JPH08104115A - 前二軸車の懸架装置 - Google Patents

前二軸車の懸架装置

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JPH08104115A
JPH08104115A JP24022194A JP24022194A JPH08104115A JP H08104115 A JPH08104115 A JP H08104115A JP 24022194 A JP24022194 A JP 24022194A JP 24022194 A JP24022194 A JP 24022194A JP H08104115 A JPH08104115 A JP H08104115A
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JP
Japan
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axle
leaf spring
connecting rod
lever
vehicle
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Application number
JP24022194A
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English (en)
Inventor
Takashi Imanishi
崇 今西
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、車体前後での軸重さの変化を抑制
し、前二軸における軸間距離の増加を可能とした前二軸
車の懸架装置を提供することにある。 【構成】本発明は、車体前後方向に延びる前前軸懸架用
の板ばね21の後端部と、後側に配置してある前後軸懸
架用の板ばね23の前端部の間に、コネクティングロッ
ド30を車体前後方向に沿って配設し、このコネクティ
ングロッド端とこれに隣合うばね端部との間に前側レバ
ー36,後側レバー45を設けて、一方の板ばねから伝
わる上下方向の動きを逆向きにして他方の板ばねに伝え
るイコライザリンク機構28を構成したことにある。こ
のイコライザリンク機構28の採用によって、段差乗り
越え時の際、前前軸22に大きく偏っていた軸重の一部
を前後軸24に分担させ、前二軸に加わる軸重を均等化
させて、前二軸車が、段差乗り越え時に生じていた車体
後部が浮くような挙動を改善した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の前部に配置され
る前前輪,前後輪を懸架する前二軸車の懸架装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】積載量が大きなトラックでは、図8に示
されるように車体1の前部に二軸式の操舵輪2(前前輪
2a,前後輪2bよりなる)を設けて、積載部となる荷
箱3(あるいは荷台)に加わる大きな荷重を、車体1の
後部にある駆動輪4(後輪)と協同して受けることが行
われている。
【0003】こうした前二軸車は、加わる荷重が大きい
ために、板ばねを用いて、それぞれ前前輪2a,前後輪
2bの車軸、すなわち前前軸(アクスル),前後軸(ア
クスル)を独立に懸架する構造が用いられている。
【0004】従来、これら前二軸における懸架装置に
は、図9に示されるように車体1を構成するシャーシフ
レーム5の下部に、前前軸,前後軸となるアクスル7が
装着された板ばね8を車体前後方向に配置し、この板ば
ね8の前端部に在る目玉部6をブラケット9を介してシ
ャーシフレーム5に下部に回動自在に支持させ、板ばね
8の後端部に在る目玉部6をシャックルリンク10を介
してシャーシフレーム4の下部に設けてあるブラケット
11に回動自在に支持させた構造が採用してある。な
お、12はそれぞれシャーシフレーム5とアクスル7間
に接続してあるショックアーブソーバである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような前二軸車
において、前後輪2bの位置を、今までの前前輪2aか
らの距離S1 より、さらに車体1の後方(車体前後方向
の中間側)、例えば距離S2 の位置へずらして、前前輪
2aおよび前後輪2bが負担する荷重の割合を増加でき
ることが知られている。
【0006】ところで、前二軸車は前前輪2aと駆動輪
4との間に前後輪2bが在ることから、前前輪2aが段
差部13を乗り越えるような場合、乗り越えるときの前
方側に移る荷箱3(積載部)の荷重の影響を受けて、車
体後部が浮くような挙動を示す。この挙動は、前前軸の
軸重が過大になることが要因とされ、段差乗り越え時だ
けでなく、登坂路面の走行時にも見られる。
【0007】ところが、この挙動は前後輪2bが前前輪
2aから後方へ離れるにしたがって大きくなる。このた
め、前二軸の軸間距離を増加させると、この挙動の大き
くなって、軸重の変化からトラックが安定して駆動され
なかったり、各車輪が偏磨耗を生じるとされている。
