JPH08105510A - トルクコンバータのロックアップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのロックアップ制御装置

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Publication number
JPH08105510A
JPH08105510A JP33472594A JP33472594A JPH08105510A JP H08105510 A JPH08105510 A JP H08105510A JP 33472594 A JP33472594 A JP 33472594A JP 33472594 A JP33472594 A JP 33472594A JP H08105510 A JPH08105510 A JP H08105510A
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JP
Japan
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lockup
pressure
inertial
lock
engagement
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Application number
JP33472594A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kuramoto
浩明 蔵本
Motoharu Nishio
元治 西尾
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コースト状態時にもロックアップクラッチの
締結が確実に行えるようにすること。 【構成】 出力要素の回転が入力要素の回転を上回る車
両の慣性走行状態を検出する慣性走行状態検出手段(4
2)と、該慣性走行状態検出手段が車両の慣性走行状態
を検出し、且つ前記制御手段がロックアップピストンを
係合させる制御信号を出力した時に前記出力要素(C)
と車輪との間の締結要素(D)としての、リバースクラ
ッチ(R/C)、バンドブレーキ(B/B)、ハイクラ
ッチ(H/C)、ローアンドリバースブレーキ(LR/
B)、フォワードクラッチ(FWD/C)のいずれか一
つを、一時解放する慣性走行時解放手段(43)とを設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯車式自動変速機と共に
オートマチックトランスミッションを構成するトルクコ
ンバータのロックアップ制御装置に係り、特に、トルク
コンバータの入力側速度より出力側速度の方が速い、い
わゆる車両の慣性走行状態(コースト状態)におけるロ
ックアップ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは自動クラッチとして
作動する他、トルクの増大作用をするもので、通常歯車
式変速機に接続されて、オートマチックトランスミッシ
ョンを構成する。
【0003】トルクコンバータは、本発明を示す図1、
及び図2を利用して説明すると、入力要素としてポンプ
インペラ10と呼ばれる羽根車を有し、出力要素として
タービンランナ11と呼ばれる羽根車を有している。ポ
ンプインペラ10はエンジンによって駆動されている。
タービンランナ11は、自動変速機の入力軸14(イン
プットシャフト)に取り付けられる。そして、トルクコ
ンバータ4の内部には図示しない作動流体(作動油)が
満たされている。
【0004】エンジン1が回転すると、ポンプインペラ
10が回転し、ポンプインペラ10内のポンプ作用でタ
ービンランナ11が回転する。その回転が自動変速機の
入力軸14へと伝達される。
【0005】トルクコンバータ4は流体を動力伝達の媒
介にしているため、すべりによる損失が大きく、機械式
クラッチに比較して10%程度動力伝達効率が悪い。そ
こで、一定の車速以上になったらポンプインペラ10と
タービンランナ11とを機械的に直結するロックアップ
機構を備えるトルクコンバータが一般的となってきた。
【0006】このロックアップ機構は、自動変速機の入
力軸14に取付けられたタービンハブ13にロックアッ
プピストン3を備えている。そして、このロックアップ
ピストン3は、ポンプインペラ10と一体となったコン
バータカバー10aの内面に対向して、クラッチフェー
シング3aを有する。
【0007】ロックアップクラッチの締結及び解放につ
いては、ロックアップピストン3を軸方向に移動させる
ことによって行い、その移動は、ロックアップピストン
3の前後両面の作動流体圧力、即ち、 係合圧(アプライ圧PA):ロックアップピストン3の
タービンランナ側(コンバータ室20)の圧力、 解放圧(リリース圧PR):ロックアップピストン3の
コンバータカバー側(ロックアップ室21)の圧力、 の2つを制御することによって行う。
【0008】ロックアップクラッチの締結時は、ロック
アップ室21はドレーン状態となって解放圧より係合圧
の方が大きくなるよう制御されるので、コンバータ室2
0側から作動流体がロックアップピストン3をクラッチ
フェーシング3aに押しつける。すると、ロックアップ
ピストン3はタービンハブ13上をエンジン側へと移動
し、クラッチフェーシング3a部がコンバータカバー1
0aに接続する。この結果、エンジンの動力は、エンジ
ン→コンバータカバー10a→クラッチフェーシング3
a→ロックアップピストン3→タービンハブ13→自動
変速機の入力軸14へと直結状態で伝達される。
【0009】ロックアップクラッチの解除時は、解放圧
の方が係合圧より大きくなるよう制御されるので、ロッ
クアップ室21からコンバータ室20へと作動流体が流
れ、ロックアップピストン3をクラッチフェーシング3
