JPH08113617A - 変性ポリプロピレンの製造方法 - Google Patents

変性ポリプロピレンの製造方法

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JPH08113617A
JPH08113617A JP27716594A JP27716594A JPH08113617A JP H08113617 A JPH08113617 A JP H08113617A JP 27716594 A JP27716594 A JP 27716594A JP 27716594 A JP27716594 A JP 27716594A JP H08113617 A JPH08113617 A JP H08113617A
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polypropylene
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polybutadiene
unsaturated glycidyl
melt
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JP27716594A
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Eiji Kuchiki
栄治 朽木
Shintaro Kikuchi
慎太郎 菊地
Yuji Fujita
祐二 藤田
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリプロピレン90〜99.9重量%と1,2−
ポリブタジエン 0.1〜10重量%を溶融混練して1,2
−ポリブタジエンがグラフトした反応性ポリプロピレン
とした後、前記反応性ポリプロピレン100重量部に不
飽和グリシジル化合物 0.1〜20重量部とラジカル開始
剤0.01〜2重量部を配合し溶融混練することを特徴とす
る変性ポリプロピレンの製造方法。 【効果】 低反応性のポリプロピレンに効率よく不飽和
グリシジル化合物を導入することができ、変性反応後不
飽和グリシジル化合物を除去する処理が不要となる。本
発明による反応性ポリプロピレンは、自動車の内外装
品、家電部品、電装部品等に用いる工業材料の原料とし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性ポリプロピレンの
製造方法に関する。さらに詳しく言えば、印刷性、接着
性、親水性などの反応性あるいは他のポリマーやモノマ
ーとの反応性を付与するために不飽和グリシジル化合物
を効率よくグラフトさせた変性ポリプロピレンの製造方
法に関する。
【0002】
【関連技術の説明】ポリプロピレン系樹脂は低比重であ
り、絶縁性、成形性に優れ、剛性、耐熱性などの機械的
特性にも優れているので各種の用途に広く利用されてい
るが、無極性であるため、接着性、塗装・印刷性、親水
性などに劣るという問題がある。そこで、ポリプロピレ
ンに各種の極性基や二重結合を有する基等を導入して反
応性を改善する試みがなされている。
【0003】例えば、無水マレイン酸(MAHと略記す
る。)あるいはその誘導体をポリプロピレン系樹脂に反
応させて極性基を導入したMAH変性ポリプロピレン、
および不飽和グリシジル化合物を変性剤としてポリプロ
ピレン系樹脂に反応させて極性基を導入した不飽和グリ
シジル変性ポリプロピレン等が、フィラー強化ポリプロ
ピレンのバインダーやナイロン/ポリプロピレンポリマ
ーアロイやポリエステル/ポリプロピレンポリマーアロ
イの相溶化剤などとして用いられている。一般に前記の
ような変性ポリプロピレンはポリプロピレンに変性剤と
ラジカル開始剤を加えて溶融混練することにより製造さ
れているが、ポリプロピレンは官能基がないため反応性
に乏しく、上記変性剤を充分な量グラフトすることは困
難である。そのため、未反応の変性剤をポリプロピレン
中から除去する後処理を必要とする。一方、変性剤のグ
ラフト効率を向上させるために触媒を多量に使用すると
ポリプロピレンの分子量が低下し、ポリプロピレンの物
性が低下する。
【0004】PCT国際公開WO91/14717号には、不飽
和グリシジル化合物として、下記一般式
【化1】 (式中、Ar* は少なくとも一つのグリシジルオキシ基
で置換された炭素数6〜24の芳香族炭化水素基を現
し、R* は水素原子、またはメチル基を示す。)で示さ
れるエポシキ基含有アクリルアミド単量体を使用し、ラ
ジカル発生剤の存在下でポリプロピレンに反応させた変
性ポリオレフィン組成物が開示されているが、グラフト
率は仕込み量の半分程度である(実施例38,49.6
%)。該PCT国際公開には、変性剤としてグリシジル
メタクリレートを使用した例も開示されているが、その
グラフト率は非常に低い(比較例33,8.8 %)。
【0005】特開平6-172460号には、ポリプロピレンに
