JP2557123B2 - 固体レーザ発振装置 - Google Patents

固体レーザ発振装置

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JP2557123B2
JP2557123B2 JP2111843A JP11184390A JP2557123B2 JP 2557123 B2 JP2557123 B2 JP 2557123B2 JP 2111843 A JP2111843 A JP 2111843A JP 11184390 A JP11184390 A JP 11184390A JP 2557123 B2 JP2557123 B2 JP 2557123B2
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直明 北川
邉忠 金
誠宏 竹田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザ活性イオンであるネオジウム(N
d3+)を添加したイットリウム・アルミニウム・ガーネ
ット(Nd3+:Y3Al5O12、以下、Nd-YAGと略称する。)単
結晶を使用するスラブ型固体レーザ発振装置に関する。
[従来の技術] 板状結晶のレーザ媒質の前後に励起用ミラーを設けて
共振器を構成するレーザ発振装置において、板状結晶
(以下、スラブという。)としてNd-YAG単結晶が使用さ
れている。
Nd-YAGの単結晶は、ネオジウム(Nd)を添加したイッ
トリウム・アルミニウム・ガーネット(Nd3+:Y3Al
5O12)からなる。
Nd3+イオンはレーザ発振可能な数少ないイオンのうち
1つであり、Ndを添加する担体としてはYAGが一般的で
ある。Nd3+イオンを添加したNd-YAG単結晶がレーザ固体
媒質(レーザ固体素子ともいう。)となる。
Nd-YAG単結晶は、通常チョクラスキー法により製造さ
れるが、この製法の場合、単結晶の中央部におよび周辺
部に結晶ひずみ部を生ずる。この結晶ひずみ部は、結晶
が不ぞろいになっているため、光学的ひずみを生じる。
従って、レーザ媒質としてのロッド(丸棒状素子)やス
ラブ(平板状素子)は、この部分を避けて採取してい
た。
すなわち、第7図に示すように、Nd-YAG単結晶1には
結晶ひずみ部2が中央部および周辺部にあり、従来のス
ラブの切り出し方は、Nd-YAG単結晶1から結晶ひずみ部
2を避けてスラブ3を切り出していた。
第8図は、従来のスラブ型固体レーザ発振器の構成を
示す。
Nd-YAG単結晶のスラブ3と励起用ランプ6が反射箱7
内に配置され、ランプ6がスラブ3を上下から挾んだ状
態であり、またスラブ3とランプ6の両端が反射箱7か
ら突きでている。スラブ3の長軸方向に全反射ミラー8
と出力ミラー9が相対して配置されている。
Nd-YAG単結晶のスラブ3の両端面4a、4bは、互いに平
行で且つスラブ3の上下面5a、5bに対して傾斜角度αで
切り出されている。そして、このスラブ3の両端面4a、
4bおよび上下両面5a、5bは光学的鏡面に研磨されてい
る。
反射箱7に収納された励起用ランプ6とスラブ3は反
射箱7に導入した水で冷却される。
反射箱7の外部に露出しているスラブ3の一方の端面
4a側には全反射ミラー8が、また他方の端面4b側には出
力ミラー9が配置され、これにより共振系を構成してい
る。
いま励起用ランプ6を点灯してスラブ3中に励起光が
透過すると、スラブ3内のNd3+イオンが高いエネルギー
順位に励起される。
この高いエネルギー順位から低いエネルギー順位に下
落する際にレーザ光が発せられ、このレーザ光がさらに
刺激光となってレーザ光の誘導放出を惹き起こす。
上記共振系は、全反射ミラー8で反射したレーザ光が
光路Lに沿って進み、端面4aで屈折してスラブ3内に入
り、その下面5bおよび上面5aで全反射をくり返して、端
面4bに到達し、この端面4bで再び屈折して出力ミラー9
に向かう。該出力ミラー9から反射したレーザ光が再び
光路Lを通るよう調整してある。従って、光路L上をレ
ーザ光が往復する間に、レーザ光は増幅されて、レーザ
光の一部を出力ミラー9からを取り出すようになってい
る。
このようなスラブ型固体レーザ発振装置によれば、レ
ーザ光は素子すなわちレーザ媒質の上下の面で全反射さ
れ、レーザ媒質全体をジグザグに伝搬するので、光励起
に伴う熱レンズ効果の影響を受けず、拡がり角の少ない
レーザ光を得ることができる。
[発明が解決しようとする課題] 前述のような従来技術では、Nd-YAG単結晶の欠陥であ
る結晶ひずみ部を避けてスラブを切り出していたので、
