JPH08109575A - カーテンの襞付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し実施しても襞の形状に不揃いが発生
せず、カーテン生地に均整な襞を成形できる方法を提供
する。 【構成】 多数のロッド１，１が所定の間隔をおいて平
行に固定されてなる格子状の襞付けベース２と、この襞
付けベース２のロッド１，１間に嵌合可能な型付けフリ
ーロッド３を使用し、まず襞付けベース２の上にカーテ
ン生地８の大きさを有する上下２枚の型紙５，６を載置
してその上からフリーロッド３を順次嵌め入れて固定し
て型紙５，６を波形状に湾曲させたのち蒸熱処理して波
形にセットし、次いでフリーロッド３を取り除き上側の
型紙５を剥離して下側の波形型紙６上にカーテン生地８
を載置し、続いてその上に上側の型紙５を載せたのち襞
付けベース２のロッド１，１間に向かってフリーロッド
３を順次嵌め入れて固定して上下の型紙５，６と共にカ
ーテン生地８に蒸熱処理を施し、カーテン生地を波型状
に湾曲させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カーテンの襞付け方
法、詳しくはカーテンの長さ方向に裾の部分まで均等な
波型にセットされた襞を成形するための方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】部屋の遮光と装飾を目的として各種の窓
に垂下されるカーテンには、周知の通りその長さ方向に
多数の襞が形成されている。従来からこの襞付けはカー
テンの上部をタックをつまみ縫製するという方法で形成
されている。

【０００３】上記した従来方法によって形成された襞
は、カーテンの上部から下部に向かって次第に襞が緩慢
となり、上下方向に長い大型のカーテンにあっては床に
近い部分において襞が殆ど消えた状態となっていて、吊
り下げ外観やカーテンを両側に開いたときの形態が見苦
しくなるという不都合を有している。

【０００４】この不都合を改善するため、特公平４−２
３０２５号公報にみられるように、カーテンの長さ方向
に均等な襞を形成するカーテンの襞付け加工方法が提案
されている。この方法は、第１と第２の２枚の型紙を使
用し、重ねた両型紙の外側にカーテンの襞方向に間隔を
おいて平行に並べた柱状体を交互に千鳥状に配列して貼
着し、相互に相手方の型紙にこの柱状体を押し込んで両
型紙を波形に湾曲させ、これを蒸熱処理し波形形態をセ
ットして型紙を伸長したのち伸長を解いたとき波型形態
への弾性復元性が発揮できる波形型紙となし、この型紙
を伸長して両型紙間にカーテン生地を挟み込んだのち伸
長を解いて型紙を波形に復元させ、この復元力によって
波形のカーテン生地となしたのち蒸熱処理、減圧冷却処
理などを施してカーテン生地の波形をセットして襞付き
カーテンとなすものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の方法によれば、
簡便に所望の形状、大きさの襞をカーテン生地の長さ方
向に均等に形成でき、上記した従来の不都合を改善する
ことができる。しかしながら第１と第２の型紙間にカー
テン生地を挟み入れるとき、成形した波形型紙を一旦伸
長させ、カーテン生地を挟み入れたのち型紙の復元弾性
力によってカーテン生地を波形に成形しているため、毎
回型紙を伸長する必要があるためいたみ易いという欠点
がある。かかる難点は型紙の交換周期を短縮することに
よって解消することができるが、型紙の波形成形のため
の労力と時間が必要となり著しく不経済となる。

【０００６】また型紙の外側に柱状体を第１型紙と第２
型紙とで交互に間にくるように正確に貼着するには手数
がかかるという問題点があった。

【０００７】本発明は上記難点が解消でき、襞の形態の
均整なカーテンを経済的に生産することができるカーテ
ンの襞付け方法を提供することを目的としてなされたも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、多数のロッド
を間隔をおいて平行に固定してなる格子状の襞付けベー
スと、この襞付けベースのロッドと同形の多数のフリー
ロッドとを使用してカーテン生地の襞付け加工を行うこ
とによって上記課題を解決した。

【０００９】即ち、本発明のカーテン生地の襞付け方法
は、多数のロッドを所定の間隔をおいて平行に固定され
てなる格子状の襞付けベースの上にカーテン生地の大き
さを有した上下２枚の型紙を載置し、この型紙の上から
上記襞付けベースのロッド間に同形の型付けフリーロッ
ドを一方から他方に順次嵌め入れて固定して上記上下の
型紙を波型状に湾曲させたのち蒸熱処理してその波型形
態をセットし、次いで上記型付けフリーロッドを取り除
いて上側の型紙をその波型形態を崩すことなく（伸長す
ることなく）剥離して下側の型紙上にカーテン地を載置
し、続いてその上に剥離した上側の型紙を載せたのち襞
付けベースのロッド間に向かって上記型付けフリーロッ
ドを一方から他方に順次嵌め入れて固定して上下の型紙
と共にカーテン地を波型状に湾曲させ、しかるのち蒸熱
処理を施すことを特徴としているものである。

