JPH08111552A - 固体レーザ発振器 - Google Patents

固体レーザ発振器

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JPH08111552A
JPH08111552A JP24589694A JP24589694A JPH08111552A JP H08111552 A JPH08111552 A JP H08111552A JP 24589694 A JP24589694 A JP 24589694A JP 24589694 A JP24589694 A JP 24589694A JP H08111552 A JPH08111552 A JP H08111552A
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JP
Japan
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slab
slabs
laser oscillator
angle
solid
Prior art date
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Pending
Application number
JP24589694A
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English (en)
Inventor
Kiwamu Takehisa
究 武久
Koji Kuwabara
皓二 桑原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08111552A publication Critical patent/JPH08111552A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】固体レーザ発振器の共振器中に、2台の励起キ
ャビティ3a,3bとが直列に配置され、それぞれに
は、角度の31.0° にカットされたYAG結晶から成
るスラブ4a,4bが用いられている。レーザビーム
は、スラブ4a,4b中で、約31.0° で進むため、
レーザ光6aは、共振器中でスラブ4a,4bの外で
は、スラブ4a,4bの厚みと等しい厚みになり、常に
中心位置が一直線上に並ぶようになる。 【効果】レーザ発振器の設計が簡略化でき、しかも、各
励起キャビティを構成する部品の共通化が図れてコスト
が低減できる。また、複数のスラブを一体化させる場合
は、一枚の長いスラブを用いる場合と同じ構造の励起キ
ャビティを1台用いるだけで済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体レーザに係り、特
に、スラブレーザに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、固体レーザ発振器の平均出力を
高めるために、共振器中でレーザ媒質を複数用いること
がある。例えば、レーザ媒質としてロッド状のもの(以
下ロッドと呼ぶ。)を複数本用いた固体レーザ発振器が
広く利用されており、ロッドを励起するための励起キャ
ビティ(またはレーザヘッド,ランプキャビティ、ある
いは集光鏡などと呼ばれることもある。)が共振器中に
複数台直列に並べられる。このレーザ発振器をマルチロ
ッド式発振器と呼ぶことがあり、YAGレーザにおける
マルチロッド式発振器に関しては、例えば、溶接技術、
1988年8月号,第66頁から第71頁において示さ
れている。
【0003】一方、レーザ媒質としてスラブ状のもの
(以下スラブと呼ぶ。)を用いた固体レーザ(以下スラ
ブレーザと呼ぶ。)では、発振するレーザ光はスラブ内
でジグザグに全反射を繰り返すことから、レーザ動作時
に発生する熱レンズ効果による影響をキャンセルでき、
ビーム拡がり角が増大しにくいことが知られている。
【0004】また、スラブレーザでは、一般に、スラブ
の両端部がブリュースターカットされている場合が多
い。この場合、スラブ端部の角度αB は数2から求めら
れる。
【0005】
【数2】
【0006】ただし、数2におけるnはレーザ媒質の屈
折率を示す。ここでスラブ端部の角度とは、スラブの断
面が示された図5において、αで示された角度のことで
ある。尚、スラブがYAG結晶で、端部がブリュースタ
ーカットされている場合、α=αB=28.9°になる。
【0007】また、図5に示したように、スラブ内でジ
グザグに進むレーザ光の角度βは、αの関数として数3
から求められる。
【0008】
【数3】
【0009】スラブがYAG結晶で、α=αBのとき、
β=32.4°になる。また、スラブがGGG結晶、及
びGSGG結晶では、それぞれαB =27.2° 、及び