スラブの寸法が小さく、従って大パワーのレーザ発振装
置ができなかった。
すなわち、単結晶作製装置から引き上げたNd-YAG単結
晶からスラブを切出すとき、光学的歪みが大きい結晶中
央部およびそこから周縁部に伸びる結晶ひずみ部を避け
てスラブを切出すので、引き上げたNd-YAG単結晶の体積
に対して小さな体積のスラブしか取れなかった。そし
て、レーザ出力はスラブの体積に比例するので、小体積
のスラブではレーザ出力に限界があった。
従って、本発明は、Nd-YAG単結晶から結晶内部の結晶
ひずみ部を含めてスラブを切り出し、そのスラブに対
し、結晶ひずみ部以外の部分にレーザ光を通す発振器構
成として、従来技術よりも効率良くレーザ出力を得るこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の固体レーザ発振装置では、ネオジウム(Nd)
を添加したイットリウム・アルミニウム・ガーネット単
結晶(Nd3+:Y3Al5O12)から結晶ひずみ部を含めて切り
出した板状のレーザ媒質と、該レーザ媒質の長軸方向両
側に1対ずつ配置されたミラーとからなり、レーザ光
が、結晶ひずみ部を避けて、レーザ媒質を通るようにな
っている。
[作用] 本発明は、単結晶作製装置で引き上げたNd-YAG単結晶
から、結晶ひずみ部を含んでスラブを切り出し、同一ス
ラブ内でレーザ光が2回通るようにすることにより、結
晶ひずみ部を含まない従来のスラブの2倍のレーザ出力
が取り出せる効果があり、大出力レーザが達成できる。
[実施例] 図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
第1図に示すような切り出し面にて、Nd-YAG単結晶1
から結晶ひずみ部2を含めて切り出したスラブ3を用い
て本発明のレーザ発振装置を構成する。
第1図に示すように切り出したNd-YAG単結晶のスラブ
3は、従来技術で結晶ひずみ部2を避けて切り出したス
ラブの2倍の体積を取りうる。
スラブ3の両端面4a、4bは、互いに平行で、且つスラ
ブの上下面5a、5bに対して傾斜角度αで切り出されてい
る。
このスラブの両端面4a、4bおよび上下両面5a、5bは光
学的鏡面に研磨されている。
第2〜3図のような構成をとることにより、結晶1個
でレーザ光が2回結晶内を通ることが可能となる。この
結果、レーザ出力が2倍になる。
スラブ3は励起用ランプ6とともに反射箱7に収納さ
れ、スラブ3と励起用ランプ6とは反射箱7に導入した
水で冷却される。スラブ3と励起ランプ6は、それぞれ
両端が反射箱7の外部に露出している。スラブ3の一方
の端面4a側には、2個の全反射ミラー8a、8bが、向かい
合うように、レーザ光路Lに対して45度の角度で配置さ
れ、また他方の端面4bの側には、全反射ミラー8cおよび
出力ミラー9がレーザ光路Lに対して直角に配置され、
これにより共振系を構成している。
スラブ3は中心部に結晶ひずみ部2を有し、この全反
射ミラー8a、8b、8cおよび出力ミラー9は、第2図に示
すように、レーザ光路Lが結晶ひずみ部2を避けて伸び
るように配置されている。
レーザ光の誘導放出の原理は、従来例において前記し
た通りであり、本発明の構成において全反射ミラー8cで
反射したレーザ光は端面4bで屈折してスラブ3内に入
り、その下面5bおよび上面5aで全反射をくり返して端面
4bに到達し、全反射ミラー8aから全反射ミラー8bにて反
射され、端面4bから再びスラブ3内に入り再び屈折して
出力ミラー9に到達する。
出力ミラー9から反射されたレーザ光が再び光路Lを
通るように、各ミラー8a、8b、8c、9が調整されてお
り、この光路L上をレーザ光が往復する間に増幅され、
増幅された一部のレーザ光が出力ミラー9から出射され
る。
上記のような共振器を構成し、パルス電源で4本のラ
ンプ6を駆動すると、パルス幅7ms(ミリ秒)、繰り返
し周波数10pps、入力12kwの条件で、レーザ出力410wが
得られる。
本発明の構成をとることにより、レーザ光が2回スラ
ブ内を通ることが可能となり、レーザ出力が2倍にな
る。
実施例 中心に幅7mmの結晶ひずみ部を有する幅55mm、全長147
mm、厚さ8mm、端面角度30.6度のひし形のスラブ3と、
反射率100%の全反射ミラー3個8a、8b、8cおよび反射
率50%の出力ミラー9にて、第2図〜第3図に示す発振
装置を構成した。
励起用ランプ6は、スラブ3の上面5a側に2本、下面
5b側に2本、合計4本を使用した。
パルス電源(図示せず)により、ランプ6への入力電
力12kw、パルス幅7ミリ秒、パルスくり返し数10ppsの
