JP2795006B2 - エネルギー回生装置 - Google Patents

エネルギー回生装置

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JP2795006B2
JP2795006B2 JP27107591A JP27107591A JP2795006B2 JP 2795006 B2 JP2795006 B2 JP 2795006B2 JP 27107591 A JP27107591 A JP 27107591A JP 27107591 A JP27107591 A JP 27107591A JP 2795006 B2 JP2795006 B2 JP 2795006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等に適用され、
エンジン等の動力源からのエネルギーをフライホイール
の作動により有効に回生するエネルギー回生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエネルギー回生装置とし
ては、例えば、実開昭57−150244号公報(従来
例1),実開平1−136761号公報(従来例2),
特開昭49−65433号公報(従来例3)に記載のも
のが知られている。
【0003】上記従来例1には、その第1図に、クラッ
チ26を締結することによってフライホイール10を駆
動し(逆転増速機能)、クラッチ26を切ることによっ
てフライホイール10をフリーとする遊星歯車が示され
ている。
【0004】このシステムをエネルギー回生に使用する
場合、まず、エンジンブレーキ時にクラッチを締結し、
フライホイール及びエンジン回転を上昇させた後、クラ
ッチを切る。そして、フライホイールのエネルギを使用
する時には、運転者の要望に応じてクラッチを締結し、
トルクを伝達することで行なう。
【0005】上記従来例2には、無段変速機の入力源
を、フライホイールにするかエンジンにするかの選択を
クラッチで行なうシステムが示されている。
【0006】エンジンブレーキ時には、フライホイール
の回転に無段変速機の入力回転を合わせてフライホイー
ルクラッチを締結することでフライホイールを選択し、
無段変速の変速比を変化させてエンジンブレーキを効か
せる。また、蓄えたエネルギーを出力するには、同様に
フライホイールを選択し、無段変速機の変速比を変化さ
せて駆動力を得る。エンジンで駆動する場合、フライホ
イールクラッチを切り、無段変速機の回転数をエンジン
回転数に合わせてエンジンクラッチを締結し、エンジン
を選択することで行なう。
【0007】上記従来例3には、その第3図に、出力変
速機が流体トルクコンバータで、フライホイールの回転
制御のみを無段変速機で行なうシステムが示されてお
り、フライホイールへの駆動伝達系には、アイドル時に
エンジンからフライホイールにエネルギを蓄えるクラッ
チと、駆動軸からフライホイールにエネルギを蓄えるク
ラッチを有している。
【0008】この従来例3の場合にも、従来例2と同様
に、フライホイールを制御する無段変速機の変速比をク
ラッチの切換えと共に変える必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のエネルギー回生装置にあっては、いずれの装置も外
部から締結・解放するクラッチを有している為、このク
ラッチの締結・解放タイミングを制御しなければなら
ず、複雑な制御を要するという共通の問題がある。加え
て、各従来例には、下記に列挙する問題がある。
【0010】(1)従来例1は、エンジンを停止しなが
らのエネルギー回生はできない。
【0011】また、フライホイール回転数/変速機入力
回転数の比が歯車変速比より大きい時でないとトルクが
得られず、回転数差によりクラッチを滑らせながらトル
クを出すので、クラッチの発熱が大きい。
【0012】(2)従来例2は、エンジンとフライホイ
ールを同時に動力源とする時には、フライホイールクラ
ッチとエンジンクラッチを両方締結することになるが、
フライホイールの回転低下に伴なってエンジン回転も低
下するので加速時にエンジン馬力の全てを使えない。
【0013】(3)従来例3は、クラッチ解放→変速→
クラッチ締結の操作が必要で時間がかかるし、回転差が
もし発生するとクラッチ締結時にショックが出る。
