JPH08110939A - 画像の位置合わせ処理装置及び画像間演算処理装置 - Google Patents

画像の位置合わせ処理装置及び画像間演算処理装置

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JPH08110939A
JPH08110939A JP6246330A JP24633094A JPH08110939A JP H08110939 A JPH08110939 A JP H08110939A JP 6246330 A JP6246330 A JP 6246330A JP 24633094 A JP24633094 A JP 24633094A JP H08110939 A JPH08110939 A JP H08110939A
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JP6246330A
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English (en)
Inventor
Akiko Yanagida
亜紀子 柳田
Hitoshi Yoshimura
仁 吉村
Atsushi Kido
淳 木戸
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】時系列画像間における位置合わせ処理を、効率
良く高精度に行わせる。 【構成】胸部放射線画像において肺野を抽出し、該肺野
の輪郭に基づいて部分領域を複数設定する(S1)。次
いで、前記部分領域毎に、好ましくは線型変換で表され
る位置合わせ情報を決定し(S2)、かかる位置合わせ
情報を各部分領域に対応させて記憶する(S3)。ここ
で、前記部分領域毎の位置合わせ情報に基づいて、各部
分領域毎に独立に画像の座標変換を行った後(S4)、
差分処理を行って(S5)、前記部分領域内で経時変化
部分を強調した画像を表示する(S6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像の位置合わせ処理装
置及び画像間演算処理装置に関し、特に、複数の画像間
における被写体の位置合わせ処理を、精度良くかつ効率
良く行わせる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は、病気診
断用などに多く用いられており、このX線画像を得るた
めに、被写体を透過したX線を蛍光体層(蛍光スクリー
ン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視
光を通常の写真と同様に銀塩を使用したフィルムに照射
して現像した、所謂、放射線写真が従来から多く利用さ
れている。
【0003】しかし、近年、銀塩を塗布したフィルムを
使用しないで、蛍光体層から直接画像を取り出す方法が
工夫されるようになってきている。この方法としては、
被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる
後、この蛍光体を例えば光又は熱エネルギーで励起する
ことによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放
射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を光
電変換し、更にA/D変換してディジタル画像信号を得
る方法がある(米国特許3,859,527 号,特開昭55−1214
4 号公報等参照)。
【0004】このようにして得られた放射線画像信号
は、そのままの状態で、或いは画像処理を施されて銀塩
フィルム,CRT等に出力されて可視化される。また、
放射線画像を記録した銀塩フィルムに、レーザ・蛍光灯
などの光源からの光を照射して、銀塩フィルムの透過光
を得て、かかる透過光を光電変換して放射線画像信号を
得る方法もある。
【0005】一方、従来から、共通の被写体部分を含む
複数の放射線画像間で、被写体の相対的な位置ずれを合
わせる位置合わせ処理が公知となっている。即ち、共通
の被写体部分を含む複数の放射線画像間で例えば差分処
理を行って、特定構造物や経時変化部分を強調した画像
を抽出するには、前記差分処理に先立って、画像間にお
ける被写体の相対的な位置ずれを合わせる処理が必要に
なるものである。
【0006】かかる位置合わせ処理としては、従来、特
公昭61−14553号公報に開示されるようなものが
あった。前記特公昭61−14553号公報に開示され
る位置合わせ処理は、2枚の画像の相互に対応する部分
領域間の位置ずれを線型近似してそれぞれ求めた後、こ
れら各対応部分領域毎に求められた位置ずれ量から前記
2枚の画像間の非線型な位置ずれに対する補正関数の係
数を求める構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特公昭
61−14553号公報に開示される位置合わせ処理で
は、多項式で表される非線型画像変換を用いて画像全体
の複雑な位置ずれを補正する構成であるから、位置合わ
せの精度を高めるためには多項式の次数を上げる必要が
ある。このため、精度確保のためには、計算に必要とな
るデータ量が多くなり、これに伴って、使用するメモリ
容量が多くなり、また、処理速度が遅くなるという問題
があった。
【0008】また、画像の周辺部分などに診断に不要な
画像領域が存在し、かつ、該領域における2画像間の差
異が著しい場合には、該領域から求められる位置合わせ
処理条件が付近の画像部分の位置合わせ処理条件に悪影
響を与え、位置合わせ処理の精度が低下するという問題
があった。本発明は上記問題点に鑑みなされたものであ
り、共通の被写体部分を含む複数の画像間における相対
的な被写体の位置ずれを合わせる位置合わせ処理が、効
率良くかつ高精度に行えるようにすることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる画像の位置合わせ処理装置は、人体の一部であ
る共通の被写体部分を含む複数の画像間で位置合わせ処
理を行う画像の位置合わせ処理装置であって、部分領域
設定手段が画像内に少なくとも1つの部分領域を設定