【0008】このように前前輪2aと前後輪2bとの軸
間距離を広げるには不利なことがあり、簡単には前二軸
の軸間距離を増加させることができないものであった。
本発明は上記実事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、車体前後での軸重さの変化を抑制し
て、前二軸における軸間距離の増加を可能とした前二軸
車の懸架装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、車体前後方向に延びて
配設された前前軸懸架用の第1の板ばねの後端部と、こ
の前前軸の後側に配置された前後軸懸架用の第2の板ば
ねの前端部の間に、車体前後方向に沿ってコネクティン
グロッドを配設し、このコネクティングロッド端とこれ
に隣合うばね端部との間に、フレームに回動自在に支持
され、かつコネクティングロッド端とばね端部が回動自
在に連結されて、第1の板ばねと第2の板ばねの間に第
1および第2の板ばねの一方から伝わる上下方向の動き
を逆向きにして他方に伝えるリンク機構を構成するレバ
ー部材をそれぞれ設けて、前二軸車の懸架装置を構成し
たことにある。
【0010】請求項2の記載の発明は、上記目的に加
え、さらに、常に十分な効果を発揮させることを目的の
ために、請求項1に記載したレバー部材のレバー長さ
を、前前軸と前後軸に均等に荷重を分担させる比に設定
したことにある。
【0011】請求項3の記載の発明は、上記目的に加
え、さらに、変わる前二軸の軸間距離に合わせてロッド
長さを設定可能とするする目的のために、請求項1に記
載したコネクティングロッドをロッド長さの調節可能な
ものとした。
【0012】請求項4の記載の発明は、上記目的に加
え、さらにリンク機構の無用な動きを減衰させる目的の
ために、請求項1又は請求項2に記載したリンク機構
に、振れを抑制するショックアブソーバを設けたことに
ある。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明によると、前前輪が段差
乗り越えると、このとき生じる前前軸に対する荷重の集
中から前前輪は上方向に向かって移動する。このままで
は、荷重は前前軸に集中するが、第1,第2の板ばね間
にあるリンク機構によって、この荷重は後側に分散され
る。
【0014】すなわち、前前軸は第1の板ばねに支えら
れているから、前前軸が前前輪と共に上方向に移動する
と板ばね全体は、片側を支点として、上方向に移動す
る。この動きはリンク機構に伝わり、このリンク機構を
構成する、前側のレバー部材の回動運動,コネクティン
グロッドの押引き運動,後側のレバー部材の回動運動を
経て、第2の板ばねに伝達される。
【0015】前後軸を支える第2の板ばねには、この動
きが入力された板ばねの動きの向きと逆向きの動きとし
て出力され、同第2の板ばねを、片側を支点として、入
力された荷重の方向とは反対となる下方向へ移動させ
る。
【0016】すると、前前軸に大きく偏っていた軸重の
一部は、前後軸に分担され、前後軸は前前軸と同様の軸
重となる。これにより、前二軸車の全車軸に加わる軸重
は均等化され、前二軸車が、段差乗り越え時に生じてい
た車体後部が浮くような挙動は改善される。
【0017】このため、前二軸車の前前輪と前後輪との
軸間距離を長くしても、軸重の変化からトラックが安定
して駆動されなかったり、各車輪が偏磨耗を生じたりす
ることが抑制される。
【0018】しかも、第1の板ばねと第2の板ばねとが
リンク機構を介して直列につながるので、車輪から加わ
る荷重に対する実質的なばね定数は半分(1/2)にな
るから、緩衝能力が高くなり、その分、前二軸車の乗心
地もよくなる。
【0019】請求項2に記載の発明によると、偏って加
わる前二軸の荷重は、前前軸と前後軸に均等に加えら
れ、偏る軸重を他の車軸に分担させるという作用効果が
十分に発揮させられる。
【0020】請求項3に記載の発明によると、コネクテ
ィングロッドの長さを変えることによって、車種に応じ
て変わる前二軸の軸間距離に合わせて、レバー部材はそ
のままに、簡単にリンク機構を構成することが可能とな
る。
【0021】請求項4に記載の発明によると、通常走行
時は、路面の細かい凹凸などを受けて、前前輪,前後輪
が速いスピードで上下方向に動き、それに伴って第1の
板ばね,第2の板ばねが速いスピードで動き、リンク機
構を不用に振れさせようとする。
【0022】ここで、ショックアブソーバは、同リンク
機構の振れを抑制する方向に作用する。すなわち、ショ
ックアブソーバは往復するスピードが速く、かつストロ
−クが小さくなるように作用して、振れ動きを減衰す
る。
【0023】これにより、リンク機構の動きを要因とし
た騒音(例えば金属が触れて生じるガチャガチャ音な
ど)の発生を抑制する。また段差を乗り越えるときは、
車速が遅いことから、前前輪,前後輪は遅いスピードで
上下方向に動き、それに伴って第1の板ばね,第2の板
ばねが遅いスピードで動くことから、ショックアブソー
バは往復するスピードが遅く、かつストロ−クは大きく