【0014】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、動力源からのエネルギーを回生するフラ
イホイールを有するエネルギー回生装置において、複雑
な制御を全く要することなく、耐久信頼性を確保しなが
ら有効,迅速かつ円滑にエネルギーの回生を達成するこ
とを第1の課題とする。
【0015】また、上記第1の課題に加え、動力源の回
転停止時にも装置潤滑を保証することを第2の課題とす
る。
【0016】また、上記第1または第2の課題に加え、
フライホイールの過回転防止と共にフライホイールの高
速回転中に動力源制動トルクの発生を保証することを第
3の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るため請求項1記載のエネルギー回生装置では、ころが
り要素の3つの回転メンバのそれぞれにエネルギーを回
生するべく動力源と負荷と逆転防止機構を有するフライ
ホイールとの3要素を連結する構成とした。
【0018】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、動力源aが入力軸bを介して連結される第1回転メ
ンバcと、負荷dが出力軸eを介して連結される第2回
転メンバfと、第3回転メンバgに逆転防止機構hを介
して連結されるフライホイールiと、前記第1回転メン
バc,第2回転メンバf,第3回転メンバgがそれぞれ
連結され、前記動力源cから正の回転トルク入力時にフ
ライホイールiを減速し、前記動力源cから負の回転ト
ルク入力時にフライホイールiを加速する歯車もしくは
歯車に類するころがり要素jとを備えていることを特徴
とする。
【0019】上記第2の課題を解決するため請求項2記
載のエネルギー回生装置では、図1のクレーム対応図に
示すように、請求項1記載のエネルギー回生装置におい
て、前記負荷fが連結される第2回転メンバ系に、潤滑
オイルポンプkを設けたことを特徴とする。
【0020】上記第3の課題を解決するため請求項3記
載のエネルギー回生装置では、図1のクレーム対応図に
示すように、請求項1または請求項2記載のエネルギー
回生装置において、前記フライホイールiの回転系に、
フライホイールiの過回転を防止する制動機構mを設け
たことを特徴とする。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0022】動力源cから正の回転トルク入力時には、
ころがり要素jの第3回転メンバgに逆転防止機構hを
介して連結されるフライホイールiが減速され、フライ
ホイールiが回転している場合には、その回転エネルギ
ーが放出され、負荷dは動力源cとフライホイールiと
を合せたトルクにより駆動される。但し、フライホイー
ルiが停止している場合には、逆転防止機構hが作動し
てフライホイールiの停止状態が維持される。また、動
力源cから負の回転トルク入力時には、ころがり要素j
に連結されているフライホイールiが加速され、動力源
cの減速エネルギーがフライホイールiの回転エネルギ
ーに変換されて蓄えられる。そして、フライホイールi
の回転数は、ころがり要素jに連結される回転要素トル
クが一定の関係を保つように自動的に制御される。
【0023】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0024】負荷fが連結される第2回転メンバ系は、
動力源cが停止したとしてもフライホイールiが回転し
ている限りフライホイールiにより回転が維持される。
従って、負荷fが連結される第2回転メンバ系に設けら
れている潤滑オイルポンプkによって、フライホイール
iのみが回転している時にもころがり要素jや逆転防止
機構hの摩擦熱発生を抑えることができる。
【0025】請求項3記載の発明の作用を説明する。
【0026】動力源cからの入力トルク状況によりころ
がり要素jに連結されているフライホイールiの回転数
が非常に高くなった場合、フライホイールiの回転系に
設けられている制動機構mが作動し、フライホイールi
の過回転が防止される。さらに、フライホイール高回転
域で動力源cから負の回転トルク入力される時、フライ
ホイールiを加速回転させての動力源制動トルクの発生
が保証される。
【0027】
【実施例】
(第1実施例)構成を説明する。
【0028】図2は請求項1記載の本発明に対応する第