し、位置合わせ処理手段が、前記設定された部分領域毎
に独立に画像間の位置合わせ処理を行う構成とした。
【0010】請求項2の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置は、人体の一部である共通の被写体部分を含む
複数の画像間で位置合わせ処理を行う画像の位置合わせ
処理装置であって、解剖学的構造抽出手段が、前記画像
から人体の解剖学的構造を抽出する処理を行う一方、部
分領域設定手段が、前記解剖学的構造の抽出結果に基づ
いて画像内に少なくとも1つの部分領域を設定する。そ
して、位置合わせ処理手段が、前記設定された部分領域
毎に独立に画像間の位置合わせ処理を行う構成とした。
【0011】請求項3の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置では、前記位置合わせ処理手段による位置合わ
せ処理が、画像の4次以下の多項式変換を用いて表され
るものとした。請求項4の発明にかかる画像の位置合わ
せ処理装置では、前記位置合わせ処理手段による位置合
わせ処理が、画像の線型変換を用いて表されるものとし
た。
【0012】請求項5の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置では、前記位置合わせ処理手段で得られる位置
合わせ情報を、前記部分領域のそれぞれに対応させて記
憶する位置合わせ情報記憶手段を有する構成とした。請
求項6の発明にかかる画像間演算処理装置は、前記請求
項1〜5のいずれか1つに記載の画像の位置合わせ処理
装置で位置合わせ処理が行われた前記部分領域のうちの
少なくとも1つの部分領域において、画像間の演算を行
う画像間演算手段を有して構成される。
【0013】請求項7の発明にかかる画像間演算処理装
置は、人体の一部である共通の被写体部分を含む複数の
画像の画像データ,画像内に設定された少なくとも1つ
の部分領域の位置を示す部分領域位置情報、及び、前記
部分領域のそれぞれに対応する位置合わせ情報を、情報
読み出し手段によって記憶装置からそれぞれに読み出
す。そして、位置合わせ処理手段が、前記読み出された
情報に基づいて少なくとも1つの部分領域で位置合わせ
処理を行う一方、画像間演算手段が、前記位置合わせ処
理が施された少なくとも1つの部分領域において画像間
の演算を行う構成とした。
【0014】請求項8の発明にかかる画像間演算処理装
置では、前記画像間演算手段による画像間の演算で得ら
れた画像を表示する画像表示手段を有する構成とした。
請求項9の発明にかかる画像間演算処理装置では、前記
位置合わせ処理手段で位置合わせ処理が施された部分領
域の中から特定の部分領域を選択する部分領域選択手段
を有し、前記画像間演算手段が前記選択された特定の部
分領域についてのみ画像間の演算を行う構成とした。
【0015】請求項10の発明にかかる画像間演算処理装
置では、前記人体の一部である共通の被写体部分を含む
複数の画像が、同一人体を被写体として相互に異なる時
期に撮影した複数の時系列画像であり、前記画像間演算
手段が位置合わせ処理が施された少なくとも1つの部分
領域において画像間の差分処理を行う構成とした。請求
項11の発明にかかる画像間演算処理装置では、前記人体
の一部である共通の被写体部分を含む複数の画像が、同
一人体を被写体として相互に異なる検査において撮影し
た複数の時系列画像であり、前記画像間演算手段が位置
合わせ処理が施された少なくとも1つの部分領域におい
て画像間の差分処理を行う構成とした。
【0016】
【作用】請求項1の発明にかかる画像の位置合わせ処理
装置によると、画像の全体を対象として位置合わせ処理
を行うのではなく、画像内の部分領域毎に独立に位置合
わせ処理を行う。即ち、画像全体として複雑な位置ずれ
があったとしても、部分領域に分ければ位置ずれの様子
が単純化されることになり、以て、簡便な座標変換式で
精度の良い位置合わせ処理が可能となるものである。
【0017】請求項2の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置によると、位置合わせの単位領域である部分領
域を人体の解剖学的構造に基づいて設定するから、例え
ば医療診断用の放射線画像において、診断に重要な部分
を確実に部分領域に含めることが可能となり、また、診
断に不要な領域を位置合わせ処理の対象外として、位置
合わせ処理の効率を高めることが可能となる。
【0018】請求項3の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置では、部分領域毎に位置合わせ処理を行わせる
ことにより簡便な座標変換式で精度の良い位置合わせ処
理が可能であることに対応して、位置合わせ処理を比較
的次数の低い4次以下の多項式変換を用いて行うものと
し、処理速度を速くすると共に使用するメモリ容量を少
なくする。
【0019】即ち、画像全体の複雑な位置ずれを高精度
に位置合わせ処理するには、一般に6次以上の次数の多
項式変換を用いて行うことが必要になるが、前述のよう
に部分領域毎に位置合わせ処理する構成であれば、位置
合わせ精度を維持するのに必要となる次数を低くするこ
とが可能となるものである。請求項4の発明にかかる画
像の位置合わせ処理装置では、部分領域毎に位置合わせ
処理を行わせることにより簡便な座標変換式で精度の良
い位置合わせ処理が可能であることに対応して、位置合
わせ処理を計算が単純である画像の線型変換を用いて行
うものとし、処理速度を一層速くすることが可能とな
る。
【0020】請求項5の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置では、前記部分領域毎の位置合わせ処理で得ら
れた位置合わせ情報を、それぞれの部分領域に対応させ
て記憶し、後から各部分領域に対応する位置合わせ情報
を読み出して部分領域毎の位置合わせ処理が行えるよう
にした。請求項6の発明にかかる画像間演算処理装置に
よると、上記のようにして部分領域毎に位置合わせ処理
を行い、該位置合わせ処理が行われた部分領域において
画像間の演算を行い、前記部分領域内での特定構造物や
経時変化部分を強調する。
