JPH08274393A - スラブレーザおよびレーザ加工機 - Google Patents

スラブレーザおよびレーザ加工機

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JPH08274393A
JPH08274393A JP7072757A JP7275795A JPH08274393A JP H08274393 A JPH08274393 A JP H08274393A JP 7072757 A JP7072757 A JP 7072757A JP 7275795 A JP7275795 A JP 7275795A JP H08274393 A JPH08274393 A JP H08274393A
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JP
Japan
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slab
laser
exciting
excitation light
thickness
Prior art date
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Application number
JP7072757A
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English (en)
Inventor
Kiwamu Takehisa
究 武久
Koji Kuwabara
皓二 桑原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08274393A publication Critical patent/JPH08274393A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】励起光である半導体レーザからの励起光が、フ
ァイバ4a,4bによって、共振器まで導かれ、透明部
材5a,5bを通って、スラブ3の内部に進む。レーザ
動作させると、出力鏡2からレーザ光が取り出される。 【効果】冷却効果が高まり、スラブへの最大入力パワー
を高くできるため、効率を下げずにレーザ出力を高める
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、YAG結晶を用いたス
ラブレーザに関する。
【0002】
【従来の技術】スラブ状の固体レーザ媒質(以下、スラ
ブと呼ぶ)を用いた固体レーザは、一般に、スラブレー
ザと呼ばれ、図5に示すように、全反射鏡21と出力鏡
22とで組まれた共振器中に配置されたスラブ23の内
部で、発振するレーザ光はジグザグに全反射を繰返しな
がら進む。また、励起用ランプ24から放射された励起
光は、レーザ光がジグザグに全反射する面(以下、研磨
面と呼ぶ)に照射され、スラブ23は励起する。尚、研
磨面に垂直な面は一般に側面と呼ばれ、側面には、通
常、断熱材25a,25bが取り付けられている。ま
た、スラブの寸法に関しては、レーザ光の進む方向であ
る光軸方向に垂直に切ったスラブ23の断面の長方形
で、一般に、長辺の長さはスラブの幅、短辺の長さはス
ラブの厚みと呼ばれる。また、光軸方向の長さをスラブ
の長さと呼ぶ。さらにこれら三つの長さの方向を、図5
に示したように、以下、それぞれ幅方向、厚み方向、及
び長さ方向と呼ぶ。
【0003】スラブレーザは、ロッド状の固体レーザ媒
質を用いたロッド型レーザに比べて、より高出力化が可
能になると考えられている。すなわち、レーザ出力を高
めるために励起光を強めると、スラブ内部では熱応力に
よるストレスが増加して、熱破壊が起きることがある。
この熱破壊を起こさない最大入力パワーは、ロッド型レ
ーザの場合、ロッドの直径には無関係で長さに比例す
る。これに対してスラブレーザの場合、最大入力パワー
は長さに比例するだけではなく、スラブの幅Wと厚みt
との比W/tに比例し、W/tを約2.1 以上にするこ
とで、同じ長さのロッドの場合よりも高くできるからで
ある。尚、以上に関しては、例えば、IEEEJournal of Q
uantum Electronics,Vol.QE−20,No.3,19
84年 第289頁〜第301頁で説明されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】YAG結晶を用いたス
ラブレーザでは、スラブの幅Wは25mm程度が一般に入
手可能な最大寸法であるため、最大入力パワーをさらに
増加させるには、W/tがさらに大きくなるように、ス
ラブの厚みtを小さくする必要がある。ところが、スラ
ブの厚みを小さくすると、スラブ内で吸収される励起光
の割合(以下、励起光吸収率と呼ぶ。)が低下して、レ
ーザの効率が下がることが問題であった。特に、YAG
結晶では、ネオジウムイオン濃度を通常の1.1% より
高くすることは結晶の製作上困難であることから、励起
光の吸収長(励起光が1/eに減衰する長さを示す)を
通常の5〜10mmよりも短くすることは極めて困難であ
り、その結果、スラブの厚みを小さくすると励起吸収用
率は低下してしまう。
【0005】本発明の目的は、YAG結晶を用いたスラ
ブレーザで、励起光吸収率を下げることなく、最大入力
