JPH08113102A - エアーバッグカバーの成形方法 - Google Patents

エアーバッグカバーの成形方法

Info

Publication number
JPH08113102A
JPH08113102A JP6275893A JP27589394A JPH08113102A JP H08113102 A JPH08113102 A JP H08113102A JP 6275893 A JP6275893 A JP 6275893A JP 27589394 A JP27589394 A JP 27589394A JP H08113102 A JPH08113102 A JP H08113102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air bag
thermoplastic elastomer
molding
sheet
molding method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6275893A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakatsu Suetsugu
正克 末次
Toshiaki Suzuki
利明 鈴木
Masatoshi Isono
正敏 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP6275893A priority Critical patent/JPH08113102A/ja
Publication of JPH08113102A publication Critical patent/JPH08113102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性エラストマー組成物、好ましくはメ
ルトフローレート(230℃,2.16kg荷重)0.1 〜10
g/10分のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
あるいはスチレン系熱可塑性エラストマー組成物をスタ
ンピング成形により成形することを特徴とするエアーバ
ッグカバーの成形方法。 【効果】 軟質の熱可塑性エラストマー組成物から簡単
な工程でエアーバッグカバ−を製造することができ、リ
ブ・ボス等の付属部分及び肉薄の開裂部分を一体成形す
ることが可能であり、成形過程における金型からの離型
性に優れるなど、効率良くエアーバッグカバーを生産す
ることができる。射出成形法による製品のようにフロー
マークが発生しないため外観性に優れ、剛性の高い低流
動性の原料を使用でき、物性に異方性がないので作動時
の開裂が安定したものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に安全装置として
搭載されるエアーバッグカバーの成形方法に関する。さ
らに詳しくいえば、車両の衝突の際に瞬時に膨脹して運
転手あるいは助手席搭乗者を保護するエアーバッグを収
納するためにステアリングホイールやインストルパネル
部分に装着される、軟質プラスチックス(熱可塑性エラ
ストマー組成物)からなるエアーバッグカバーの成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】車両の衝突の際に運転手ある
いは助手席搭乗者を保護するエアーバッグシステムは、
衝突を感知する装置とエアーバッグ装置からなる。後者
のエアーバッグ装置はエアーバッグ、エアーバッグを膨
脹させるガスを発生させる装置、およびそれらを収納す
るカバーからなり、カバーは運転手前方のステアリング
ホイールや助手席前方のインストルパネル部分に取付け
られる。
【0003】衝突事故で感知装置が作動すると、ガス発
生器から瞬間的にガスが発生し、エアーバッグ内を充満
したガスの圧力で、収納カバーに予め設けた薄肉部分等
が破壊されて、搭乗者の全面にエアーバッグが膨脹放出
して、搭乗者を座席側に拘束しステアリングホイール等
の操縦装置、フロントガラス、計器盤等への衝突による
負傷事故を防止あるいは軽減することができる。
【0004】エアーバッグ収納カバーについては、従
来、その構造あるいは材質が種々提案されており、専ら
射出成形法で製造されている。収納カバーの構造につい
ては、破砕時の破片の飛散を防止する目的で、通常補強
材が使用されている。例えば、発泡ポリウレタン等の材
料の破断想定部分以外にネット等の補強材を埋め込んで
カバー全体を形成するものがあるが(特開昭50-127336
号、特開昭55-110643 号等)、破断想定部分のみを除く
カバー全体に精度よく補強材を埋め込むための製造工程
が複雑で、生産効率が低く、コストが高くなるという問
題がある。
【0005】そこで、エアーバッグ装置に必要な強度と
形状を保持し得るコア層(内層)と、柔らかくソフト感
を与え得る表層とからなる二層タイプの収納カバーが提
案されている。例えば、オレフィン系ゴムを含有するコ
ア層と熱可塑性樹脂の表層とからなるもの(特開平2-22
0946号)、オレフィン系樹脂のコア層とスチレン系ゴム
を主要成分とする表層とからなるもの(特開平3-189252
号)、オレフィン系エラストマーとその表層材料よりも
引っ張り強度の大きいエラストマーまたは樹脂のコア層
からなるもの(特開平4-15145 号)、ポリウレタン系熱