【0021】請求項7の発明にかかる画像間演算処理装
置によると、予め記憶装置に記憶されている人体の一部
である共通の被写体部分を含む複数の画像の画像デー
タ,画像内に設定された少なくとも1つの部分領域の位
置を示す部分領域位置情報、及び、前記部分領域のそれ
ぞれに対応する位置合わせ情報が記憶装置からそれぞれ
読み出され、該読み出し情報に基づいて部分領域毎の位
置合わせ処理及び位置合わせされた部分領域における画
像間演算が行われ、記憶されている画像の部分領域につ
いて特定構造物や経時変化部分を強調することができ
る。
【0022】請求項8の発明にかかる画像間演算処理装
置では、前記画像間の演算で得られた画像、即ち、位置
合わせされた部分領域で特定構造物や経時変化部分を強
調した画像を表示し、例えば医療診断用の放射線画像に
おいて診断上で有用な可視情報を提供する。請求項9の
発明にかかる画像間演算処理装置では、位置合わせ処理
がなされた部分領域の中から特定の領域を選択すると、
該選択された部分領域についてのみ画像間の演算が行わ
れるから、例えば医療診断用の放射線画像において診断
上で特に重要な部分領域についてのみ画像間演算を行わ
せ、不必要な部分領域で画像間演算が行われることを回
避できる。
【0023】請求項10の発明にかかる画像間演算処理装
置では、同一人体を被写体として相互に異なる時期に撮
影した複数の時系列画像において、部分領域毎に位置合
わせ処理を行い、位置合わせ処理がなされた部分領域で
差分処理を行って、該部分領域内における経時変化部分
を強調し、医療診断用の放射線画像において新たに発生
した病変や病状の変化した病変の検出を容易に行えるよ
うにする。
【0024】請求項11の発明にかかる画像間演算処理装
置では、同一人体を被写体として相互に異なる検査にお
いて撮影した複数の時系列画像、例えば年度の異なる定
期検診で撮影された胸部X線画像では、特に複雑な位置
ずれが存在する確率が高いので、部分領域毎の位置合わ
せ処理によって位置合わせ処理を簡便に行わせ、位置合
わせ処理がなされた部分領域で差分処理を行って、該部
分領域内における経時変化部分を強調した画像を簡便に
得られるようにする。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は、
実施例の放射線画像処理装置のシステム構成を示す。
尚、図1に示すシステムは、後述するように、本発明に
かかる画像の位置合わせ処理装置及び画像間演算処理装
置を含んで構成されるものである。
【0026】図1において、画像記憶部1は、医療診断
用としてX線撮影された放射線画像のディジタル画像デ
ータを複数格納するものであり、光磁気ディスク等から
構成される。本実施例では、例えば定期検診などによっ
て定期的にX線撮影を行っている被検者について得られ
るような相互に異なる時期に撮影された同一被検者の共
通の被写体部分を含む複数の画像が、前記画像記憶部1
に予め記憶されているものとする。尚、上記のように相
互に異なる時期に撮影された同一被検者の共通の被写体
部分を含む画像を、以下では時系列画像という。
【0027】前記画像記憶部1に記憶される放射線画像
データは、放射線画像を記録した現像済の銀塩フィルム
に、レーザ・蛍光灯などの光源からの光を照射して、銀
塩フィルムの透過光を得て、かかる透過光を光電変換し
てディジタル化したもの、或いは、被写体を透過した放
射線を蛍光体に吸収せしめ、その後、この蛍光体を例え
ば光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体
が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光
として放射せしめ、この蛍光を光電変換してディジタル
化したものであっても良い。
【0028】また、前記画像記憶部1とは別に、画像情
報記憶部2が設けられており、この画像情報記憶部2に
は、画像記憶部1に記憶されている各画像についての情
報として、例えば撮影日時,撮影部位,撮影条件,画像
処理条件,被検者などの情報の他、後述する部分領域位
置情報や位置合わせ情報などの情報が記憶されるように
なっている。
【0029】但し、画像情報記憶部2を省略し、画像デ
ータと各画像に対応する各種情報とを対にして画像記憶
部1に記憶させる構成であっても良い。前記画像記憶部
1及び画像情報記憶部2(記憶装置)の記憶データは、
操作卓4による指示に従って前記画像管理部3によって
随時読み出されるようになっており、読み出された画像
データは、必要に応じて画像処理部5における画像処理
を経た後、放射線画像の読影を行わせるべく、画像表示
ユニットAの画像表示部6に表示される。
【0030】前記画像表示ユニットAは、前記画像表示
部6の他に、画像メモリ7,表示制御部8を備えて構成
される。前記画像表示部6としては、CRT,プラズマ
ディスプレィ,液晶ディスプレィ等が用いられるが、階
調表現性能の点からCRTを用いることが好ましく、更
に、医療用高精細CRTとして知られる走査線1000本系
以上のCRTを用いることがより好ましい。
【0031】前記画像記憶部1から読み出された画像デ
ータ(又は、読み出し後に画像処理が施された画像デー
タ)は、画像表示ユニットAの画像メモリ7に記憶さ
れ、該画像メモリ7に記憶された画像データが、表示制
御部8によって制御されて画像表示部6に表示される。
前記表示制御部8は、操作卓4を介して行われる表示フ
ォーマットの指示に従って表示画像を制御する。
【0032】画像処理を経た後の画像データを画像記憶
部に蓄積しておき、読影時に順次読み出して画像表示部
に表示する構成としても良い。また、画像処理を経た画
像をレーザーフィルムプリンタ等の画像出力装置により
ハードコピーとして出力しても良い。ところで、前述の
ように、例えば定期検診などによって定期的に胸部X線
撮影などを行っている被検者については、被検者毎の経
時的な画像系列ができ上がる。そして、かかる時系列画
像間で差分処理を行うことにより、被検者の経時変化部
分を選択的に強調することができ、以て、前記差分画像
(前記差分処理によって生成された画像。以下同様)の
観察によって経時変化部分、即ち、新たに発生した病変