1実施例のエネルギー回生装置が適用された車両のパワ
ートレーンを示す概略図である。
【0029】車両のパワートレーンは、図2に示すよう
に、エンジン1(動力源に相当)と、エネルギー回生装
置2と、フルードカップリング3と、前後進切換装置4
と、トロイダル変速装置5と、プロペラシャフト6と、
ディファレンシャルギア7と、ドライブシャフト8,9
と、駆動輪10,11(フルードカップリング3,前後
進切換装置4及びトロイダル変速装置5で構成される無
段変速機CVTが負荷に相当)を備えている。
【0030】前記エネルギー回生装置2は、エンジン1
がダンパー2a,エンジンフライホイール2b及び入力
軸2cを介して連結される第1回転メンバ2dと、フル
ードカップリング3以下の負荷が出力軸2eを介して連
結される第2回転メンバ2fと、第3回転メンバ2gに
ワンウェイクラッチ2h(逆転防止機構に相当)を介し
て連結されるフライホイール2iと、前記第1回転メン
バ2d,第2回転メンバ2f,第3回転メンバ2gがそ
れぞれ連結され、前記エンジン1から正の回転トルク入
力時にフライホイール2iを減速し、前記エンジン1か
ら負の回転トルク入力時にフライホイール2iを加速す
るシングルピニオンプラネタリーギア2j(ころがり要
素に相当)を有して構成されている。尚、前記第1回転
メンバ2dはシングルピニオンプラネタリーギア2jの
リングギアに連結される回転メンバであり、前記第2回
転メンバ2fはシングルピニオンプラネタリーギア2j
のピニオンキャリアに相当する回転メンバであり、前記
第3回転メンバ2gはシングルピニオンプラネタリーギ
ア2jのサンギアに連結される回転メンバである。
【0031】前記フルードカップリング3は、前記出力
軸2eに連結されるカップリングカバー3aと、該カッ
プリングカバー3aに設けられたポンプインペラ3b
と、該ポンプインペラ3bの対向位置に配置されたター
ビンランナ3cと、該タービンランナ3cにダンパー3
dを介して連結された出力軸3eと、該出力軸3eと前
記カップリングカバー3aとを直結可能なロックアップ
クラッチ3fとを有して構成されている。尚、ロックア
ップクラッチ3fは、走行条件等に応じて締結・解放の
制御が行なわれる。
【0032】前記前後進切換装置4は、ダブルプラネタ
リーギア4aと、該ダブルプラネタリーギア4aのピニ
オンキャリア4bと前記出力軸3eとを締結可能なフォ
ワードクラッチ4cと、前記ダブルピニオンプラネタリ
ーギア4aのリングギアをケース4dに静止可能なリバ
ースブレーキ4eと、前記ピニオンキャリア4bに直結
された出力軸4fとを有して構成されている。尚、ダブ
ルピニオンプラネタリーギア4aのサンギアには出力軸
3eが直結される。
【0033】前記トロイダル変速装置5は、前記出力軸
4fに連結される入力ディスク5aと、前記プロペラシ
ャフト6に連結される出力ディスク5bと、両ディスク
5a,5bの対向面間に摩擦接触されるパワーローラ5
cとを有して構成されている。尚、前記パワーローラ5
cは、実開昭63−92859号公報等に開示されるよ
うに、図外のコントロールバルブ及び油圧アクチュエー
タを介して、車速やスロットル開度等の車両運転条件に
応じて傾斜され、もって入力ディスク5aと出力ディス
ク5bとの変速比を無段階に変更するようにしている。
【0034】作用を説明する。
【0035】図3は第1実施例のエネルギー回生装置2
の作用説明図であり、図4はシングルピニオンプラネタ
リーギア2jに連結されるエンジン(DRIVE),C
VT(LOAD),フライホイール(F/W)の各回転
要素の回転数関係を示す共線図である。
【0036】例えば、具体的な仕様設定を下記の通りと
する。
【0037】 最大エンジン回転数 6000rpm 最大無段変速機入力回転数 8000rpm 最大フライホイール回転数 12000rpm 遊星歯車比 α=0.5 そして、エンジントルクをTE ,CVT入力トルクをT
C ,フライホイールトルクをTF とした場合、CVTが
連結される第2回転メンバ2fの回りのモーメントは、 TF =α・TE …(1) フライホイール3iが連結される第3回転メンバ2gの
回りのモーメントは、 TC =(1+α)TE …(2) という関係、即ち、α=0.5としていることで、フラ
イホイールトルクTF はエンジントルクTE の0.5倍
であり、CVT入力トルクTC は、常にエンジントルク