aから離す。このため、エンジンからの動力伝達は、こ
の部分では遮断される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トルクコン
バータにおいてロックアップさせる必要があるのは、車
速がある一定速度以上となった場合(エンジン側=入力
側の回転が出力側の回転より速い場合)のみに限らず、
減速のためアクセル・ペダルの踏み込みを解放して慣性
走行をしているとき、すなわち、トルクコンバータの出
力側の回転が入力側より速い場合(コースト時)にもあ
る。例えばエンジンブレーキを効果的にしたい場合や、
燃費を向上させたい場合である。
【0011】後者について、通常のエンジン制御では、
燃費向上を図るためにアクセルオフに応じて燃料の供給
量をカットすることが行われる。この燃料カット制御
は、エンジンの回転がアクセルをオフにしたときの回転
数から、ある所定回転数に低下するまで継続され、その
後再度燃料供給が開始される。従って、燃料カットする
時間が長いほど燃費は向上する。
【0012】このような制御を行う場合、コースト時す
なわちアクセルオフ時にロックアップされないと、エン
ジン回転数が上述した所定回転数にまで低下する時間が
短く、燃料カットされる時間幅が短くなって、燃費向上
の効果があまり発揮されない。
【0013】そこで、このような燃費向上のための制御
手段を備えた場合、ロックアップクラッチをコースト時
にも締結させることで、エンジン回転数の急激な低下を
防止して、燃料カットの時間幅を長くして燃費向上を図
る必要がある。
【0014】このように、コースト時にロックアップさ
せる必要性があるにもかかわらず、コースト時には、コ
ンバータの出力側の回転が速いので、コースト時にロッ
クアップさせようとしても、従来のトルクコンバータで
は、ロックアップは難しいという問題があった。
【0015】すなわち、コースト時では、出力側の回転
が入力側の回転より速いため、回転に伴って入力側の作
動油に加わる遠心力が出力側の作動油に加わる遠心力よ
り小さくなる。この遠心力の差はトルクコンバータの解
放圧と係合圧とに影響を与え、解放圧が係合圧より高く
なりロックアップクラッチが締結しにくくなる。
【0016】これを図6で説明すると、コースト時に
は、エンジン回転数(Ne){=コンバータカバー10
aの回転数(N1)}より、タービンランナ11の回転
数(Nt)の方が大きいので、コンバータ室20内の作
動油に加わる遠心力F1も、ロックアップ室21内の作
動油に加わる遠心力F2より大きくなる。よって、これ
ら遠心力によるロックアップ室内の遠心油圧P1より、
コンバータ室内の遠心油圧P2の方が大きくなる。これ
ら、遠心油圧をロックアップ室、コンバータ室のピスト
ンの最外周部での液圧P0より差し引いた値がコースト
時の解放圧PR=P0−P1と係合圧PA=P0−P2を特定
することとなる。P1<P2であるからPR>PAとなり、
ロックアップクラッチを締結させようとする場合、ロッ
クアップピストン3がコンバータ状態(ドライブ時)に
比べてカバー側へ動きにくい。
【0017】次に、この状態でロックアップクラッチを
締結(係合圧を加え、解放圧をドレーン)させようとす
る時、解放側いっぱいにまで押されているロックアップ
ピストン3を締結側に動かし始めるには、図8から分か
るように、その押力に打ち勝つだけの力をフェーシング
部の圧力降下(粘性流体の流路抵抗損失)によって発生
させる必要があるが、このときフェーシング隙間は最大
となっているため、必要な圧力降下を得るにはかなりの
流量が必要となる。
【0018】また、その流量が確保でき、ロックアップ
ピストン3が締結側に動き始めると、フェーシング部の
隙間が小さくなるにつれて圧力損失は増し、ロックアッ
プピストン3の締結側の押力も増すため、一度ロックア
ップピストン3が動き出すと急激に締結してしまい締結
ショックを生じる。
【0019】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
なされたもので、いわゆる慣性走行状態時にもロックア
ップクラッチの締結が確実に行えるようにすることを課
題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。
【0021】(1)すなわち、エンジン1により回転駆
動される入力要素Bと、この入力要素Bの回転に伴って
流動する流体で従動回転され、自動変速機を介してエン
ジンの出力を車輪に伝達する出力要素Cと、前記入出力
要素間の流体中にあって、両面に受ける流体液圧の差圧
により入力要素Bと出力要素Cとを係脱するロックアッ
プピストン3と、車両の走行状態に基づき前記ロックア
ップピストンの係脱を指令する制御信号を出力する制御
手段と、を有するトルクコンバータ4のロックアップ制
御装置において、前記出力要素の回転が入力要素の回転
を上回る車両の慣性走行状態を検出する慣性走行状態検
出手段42と、該慣性走行状態検出手段が車両の慣性走
行状態を検出し、且つ前記制御手段がロックアップピス
トンを係合させる制御信号を出力した時に前記出力要素
Cから車輪へ伝達されるエンジンの出力を、一時解放す
るよう締結要素Dに指令する慣性走行時解放手段43
と、を設けたことで、トルクコンバータのロックアップ
制御装置とした(請求項1に対応)。
【0022】(2) 前記(1)の発明において、前記
慣性走行時解放手段43によって一時解放される締結要
素Dは、自動変速機の締結要素であることも可能である
(請求項2に対応)。
【0023】(3) 前記(1)、または(2)の発明
において、前記締結要素Dは液圧回路により駆動され、
前記慣性走行時解放手段43は、車両の慣性走行状態時
における一時解放後、次回の締結までの間に、係合用液
圧を該締結要素Dの締結直前状態にまで上昇させておく
のが好ましい(請求項3に対応)。