なるよう作用する。このショックアブソーバの作用によ
り、前前軸の軸重の一部を分担させる仕事を妨げないよ
うにしてある。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図7に示す一実施
例にもとづいて説明する。図1は、図10で説明した前
二軸の軸間距離を「S1 」から「S2 」に増加させたキ
ャブオーバ形トラックのフロント左側の懸架装置を示し
ていて、図中20はトラックのシャーシフレーム(車体
を構成するもの)、21はフレーム前側に配置された板
ばね(第1の板ばねに相当)、22はこの板ばね21の
長さ方向中央で支持されたアクスル(前前軸に相当)、
23はこの板ばね21の後側に配置された後側の板ばね
(第2の板ばねに相当)、24はこの板ばね21の長さ
方向中央で支持されたアクスル(前後軸に相当)であ
る。なお、22aはアクスル22の両端部に支持された
前前輪、23aはアクスル24に両端部に支持された前
後輪を示す。
【0025】板ばね21および板ばね23は、いずれも
前後端に目玉部29を有している。これら板ばね21,
23のうち前側の板ばね21は、前部の目玉部29が、
シャーシフレーム20の構成するサイドメンバ20aの
前部下端に装着してあるブラケット25に、ピン25a
を介して、回動自在に支持されている。また後側の板ば
ね23は、後部の目玉部29が、板ばね21の後方のサ
イドメンバ20aの下端部分に装着してあるブラケット
26に、シャックルリンク27およびピン27aを介し
て、回動自在に支持されている。
【0026】またこれら板ばね21の後端部と板ばね2
3の前端部との間は、発明の要部となるイコライザリン
ク機構28(リンク機構に相当)で連結され、それぞれ
操舵輪となる前前輪22a,前後輪24aを懸架してい
る。なお、各アクスル22,24とその直上のサイドメ
ンバ部分との間にはショックアブソーバ42が設けてあ
る。
【0027】このリンク機構28の構造が、図2〜図6
に示されている。なお、図2はリンク機構28回りを拡
大した側面を示し、図3は同平面を示し、図4および図
5はリンク機構28の各部を示している。
【0028】リンク機構28の構造について説明すれ
ば、図1中の30は、板ばね21の後端部と板ばね23
の前端部との間に車体前後方向に沿って配設された長さ
が調節可能なコネクティングロッドである。
【0029】このコネクティングロッド30は、例えば
車体前後方向に延びるロッド部31と、このロッド部3
1の両端に軸方向に装着したコネクト部32を有してな
る。詳しくは、コネクト部32は、いずれも一端部に例
えばロッド部31を周囲から挟み込むことが可能な筒部
33を一方側に有し、他端部にフォークエンド形(コ字
形)となった軸心を挟む一対の端壁34を有して構成し
てある。なお、各端壁34の中央には一体の通孔34a
(図5に図示)が設けてある。
【0030】コネクト部32は、この筒部33をロッド
部端に所定の位置にまで挿入した後、ボルトナット35
で筒部33を締め付けることによってロッド部端に連結
してあり、この構造によって長さ調節が可能にしてあ
る。つまり、コネクティングロッド30の長さを調節す
るときは、ボルトナット35を緩めて、筒部33を所定
量、ロッド部端から引き出したり、逆に筒部33をロッ
ド部端に押し込んだ後、再びボルトナット35で筒部3
3をロッド端を挟み付ければすむようにしてある。
【0031】また36は、コネクティングロッド30の
前端部とこれに隣合う板ばね21の後端部との間に配設
された前側レバー(イコライズリンクを構成するもの
で、レバー部材に相当)である。
【0032】この前側レバー36の本体36aは、図2
に示されるように例えば三角形状、詳しくは斜面が板ば
ね21側に向き、斜辺を挟む角部を上下に配置したよう
な略正三角形をなしたプレートから構成してある。各三
角形の角部に相当する本体36aの各角部分には、コネ
クト部として、プレートの厚み方向に軸線が向く、筒形
の嵌挿部37a〜37cがそれぞれ形成されている。
【0033】前側レバー36は、このうち上部に在る嵌
挿部37bが、図5に示されるようにサイドメンバ20
aの下端に装着してあるブラケット39に、ボルトナッ
ト39aで回動自在に保持されることによって、車体前
後方向に回動自在に支持してある。
【0034】また前側レバー36の板ばね21側に在る
嵌挿部37aは、図4に示されるようにシャックルリン
ク38を介して、板ばね21の後端部に在る目玉部29
に回動自在に連結してある。詳しくは、シャックルリン
ク38は、下部に嵌挿部37aの両端部を挟み、上部に
板ばね21の目玉部29を挟む一対の壁部38aを有
し、さらに上部側に同壁部38,38間をつなぐ連結部
38bを有して構成してあり、壁部38a,嵌挿部37
a,壁部38a間にピン40を挿通することによってシ
ャックルリンク38と前側レバー36を回動自在に連結
し、壁部38,目玉部29、壁部38aにピン41を挿
通することによって板ばね21とシャックルリンク38
を回動自在に連結してある。なお、38cはピン抜け止
め用のボルトを示す。
【0035】残る前側レバー36の嵌挿部37cは、コ
