従来と同様の条件で行えばよく、例えば8
00〜1500℃程度の温度で、200〜400kg/cm
2程度の加圧力で、且つ1〜15時間程度の条件でよ
い。また、焼結した後、歪除去等の目的で熱処理をして
も良い。この熱処理の条件としては、500〜1000
℃程度の温度で、10〜30時間程度の時間でよい。こ
のようにして得られた本発明に係る砥石は、高い抗折強
度を持つという特徴がある。従って、結合剤の量を減少
させても、抗折強度の低下が少なく、このことによっ
て、得られる砥石中に多量の気孔を含有させることがで
きるのである。本発明に係る砥石は、抗折強度の大幅な
低下を伴うことなく、その気孔率を30体積%以上とす
ることができるという利点があるのである。砥石の気孔
率が30体積%以上あると、当初より砥石表面にダイヤ
モンド砥粒が露出した状態となっており、そして研削に
伴ってダイヤモンド砥粒が脱落していっても、その下層
に存在するダイヤモンド砥粒が露出した状態で現われる
のである。従って、被研削物に対して、常にダイヤモン
ド砥粒が接触しており、研削効率を向上させることがで
きるのである。例えば、従来技術による砥石の如く、結
合剤中にダイヤモンド砥粒が埋め込まれている場合(気
孔率が概ね0%である場合)には、被研削物を研削する
際、ダイヤモンド砥粒が露出するように結合剤を除去す
る必要があり、また研削を続けていても露出させたダイ
ヤモンド砥粒が脱落した場合には、研削を中止し新たに
結合剤を除去してダイヤモンド砥粒を露出させなければ
ならず、研削効率が低下するのである。なお、砥石の気
孔率(%)は、{1−[(ダイヤモンド砥粒の体積+結
合剤の体積)/砥石の体積]}×100なる的で算出さ
れるものである。
れてなるものであるが、この形状としては任意の形状を
選択すればよい。一般的には、ホイール状(円板状)に
成型し、その端縁で研削を行う。また、本発明に係る砥
石で研削を行う被研削物としては、超硬工具等として使
用されるセラミックス,フェライト,ガラス,炭化タン
グステン,サーメット(セラミックスと金属との複合材
料)等が挙げられる。
の多結晶ダイヤモンドRVG #120/140)10
0重量部に、粒度1μ程度以下の珪素粉末10重量部を
添加し、更に微量のアクリル系樹脂アルコール溶液を添
加して混合した。この混合物をアルミナ製のルツボに入
れて、ルツボ内にアルゴンガスを充満させた。その後、
1400℃に加熱し、そのまま5時間保持した。以上の
ようにして、得られたダイヤモンド砥粒の表面状態は、
図1に示したとおりであった。なお、比較のため、使用
したダイヤモンド砥粒本体の表面状態を図2として示し
ておく。
解析したところ、図3の如きチャートが得られた。この
チャートと、β−SiC[JCPDS No 29−1
129]のピークとを比較すれば明らかな通り、このダ
イヤモンド砥粒には、β−SiC[JCPDS No
29−1129]が存在していることが分かる。即ち、
このダイヤモンド砥粒は、その表面がβ−SiC[JC
PDS No 29−1129]なる結晶構造を持つ、
SiCで形成されているのであり、また炭素源はダイヤ
モンド砥粒本体であり、Si源は珪素粉末であることか
ら、ダイヤモンド砥粒本体表面の構成元素である炭素
に、珪素が化学結合しているものであると認められる。
なお、このチャートには、β−SiC[JCPDS N
o 29−1129]なる結晶構造の他に、α−SiC
[JCPDS No 29−1130]及びα−SiC
[JCPDS No 29−1126]が確認される
が、これらの結晶構造は不安定であり、時間の経過と共
に消失しやすいものである。従って、この結晶構造が結
合剤との親和性(濡れ性)に寄与しているものとは認め
にくい。
部とビトリファイド系結合剤(品番D−4)17体積部
とを混合し、この混合物を加熱温度1100℃,加圧力
約300kg/cm2,時間10時間の条件で焼結した。更
に、焼結後、歪等の除去を目的として、800℃で24
時間保持して熱処理を行った。以上のようよして、ホイ
ール状の砥石を得た。なお、ビトリファイド系結合剤の
組成は、Al2O3:60.0重量%,SiO2:6.7
重量%,Li2CO3:26.7重量%,TiO2:6.