β=35.7° になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のようにマル
チロッド式発振器では、各ロッドごとに発生する熱レン
ズ効果が重複して、ロッド1本の場合に比べてビーム拡
がり角の増加が大きくなり、ビーム質が低下することが
問題であった。さらにまた、光軸調整を行う際に、各ロ
ッドの中心軸が正確に同軸上に配置する調整に長時間掛
かることも問題であった。
【0011】また、マルチロッド式発振器において、複
数のロッドを1本につないで一台の励起キャビティで対
応させようとすると以下で説明する新たな問題があっ
た。先ず第一に、ロッドの周囲の面は、ランプからの励
起光を拡散させるために、砂地面となって荒らされてい
る。その結果、隣接する2本のロッドを中空のホルダな
どで接続しても、ロッドとホルダとの隙間を完全にシー
ルすることが困難であり、冷却水が2本のロッド間にリ
ークすることがあった。すなわち、砂地面にはゴム状の
Oリングやシリコン製のシール剤が強く密着しないから
である。また第二の問題として、ロッドの端面には一般
にARコートが施されているため、万一、接続させた2
本のロッド間に冷却水が洩れた時にレーザ光が入射する
と、ARコートにダメージが生じることがあった。この
ように、従来、複数のロッドを接続して用いるのは困難
であった。
【0012】一方、スラブレーザにおいて、スラブの端
部がブリュースターカットされていると、図5に示した
角度αよりも角度βの方が大きくなる。その結果、端面
から入出射できるレーザビームの厚みdは、スラブの厚
みtより小さくなり、しかも、スラブを通過したレーザ
ビームの中心位置が(t−d)だけシフトすることにな
る。したがって、このシフトを考慮してレーザ発振器を
設計する必要があり、各励起キャビティごとに異なる構
造にするか、あるいは、各励起キャビティをずらして配
置させるために、レーザ発振器の設計が複雑になること
が問題であった。
【0013】本発明の第一の目的はロッドを用いずに高
い平均出力が得られ、しかも、レーザ発振器の設計が簡
略化できる固体レーザ発振器を提供することにある。
【0014】また、本発明の第二の目的は一台の励起キ
ャビティを用いて第一の目的を達成できる固体レーザ発
振器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、レーザ発振器内で用いる複数の固体レーザ媒
質として、数1を満足する角度αに対して、−0.4度
から+2.0度の範囲内の角度で両端部がカットされた
スラブを用いた。
【0016】また、上記第二の目的を達成するために、
2枚の隣接する前記スラブの両端部のカット面が互いに
平行になる向きで、それぞれのスラブの向かい合う端部
を中空の部材の中に挿入した。
【0017】また、励起光の光をより有効に利用するた
めに、前記中空の部材として透明の材質から成るものを
用いた。
【0018】
【作用】スラブ端部の角度が数1を満足する角度α以上
の場合、スラブ内でジグザグに進むレーザ光の角度βは
α以下になる。その結果、図5に示されたレーザビーム
の厚みdはスラブの厚みtと等しくなり、レーザビーム
の中心とスラブの中心とが一致する。これにより、複数
のスラブをその中心が一直線上に並ぶように配置するだ
けで、レーザビームの中心も一直線上に並ぶようにな
る。
【0019】また、スラブ端部の角度がαよりも0.4
度小さい場合では、図5におけるレーザビームの厚みd
が、スラブの厚みtの約99%と計算されるため、実質
的にレーザビームの厚みはスラブの厚みと等しくなり、
レーザビームのシフト量を無視できる。
【0020】一方、スラブ端部の角度を数1から求まる
αにすると、スラブ端部はブリュースターカットではな
くなるため、入出射する直線偏光のレーザ光に対して反
射損失が生じてしまう。しかし、スラブ端部の角度がα
の場合、この反射損失は十分小さく、例えば、YAG結
晶では0.1% 程度になるため、レーザ出力の減少は無
視できる程小さくなる。また、スラブ端部の角度がαよ
り2.0 度大きい場合でも、反射損失は約0.3% にな
るため、この程度までは実質的に問題無い。
【0021】また、複数のスラブにおいて、隣接するス
ラブの両端部のカット面が互いに平行になる向きで、そ
れぞれのスラブを中空のホルダなどに挿入することで、
各スラブを厚み方向でシフトさせることなく配置でき、
しかもランプからの励起光の損失を十分小さくできる。
しかも、スラブの表面は研磨面になっているため、シー
ル剤を強く密着させることができる。また、スラブでは
両端部のカット面も研磨されており、ARコートなどは
施されていないため、万が一冷却水が接触しても、スラ
