JPH08106139A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH08106139A
JPH08106139A JP24141694A JP24141694A JPH08106139A JP H08106139 A JPH08106139 A JP H08106139A JP 24141694 A JP24141694 A JP 24141694A JP 24141694 A JP24141694 A JP 24141694A JP H08106139 A JPH08106139 A JP H08106139A
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JP24141694A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Yasuda
知一 安田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】膜質に悪影響を及ぼさない微細な写真有用化合
物の分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料を提供
する。 【構成】下記一般式(II)で表わされるくり返し単位を
有する共重合体を含有することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料。 一般式(II) 【化1】 式中、R5 は水素原子、水溶性基含有有機残基又はカチ
オンを表わす。R6 およびR7 はそれぞれアルキレン
基、アリーレン基あるいはアラルキレン基を表わす。Q
4 、Q5 およびQ6 はそれぞれ酸素原子、硫黄原子ある
いは、−NR4 −で表わされる基を表わす。R4 は水素
原子、アルキル基あるいはアリール基を表わす。但し、
5 がカチオンの場合、Q4 は酸素原子か硫黄原子のい
ずれか一方から選ばれる。L2 は単結合または2価の連
結基を表わす。m2 は1ないし200の整数値を表わ
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な界面活性化合物に
関し、特に、疎水性有機化合物の分散剤として優れた分
散性、乳化性、安定性を有する界面活性剤に関する。ま
た、本発明は特定層に特定の写真有用物質の分散物を有
するハロゲン化銀写真感光材料に関し、保存時に写真化
学的に不活性であるとともに写真処理時に容易に必要な
反応性を発現可能な写真有用物質を含有する親水性コロ
イド層を有するハロゲン化銀写真感光材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料の色素形成カ
プラー等の微粒子分散物の製造においては、通常用いる
界面活性剤の種類、量によって得られる粒子の大きさや
安定性が大きく変動する等、界面活性剤は乳化、分散に
おける非常に大きな支配因子になっているため、従来か
ら微細分散用界面活性剤の探索が行われ、写真系で有用
な種々の乳化安定剤が見い出されてきた。これらの乳化
安定剤の例は特開昭51−129229号公報、特開昭
60−20251号公報、米国特許第3428456
号、米国特許第3963688号、独国公開特許第13
92299号及び同2123455号等の各明細書に記
載されている。
【0003】更に、写真感光材料用の微細分散物の製造
には、しばしば高沸点有機溶媒を用いる。これは、これ
らの高沸点有機溶媒を用いずに分散物を調製した場合に
は分散物粒子が安定に微粒子化しにくくなることに加え
て、この分散物を塗設した写真感光材料の写真性能を損
なう(例えば、低感度化、発色性低下や微結晶析出等)
問題がしばしば顕在化し、感材設計上非常に大きな障害
となるためである。しかしながら、一方で高沸点有機溶
媒の使用による弊害も顕在化しており、例えば、油溶性
写真有用物質として色素形成カプラーを用いた場合には
写真感光材料の保存経時による高沸点有機溶媒のしみだ
しによる感光材料表面の汚れ、油溶分導入による軟膜化
の保証のため親水性コロイド増量がもたらす感光材料の
膜厚増大やカプラーの結晶析出による反応性低下に基づ
く発色性低下等が大きな問題になることが良く知られて
いる。従って、被分散物である油溶性写真有用化合物の
反応性を損なうことなく、高沸点有機溶媒を使用せずに
微細分散物を調製できる技術の開発が望まれていた。
【0004】さらに、写真感光材料用に調製した上記の
分散物は調製から製造までの間に必要に応じて冷蔵また
は常温で保存する。この時、経時に伴い油分の分離や結
晶析出等の分散物の劣化が進行することがしばしば大き
な問題になる。この場合、経時の安定性は使用した界面
活性剤の種類、量により変動するため分散物の経時保存
安定性に優れた界面活性剤の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第一
は、少量で微細な分散物粒子を安定に与えることができ
る新規な界面活性化合物を提供することにある。本発明
の目的の第二は、製造適性に優れた微細な写真有用化合
物の分散化物を含有するハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。本発明の目的の第三は、写真有用化
合物の膜中反応性、膜質に悪影響を及ぼすことなく、特
定の層に選択的に写真有用化合物を固定しその経時安定
性に優れ、かつ処理工程での反応性に優れた微細な写真
有用化合物の分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材
料を提供することにある。本発明の目的の第四は、写真
感光材料の処理時の汚れや泡立ちのない微細な写真有用
化合物の分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、下記により本発明の上記の目的を達成できるこ
とを見い出した。 (1) 下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位と、下
記一般式(II)で表わされる繰り返し単位を有する重合
体を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。 一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】式中R1 は置換又は無置換のアルキル基あ
るいは置換又は無置換のアリール基を表わす。R2 およ
びR3 はそれぞれ置換又は無置換のアルキレン基、置換
又は無置換のアリーレン基あるいは置換又は無置換のア
ラルキレン基を表わす。Q1 、Q2 およびQ3 はそれぞ
れ酸素原子、硫黄原子あるいは−NR4 −で表わされる
基を表わす。R4 は水素原子、置換又は無置換のアルキ
ル基、あるいは置換又は無置換のアリール基を表わす。
1 は単結合または2価の連結基を表わす。m1 は1な
いし200の整数値を表わす。 一般式(II)
【0009】
【化6】
【0010】式中R5 は水素原子、水溶性基含有有機残
基又はカチオンを表わす。R6 およびR7 はそれぞれ置
換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のアリー
レン基あるいは置換又は無置換のアラルキレン基を表わ
す。Q4 、Q5 およびQ6 はそれぞれ酸素原子、硫黄原
子あるいは、−NR4 −で表わされる基を表わす。R4
は水素原子、置換又は無置換のアルキル基あるいは置換
又は無置換のアリール基を表わす。但し、R5 がカチオ
ンの場合、Q4 は酸素原子か硫黄原子のいずれか一方か
ら選ばれる。L2 は単結合または2価の連結基を表わ
す。m2 は1ないし200の整数値を表わす。 (2) 下記一般式(III) で表わされる繰り返し単位と下
記一般式(IV)で表わされる繰り返し単位を有する重合
体を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。 一般式(III)
【0011】
【化7】
【0012】式中R1 は置換又は無置換のアルキル基あ
るいは置換又は無置換のアリール基を表わす。R2 およ
びR3 はそれぞれ置換又は無置換のアルキレン基、置換
又は無置換のアリーレン基あるいは置換又は無置換のア
ラルキレン基を表わす。L1 は単結合または2価の連結
基を表わす。m1 は1ないし200の整数値を表わす。 一般式(IV)
【0013】
【化8】
【0014】式中R5 は水素原子、水溶性基含有有機残
基又はカチオンを表わす。R6 およびR7 はそれぞれ置
換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のアリー
レン基あるいは置換又は無置換のアラルキレン基を表わ
す。L2 は単結合または2価の連結基を表わす。m2
1ないし200の整数値を表わす。
【0015】以下に本発明について詳細に説明する。ま
ず本発明の一般式(I)かつ(II)又は(III) かつ(I
V)で表わされる繰り返し単位を有する界面活性重合体
について説明する。
【0016】式中、R1 は置換又は無置換のアルキル
基、置換又は無置換のアリール基を表わす。無置換アル
