JPH08108534A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JPH08108534A
JPH08108534A JP24662294A JP24662294A JPH08108534A JP H08108534 A JPH08108534 A JP H08108534A JP 24662294 A JP24662294 A JP 24662294A JP 24662294 A JP24662294 A JP 24662294A JP H08108534 A JPH08108534 A JP H08108534A
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Taeko Murai
妙子 村井
Shuzo Matsumoto
修三 松本
Michio Umezawa
道夫 梅沢
Tetsuo Hirota
哲郎 廣田
Osamu Naruse
修 成瀬
Hideyuki Makita
秀行 牧田
Yoshihisa Ota
善久 太田
Tsutomu Sasaki
勉 佐々木
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多チャンネルインクジェットヘッドにおける
電極の取出しを容易にし、組立て工程の簡略化、生産効
率、歩留りの向上を図る。 【構成】 2列の圧電素子列4,4の各圧電素子7,7
の両端面にはそれぞれ端面電極28,29が形成され、
各圧電素子列4,4の対向する端面側の端面電極29,
29が基板3上の共通電極24に接続され、対向しない
端面側の端面電極28,28が基板3上に設けられた個
別電極22に接続され、基板3上の個別電極22は複数
の圧電素子7の列設方向と直交する方向に形成された分
割溝21にて各圧電素子7毎に分割されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
及びその製造方法に関し、特にオンデマンド型インクジ
ェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ヘッドを記
録紙上に接触することなく記録することができると共
に、記録プロセスが非常に単純であることやカラー記録
にも適することなどから注目されている。従前、このイ
ンクジェット記録方式として種々の方式が提案されてい
るが、現在では、記録信号が入力されたときにのみイン
クを吐出する所謂ドロップオンデマンド(DOD)方式
が主流になっている。そして、DOD方式の中には、所
謂バブルジェット方式とピエゾアクチュエータ方式があ
る。
【0003】前者のバブルジェット方式は、熱エネルギ
ーによってインク中に発生するバブルを利用するもので
あり、例えば特公昭61−59913号公報に記載され
ているように、インク流路中にアクチュエータに相当す
るヒータを配設し、このヒータでインクを直接瞬間加熱
することでヒータ表面にバブルを発生させ、このときの
インク流路内の圧力上昇によってインクを液滴化してノ
ズルから飛翔させる方式である。この方式では、ヒータ
加熱のための通電時間は5〜10μsecであり、ヒータ
表面温度は300℃にまで達する。
【0004】このバブルジェット方式は、アクチュエー
タに相当するヒータが非常に小さく、ヘッドの高集積
化、小型化が容易であるという利点を有する反面、ヒー
タによる基板温度の上昇があるために、繰り返し駆動周
波数をあまり高くできず、また、ヒータによって直接イ
ンクを加熱するために、使用できるインクの種類が制約
されるという欠点がある。
【0005】これに対して、後者のピエゾアクチュエー
タ方式には、例えば特公昭60−8953号公報に記載
されているように、液室を形成する容器の壁面にノズル
を形成し、このノズルに対向して液室内に圧電素子を配
設し、この圧電素子を駆動することによってノズル領域
に動圧を生じさせて、インクを液滴化してノズルから飛
翔させる方式(以下「第1方式」という。)と、例えば
特開平3−10846号公報に記載されているように、
加圧液室を構成する壁面を変形可能な構造として、この
変形可能な壁面の外側に圧電素子を設け、この圧電素子
を用いて加圧液室の壁面を変形させてその内容積を変化
させることで、インクに圧力を与えて液滴化してノズル
から飛翔させる方式(以下「第2方式」という。)があ
る。このピエゾアクチュエータ方式では、圧電素子前面
のノズル領域あるいは加圧液室のパルス的な圧力上昇が
必要であり、圧電素子に印加される電圧波形は数μsec
〜数10μsecの立ち上がり時間に設定され、インクの
補給は圧電素子の変位を元に戻すことによって行われ
る。
【0006】このピエゾアクチュエータ方式の内の液室
内に圧電素子を配設する第1の方式にあっては、圧電素
子がインクに直接接触するという問題は解消されていな
いが、加圧液室を設けて圧電素子でその加圧液室の変形
可能な壁面を変形させる第2の方式にあっては、圧電素
子がインクに直接接触せず、さらに、圧電素子の発熱も
無視できるため、使用するインク種類の制約がないとい
う利点がある反面、多チャンネル化(ここで、「チャン
ネル」とは、それぞれ1個の圧電素子、加圧液室及びノ
ズルから構成される部分をいう。)が難しいという欠点
がある。
【0007】従来、第2のピエゾアクチュエータ方式に
おいて、多チャンネル化を図ったインクジェットヘッド
としては、例えば特開平4−16353号公報に開示さ
れているように、圧電材からなるグリーンシートを焼結
して形成した基板となる下側圧電素子プレート上に下側
導電体層を設け、この下側導電体層上に駆動用圧電素子
となる上側圧電素子プレートを設け、更にこの上側圧電
素子プレート上に上側導電体層を設けた積層体を形成
