JPH08183888A - エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物

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JPH08183888A
JPH08183888A JP6337672A JP33767294A JPH08183888A JP H08183888 A JPH08183888 A JP H08183888A JP 6337672 A JP6337672 A JP 6337672A JP 33767294 A JP33767294 A JP 33767294A JP H08183888 A JPH08183888 A JP H08183888A
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JP
Japan
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air bag
propylene
ethylene
weight
component
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Application number
JP6337672A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Suetsugu
正克 末次
Toshiaki Suzuki
利明 鈴木
Masatoshi Isono
正敏 磯野
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)ポリプロピレン系樹脂30〜40重量
%と、(b)低密度ポリエチレン10〜20重量%と、
(c)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム10〜40重量%と、(d)エチレン−プロピレン共
重合体ゴム10〜30重量%とを含有してなるエアーバ
ッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物。 【効果】 本発明のエアーバッグカバー材用組成物はオ
レフィン系熱可塑性樹脂組成物のみを使用するものであ
り、エアーバッグカバーとして用いた場合、表面に塗装
を施さずとも充分な耐傷付き性、および車内装着に適し
た表面特性を有し、作動時には確実に破壊され、ネット
などの補助材を使用しなくても破片が飛び散らず、広い
温度範囲において確実に作動し、柔軟性を保ち、表面
性、成形性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に安全装置として
搭載されるエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物に関する。さらに詳しくいえば、
車両の衝突の際に瞬時に膨脹して運転手あるいは助手席
搭乗者を保護するためにステアリングホイールやインス
トルパネル部分に装着され、作動時には瞬間的に破壊さ
れるが搭乗者を傷付ける破片を生じず、車内装着に適し
た静振性及び高温での破断伸度、破断強度に優れ、かつ
表面に塗装を施さずとも充分な耐傷付き性を有し、車内
装着に適した表面特性を有するオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】車両の衝突の際に運転手
あるいは助手席搭乗者を保護するエアーバッグシステム
は、衝突を感知する装置とエアーバッグ装置からなる。
後者のエアーバッグ装置はエアーバッグ、エアーバッグ
を膨脹させるガスを発生させる装置、およびそれらを収
納するカバーからなり、カバーは運転手前方のステアリ
ングホイールや助手席前方のインストルパネル部分に取
付けられる。
【0003】衝突事故で感知装置が作動すると、ガス発
生器から瞬間的にガスが発生し、エアーバッグ内を充満
したガスの圧力で、収納カバーに予め設けた薄肉部分等
が破壊されて、搭乗者の全面にエアーバッグが膨脹放出
して、搭乗者を座席側に拘束しステアリングホイール等
の操縦装置、フロントガラス、計器盤等への衝突による
負傷事故を防止あるいは軽減することができる。
【0004】エアーバッグ収納カバーに要求される特性
としては、衝突時のエアーバッグ内のガス圧で瞬間的に
確実に破砕されること、破砕の際に搭乗者を傷付ける破
片を生じないこと、車内に装着するにふさわしい外観特
性を有すること、車体から伝達される振動を軽減する静
振特性を備えていること等が挙げられる。
【0005】エアーバッグ収納カバーについては、従来
その構造あるいは材質が種々提案されているが、破砕時
の破片の飛散を防止する目的では、通常補強材が使用さ
れている。例えば、発泡ポリウレタン等の材料の破断想
定部分以外にネット等の補強材を埋め込んでカバー全体
を形成するものがあるが(特開昭50-127336号、特開昭5
5-110643号等)、破断想定部分のみを除くカバー全体に
精度よく補強材を埋め込むための製造工程が複雑であ
り、生産効率が低く、コストが高くなるという問題があ
る。
【0006】そこで、エアーバッグ装置に必要な強度と
形状を保持し得るコア層(内層)と、柔らかくソフト感
を与え得る表層とからなる二層タイプの収納カバーが提
案されている。例えば、オレフィン系ゴムを含有するコ
ア層と熱可塑性樹脂の表層とからなるもの(特開平2-22
0946号)、オレフィン系樹脂のコア層とスチレン系ゴム
を主要成分とする表層とからなるもの(特開平3-189252
号)、オレフィン系エラストマーとその表層材料よりも
引っ張り強度の大きいエラストマーまたは樹脂のコア層