7重量%である。
2であり、気孔率は33%であった。なお、抗折強度
は、以下のようにして測定した。即ち、砥石から縦50
mm,横10mm,厚さ5mmの試料を採取し、株式会社島津
製作所製のAUTOGURAPH S−500を用い、
3点曲げ方法で、スパン30mm,クロスヘッドスピード
1mm/min,チャートスピード100mm/minの条件で行
った。そして、抗折強度を三回求め、その平均値を抗折
強度とした。
れに何らの処理も施さずに、実施例1と同様の方法で砥
石を作成した。得られた砥石の抗折強度は101kg/cm
2であり、気孔率は33%であった。
較例1に係る方法で得られた砥石に比べて、抗折強度が
3倍以上になっていることが分かる。従って、ダイヤモ
ンド砥粒表面に、ある特定のSiCを形成させると、こ
のSiCと結合剤との親和性(濡れ性)が向上し、少量
の結合剤で抗折強度を十分高めることができ、この結
果、気孔率が高く且つ実用上問題のない抗折強度を持つ
砥石を得ることができるのである。
の多結晶ダイヤモンドMBG−660 #120/14
0)100重量部に、粒度1μ程度以下の珪素粉末10
重量部を添加すると共に粒度2μ程度のFe−Ni−C
o合金粉末5重量部を添加し、更に微量のアクリル系樹
脂アルコール溶液を添加して混合した。この混合物をア
ルミナ製のルツボに入れた後は、実施例1と同様の方法
で砥石を得た。
れに何らの処理も施さずに、実施例2と同様の方法で砥
石を作成した。
で持っただけで折れてしまう程度の抗折強度しか持たな
いものであった。従って、実施例2に係る方法で得られ
た砥石は、10倍以上抗折強度が高くなっていた。
且つビトリファイド系結合剤として品番D−4のものに
代えて品番KM−1077Pのものを使用する他は、実
施例2と同様にして砥石を得た。ここで、ビトリファイ
ド系結合剤(品番KM−1077P)の組成は、Al2
O3:1.2重量%,SiO2:58.2重量%,Pb
O:28.7重量%,Na2O:7.8重量%,K2O:
4.1重量%,BaO:0.5重量%,CaO:0.3
重量%,MgO:0.04重量%である。
て品番KM−1077Pのものを使用する他は、実施例
2と同様にして砥石を得た。
て品番KM−1077Pのものを使用する他は、比較例
2と同様にして砥石を得た。
強度に対して、実施例3に係る方法で得られた砥石の抗
折強度は約10倍以上であり、実施例4に係る方法で得
られた砥石の抗折強度は約6倍以上であった。
構造がβ−SiC(3C)[JCPDS No 29−
1129]であるSiCが形成されてなるものである。
このSiCは、結合剤との親和性(濡れ性)が良く、そ
の結果、ダイヤモンド砥粒と結合剤との結合力が向上す
る。従って、少量の結合剤でダイヤモンド砥粒群を高い
結合力で結合して砥石を得ることができる。
を使用して得られた砥石は、結合剤の量を少なくして、
満足のゆく抗折強度を持たせると共に内部に多数の気孔
を含有させることが可能となる。この気孔の存在によっ
て、砥石中のダイヤモンド砥粒は外部に露出しているこ
とになる。即ち、ダイヤモンド砥粒が結合剤中に完全に
埋め込まれた状態となっていない。従って、砥石を使用
する当初から、ダイヤモンド砥粒が露出しており、更に
使用中においてダイヤモンド砥粒が脱落しても、その下
層に存在するダイヤモンド砥粒が露出することになる。
この結果、被研削物を研削する際、当初から結合剤を除
去して使用する必要はなく、そのままの状態で被研削物
を研削することができ、更に研削を続けていっても常に
ダイヤモンド砥粒が露出している状態を維持できるので
ある。依って、本発明に係る砥石を使用すれば、研削効
率が飛躍的に向上するという効果を奏するのである。
粒の粒子構造の表面状態を示したものである。
本体(何らの処理も施されていないもの)の粒子構造の
表面状態を示したものである。
粒をX線回折法により解析した際のチャートである。
の単結晶ダイヤモンドMBG−660 #120/14
0)100重量部に、粒度1μ程度以下の珪素粉末10
重量部を添加すると共に粒度2μ程度のFe−Ni−C
o合金粉末5重量部を添加し、更に微量のアクリル系樹
脂アルコール溶液を添加して混合した。この混合物をア
ルミナ製のルツボに入れた後は、実施例1と同様の方法
で砥石を得た。
Claims (9)
- 【請求項1】 ダイヤモンド砥粒本体表面の構成元素で
ある炭素に、珪素が化学結合して、表面にSiCが形成
されてなり、該SiCの結晶の種類が、主としてβ−S
iC[JCPDS No 29−1129]であること
を特徴とするダイヤモンド砥粒。 - 【請求項2】 請求項1記載のダイヤモンド砥粒群を結
合剤で結合し、所定の形状に成型してなることを特徴と
する砥石。 - 【請求項3】 結合剤として、レジノイド系結合剤又は
ビトリファイド系結合剤を用いる請求項2記載の砥石。 - 【請求項4】 気孔率が30体積%以上である請求項2
又は3記載の砥石。 - 【請求項5】 ダイヤモンド砥粒本体と珪素粉末とを混
合して、不活性ガスの存在下で1000〜1600℃に
加熱することを特徴とするダイヤモンド砥粒の製造方
法。 - 【請求項6】 ダイヤモンド砥粒本体と珪素粉末と触媒
とを混合して、不活性ガスの存在下で1000〜160
0℃に加熱することを特徴とするダイヤモンド砥粒の製
造方法。 - 【請求項7】 ダイヤモンド砥粒本体と珪素粉末とを混
合する際、バインダーを添加して、ダイヤモンド砥粒本
体が珪素粉末で被覆されるようにする請求項5又は6記
載のダイヤモンド砥粒の製造方法。 - 【請求項8】 不活性ガスの存在下で加熱する際、その
雰囲気中に少量の酸素を流通させる請求項5及至7のい
ずれか一項に記載のダイヤモンド砥粒の製造方法。 - 【請求項9】 請求項5及至8のいずれか一項に記載さ
れた方法でダイヤモンド砥粒を得た後、該ダイヤモンド
砥粒群と結合剤とを混合した後、この混合物を一定形状
に保持した状態で焼結して、該ダイヤモンド砥粒群を該
結合剤で結合することを特徴とする砥石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06278488A JP3119098B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | ダイヤモンド砥粒、砥石及びそれらの製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113774A true JPH08113774A (ja) | 1996-05-07 |
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ID=17598031
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