TE の1.5倍となるようにバランスする。
【0038】(イ)車両発進時 フォワードクラッチ4cを解放状態にしたままエンジン
1を始動した場合、エンジン1の回転トルクが正である
ことでフライホイール2iが逆転方向の減速回転しよう
とするが、第3回転メンバ2gの逆転に対してはワンウ
ェイクラッチ2hが機械的に駆動し、フライホイール2
iは停止の状態のままとなる。
【0039】その後、フォワードクラッチ4cの締結時
には、シングルピニオンプラネタリーギア2jが減速ギ
ア(リングギア入力,キャリア出力,サンギア固定)と
して作用し、上記(2) の式により減速比が1.5になる
ことで、エンジン1のトルクの1.5倍のトルクが発進
トルクとして無段変速機CVTへ入力されることにな
る。
【0040】(ロ)車両走行時 フォワードクラッチ4cを締結したまま適宜アクセル操
作を行ないながらの車両走行時には、下記の様にエネル
ギ回生作用が発揮される。
【0041】まず、アクセル足離し操作やダウンシフト
方向の変速等でエンジン1でトルク吸収させることによ
りエンジン1から負の回転トルクがエネルギー回生装置
2に入力される時は、フライホイール2iが加速回転し
(図4)、負荷の減速エネルギーがフライホイール2i
に回転エネルギーとして蓄えられる。つまり、上記(1)
の式により、エンジントルクの0.5倍のトルクでフラ
イホイール2iが加速回転させられることになると共
に、上記(2) の式により、無段変速機CVTに対しては
エンジントルクの1.5倍の負の回転トルク(エンジン
ブレーキトルク)が加わることになる。
【0042】まず、アクセル踏み込み操作やアップシフ
ト方向の変速等でエンジン1の出力トルクを上昇させる
ことによりエンジン1から正の回転トルクがエネルギー
回生装置2に入力される時は、フライホイール2iが減
速回転し(図4)、フライホイール2iに蓄えられてい
た回転エネルギーが放出される。つまり、上記(1) の式
により、エンジントルクの0.5倍のトルクでフライホ
イール2iが減速回転させられることになると共に、上
記(2) の式により、無段変速機CVTに対してはエンジ
ントルクの1.5倍の正の回転トルク(駆動トルク)が
加わることになる。
【0043】上記のように、走行中においては、エンジ
ン1の回転トルクの方向が負か正かにより、フライホイ
ール2iへの回転エネルギー蓄積とフライホイール2i
からの回転エネルギー放出とが行なわれることになる。
【0044】そして、この走行中におけるフライホイー
ル2iの回転数は、何ら外部からの制御を行なうことな
く、常に無段変速機CVTへの出力トルクがエンジント
ルクの1.5倍となるように自動的に回転制御されるこ
とになる。
【0045】尚、無段変速機CVTへの最大出力は、エ
ンジン回転数=6000rpm,フライホイール回転数
=12000rpm,CVT入力回転数=8000rp
mの時で、エンジン馬力の2倍を出すことができる。
【0046】(ハ)エンジン停止時 エンジン停止直後であって、フライホイール2iが回転
している場合、シングルピニオンプラネタリーギア2j
は、リングギアが固定された減速機(減速比は3)とな
る為、フライホイール2iからの回転エネルギーを用い
て、フライホイール2iの単独によるエネルギー回生走
行が可能となる。尚、フライホイール2iの回転数が最
大の時には図4の特性Aとなる。
【0047】(ニ)フライホイール回転系ロック時 フライホイール2iやワンウェイクラッチ2hが焼き付
き等によりロックされた場合、シングルピニオンプラネ
タリーギア2jは、サンギアが固定された減速機(減速
比は1.5)となる為、エンジン1のみの駆動で走行が
可能となり、フライホイール回転系のロック時にフェー
ルセーフが成立する。尚、エンジン1の回転数が最大の
時には図4の特性Bとなる。
【0048】効果を説明する。
【0049】(1)エンジン1からのエネルギーを回生
するフライホイール3iを有するエネルギー回生装置2
において、シングルピニオンプラネタリーギア2jの3
つの回転メンバ2d,2f,2gのそれぞれにエネルギ
ーを回生するべくエンジン1と負荷としての無段変速機
CVTとワンウェイクラッチ2hを有するフライホイー
ル2iとの3要素を連結する構成とした為、フライホイ
ール2iの回転数が回転要素間で所定のトルク関係が常
に得られるように自動的に制御されることで従来技術の