【0024】
【作用】車両の走行中において、車両が慣性走行に移行
すると、トルクコンバータ4では、出力側の回転速度が
入力側の回転速度を上回ることとなる。
【0025】このため、前述した原因によりトルクコン
バータ4の入力側の液圧が出力側の液圧より大きくな
り、この液圧に妨げられてロックアップピストン3がコ
ンバータカバー10a側へ移動しにくくなり、ロックア
ップしにくくなる。
【0026】この場合に、前記した(1)の発明によれ
ば、コースト時に前記出力要素Cと車輪との間の締結要
素Dを一時解放する。これにより、タービンの回転数が
下がるので、コンバータ室20内の遠心油圧P2が下が
り。解放圧PRと係合圧PAの値が近づき、ロックアップ
し易くなる。
【0027】また、締結要素Dは専用のものを設けても
よいが、(2)の発明のように、自動変速機5内の既
存、かつ、締結中の締結要素のいずれかを一時解放させ
ることで(1)と同様、タービンの回転数が下がり、コ
ンバータ室20内の遠心油圧P2が下がり、解放圧PRと
係合圧PAの値が近づき、ロックアップし易くなる。
【0028】なお、慣性走行状態が解除されるとき、前
記締結要素Dも締結する必要がある。このとき、前記
(3)の発明のように、係合用液圧を該締結要素の締結
直前状態にまで上昇させておけば、締結ショックは小さ
くなる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 <実施例1>図1に本実施例に係るロックアップ機構付
きトルクコンバータ4を示す。トルクコンバータ4は自
動クラッチとして作動する他、トルクの増加作用をする
もので、通常、自動変速機に接続されて、オートマチッ
クトランスミッションを構成する。このトルクコンバー
タ4は、油圧回路、制御回路(コントロールユニット)
により駆動制御される。
【0030】<トルクコンバータ>トルクコンバータ4
は、図1に示したように、ポンプインペラ10(入力要
素)、タービンランナ11(出力要素)、ステータ12
(反力要素)の3つの羽根車を有している。
【0031】ポンプインペラ10はこれに連結したコン
バータカバー10aを介してエンジンのクランクシャフ
トによって駆動されている。タービンランナ11は、タ
ービンハブ13に取り付けられ、このタービンハブ13
は自動変速機の入力軸14(インプットシャフト)に連
結している。
【0032】ステータ12は、一方向クラッチ15を介
して、図1に示す中空固定軸16に取り付けられてい
る。この中空固定軸16の周囲は筒状軸17で包囲さ
れ、この中空固定軸16と筒状軸17との間に作動油供
給路18が設けられている。また、前記自動変速機の入
力軸14と中空固定軸16との間には、作動油戻り路1
9が設けられている。さらに、自動変速機の入力軸14
の中心を通って作動油通路23が設けられている。トル
クコンバータ4の内部には、作動油供給路18から供給
された作動油が通流し、その後、作動油戻り路19から
排出される。
【0033】<ロックアップクラッチ>トルクコンバー
タ4には、ロックアップクラッチ機構が設けられ、この
ロックアップ機構は、ロックアップピストン3を有す
る。このロックアップピストン3は、環状の円盤形で、
その内周が前記タービンハブ13外周に軸方向摺動自在
に取り付けられている。
【0034】このロックアップピストン3に対向して、
ポンプインペラ10と一体となったコンバータカバー1
0aの内面にクラッチフェーシング3aを有する。そし
て、ロックアップピストン3とタービンランナ11との
間にコンバータ室20が画成され、ロックアップピスト
ン3とコンバータカバー10aとの間にロックアップ室
21が画成され、コンバータ室20とロックアップ室2
1とは、ロックアップピストン3の外周において連通し
ている。そして、前記作動油供給路18から作動油戻り
路19に至る作動油流通路の途中に設けた図示しない保
圧弁によりコンバータ室20とロックアップ室21の各
液圧は通常一定に保たれる。
【0035】ロックアップピストン3はさらにトーショ
ナルダンパ22を介して前記タービンランナ11に駆動
結合されている。そして、図示しないオイルポンプカバ
ーに内蔵されたロックアップ制御バルブ24により制御
された油圧(ロックアップクラッチを締結する方向に作
用する係合圧)がコンバータ室20に加わるが、この係
合圧が、ロックアップ室21内の油圧(ロックアップク
ラッチを解放する方向に作用する解放圧)より大きくな
ると、ロックアップピストン3はタービンハブ13上を
軸方向に移動し、これによりコンバータカバー10aと
クラッチフェーシング3aとが接続する。
【0036】<自動変速機>図2は、トルクコンバータ
4に接続されて、オートマチックトランスミッションA
の後段を形成する自動変速機5である。
【0037】自動変速機5は、トルクコンバータの出力
軸に接続される入力軸14と、出力軸52間に、第1遊
星歯車組53及び第2遊星歯車組54を介装すると共
に、締結・解放の切替えにより変速を行うためのクラッ
チ及びブレーキを内蔵する。この第1遊星歯車組53は
第1サンギヤ53S、第1キャリヤ53C、第1リング
ギヤ53Rにより構成される。同様に第2遊星歯車組5
4は第2サンギヤ54S、第2キャリヤ54C、第2リ
ングギヤ54Rにより構成される。
【0038】上記クラッチ及びブレーキは入力軸14と
第1サンギヤ53Sの締結・解放を管理するリバースク
ラッチ(R/C)、その第1サンギヤ53Sとオートマ
チックトランスミッションのケースFとの締結・解放を
管理するバンドブレーキ(B/B)、入力軸14と第1
キャリヤ53Cの締結・解放を管理するハイクラッチ
(H/C)、第1キャリヤ53Cとオートマチックトラ
ンスミッションのケースFの締結・解放を管理するロー
アンドリバースブレーキ(LR/B)、第1キャリヤと