や病状の変化した病変の検出を容易に行えるようにな
る。
【0033】そこで、本実施例では、前記時系列画像間
で前記差分処理を行って(画像間演算手段)、かかる差
分画像を画像表示部6(画像表示手段)に表示させるこ
とで、医師等の読影者が被検者の経時変化を容易に確認
できるよう構成されている。ここで、前記時系列画像間
における差分処理においては、予め共通する被写体部分
の位置合わせを行うことが必要となる。即ち、撮影時に
おける被写体のポジショニングやX線入射方向の差異に
起因する相対的な位置ずれが時系列画像間に生じるた
め、差分処理によって変化のない正常構造部分を打ち消
して経時変化部分を選択的に強調するには、差分処理に
先立って同一の解剖学的構造に対応する画像部分を重ね
合わせることが必要である。
【0034】本実施例では、前記位置合わせ処理を、画
像内の部分領域毎に独立して行わせるようにしてあり、
以下に、本実施例における位置合わせ処理(位置合わせ
処理手段)及び差分処理(画像間演算手段)について詳
細に説明する。図2に示すフローチャートは、画像記憶
部1に記憶された複数の時系列画像間で位置合わせ処理
を施した後、差分処理を行い、かかる差分処理によって
得られた画像を表示するまでの処理の流れを概略的に示
すものである。
【0035】まず、位置合わせ処理に先立って、時系列
画像内に複数の部分領域を設定する(S1:部分領域設
定手段)。前記部分領域の設定は、例えば図3又は図4
に示すように画像全体を格子状に複数に区分するパター
ンに基づいて行わせることができる。ここで、前記格子
状の分割パターンを予め複数用意しておいて、撮影部位
などの情報に基づいて自動選択される構成としても良
く、また、予め設定されている複数の分割パターンの中
から任意に選択できるようにしても良く、更に、分割パ
ターンを任意に作成できるようにしても良い。
【0036】尚、前記図3又は図4に示すようにして格
子状に画像全体を分割して部分領域を設定する構成にお
いて、各部分領域の面積及び形状が同一である必要はな
く、撮影部位などに対応して面積,形状が相互に異なる
複数の部分領域を設定する構成であっても良い。更に、
画像全体を全て部分領域とするのではなく、例えば図5
に示すように、一般に診断に不要な画像の周辺部分を対
象外とし、中央部分を格子状に複数に分割して中心部分
にのみ部分領域を設定することも可能である。
【0037】一方、例えは図6に示すように、人体の解
剖学的構造を抽出し(解剖学的構造抽出手段)、該抽出
した解剖学的構造に基づいて画像内の一部に部分領域を
設定することも可能である。かかる構成とすれば、診断
上重要な部分を確実に部分領域に含めることができ、ま
た、診断に不要な領域を位置合わせ処理の対象外(部分
領域外)とすることで、位置合わせ処理を行わせる部分
領域を限定して効率良い位置合わせ処理が可能となる。
【0038】図6には、胸部放射線画像の画像データか
ら解剖学的構造として肺を抽出し、該抽出結果に基づい
て肺野の輪郭内を中心として予め設定された規則に従っ
て複数の部分領域を設定した例を示してある。図6
(a)に示す例では、左右の肺野をそれぞれ上下方向の
中間位置で2分割して、肺の輪郭で囲まれる領域内に合
計4つの部分領域を設定している。
【0039】図6(b)に示す例では、(a)と同様に
して左右の肺野をそれぞれ2分割して4つの部分領域を
設定すると共に、左右の肺野で挟まれる領域の下側に5
番目の部分領域を設定してある。図6(c)に示す例で
は、左右の肺野をそれぞれ上下方向に3分割し、肺の輪
郭で囲まれる領域内に合計6つの部分領域を設定してい
る。
【0040】図6(d)に示す例では、左右の肺野をそ
れぞれ上下方向の中間位置で2分割すると共に、2分割
された部分領域を更に左右方向に2分割し、左右の肺野
をそれぞれ4分割して合計8つの部分領域を肺野の輪郭
内に設定している。尚、前述の画像を格子状に分割する
場合と同様に、複数の分割パターン(例えば図6に示す
4パターン)を予め記憶しておいて、これらのパターン
から任意に選択できるようにしたり、また、抽出した解
剖学的構造物の輪郭線を表示して任意に部分領域を設定
させるようにしても良い。更に、過去の診断情報等に基
づいて自動的に分割パターンが選択されるようにするこ
ともでき、また、予め定められた分割パターンに沿って
複数に分割された部分領域の中で実際に位置合わせ処理
を行わせる部分領域を任意に特定させることも可能であ
る。
【0041】部分領域の実効的面積(被写体である人体
の大きさと同一尺度で表した面積)は、400cm2以下であ
ることが好ましく、200cm2以下であることが特に好まし
い。前記胸部放射線画像における肺野部の輪郭抽出は、
例えば特開昭63−240832号公報に開示される方
法を用いて行える。具体的には、画像データの1つの行
又は列についてのみ注目し、その1次元の画像データ列
の中で前後のデータとの関係が予め定めた特定のパター
ンとなる点を、その行或いは列における輪郭点とし、必
要な範囲の行或いは列について前記輪郭点を求めてそれ
らの点を結んだ線を肺野の輪郭とするものであり、前記
特定のパターンとしては極小となる点,傾きが最大とな
る点,傾きが最小となる点などを用いる。
【0042】また、前記胸部放射線画像において肺野を
含む矩形領域を抽出させるようにしても良く、かかる矩
形領域の抽出方法としては、例えば特開平3−2185
78号公報に開示されるような方法がある。具体的に
は、画像の縦方向についてプロジェクション値(画像デ
ータの一方向の累積値)を求める。そして、前記プロジ
ェクション値が最小値となる点を正中線とし、該正中線
から外側に向けて移動しながらプロジェクション値と所
定の閾値とを比較して、プロジェクション値が最初に閾
値以下になった左右それぞれの点を、肺野の左端及び右
端として決定する。同様に画像の横方向についてもプロ
ジェクション値を求めて、肺野の上端及び下端を決定す
る。
【0043】また、胸部放射線画像において肺野輪郭や
肋骨位置を抽出する方法としては、特開平2−2501
80号公報に開示されるようなものがある。このもの
は、縦横のプロファイル情報に基づいて肺野輪郭や肋骨
位置を抽出するものであり、特に肋骨の抽出において