【００１０】上記襞付けベースのロッドおよびフリーロ
ッドの太さや断面形状あるいは襞付けベースに固定され
るロッドの間隔（ピッチ）は、要求される襞の形状や大
きさによって決定されるものである。また上記ロッドの
材質は特に限定を要しないが、取り扱いの容易性から、
紙管やプラスチック管が好ましい。

【００１１】型紙としては、厚さが０．５〜０．８ｍｍ
程度の市販の耐水性のあるクラフト紙が好ましく適用で
き、襞付け加工するカーテン生地よりも大きいものを用
いるとよい。

【００１２】型紙あるいは型紙と共にカーテン生地を波
形形態にセットするための蒸熱処理方法としては、加圧
型処理釜に、襞付けベースとフリーロッドとによって波
形に成形した型紙あるいは型紙と共に波形に成形したカ
ーテン生地を納入し、脱気処理を施したのち蒸熱処理
し、減圧、冷却する方法を適用するとよい。

【００１３】襞付け加工するカーテン生地としては、合
成繊維生地、合成繊維とセルロース系繊維の混紡生地な
ど成形された襞が蒸熱処理によって容易に固定セットで
きる生地が特に好ましい。

【００１４】

【作用】多数のロッドを所定の間隔をおいて平行に固定
されてなる格子状の襞付けベースと型付けフリーロッド
は、型紙やカーテン生地に高度な技術を要することなく
所望の大きさの均等な波形襞を形成する作用をなし、ま
たそのまま蒸熱処理釜に搬入するに役立つ。そして蒸熱
処理は格子状の襞付けベースと型付けフリーロッドとに
よって成形された襞を固定セットする作用をなし、長期
間に亘って型崩れのない襞付きカーテンに仕上げる。

【００１５】

【実施例】以下本発明方法の実施例を添付した図を参照
しながら説明すると、襞付け加工するに際し図１に示し
ているような多数のロッド１をその外径より少し小さい
間隔をおいて平行に固定されてなる格子状の襞付けベー
ス２と型付けフリーロッド３を準備する。実施例におけ
るこの襞付けベース２のロッド１には、外径が７５ｍｍ
の紙管が用いられ、このロッド１を９本、横桟４の上に
５１ｍｍの間隔をおいて平行に固定して形成され、他に
外径が５０ｍｍの管を型付けフリーロッド３，３として
使用している。

【００１６】そしてカーテン生地の大きさを有した厚さ
が０．６ｍｍの２枚の耐水性のあるクラフト紙を上下の
型紙５，６として、用い、次のようにしてカーテン生地
に襞付け加工を行った。

【００１７】先ず上記上下の型紙５，６を重ねて上記襞
付けベース２の上に載せ、図２のようにこの型紙５，６
の一端をテープ，ピン等の適宜止め具を用いて固定７し
たのちその型紙５，６の上から上記襞付けベース２のロ
ッド１，１間に型付けフリーロッド３，３を一方から他
方に順次嵌め入れて該フリーロッドの端部をゴムひもや
ひもなどで固定して上記上下の型紙５，６を波型状に湾
曲させる。この型紙の波形成形に際しては、予め型紙
５，６に水または浸透剤を添加した水を噴霧しておくと
波形成形をスムースに行うことができる。

【００１８】続いて上記波形に成形した型紙５，６を襞
付けベース２とともに図５のように台車１０内に収容し
て蒸熱処理釜（図示せず）内に入れ、処理釜内を負圧化
して脱気したのち加熱蒸気でもって蒸熱処理して波形形
態を固定セットし、２枚の波形型紙５，６となす。

【００１９】次いで蒸熱処理後襞付けベース２から型付
けフリーロッド３を取り除き、図３のように上側の波形
の型紙５を剥離して下側の型紙６上にカーテン生地８を
載置し、続いてそのカーテン生地８の上に剥離した上側
の型紙５を載せたのち襞付けベース２のロッド１，１間
に向かって取り除いた型付けフリーロッド３，３を一方
から他方に向かって順次嵌め入れたのちその端部をゴム
ひもやひも等で固定し、図４に示しているように上下の
型紙と共にカーテン生地８を波型状に湾曲させる。