ように複雑な制御を全く要することなく、しかも、従来
技術のようにクラッチの発熱が無く耐久信頼性を確保し
ながら、エンジン1から負の回転トルク入力時に有効に
エネルギーを蓄積し、エンジン1から正の回転トルク入
力時に迅速かつ円滑にエネルギーを放出することができ
る。
【0050】(2)第1実施例のエネルギー回生装置2
を車両の無段変速機CVTに組み合せて適用した為、フ
ライホイール2iの単独によるエネルギー回生走行がで
きるし、また、フライホイール回転系のロック時にエン
ジン駆動走行が確保されるというフェールセーフも達成
できる。
【0051】(3)フライホイール2iの回転数が常に
無段変速機CVTへの出力トルクがエンジントルクの
1.5倍となるように自動的に回転制御されるフライホ
イール2iを有するエネルギー回生装置2を車両の無段
変速機CVTに組み合せて適用した為、トロイダル変速
装置5の無段変速を行なう場合、容易に変速制御を行な
うことができる。
【0052】ちなみに、変速制御作動の流れをフローチ
ャートに示すと、図5の様になり、ステップ50でフラ
イホイール回転数NF を読み込み、ステップ51でその
時の目標エンジン回転数NE をスロットル開度等から求
め、ステップ52で目標CVT入力回転数NC をステッ
プ枠内に記載の式により算出し、ステップ53で目標C
VT入力回転数NC に基づいて変速比を決定し、ステッ
プ54で決定した変速比が得られる変速制御指令を出力
することで変速制御を行なうことができる。
【0053】以下、第1実施例の変形例について説明す
る。
【0054】図6はカップリング内蔵型のエネルギー回
生装置を示す概略図である。図2において、エネルギー
回生装置2とフルードカップリング3とを独立して配置
したのに対し、図6はフルードカップリング3にエネル
ギー回生装置2を内蔵したもので、この場合は、軸方向
寸法の短縮化が図れる。
【0055】図7はダブルピニオンプラネタリーギア型
のエネルギー回生装置を示す概略図である。この例で
は、ころがり要素としてダブルピニオンプラネタリーギ
ア2kを用い、第1回転メンバ2dがピニオンキャリア
に相当する回転メンバとし、第2回転メンバ2fがリン
グギヤに連結される回転メンバとしている。
【0056】機能的には、上記第1実施例と全く同じで
あり、α=0.5とすると、CVT入力トルクはエンジ
ントルクの2倍となる。
【0057】図8はディファレンシャルギア型のエネル
ギー回生装置を示す概略図である。この例では、ころが
り要素としてディファレンシャルギア2mを用い、入力
軸2cが第1回転メンバを兼用して一方のサイドギアに
連結され、第2回転メンバ2fがディファレンシャルケ
ースに相当し、出力ギア2nを介して出力軸2eに連結
され、第3回転メンバ2gが他方のサイドギアに連結さ
れる軸に相当する。この場合、共線図は、図9に示すよ
うになり、CVT入力トルクはエンジントルクの2倍と
なる。また、NFmax=12000rpm,NEmax=60
00rpm,NCmax=9000rpmとした場合、エン
ジン馬力の3倍が得られる。
【0058】(第2実施例)構成を説明する。
【0059】図10は請求項1及び請求項2記載の本発
明に対応する第2実施例のエネルギー回生装置示す概略
図である。
【0060】第2実施例のエネルギー回生装置2は、図
10に示すように、第1実施例装置に加え、無段変速機
CVTが連結される出力軸2eに潤滑オイルポンプ21
を設けると共に、エンジン1が連結される入力軸2cに
潤滑オイルポンプ21の回転を保証するワンウェイクラ
ッチ22を設けている。尚、装置カバー23によって、
エンジンフライホイール室23aと、ギアトレーン室2
3bと、フライホイール室23cと、オイルポンプ室2
3dとに画成されている。
【0061】作用を説明する。
【0062】無段変速機CVTが連結される出力軸2e
は、エンジン1が停止したとしてもフライホイール2i
が回転している限りフライホイール2iにより回転が維
持される。
【0063】従って、無段変速機CVTが連結される出
力軸2eに設けられている潤滑オイルポンプ21によっ
て、エンジン1の回転駆動時は勿論のことフライホイー
ル2iのみが回転している時にも、オイルポンプ室23
dからギアトレーン室23bへオイルを供給することで
シングルピニオンプラネタリーギア2jやワンウェイク