し、この積層体を上側導電体層から下側導電体層までの
深さで切断加工して上下面に導電体層を有する2つの圧
電素子プレートに分割し、更にこの2つの圧電素子プレ
ートを前記切断方向と直交する方向で切断加工して多数
の圧電素子に分割することで、列設された複数の圧電素
子からなる圧電素子列を2列配列し、これら圧電素子列
の上面、すなわち上側導電体膜上面にノズルに連通する
加圧液室を配置したものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに基板上に列設された複数の圧電素子からなる2つの
圧電素列を配置したインクジェットヘッドにおいては、
個々の圧電素子の電極間に所定の駆動パルスを印加する
ために、それらの電極を外部の共通電極や駆動用個別電
極に接続しなければならないが、高集積するほど外部の
電極との接続が困難になる。
【0009】特に、上述した従来のインクジェットヘッ
ドのように、1枚の圧電素子プレートを2枚の圧電素子
プレートに分割し、更にこれら2枚の圧電素子プレート
を個々の圧電素子に切断加工した後、個々の圧電素子に
外部の電極を接続することは極めて困難であり、圧電素
子として積層型圧電素子を用いる場合にはその電極接続
作業が一層困難になる。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、多チャンネル(マルチノズル)のインクジェッ
トヘッドにおける電極の取出しを容易にし、組立て工程
の簡略化、生産効率、歩留りの向上を図ることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、基板上に所定
のピッチで列設された複数の圧電素子からなる圧電素子
列を少なくとも2列配列したインクジェットヘッドにお
いて、前記2列の圧電素子列の各圧電素子の両端面には
それぞれ端面電極が形成され、各圧電素子列の対向する
端面側の端面電極が前記基板上の各圧電素子列間に設け
られた共通電極に接続され、各圧電素子列の対向しない
端面側の端面電極が前記基板上に設けられた個別電極に
接続され、この基板上の個別電極は前記複数の圧電素子
の列設方向と直交する方向に形成された分割溝にて各圧
電素子毎に分割されている構成とした。
【0012】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記基板上
には各圧電素子列間に前記複数の圧電素子の列設方向に
前記分割溝より深い共通溝が形成され、この共通溝内に
前記共通電極が形成されている構成とした。
【0013】請求項3のインクジェットヘッドの製造方
法は、基板上に列設された複数の圧電素子からなる圧電
素子列を少なくとも2列配列したインクジェットヘッド
の製造方法において、基板上に予め個別電極用パターン
を形成し、それぞれ両端面に端面電極を形成した2枚の
圧電素子プレートを前記基板上に並列に独立して接合し
た後、これら2枚の圧電素子プレート及び基板上の個別
電極用パターンを所定のピッチで同時に切断加工して、
前記2枚の圧電素子プレートをそれぞれ各圧電素子列を
構成する前記複数の圧電素子に分割すると同時に、前記
基板上の個別電極用パターンを各圧電素子毎の個別電極
に分割する。
【0014】請求項4のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項3のインクジェットヘッドの製造方法
において、前記2枚の圧電素子プレート及び基板上の個
別電極用パターンを所定のピッチで同時に切断加工した
後、2つの圧電素子列間にその各圧電素子の対向する端
面電極に接続する共通電極となる導電性部材を接合又は
塗布する。
【0015】請求項5のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項3のインクジェットヘッドの製造方法
において、前記基板上には予め前記複数の圧電素子の列
設方向に共通電極用パターンが形成されている構成とし
た。
【0016】請求項6のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項5のインクジェットヘッドの製造方法
において、前記基板上には予め前記圧電素子プレートの
切断加工時に分割されない深さの共通溝が形成され、こ
の共通溝内に前記共通電極用パターンが形成されている
構成とした。
【0017】請求項7のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項3乃至6のいずれかのインクジェット
ヘッドの製造方法において、各圧電素子プレートをノズ
ルピッチの2倍のピッチで切断する構成とした。
【0018】
【作用】請求項1のインクジェットヘッドは、2列の圧
電素子列の各圧電素子の両端面にそれぞれ端面電極を形
成し、各圧電素子列の対向する端面側の端面電極を基板
上の各圧電素子列間に設けた共通電極に接続し、各圧電
素子列の対向しない端面側の端面電極を基板上に複数の
圧電素子の列設方向と直交する方向に形成された分割溝
にて各圧電素子毎に分割された個別電極に接続したの
で、予め基板上に個別電極用パターンを形成しておき、
圧電素子プレートを切断加工して個々の圧電素子に分割
するときに個別電極用パターンを分割して各圧電素子の
端面電極を接続する個別電極とすることができ、個別電
極の取出しが簡単になる。
【0019】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、基板上には
各圧電素子列間に複数の圧電素子の列設方向に分割溝よ
り深い共通溝を形成し、この共通溝内に共通電極を形成
しているので、個々の圧電素子及び個別電極に分割する
ときに分割されない共通電極を確保でき、個別電極抱け