は、背景部分の影響を多項式近似により排除する構成と
なっている。
【0044】一方、腹部の放射線画像において、解剖学
的構造として腰椎,腸骨,骨盤などの骨部を抽出する方
法としては、特開平4−341246号公報に開示され
る方法がある。例えば、腹部放射線画像において腸骨部
を抽出するには、画像の横方向における信号変化を示す
プロファイルを作成し、かかるプロファイルにおいて極
小値をとる部位の個数・位置に基づいて、腸骨部を囲む
上下2つの線分を求めて、腸骨部領域を抽出する。ま
た、骨部と骨以外の部分との境界信号値をヒストグラム
等から求めて、かかる境界信号を閾値として画像信号の
2値化を行うことで、腰椎,腸骨,骨盤などの骨部領域
とそれ以外の領域とに区分して骨部領域を抽出すること
が可能である。
【0045】尚、上記に示す解剖学的構造の抽出方法に
限定されるものではなく、公知の種々の抽出方法を用い
ることができることは明らかである。解剖学的構造の抽
出結果は、代表点の座標,代表直線又は曲線を表す式又
は座標群,領域の輪郭線を表す式又は座標群などによっ
て表され、例えば胸部放射線画像において肺を解剖学的
構造として抽出する場合には、肺野の輪郭,両肺を含む
矩形,左右それぞれの肺を含む2つの矩形として抽出結
果を得ることができる。
【0046】上記のようにして画像内に位置合わせを行
わせる部分領域が設定されると、各部分領域毎に位置合
わせ情報を決定し(S2:位置合わせ処理手段)、該決
定に基づいて部分領域毎に独立に画像の座標変換が行わ
れる(S4:位置合わせ処理手段)。例えば図6(a)
に示すようにして、胸部放射線画像において4つの部分
領域を設定した場合には、4つの部分領域それぞれにつ
いて、同一の解剖学的構造に対応する画像部分を重ね合
わせるための画像の座標変換式を独立に設定し、該設定
された座標変換式に基づいて各部分領域毎に独立に座標
変換を行う。
【0047】ここで、画像全体として複雑な位置ずれが
あったとしても、各部分領域内では位置ずれの様子が単
純化されることになり、以て、簡便な座標変換式で精度
の良い位置合わせ処理が可能となるものである。従っ
て、前記座標変換として非線型変換を用いても良いが、
回転,拡大・縮小,平行移動の組み合わせからなる線型
変換で必要充分な位置合わせ精度を確保することが可能
となり、線型変換を用いることで、計算が単純化して処
理速度を速めることができ、また、演算に必要とされる
メモリ容量を少なくでき、効率良く然も高精度に位置合
わせ処理を施すことができる。
【0048】即ち、画像全体について複雑な位置ずれを
高精度に補正するには、高次の多項式変換などの非線型
変換を用いて、歪み状の位置ずれに対応できるような処
理を行うことが必要となるが、部分領域毎に位置合わせ
を行わせる構成とすれば、各部分領域内の位置ずれは画
像全体の位置ずれよりも一般に単純であるから、複雑な
変換を行う必要がなく、演算処理を簡略化できるもので
ある。特に、解剖学的構造に基づいて画像内に限定され
た部分領域を設定する構成であれば、位置合わせ処理の
対象となる画像データがより少なくなり、一層効率的に
位置合わせが行える。
【0049】前記線型変換は、変換前のx,y座標を
(x,y)、変換後のx,y座標を(x’,y’)、係
数をaij,bijとすると、
【0050】
【数1】
【0051】として表される。ここで、時系列画像中の
人体部分の相対的な大きさが略等しいならば、線型変換
の中でも平行移動と回転との組み合わせからなる線型変
換としても良く、更に、平行移動のみの線型変換を用い
ることも可能である。一方、非線型変換は例えば数2に
示されるような2次元n次多項式変換として表される
が、上記のように画像内に設定した部分領域毎の位置合
わせ処理では、変換式の次数は4次以下で充分な位置合
わせ精度が得られる。画像全体について複雑な位置ずれ
を補正するには一般的に6次以上の多項式変換が必要で
あるとされているが、本実施例のように、画像内の部分
領域毎に位置合わせ処理を行う構成であれば、前述のよ
うに4次以下に次数を低下させても、必要な位置合わせ
精度が得られるので、非線型変換を用いる場合であって
も位置合わせ処理を効率良く行わせることが可能であ
る。
【0052】
【数2】
【0053】ここで、線型変換における平行移動量,回
転量,拡大・縮小率、又は線型変換の係数、非線型変換
における多項式変換の係数、又は部分領域内の全画素に
対するx,y方向の移動量で表される位置合わせ情報の
決定(S2)においては、前記部分領域内の複数の点に
ついてそれぞれローカルマッチング手法を用いて求めた
複数の移動量を総合することにより定めると良い。前記
ローカルマッチングとは、対象とする部分領域の大きさ
よりも小さい細分領域を選択し、該細分領域内の特徴に
基づいて該細分領域の中心点に対する移動量を求めるも
のである。
【0054】具体的には、前述のように設定された部分
領域内に多数の点をマトリックス的に配置する。次い
で、それぞれの点を中心として、一定の大きさの矩形領
域を設定する。このとき、座標変換を行う画像における
矩形領域の大きさを、基準画像(座標変換を行わない画
像)の矩形領域の大きさに比べて大きく設定し、小さい
方の矩形領域をテンプレート、大きい方の矩形領域をサ
ーチ領域と呼ぶ。
【0055】そして、図7に示すように、画像間でおお
よそ対応する位置にあるテンプレートとサーチ領域との
ペアを用いて、サーチ領域に含まれるテンプレートAと
同形の副領域を少しずつ平行移動しながらその中でテン
プレートAと最も良く類似した副領域Bをサーチ領域内
で探索する。副領域Bが探索されると、その中心座標に
基づいてテンプレートAの中心座標に対する移動量を計
算する。
【0056】ここで、ある副領域がテンプレートとどの
程度類似しているかを評価する手段としては、SSDA
法(Sequential Similarity Detection Algorithm),相
互相関法,フーリエ変換位相相関法などを使用すること
ができる。部分領域内の複数のテンプレートについて決
定された移動量Δx及びΔyの分布に基づいて、当該部
分領域における位置合わせ情報が決定される。1つの部
分領域内に設定するテンプレート数は、多項式の次数に