ジエンモノマー(1,9−デカジエン、1,4−ヘキサ
ジエン、ビニルノルボルネン等)またはトリエンモノマ
ー(1,3,7−オクタトリエン、1,5,9−デカト
リエン等)をラジカル発生剤の存在下グラフト重合させ
ることにより二重結合を導入する反応性ポリプロピレン
の製造方法が開示されている。この方法によれば、高耐
圧の反応容器を必要とせず、また成形の前処理時にジエ
ンモノマーの仕込み量を変えてグラフト重合することに
より変性ポリプロピレンの反応性を調整することができ
る。しかし、具体的に開示されているジエンモノマーの
配合量は、ポリプロピレン100重量部に対して、10
〜40重量部(主体は40重量部)という多量であり、
また、グラフト反応の効率も悪い。反応効率を高めるた
めにモノマー濃度を上げると、ポリプロピレンがゲル化
し、成形加工が困難になるなどの問題を有する。
【0006】特開平6-192489号公報には、ポリオレフィ
ン100重量部と1,2−ポリブタジエン樹脂0.1 〜5
0重量部と無機充填剤0〜400重量部とからなる加工
性、耐衝撃性、剛性、表面性(表面光沢、硬度、塗装性
等)の改善されたオレフィン系樹脂組成物が開示され、
具体的に実施例3としてポリプロピレン100重量部に
1,2−ポリブタジエンを20重量部配合した組成物が
示されている。しかし、この組成物における表面性の改
善は1,2−ポリブタジエン成分のポリプロピレン中へ
の単なる物理的な分散混合によるものであり、ポリプロ
ピレンに1,2−ポリブタジエンをグラフトせしめるこ
と、さらにはその二重結合に不飽和グリシジル化合物を
反応させてポリプロピレンの反応性を改善する本発明と
は基本的に異なるものである。
【0007】特開昭55-50008号には、ポリプロピレン系
樹脂100重量部に対して、固形ゴム0.5 〜20重量
部、不飽和カルボン酸またはその誘導体5〜30重量部
及びラジカル発生剤0.5 〜5重量部の割合で配合し、か
つ不飽和カルボン酸またはその誘導体とラジカル発生剤
の配合比を1〜30に調節して溶融混練することを特徴
とする、塗装性、接着性、染色性に優れた改質ポリプロ
ピレンの製造方法が開示されている。固形ゴムついて
は、化学的に不活性なポリプロピレ系樹脂に均一に分散
して反応性を付与せしめると共に製品の機械的強度の増
加に寄与していると記載しているのみであり、固形ゴム
がポリプロピレンにグラフトしていることについての記
載はないし、それを示唆する記載もない。固形ゴムと不
飽和カルボン酸またはその誘導体という不飽和結合を有
する2種類のモノマーまたはポリマーをラジカル発生剤
の存在下でポリプロピレンと一括混練すると、ゴムとモ
ノマーが互いに反応してゲル化の原因となる。また、ポ
リプロピレンのグラフト反応に関与する不飽和化合物が
少なくなり、仕込みモノマー量をかなり多くしないとグ
ラフト反応が起こらないという欠点がある。
【0008】
【発明の課題】本発明の課題は、無極性で反応性の低い
ポリプロピレンに不飽和グリシジル化合物を効率よく導
入し、印刷性、接着性、親水性などの反応性に優れた変
性ポリプロピレンを製造する方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリプロ
ピレンに常温で固体の1,2−ポリブタジエンを予めグ
ラフトさせたのち、不飽和グリシジル化合物を配合し溶
融混練することより不飽和グリシジル化合物をポリプロ
ピレンに効率よく導入できること、1,2−ポリブタジ
エンと不飽和グリシジル化合物との使用量を調節するこ
とにより、変性反応後に未反応の不飽和グリシジル化合
物を除去する工程が不要になること、1,2−ポリブタ
ジエン固形ゴムによる変性反応時、および不飽和グリシ
ジル化合物による変性反応時におけるラジカル開始剤の
使用量は少量でよく、ポリプロピレンの分子量の低下に
よる機械物性の低下を抑制できることを確認し、本発明
を完成した。
【0010】すなわち、本発明は 1)ポリプロピレン90〜99.9重量%と1,2−ポリブ
タジエン 0.1〜10重量%を溶融混練して1,2−ポリ
ブタジエンがグラフトした反応性ポリプロピレンとした
後、前記反応性ポリプロピレン100重量部に不飽和グ
リシジル化合物 0.1〜20重量部とラジカル開始剤0.01
〜2重量部を配合し溶融混練することを特徴とする変性
ポリプロピレンの製造方法である。
【0011】本発明の変性ポリプロピレンの製造方法の
好ましい態様として以下のものが挙げられる。 2)ポリプロピレンと1,2−ポリブタジエンの合計1
00重量部に対してラジカル開始剤を0.01〜1重量部添
加し溶融混練して1,2−ポリブタジエンがグラフトし
た反応性ポリプロピレンとする上記1に記載の変性ポリ
プロピレンの製造方法。
【0012】3)不飽和グリシジル化合物が一般式(I)
【化2】 [式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