ブ自体にダメージは生じない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0023】図1は、本発明の第一実施例である固体レ
ーザ発振器の構成を示した断面図である。
【0024】固体レーザ発振器では、出力鏡1aと全反
射鏡2aとで組まれた共振器中に、2台の励起キャビテ
ィ3a,3bとが直列に配置されている。それぞれの励
起キャビティ3a,3bには、端部の角度が数1をほぼ
満たす角度の31.0° にカットされたYAG結晶から
成るスラブ4a,4bが用いられている。スラブ4a、
及び4bの両端には、これらを保持するホルダ7a,7
a′、及び7b,7b′とが取り付けられており、これ
らが励起キャビティ3a、及び3bとに固定されてい
る。また、これらのスラブ4a,4bを励起するための
ランプ5a,5a′,5b,5b′とが励起キャビティ
3a,3b中に備えられている。
【0025】ランプ5a,5a′,5b,5b′を発光
させるとレーザ光6aが発生する。レーザビームは、ス
ラブ4a,4b中で、式3から求まる角度βでジグザグ
に進む。ここでは、α=31.0°であるため、β=3
0.9°となりαとほぼ等しくなる。その結果、レーザ
光6aは、共振器中でスラブ4a,4bの外では、スラ
ブ4a,4bの厚みと等しい厚みになり、常に中心位置
が一直線上に並ぶようになる。これにより、各スラブ4
a,4bを励起するための励起キャビティ3a,3bと
を全く同じ構造にでき、しかも、各励起キャビティ3
a,3bを互いにシフトさせる必要もない。
【0026】図2は、本発明の第二実施例である固体レ
ーザ発振器200の構成を示した断面図である。
【0027】固体レーザ発振器では、第一実施例のスラ
ブ4a,4bと同じYAG結晶で同寸法の2枚のスラブ
4c,4dとを一体化させて、1台の励起キャビティ3
c中に納めたものである。また、一体化されたスラブを
励起できる長いランプ5c,5c′とが用いられてい
る。
【0028】スラブを一体化する際に、2枚のスラブ4
c,4dは、それぞれのカット面が互いに平行になるよ
うに、中空のホルダ7cに挿入され、固定される。この
ホルダ7cは透明のアクリル樹脂から成り、ランプ5
c,5c′からの励起光を透過する。尚、2枚のスラブ
4c,4dの隙間には、乾燥窒素が満たされており、ス
ラブ4c,4dの周囲の面とホルダ7cの内側の面との
間には、シリコン製のシール剤が封入されている。ま
た、スラブ4c,4dの反対側の端部は、それぞれホル
ダ7c′,7c″により、励起キャビティ3cに固定さ
れる。
【0029】第二実施例でも、第一実施例と同様に、レ
ーザ動作により、スラブ4c,4dの厚みにほぼ等しい
厚みを有するレーザ光6bが発振する。これにより、ホ
ルダ7cによりスラブ4c,4dとを固定する際に、ス
ラブ4c,4dとをシフトさせる必要はない。尚、これ
に関しては後述する。また、それにより、スラブ4c,
4dを冷却する冷却水を流すために設けた壁8a,8
a′によって作られたギャップ9a,9a′は、ホルダ
7c以外の部分において、それぞれのスラブの長さ方向
(図2で左右方向)で等しくなることから、冷却水の流
速が一定になる。尚、図2では、ギャップ9a,9b中
で、冷却水を紙面に垂直な方向に流す構造になっている
が、冷却水を光軸と平行に流してもよい。
【0030】また、本実施例では端部が31.0 度にカ
ットされたスラブ4c,4dとを用いているが、もし
も、ブリュースターカットされたスラブ2枚を一体化さ
せようとすると、以下に説明する問題が生じる。これを
図3で説明する。ブリュースターカットされたスラブ4
e,4fから入出射するレーザ光6cを、両方のスラブ
4eとスラブ4fとに無駄なく導くには、スラブ4eと
スラブ4fとを互いにシフトして配置する必要がある。
その結果、ホルダ7dのように、構造が複雑になった
り、あるいは、冷却水を流すために設けた壁8b,8
b′とそれぞれのスラブ4e,4fとで作られたギャッ
プ9b,9b′が、それぞれのスラブ4e,4fに対し
て不均一になる。その結果、冷却水の流速が不均一にな
って、スラブ4e,4f中に不均一な温度分布が生じる
ことになり、レーザ光の品質に悪影響を及ぼすことにな
る。
【0031】一方、ブリュースターカットされたスラブ
を2枚用いても、端部のカット面を互いに逆向きにして
一体化させれば、図4に示したように、スラブ間のシフ
トを無くすように配置することも可能であるが、その場
合、別な問題が生じる。2枚のスラブ4g,4hを一体
化させると、スラブ4gとスラブ4hとの間の隙間が長
くなるため、ホルダ7eは、図3に示したホルダ7dよ
りも長いものが必要になる。しかも、スラブ4gとスラ
ブ4hとを合わせた長さも長くなるため、スラブ4g,
4hとを励起するランプにも、より長いものが必要にな
る。さらにまた、ホルダ7e内でスラブの存在しない空