キル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、
n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル
基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル
基等が挙げられる。
【0017】上記のアルキル基、アリール基に置換可能
な基としては、アルキル基(例えばメチル基等)、アリ
ール基(例えばフェニル基等)、ニトロ基、水酸基、シ
アノ基、スルホ基、アルコキシ基(例えばメトキシ基
等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、ア
シルオキシ基(例えばアセトキシ基等)、アシルアミノ
基(例えばアセチルアミノ基等)、スルホンアミド基
(例えばメタンスルホンアミド基等)、スルファモイル
基(例えばメチルスルファモイル基等)、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、カルボキ
シ基、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基
等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基等)、スルホニル基(例えばメチルスルホニル基
等)などが挙げられる。この置換基が2つ以上あるとき
は同じでも異なってもよい。
【0018】これらのうちR1 は好ましくは置換基を除
いた炭素数が1ないし24の置換又は無置換のアルキル
基(例えばn−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−
ドデシル基、n−オクタデシル基、4−ブトキシブチル
基、フェネチル基、ベンジル基等)あるいは置換基を除
いた炭素数が6ないし10の置換又は無置換のアリール
基(例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メ
チルフェニル基、p−メチルフェニル基、p−t−オク
チルフェニル基、p−ノニルフェニル基、p−ドデシル
フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等)等で
あり、特に好ましくは、置換基を除いた炭素数が1ない
し12の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換
のフェニル基である。
【0019】式中R2 、R3 、R6 およびR7 は異なっ
ていても同じであってもよく、置換又は無置換のアルキ
レン基、アリーレン基及びアラルキレン基の中から任
意、独立に選択することができる。この場合のアルキレ
ン基、アリーレン基、アラルキレン基の置換基として
は、前記R1 の置換基として定義した基と同義である。
無置換のアルキレン基としては、炭素数2ないし24の
アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、
テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロ
ヘキシレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ド
デカメチレン基、オクタデカメチレン基等)を無置換ア
リール基としては、炭素数6ないし14のアリーレン基
(例えばo−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フ
ェニレン基、1,2−ナフチレン基等)を、無置換アラ
ルキレン基としては、炭素数7ないし16のアラルキレ
ン基(例えば、ベンジリデン基、p−キシリレン基、m
−キシリレン基、o−キシリレン基等)を好ましい例と
して挙げることができ、これらのうち、炭素数2ないし
12のアルキレン基、フェニレン基、ベンジリデン基、
キシリレン基が特に好ましい。R5 は水素原子、水溶性
基含有有機残基又はカチオンを表わす。水溶性基含有有
機残基としては−L3 −Zで表わされる基が好ましい。
ここでL3 は、単結合または、2価の連結基を表わし、
後述のL1 およびL2 で定義される基に同じである。Z
は、イオン性又は非イオン性の水溶性基を表わす。イオ
ン性の水溶性基としてはアニオン性、カチオン性、両性
のいずれの形であってもよい。
【0020】アニオン性基としては−COOM、−SO
3 M、−OSO3 M、−PO(OM)2 、−OPO(O
M)2 (Mは対カチオンを表し、好ましくはアルカリ金
属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例
えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)およ
びアンモニウムイオンを表す。特に好ましいのはナトリ
ウムイオン、カリウムイオンである。)が好ましく、カ
チオン性基としては−NH3 + ・X- 、−NH2(R8)+
- 、−NH(R8)2 + ・X- 、−N(R8)3 + ・X-
(R8 は炭素数1ないし3のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、n−プロピル
基、 iso−プロピル基等)を表し、メチル基、2−ヒド
ロキシエチル基が好ましい。Xは対アニオンを表し、好
ましくはハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、
臭素イオン等)、複合無機アニオン(水酸化物イオン、
硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン等)および有機化
合物アニオン(シュウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオ
ン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p
−トルエンスルホン酸イオン等)を表し、特に好ましい
のは塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン
である。
【0021】R5 の好ましいカチオンの例としては、ア
ルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオ
ン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン
等)およびアンモニウムイオンであり、特に好ましいの
はナトリウムイオン、カリウムイオンである。
【0022】両性イオン性基としては、下記一般式
(V)で表される構造のものを挙げることができる。 一般式(V)
【0023】
【化9】
【0024】式中、Dは窒素原子あるいはリン原子を表
わす。R9 およびR10は、水素原子、炭素数1ないし3
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、2−ヒドロ
キシエチル基、n−プロピル基、 iso−プロピル基等)
を表わし、メチル基、2−ヒドロキシエチル基が特に好
ましい。L3 は、L1 あるいはL2 で定義した2価の連
結基に同じ。A- はアニオン性基を表わし、好ましい基
としては、−COO- 、−SO3 - 、−OSO3 - 、−
OPO(OR9 )O- 、−PO(OR9 )O- 、(R9
は水素原子または炭素数1ないし3のアルキル基を表わ
す)で表わされる基である。非イオン性基としてポリオ
キシアルキレン基、ポリヒドロキシアルキル基とポリオ
キサゾリン基を挙げることができる。Zの好ましいポリ
オキサゾリン基としては下記構造で表わされるものであ
る。
【0025】
【化10】
【0026】式中、R11は炭素数1ないし8のアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヘ
キシル基、オクチル基等)、炭素数6ないし10のアリ
ール基(フェニル基、4−トルイル基、ナフチル基等)
である。特に好ましいのはメチル基、エチル基である。
12は水素原子、水酸基、−OR11(R11は前記で定義
したものに同じ)、−OCOR11(R11は前記で定義し
たものに同じ)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子等)等を表わし、特に好ましくは水素原子、
水酸基、−OR11で表わされる基である。nは重合度を
表わし2ないし100の整数値を表わす。好ましくは5
ないし70であり特に好ましくは10ないし50であ
る。その他の非イオン性親水性基の好ましい例として
は、ポリオキシエチレン基(重合度3ないし500のも
の)、ポリグリセロール基(重合度3ないし100のも
の)、−(CHOH)1 −H(lは3〜6の整数を表わ
す)で表わされる基、等を挙げることができる。これら
のうち、特にポリオキシエチレン基(重合度10ないし
50)、ポリグリセロール基(重合度5ないし20)、
−(CHOH)1 −H(lは4または5)で表わされる
基、ポリオキサゾリン基(重合度10ないし50)が好
ましい。