でなく共通電極の取出しも簡単になる。
【0020】請求項3のインクジェットヘッドの製造方
法は、基板上に予め個別電極用パターンを形成し、それ
ぞれ両端面に端面電極を形成した2枚の圧電素子プレー
トを基板上に並列に独立して接合した後、これら2枚の
圧電素子プレート及び基板上の個別電極用パターンを所
定のピッチで同時に切断加工して、2枚の圧電素子プレ
ートをそれぞれ各圧電素子列を構成する複数の圧電素子
に分割すると同時に、基板上の個別電極用パターンを各
圧電素子毎にその端面電極を接続する個別電極に分割す
るので、個別電極の取出しが簡単になる。
【0021】請求項4のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項3のインクジェットヘッドの製造方法
において、2枚の圧電素子プレート及び基板上の個別電
極用パターンを所定のピッチで同時に切断加工した後、
2つの圧電素子列間に共通電極となる導電性部材を接合
又は塗布することで、簡単に共通電極を確保でき、共通
電極の取出しも簡単になる。
【0022】請求項5のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項3のインクジェットヘッドの製造方法
において、基板上には予め複数の圧電素子の列設方向に
共通電極用パターンを形成したので、切断加工によって
分割された共通電極用パターン上に導電性部材を接合又
は塗布することで、共通電極を容易に外部に引出すこと
ができる。
【0023】請求項6のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項5のインクジェットヘッドの製造方法
において、基板上には予め圧電素子プレートの切断加工
時に分割されない深さの共通溝を形成し、この共通溝内
に共通電極用パターンを形成したので、共通電極の取出
しが一層容易になる。
【0024】請求項7のインクジェットヘッドの製造方
法は、上記請求項3乃至6のいずれかのインクジェット
ヘッドの製造方法において、各圧電素子プレートをノズ
ルピッチの2倍のピッチで切断したので、各圧電素子列
の圧電素子を駆動パルスを印加する駆動部圧電素子と液
室を固定する固定部圧電素子とし、かつ駆動部圧電素子
を交互配置することができて、ヘッドの高集積化を図る
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図1は本発明の一実施例を示すインクジェッ
トヘッドの外観斜視図、図2は図1の分解斜視図、図3
は図1のA−A線に沿う断面図、図4は図1のB−B線
に沿う断面図である。
【0026】このインクジェットヘッドは、アクチュエ
ータユニット1と、このアクチュエータユニット1上に
接合された液室ユニット2とからなる。アクチュエータ
ユニット1は、基板3上に複数の圧電素子を列設してな
る2列の圧電素子列4,4及びこれら2列の圧電素子列
4,4を取り囲むフレーム5を接着剤6によって接合し
ている。圧電素子列4は、インクを液滴化して飛翔させ
るための駆動パルスが与えられる複数の圧電素子(これ
を「駆動部圧電素子」という。)7,7…と、駆動部圧
電素子7,7間に位置し、駆動パルスが与えられずに単
に第1液室固定部材となる複数の圧電素子(これを「固
定部圧電素子」という。)8,8…とを交互に配列した
バイピッチ構造としている。
【0027】液室ユニット2は、ダイアフラム部11を
形成した振動板12上に、加圧液室流路等を形成する感
光性樹脂フィルム(ドライフィルムレジスト)からなる
液室流路形成部材13を接着し、この液室流路形成部材
13上に複数のノズル15を形成したノズルプレート1
6を接着してなり、これら振動板12、液室流路形成部
材13及びノズルプレート16によって、圧電素子列4
の各駆動部圧電素子7,7…に対向するダイヤフラム部
11を有するそれぞれ略独立した複数の加圧液室17を
形成し、かつノズル15,15…を圧電素子列4の各駆
動部圧電素子7,7…に対向して配列している。そし
て、この液室ユニット2はその振動板12が接着剤18
によってアクチュエータユニット1上に高い剛性で接合
されている。
【0028】ここで、アクチュエータユニット1の基板
3は、厚さ0.5〜5mm程度で、しかも圧電素子に似た
材質のものからなり、圧電素子と共に例えばダイヤモン
ド砥石による切削が可能なものであることが好ましく、
この実施例ではセラミックス基板を用いている。
【0029】この基板3上の圧電素子の列設方向と直交
する方向の両端部には各圧電素子列4,4の個々の駆動
部圧電素子7及び固定部圧電素子8の対向しない端面側
を接続する分割溝21で分割された個別電極22,22
…が形成されていると共に、各圧電素子列4,4間で前
記分割溝21と直交する方向(圧電素子の列設方向)
に、この分割溝21よりも深い共通溝23が形成され、
この共通溝23には各圧電素子列4,4の個々の駆動部
圧電素子7及び固定部圧電素子8の対向する端面側を接
続する共通電極24が形成されている。また、この基板
3の端部に形成したインク供給孔3aにはインク供給パ
イプ25が接続される。
【0030】圧電素子列4を構成する駆動部圧電素子7
及び固定部圧電素子8としては、10層以上の積層型圧
電素子を用いている。この積層型圧電素子は、例えば図
3に示すように、厚さ20〜50μm/1層のPZT
(=Pb(Zr・Ti)O3)26と、厚さ数μm/1層の
銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極27とを
交互に積層したものである。厚さ20〜50μm/1層
の積層型とすることによって駆動電圧の低電圧化を図
れ、例えば20〜50Vのパルス電圧で圧電素子の電界