可塑性エラストマーのコア層とスチレン系またはオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの表層からなるもの(特開
平5-286399号)等がある。
【0006】これらは、いずれも作動時の破断を確実に
行なうために破断部分を薄肉化したり、外層内部あるい
は内層に溝あるいはスリットを設けたもので、2種以上
の素材を用いてコア層及び表層を射出成形する必要があ
るため生産性に問題を有している。また、両層の物性が
異なることから射出成形時あるいは長時間の使用により
変形やひび割れが発生するという問題もある。
【0007】また、補強材を使用しない単層タイプのカ
バーとして、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ
ウレタン系、ポリアミド系等の各種熱可塑性エラストマ
ーからなり、表面部におけるエアーバッグの作動時に破
断すべき部分に沿って薄肉部を形成すると共に、その表
面部の薄肉部に近い部分が薄く外周部が厚くなるように
厚さを変化させてなるもの(特開平4-151348号)、カバ
ーの構成材料がJISA硬度(JIS K6301 )が70以
上、曲げ弾性率(JIS K7203 )が5000kg/cm2 以下
のオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラスト
マーからなるもの(特開平4-314648号)、さらに、脆弱
な構造(スリット、溝、薄肉部など)の破断予定部分を
有する、水素添加スチレン−共役ジエン重合体(SEB
S)とゴム用可塑剤(パラフィン系オイル)とオレフィ
ン系樹脂(ポリプロピレン)と添加剤(酸化防止剤な
ど)からなるJIS A硬度(JIS K6301 )が60〜8
5の熱可塑性エラストマーからなるもの(特開平5-3899
6 号)等がある。
【0008】これら従来のエアーバッグカバーは上述の
通り射出成形法により成形されているが、この際、形態
保持材や破片の飛散防止のために織布等の補強材を中間
層として埋め込むものではインサート法が、またコア層
と内層の二層からなるものではダブルインジェクション
法が採用されている。射出成形法では、射出圧力に適合
した流動性、具体的にメルトフローレート(230℃,
2.16kg荷重)で表わされる流動性が2〜50g/10分
の原料樹脂組成物を使用して成形が行なわれているが、
この方法には以下のような問題がある。
【0009】(1) 原材料樹脂組成物を溶融状態で流し込
むため、金型に成形樹脂が溶着し、離型性が悪化し、成
形不良率の増加の原因となる。また、一般的にゴム成分
と樹脂成分とからなる熱可塑性エラストマー組成物で
は、二者の溶融粘度が異なるため成形時にフローマーク
を生じやすい。 (2) 射出成形では高い剪断力が材料にかかり、分子鎖の
配向、結晶成分(ラメラ等)の配向などが起こり易く、
製品の物性に異方性が生じ、エアーバッグカバー開裂の
安定性に欠ける。 (3) 補強用のリブや車内設置用のボスを一体成形するこ
とが困難である。 (4) 金型が高価であること、また金型温度、射出速度、
圧力、時間、金型内冷却温度等の調整が煩雑であり、生
産効率に問題がある。 (5) 射出成形法では、流動性の高い原料樹脂組成物が必
要となり、用いることのできる原料樹脂成分はその物性
上から制限される。 したがって、本発明の課題は、上記の問題点を解消した
エアーバッグカバーの成形方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軟質性の
プラスチックス(熱可塑性エラストマー組成物)を原材
料として用いスタンピング成形法を採用すれば射出成形
における上記の問題点を解決出来ることを確認して本発
明を完成するに至った。
【0011】
【発明の構成】すなわち、本発明は以下のエアーバッグ
カバーの成形方法を提供する。 1)熱可塑性エラストマー組成物をスタンピング成形法
により成形することを特徴とするエアーバッグカバーの
成形方法。 2)熱可塑性エラストマー組成物がメルトフローレート
(230℃,2.16kg荷重)0.1 〜10g/10分の、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物あるいはスチレ
ン系熱可塑性エラストマー組成物である上記1に記載の
エアーバッグカバーの成形方法。 以下、本発明のエアーバッグカバーの成形方法について
説明する。
【0012】
【熱可塑性エラストマー組成物】本発明で使用する成形
材料はスタンピング成形に適した適度な流動性を有する
軟質性の熱可塑性エラストマー組成物である。すなわ
ち、エアーバッグカバー材としての適度な剛性及びスタ
ンピング成形に適した軟質性(低流動性)を有するも
の、具体的にはそのメルトフローレート(MFR:23
0℃,2.16kg荷重)が0.1 〜10g/10分のものが好
ましく、さらに0.5 〜5g/10分のものが好ましい。
このような組成物は、従来よりエアーバッグカバー材と
して用いられている素材の中から適宜選択することがで
きる。また、エアーバッグカバー材は外観性、柔軟性及
び触感等も重要な要素であり、その点から特にオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物あるいはスチレン系熱
可塑性エラストマー組成物が好ましい。
【0013】前記の熱可塑性エラストマー組成物中、オ
レフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン−
プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン
共重合体ゴム(EBR)、エチレン−プロピレン−非共
役ジエン共重合体ゴム(EPDM)などが用いられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体ゴム(SBS)、スチレン
−イソプレンブロック共重合体ゴム(SIS)などのス
チレン−共役ジエンブロック共重合体ゴムやその水素添
加物であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム
水素添加物(SEBS)などが用いられる。
【0014】熱可塑性エラストマー組成物の他の成分と
しては、エチレン、プロピレン、ペンテン−1、4−メ
チルペンテン−1等の単独重合体や、それら2種以上か
らなるランダム、ブロック等の共重合体などのオレフィ
ン系樹脂や、ポリスチレンなどを使用することができ
る。これらのうち、オレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物の代表例として、(A)ポリプロピレン、(B)
ポリエチレン、(C)エチレン系共重合体ゴムおよび
(D)鉱油系軟化剤からなるものが挙げられる。
【0015】ここで用いられる(A)ポリプロピレンと
しては、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1等のα−オレフィンとのランダムあるいはブロッ
ク共重合体であってポリプロピレンが結晶部分を構成す
るものであり、メルトフローレート(MFR)(230
℃,2.16kg荷重)1g/10分以上のものが好ましく用
いられる。またプロピレン−エチレンランダム共重合体
を用いる場合はエチレン含量は 2.0〜 4.5重量%のもの
が好ましく用いられる。
【0016】(B)ポリエチレンはエチレンの重合体
で、MFR(230℃,2.16kg荷重)0.05g/10分以
上、密度が0.91〜0.97g/cm3 のものであり、高密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレンなどのいずれも用いることができる。ポリエチレ
ンを加えることにより、破断強度、曲げ弾性率などが改
善される。
【0017】(C)エチレン系共重合体ゴムとは、エチ
レンを主成分とする無定型ランダムな弾性共重合体であ
り、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム(EBR)、
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(E
PDM)のようなゴムが挙げられる。ここで、EPDM
の非共役ジエンモノマーは炭素数5〜20の非共役ジエ
ンであり、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−
1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、
例えば1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、例えば5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2
−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよ
び2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケ
ニルノルボルネン等が挙げられる。上記ゴムの中ではE
PR、EBRおよびEPDMが好ましく、特に耐熱性、
引張特性および反発弾性が優れた組成物を与える点から
非共役ジエンとしてエチリデンノルボルネンを用いたE
PDMが好ましい。
【0018】EPDMを構成するコモノマーの割合は、
エチレン含有率が50〜80重量%、好ましくは55〜
70重量%、プロピレン含有率が20〜50重量%、好
ましくは25〜40重量%、ジエン化合物含有率が1〜
20重量%、好ましくは2〜10重量%である。ヨウ素
価は3〜70が好ましい。また、ムーニー粘度(ML
1+4 ,100℃)は50以上であり、50〜120が好
ましい。ムーニー粘度が50未満の低分子量のEPDM
では高温での充分な破断強度が得られず、また120を
越えると成形性が悪くなる。
【0019】(D)鉱油系軟化剤は、ゴムをロール加工
する際、ゴムの分子間作用力を弱め、加工を容易にする
と共に、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の分散
を助け、また熱可塑性エラストマーの流動性および柔軟
性を改善する。具体例としては、パラフィン系、ナフテ
ン系、芳香族系等の石油系軟化剤、重合した高沸点強芳
香族系オイル、流動パラフィン、ホワイトオイルなどが
挙げられる。これらの中でも、石油系軟化剤が好まし
い。
【0020】これらの成分に成形時の離型性を向上させ
るために、滑剤を配合することができる。滑剤として
は、例えばステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、オレ
イン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレン
ビスステアロアミドなどが挙げられる。