からなるもの(特開平4-15145号)、ポリウレタン系熱
可塑性エラストマーのコア層とスチレン系またはオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの表層からなるもの(特開
平5-286399号)等がある。
【0007】いずれも作動時の破断を確実に行なうため
に破断部分を薄肉化したり、外層内部あるいは内層に溝
あるいはスリットを設けたものであり、一体成形により
製造されるので、補強材を埋め込んだものに比べて生産
効率が向上し、破砕性、外観、触感も良好であり、強度
の調整も容易に行なえるという利点がある。しかしなが
ら、2種以上の素材を用いてコア層および表層の二層成
形を行なう必要があるため、生産性には依然問題を有し
ており、また両層の物性が異なることから成形時あるい
は長期間の使用により変形やひび割れが発生するという
問題もある。
【0008】そこで、近年、補強材を使用しない単層タ
イプのカバーも提案されている。例えば、ポリエステル
系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアミド系
等の各種熱可塑性エラストマーからなり、表面部におけ
るエアーバッグの作動時に破断すべき部分に沿って薄肉
部を形成すると共に、その表面部の薄肉部に近い部分が
薄く外周部が厚くなるように厚さを変化させてなるもの
(特開平4-151348号)、カバーの構成材料がJIS A
硬度(JIS K6301)が70以上、曲げ弾性率(JIS K720
3)が 5000 kg/cm2以下のオレフィン系及び/又はスチ
レン系熱可塑性エラストマーからなるもの(特開平4-31
4648号)、さらに、脆弱な構造(スリット、溝、薄肉部
など)の破断予定部分を有する、水素添加スチレン−共
役ジエン重合体(SEBS)とゴム用可塑剤(パラフィ
ン系オイル)とオレフィン系樹脂(ポリプロピレン)と
添加剤(酸化防止剤など)からなるJIS A硬度(JIS
K6301)が60〜85の熱可塑性エラストマーの射出成
形体(特開平5-38996号)等がある。
【0009】一方、エアーバッグカバーは、車両の運転
手側ではステアリングホィール中央、助手席側ではダッ
シュボード上面など比較的目に付きやすい箇所に設けら
れる。そこで、表面強度や耐光性の改善をも兼ねて、従
来は他の内装表皮材とのバランスを考慮した塗装が施さ
れているが、近年自動車価格の低減化を目指してインス
トルパネルやドア付近の内装材については塗装を施さな
いで使用する例が増えてきており、エアーバッグカバー
についても塗装を施さずとも使用可能な材料の開発が求
められている。
【0010】従って、本発明の目的は、基本的に成形の
容易なポリオレフィン系の単一組成物からなる材料を使
用して、作動時には確実にカバーが破壊され、かつ破片
が飛散しないエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を提供することにある。また、
本発明の他の目的は塗装を施さずとも充分な表面強度を
有し、色調、風合いなどの外観特性を備え、静振性、触
感(柔軟性)に優れ、寒冷地から熱帯地までの広い範囲
の温度条件下で使用可能な耐候性を有し、特に高温での
破断伸度を改善し、かつ破断強度に優れたエアーバッグ
カバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を
提供することにある。さらに、本発明の他の目的は成形
性に優れ、エアーバッグ材を効率よく生産でき、使用後
にリサイクルが可能なエアーバッグカバー材用オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特に表面
塗装をせずとも使用できる表面強度(耐傷付き性)と色
調、風合いなどの表面の外観特性を備えをエアーバッグ
カバー材に適したポリオレフィン系熱可塑性組成物の開
発を課題にして鋭意検討した。その結果、ポリプロピレ
ン系樹脂と、低密度ポリエチレンと、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体ゴムと、エチレン−プロピ
レン共重合体ゴムを組合わせた組成物により前記課題が
解決されることを確認して本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は以下のエアーバッグカ
バー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提
供する。 (1) (a)ポリプロピレン系樹脂30〜40重量%
と、(b)低密度ポリエチレン10〜20重量%と、
(c)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム10〜40重量%と、(d)エチレン−プロピレン共
重合体ゴム10〜30重量%とを含有してなるエアーバ
ッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物。 (2) ポリプロピレン系樹脂(a)が、(a1)ホモ
ポリプロピレン10〜50重量%と(a2)プロピレン
−エチレンランダム共重合体50〜90重量%からなる
前記1に記載のエアーバッグカバー材用オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物。 (3) (a1)成分のホモポリプロピレンがメルトフ
ローレート(230℃,2.16kg荷重)50〜150g/
10分であり、(a2)成分のプロピレンエチレンラン
ダム共重合体がメルトフローレート(230℃,2.16kg
荷重)20〜120g/10分であり、(b)成分の低
密度ポリエチレンがメルトフローレート(230℃,2.