ラッチ2h,22の摩擦熱発生を抑えることができる。
【0064】効果を説明する。
【0065】第1実施例装置の効果に下記の効果が加わ
る。
【0066】(4)無段変速機CVTが連結される出力
軸2eに潤滑オイルポンプ21を設けた為、エンジン1
の回転停止時にも装置潤滑を保証することができる。
【0067】(5)第2実施例のエネルギー回生装置2
と無段変速機CVTとを組み合せて適用した場合、無段
変速機CVTに設けられるオイルポンプを出力軸2eに
設けられた潤滑オイルポンプ21に置き換えることがで
きる。
【0068】以下、第2実施例の変形例について説明す
る。
【0069】図11はシングルピニオンプラネタリーギ
ア2jの側部に第2回転メンバ2fに連結して潤滑オイ
ルポンプ21を設けたエネルギー回生装置を示す概略図
である。この場合、図10の例に比べ装置の軸方向寸法
の短縮化が可能である。
【0070】図12は図7に示すエネルギー回生装置の
出力軸2eに潤滑オイルポンプ21及びワンウェイクラ
ッチ22を設けた第2実施例のエネルギー回生装置を示
す概略図である。
【0071】図13は図8に示すエネルギー回生装置の
出力軸2eに潤滑オイルポンプ21及びワンウェイクラ
ッチ22を設けた第2実施例のエネルギー回生装置を示
す概略図である。
【0072】(第3実施例)構成を説明する。
【0073】図14は請求項1,請求項2及び請求項3
記載の本発明に対応する第3実施例のエネルギー回生装
置を示す概略図である。
【0074】第3実施例のエネルギー回生装置は、図1
4に示すように、図11に示す装置のフライホイール回
転系と装置カバー23との間に油圧ブレーキ24(制動
機構に相当)を設けている。
【0075】作用を説明する。
【0076】フライホイール2iが高速で回転すると、
フライホイール2iに近接するピトー管24aで発生し
た圧力がブレーキピストン室24bに導入され、リター
ンスプリング24cに打ち勝ってピストン24dがスト
ロークし、多板ブレーキ24eを締結させることで、フ
ライホイール2iを制動し、フライホイール2iの過回
転を抑制する。
【0077】効果を説明する。
【0078】第1,第2実施例装置の効果に下記の効果
が加わる。
【0079】(6)フライホイール2iの高速回転を規
制する油圧ブレーキ24を設けた為、フライホイール2
iの過回転が防止されると共に、フライホイール2iの
高速回転中にエンジン1から負の回転トルクを入力した
場合、フライホイール2iでのトルク吸収が許容される
ことで、エンジンブレーキトルクの発生を保証すること
できる。
【0080】以下、第3実施例の変形例について説明す
る。
【0081】図15は図10に示す装置のフライホイー
ル2iと装置カバー23との間に遠心ブレーキ25(制
動機構に相当)を設けたエネルギー回生装置を示す概略
図である。フライホイール2iの回転が高速になると、
ウェイト25aに加わる遠心力がバネ25bのバネ力に
打ち勝ち、ウェイト25aが装置カバー23の内面に貼
着されている摩擦材25cに圧接することでフライホイ
ール2iの過回転を抑える制動力が作用する。
【0082】図16は図11に示す装置のフライホイー
ル2iが連結される第3回転メンバ2gに電気式ブレー
キ26(制動機構に相当)を設けたエネルギー回生装置
を示す概略図である。図16で26aは発電機回転子,
26bは発電機コイル,26cは回転ピックアップであ
り、図17に電気回路を示すもので、回転ピックアップ
26cの出力がF/Vコンバータ26dにつながってお
り、この出力電圧が基準電圧より高くなると比較器26
eから発電機の励磁電流が流れ、発電を行なうことによ
って制動力が作用する。
【0083】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0084】例えば、実施例では、トロイダル型無段変
速機CVTとの組み合せ適用例を示したが、Vベルト型
無段変速機や自動多段変速機と組み合せて適用すること
もできる。
【0085】
【発明の効果】以上説明してきたように請求項1記載の
本発明にあっては、動力源からのエネルギーを回生する
フライホイールを有するエネルギー回生装置において、
ころがり要素の3つの回転メンバのそれぞれにエネルギ
ーを回生するべく動力源と負荷と逆転防止機構を有する
フライホイールとの3要素を連結する構成とした為、複