【0021】また、所望によりその他の成分を配合する
ことができる。例えば、カーボンブラックを添加するこ
とにより着色と同時に良好な耐候性を得ることができ、
炭酸カルシウム、タルク、カオリン、マイカ、ガラス繊
維、ガラスビーズ、合成繊維、セルロース(綿リンタ
ー、麻、パルプ等)などのフィラーを加えることによっ
て成形時の寸法安定性、離型性等を向上させることがで
きる。さらに紫外線吸収剤、加工助剤、熱安定剤、光安
定剤、難燃剤、帯電防止剤、造核剤等成形用樹脂組成物
の分野で使用されている添加剤を通常の割合で適宜配合
することができる。
【0022】
【成形方法】本発明によるエアーバッグカバーの成形方
法では、前記の熱可塑性エラストマー組成物を原料とし
てスタンピング成形機により一層あるいは二層以上から
なるエアーバッグカバー材に成形する。ここでいうスタ
ンピング成形法とは、i)シート状に成形した熱可塑性エ
ラストマー組成物を一層または二層以上重ねて軟化点あ
るいは融点以上の温度に予熱した後、スタンピング成形
する方法、ii)原料樹脂組成物の溶融混練物をスタンピ
ング成形用金型に導入し、半溶融状態とした後、スタン
ピング成形する方法等であり、いずれも金型内で供給し
た成形用樹脂の温度を軟化点または融点以上に保持し、
急速な押圧力により圧縮する成形法である。このスタン
ピング成形法は比較的硬度のある材料の成形に広く採用
されているが、軟質材料を原料樹脂とするエアーバッグ
カバー材の成形についてはこれまで全く採用されていな
かった。
【0023】本発明者らは、軟質の熱可塑性エラストマ
ー組成物をスタンピング成形法により成形することによ
り、射出成形法よりも遥かに容易に、かつ射出成形法で
の欠点が解消したエアーバッグカバー材が得られること
を見出した。
【0024】本発明による成形方法について図面に基い
て具体的に説明する。図1は、予めシート状に成形した
熱可塑性エラストマー組成物を単層あるいは多層に重ね
て軟化点あるいは融点以上の温度に予熱した後、エアー
バッグ作動時に破断部分となる薄肉部(例えば、内面が
H字型状の薄肉部)等の形状に成形できるスタンピング
成形型に導き押圧力にて成形するものである。予熱した
多層シート(10)を成形型(7a,7b)に導入し
(図1a)、スタンピング成形して製品(20)とする
ものである(図1b)。この方法によれば多層シートの
中間層として布材など補強材を用いることにより補強材
入りのエアーバッグをも容易に作成することが出来る。
【0025】図2の例は、熱可塑性エラストマー組成物
の原料ペレット(5)及び所望により軟化剤(オイル)
をシート成形機(1)に投入してシートに成形し、予熱
機(8)によりシート(6)を連続的に軟化点あるいは
融点以上の温度に予熱して、図1の場合と同様に成形型
(7a,7b)に導入して、成形するものである(図2
a,2b)。必要な場合には得られた半溶融状態の成形
体に他のシート(21)を重ねて再度スタンピング成形
してカバー材を融着することも可能である(図2c)。
【0026】図3は、原料樹脂組成物の混練機(2)で
溶融混練し、溶融状態でスタンピング成形用金型(7
b)に導き(図3a)、組成物(3)が半溶融状態まで
冷却された段階で、スタンピング成形して(図3b)成
形品(20)とするものである(図3c)。原料樹脂組
成物を構成する成分がすべて取扱いの容易な固体の場合
には、前記図2のシート成形機及び図3の混練機には、
原料を直接投入して容易に溶融混練できるが、原料成分
中に多量の塊状のゴム成分あるいは液状のオイル成分が
ある場合には、予め原料成分を、加圧ニーダー、バンバ
リーミキサー、フィーダールーダーあるいは単軸押出機
で溶融混練した後ホットカッターを用いてペレット化し
ておいて、各装置に投入することが好ましい。あるいは
ペレット化前の溶融混練物を、図3の場合と同様に半溶
融状態として直接成形することも出来る。
【0027】以上述べた成形方法により、原料の軟質プ
ラスチックをエアーバッグカバーの形状に容易に成形す
ることができる。エアーバッグカバーの形状は、従来知
られているものであればよく、金型を適宜選択すること
により所望の形状の成形体とすることが出来る。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は下記の記載により限定
されるものではない。なお、各実施例および比較例にお
いて、樹脂原料および添加剤としては、以下のものを使
用した。
【0029】(a)ポリプロピレン: エチレン−プロピレンランダム共重合体: RPP−1:MFR(230℃,2.16荷重)10g/1
0分、密度0.91g/cm3 、エチレン含量3.1 重量%、 RPP−2:MFR(230℃,2.16荷重)40g/1
0分、密度0.91g/cm3 、エチレン含量3.1 重量%、 エチレン−プロピレンブロック共重合体: BPP−1:MFR(230℃,2.16荷重)10g/1
0分、密度0.91g/cm3 、 BPP−2:MFR(230℃,2.16荷重)40g/1
0分、密度0.91g/cm3
【0030】(b)ポリエチレン: 低密度ポリエチレン(LDPE):MFR(230℃,
2.16荷重)65g/10分、密度0.915 g/cm3 。 線状低密度ポリエチレン(LLDPE):MFR(23
0℃,2.16荷重)50g/10分、密度0.928 g/cm
3 。 (c)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