間が大きくなるため、ここに照射されて無駄になる励起
光が増えてしまう。
【0032】したがって、本発明では、数1を満たす角
度αでカットされたスラブを用いることで、上記問題が
生じない。
【0033】さらにまた、第二実施例では、スラブ4
c,4dに対して、ランプ5c,5c′からの励起光が照
射されない部分は、ホルダ7c′,7c″とで保持され
る部分であり、透明のホルダ7cで保持されている部分
には励起光が照射される。すなわち、図1に示した第一
実施例のスラブレーザ発振器に比べて、スラブを有効に
利用する割合が増加した。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、各スラブの励起キャビ
ティとして同じ構造のものを用いて一直線上に並べるこ
とができるため、レーザ発振器の設計が簡略化でき、し
かも、各励起キャビティを構成する部品の共通化が図れ
てコストが低減できる。
【0035】また、複数のスラブを一体化させる場合
は、一枚の長いスラブを用いる場合と同じ構造の励起キ
ャビティを1台用いるだけで済むことから、レーザ発振
器の設計が簡略化できる。しかも、例えばYAG結晶の
場合、一枚のスラブでは長さ約20cm程度のものを製作
するのが限界であるのに対して、本発明では一体化され
たスラブの全長を原理的にはどこまでも長くすることが
でき、1台の励起キャビティで一層の高出力化が可能に
なった。
【0036】また、複数のスラブを一体化するホルダの
中に、万が一、冷却水が洩れて浸入しても、スラブの端
面には、ロッドの場合のようなダメージが生じないこと
から、分解して水を取り除き、ホルダを再接続するだけ
で済む。
【0037】さらに、一般に、スラブは長い程、精度良
く研磨することが難しくなることから、長くなる程単位
長さ当たりのコストが高くなるのに対して、本発明では
比較的短いスラブを複数用いて一体化させたものを用い
ることができるため、スラブの有効長が同じでもコスト
が低くなる長所もある。
【0038】さらにまた、複数のスラブを接続するホル
ダを透明の材質で構成することで、従来1枚のスラブを
1台の励起キャビティで励起していた場合に比べて、ス
ラブを有効に利用できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体レーザ発振器の一実施例の断面
図。
【図2】本発明の固体レーザ発振器の第二実施例の断面
図。
【図3】本発明以外の構成をとる場合の説明図。
【図4】本発明以外の構成をとる場合の説明図。
【図5】スラブレーザとレーザ光との関係を示した説明
図。
【符号の説明】
3a,3b,3c…励起キャビティ、4a,4b,4
c,4d,4e,4f,4g,4h…スラブ、6a,6
b,6c,6d…レーザ光。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の固体レーザ媒質を用いる固体レーザ
    発振器において、数1を満足する角度αに対して−0.
    4度から+2.0度の範囲内の角度で両端部がカットさ
    れたスラブを前記固体レーザ媒質として用いることを特
    徴とする固体レーザ発振器。 【数1】 ただし、nはスラブの屈折率。
  2. 【請求項2】請求項1において、2枚の隣接する前記ス
    ラブの両端部のカット面が互いに平行になる向きで、そ
    れぞれのスラブの向かい合う端部を中空の部材の中に挿
    入する固体レーザ発振器。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記中空の部材が透明
    の材質から成る固体レーザ発振器。
JP24589694A 1994-10-12 1994-10-12 固体レーザ発振器 Pending JPH08111552A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997028585A1 (fr) * 1996-02-02 1997-08-07 Fanuc Ltd Oscillateur laser transistorise
RU2623810C1 (ru) * 2016-06-24 2017-06-29 Акционерное общество "Научно-исследовательский институт "Полюс" им. М.Ф. Стельмаха" Лазер

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WO1997028585A1 (fr) * 1996-02-02 1997-08-07 Fanuc Ltd Oscillateur laser transistorise
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