依存して定められ、例えば次数が2次,3次,4次の場
合には、それぞれ6個以上,10個以上,15個以上のテン
プレートがあれば良い。前記細分領域の形状としては、
矩形,円形,十字形などを用いることができるが、演算
負担の軽減の面から矩形が好ましい。
【0057】上記方法では、部分領域内で更に複数の細
分領域が設定されて、各細分領域毎に求められる移動量
に基づいて該当する部分領域の位置合わせ情報を決定さ
せる構成としたが、特に線型変換を用いる場合には、部
分領域自身をテンプレートとし、他方の画像に該テンプ
レートとしての部分領域を含むより広いサーチ領域を設
定し、テンプレートと最も良く類似した副領域をサーチ
領域内で探索して移動量を決定する構成としても良い。
この場合、前記サーチ領域は画像全体としても良く、ま
た、テンプレート(部分領域)の形状に応じて画像内の
一部をサーチ領域として設定しても良い。
【0058】尚、部分領域の設定(S1)及び位置合わ
せ情報の決定(S2)においては、演算負担軽減の目的
で、画素数を減少させた縮小画像を使用しても良い。こ
こで、原画像の実効画素サイズ(被写体である人体の大
きさと同一の尺度で表した画素ピッチ)が0.2mm 程度で
ある場合、前記縮小画像の実効画素サイズは0.4 〜3mm
が好ましい。前記縮小画像は、原画像の画素の間引き或
いは平均化処理により生成することができる。
【0059】位置合わせ情報が部分領域毎に決定される
と、かかる位置合わせ情報を各部分領域に対応させて記
憶させ(S3:位置合わせ情報記憶手段)、後からかか
る位置合わせ情報を読み出して位置合わせ処理が行える
ようにする。位置合わせ情報を記憶しておけば、後で同
じ画像間で差分処理を行いたいときに、同じ演算を繰り
返す必要がなく、画像記憶部1に記憶された画像データ
と画像情報記憶部2に記憶された各部分領域の位置を示
す情報(部分領域位置情報)とこれに対応する位置合わ
せ情報とを読み出せば(情報読み出し手段)、直ちに位
置合わせのための座標変換を実行させて(位置合わせ処
理手段)、差分処理(画像間演算手段)を行うことが可
能となる。
【0060】前記位置合わせ情報の記憶は、例えば図8
に示すように、時系列画像を特定するためのID番号等
の情報を親情報とし、該時系列画像を特定する情報に対
応させて当該画像内に設定した各部分領域の位置を示す
情報(部分領域位置情報)を記憶させ、更に、前記部分
領域位置情報毎に位置合わせ情報を対応付けて記憶させ
るようにすることができる。かかる構成によれば、特定
の時系列画像を指定することで、複数の部分領域の位置
を示す情報と、各部分領域毎の位置合わせ情報とを読み
出すことができる。
【0061】また、特に、図3〜図5に示すように、部
分領域が画一的に設定される場合には、部分領域位置情
報を複数の画像間で共通的に用いることができるので、
図9に示すように、部分領域位置情報を親情報として、
時系列画像を特定するための情報と位置合わせ情報とを
対として記憶させるようにしても良い。この場合、格子
状に分割される部分領域の中の1つを指定すれば、各時
系列画像毎の位置合わせ情報を読み出すことができる。
【0062】そして、時系列画像間での差分処理を行う
際には、前記部分領域位置情報,位置合わせ情報及び画
像データを記憶装置(画像記憶部1及び画像情報記憶部
2)から読み出し、部分領域毎に対応する位置合わせ情
報を用いて画像データの座標変換(S4)を行って同一
の解剖学的構造に対応する画像部分を重ね合わせる位置
合わせ処理を、差分処理に先立って実行する。勿論、位
置合わせ情報を得た後に直ちに位置合わせ処理(座標変
換)を行って差分画像を得ることもできる。
【0063】そして、2つの時系列画像間で位置合わせ
された部分領域毎に、対応する画素間で画像データの差
分をとる差分処理(S5:画像間演算手段)を実行し、
部分領域毎に経時的な変化部分を強調する。前記差分処
理によって経時変化部分が強調された画像は、画像表示
部6に表示され(S6:画像表示手段)、読影者が差分
処理された部分領域内を観察することで、被検者におい
て新たに発生した病変や病状の変化した病変の観察を行
う。
【0064】尚、図6に示すように、位置合わせ処理を
行う部分領域が画像内の一部に設定される場合には、差
分処理される部分領域以外については原画像データをそ
のまま表示する。画像全体を部分領域に分割するのでは
なく、図6に示すように、解剖学的構造に基づいて関心
領域のみに部分領域を設定させる構成であれば、位置合
わせ処理及び差分処理に要する演算量が少なくなり、高
速に処理して差分画像を表示させることができる。
【0065】ここで、前記差分処理の後に、所定のオフ
セット値を加える処理や階調処理などの後処理を施し
て、最終的に時系列画像に基づいて得られた差分画像を
設定することが好ましい。また、位置合わせ処理の直前
(又は直後)に、画像全体の濃度・階調を標準的な濃度
・階調特性に合わせる濃度・階調補正処理を行わせるよ
うにしても良い。具体的には、米国特許5224177 号に開
示されるような濃度・階調補正処理を用いることができ
る。また、画像を複数の小領域に分割し、対応する小領
域内の画素値の統計値が等しくなるように一方の画像の
画素値を補正する方法を用いても良い。前記統計量とし
ては、平均値,分散値等が用いられる。
【0066】ところで、位置合わせ情報が得られた部分
領域全てについて差分処理を行わせる必要はなく、差分
処理を行う部分領域を、複数の部分領域の中から特定す
るようにしても良い(部分領域選択手段)。部分領域が
解剖学的構造に基づいて定められている場合には、注目
する部分は殆どの場合部分領域内に収まるので、例えば
図6に示したような複数の部分領域の中から任意に差分
処理を行わせる領域を指定させるようにしても良いし
(図10参照)、更に、1つの部分領域内又は隣接する複
数の部分領域に跨がって読影者が任意にポインティング
デバイス等で差分処理を行う領域を入力する構成として
も良い。
【0067】更に、読影者がポインティングデバイス等
で注目領域の1点を指定すると、かかる点を中心として
一定の大きさの領域が部分領域内で選択されるようにし
ても良い。また、以前に読影者が指定した部分領域や、