条件にて、平均レーザ出力410wが得られた。
このように、本発明の構成でレーザ発振させることに
より、入力12kwでレーザ出力410wが得られ、これは従来
の約2倍の出力となった。
尚、スラブ3は、第4図(a)に示すように冷却水の
流れAで冷却されるが、スラブの幅方向の内部温度分布
は第4図(b)に示すようになった。
比較例1 本発明の比較例として、第5図(a)に示すように、
結晶ひずみ部を持たない2本のスラブ3を平行に並べて
本発明と同様にレーザ発振装置を構成した。この場合、
2本のスラブ3を通過するレーザ光の互いの干渉による
出力低下を避けるため、各スラブ3はある間隔に離して
配置しなければならなかった。
間隔を離して2本のスラブ3を配置して、第5図
(a)に示すように冷却水の流れAにてスラブを冷却し
た場合、スラブの幅方向の内部温度分布は第5図(b)
に示すようになり、第4図(a)、(b)に示すような
1本のスラブの温度分布に比較して温度勾配が急になっ
た。従って温度tに対する屈折率nの割合dn/dtが大と
なり出射されるレーザ光のビーム品質が悪くなった。従
って、この構成は望ましくないことが判った。
比較例2 本発明の比較例として、第6図に示すように、結晶ひ
ずみ部を持たない2本のスラブ3を平行に並べ、同質の
Nd-YAG材3aを間に挾んで接着剤10で接着して本発明と同
様にレーザ発振装置を構成した。しかし、このレーザ発
振装置は、次の2つの理由により、好ましくないことが
判った。
1)2枚のスラブ3を各々研磨し、同質のNd-YAG材3aを
間に挾んで接着剤10にて第6図に示すように貼り合わせ
た場合、その上面,下面を完全に平行にすることが難か
しい。平行度が良くないと、各スラブのジグザグパスの
光軸がずれミラーの調整が難かしくなる。
2)第6図に示すように各スラブ3を接着剤10にて貼り
合わせた場合、接着剤10とスラブ3の間に温度勾配が生
じ、温度tに対する屈折率の割合dn/dtが大となり、射
出されるビームの強度分布にムラを生ずる結果となる。
[発明の効果] 本発明の構成にて、従来技術ではひずみ部を避けて採
取したスラブによる発振出力の約2倍の出力を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の発振装置に用いるスラブの切り出し
面を示すNd-YAG単結晶の平面図である。 第2図は、本発明の発振装置の構成でスラブとミラーと
の関係を示す斜視図である。 第3図は、本発明の発振装置の構成を示す概略平断面図
である。 第4図(a)は、本発明の発振装置におけるスラブと冷
却水の流れを示す説明図である。 第4図(b)は、第4図(a)の配置におけるスラブの
幅方向の内部温度分布を示すグラフである。 第5図(a)は、スラブを併置した発振装置におけるス
ラブと冷却水の流れを示すを示す説明面図である。 第5図(b)は、第5図(a)の配置におけるスラブの
幅方向の内部温度分布を示すグラフである。 第6図は、2枚のスラブを各々研磨し、接着剤にて貼り
合わせた構成を示す概略断面図である。 第7図は、YAG単結晶の結晶ひずみ部と従来のスラブの
切り出し面を示す斜視図である。 第8図は、従来のスラブ型固体レーザ発振装置の構成を
示す概略平断面図である。 図において、参照記号は次のものを示す。 1:YAG結晶、2:単結晶内部に生じる結晶ひずみ部、3:ス
ラブ、4a、4b:スラブの端面、5a:スラブの上面、5b:ス
ラブの下面、6:励起用ランプ、7:反射箱、8:反射ミラ
ー、9:出射ミラー、10:接着剤

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Nd-YAG単結晶から結晶ひずみ部を含めて切
    り出した板状のレーザ媒質と、該レーザ媒質の長軸方向
    両側に1対ずつ配置されたミラーとからなり、レーザ光
    が、結晶ひずみ部を避けて、レーザ媒質を通るようにし
    たことを特徴とする固体レーザ発振装置。
JP2111843A 1990-05-01 1990-05-01 固体レーザ発振装置 Expired - Lifetime JP2557123B2 (ja)

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Publication Number Publication Date
JPH0412576A JPH0412576A (ja) 1992-01-17
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