強度1000V/mmを得ることができる。なお、圧電素
子として用いる材料は上記に限られるものでなく、一般
に圧電素子材料として用いられるBaTiO3、PbTi
3、(NaK)NbO3等の強誘電体などを用いることも
できる。
【0031】そして、各圧電素子列4の駆動部圧電素子
7の両端面には多数の内部電極27,27を1層おきに
接続したAgPdからなる端面電極28,29を設け、各
圧電素子列4,4の各駆動部圧電素子7の対向する端面
側の端面電極29,29…を基板3上の共通電極24に
導電性接着剤31を介して接続し、各圧電素子列4,4
の各駆動部圧電素子7の対向しない端面側の端面電極2
8,28…を基板3上の個別電極22,2…に導電性接
着剤32を介して接続している。各個別電極22,22
…及び共通電極24にはFPCケーブル33が接続され
て、駆動電圧を与えられることによって積層方向に電界
が発生して、駆動部圧電素子7には積層方向の伸びの変
位が生起される。なお、固定部圧電素子8についても製
造工程上駆動部圧電素子7と同様に電極が設けられてい
るが、駆動パルスを印加しない構成(駆動部圧電素子7
のみを選択的に駆動する構成)になっている。
【0032】フレーム5は、図2に示すように、樹脂、
セラミックス、金属等からなる板状部材に圧電素子列
4,4に対応する透孔部5a,5bを穿設して形成して
いると共に、端部には基板3のインク供給孔3aに対応
するインク供給孔5cが形成されている。
【0033】次に、液室ユニット2の振動板12は、図
3に示すように下側液室流路形成部材13側は平坦面と
し、圧電素子列4側はそれぞれ厚みの異なるダイアフラ
ム領域12a、接合領域12b及び逃げ領域12cを形
成して、圧電素子列4の駆動部圧電素子7,7…に対応
してダイアフラム部11を形成したものである。
【0034】液室流路形成部材13は、振動板12上面
とノズルプレート16との間に位置して加圧液室17の
流路等を形成するものであり、その製造工程から下側液
室流路形成部材40及び上側液室流路形成部材41で構
成している。
【0035】下側液室流路形成部材40は、振動板12
上面に接着された感光性樹脂フィルムからなり、図2に
示すように上側液室流路形成部材41と相俟って圧電素
子列4の各駆動部圧電素子7,7…に対応して各々独立
した加圧液室17の流路を形成すると共に、各加圧液室
17へのインク供給路を兼ねた流体抵抗部42を形成す
る多数の内側隔壁部43と、加圧液室17,17…の周
囲に共通インク流路44を形成する外周隔壁部45とか
らなる。なお、内側隔壁部43は圧電素子列4,4が2
列形成されていることに対応して2列形成され、各列の
間も共通インク流路44としている。上側液室流路形成
部材41は、下側液室流路形成部材40と略同様の構成
であるが、下側液室流路形成部材40の流体抵抗部42
に相当する部分がない点で異なる。
【0036】ノズルプレート16にはインク滴を飛翔さ
せるための微細孔である多数のノズル15が形成されて
おり、このノズル15の径はインク滴出口側の直径で3
5μm以下に形成し、かつノズル15は加圧液室17の
中心近傍に対応する位置に設けている。このノズルプレ
ート16はSi、金属材料等によって形成している。
【0037】そして、このインクジェットヘッドにおい
ては、各圧電素子列4,4の駆動部圧電素子7,7…を
千鳥状に配置する、すなわち、ノズル配列方向(圧電素
子の列設方向)と直交する方向で見ると、一方の圧電素
子列4の駆動部圧電素子7と他方の圧電素子列4の固定
部圧電素子8とが同列に、一方の圧電素子列4の固定部
圧電素子8と他方の圧電素子列4の駆動部圧電素子7が
同列になるように使用し、これに応じて各列のダイアフ
ラム部11,11…、加圧液室17,17…及びノズル
15,15…が千鳥状になるように設けて、ノズルの配
列ピッチを高集積化している。
【0038】次に、このインクジェットヘッドの製造工
程について説明する。このインクジェットヘッドは、予
めアクチュエータユニット1と液室ユニット2とを別々
に組付けた後、両ユニット1,2を接着接合して製造し
ている。このような製造工程を採用することによって、
両ユニット1,2の良品同士を選んで組み付けることが
できて歩留りが向上すると共に、加工組付け工程で塵埃
が発生しやすいアクチュエータユニット1と、塵埃の付
着を完全に避けたい液室ユニット2とを別々の工程で組
付けることができるので、完成したインクジェットヘッ
ドの品質自体が向上する。以下、具体的に説明する。
【0039】先ず、アクチュエータユニット1の加工及
び組付け工程は、次のとおりである。すなわち、図5に
示すように、基板3には予めインク供給孔3aを形成す
ると共に、後述する2枚の圧電素子プレート65,65
を接合位置間に、圧電素子の列設方向に沿って共通溝2
3を形成する。この共通溝23は、圧電素子プレート6
5等の切断加工時の切込み溝である分割溝21よりも深
く形成する。そして、基板3の両側部分に個別電極22
を形成するための個別電極用パターン61,61を形成
すると共に、共通溝23内及びその近傍に沿って共通電
極用パターン62を形成する。これらの個別電極用パタ
ーン61及び共通電極用パターン62は導電性材料、例
えばNi・Auを蒸着して形成したものである。
【0040】そして、図6及び図7に示すように、両端
面に前記端面電極28,29を形成するための端面電極
63,64を形成した2枚の積層型圧電素子をプレート
状に形成した圧電素子プレート65,65を、位置決め
治具を用いて基板3上に所定の間隔を置いて並列に独立
して接着接合する。その後、2枚の圧電素子プレート6
5,65の対向しない側の端面電極63,63を基板3
上の各個別電極用パターン61,61に導電性接着剤等