【0027】本発明の界面活性化合物をハロゲン化銀写
真感光材料に用いる場合、上記Zの親水性基は写真性能
上、アニオン性基、特に−OSO3 M、−SO3 M、
(Mは上記で定義したものに同じ)あるいはノニオン性
基特にポリオキサゾリン基が好ましく用いられる。
【0028】式中、Q1 ないしQ6 はそれぞれ異なって
いても同じであっても良く、酸素原子、硫黄原子あるい
は−NR4 −で表わされる基から任意、独立に選択する
ことができる。R4 は水素原子又はR1 で定義される基
から任意に選ぶことができる。Q1 ないしQ6 は好まし
くは酸素原子又は−NR4 −で表わされる基であり、特
に好ましくはQ1 、Q2 およびQ3 が同時に酸素原子で
ある場合である。式中、L1 およびL2 はそれぞれ同じ
であっても異なっていてもよく、単結合又は2価の連結
基を表わし、具体的には下記一般式で表わされる。
【0029】
【化11】
【0030】式中、Gは−CON(R13)−(R13は水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜6
の置換アルキル基を表わす)、−COO−、−N
(R13)CO−、−OCO−、(R13は上記で定義した
ものに同じ)
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】を表わす。(R13は上記に定義したものに
同じ。R14、R15はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロ
キシル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置換の、
アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基もしくはア
リールオキシ基を表わす)、
【0034】J1 、J2 、J3 は同じでも異なっていて
もよく、−CO−、−SO2 −、−CON(R16)−
(R16は水素原子、アルキル基(炭素数1〜6)、置換
アルキル基(炭素数1〜6)を表わす)、−SO2
(R16)−(R16は上記と同義)、−N(R16)−R17
−(R16は上記と同義、R17は炭素数1〜約4のアルキ
レン基)、−N(R16)−R17−N(R18)−(R16
17は上記と同義、R13は水素原子、アルキル基(炭素
数1〜6)、置換アルキル基(炭素数1〜6)を表わ
す。)、−O−、−S−、−N(R16)−CO−N(R
18)−(R16、R18は上記と同義)、−N(R16)−S
2 −N(R18)−(R16、R18は上記と同義)、−C
OO−、−OCO−、−N(R16)CO2 −(R16は上
記と同義)等を挙げることができる。
【0035】Y1 、Y2 およびY3 は同じでも異なって
いてもよく、アルキレン基、置換アルキレン基、アリー
レン基、置換アリーレン基、アラルキレン基、置換アラ
ルキレン基を表わす。アルキレン基としては例えばメチ
レン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、ジメチレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、
ヘキサメチレン、デシルメチレン、アラルキレン基とし
ては例えばベンジリデン、フェニレン基としては例えば
p−フェニレン、m−フェニレン、メチルフェニレンな
どを挙げることができる。k、p、q、r、sはそれぞ
れ0または1を表す。
【0036】本発明に用いられる重合体は構成繰り返し
単位として一般式(I)および(II)で表わされる繰り
返し単位のみを有する重合体であってもよいし一般式
(I)ないし(IV)で表わされる繰り返し単位以外の繰
り返し単位との共重合体であってもよい。
【0037】この様な繰り返し単位としてはポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リウレタン、ポリウレア等の繰り返し単位を挙げること
ができる。
【0038】本発明の重合体中の全重量に占める一般式
(I)ないし(IV)で表わされる繰り返し単位の割合
は、用いる疎水性化合物やそれらと重合体との混合比等
により、その最適な範囲が異なるが、重量比で好ましく
は10ないし100%、特に好ましくは30ないし10
0%である。
【0039】本発明の重合体の一般式(I)で表わされ
る繰り返し単位と一般式(II) で表わされる繰り返し単
位の割合および一般式(III) と一般式(IV) で表わされ
る繰り返し単位の割合は繰り返し単位の構造や繰り返し
単位同志の組み合わせにより異なるが、モル比で好まし
くは1対100ないし100対1、特に好ましくは1対
10ないし10対1である。
【0040】以下に本発明の重合体の好ましい例を具体
的に示すが、本発明はこれら具体例に限定されるもので
はない。
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】本発明の界面活性重合体は一般的な合成方
法で合成可能である。以下に代表的な合成方法の例を挙
げるが、本発明はこれら具体的合成例に限定されるもの
ではない。
【0048】合成例1.化合物P−1の合成 冷却管と攪拌装置を取付けた1リットル三ッ口フラスコ
にフェニルジクロロホスフェート63.3g(0.3モ
ル)とハイドロキノン33.0g(0.3モル)を入れ
窒素気流下で攪拌しながら、内温120℃で8時間反応
させた。その後、内温を180℃に昇温し、更に8時間
反応させ充分に重合を進行させた後、この反応物を室温
まで冷却した。得られた反応物に酢酸エチル250mlを
加え、攪拌、溶解させた溶液に蒸留水300mlを加え
て、振とう洗浄。これを静置して有機相(酢酸エチル溶
液相)を取出した後、硫酸マグネシウム25gを加え、
脱水乾燥し、濾過後減圧下で酢酸エチルを留去した。得
られた淡黄色固体化合物にクロロホルム300mlを加え
て完全に溶解させた溶液を氷冷しながら攪拌し、10℃
を超えない様に三酸化硫黄8.4g(0.1モル)をゆ
っくりと滴下した。滴下終了後室温にて3時間攪拌した
後4重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液を用い
て、pHを7.0に調整し、反応液を濃縮、乾固して白
色固体の目的の化合物P−1 71.6g(収率85.
6%)を得た。化合物はIRスペクトル、 1H−NMR
スペクトル、元素分析により同定し、DMF溶媒による
ゲルパーミエーションクロマトグラム(DMF−GP
C)により分子量を測定した。
【0049】合成例2.化合物PW−5の合成 (1) n−ドデシルジクロロホスフェイトの合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた200ml三ッ口フラスコ
にn−ドデシルアルコール37.3g(0.2モル)を
入れ、攪拌しながら氷冷し、5℃まで冷却した。このフ
ラスコにオキシ塩化燐30.6g(0.2モル)を内温
が10℃を越えない様に30分かけて滴下し、滴下終了
後20分そのまま攪拌した。この反応液を25℃に昇温
し、80〜120mmHgの減圧下で1時間反応させて透
明液体59.2gを得た(収率97.7%)。
【0050】(2) p−ニトロフェニルジクロロホスフェ
イトの合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた200ml三ッ口フラスコ
にp−ニトロフェノール27.8g(0.2モル)を入
れ、攪拌しながら氷冷し、5℃まで冷却した。このフラ
スコにオキシ塩化燐30.6g(0.2モル)を内温が
10℃を越えない様に30分かけて滴下し、滴下終了後
20分そのまま攪拌した。この反応液を25℃に昇温
し、80〜120mmHgの減圧下で1時間反応させて、
黄色液体43.8gを得た(収率96.4%)。
【0051】(3) 化合物PW−5の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた500ml三ッ口フラスコ
に上記で合成したn−ブチルジクロロホスフェイト1
1.5g(0.06モル)、p−ニトロフェニルジクロ
ロホスフェイト9.1g(0.04モル)と1,4−ブ
タンジオール9.0g(0.1モル)を入れ、窒素気流
下で攪拌しながら内温120℃で4時間反応させた。そ
の後、内温を180℃に昇温し、更に6時間反応させ充
分に重合を進行させた後、この反応物を室温まで冷却し
た。得られた反応物に酢酸エチル250mlを加え、攪
拌、溶解させた溶液に蒸留水300mlを加えて振とう洗
浄。これを静置して有機相(酢酸エチル溶液相)を取出
した後、硫酸マグネシウム25gを加え、脱水乾燥し、
濾過後減圧下で酢酸エチルを留去して黄色軟固体を得
た。これに、メタノール300mlを加え、加熱、溶解さ
せた後、水酸化ナトリウム2.0g(0.05モル)を
加え、1時間加熱還留した。この溶液を室温まで冷却
し、不溶物をろ過して除去した後、減圧にてメタノール
を留去して新たに酢酸エチル100mlに溶解させた。こ
の溶液をヘキサン1リットル中に注ぎ、沈降物を回収し
て減圧下40℃で2日間乾燥させて、目的の化合物PW
−5を淡黄色固体の形状で23.0g得た(収率88.