第2リングギヤ54Rの締結・解放を管理するフォワー
ドクラッチ(FWD/C)、により構成される。
【0039】自動変速機の入力軸14はトルクコンバー
タ4から駆動力を入力され、第2サンギヤ54Sに伝達
する。ここでは、入力軸14は更にハイクラッチ(H/
C)により第1キャリヤ53Cに結合可能とするととも
に、リバースクラッチ(R/C)により第1サンギヤ5
3Sに結合可能とする。第1サンギヤ53Sは更にバン
ドブレーキ(B/B)により固定可能とし、第1キャリ
ヤ53Cは更にローアンドリバースブレーキ(LR/
B)により固定可能とするとともにフォワードクラッチ
(FWD/C)により第2リングギヤ54Rに結合可能
とする。また、第1リングギヤ53R及び第2キャリヤ
54Cを相互に駆動結合し、これらを自動変速機の出力
軸52に結合する。出力軸52からの駆動力は、車輪に
伝達される。
【0040】具体的には、例えば4速時には、図6中の
締結要素のうちハイクラッチ(H/C)とバンドブレー
キ(B/B)とが作動中(動力を伝達中)であるが、こ
の時自動変速機の入力軸14より動力は、第1遊星車組
53において、締結中であるハイクラッチ(H/C)を
介して、第1キャリヤ53Cを公転させる。
【0041】そして、その第1キャリヤ53Cが軸支す
る第1プラネタリギヤ53Pと噛合する第1サンギヤ5
3Sの軸がバンドブレーキ(B/B)によりオートマチ
ックトランスミッションのケースFに固定されているた
め第1キャリヤ53C(第1プラネタリギヤ53P)
は、公転・自転しながら第1リングギヤ53Rを回転駆
動させる。その際、第1リングギヤ53Rは、第1キャ
リヤ53Cによりその公転分駆動され、第1プラネタリ
ギヤ53Pによりその自転分さらに送り込まれるので、
トルクコンバータ4からの本来の動力の回転数(第1キ
ャリヤ53Cの回転数に等しい)に対して、第1プラネ
タリギヤ53Pの自転分の増速が行われていることにな
る。
【0042】一方、第2遊星歯車組54においては、動
力は第2サンギヤ54Sに入力されるものの、第1遊星
歯車組53におけるバンドブレーキ(B/B)のような
外部との固定要素が存在しないため、第2プラネタリギ
ヤ54P及び第2リングギヤ54Rとも空転をするばか
りで動力の伝達が一切行われない。尚、図2より第2キ
ャリヤ54Cは第1リングギヤ53Rと直結状態にある
のが分かるが、自らが軸支する第2プラネタリギヤ54
Pが前述のように空転しているので一連の動力伝達に寄
与していない状態にある。
【0043】以下同様に各変速段において検討を加える
と、表1に示すような締結を行えばそれぞれの変速段を
構成できることが分かる(○印は各締結要素が各変速段
において締結状態であることを表し、空欄は解放状態を
表している)。
【0044】
【表1】
【0045】<ロックアップ制御機構>本実施例では、
リバースクラッチ(R/C)、バンドブレーキ(B/
B)、ハイクラッチ(H/C)、ローアンドリバースブ
レーキ(LR/B)、フォワードクラッチ(FWD/
C)のいずれか一つが制御対象の締結要素(D)として
利用される。なお、これらクラッチやブレーキは液圧に
よって作動する液圧アクチュエータで締結・解放される
ようになっている。この制御は以下に述べる油圧回路を
コントロールユニットで制御することで行われる。
【0046】<油圧回路>ここで、トルクコンバータ4
制御のための油圧回路を図3、図4に従って説明する。
【0047】図3、図4に示したように、油圧回路は、
各種油圧装置へと油圧(ライン圧)を供給する油圧源と
してのオイルポンプ30、このオイルポンプ30から供
給される作動油をトルクコンバータ4や自動変速機の油
圧制御装置へと配分するプレッシャレギュレータバルブ
31、このプレッシャレギュレータバルブ31からトル
クコンバータ4へ供給されるトルクコンバータ作動圧
(以下、アプライ圧あるいはコンバータ圧という)を制
御してロックアップ制御を行うロックアップ制御バルブ
24、このロックアップ制御バルブ24の作動制御を行
うロックアップソレノイド25、オイルポンプ30から
供給される油圧(ライン圧)を制御するライン圧ソレノ
イド34、トルクコンバータ4の作動油をドレーンする
逃がしバルブ35を備えている。
【0048】オイルポンプ30から供給される作動油
は、プレシャレギュレータバルブ31を介して、トルク
コンバータ4の作動油供給路18へと供給される。作動
油供給路18から供給される作動油はポンプインペラ1
0を通過し、タービンランナ11を回転させた後、作動
油戻り路19を通って逃がしバルブ35からドレーンさ
れる。
【0049】一方、タービンランナ11を通過した作動
油の一部は前記コンバータ室20を経由してロックアッ
プ室21へと至り、さらには自動変速機の入力軸14の
中心を通る作動油通路23を経て、ロックアップ制御バ
ルブ24の側面に設けた第1ポート24aへと至る。
【0050】ロックアップ制御バルブ24は、シリンダ
形状をしたバルブ本体の側面に、前記第1ポート24a
の他に、プレッシャレギュレータバルブ31からの液圧
を受ける第2ポート24bとドレンポート24cを有
し、またバルブ本体の一端面に制御ポート24dを有
し、他端面にスプリング24eを有する。
【0051】また、バルブ本体内部に、摺動自在のバル
ブピストン24fを有する。
【0052】<コントロールユニット>前記ロックアッ
プソレノイドは、マイクロコンピュータを備えたコント
ロールユニット33(ATCU)によって駆動制御され
る。
【0053】コントロールユニット33には、エンジン
の回転数(Ne)(ポンプインペラ回転数)を検出する
エンジン回転センサ47、入力軸14(タービンランナ
11)の回転数(Nt)を検出するタービン回転センサ
48、自動変速機の出力軸52の回転数を検出する自動
変速機の出力軸回転センサ57、スロットル開度Tvo