パワーを高くできるスラブレーザを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はスラブの側面から、半導体レーザから取り
出された励起光を入射させた。
【0007】
【作用】スラブの側面から入射した励起光は、スラブの
研磨面で全反射するため、スラブの内部に閉じ込めるこ
とができ、スラブの厚みとは関係無く、励起光は吸収さ
れる。しかも、スラブの幅を励起光の吸収長よりも十分
長くすることができるため、励起光吸収率が低くなるこ
とはない。
【0008】また、励起光源としてランプではなく、半
導体レーザを用いることで、励起光はレーザ光であるた
め、これを微小面積に集光させることができる。したが
って、スラブの厚みを小さくしても、面積が小さくなっ
たスラブの側面から励起光全体を入射させることができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0010】図1は本発明の一実施例であるスラブレー
ザ100の説明図である。スラブレーザ100では、全
反射鏡1とレーザ光を取り出すための出力鏡2との間に
スラブ3が配置される。スラブ3には、ネオジウムイオ
ン濃度0.5% のYAG結晶が用いられ、その寸法は、
幅20mm,厚み2mm,長さ100mmである。また、励起
光源である半導体レーザから取り出された励起光は、コ
ア径約1mmのファイバ4a,4bによって、スラブの両
サイドまで導かれる。ファイバ4a,4bから出射した
励起光11a,11bは、スラブ3の側面に密着した透
明部材5a,5bの中を通って、スラブ3内部に入射す
る。これを図2を用いて説明する。図2は、スラブ3の
長さ方向に垂直な断面図である。ファイバ4a,4bか
ら出射した励起光11a,11bは透明部材5a,5b
を通る間に、ビーム径がスラブ3の厚みと同じ大きさま
で拡がっていき、スラブ3内に入射する。また、スラブ
3の側面は従来のスラブとは異なり研磨されているた
め、側面に当る励起光はそのまま入射する。スラブレー
ザでは、発振するレーザ光は研磨面でジグザグに全反射
するのと同様に、本発明では、励起光もスラブ3の研磨
面で全反射する。これによって、励起光は拡がりながら
進んでいても、スラブ3の内部に閉じ込められる。
【0011】このように、本実施例のスラブレーザ10
0では、厚みが2mmと従来に比べて薄いスラブを用いて
いることができるため、幅と厚みの比W/tが10にな
り、最大入力パワーはロッド型レーザの約5倍になる。
しかも、励起光が進行する幅方向には20mmと励起光の
吸収長に比べて十分長いため、励起光はスラブ3の内部
で約90%以上も吸収させることができる。
【0012】尚、本発明では、特にYAG結晶を用いる
場合に効果が大きい。その理由として、GGG結晶,G
SGG結晶など、YAG結晶とほぼ同じ波長でレーザ動
作する他の結晶では、結晶の母体にドープさせるネオジ
ウムイオンの濃度を2〜4%に高めることができ、その
結果、励起光の吸収長をYAG結晶の場合の半分から1
/3程度まで短くできるからである。
【0013】尚、透明部材5a,5bには、ネオジウム
がドープされていないYAG結晶が用いられており、周
囲の面は研磨されている。YAG結晶は熱伝導率が高い
ため、スラブ3内部の温度分布を均一にする働きがあ
る。また、透明部材5a,5bにスラブ3と同じYAG
結晶を用いることで、これらの屈折率は等しくなるた
め、これらの境界面では光は反射しない。したがって、
励起光は反射損失を受けることはない。また、透明部材
5a,5bで励起光が入射する面5a′,5b′には、
励起光が損失なく入射するように、無反射コーティング
が施されている。この無反射コーティングは波長0.8
〜1.1μmで反射率が低くなっており、波長約0.8μ
m の励起光の損失を抑制するだけでなく、スラブ内部
で発生する可能性のある寄生発振光が反射して増幅する
のも抑制される。
【0014】尚、スラブの側面に関しては、従来のスラ
ブレーザでは、通常側面を砂地状にしており、これによ
りスラブ内部で発生した寄生発振光は散乱して増幅しな
いようになっていた。ところが、本実施例では側面から
入射する励起光が散乱しないように、スラブ3の側面を
砂地状とはせずに、粗さ0.5μm 以下に研磨してあ
る。ただし、研磨された側面で寄生発振光が反射して増
幅しないように、本実施例では、スラブ3の側面に透明
部材5a,5bとしてYAG結晶を密着させて、その境
界での屈折率差をほとんどなくし、寄生発振光の反射を
抑制してある。さらに、上述したように、透明部材5
a,5bの側面における寄生発振光の反射も抑制するた
めに、透明部材5a,5bの側面に無反射コーティング
を施してある。ただし、スラブ3の側面に透明部材5
a,5bを密着させない場合は、スラブ3の側面に無反
射コーティングを施してもよい。
【0015】次に、本実施例のスラブレーザ100の冷
却構造に関して説明する。本発明では、スラブ3の両サ
イドに励起光が導かれるので、冷却水をスラブの側面か
ら流す構造はとりにくい。そこで、図3に示したスラブ
3の幅方向に垂直な断面図からわかるように、スラブ3
と冷却水路形成板6a,6bとの隙間に、冷却水9a,
9bを矢印のようにスラブの長さ方向に流してある。
【0016】次に、本発明の他の実施例として、金属板
の表面改質を行うレーザ加工機に関して図4を用いて説