7%)。化合物はIRスペクトル、 1H−NMRスペク
トル、元素分析により同定し、DMF溶媒によるゲルパ
ーミエーションクロマトグラム(DMF−GPC)によ
り分子量測定した。
【0052】合成例3 化合物PW−18の合成 (1) 2−(m−ピリジル)−エチルジクロロホスフェー
ト塩酸塩の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた200ml三ッ口フラスコ
に、3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン27.0g
(0.2モル)を入れ、攪拌しながら氷冷し、5℃まで
冷却した。このフラスコにオキシ塩化燐30.6g
(0.2モル)を内温が10℃を越えない様に30分か
けて滴下し、滴下終了後20分そのまま攪拌した。この
反応液を25℃に昇温し、80〜120mmHgの減圧下
で1時間反応させ、黄かっ色ワックス状化合物20.1
gを得た(収率90.2%)。
【0053】(2) 化合物PW−18の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた500ml三ッ口フラスコ
に上記で合成した2−(m−ピリジル)−エチルジクロ
ロホスフェート塩酸塩5.8g(0.02モル)、フェ
ニルジクロロホスフェート16.9g(0.08モル)
とハイドロキノン11.0g(0.1モル)を入れ、窒
素気流下で攪拌しながら内温120℃で4時間反応させ
た。その後、内温を180℃に昇温し、更に6時間反応
させ充分に重合を進行させた後、この反応物を室温まで
冷却した。得られた反応物に酢酸エチル250mlを加
え、攪拌、溶解させた溶液に4%水酸化ナトリウム水溶
液300mlを加えて、振とう洗浄。これを静置して有機
相(酢酸エチル溶液相)を取出した後、硫酸マグネシウ
ム25gを加え、脱水乾燥し、濾過後減圧下で酢酸エチ
ルを留去してかっ色軟固体を得た。これに、トルエン2
00mlを加え完全に溶解させた後、クロロ酢酸1.9g
(0.02モル)を加え、加熱還留させた。この溶液を
室温まで冷却し、不溶物をろ過して除去した後、ヘキサ
ン1リットル中に注ぎ、沈降物を回収した。これを減圧
下、40℃で10時間乾燥させて、目的の化合物PW−
18を黄かっ色粘稠液体の形状で22.7g得た(収率
86.1%)。化合物はIRスペクトル、 1H−NMR
スペクトル、元素分析により同定し、DMF溶媒による
ゲルパーミエーションクロマトグラム(DMF−GP
C)により分子量測定した。
【0054】本発明の化合物を写真感光材料に組み込む
場合、疎水性写真用有用物質の分散剤として、あるい
は、塗布助剤、帯電防止剤、滑り剤、濡れ良化剤として
使用できるが本発明の化合物は疎水性写真有用物質の分
散剤として特に優れた性能を有する。また、本発明の化
合物を写真用処理液に組み込む場合、疎水性写真有用物
質の分散剤として、あるいは、濡れ良化剤、帯電防止剤
として使用できる。上記に記載の本発明の重合体は2種
類以上を任意に併用しても良い。
【0055】本発明において使用することのできる疎水
性写真用有用化合物とは、写真用途に有用な任意の有機
化合物及び有機又は無機の化合物を意味する。本発明に
おいては、油溶性の有機写真用物質を使用することが好
ましい。ここで油溶性とは、室温(20℃)において、
有機溶剤に3重量%以上溶解するものを言う。又、有機
溶剤とは、「溶剤ハンドブック」等に記載の有機溶剤を
意味し、それらの例としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケ
トン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロ
メタン、クロロホルムなどを挙げることができる。
【0056】本発明の分散物に使用し得る疎水性写真用
有用化合物としては、色素像形成カプラー、色素像供与
レドックス化合物、ステイン防止剤、カブリ防止剤、紫
外線吸収剤、退色防止剤、混色防止剤、造核剤、色素画
像安定剤、ハロゲン化銀溶剤、漂白促進剤、フィルター
用色素及びこれらの前駆体、染料、顔料、増感剤、硬膜
剤、増白剤、減感剤、現像剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、現像薬スカベンジャー、媒染剤、及びこれらを分散
するための媒体として用いられる分散用オイルや分散用
ポリマーなどであり、これらの化合物の記載例として
は、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643、N
o.18716、No.307105号などの記載が挙げ
られる。以下に更に具体例を挙げて詳細に説明する。
【0057】a)色素像形成カプラー 芳香族第一級アミン現像主薬の酸化生生物とカップリン
グして、有色又は無呈色の色素を形成する化合物はカプ
ラーと呼ばれる。カプラーとしては、イエロー、マゼン
タ、シアン及び黒色のカプラーが有用である。
【0058】本発明に使用できるイエローカプラーとし
ては、オイルプロテクト型のアシルアセトアミド系カプ
ラー(米国特許第2,407,210号、同第2,87
5,057号および同第3,265,506号などに記
載)、二当量イエローカプラー(米国特許第3,40
8,194号、同第3,447,928号、同第3,9
33,501号および同第4,022,620号、特公
昭58−10739号、米国特許第4,401,752
号、同第4,326,024号、リサーチ・ディスクロ
ージャ18053(1979年4月)、米国特許第1,
425,020号、西独出願公開第2,219,917
号、同第2,261,361号、同第2,329,58
7号および同第2,433,812号などに記載)等が
挙げられる。これらのうち、例えば米国特許第3,93
3,501号、同第4,022,620号、同第4,3
26,024号、同第4,401,752号、同第4,
248,961号、特公昭58−10739号、英国特
許第1,425,020号、同第1,476,760
号、米国特許第3,973,968号、同第4,31
4,023号、同第4,511,649号、欧州特許第
249,473A号、等に記載のものが好ましい。
【0059】本発明に使用できるマゼンタカプラーとし
ては、オイルプロテクト型のインダソロン系もしくはシ
アノアセトル系(好ましくは5−ピラゾロン系およびピ
ラゾロトリアゾール類などピラゾロアゾール系)のカプ
ラー(米国特許第2,311,082号、同第2,34
3,703号、同第2,600,788号、同第2,9
08,573号、同第3,062,653号、同第3,
152,896号および同第3,936,015号)、
(米国特許第4,310,619号、米国特許第4,3
51,897号、欧州特許第73,636号に記載)、
米国特許第3,369,879号、米国特許第3,72
5,067号、リサーチ・ディスクロージャー2422
0(1984年6月)、欧州特許第119,741号、
欧州特許第119,860号に記載)を挙げることがで
きる。これらのうち、特に米国特許第4,310,61
9号、同第4,351,897号、欧州特許第73,6
36号、米国特許第3,061,432号、同第3,7
25,067号、リサーチ・ディスクロージャーNo.2
4220(1984年6月)、特開昭60−33552
号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24230(1
984年6月)、特開昭60−43659号、同61−
72238号、同60−35730号、同55−118
034号、同60−185951号、米国特許第4,5
00,630号、同第4,540,654号、同第4,
556,630号、国際公開WO88/04795号等
に記載のものが好ましい。
【0060】本発明に使用できるシアンカプラーとして
は、オイルプロテクト型のナフトール系のカプラー(米
国特許第2,474,293号、米国特許第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号および同第4,296,200号、特開
昭60−237448号、同61−153640号、同
61−14557号に記載)、フェノール系カプラー
(米国特許第2,369,929号、同第2,801,
171号、同第2,772,162号、同第2,89
5,826号、米国特許第3,772,002号、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,451,559号および同第4,427,
767号などに記載)
【0061】ピラゾロアゾール系カプラー(特開昭64
−553号、同64−554号、同64−555号、同
64−556号に記載)や、米国特許第4,818,6
72号に記載のイミダゾール系カプラーを挙げることが
できる。
【0062】これらのうち、米国特許第4,052,2
12号、同第4,146,396号、同第4,228,
233号、同第4,296,200号、同第2,36
9,929号、同第2,801,171号、同第2,7
72,162号、同第2,895,826号、同第3,
772,002号、同第3,758,308号、同第