雑な制御を全く要することなく、耐久信頼性を確保しな
がら有効,迅速かつ円滑にエネルギーの回生を達成する
ことができるという効果が得られる。
【0086】また、請求項2記載の本発明にあっては、
第2回転メンバ系に潤滑オイルポンプを設けた為、上記
効果に加え、動力源の回転停止時にも装置潤滑を保証す
ることができるという効果が得られる。
【0087】また、請求項3記載の本発明にあっては、
フライホイールの回転系に制動機構を設けた為、上記効
果に加え、フライホイールの過回転防止と共にフライホ
イールの高速回転中に動力源制動トルクの発生を保証す
ることができるという効果が得られる。
【0088】本発明のエネルギー回生装置は、特に、車
両の無段変速機や自動変速機と組み合せて適用する場
合、トルクコンバータを用いることなくトルク増大作用
が得られるし、変速制御も簡単に行なえ、さらにレイア
ウト的にもエンジンとトランスミッション間に付加的に
本ユニットを挿入するだけでよい等、様々な点で有用な
技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエネルギー回生装置を示すクレーム対
応図である。
【図2】第1実施例のエネルギー回生装置が適用された
車両のパワートレーンを示す概略図である。
【図3】第1実施例のエネルギー回生装置の作用説明図
である。
【図4】第1実施例のエネルギー回生装置での各回転メ
ンバの回転関係を示す共線図である。
【図5】第1実施例装置を適用した無段変速機の変速制
御作動の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1実施例のエネルギー回生装置の変形例を示
す概略図である。
【図7】第1実施例のエネルギー回生装置の他の変形例
を示す概略図である。
【図8】第1実施例のエネルギー回生装置の他の変形例
を示す概略図である。
【図9】図8に示す装置での各回転メンバの回転関係を
示す共線図である。
【図10】第2実施例のエネルギー回生装置を示す概略
図である。
【図11】第2実施例のエネルギー回生装置の変形例を
示す概略図である。
【図12】図7に示す装置をベースにした第2実施例の
エネルギー回生装置を示す概略図である。
【図13】図8に示す装置をベースにした第2実施例の
エネルギー回生装置を示す概略図である。
【図14】図11に示す装置をベースにした第3実施例
のエネルギー回生装置を示す概略図である。
【図15】図10に示す装置をベースにした第3実施例
のエネルギー回生装置を示す概略図である。
【図16】図11に示す装置をベースにした第3実施例
のエネルギー回生装置の他例を示す概略図である。
【図17】図16に示す装置の電気式ブレーキの電気回
路図である。
【符号の説明】
a 動力源 b 入力軸 c 第1回転メンバ d 負荷 e 出力軸 f 第2回転メンバ g 第3回転メンバ h 逆転防止機構 i フライホイール j ころがり要素 k 潤滑オイルポンプ m 制動機構

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源が入力軸を介して連結される第1
    回転メンバと、 負荷が出力軸を介して連結される第2回転メンバと、 第3回転メンバに逆転防止機構を介して連結されるフラ
    イホイールと、 前記第1回転メンバ,第2回転メンバ,第3回転メンバ
    がそれぞれ連結され、前記動力源から正の回転トルク入
    力時にフライホイールを減速し、前記動力源から負の回
    転トルク入力時にフライホイールを加速する歯車もしく
    は歯車に類するころがり要素と、 を備えていることを特徴とするエネルギー回生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエネルギー回生装置にお
    いて、 前記負荷が連結される第2回転メンバ系に、潤滑オイル
    ポンプを設けたことを特徴とするエネルギー回生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のエネルギ
    ー回生装置において、 前記フライホイールの回転系に、フライホイールの過回
    転を防止する制動機構を設けたことを特徴とするエネル
    ギー回生装置。
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