(EPDM):プロピレン含量28重量%,ムーニー粘
度(ML1+4 、100℃)88。 (d)鉱油系軟化剤(オイル):パラフィン系鉱物油
(密度0.8700g/cm3 (15℃),粘度指数11
0)。
【0031】実施例1〜3 表1に示す割合で、原料を二軸押出機に投入し、樹脂温
度220℃にて押出してペレタイズした組成物を200
℃にセットした単軸シート成形機にてシートに成形し
た。ついで、これを200℃に予熱してスタンピング成
形機により箱型の形状のエアーバッグカバーに成形し
た。得られた組成物およびエアーバッグカバーについ
て、フローマークの有無、破断強度、破断伸度およびM
FR(230℃,2.16荷重)を測定し評価した。各成分
の配合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0032】比較例1〜3 表1に示す割合で、原料を二軸押出成形機に投入し、樹
脂温度220℃にて押出してペレタイズした組成物を2
20℃で溶融混練し、金型温度40℃にて射出成形機に
より箱型の形状のエアーバッグカバーに成形した。得ら
れた組成物およびエアーバッグカバーについて、実施例
1〜3と同様にフローマークの有無、破断強度、破断伸
度およびMFR(230℃,2.16荷重)を測定し評価し
た。各成分の配合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 実施例 比較例 1 2 3 1 2 3 (a) RPP−1 40 40 RPP−2 40 40 BPP−1 40 BPP−2 40 (b) LDPE 20 20 LLDPE 20 20 20 20 (c) EPDM 40 40 40 40 40 40 (d) オイル 32 32 (1) フローマーク A A A B B C (2) 破断強度(kg/cm2 ) 152 164 116 120 120 91 (3) 破断伸度(%) 600 550 600 650 600 600 (4) MFR(g/10分) 4.5 5.0 7.2 8.0 10.0 14.0 注)原材料の数字の単位は重量部である。
【0034】なお、表1に示した各物性の測定および評
価方法は以下のとおりである。 (1) フローマーク:目視により以下の基準で評価した。 A…ほとんどフローマークがなく良好、 B…部分的にフローマークが発生しやや目立つ、 C…部分的にフローマークが発生し目立つ、 D…フローマークが目立つ。 (2) 破断強度(kg/cm2 ):JIS K6301 により測
定。 (3) 破断伸度(%):JIS K6301 により測定。 (4) MFR(g/10分):230℃,2.16kg荷重で測
定。
【0035】表1より明らかなように、射出成形法によ
り成形したエアーバッグカバー(比較例1〜3)は部分
的にフローマークが発生し、また成形にあたって結晶部
分および分子鎖の配向により破断強度が低下する。これ
に対してスタンピング成形法により成形した本発明のエ
アーバッグカバー(実施例1〜3)はフローマークの発
生が見られず破断強度も良好である。
【0036】
【発明の効果】本発明のエアーバッグカバーの成形方法
は、軟質の熱可塑性エラストマー組成物をスタンピング
成形法により成形することを特徴とするものである。熱
可塑性エラストマー組成物をエアーバッグに成形する場
合、従来の射出成形では金型からの離型性に難点がある
ため成形が困難であり、特に軟質材料を用いた場合、成
形効率が悪化するという問題を有していたが、本発明に
よってその様な問題は解消された。すなわち、本発明の
エアーバッグカバー成形方法によればリブ・ボス等の付
属部分及び肉薄の開裂部分を一体成形することができ、
適当な金型を用いることにより一度の操作で多数個の生
産が可能であり、成形過程における金型からの離型性に
優れ、簡単な工程で生産性よくエアーバッグカバーを製
造することが出来る。
【0037】本発明により得られるエアーバッグカバー
は、射出成形法による製品のようにフローマークが発生
しないため表面性および外観性に優れ、また剛性の高い
低流動性の原料を使用した、物性に異方性のない製品で
あるため作動時の開裂が安定したものとなる。さらに、
本発明の成形方法によれば、単層構造、コア層と表層か
らなるもの、中間層として補強材を有する多層構造のも
のなど、任意の構成のものを容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による成形方法の説明図である。
【図2】 本発明による他の成形方法例の説明図であ
る。
【図3】 本発明による他の成形方法例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 シート成形機 2 混練機 3 組成物 5 原料ペレット 6 シート 7a,7b 成形型 8 予熱機 10 多層シート 20 エアーバッグカバー成形品 21 他のシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー組成物をスタンピ
    ング成形法により成形することを特徴とするエアーバッ
    グカバーの成形方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマー組成物がメルトフ
    ローレート(230℃,2.16kg荷重)0.1 〜10g/1
    0分の、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物ある