4,334,011号、同第4,327,173号、西
独特許公開第3,329,729号、欧州特許第12
1,365A号、同第249,453A号、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,775,616号、同第4,451,559号、
同第4,427,767号、同第4,690,889
号、同第4,254,212号、同第4,296,19
9号、特開昭61−42658号等に記載のものが特に
好ましい。
【0063】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,137号、欧州特許第341,188A号
等に記載されている。発色色素が適度な拡散性を有する
カプラーとしては、米国特許第4,366,237号、
英国特許第2,125,570号、欧州特許第96,5
70号、西独特許(公開)第3,234,533号に記
載のものが好ましい。発色色素の不要吸収を補正するた
めのカラード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo. 17643の VII−G項、同No.307105
のVII −G項、米国特許第4,163,670号、特公
昭57−39413号、米国特許第4,004,929
号、同第4,138,258号、英国特許第1,14
6,368号、米国特許第4,774,181号、米国
特許第4,777,120号に記載のものが好ましい。
【0064】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。
例えば現像抑制剤を放出するDIRカプラー(リサーチ
・ディスクロージャー17643、 VII〜F項及び同N
o.307105、VII −F項に記載された特許、特開
昭57−151944号、同57−154234号、同
60−184248号、同63−37346号、同63
−37350号、米国特許4,248,962号、同
4,782,012号に記載)、漂白促進剤放出カプラ
ー(リサーチ・ディスクロージャーNo.11449、同
24241、特開昭61−201247号等に記載)、
現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出する
カプラー(英国特許第2,097,140号、同第2,
131,188号、特開昭59−157638号、同5
9−170840号に記載)、かぶらせ剤、現像促進
剤、ハロゲン化銀溶剤等を放出する化合物(特開昭60
−107029号、同60−252340号、特開平1
−44940号、同1−45687号に記載)も好まし
い。
【0065】b)色素像供与レドックス化合物 本発明に使用し得る他の疎水性化合物としては、カラー
拡散転写法感光材料で使用される色素像供与レドックス
化合物がある。この化合物には当業者に公知のように、
ネガ型もしくはポジ型があり、アルカリ性の処理組成物
で処理されたときに最初は写真要素中で可動性である
か、もしくは非可動性である。本発明に有用なネガ型の
色素像供与化合物としては、酸化された発色現像薬と反
応して色素を形成又は放出するカプラーがあり、その具
体例は米国特許第3,227,550号及びカナダ国特
許第602,207号等に記載されている。
【0066】本発明に使用するのに好ましいネガ型の色
素像供与化合物としては、酸化状態にある現像薬或いは
電子移動剤と反応して色素を放出する色素放出レドック
ス化合物(特開昭48−33826号、同51−113
624号、同54−54021号及び同56−7107
2号などに記載)がある。又、本発明で使用し得る非可
動性のポジ型色素像供与化合物としては、アルカリ性条
件の写真処理中に全く電子を受け取ることなく(即ち、
還元されずに)、あるいは少なくとも一つの電子を受け
取った(即ち、還元された)後、拡散性色素を放出する
化合物がある。
【0067】更に、最初からアルカリ性の写真処理条件
において、可動性であるポジ型の色素像供与化合物とし
て色素現像薬(特公昭48−32130号及び同55−
22780号などに記載)があり、これは本発明におい
て有効である。本発明で使用される色素像供与化合物か
ら形成される色素は、既成色素であるか、あるいは又、
写真処理工程あるいは追加処理段階において色素に変換
し得る色素前駆体であってもよく、最終画像色素は金属
化されていてもいなくてもよい。本発明に有用な代表的
染料構造としては、アゾ色素、アゾメチン色素、アント
ラキノン色素、フタロシアニン色素の金属化された、あ
るいは金属化されていない色素を挙げることができる。
この中でアゾ系のシアン、マゼンタ及びイエローの色素
は特に重要である。
【0068】また色素前駆体の一種として、感光要素中
では一時的に光吸収をシフトさせてある色素部分を有す
る色素放出レドックス化合物も本発明に使用することが
できる。本発明で使用するのに特に好ましい色素像供与
化合物としては、まず色素放出レドックス化合物(DR
R−化合物)(特開昭48−33826号、同51−1
13624号、同54−54021号及び同56−71
072号に記載)がある。別の型の特に好ましい色素像
供与化合物としてはポジ型に属するものがあり、特開昭
53−110827号、同53−110828号及び同
56−164342号に記されており、色素放出レドッ
クス化合物の具体例としては、特開昭61−25184
1号公報に記載された化合物(23〜25頁に記載され
た(DR−1)〜(DR−14))を挙げることができ
る。
【0069】c)紫外線吸収剤 本発明を実施するに適した紫外線吸収剤は、例えば特公
昭42−21687号、同48−5496号、特開昭4
7−1026号、英国特許第1,293,982号等に
記載されている。これらのうち特に、油溶性の紫外線吸
収剤が好ましい。
【0070】d)有機又は無機の染料、顔料 本発明に使用する染料又は顔料としては、アゾ系、アゾ
メチン系、オキソノール系、シアニン系、フタロシアニ
ン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、ペリノン・ペリレン系、酸化チタ
ン、カドミニウム系、酸化鉄系、酸化クロム、カーボン
ブラック等の有機染顔料又は無機染顔料等があり、その
他着色剤として従来使用される公知の色素あるいはそれ
らの混合物いずれも使用し得る。本発明におけるこれら
染顔料は、製造直後の水性ペースト状態あるいは粉末状
態等いかなる状態でも使用することができる。特に、米
国特許第4420555号、特開昭61−204630
号、同61−205934号などに記載されている油溶
性染料の分散に本発明は有用である。本発明における特
に有用な油溶性染料について以下に説明する。本発明に
用いられる特に有用な染料は種々の周知の染料のいずれ
であってもよい。これらの染料の構造としてはアリーリ
デン化合物、ヘテロ環アリーリデン化合物、アントラキ
ノン類、トリアリールメタン類、アゾメチン色素、アゾ
色素、シアニン、メロシアニン、オキソノール、スチリ
ル色素、フタロシアニン、インジゴその他のものがあ
る。本発明に用いられる染料は水不溶性であり、かつ酢
酸エチルへの溶解度が10g/リットル(40℃)以上
のものが好ましく、発色団の構造は重要ではない。
【0071】アリーリデン化合物は酸性核とアリール基
が1つまたは複数のメチン基によって連結されたものを
表す。酸性核としては2−ピラゾリン−5−オン、2−
イソオキサゾリン−5−オン、バルビツール酸、2−チ
オバルビツール酸、ベンゾイルアセトニトリル、シアノ
アセトアミド、シアノアセトアニリド、シアノ酢酸エス
テル、マロン酸エステル、マロンジアニリド、ジメド
ン、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニ
リド、マロノニトリル、1,2−ジヒドロ−6−ヒドロ
キシピリジン−2−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオ
ン、ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン−3,6−ジオ
ン、インダン−1,3−ジオン、ヒダントイン、チオヒ
ダントイン、2,5−ジヒドロ−フラン−2−オンなど
がある。アリール基としてはフェニル基があるが、これ
はアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基等の電子供与
性基で置換されていることが好ましい。
【0072】ヘテロ環アリーリデン化合物は酸性核と複
素芳香環が1つまたは複数のメチン基によって連結され
たものを表す。酸性核としては上記のものがある。複素
芳香環としてはピロール、インドール、フラン、チオフ
ェン、ピラゾールクマリンなどがある。アントラキノン
類はアントラキノンに電子供与性基または電子吸引性基
が置換したものを表す。トリアリールメタン類は1つの
メチン基に置換アリール基(同一でも異なっていてもよ
い)が3つ結合した化合物を表す。例えばフェノールフ
タレインがある。アゾメチン色素は酸性核とアリール基
が不飽和窒素連結基(アゾメチン基)により連結された