過去の所見,治療情報に基づき、複数の部分領域の中か
ら自動的に差分処理を行う部分領域を特定させることも
できる。
【0068】また、他の診断支援手法(例えば特開昭62
−125481号公報に開示されるような異常陰影検出など)
の結果に基づいて、異常陰影の存在確率の高い部分領域
を自動的に選択させることも可能である。差分処理を行
わせる部分領域の選択においては、2領域以上が選択さ
れる構成としても良い。尚、隣接する2領域が差分処理
領域として選択される場合には、各領域毎に独立した位
置合わせ処理が施されることから、部分領域の境界に
「つなぎ目」が出る場合もあるが、特に、解剖学的構造
に基づいて部分領域を設定させる場合には、部分領域の
境界部分が関心領域となることを確実に回避できるの
で、前記「つなぎ目」の発生が診断読影に悪影響を与え
ることは防止できる。
【0069】また、差分処理された部分領域を、原画像
を背景として表示させる代わりに、差分処理された部分
領域のみを拡大して表示させることも可能である(図10
参照)。また、原画像と、少なくとも1つの部分領域に
ついて位置合わせ処理及び差分処理を行った差分画像と
を、同一表示画面上の同一位置に切り替えて表示する構
成にしても良い。差分処理を行う部分領域として2領域
以上が選択されている場合には、それぞれの領域につい
て差分処理を行った複数の差分画像を作成し、該複数の
差分画像を順次切り替えて表示する構成にしても良い。
【0070】尚、上記実施例では、時系列画像間におけ
る差分処理に先立って部分領域毎に位置合わせ処理を行
わせる構成としたが、異なった条件で撮影した2つの放
射線画像間で差分処理し、放射線画像中の特定構造物を
抽出させる画像間演算処理に先立って、上記実施例に示
した部分領域毎の独立した位置合わせ処理を適用しても
良い。
【0071】前記異なった条件で撮影した2つの放射線
画像間で差分処理を行う画像間演算処理の例としては、
造影剤注入により特定構造物が強調された放射線画像か
ら、造影剤が注入されていない放射線画像を引算するこ
とによって、前記特定構造物を抽出する画像間演算処理
や、同一の被写体に対して異なるエネルギー分布を有す
る放射線を照射し、或いは、被写体透過後の放射線をエ
ネルギー分布を変えて2つの放射線検出手段に照射し
て、それにより特定の構造物が異なる画像を2つの放射
線画像間に存在せしめ、その後この2つの放射線画像の
画像信号間で適当な重み付けをした上で引算を行って、
特定構造物の画像を抽出する画像間演算処理がある。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かる画像の位置合わせ処理装置によると、画像の全体を
対象として位置合わせ処理を行うのではなく、画像内の
部分領域毎に独立して位置合わせ処理を行うので、簡便
な座標変換式で精度の良い位置合わせ処理が可能とな
り、位置合わせ処理を効率良く行わせることができると
いう効果がある。
【0073】請求項2の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置によると、位置合わせ処理を行わせる部分領域
を人体の解剖学的構造に基づいて設定する構成としたの
で、医療診断用の放射線画像において、診断に重要な部
分を確実に部分領域に含めることが可能となり、また、
診断に不要な領域を位置合わせ処理の対象外として、位
置合わせ処理の効率を高めることが可能であるという効
果がある。
【0074】請求項3の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置では、部分領域毎の位置合わせ処理を比較的次
数の低い4次以下の多項式変換を用いて行うものとし、
処理速度を速くすると共に使用するメモリ容量を少なく
できるという効果がある。請求項4の発明にかかる画像
の位置合わせ処理装置では、位置合わせ処理を画像の線
型変換を用いて行うものとし、位置合わせ処理における
計算が単純化され、処理速度を一層速めることができる
という効果がある。
【0075】請求項5の発明にかかる画像の位置合わせ
処理装置では、前記部分領域毎の位置合わせ処理で得ら
れた位置合わせ情報を、それぞれの部分領域に対応させ
て記憶するので、各部分領域に対応する位置合わせ情報
を読み出して、各部分領域毎の位置合わせを行うことが
できるという効果がある。請求項6の発明にかかる画像
間演算処理装置によると、位置合わせ処理が行われた部
分領域において画像間の演算を行って、部分領域内での
特定構造物や経時変化部分を強調することができるとい
う効果がある。
【0076】請求項7の発明にかかる画像間演算処理装
置によると、画像データ,部分領域位置情報及び部分領
域毎の位置合わせ情報を読み出し、該読み出し情報に基
づいて部分領域毎の位置合わせ処理及び位置合わせされ
た部分領域における画像間演算が行われ、記憶されてい
る画像の部分領域について特定構造物や経時変化部分を
強調することができるという効果がある。
【0077】請求項8の発明にかかる画像間演算処理装
置によると、位置合わせされた部分領域で特定構造物や
経時変化部分を強調した画像を表示し、例えば医療診断
用の放射線画像において診断上で有用な可視情報を提供
し、以て、診断性能を向上させることができるという効
果がある。請求項9の発明にかかる画像間演算処理装置
によると、選択された部分領域についてのみ画像間の演
算が行われ、例えば医療診断用の放射線画像において診
断上で特に重要な部分領域についてのみ画像間演算を行
わせることが可能となるから、効率的に画像間演算を行
わせ、また、見やすい画像を提供できるという効果があ
る。
【0078】請求項10の発明にかかる画像間演算処理装
置によると、時系列画像間で部分領域毎の位置合わせ及
び該位置合わせ処理後の差分処理を行わせることで、部
分領域内における経時変化部分を強調した画像を効率的
に得られ、医療診断用の放射線画像において新たに発生
した病変や病状の変化した病変の検出を容易に行えるよ
うになるという効果がある。
【0079】請求項11の発明にかかる画像間演算処理装
置によると、特に複雑な位置ずれが存在する確率の高い
異なる検査で撮影された画像間での位置合わせを、部分