の導電性部材66にて電気的に接続すると共に、2枚の
圧電素子プレート65,65の対向する端面電極64,
64を基板3上の共通電極用パターン62に導電性接着
剤等の導電性部材67にて電気的に接続する。
【0041】次いで、図8及び図9に示すように、ダイ
ヤモンド砥石をセットしたダイサー等によって、2枚の
圧電素子プレート65,65を、その端面電極63,6
4と直交する方向に所定のピッチで切断して、駆動部圧
電素子7又は固定部圧電素子8となる個々の圧電素子6
8,68…を分割形成し、同時に端面電極63,64を
個々の圧電素子68,68…毎に分割して端面電極2
8,29とする。
【0042】このとき、基板3に所定の深さまで切込ん
で分割溝21を入れて切断することによって、個々の圧
電素子68,68…を完全に独立させると共に、基板3
上の個別電極用パターン61,61を個々の圧電素子6
8,68…毎に分割して、個別電極22,22…を形成
する。この個別電極22,22…は分割された個々の圧
電素子68,68…の対向しない端面側の端面電極2
8,28…と接続されたままである。
【0043】一方、基板3上の共通電極用パターン62
はその一部が個々の圧電素子68,68…毎に分割され
るが、基板3の共通溝23にまで分割溝21が達しない
ので、共通電極用パターン62は共通溝23を通じて2
列の圧電素子68,68…の対向する端面側のすべての
端面電極と接続されたままである。したがって、この電
極用パターン62を共通電極24として用いることによ
って、簡単に2列の圧電素子68,68の対向する端面
電極29,29に接続された共通電極24を確保するこ
とができる。
【0044】このように、ここでは、基板上に予め個別
電極用パターン61を形成すると共に、接合される各圧
電素子プレート間に予め切断加工時に分割されない深さ
の共通溝23を形成し、この共通溝23に共通電極用パ
ターン62を形成しておき、この基板3上にそれぞれ両
端面に端面電極63,64を形成した2枚の圧電素子プ
レート65,65を並列に独立して接合した後、これら
2枚の圧電素子プレート65,65及び基板3上の個別
電極用パターン61,61を所定のピッチで同時に切断
加工して、2枚の圧電素子プレート65,65をそれぞ
れ各圧電素子列4,4を構成する複数の圧電素子68に
分割すると同時に、基板3上の個別電極用パターン61
を各圧電素子68毎の個別電極22に分割し、しかも共
通電極用パターン62は分割されないようにしている。
【0045】このようにすることによって、特に積層型
圧電素子である各圧電素子68(駆動部圧電素子7)か
らの電極の取出しが簡単になり、しかも2列の圧電素子
列の対向する端面電極を共通電極に接続することによっ
て、駆動回路と接続するための個別電極の取出しが容易
になり、さらに切断加工では分割されない共通電極用パ
ターンを設けることによって、微細な機械的切断加工を
施す以前に共通電極を確保できて、機械的切断加工によ
って形成された個々の圧電素子を後工程で破壊ないし損
傷することもなく、工程の簡略化、歩留りの一層の向上
を図れる。また、1枚の圧電素子プレートを用いて、こ
れを2分割し、更に各列の圧電素子プレートを個々の圧
電素子に分割する手法に比べて、切断工数も少なくな
る。
【0046】ここで、圧電素子プレート65の切断加工
ピッチについて説明すると、このインクジェットヘッド
では、図4及び図10に示すように、駆動部圧電素子7
と固定部圧電素子8との幅(列設方向の幅)を全て同じ
幅Lに形成すると共に、駆動部圧電素子7のピッチPa
がノズル15のピッチPnの2倍になるように切断加工
して圧電素子68,68…を形成している。
【0047】このようにすることによって、各圧電素子
列4,4の駆動部圧電素子7,7…を千鳥状に配置する
ことができるので、ノズル15のピッチを小さくするこ
とができて、ヘッドの高集積化を容易に実現できる。
【0048】このようにして、圧電素子の加工が終了し
た基板3上にフレーム5を接着接合し、FPCケーブル
33を基板3の個別電極22,22及び共通電極24に
熱と加圧で接合して、アクチュエータユニット1を完成
する。なお、FPCケーブル33は圧電素子68,68
…の内の駆動部圧電素子7となる圧電素子68を選択的
に駆動できるパターンを有し、その接合部には予め半田
メッキを施している。
【0049】一方、液室ユニット2の加工・組付け工程
について説明すると、振動板12のフラットな面上に下
側液室流路形成部材40を形成するための感光性樹脂で
ある厚さ20〜50μm程度のドライフィルムレジスト
を熱及び加圧によってラミネートし、流路パターンに応
じたマスクを用いて紫外線露光をして、露光部分を硬化
させる。そして、未露光部分を除去できる溶剤を用い
て、未露光部分を除去して現像し、図2に示すように下
側液室流路形成部材40の液室パターンを形成し、水洗
い、乾燥の後、再度紫外線露光と熱によって本硬化す
る。
【0050】また、ノズルプレート16にも上側液室流
路形成部材41を形成するための感光性樹脂である厚さ
40〜100μm程度のドライフィルムレジストを熱及
び加圧によってラミネートし、流路パターンに応じたマ
スクを用いて紫外線露光をして、露光部分を硬化させ、
未露光部分を現像して、上側液室流路形成部材41の液
室パターン(前述したように流体抵抗部42がない。)
を形成し、水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と熱によ
って本硬化する
【0051】そして、このようにして振動板12とノズ
ルプレート16に形成されたドライフィルムレジストか
らなる下側液室流路形成部材40と上側液室流路形成部
材41の対応する面同士を接合する。この接合は位置合