16kg荷重)20〜100g/10分であり、(d)成分
のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムが
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)30〜150であ
り、(e)成分のエチレン−プロピレン共重合体ゴムが
メルトフローレート(230℃,2.16kg荷重)5〜30
g/10分である前記2に記載のエアーバッグカバー材
用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
【0013】以下、本発明のエアーバッグ収納用カバー
について説明する。
【組成物の成分】以下、具体的成分について説明する。(a)ポリプロピレン系樹脂 本発明で使用する(a)成分のポリプロピレン系樹脂
は、プロピレンの重合体であり、プロピレンの単独重合
体の他、エチレンとの共重合体も用いることができる。
これらの中では、ホモポリプロピレン(a1)とプロピ
レン−エチレンランダム共重合体(a2)との混合物が
好ましい。
【0014】(a1)ホモポリプロピレン (a1)成分のホモポリプロピレンとはポリプロピレン
の単独重合体である。結晶性の高いものが好ましく、具
体的には沸騰n−ヘプタン不溶成分が90重量%以上の
ものが好ましい。ホモポリプロピレンのメルトフローレ
ート(MFR,230℃、2.16kg荷重)は50〜150
g/10分が好ましく、60〜100g/10分がより
好ましい。MFRが50g/10分未満であると流動性
が低いため成形性が悪く、樹脂中にスキン層を形成しに
くく、耐傷付き性が不充分となり、また150g/10
分を越えると室温での耐衝撃性が悪い。
【0015】(a2)プロピレン−エチレンランダム共
重合体 (a2)成分のプロピレン−エチレンランダム共重合体
とは、立体規則性重合触媒の存在下に、プロピレンとエ
チレンをランダムに共重合した結晶性プロピレン−エチ
レン共重合体であり、エチレン含量が 2.0〜4.5 重量
%、好ましくは 2.5〜3.5 重量%、メルトフローレート
(MFR)(230℃,2.16kg荷重)が20〜120g
/10分、好ましくは25〜70g/10分のものであ
る。MFRが20g/10分未満であると流動性が低い
ため成形性が悪く、120g/10分を越えると室温で
の耐衝撃性が悪い。
【0016】(b)低密度ポリエチレン (b)成分の低密度ポリエチレンは、密度が 0.910〜0.
945 g/cm3のエチレンの重合体であり、MFR(230
℃,2.16kg荷重)が20〜100g/10分、好ましく
は25〜80g/10分のものである。MFRが50g
/10分未満であると流動性が低いため成形性が悪く、
100g/10分を越えると室温での耐衝撃性が悪い。
低密度ポリエチレンとして、線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)をも使用することができる。
【0017】(c)エチレン−プロピレン非共役ジエン
共重合体ゴム エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(E
PDM)とはエチレンとプロピレンを主成分とし非共役
ジエン成分を含む無定型ランダムな弾性共重合体であ
る。ここで、EPDMの非共役ジエンモノマーは炭素数
5〜20の非共役ジエンであり、例えば1,4−ペンタ
ジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエ
ン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび
1,4−オクタジエンや、例えば1,4−シクロヘキサ
ジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンな
どの環状ジエン、例えば5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリ
ル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−
ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が挙げら
れる。上記ゴムの中では、特に耐熱性、引張特性および
反発弾性が優れた組成物を与える点から非共役ジエンと
してジクロロペンタジエンを用いたEPDMが好まし
い。
【0018】EPDMを構成するコモノマーの割合は、
エチレン含有率が50〜80重量%、好ましくは65〜
75重量%、プロピレン含有率が20〜50重量%、好
ましくは25〜40重量%、ジエン化合物含有率が1〜
20重量%、好ましくは2〜10重量%である。ヨウ素
価は3〜70が好ましい。また、ムーニー粘度(ML
1+4,100℃)は30〜150、好ましくは、70〜
120のものである。ムーニー粘度が30未満の低分子
量のEPDMでは高温での充分な破断強度が得られず、
また150を越えると成形性が低下する。
【0019】(d)エチレン−プロピレン共重合体ゴム 本発明において使用されるエチレン−プロピレン共重合
体ゴム(EPR)は主要成分のエチレンと、プロピレン
との無定形のランダム弾性共重合体であり、数平均分子
量(Mn)が2万以上のものが好ましい。MFR(23
0℃,2.16kg荷重)では10〜30g/10分、好まし
くは15〜25g/10分のものである。MFRが10
g/10分未満であると流動性が低いため成形性が悪
く、30g/10分を越えると離型性が低下するととも
に低温物性も低下する。EPRは、エチレンの含有量が
50〜90重量%でプロピレンの含有量が10〜50重
量%であることが好ましく、さらにエチレンの含有量が
70〜80重量%でプロピレンの含有量が20〜30重
量%のものがより好ましい。本発明では、2種類以上の
ゴムを用いることにより、高温での機械的強度および良
好な弾性率を保持し、外観上、耐傷付き性を向上させる
ことができる。
【0020】(e)その他の成分 本発明では上記した成分以外にも、所望により他の成分