を検出するスロットル開度センサ58、作動油の温度T
atを検出する油温センサ59などが接続されている。
また、コントロールユニットには、車速センサからの車
速情報Vsや、スイッチ信号よりアイドルスイッチ(I
dleSW)のON/OFF情報も入力される。
【0054】コントロールユニット33は、これらの取
り込まれた信号を基に、ロックアップクラッチの締結指
令を出したり、あるいは、自動変速機の、各々の締結要
素の締結・解放をアクチュエータ60に信号を出力する
ことにより変速制御を行う。
【0055】そして、コントロールユニット33は、図
1に示したように、エンジン回転センサ47とタービン
回転センサ48とからトルクコンバータ4への入出力速
度比(Nt/Ne)を算出する入出力速度比検出手段4
1と、入出力速度比検出手段41から得た入出力速度比
から走行する車両が慣性走行状態(コースト状態)か否
かを検出する慣性走行状態検出手段42と、車両走行が
慣性走行状態であると判定されたとき、前記締結要素D
を一時解放させる慣性走行時解放手段43とを有する。
【0056】なお、エンジン回転数(Ne)を検出する
エンジン回転センサ47はエンジン1に接続されたクラ
ンクシャフトに設け、タービンランナ11の回転数(N
t)を検出するタービン回転センサ48はトルクコンバ
ータ4の出力軸であるインプットシャフト14に設ける
ことができる。
【0057】前記慣性走行状態検出手段42は、入出力
速度比検出手段41で検出した速度比(Nt/Ne)が
1より大きいとき慣性走行状態であると判定する。な
お、前記スロットル開度センサ58によりアクセルペダ
ルが釈放されたことを検出することで慣性走行状態であ
ると判断してもよい。
【0058】前記慣性走行時解放手段43は、前記慣性
走行状態検出手段42が慣性走行状態を検出結果と、前
記入出力速度比検出手段41からの速度比(Nt/N
e)情報とを受け、慣性走行状態であるとき、前記油圧
回路の液圧制御手段(例えば液圧制御用アクチュエー
タ)60を制御し、前記締結要素Dの駆動用アクチュエ
ータを制御して、前記締結要素Dとしてのリバースクラ
ッチ(R/C)、バンドブレーキ(B/B)、ハイクラ
ッチ(H/C)、ローアンドリバースブレーキ(LR/
B)、フォワードクラッチ(FWD/C)のいずれか一
つを解放する。
【0059】<変速の制御>前記コントロールユニット
33(ATCU)は、以下のプログラムを実行すること
により変速制御を行う。
【0060】オートアップ時(自動変速の機能のうち変
速段が上がる状態)の上記ギヤトレーンの変速制御によ
る1→2変速の場合は、上記表1から明らかなようにロ
ーアンドリバースブレーキ(LR/B)を解放し、バン
ドブレーキ(B/B)を締結することで達成される。同
様に、2→3変速の場合は、バンドブレーキ(B/B)
を解放しハイクラッチ(H/C)を締結することで、ま
た3→4変速の場合は、フォワードクラッチ(FWD/
C)を解放しバンドブレーキ(B/B)を締結すること
で、それら変速は達成される。
【0061】変速制御は、対応変速段に応じた締結要素
を締結・解放するための油圧を操作可能なアクチュエー
タ60に対する制御により行われる。前記アクチュエー
タ60は、変速段選択のためのシフトソレノイド等を含
む変速制御油圧回路を形成するコントロールバルブ部を
有して構成でき、これは変速制御用コントロールユニッ
ト(ATCU)による制御の下、必要な作動圧を制御圧
として生成し該当締結要素の締結・解放切換えをなす。
【0062】<実施例1の作用>以下、本実施例の作用
について説明する。 <非ロックアップ時>通常、オイルポンプ30からのラ
イン圧は、プレッシャレギュレータバルブ31を介し、
アプライ圧(コンバータ圧)としてポンプインペラ10
からタービンランナ11を経由し、コンバータ室20へ
と供給される。ロックアップソレノイド25により、ロ
ックアップ制御バルブ24の制御ポート24dに加わる
制御圧Psが遮断されると、バルブピストン24fを図
3における下方に移動する。
【0063】その結果、ロックアップ室21内の解放圧
PRは、コンバータ室20内のコンバータ圧(アプライ
圧)と等しくなる。このため、ロックアップピストン3
はコンバータカバー10aに押し付けられることなく、
トルクコンバータ4はいわゆるコンバータ状態で動力伝
達を行う。
【0064】<ロックアップの作動>車両が規定車速以
上になって、トルクコンバータ4のいわゆる”すべり”
による損失を少なくする必要が生じた場合、コントロー
ルユニット33からの指令で、ロックアップソレノイド
25がロックアップ制御バルブ24への制御液圧を高く
し、図4に示したように、バルブピストン24fを図の
上方へと移動せしめる。
【0065】その結果、ロックアップ室21の作動油
は、作動油通路23、第1ポート24aを介してドレン
ポート24cから排出される。このため、ロックアップ
室21内の解放圧PRは0になり、ロックアップピスト
ン3はコンバータ室20内のアプライ圧(コンバータ
圧)でコンバータカバー10a側へと押し付けられる。
この結果、ロックアップピストン3はタービンハブ13
上の軸上をエンジン側へと移動し、クラッチフェーシン
グ3aがコンバータカバー10aに接続する。以後は、
入力要素と出力要素とが直結状態となって、エンジンの
動力は、エンジン→コンバータカバー10a→クラッチ
フェーシング3a→ロックアップピストン3→タービン
ハブ13→自動変速機の入力軸14へと直結状態で伝達
される。この状態をいわゆるロックアップ状態という。
【0066】<車両走行状態がロックアップ動作に与え
る影響>先に、「非ロックアップ時」においては、ロッ
クアップ室21内の解放圧PRとコンバータ室20内の
コンバータ圧(アプライ圧)とはほぼ等しい、と説明し
た。
【0067】厳密には、トルクコンバータ4のロックア
ップ室21内の油圧と、ロックアップ室21内の油圧