    いはスチレン系熱可塑性エラストマー組成物である請求
    項1に記載のエアーバッグカバーの成形方法。
JP6275893A 1994-10-14 1994-10-14 エアーバッグカバーの成形方法 Pending JPH08113102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6275893A JPH08113102A (ja) 1994-10-14 1994-10-14 エアーバッグカバーの成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6275893A JPH08113102A (ja) 1994-10-14 1994-10-14 エアーバッグカバーの成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08113102A true JPH08113102A (ja) 1996-05-07

Family

ID=17561913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6275893A Pending JPH08113102A (ja) 1994-10-14 1994-10-14 エアーバッグカバーの成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08113102A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106738561A (zh) * 2016-12-05 2017-05-31 湖北三江航天江北机械工程有限公司 亚声速分离线单轴摆动喷管用喷管柔性堵盖成型方法及模具
CN111531759A (zh) * 2020-04-15 2020-08-14 李宁(中国)体育用品有限公司 一种气囊模具及气囊制作方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106738561A (zh) * 2016-12-05 2017-05-31 湖北三江航天江北机械工程有限公司 亚声速分离线单轴摆动喷管用喷管柔性堵盖成型方法及模具
CN111531759A (zh) * 2020-04-15 2020-08-14 李宁(中国)体育用品有限公司 一种气囊模具及气囊制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1193140B1 (en) Air bag cover
JP3618762B2 (ja) 新規な熱可塑性エラストマー組成物、及びエアバッグ装置用カバー
CN104640747B (zh) 气囊收纳罩
JPS6225130A (ja) 耐候性の無可塑剤、非架橋および深絞り成形性シ−トおよびその製造法
WO2018025343A1 (ja) 積層体
KR102242987B1 (ko) 디스플레이와 터치센싱이 가능한 tpo 시트
JP2016155344A (ja) ポリオレフィン樹脂発泡体を用いてなる積層体及び、自動車内装材
JPWO2009119592A1 (ja) エラストマー組成物及びエアバッグ装置の収納カバー
EP0918070B1 (en) Elastomer composition
JPH0827331A (ja) エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JPH08113102A (ja) エアーバッグカバーの成形方法
JPH08217927A (ja) エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JPH08113677A (ja) エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
US5776566A (en) Block copolymer containing composition to be used for air bag covers and air bag covers derived therefrom
JP4467101B2 (ja) エラストマー組成物
JPH10273001A (ja) エアバッグ収納用カバー付きインストルメントパネルの製造方法
JP2003183459A (ja) エアバッグカバー一体インスツルメントパネル用のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物
JP3532767B2 (ja) インストルメントパネルの製造方法
JPH11172070A (ja) エラストマー組成物およびエアバッグカバー
JP4137251B2 (ja) エラストマー組成物及びエアバッグ装置の収納カバー
JP2000062114A (ja) 成形体およびその製造方法
JPH08183888A (ja) エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JPH0820687A (ja) エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JPH07330978A (ja) エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JPH07179624A (ja) 表皮シートおよびこの表皮シートを用いた積層体