わせ治具を用いて行い、加圧及び前記本硬化のときより
高い温度での加熱を行う。
【0052】次に、上述のようにして完成したアクチュ
エータユニット1と液室ユニット2とを組み付ける。す
なわち、先ず、アクチュエータユニット1の圧電素子6
8,68…及びフレーム5の面にスクリーン印刷機を用
いてエポキシ系接着剤等の接着剤18を塗布し、位置合
わせ可能な接合治具にアクチュエータユニット1を固定
し、液室ユニット2の振動板12側(接合面)を下方に
して、位置合わせしながら両ユニット1,2を接合す
る。この場合、数Kg/cm2の加圧状態でエポキシ系接着
剤が反応硬化する間放置する、なお、接着剤として、ア
クリル系の二液非混合タイプのものやシアノアクリレー
ト系のものなどを用いて瞬間的に接合するようにしても
よい。最後に、基板3にインク供給孔3aにインク供給
パイプ25を挿入して接着剤を塗布硬化して固定する。
【0053】次に、以上のように構成したインクジェッ
トヘッドの作用について説明すると、記録信号に応じて
選択的に圧電素子列4,4の駆動部圧電素子7,7…に
20〜50Vの駆動パルス電圧を印加することによっ
て、パルス電圧が印加された駆動部圧電素子7が変位し
て振動板12の対応するダイアフラム部11をノズル1
5方向に変形させ、加圧液室17の容積(体積)変化に
よって加圧液室17内のインクを加圧し、インクがノズ
ルプレート16のノズル15から液滴となって噴射さ
れ、記録を行うことができる。
【0054】そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室
17内のインク圧力が低下し、このときのインク流れの
慣性によって加圧液室17内には若干の負圧が発生す
る。この状態の下において、駆動部圧電素子7への電圧
の印加をオフ状態にすることによって、振動板12のダ
イアフラム部11が元の位置に戻って加圧液室17が元
の形状になるため、さらに負圧が発生する。
【0055】このとき、図示しないインクタンクに通じ
るインク供給パイプ19から入ったインクは、共通イン
ク流路44を通って流体抵抗部42から加圧液室17内
に充填される。そこで、ノズル15のインクメニスカス
面の振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のた
めに駆動部圧電素子7にパルス電圧を印加する。
【0056】この場合、振動板12の変形部をダイアフ
ラム部11とすることによって、駆動部圧電素子7で発
生した変位を効率的に当該加圧液室17に伝搬させるこ
とができると共に、当該加圧液室17以外の部分への振
動の伝搬が減少する。また、インク吐出時に、加圧液室
17から共通インク流路44に通じる流路方向にインク
の流れが発生するが、この流路をその断面積を他より小
さく形成した流体抵抗部42としているので、加圧液室
17から共通インク流路44への逆流が極めて少なくな
り、インク滴吐出効率の低下が防止される。
【0057】次に、図11乃至図15を参照して、アク
チュエータユニット1の他の加工及び組付け工程の例に
ついて説明する。ここでは、図11に示すように、基板
3として上記実施例の共通溝23を形成していないフラ
ットな基板を用いて、その両側部分に個別電極22を形
成するための個別電極用パターン61,61を形成する
と共に、中央部に共通電極用パターン62を形成してい
る。
【0058】そして、図12及び図13に示すように、
上記実施例と同様に端面電極63,64を形成した2枚
の積層型圧電素子をプレート状に形成した圧電素子プレ
ート65,65を、位置決め治具を用いて基板3上に所
定の間隔を置いて並列に独立して接着接合した後、2枚
のプレート状圧電素子65,65の対向しない側の端面
電極63,63を基板3上の各個別電極用パターン6
1,61に導電性部材66にて電気的に接続すると共
に、2枚のプレート状圧電素子65,65の対向する端
面電極64,64を基板3上の共通電極用パターン62
に導電性部材67にて電気的に接続する。
【0059】次いで、図14に示すように、上記実施例
と同様、ダイヤモンド砥石をセットしたダイサー等によ
って、2枚の圧電素子プレート65,65を、その端面
電極63,64と直交する方向に所定のピッチで切断し
て、駆動部圧電素子7又は固定部圧電素子8となる個々
の圧電素子68,68…を分割形成し、同時に端面電極
63,64を個々の個々の圧電素子68,68…毎に分
割する。
【0060】このとき、基板3上の共通電極用パターン
62は個々の圧電素子68,68…の対向する端面電極
64,64…(端面電極29となる)に接続されたまま
であるが、個々の圧電素子68,68…毎に分割される
ので、図15に示すように2列の圧電素子68,68…
の対向する端面電極64,64(端面電極29,29と
なる)間に端面電極64,64と平行に導電性部材71
を塗布して分割された共通電極用パターン62を電気的
に接続する。これによって、容易に共通電極24を得る
ことができる。
【0061】この場合、図16及び図17に示すように
2列の圧電素子68,68…の対向する端面電極64,
64(端面電極29,29となる)間に端面電極64,
64と平行に導電性部材72を接合して分割された共通
電極用パターン62を電気的に接続するようにしても、
容易に共通電極24を得ることができる。
【0062】次に、圧電素子プレート65の切断加工ピ
ッチの別の例について図18及び図19を参照して説明
する。ここでは、駆動部圧電素子7の幅L1と固定部圧
電素子8との幅L2とを異ならせて、駆動部圧電素子7
のピッチPaをノズル15のピッチPnと同じになるよ
うに切断加工している。
【0063】このように、駆動部圧電素子7の幅L1と