領域毎に行わせ、該位置合わせ処理後に差分処理を行わ
せるから、異なる検査で撮影された画像間における経時
的な変化部分を強調した画像を効率的に得られるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図。
【図2】実施例における位置合わせ処理及び画像間演算
の概略を示すフローチャート。
【図3】部分領域を格子状の分割により設定する例を示
す図。
【図4】部分領域を格子状の分割により設定する例を示
す図。
【図5】部分領域を格子状の分割により設定する例を示
す図。
【図6】解剖学的構造に基づく部分領域の設定例を示す
図。
【図7】位置合わせ情報の決定の様子を示す図。
【図8】位置合わせ情報の記憶構成の例を示す図。
【図9】位置合わせ情報の記憶構成の例を示す図。
【図10】選択された部分領域における差分処理の様子を
示す図。
【符号の説明】
1 画像記憶部 2 画像情報記憶部 3 画像管理部 4 操作卓 5 画像処理部 6 画像表示部 7 画像メモリ 8 表示制御部 A 画像表示ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 7/00 9365−5H G06F 15/62 322 B 9061−5H 15/70 330 P

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体の一部である共通の被写体部分を含む
    複数の画像間で位置合わせ処理を行う画像の位置合わせ
    処理装置であって、 画像内に少なくとも1つの部分領域を設定する部分領域
    設定手段と、 該部分領域設定手段で設定された部分領域毎に独立に画
    像間の位置合わせ処理を行う位置合わせ処理手段と、 を有することを特徴とする画像の位置合わせ処理装置。
  2. 【請求項2】人体の一部である共通の被写体部分を含む
    複数の画像間で位置合わせ処理を行う画像の位置合わせ
    処理装置であって、 前記画像から人体の解剖学的構造を抽出する処理を行う
    解剖学的構造抽出手段と、 該解剖学的構造抽出手段による解剖学的構造の抽出結果
    に基づいて画像内に少なくとも1つの部分領域を設定す
    る部分領域設定手段と、 該部分領域設定手段で設定された部分領域毎に独立に画
    像間の位置合わせ処理を行う位置合わせ処理手段と、 を有することを特徴とする画像の位置合わせ処理装置。
  3. 【請求項3】前記位置合わせ処理手段による位置合わせ
    処理が、画像の4次以下の多項式変換を用いて表される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像の位置合
    わせ処理装置。
  4. 【請求項4】前記位置合わせ処理手段による位置合わせ
    処理が、画像の線型変換を用いて表されることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の画像の位置合わせ処理装
    置。
  5. 【請求項5】前記位置合わせ処理手段で得られる位置合
    わせ情報を、前記部分領域のそれぞれに対応させて記憶
    する位置合わせ情報記憶手段を有することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像の位置合わせ
    処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像
    の位置合わせ処理装置で位置合わせ処理が行われた前記
    部分領域のうちの少なくとも1つの部分領域において、
    画像間の演算を行う画像間演算手段を有することを特徴
    とする画像間演算処理装置。
  7. 【請求項7】人体の一部である共通の被写体部分を含む
    複数の画像の画像データ,画像内に設定された少なくと
    も1つの部分領域の位置を示す部分領域位置情報及び前
    記部分領域のそれぞれに対応する位置合わせ情報を記憶
    装置からそれぞれ読み出す情報読み出し手段と、 該情報読み出し手段で読み出された情報に基づいて少な
    くとも1つの部分領域で位置合わせ処理を行う位置合わ
    せ処理手段と、 該位置合わせ処理手段で位置合わせ処理が施された少な
    くとも1つの部分領域において画像間の演算を行う画像
    間演算手段と、 を有することを特徴とする画像間演算処理装置。
  8. 【請求項8】前記画像間演算手段による画像間の演算で
    得られた画像を表示する画像表示手段を有することを特
    徴とする請求項6又は7に記載の画像間演算処理装置。
  9. 【請求項9】前記位置合わせ処理手段で位置合わせ処理
    が施された部分領域の中から特定の部分領域を選択する
    部分領域選択手段を有し、前記画像間演算手段が前記選
    択された特定の部分領域についてのみ画像間の演算を行
    うことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載
    の画像間演算処理装置。
  10. 【請求項10】前記人体の一部である共通の被写体部分を
    含む複数の画像が、同一人体を被写体として相互に異な
    る時期に撮影した複数の時系列画像であり、前記画像間
    演算手段が位置合わせ処理が施された少なくとも1つの
    部分領域において画像間の差分処理を行うことを特徴と
    する請求項6〜9のいずれか1つに記載の画像間演算処
    理装置。
  11. 【請求項11】前記人体の一部である共通の被写体部分を
    含む複数の画像が、同一人体を被写体として相互に異な
    る検査において撮影した複数の時系列画像であり、前記
    画像間演算手段が位置合わせ処理が施された少なくとも
    1つの部分領域において画像間の差分処理を行うことを
    特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の画像間
    演算処理装置。
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