は、「非ロックアップ時」であっても車両の走行状態に
よって異なる。これは、入力要素B,出力要素Cの回転
に伴って生じる遠心力による。この油圧の差異はその後
のロックアップ制御に影響を与える。
【0068】以下、アクセルペダルを踏んでエンジンを
駆動しているドライブ走行時と、アクセルペダルを釈放
して慣性走行しているコースト時とに分けて説明する。
【0069】{ドライブ走行時}図5は、ドライブ時に
おけるロックアップ室21内の解放圧PRとコンバータ
室20内のコンバータ圧(アプライ圧)とを比較した模
式図である。
【0070】ここで、コンバータカバー10aはエンジ
ンの回転数(Ne)と同一の回転数(N1)で回転して
いるものとする。また、タービンランナ11の回転数
(Nt)は(N2)であるとする。このときロックアッ
プ室21内の作動油全体の回転数の平均値として(N1
+N2)/2が与えられる。
【0071】すると、コンバータ室20内の作動油には
Ntに起因する遠心力F2が生起し、ロックアップ室2
1内の作動油には(N1+N2)/2に起因する遠心力F
1が生起している。これら遠心力による圧力は、ロック
アップ室21内の解放圧PRとコンバータ室20内のコ
ンバータ圧(アプライ圧)とを減圧する。
【0072】すなわち、ロックアップ室21内の作動油
に加わる遠心力により生起する圧力P1は P1=(γ/2g)(ro 2−ri 2)〔(2π/60)
{(N1+N2)/2}〕2 γ :作動油の比重 ro:ロックアップピストンの直径 ri:ロックアップピストンの内径 であり、ロックアップ室、コンバータ室のピストンの最
外周部での液圧P0からこのP1を差し引いた値PRが遠
心力の影響を受けたロックアップ室21内の現実の油圧
である。
【0073】これに対し、コンバータ室20内の作動油
に加わる遠心力により生起する圧力P2は P2=(γ/2g)(ro 2−ri 2)〔(2π/60)
22 であり、前記液圧P0からこのP2を差し引いた値PAが
遠心力の影響を受けたコンバータ室20内の現実の油圧
である。
【0074】ドライブ時のロックアップ室21内油圧P
Rとコンバータ室20内油圧PAとを比較すると、ドライ
ブ時はエンジン回転数(Ne=N1)の方が、タービン
回転数(Nt=N2)より大きいので、 (N1+N2)/2 > N2 という関係式が成り立ち、よって、 P1>P2 とな
る。PR=P0−P1であり、PA=P0−P2であるから、
PR<PAとなる。
【0075】このように、ドライブ走行時には、コンバ
ータ室20内の油圧の方が、ロックアップ室21内の油
圧より大きい。従って、前記のようにしてロックアップ
制御をする場合も、なんら問題なくロックアップピスト
ン3をコンバータ室20側からロックアップ室21側へ
と移動できる。
【0076】{コースト時}これに対し、図6は、アク
セルペダルを釈放して慣性走行に入った場合(コースト
状態)におけるロックアップ室21内の解放圧PRとコ
ンバータ室20内のコンバータ圧(アプライ圧)とを比
較した模式図である。
【0077】コースト時のロックアップ室21内油圧P
Rとコンバータ室20内油圧PAとを比較すると、コース
ト時はタービン回転数(Nt=N2)の方がエンジン回
転数(Ne=N1)より大きいので、 (N1+N2)/2 < N2 という関係式が成り立ち、よって、 P1<P2 とな
る。PR=P0−P1であり、PA=P0−P2であるから、
PR>PAとなる。
【0078】このように、コースト時には、ロックアッ
プ室21内の油圧の方がコンバータ室20内の油圧より
大きい。従って、前記ロックアップ制御をする場合、ド
ライブ時に比較して、ロックアップピストン3をコンバ
ータ室20側からロックアップ室21側へと移動するの
に、より大きな力と時間を要する。
【0079】すなわち、ロックアップは、ロックアップ
室21内の解放圧PRをドレーンし、ロックアップピス
トン3をコンバータ室20内のアプライ圧(コンバータ
圧)でコンバータカバー10a側へと押し付けることに
より行うのであるから、コースト時にも原則としてロッ
クアップ動作は可能である。
【0080】しかし、上記のようなPR>PAという関係
にあるので、図7のような関係となって、ドライブ走行
時に比較して、ロックアップにより大きな力と時間を要
するのである。
【0081】また、解放側いっぱいにまで押されている
ロックアップピストン3を締結側に動かし始めるには、
その押力に打ち勝つだけの力をフェーシング部の圧力降
下(粘性流体の流路抵抗損失)によって発生させる必要
があるが、このときフェーシング隙間は最大となってい
るため、必要な圧力降下を選るにはかなりの流量が必要
となる。
【0082】また、その流量が確保でき、ロックアップ
ピストン3が締結側に動き始めると、フェーシング部の
隙間が小さくなるにつれて圧力損失は増し(図8のB
部)、ロックアップピストン3の締結側の押力も増すた
め、一度ロックアップピストン3が動き出すと急激に締
結してしまい、締結ショックを生じる。
【0083】<コースト時におけるロックアップ動作>
次に、本実施例における、慣性走行状態におけるロック
アップ制御を図9、図10に基づき説明する。
【0084】まず、ロックアップ前において、前記締結
要素Dは締結しており、前記締結要素Dの液圧アクチュ
エータに印加される液圧CPは、図10において、CP
1で示される。
【0085】入出力速度比検出手段41においてタービ
ン回転数Ntとエンジン回転数Neとの速度比(e=N
t/Ne)を算出する(ステップ100)。この算出さ
れたeの値が1よりも大きいか否かを、慣性走行状態検
出手段42において判定する(ステップ101)。慣性
走行状態では図9に示したように、タービン回転数Nt
の方がエンジン回転数Neより大きい。よって、eの値
が1よりも大きいとき慣性走行状態と判別する。