【００２０】しかるのち、型紙５，６の波形成形の場合
と同様に、台車１０内に収容して蒸熱処理釜（図示せ
ず）内に入れ、処理釜内を負圧化して脱気したのち加熱
蒸気でもって蒸熱処理する工程を２回繰り返して波型形
態を固定セットした。

【００２１】得られたカーテン生地８には、山部の高さ
（襞の深さ）が実質的にロッド１，３の外径に等しい波
形の襞が整然と形成されていた。また同じ型紙でもって
繰り返し襞付け加工を行ったところ同じ波形の襞付きカ
ーテンが得られた。

【００２２】フリーロッド３の外径がロッド１の外径よ
りも小径であるとき、図６に示すようにフリーロッド３
の上に、紙管などからなる補助フリーロッド３ａを固定
し、ロッド１と同じ高さになるようにしてこの補助フリ
ーロッド３ａとフリーロッド３を共に前記の如くゴムひ
もやひも等で固定すると押圧力が型紙５やカーテン生地
８に均等に作用するので好ましい。尚、フリーロッド３
の外径をロッド１の外径と同径としてもよいことはいう
までもない。

【００２３】

【発明の効果】以上詳記しているように、本発明のカー
テン生地の襞付け方法は、多数のロッド１が所定の間隔
をおいて平行に固定されてなる格子状の襞付けベース２
と、この襞付けベース２のロッド１，１間に嵌合可能な
型付けフリーロッド３とを使用し、まず襞付けベース２
の上にカーテン生地８の大きさを有した上下２枚の型紙
５，６を載置してその上からフリーロッド３を順次嵌め
入れて固定して型紙５，６を波形状に湾曲させたのち蒸
熱処理してその波形をセットし、次いでフリーロッド３
を取り除き上側の型紙５を剥離して下側の型紙６上にカ
ーテン生地８を載置し、続いてその上に上側の型紙５を
載せたのち襞付けベース２のロッド１，１間に向かって
フリーロッド３を順次嵌め入れて固定して上下の型紙
５，６と共にカーテン生地８を波形状に湾曲させ、しか
るのち蒸熱処理を施して波形の襞がセットされたカーテ
ン生地となすものであるから、繰り返し実施しても型紙
およびカーテン生地の襞の形状に不揃いが発生せず、均
整に襞付けされたカーテンを得ることができる。

【００２４】そのうえ型紙を伸長させることなく襞付け
ベース２とフリーロッド３とを利用し、単に襞付けべー
ス２のロッド１，１間にフリーロッド３を順次嵌挿固定
するという作業によって襞付けを行うことができるか
ら、さほど熟練せずとも初心者でも所望の品質のよい襞
付けカーテン生地を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】襞付けベースとフリーロッドの斜視図である。

【図２】型紙の波形成形要領を示した簡略側面図であ
る。

【図３】型紙間にカーテン生地を挟み入れる要領を示し
た簡略側面図である。

【図４】型紙間にカーテン生地を挟み入れた状態を示し
た簡略側面図である。

【図５】成形した型紙あるいは型紙と共に蒸熱処理を施
すときに使用した台車の状態を示した簡略断面図であ
る。

【図６】襞付ベースとフリーロッドの他の実施例を示し
た一部拡大正面図である。

【符号の説明】

１ ロッド ２ 襞付けベース ３ フリーロッド ４ 横桟 ５ 上側の型紙 ６ 下側の型紙 ８ カーテン生地

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数のロッドが所定の間隔をおいて平行
   に固定されてなる格子状の襞付けベースの上にカーテン
   地の大きさを有した上下２枚の型紙を載置し、この型紙
   の上から上記襞付けベースのロッド間に同形の型付けフ
   リーロッドを一方から他方に順次嵌め入れて固定して上
   記上下の型紙を波型状に湾曲させたのち蒸熱処理してそ
   の波型形態をセットし、次いで上記型付けフリーロッド
   を取り除いて上側の型紙をその波型形態を伸長すること
   なく剥離して下側の型紙上にカーテン生地を載置し、続
   いてその上に剥離した上側の型紙を載せたのち襞付けベ
   ースのロッド間に向かって上記型付けフリーロッドを一
   方から他方に順次嵌め入れて固定して上下の型紙と共に
   カーテン生地に蒸熱処理を施し、カーテン生地を波型状
   に湾曲させることを特徴とするカーテンの襞付け方法。