固定部圧電素子8との幅L2とを異ならせることによっ
て、図18に示すように各列の加圧液室17,17…及
びノズル15,15…を同列に配置することが可能にな
り、より高集積化を図ることができる。
【0064】次に、他のインクジェットヘッドについて
図20を参照して説明すると、ここでは、振動板12上
に2列の圧電素子列4,4間に沿った2列の加圧液室1
7,17…間に中央隔壁部73を形成して、共通インク
流路44を共通インク流路44aと共通インク流路44
bとに分割し、振動板12、フレーム5及び基板3にも
各共通インク流路44a,44bにインクを供給するた
めのインク供給孔12d,12e、5c,5d及び3
a,3bを形成して2本のインク供給パイプ25a,2
5bを接続している。
【0065】このようにすることによって、各共通イン
ク流路44a,44bに供給するインクの色を異ならせ
ることができて、コンパクトなカラーインクジェットヘ
ッドを得ることができる。
【0066】なお、本発明は、圧電素子の電界方向と直
角方向の変位(d33方向の変位)を用いるインクジェ
ットヘッドに限らず、電界方向と同方向の変位(d31
方向の変位)を用いるインクジェットヘッドにも適用す
ることができる。また、上記実施例では、ノズルの開口
方向を圧電素子の変位方向と同軸上にしたサイドシュー
タ方式のインクジェットヘッドに適用した例で説明した
が、ノズルの開口方向を圧電素子の変位方向と直交する
方向にしたエッジシュータ方式のインクジェットヘッド
にも適用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように請求項1のインクジ
ェットヘッドによれば、2列の圧電素子列の各圧電素子
の両端面にそれぞれ端面電極を形成し、各圧電素子列の
対向する端面側の端面電極を基板上の各圧電素子列間に
設けた共通電極に接続し、各圧電素子列の対向しない端
面側の端面電極を基板上に複数の圧電素子の列設方向と
直交する方向に形成された分割溝にて各圧電素子毎に分
割された個別電極に接続したので、駆動回路に接続する
個別電極及び共通電極の取出しが簡単になり、組立工数
の削減、生産効率・歩留りの向上を図ることができる。
【0068】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、基板上には各圧電素子列間に複数の圧電素子の列設
方向に分割溝より深い共通溝を形成し、この共通溝内に
共通電極を形成しているので、個々の圧電素子及び個別
電極に分割するときに分割されない共通電極を確保で
き、一層電極の取出しが簡単になり、分割された後の圧
電素子を後工程で損傷ないし破損することがなく、一層
の工程の簡略化・歩留りの向上を図ることができる。
【0069】請求項3のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、基板上に予め個別電極用パターンを形成
し、それぞれ両端面に端面電極を形成した2枚の圧電素
子プレートを基板上に並列に独立して接合した後、これ
ら2枚の圧電素子プレート及び基板上の個別電極用パタ
ーンを所定のピッチで同時に切断加工して、2枚の圧電
素子プレートをそれぞれ各圧電素子列を構成する複数の
圧電素子に分割すると同時に、基板上の個別電極用パタ
ーンを各圧電素子毎の端面電極を接続する個別電極に分
割するので、電極の取出しが簡単になり、組立工数の削
減、生産効率・歩留りの向上を図ることができる。
【0070】請求項4のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、2枚の圧電素子プレート及び基板上の個別
電極用パターンを所定のピッチで同時に切断加工した
後、2つの圧電素子列間に対向する端面電極に接続する
共通電極となる導電性部材を接合又は塗布することで、
簡単に共通電極を確保でき、共通電極の取出しも簡単に
なり、生産効率・歩留りの向上を図ることができる。
【0071】請求項5のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、基板上には予め接合される各圧電素子プレ
ート間に複数の圧電素子の列設方向に共通電極用パター
ンを形成したので、切断加工によって分割された共通電
極用パターン上に導電性部材を接合又は塗布すること
で、共通電極を容易に外部に引出すことができ、一層生
産効率・歩留りの向上を図ることができる。
【0072】請求項6のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、基板上には予め接合される各圧電素子プレ
ート間に切断加工時に分割されない深さで共通溝を形成
し、この共通溝内に共通電極用パターンを形成したの
で、個々の圧電素子及び個別電極に分割するときに分割
されない共通電極を確保でき、一層電極の取出しが簡単
になり、分割された後の圧電素子を後工程で損傷ないし
破損することがなく、一層の工程の簡略化・歩留りの向
上を図ることができる。
【0073】請求項7のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、各圧電素子プレートをノズルピッチの2倍
のピッチで切断したので、各圧電素子列の圧電素子を駆
動パルスを印加する駆動部圧電素子と液室を固定する固
定部圧電素子とし、かつ駆動部圧電素子を交互配置する
ことができ、高集積化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すインクジェットヘッド
の外観斜視図
【図2】図1の分解斜視図
【図3】図1のA−A線に沿う断面図
【図4】図1のB−B線に沿う断面図
【図5】アクチュエータユニットの加工及び組立て工程
の説明に供する基板の斜視図