であり、Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以
上有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、n
は1〜4の整数を表わす。]、一般式(II)
【化3】 [式中、Rは前記と同じ意味を表わす。]または一般式
(III)
【化4】 [式中、Xはメチレン基またはフェニレン基を表わし、
Rは前記と同じ意味を表わす。]で示される化合物であ
る上記1または2に記載の変性ポリプロピレンの製造方
法。
【0013】4)1,2結合の割合が70%以上の1,
2−ポリブタジエンを使用する上記1または2に記載の
変性ポリプロピレンの製造方法。 5)1,2−ポリブタジエン100重量部に対して不飽
和グリシジル化合物を10〜1000重量部使用する上
記1または2に記載の変性ポリプロピレンの製造方法。
【0014】
【製造原料】
1)ポリプロピレン 本明細書において、ポリプロピレンとは、プロピレンの
単独重合体のみでなく、プロピレンとエチレンやブテン
−1などの他のα−オレフィンとのブロック共重合体、
ランダム共重合体なども含む。他のα−オレフィンの含
有量は30重量%以下、特に10重量%以下が好まし
い。他のα−オレフィンとしては特にエチレンが好まし
く、その含有量は10重量%以下のものが好ましい。こ
のようなポリプロピレンは通常 0.1〜1000g/10分のメル
トフローレート(MFR:230℃,2.16kg荷重)を有
する。
【0015】2)1,2−ポリブタジエン ポリプロピレンにグラフトさせる1,2−ポリブタジエ
ンは、1,2結合を10モル%以上、好ましくは30モ
ル%以上、さらに好ましくは70%以上含有するもので
ある。このような1,2−ポリブタジエンは、市販され
ている液体ゴムまたは固形ゴムから適宜選択使用するこ
とができるが、溶融混練時の作業性や、グラフト反応効
率の点から、1,2結合が70%以上の常温で固形のゴ
ムが適している。
【0016】3)不飽和グリシジル化合物 本発明において、変性剤として使用される不飽和グリシ
ジル化合物は、一般式(I)
【化5】 [式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
であり、Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以
上有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、n
は1〜4の整数を表わす。]、一般式(II)
【化6】 [式中、Rは前記と同じ意味を表わす。]または一般式
(III)
【化7】 [式中、Xはメチレン基またはフェニレン基を表わし、
Rは前記と同じ意味を表わす。]で示される重合性の化
合物である。これらのうち、一般式(I) および一般式(I
I)で示される化合物が好ましい。
【0017】一般式(I) で示される不飽和グリシジル化
合物の中では、特に下記一般式で示される化合物が好ま
しい。
【化8】 [式中、Rは前記と同じ意味を表わす。] このようなグリシジル化合物は、例えば特開昭60-13058
0 号に記載されている方法により製造することができ
る。
【0018】また、一般式(II)で示される不飽和グリシ
ジルエステルおよび一般式(III) で示される不飽和グリ
シジルエーテルとしては、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート(GMA)、アリルグリシジル
エーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチ
レン−p−グリシジルエーテル等が挙げられ、中でもグ
リシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。これら
重合性化合物は、通常単独で使用されるが、2種以上併
用することもできる。
【0019】4)その他の成分 また、本発明においては、得られる変性ポリプロピレン
の特性を損なわない範囲内でその他の配合剤を添加する
ことができる。配合剤の具体例としては、紫外線吸収
剤、中和剤、滑剤、その他の樹脂、顔料、各種充填剤、
難燃性物質、酸化防止剤などが挙げられる。これらの配
合剤は1種または2種以上を適宜組合わせて使用するこ
とができる。
【0020】5)ラジカル開始剤 本発明の製造方法においては、1,2−ポリブタジエン
による第1段の変性時及び不飽和グリシジル化合物によ
る第2段の変性時にラジカル開始剤が使用される。ラジ
カル開始剤としては、通常使用されているもの、例え
ば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ−
t−ブチル、過酸化アセチル、t−ブチルペルオキシ安
息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオ
キシ酢酸、t−ペルオキシピバレート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン等の過
酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化
合物類等が用いられる。
【0021】
【製造方法】本発明の製造方法にかかる第一のグラフト
反応は、前記のポリプロピレン、1,2−ポリブタジエ
ンおよび所望によりラジカル開始剤を溶融混練すること
により行なうことができる。溶融混練は従来公知の各種
方法で行なうことができる。すなわち、バンバリーミキ
サー、ブラベンダー、混練ロール等のバッチ式混練機を
用いて混練する方法、あるいは一軸押出機、二軸押出機
等の連続混練機を用いて混練する方法等を例示すること
ができる。混練の温度は180〜300℃、好ましくは
190〜250℃の範囲であり、混練時間は0.1 〜20
分程度であればよい。
【0022】第一のグラフト反応における、各成分の配
合量は、ポリプロピレンが99.9〜90重量%、1,2−
ポリブタジエンが 0.1〜10重量%であり、好ましくは
ポリプロピレンが99.5〜93重量%、1,2−ポリブタ
ジエンが0.5 〜7重量%である。1,2−ポリブタジエ
ンが 0.1重量%未満だと、変性による改善効果が十分で
はなく、また1,2−ポリブタジエンが10重量%を越
えると、得られる変性ポリプロピレンがゲル化を起こし
好ましくない。この第一のグラフト反応は、ラジカル開
始剤を配合しなくても進行するが、前記成分100重量
部に対しラジカル開始剤を1重量部程度まで配合して溶
融混練することが好ましい。1重量部を超える配合はポ
リプロピレンの分子量を低下させるため好ましくない。
【0023】上記不飽和グリシジル化合物による第二の
変性反応は、前記で製造した1,2−ポリブタジエング
ラフトポリプロピレンに、不飽和グリシジル化合物およ
びラジカル開始剤を加えて溶融混練することにより行な
うことができる。この第二の変性反応は1,2−ポリブ
タジエンによるポリプロピレンの第1の変性反応に引き
続いて反応容器で連続して実施することが好ましい。溶
融混練は前記第一の反応と同様にして行なうことができ
る。
【0024】各成分の配合量は、1,2−ポリブタジエ
ングラフトポリプロピレン100重量部に対して不飽和
グリシジル化合物が0.1 〜20重量部、好ましくは0.5
〜10重量部、ラジカル開始剤が0.01〜2重量部、好ま
しくは0.1 〜1重量部である。また、1,2−ポリブタ
ジエングラフトポリプロピレン中の1,2−ポリブタジ
エン100重量部に対して、不飽和グリシジル化合物が
10〜1000重量部となるように配合するのが好まし
く、より好ましくは50〜500重量部であり、ラジカ
ル開始剤は不飽和グリシジル化合物に対して1〜80重
量%が好ましい。不飽和グリシジル化合物が10重量部
未満だと変性による効果が不十分であり、反対に100
0重量部を超えると未反応の不飽和グリシジル化合物が
残るので好ましくない。また、ラジカル開始剤の配合量
が、80重量%を超えると主成分であるポリプロピレン
の分子量を低下させるので好ましくない。
【0025】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、下記の例により本発明は何等限定されるも
のではない。なお、各例では樹脂原料および添加剤とし
て以下のものを使用した。
【0026】(a)ホモポリプロピレン(PP):J2
09(東燃化学(株)製)、重量平均分子量30万、数
平均分子量6万、MFR9g/10分(230℃,2.16
kg荷重)。 (b)1,2−ポリブタジエン(1,2−PB):RB
−830(日本合成ゴム(株)製)、1,2結合:93
%。 (c)ラジカル開始剤(Pox):パーヘキシン25B
(日本油脂(株)製)。 (d)不飽和グリシジル化合物 (1) AXE:下記式で示される化合物(鐘淵化学工業
(株)社製)。
【化9】 (2) GMA:グリシジルメタクリレート(東京化成
(株)社製)。
【0027】反応性ポリプロピレンの製造 ホモポリプロピレン(PP)、1,2−ポリブタジエン
(1,2−PB)およびラジカル開始剤(Pox)を表
1に示す割合で使用し、ラボプラストミル(東洋精機
(株)製)で200℃、5分間溶融混練して、PPDM
1、PPDM2およびPPDM3を得た。各サンプルの
1,2−ポリブタジエンのグラフト率を冷キシレン可溶
分から評価し、またゲル分率を沸騰キシレン不溶分とし
て評価した。その結果を表1に示す。なお冷キシレン可
溶分および沸騰キシレン不溶分は以下の方法により測定
した。
【0028】[冷キシレン可溶分の測定方法]変性ポリ
プロピレン試料約4gを精秤し、沸騰キシレン約150
ccに溶かした後、一晩放置することにより自然冷却
し、200メッシュの金網とテフロン製のろ紙によりキ
シレン不溶部分と可溶部分を分離し、乾燥した。可溶部