を配合することができる。例えばカーボンブラックを添
加することにより着色と同時に良好な耐候性を得ること
ができる。また、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、
マイカ、ガラス繊維、合成繊維などのフィラーを加える
ことによって成形時の寸法安定性、離型性等を向上させ
ることができる。さらに、紫外線吸収剤、加工助剤、熱
安定剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、造核剤等成形
用樹脂組成物の分野で使用されている添加剤を通常の割
合で適宜配合することができる。
【0021】
【各成分の配合割合】各成分の配合割合は、(a)ポリ
プロピレン系樹脂が30〜40重量%、(b)低密度ポ
リエチレンが10〜20重量%、(c)エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン共重合体ゴムが10〜40重量
%、(d)エチレン−プロピレン共重合体ゴムが10〜
30重量%である。(a)成分のポリプロピレン系樹脂
は、(a1)ホモポリプロピレン10〜50重量%と
(a2)エチレン−プロピレンランダム共重合体50〜
90重量%を含有するものが好ましい。
【0022】成分(a)が30重量%未満では得られる
熱可塑性エラストマーの高温強度が得られず、成形性、
表面性も低下し、40重量%を超えると耐低温衝撃性、
伸度が低下する。成分(b)が10重量%未満では物性
の改善効果が現れず、20重量%を越えると離型性が低
下し、高温強度も低下する。成分(c)が10重量%未
満では高温強度が得られず、伸度が不充分となり、弾性
率が高くなり好ましくなく、40重量%を越えると成形
性が低下する。成分(d)が10重量%未満では機械的
強度の改善および外観の改良も不充分であり、30重量
%を越えると離型性、低温衝撃性が低下し高温での機械
的強度も低下する。ゴム成分としては、成分(c)と
(d)との合計量を40〜50重量%とするのが最も好
ましい。
【0023】
【組成物の製造方法】本発明のエアーバッグカバー材用
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、各成分を
上記の割合で、また、その他の添加剤を適宜使用して配
合混練することにより製造することができる。具体的に
は二軸押出機およびストランドカッターを用いる方法、
あるいはニーダーまたはバンバリーミキサーで混練後、
フィーダールーダー、単軸押出機およびホットカッター
を用いる方法等により製造することができる。
【0024】エアーバッグカバー材用として利用される
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、
85℃での破断伸度(JIS K6301,500mm/分)が4
50%以上、85℃での破断強度(JIS K6301)が40k
g/cm2以上のものが好ましく、また、硬度はJIS A硬
度(JIS K6301)として80以上、曲げ弾性率(JISK720
3)が500〜4500kg/cm2のものが特に好ましい。
【0025】本発明のエアーバッグカバー材用オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物をエアーバッグ収納用
カバーに成形する方法としては、通常行なわれている方
法でよく、例えばエアーバッグの作動時に破断部分とな
る薄肉部を内面が例えばH字状の凹部となるような金型
を使用して、射出成形などの一般的な成形法により成形
する。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は下記の記載により限定
されるものではない。なお、各実施例および比較例にお
いて、樹脂原料および添加剤としては、以下のものを使
用した。
【0028】(a1)ホモポリプロピレン(HPP):
MFR(230℃,2.16kg荷重)80g/10分。 (a2)プロピレン−エチレンランダム共重合体(RP
P):MFR(230℃,2.16kg荷重)30g/10
分、エチレン含量 3.1 重量%。 (b)低密度ポリエチレン: (b1)低密度ポリエチレン(LDPE):MFR(2
30℃,2.16kg荷重)65g/10分、密度 0.915 g/c
m3。 (b2)線状低密度ポリエチレン(LLDPE):MF
R(230℃,2.16kg荷重)50g/10分、密度 0.9
26 g/cm3。 (c)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
(EPDM):プロピレン含量28重量%,ヨウ素価1
5、MFR(230℃,2.16kg荷重)0.5g/10
分、,ムーニー粘度(ML1+4,100℃)88。 (d)エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR):
プロピレン含量22重量%,MFR(230℃,2.16kg
荷重)17g/10分。
【0027】実施例1 表1に示した割合の各成分を樹脂温度220℃で二軸押
出機にて溶融混練しストランドカッターで切断してオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。この組成
物をシート状に成形して物性測定用のサンプルを作成
し、エアーバッグカバー材の指標となる物性(MFR、
JIS A硬度、破断強度(23℃および85℃)、破
断伸度、曲げ弾性率、耐傷付性、表面特性およびアイゾ
ット衝撃強度(−40℃))を測定した。各成分の配合
割合と共に測定結果を表1に示す。
【0028】実施例2〜9,比較例1〜4 各成分を表1に示した割合で使用し、実施例1と同様の
方法により、エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を得た。この組成物から物性測
定用のサンプルを作成し、各物性を測定した。各成分の
配合割合と共に結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】なお、表1に示した各物性の測定方法は以