【図6】同工程の説明に供する基板に圧電素子プレート
を接合した状態の斜視図
【図7】図6のC−C線に沿う断面図
【図8】同工程の説明に供する圧電素子プレート切断加
工後の状態の斜視図
【図9】図8のD−D線に沿う断面図
【図10】圧電素子列及びノズルのピッチの説明に供す
る説明図
【図11】アクチュエータユニットの他の加工及び組立
て工程の説明に供する基板の斜視図
【図12】同工程の説明に供する基板に圧電素子プレー
トを接合した状態の斜視図
【図13】図12の図7と同様な断面図
【図14】同工程の説明に供する圧電素子プレート切断
加工後の状態の斜視図
【図15】同工程の説明に供する共通電極用導電性部材
を設けた状態の斜視図
【図16】同工程の説明に供する他の共通電極用導電性
部材を設けた状態の斜視図
【図17】図16のE−E線に沿う断面図
【図18】圧電素子列及びノズルのピッチの他の例の説
明に供する要部分解斜視図
【図19】同説明に供する図4と同様な断面図
【図20】他のインクジェットヘッドの説明に供する要
部分解斜視図
【符号の説明】
1…アクチュエータユニット、2…液室ユニット、3…
基板、4…圧電素子列、5…フレーム、6…接着剤、7
…駆動部圧電素子、8…固定部圧電素子、11…ダイア
フラム部、12…振動板、13…液室流路形成部材、1
5…ノズル、16…ノズルプレート、17…加圧液室、
21…分割溝、22…個別電極、23…共通溝、24…
共通電極、27…内部電極、28,29…端面電極、6
1…個別電極用パターン、62…共通電極用パターン、
63,64…端面電極、65…圧電素子プレート、6
6,67…導電性部材、68…圧電素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣田 哲郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 成瀬 修 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 牧田 秀行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 太田 善久 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐々木 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に所定のピッチで列設された複数
    の圧電素子からなる圧電素子列を少なくとも2列配列し
    たインクジェットヘッドにおいて、前記2列の圧電素子
    列の各圧電素子の両端面にはそれぞれ端面電極が形成さ
    れ、各圧電素子列の対向する端面側の端面電極が前記基
    板上の各圧電素子列間に設けられた共通電極に接続さ
    れ、各圧電素子列の対向しない端面側の端面電極が前記
    基板上に設けられた個別電極に接続され、この基板上の
    個別電極は前記複数の圧電素子の列設方向と直交する方
    向に形成された分割溝にて各圧電素子毎に分割されてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記基板上には各圧電素子列間に前記複数の
    圧電素子の列設方向に前記分割溝より深い共通溝が形成
    され、この共通溝内に前記共通電極が形成されているこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 基板上に列設された複数の圧電素子から
    なる圧電素子列を少なくとも2列配列したインクジェッ
    トヘッドの製造方法において、前記基板上に予め個別電
    極用パターンを形成し、それぞれ両端面に端面電極を形
    成した2枚の圧電素子プレートを前記基板上に並列に独
    立して接合した後、これら2枚の圧電素子プレート及び
    基板上の個別電極用パターンを所定のピッチで同時に切
    断加工して、前記2枚の圧電素子プレートをそれぞれ各
    圧電素子列を構成する前記複数の圧電素子に分割すると
    同時に、前記基板上の個別電極用パターンを各圧電素子
    毎の個別電極に分割することを特徴とするインクジェッ
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法において、前記2枚の圧電素子プレート及び
    基板上の個別電極用パターンを所定のピッチで同時に切
    断加工した後、2つの圧電素子列間にその各圧電素子の
    対向する端面電極に接続する共通電極となる導電性部材
    を接合又は塗布することを特徴とするインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法において、前記基板上には予め前記複数の圧
    電素子の列設方向に共通電極用パターンが形成されてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法において、前記基板上には予め前記圧電素子
    プレートの切断加工時に分割されない深さの共通溝が形
    成され、この共通溝内に前記共通電極用パターンが形成
    されていることを特徴とするインクジェットヘッドの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドの製造方法において、各圧電素子プレ
    ートをノズルピッチの2倍のピッチで切断することを特
    徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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