分の重量を測定し、以下の式により冷キシレン可溶分を
算出した。 冷キシレン可溶分=(キシレン可溶分の重量/最初の重
量)×100(wt%)
【0029】[沸騰キシレン不溶分の測定方法]変性ポ
リプロピレンを厚さ0.5 mmにプレス成形し、この内の
約4gを精秤し、200メッシュの金網中に入れ、24
時間沸騰キシレン中に浸漬した後、不溶分の重量を測定
し、以下の式により沸騰キシレン不溶分(ゲル分率)を
算出した。 ゲル分率=(キシレン不溶分の重量/最初の重量)×1
00(wt%)
【0030】
【表1】 PP 1,2-PB Pox キシレン可溶分 ケ゛ル分率 (wt%) (wt%) (phr) (wt%) (wt%) PPDM1 99 1 0.1 0 0 PPDM2 98 2 0.2 0 0 PPDM3 95 5 0.5 0 0
【0031】表1から明らかなように、得られたPPD
M1、PPDM2およびPPDM3は、1,2−ポリブ
タジエンの全量がグラフト反応しており、ゲル化は生じ
ていないことが分かる。
【0032】実施例1〜8および比較例3 上記で得たPPDM1〜3及びPP100重量部に対し
て、不飽和グリシジル化合物(AXE,GMA)および
ラジカル開始剤(Pox)を表2に示す割合で使用し、
ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で200℃、5
分間溶融混練してサンプルを得た。そのサンプルのメル
トフローレート(MFR:190℃,1050g荷重)を測
定し、また以下の方法で不飽和グリシジル化合物のグラ
フト率を測定した。結果を表2に併せて示す。
【0033】[不飽和グリシジル化合物のグラフト率の
測定]サンプルをホットプレスにより50〜80μmの
フィルムにしてIRスペクトルをFT−IR(Perkin,
Elmer 社製)により測定し、得られたIRチャートよ
り、AXEのカルボニル(C=O)結合の伸縮にかかる
ピーク(1648cm-1)あるいはGMAのカルボニル(C=
O)結合の伸縮にかかるピーク(1739cm-1)とアイソタ
クティックポリプロピレン特有のピーク(840cm-1)との
吸光度の比を計算し、予め作成しておいた検量線を用い
てポリマー中の全不飽和グリシジル化合物量を算出した
(処理前)。不飽和グリシジル化合物のグラフト率は、
変性ポリプロピレンを沸騰キシレンに溶解し、メタノー
ルにより沈澱させ上記測定と同様にIRチャートにより
求めた(処理後)。
【0034】
【表2】
【0035】表2から、1段目の反応性ポリプロプレン
の製造に使用した1,2−ポリブタジエンの量を考慮し
て、2段目の変性反応に使用するAXEまたはGMAの
量を調整して反応させることによってAXEまたはGM
Aの殆どすべてが反応することが分かる(実施例1〜
8)。なお、変性ポリプロピレン中の全AXEまたはG
MA量の値が仕込みのAXEまたはGMA(重量%)に
比べて低くなっているのは、溶融混練時にAXEまたは
GMAが押出機ベント(押出機スクリュー先端付近の真
空ガス抜き装置)により蒸発するためである。また、P
Pに直接AXEまたはGMAをグラフトする比較例に比
べて、1,2−ポリブタジエングラフトポリプロピレン
を使用する本発明の方法では押出機ベントにより蒸発す
る未反応のAXEまたはGMAの割合がはるかに遥かに
少ないことも分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明はポリプロピレンと1,2−ポリ
ブタジエンとラジカル開始剤とを溶融混練して反応性ポ
リプロピレンとした後、不飽和グリシジル化合物とラジ
カル開始剤とを配合し溶融混練することを特徴とする変
性ポリプロピレンの製造方法を提供したものである。本
発明によれば、無極性で反応性の低いポリプロピレンに
不飽和グリシジル化合物を効率よく導入できるため、変
性反応後に不飽和グリシジル化合物の除去工程が不要と
なり、接着性、塗装・印刷性、親水性など反応性が改善
され、強化ポリプロピレン組成物製造用のフィラーや他
のポリマーあるいはモノマーとの反応性に優れた変性ポ
リプロピレンを容易に製造することができる。本発明に
より製造される変性ポリプロピレンは、自動車の内外装
品、家電部品、電装部品等に用いる工業材料の原料とし
て有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン90〜99.9重量%と1,
    2−ポリブタジエン0.1〜10重量%を溶融混練して
    1,2−ポリブタジエンがグラフトした反応性ポリプロ
    ピレンとした後、前記反応性ポリプロピレン100重量
    部に不飽和グリシジル化合物 0.1〜20重量部とラジカ
    ル開始剤0.01〜2重量部を配合し溶融混練することを特
    徴とする変性ポリプロピレンの製造方法。
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