下のとおりである。 (1) MFR(g/10分):230℃,2.16kg荷重で測定。 (2) JIS A硬度:JIS K6301により測定。 (3) 破断強度(kg/cm2):JIS K6301により、23℃お
よび85℃で測定。 (4) 破断伸度(%):JIS K6301により、85℃で測
定。 (5) 曲げ弾性率(kg/cm2):JIS K7203により測定。
【0032】(6) 耐傷付き性:組成物から調製した平板
のサンプルを爪で擦り、目視により以下の基準で評価し
た。 ◎:白化せず、すじをほとんど確認できない。 ○:白化せず、うすいすじが残るが、角度を変えて観察
すると認められなくなる。 ×:明らかなすじが付き、角度を変えて観察してもすじ
が認められる。
【0033】(7) 表面特性:成形時の、フローマーク及
びウエルドラインを目視により以下の基準で評価した。 ○:フローマークが認められず、ウエルドラインも殆ど
認められない。 ×:フローマーク及びウエルドラインがはっきりと認め
られる。
【0034】(8) アイゾット衝撃強度:JIS K7110 (ノ
ッチ付)により測定(−40℃)し、破壊の有無を観察
した。 NB:破壊せず、×:破壊。
【0035】表1より明らかなように、本発明の組成物
(実施例1〜9)は耐傷付き性、表面特性に優れ、高温
(85℃)での破断強度および破断伸度、曲げ弾性率、
JIS A硬度、成形性も良好な値を示しており、各成
分が本発明の範囲以外のもの(比較例1〜4)に比べて
バランスの取れた物性を示していることがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明のエアーバッグカバー材用オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物は、(a)ポリプロ
ピレン系樹脂と、(b)低密度ポリエチレンと、(c)
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムと、
(d)エチレン−プロピレン共重合体ゴムとを配合、混
練した組成物である。本発明のエアーバッグカバー材用
組成物はオレフィン系熱可塑性樹脂組成物のみを使用す
るものであり、エアーバッグカバーとして用いた場合、
表面に塗装を施さずとも充分な耐傷付き性、および車内
装着に適した表面特性を有し、作動時には確実に破壊さ
れ、ネットなどの補助材を使用しなくても破片が飛び散
らず、広い温度範囲において確実に作動し、柔軟性を保
ち、表面性、成形性に優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリプロピレン系樹脂30〜40
    重量%と、(b)低密度ポリエチレン10〜20重量%
    と、(c)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
    体ゴム10〜40重量%と、(d)エチレン−プロピレ
    ン共重合体ゴム10〜30重量%とを含有してなるエア
    ーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂(a)が、(a
    1)ホモポリプロピレン10〜50重量%と(a2)プ
    ロピレン−エチレンランダム共重合体50〜90重量%
    からなる請求項1に記載のエアーバッグカバー材用オレ
    フィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 (a1)成分のホモポリプロピレンがメ
    ルトフローレート(230℃,2.16kg荷重)50〜15
    0g/10分であり、(a2)成分のプロピレンエチレ
    ンランダム共重合体がメルトフローレート(230℃,
    2.16kg荷重)20〜120g/10分であり、(b)成
    分の低密度ポリエチレンがメルトフローレート(230
    ℃,2.16kg荷重)20〜100g/10分であり、
    (d)成分のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
    合体ゴムがムーニー粘度(ML1+4,100℃)30〜
    150であり、(e)成分のエチレン−プロピレン共重
    合体ゴムがメルトフローレート(230℃,2.16kg荷
    重)5〜30g/10分である請求項2に記載のエアー
    バッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組
    成物。
JP6337672A 1994-12-28 1994-12-28 エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 Pending JPH08183888A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2761940A1 (fr) * 1997-04-11 1998-10-16 Afe Plasturgie Couvercle frangible a deux couches pour coussin gonflable de vehicule automobile
JP2017510670A (ja) * 2014-02-24 2017-04-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 非カーペット型床材用の光沢が低減された熱可塑性ポリオレフィン

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FR2761940A1 (fr) * 1997-04-11 1998-10-16 Afe Plasturgie Couvercle frangible a deux couches pour coussin gonflable de vehicule automobile
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