【0086】慣性走行状態であるとされたとき、次にロ
ックアップ締結をすべき領域かどうかの判別を行う(ス
テップ102)。ここで、ロックアップ領域と判別され
たとき、ギヤ位置を判断し(ステップ103)、ギヤ位
置に応じて前記締結要素Dの締結力解除制御を行う。す
なわち、3速のときはフォワードクラッチ(FWD/
C)又はハイクラッチ(H/C)を一時解放し(ステッ
プ104)、また、4速のときはハイクラッチ(H/
C)又はバンドブレーキ(B/B)を一時解放する(ス
テップ105)。同時に、前記のようにロックアップ制
御がなされ、図10のt1においてロックアップ制御が
開始される。この一時解放のためCPは、締結力発生臨
界圧CP2にまで落ちる。
【0087】ここで、前記締結要素Dが一時解放される
と、タービンに自動変速機からの回転力が加わらなくな
るので、タービン回転数が作動流体の抵抗を受けて下が
り、これによりコンバータ室20内の遠心油圧が下が
る。その結果、解放圧と係合圧の値が近づき、フェーシ
ング部の圧力損失が小さくてもすなわちコンバータ室か
らロックアップ室へのアプライ流量が小さくてもロック
アップピストン3が締結側へと動き易くなる。その結
果、ロックアップピストン3が締結可能となりロックア
ップする。
【0088】その後、ロックアップ締結が終了したかど
うかの判別を行う(ステップ106)。ロックアップ締
結は、図10のt2時点で完了するが、このとき、ター
ビン回転数Ntとエンジン回転数Neとは同一速度にな
るので、前記速度比(e=Nt/Ne)が1か否かを判
定すれば締結の有無を検出できる。
【0089】ロックアップ締結が終了したら、前記締結
要素Dを締結する必要がある。この締結にあたっては、
事前に前記締結要素Dの液圧アクチュエータに印加され
る液圧を、図10のCP3のように、クラッチが締結す
る直前の液圧にまで徐々に高くしておく(ステップ10
7)。
【0090】このように液圧を予圧しておくことによ
り、再度コンバータ制御用締結要素を締結するとき、締
結ショックが少なく、かつ、迅速な締結が可能となる。
以上のように実施することによりコーストロックアップ
を実現可能とし、以後は再度ロックアップが解除される
までドライブ時と同様の環境が提供されることになる。
【0091】尚、本実施例において、3速時、4速時を
例にして作用を説明したものだが、他の変速段時でロッ
クアップの必要性がある場合、同様に制御することが可
能であり、その際は制御対象となるクラッチあるいはブ
レーキが、表1に従って以下のように変わるだけであ
る。 2速時:フォワードクラッチ(FWD/C),バンドブ
レーキ(B/B) 1速時:フォワードクラッチ(FWD/C),ローアン
ドリバースブレーキ(LR/B) 後退時:ローアンドリバースブレーキ(LR/B),リ
バースクラッチ(R/C)
【0092】<実施例2>次に、本発明の第2の実施例
を説明する。本実施例においては、コンバータ制御用締
結要素のみ実施例1と異なり、他の構成は実施例1と同
様である。
【0093】<ロックアップ制御機構>図11に示しす
ように、前記トルクコンバータの出力軸と自動変速機の
入力軸との間に、前記締結要素Dとしてのコンバータ制
御用クラッチが設けられ、このクラッチは、液圧によっ
て作動する液圧アクチュエータで締結・解放されるよう
になっている。
【0094】そして、コースト時に、前記締結要素Dを
一時解放することで、前記実施例1と同様の効果を得
る。図9を参照すると、ステップ102でロックアップ
締結領域であると判定されると、この実施例2では、ギ
ア位置の判定は行わず、図9のステップ104、105
の代わりに、前記締結要素Dの制御用液圧アクチュエー
タを作動してこのクラッチDを一時解放する。他の点は
図9に同じである。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、慣性走行状態(コース
ト状態)において、トルクコンバータのロックアップク
ラッチを締結しやすくし、衝撃が生じる等の現象の発生
を抑えることができる。
【0096】そして、これにより、コースト時にもエン
ジンブレーキ効果の享受が可能となる。それを従来の方
法で解決すると多大な量の作動油を必要とするという、
問題も合わせて解決することができる。
【0097】また、アクセルをオフにしたときのエンジ
ン回転数から、ある所定回転数に低下するまで燃料供給
をカットする燃料カット手段を備えた車両においては、
コースト時にロックアップを可能にし燃料カット時間を
長くすることが可能となるので、燃費向上を図ることが
できる。
【0098】また、締結要素Dは専用のものを設けるか
わりに、自動変速機5内の既存、かつ、締結中の締結要
素、すなわち、リバースクラッチ(R/C)、バンドブ
レーキ(B/B)、ハイクラッチ(H/C)、ローアン
ドリバースブレーキ(LR/B)、フォワードクラッチ
(FWD/C)のいずれか一つを、慣性走行時解放手段
43の制御により、一時解放させることで同様の効果
を、得ることができる。
【0099】また、ロックアップ締結が終了後の締結要
素Dの締結にあたっては、事前に前記締結要素Dの液圧
アクチュエータに印加される液圧を、クラッチが締結す
る直前の液圧にまで徐々に高くしておくことにより、再
度コンバータ制御用締結要素を締結するとき、締結ショ
ックが少なく、かつ、迅速な締結が可能となる。
【0100】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のトルクコンバータと制御ブロック
を示した図
【図2】 本発明の第1の実施例の構成図
【図3】 非ロックアップ時の油圧回路を示す図
【図4】 ロックアップ時の油圧回路を示す図
【図5】 ドライブ時における遠心力が与える影響を示
す模式図
【図6】 コースト時における遠心力が与える影響を示
す模式図