明する。図4に示した構成のレーザ加工機300では、
レーザ発振器としてスラブレーザ100を用いてあり、
これは励起光源である半導体レーザを含んだ電源部12
の上に設置されている。スラブレーザ100から取り出
される長方形断面のレーザ光は、45度反射鏡13によ
り下方向に進み、シリンドリカルレンズ14によって、
ビームの厚み方向のみが絞られる。尚、ここで、厚み方
向とは、スラブレーザ100のスラブ3の厚み方向と同
じ方向である。テーブル16の上に置かれた金属板であ
る被加工物15の表面では、ビームの幅全体に亘ってレ
ーザ光が集光される。尚、一般にスラブレーザでは、発
振するレーザ光におけるスラブの厚み方向のビーム拡が
り角は、スラブの厚みが小さい程小さくなる。レーザ加
工機300におけるレーザ光は、通常のスラブレーザよ
りも小さい厚み2mmのスラブ3を用いたスラブレーザ1
00から取り出されたものであるため、厚み方向のビー
ム拡がり角は非常に小さくなる。その結果、厚み方向に
集光すると極めて細く集光され、その部分ではレーザ光
強度が非常に高くなり、細長い線状に金属を融解させる
ことが可能になる。そこで、被加工物15を、図6中の
矢印のように、集光された線と直行する方向に進ませる
ことで、1回のスキャンにより、広い面積を表面改質で
きる。尚、17は表面改質された部分を示す。
【0017】
【発明の効果】本発明によると、励起光吸収率を下げる
ことなく、スラブの厚みを小さくできるため、W/tを
大きくとれる。したがって、スラブへの最大入力パワー
を高くでき、効率を下げずにレーザ出力を高めることが
できる。
【0018】また、本発明のスラブレーザを用いたレー
ザ加工機では、細長い線状の部分に高いレーザ光強度で
レーザ照射できるため、1回のスキャンにより広い面積
に対して溶接あるいは表面改質などの加工ができる。
【0019】また、本発明では、スラブの研磨面から励
起光を入射させる必要はないため、スラブの研磨面に金
属製の放熱板を取り付けて空冷にすることもできる。
【0020】さらにまた、本発明はYAG結晶以外の固
体レーザ媒質に対しても適用できるが、特にレーザガラ
スを用いたスラブレーザに適用すると効果がある。レー
ザガラスはYAG結晶に比べて熱伝導率が一桁程度小さ
いため、レーザ動作時に生じるスラブ内部での温度勾配
が大きくなり熱的に破壊しやすい。すなわち、同じ寸法
のYAG結晶に比べて最大入力パワーが低いことが問題
になっていた。そこで本発明を適用すると、スラブの厚
みを小さくできるため、最大入力パワーを高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスラブレーザの説明図。
【図2】スラブレーザにおけるスラブの厚み方向に垂直
な断面図。
【図3】スラブレーザにおけるスラブの長さ方向に垂直
な断面図。
【図4】本発明の他の実施例であるレーザ加工機の説明
図。
【図5】従来装置であるスラブレーザの説明図。
【符号の説明】
1…全反射鏡、2…出力鏡、3…スラブ、3a…スラブ
の研磨面、4a,4b…ファイバ、5a,5b…透明部
材、11a,11b…励起光、100…スラブレーザ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/16 H01S 3/18 3/18 3/08 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】YAG結晶を用いたスラブレーザにおける
    スラブ状YAG結晶において、発振するレーザ光が前記
    スラブ状YAG結晶の内部で全反射する面に垂直な面か
    ら、半導体レーザから取り出された励起光を入射させる
    ことを特徴とするスラブレーザ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記発振するレーザ光
    が前記スラブ状YAG結晶の内部で全反射する面に垂直
    な面に入射した前記励起光がほぼ透過するように、前記
    全反射する面に垂直な面が研磨されており、前記全反射
    する面に垂直な面にネオジウムをほとんど含まないYA
    G結晶を取り付けるスラブレーザ。
  3. 【請求項3】請求項1の前記スラブレーザから取り出さ
    れたレーザ光に対して、前記レーザ光のビーム断面の長
    方形における短辺の方向のみを集光させる光学系を用い
    るレーザ加工機。
JP7072757A 1995-03-30 1995-03-30 スラブレーザおよびレーザ加工機 Pending JPH08274393A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003023196A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd Ld励起レーザ装置
JP2005064542A (ja) * 2000-02-02 2005-03-10 Fuji Electric Systems Co Ltd 固体レーザ装置
WO2017022142A1 (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 三菱電機株式会社 半導体レーザ装置

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