ものを表す。酸性核としては上記のものの他に写真用カ
プラーとして知られているものを含む。インドアニリン
類もアゾメチン色素に属する。アゾ色素はアリール基ま
たは複素芳香環基がアゾ基によって連結されたものを表
す。
【0073】シアニンは塩基性核2つが、1つまたは複
数のメチン基によって連結したものを表す。塩基性核と
してはオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾー
ル、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キノリ
ン、ピリジン、インドレニン、ベンゾインドレニン、ベ
ンゾセレナゾール、イミダゾキノキサリン等の四級塩や
ピリリウムがある。メロシアニン色素は上記の塩基性核
と酸性核が二重結合により連結しているか、または1つ
以上のメチン基によって連結しているものを表す。オキ
ソノール染料は上記の酸性核2つが、1つまたは3以上
の奇数個のメチン基によって連結されたものを表す。ス
チリル色素は上記塩基性核とアリール基が、2つまたは
4つのメチン基で連結したものを表す。フタロシアニン
は金属に配位していても、していなくともよい。インジ
ゴは無置換、置換のインジゴでよく、チオインジゴも含
む。
【0074】e)造核剤 本発明に使用できる造核剤としては特に制限はなく、通
常のハロゲン化銀写真感光材料に用いられるものを好適
に用いることができる。その様な造核剤としては、特開
平4−212144号公報、特開平6−19035号公
報及び特開平6−27571号公報に記載されたホルミ
ルヒドラジン及びトリフルオロアセチルヒドラジン及び
それらの誘導体が好ましい。更にリサーチ・ディスクロ
ージャーNo. 23516(1983年11月号、p.3
46)およびそこに引用された文献の化合物も使用でき
る。
【0075】f)分散用ポリマー 疎水性化合物を微細に水性媒体中に分散させた際に結晶
析出を抑制するのに使用する高沸点有機物質(分散用油
分)としては後述のものを使用できるが、これらとは別
に高分子化合物を分散用媒体として使用することもでき
る。これらの高分子化合物としては水に事実上不溶のも
のが好ましく、疎水性重合体の中から選ぶことができ
る。その具体的な例を挙げるとポリ(メチルメタクリレ
ート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(エチル
アクリレート)、ポリ(シクロヘキシルメタクリレー
ト)、ポリ(N−tert−ブチルアクリルアミド)、ポリ
(N−tert−オクチルアクリルアミド)などがある。
【0076】本発明においては、疎水性化合物を溶解す
るために、上記の高沸点有機物質の他に、水と混和しな
い低沸点有機溶媒(1気圧で130℃以下に沸点を有す
る)、又は水混和性有機溶媒を使用してもよい。得られ
た分散物の安定性を増すために、写真性有用物質を溶液
状態にするために用いた水非混和性又は水混和性有機溶
媒を蒸留、より好ましくは減圧蒸留又は限外濾過、その
他公知の方法により除去してもよい。それらの有機溶媒
としては、例えば、プロピレンカーボネート、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、エチ
ルプロピオン酸エステル、sec −ブチルアルコール、メ
チルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、
シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメトルス
ルホキサイドがその例として挙げられる。有機溶媒の好
ましい使用量は分散する疎水性化合物の重量の0.1〜
100倍量である。
【0077】本発明の化合物を使用しての疎水性写真用
有用物質の分散方法としては、代表的には本発明の重合
体の存在下で、高沸点溶媒を使用した水中油滴分散法が
挙げられる。具体的には、下記のいずれかの方法で溶液
状態に保った疎水性化合物を、本発明の化合物の存在下
に、水または親水性コロイド水溶液と混合することによ
って、調製することができる。必要があれば分散物粒子
のサイズを更に微細にするために、後述のような分散機
を用いても良い。本発明を実施するために使用する分散
機としては、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、
高強度の超音波エネルギーを与える分散機などがある。
具体的には、コロイドミル、ホモジナイザー、毛細管式
乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポー
ルマン笛を有する乳化装置などがある。本発明で使用す
るのに好ましい高速攪拌型分散機は、ディゾルバー、ポ
リトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミ
ル、ジェットアジターなど、分散作用する要部が液中で
高速回転(500〜15,000rpm 、好ましくは2,
000〜4,000rpm )するタイプの分散機である。
本発明で使用する高速攪拌型分散機は、ディゾルバーな
いしは高速インペラー分散機とも呼ばれ、特開昭55−
129136号にも記載されているように、高速で回転
する軸に鋸歯状のプレードを交互に上下方向に折り曲げ
たインペラーを装着して成るも好ましい一例である。
【0078】本発明に従って疎水性化合物を含む分散物
を調製する際には、種々のプロセスに従うことができ
る。疎水性化合物を有機溶媒に溶解するときは、後述の
高沸点有機物質、水非混和性低沸点有機溶媒または水混
和性有機溶媒の中から任意に選択された一種、又は二種
以上の任意の複数成分混合物に溶解し、次いで本発明の
一般式(I)で表わされる重合体の存在下で、水中ある
いは親水性コロイド水溶液中に分散せしめる。この場
合、本発明の重合体は疎水性化合物を含む溶液あるいは
水、もしくは親水性コロイド水溶液の少なくともいずれ
か一方に共存せしめる。
【0079】疎水性化合物を含む油性液と、水性液との
混合方法としては、攪拌下に水性液中に油性液を加える
いわゆる順混合法でも、その逆の逆混合法でもよいが、
とりわけ逆混合法のうちの一種である転相法が、より微
細な水性分散物を与える点で好ましい。
【0080】本発明においては、疎水性化合物を水中又
は親水性コロイド組成物中のいずれにおいても安定に分
散することができるが、親水性コロイド組成物に分散す
ることが好ましい。本発明に用いられる親水性コロイド
組成物中の親水性コロイドとしては、通常ハロゲン化銀
写真感光材料に使用される結合剤または保護コロイドが
用いられる。写真乳剤の結合剤又は保護コロイドとして
は、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親
水性コロイドも用いることができる。例えば、ゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、
アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫
酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソ
ーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質を用いることができる。
【0081】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分散物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無
水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルト
ン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合物
類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種
々の化合物を反応させて得られるものが用いられる。
【0082】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は米国特許第2,322,027号、国際公開WO9
1/17480号などに記載されており常圧での沸点が
175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタ
ル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジシクロヘキシ
ルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デ
シルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピ
ル)フタレートなど)、リン酸またはホスホン酸のエス
テル類(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェー
ト、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチ
ルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、
トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロプロピル
ホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスホ
ネートなど)、安息香酸エステル類(2−エチルヘキシ
ルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘ
キシル−p−ヒドロキシベンゾエートなど)、アミド類
(N,N−ジエチルデカンアミド、N,N−ジエチルラ
ウリルアミド、N−テトラデシルピロリドンなど)、ア
ルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコ
ール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂
肪族カルボン酸エステル類(ビス(2−エチルヘキシ
ル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロール
トリブチレート、イソステアリルラクテート、トリオク
チルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N−ジブ
チル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンな
ど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルナフタレンなど)などが挙げられる。世界
特許公開WO93/3420号に記載のように、界面活
性剤を増量して微細分散したのち、水洗により過剰の界
面活性剤を除去する方法も有効である。補助溶剤又は界
面活性剤は公知の方法で除去することができ、例えば米
国特許第2322027号、同2801171号、同2
946360号、同3396027号、同423339
7号等があげられる。
【0083】また、疎水性写真用有用物質を酸、アルカ
リ、水混和性有機溶媒あるいはこれらの混合物に溶解さ
せたのち、本発明の界面活性剤の存在下で中和したり、
水と混合することによって、析出分散させることができ
る。溶液に本発明の界面活性剤を加えて直接塗布液に添
加して分散することも可能である。この方法による分散
法の代表例としては、英国特許第1,193,349
号、米国特許第4,957,857号、同第4,93
3,270号などに写真用カラーカプラーに適用した場
合、特開平4−163453号にその他の疎水性写真用
有用物質に適用した場合について記載されている。
【0084】また疎水性写真用有用物質が固体の場合に
は、水および本発明の界面活性剤の存在下で、媒体分散
などにより直接微粒子固体分散物とすることができる。
代表的な例としてWO88/04794号に記載のよう
な染料の固体分散を挙げることができる。その他カーボ
ンブラックや酸化チタンなどの顔料に適用することも有
効である。媒体分散としては、ボールミル、サンドグラ
インダーミルあるいはコロイドミルなどにより機械的に
分散する方法が一般的である。
【0085】また本発明の重合体は、水性ポリマーラテ
ックスを乳化重合法で合成する際の乳化剤として使用す
ることもでき、生成したポリマーラテックスをそのまま
写真感光材料中に組み込むこともでき、さらに生成した
ポリマーラテックス中に疎水性写真用有用物質を充填し
たのち組み込むこともできる。ポリマーラテックスを用
いて分散する方法については、米国特許第4,199,
363号、西独特許出願(OLS)第2,541,27
4号、同第2,541,230号などに記載されてい
る。
【0086】以上挙げた分散方法において本発明の化合
物は上述したように分散時に用いてもよいが、必要によ
っては分散時には他の界面活性剤を使用したのち、例え
ば安定性の向上の為に分散後に本発明の化合物を添加す
ることもでき、また他の界面活性剤と併用することも可
能である。
【0087】本発明の化合物を組み込む層は写真感光材
料の少なくとも1層であれば特に限定されず、例えば表
面保護層、乳剤層、中間層、下塗層、バック層、その他
の補助層を挙げることができる。使用量も感光材料の種
類や厚み、どれだけの層に添加するか、分散する物質の
種類や量、併用する界面活性剤の有無などによるが、
0.0001〜1g/m2であり、より好ましくは0.0
005〜0.5g/m2である。
【0088】以下本発明の感光材料について説明する。
本発明で好ましいのは白黒感材、レントゲン感材、グラ
フィック感材及びカラー写真感光材料、カラーペーパー
であり、ネガ感材でもポジ感材のどちらでもよくその形
態がロール状でもシート状のどちらでもよい。中でもカ
ラー写真感光材料が好ましく、その代表例としてカラー
リバーサルフィルムとカラーネガフィルムをあげること
ができる。
【0089】
【実施例】以下に本発明の実施例により、更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】実施例1 カプラーの分散性 下記のイエロー発色カプラーを以下の処方により攪拌乳
化して分散物1−1〜1−11を得た。 I液 : ゼラチン溶液(10%) 67g II液 : 下記カプラー C−1 8g 酢酸エチル 15ml 界面活性剤 0.5g 乳化はI液およびII液を60℃で溶解混合し、ホモブレ
ンダーにて20000rpm で2分間の乳化を3回おこな
って乳化物を得た。
【0091】
【化20】
【0092】界面活性剤を表1の如く比較化合物および
本発明の化合物について分散を行い、分散物の粒子サイ
ズを Malvern社製 Master Sizer を使用し、光散乱法で
求め結果を表1に併せて記した。第1表から本発明の化
合物は同じ乳化剤量でも粒子サイズを細かくすることが
できることがわかる。とくに比較例の界面活性剤と比べ
ると乳化能が著しく改良されていることがわかる。
【0093】
【表1】
【0094】実施例2 起泡性テスト 実施例1で調製した乳化物1−1〜1−11をそれぞれ
1g試験管にとり、水を9ml加えて加温溶解したのち、
25℃にて振とうし、1分後の泡のたち方を観察した。
評価は泡高さにより評価した。値の小さいほど起泡性が
小さいことを示す。表1に併せて結果を示した。本発明
の化合物はいずれも乳化能にすぐれた比較例であるドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムよりも起泡性は小さ
く、処理液での泡立ちの可能性の小さい特徴があること
を示すものである。
【0095】実施例3 経時安定性 実施例1で調製した乳化物を5℃にて冷蔵経時3週間さ
せたのち40℃で加熱溶解したのち水で希釈し、不溶解
物の有無を確認した。評価は目視により、不溶解物が多
い評価から不溶解物がない評価までを順に5段階に分類
し、××、×、△、○、◎とした。結果を同じく表1に
併記した。本発明の化合物の多くは乳化能の高い比較例
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムと比べて冷蔵に
よる経時安定性がすぐれていることを示す結果になっ
た。
【0096】実施例4 A.乳化物の調製 実施例1の乳化処方において、カプラーを下記C−2に
変更した以外は同じ方法で第2表のごとく乳化物を調製
した。乳化物の粒径は濁度法により求めた。すなわち、
乳化物を溶解し、水で希釈し分光光度計で500nmにお
ける吸光度と600nmにおける吸光度の比によって相対
的な粒径の尺度とした。
【0097】B.感光材料の作製および評価 下塗り層を設けてあるトリアセチルセルロースフィルム
支持体上に下記に示す組成の各層を塗布し、感光材料4
01〜406を作製した。 (1) 乳剤層 ・平板状乳剤(沃化銀10モル%、平均アスペクト比7.5、 平均粒径0.65μm) ……銀として 1.70g/m2 ・カプラー C−2(分散物として) …… 0.77g/m2 ・ゼラチン …… 3.50g/m2
【0098】
【化21】
【0099】 (2) 保護層 ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリ ウム …… 0.15g/m2 ・ゼラチン …… 1.8 g/m2 これら試料にセンシトメトリー用の白色光を与え、下記
カラー現像処理を行なった。現像済試料のイエロー濃度
を測定し、最大発色濃度を求め表2に示した。ここで用
いた現像処理は下記の条件で38℃で行った。 1.カラー現像 ……………………… 3分15秒 2.漂 白 ……………………… 6分30秒 3.水 洗 ……………………… 3分15秒 4.定 着 ……………………… 6分30秒 5.水 洗 ……………………… 3分15秒 6.安 定 ……………………… 3分15秒
【0100】各工程に用いた処理液組成は下記のもので