【図7】 ロックアップピストン解放時の圧力分布を示
す模式図
【図8】 ロックアップピストン締結時の圧力分布を示
す模式図
【図9】 本発明の第1の実施例の制御フローチャート
【図10】本発明のコンバータ制御用締結要素の締結力
発生臨界圧制御の説明図
【図11】本発明の第2の実施例の構成図
【符号の説明】
A・・・オートマチックトランスミッション B・・・トルクコンバータの入力要素 C・・・トルクコンバータの出力要素 D・・・締結要素 E・・・自動変速機内の締結要素群(クラッチ、ブレー
キ) F・・・オートマチックトランスミッションのケース 1・・・エンジン、 3・・・ロックアップピストン、 3a・・・クラッチフェーシング、 4・・・トルクコンバータ、 4・・・ロックアップ機構付きトルクコンバータ、 5・・・自動変速機 10・・・入力要素としてのポンプインペラ、 10a・・・コンバータカバー、 11・・・出力要素としてのタービンランナ、 12・・・ステータ、 13・・・タービンハブ、 14・・・自動変速機の入力軸(インプットシャフト) 15・・・一方向クラッチ、 16・・・中空固定軸、 17・・・筒状軸、 18・・・作動油供給路、 19・・・作動油戻り路、 20・・・コンバータ室、 21・・・ロックアップ室、 22・・・トーショナルダンパ、 23・・・作動油通路、 24・・・ロックアップ制御バルブ、 24a・・・第1ポート、 24b・・・第2ポート、 24c・・・ドレンポート、 24d・・・制御ポート、 24e・・・スプリング、 24f・・・バルブピストン、 24g・・・第2制御ポート、 24h・・・連通溝、 25・・・ロックアップソレノイド、 25a・・・可動プランジャ、 26・・・バルブ制御路、 29・・・ドレーン路、 30・・・オイルポンプ、 31・・・プレッシャレギュレータバルブ、 33・・・コントロールユニット、 34・・・ライン圧ソレノイド(液圧制御用アクチュエ
ータ)、 34a・・・ドレーン路、 35・・・逃がしバルブ、 41・・・入出力速度比検出手段、 42・・・慣性走行状態検出手段、 43・・・慣性走行時解放手段、 47・・・エンジン回転センサ、 48・・・タービン回転センサ、 52・・・自動変速機の出力軸 57・・・自動変速機の出力軸回転センサ 58・・・スロットル開度センサ 61・・・車速センサ(車速検出手段)、 PR・・・ロックアップ室内液圧(解放圧)、 PA・・・コンバータ室内液圧(係合圧)、 Ne・・・エンジン回転数、 Nt・・・タービン回転数、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)により回転駆動される入
    力要素(B)と、 この入力要素(B)の回転に伴って流動する流体で従動
    回転され、自動変速機を介してエンジンの出力を車輪に
    伝達する出力要素(C)と、 前記入出力要素間の流体中にあって、両面に受ける流体
    液圧の差圧により入力要素(B)と出力要素(C)とを
    係脱するロックアップピストン(3)と、 車両の走行状態に基づき前記ロックアップピストンの係
    脱を指令する制御信号を出力する制御手段と、 を有するトルクコンバータ(4)のロックアップ制御装
    置において、 前記出力要素の回転が入力要素の回転を上回る車両の慣
    性走行状態を検出する慣性走行状態検出手段(42)
    と、 該慣性走行状態検出手段が車両の慣性走行状態を検出
    し、且つ前記制御手段がロックアップピストンを係合さ
    せる制御信号を出力した時に前記出力要素(C)から車
    輪へ伝達されるエンジンの出力を、一時解放するよう締
    結要素(D)に指令する慣性走行時解放手段(43)
    と、 を設けたことを特徴とするトルクコンバータのロックア
    ップ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記慣性走行時解放
    手段(43)によって一時解放される締結要素(D)
    は、自動変速機の締結要素であることを特徴とするトル
    クコンバータのロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記締結要
    素(D)は液圧回路により駆動され、前記慣性走行時解
    放手段(43)は、車両の慣性走行状態時における一時
    解放後、次回の締結までの間に、係合用液圧を該締結要
    素(D)の締結直前状態にまで上昇させておくことを特
    徴とするトルクコンバータのロックアップ装置。
JP33472594A 1994-09-30 1994-09-30 トルクコンバータのロックアップ制御装置 Pending JPH08105510A (ja)

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JP (1) JPH08105510A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7055635B2 (en) 2003-01-21 2006-06-06 Suzuki Motor Corporation Electric power regeneration controller for hybrid vehicle
JP2015113710A (ja) * 2013-12-09 2015-06-22 日立建機株式会社 作業車両のエンジン制御装置
JP2015218693A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 ダイハツ工業株式会社 制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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