ある。 カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリ 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−βヒドロキシエチルアミノ)−2− メチル−アニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1リットル 漂白液 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム鉄塩 130g 氷酢酸 14ml 水を加えて 1リットル 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1リットル 安定液 ホルマリン 2.0ml 水を加えて 1リットル
【0101】表2からわかるように本発明の界面活性剤
はカプラーC−2の乳化ににおいても微細分散が可能で
あり写真感光材料に適用した場合、最大発色濃度が高く
なる効果が顕著である。
【0102】
【表2】
【0103】実施例5 造核剤の分散 G/A用写真感光材料で用いられる下記造核剤30mgと
表3に示した界面活性剤30mgを秤量してエタノール2
mlおよび水1mlを加えて溶解したのち、水7mlを一気に
添加して析出させた。混合析出分散液を25℃にて放置
し約1時間後及び1日後の分散状態を観察した。本発明
の界面活性剤は従来より知られている代表的な界面活性
剤では沈澱するのに対して、分散安定性が優れているこ
とがわかる。
【0104】
【化22】
【0105】
【表3】
【0106】実施例6 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
特願平4−208632の第29頁〜第36頁に記載さ
れた各層を重層塗布し、多層カラー感光材料である試料
601を作製した。
【0107】本発明の化合物として化合物PW−9を各
層のカプラーあるいは疎水性ハイドロキノンに対して約
4〜5重量%使用し、実施例1の乳化処方に準じて調製
し、表4の如く各層別に使用した。
【0108】
【表4】
【0109】以上の如くのカラー写真感光材料を露光し
たのち、自動現像機を用い以下に記載の方法で、(現像
液の累積補充量がそのタンク容量の3倍になるまで)処
理した。 (処理方法) 工 程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 3分15秒 38℃ 22ミリリットル 20リットル 漂 白 3分00秒 38℃ 25ミリリットル 40リットル 水 洗(1) 15秒 24℃ (2)から(1) への 10リットル 向流配管方式 水 洗(2) 15秒 24℃ 15ミリリットル 10リットル 定 着 3分00秒 38℃ 15ミリリットル 30リットル 水 洗(3) 30秒 24℃ (4)から(3) への 10リットル 向流配管方式 水 洗(4) 30秒 24℃ 1200ミリリットル 10リットル 安 定 30秒 38℃ 20ミリリットル 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ * 補充量は35mm巾1m長さ当たり
【0110】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.2 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.2 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.8 炭酸カリウム 30.0 39.0 臭化カリウム 1.4 0.3 ヨウ化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.1 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕− 2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.15
【0111】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 11.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.03 0.08 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ミリリットル 4.0ミリリットル 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.0 5.7
【0112】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 0.7 亜硫酸アンモニウム 20.0 22.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 295.0ミリリットル 320.0ミリリットル 酢酸(90%) 3.3 4.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 6.7 6.8
【0113】 (安定液) タンク液/補充液共通(g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度 10 ) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5 以上の処理により階調、色再現、発色性のすぐれたサン
プルが得られた。
【0114】
【発明の効果】本発明の化合物を用いることにより、少
量の使用量において極めて微細な写真有用化合物の分散
物粒子を安定に得ることが可能になった。更に、得られ
た分散物粒子は製造適性に優れ、写真有用化合物の膜中
反応性、膜質に悪影響を及ぼすことなく、特定の層に選
択的に写真有用化合物を導入し、かつ、処理工程での反
応性に優れたものであった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる繰り返し
    単位と、下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位を
    有する重合体を含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 式中R1 はアルキル基あるいはアリール基を表わす。R
    2 およびR3 はそれぞれアルキレン基、アリーレン基あ
    るいはアラルキレン基を表わす。Q1 、Q2 およびQ3
    はそれぞれ酸素原子、硫黄原子あるいは−NR4 −で表
    わされる基を表わす。R4 は水素原子、アルキル基、あ
    るいはアリール基を表わす。L1 は単結合または2価の
    連結基を表わす。m1 は1ないし200の整数値を表わ
    す。 一般式(II) 【化2】 式中R5 は水素原子、水溶性基含有有機残基又はカチオ
    ンを表わす。R6 およびR7 はそれぞれアルキレン基、
    アリーレン基あるいはアラルキレン基を表わす。Q4
    5 およびQ6 はそれぞれ酸素原子、硫黄原子あるい
    は、−NR4 −で表わされる基を表わす。R4 は水素原
    子、アルキル基あるいはアリール基を表わす。但し、R
    5 がカチオンの場合、Q4 は酸素原子か硫黄原子のいず
    れか一方から選ばれる。L2 は単結合または2価の連結
    基を表わす。m2 は1ないし200の整数値を表わす。
  2. 【請求項2】 下記一般式(III) で表わされる繰り返し
    単位と下記一般式(IV)で表わされる繰り返し単位を有
    する重合体を含有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。 一般式(III) 【化3】 式中R1 はアルキル基あるいはアリール基を表わす。R
    2 およびR3 はそれぞれアルキレン基、アリーレン基あ
    るいはアラルキレン基を表わす。L1 は単結合または2
    価の連結基を表わす。m1 は1ないし200の整数値を
    表わす。 一般式(IV) 【化4】 式中R5 は水素原子、水溶性基含有有機残基又はカチオ
    ンを表わす。R6 およびR7 はそれぞれアルキレン基、
    アリーレン基あるいはアラルキレン基を表わす。L2
    単結合または2価の連結基を表わす。m2 は1ないし2
    00の整数値を表わす。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006025738A1 (en) * 2004-09-02 2006-03-09 Dsm Ip Assets B.V. Polyester prepared from phosphoric acid or its oligomers

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WO2006025738A1 (en) * 2004-09-02 2006-03-09 Dsm Ip Assets B.V. Polyester prepared from phosphoric acid or its oligomers

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