ネクティングロッド端に回動自在に連結されている。詳
しくは、図5に示されるように嵌挿部37cはコネクテ
ィングロッド30のコネクト部32の端壁34、34間
に挿入されていて、端壁34,嵌挿部37c,端壁34
間にピン43を挿入することによって、前側レバー36
とコネクティングロッド30を回動自在に連結してあ
る。なお、43aはピン43の抜け止めをなすボルトを
示す。
【0036】この板ばね21とコネクティングロッド3
0間の連結構造によって、板ばね21がボルトナット2
5aを支点として上方向に移動すると、前側レバー36
がピン39aを支点として時計回りに回動変位して、コ
ネクティングロッド30を前方へ引き込むようにしてあ
る。むろん、板ばね21が復帰すると、前側レバー36
が反時計回りに回動変位して、コネクティングロッド3
0を後方へ押し出す。
【0037】また45は、コネクティングロッド30の
後端部とこれに隣合う板ばね23の前端部との間に配設
された後側レバー(イコライズリンクを構成するもの
で、レバー部材に相当)である。
【0038】この後側レバー45の本体45aも、図2
に示されるように例えば三角形状、詳しくは斜面が板ば
ね23側に向き、斜辺を挟む角部を上下に配置したよう
な略正三角形をなしたプレートから構成してある。本体
45aの上部および下部に在る角部分には、前側レバー
36と同様、コネクト部として、プレートの厚み方向に
軸線が向く、筒形の嵌挿部46a,46bがそれぞれ形
成されている。また本体45aの板ばね23側に向く角
部分には、図6に示されるように板ばね23の前端部の
目玉部29を両端から挟む、すり割りの入った一対の環
状の保持座46cが形成されている。
【0039】後側レバー45は、上部に在る嵌挿部46
bが、前側レバー36と同様、サイドメンバ20aの下
端に装着してあるブラケット47に、ボルトナット47
aで回動自在に保持されることによって、車体前後方向
に回動自在に支持してある。
【0040】また後側レバー45の保持座23,23
は、図6に示されるように保持座46c、目玉部29、
保持座46c間に挿入されるピン48によって、板ばね
23の前端部に在る目玉部29に回動自在に連結してあ
る。なお、各保持座46c,46c間にはボルト49a
がピン48の一部外周を通じて貫通していて、ピン48
の抜け止めをなしている。但し、49bは貫通するボル
ト端に螺合しているナットを示す(ボルト固定のた
め)。
【0041】残る後側レバー45の嵌挿部46aは、前
側レバー36のときと同じく、端壁34,嵌挿部46
a,端壁34間にピン43を挿入することによって、コ
ネクティングロッド30の残るコネクト部32に回動自
在に連結されている。
【0042】この板ばね23とコネクティングロッド3
0間の連結構造によって、コネクティングロッド36が
板ばね21の移動に伴い引き込む方向に運動すると、後
側レバー45がピン47aを支点として時計回りに回動
変位して、板ばね23を下方向へ移動させるようにして
ある。むろん、板ばね23が復帰すると、後側レバー4
5は反時計回りに回動変位する。
【0043】こうした3つの支点をもつレバー36,4
5、コネクティングロッド30をリンク素子として構築
されるリンクによって、板ばね21,23のうちの一方
の板ばねから伝わる上下方向の動きを逆向きに変換して
他方の板ばねへ伝えるリンク機構28を構成してある。
【0044】なお、リンク機構28を構成する各レバー
36,45のレバー長さは、アクスル22(前前軸)と
アクスル24(前後軸)に、均等、すなわち「1:1」
の比率で荷重を分担させる比に設定してある。
【0045】またリンク機構28にはショックアブソー
バ50(緩衝装置)が設けてある。詳しくは、シャック
リンク38と前側レバー36とをつなぐピン40の端部
には、図4に示されるようにピン40と連続して外側に
延びる、ピン40と同軸な支持ピン部50aが形成され
ている。ショックアブアソーバ50は、この支持ピン部
50aとその上部のサイドメンバ部分に設けたブラケッ
ト51との間に、レバー接線方向沿いに取り付けてあ
り、前側レバー36の回動にしたがい伸縮変位するショ
ックアブソーバ50により、通常走行時に生じるリンク
機構28の無用な振れを減衰させる構造にしてある。
【0046】但し、図中、52はアクスル24に装着さ
れたスタビライザー機構(姿勢を安定するもの)、55
はサイドメンバ20aの下端に設けられ、シャックルリ
ンク38の上部端を受けてイコライザリンク機構28の
過大な動きを規制するストッパー、56はブラケット4
7に設けられ、同じく後側レバー45の上側に向く辺部
分を受けてイコライザリンク機構28の過大な動きを規
制するストッパーを示す。
【0047】つぎに、このように構成された前軸車の懸
架装置の作用について説明する。前二軸のトラックが直
進走行しているとする。このとき、進行方向の路面部分
53に車輪が乗り越すような段差部54があるとする
(図7に図示)。
【0048】前前輪22aがこの段差部54に差し掛か
ると、図7に示されるようにアクスル22に対する荷重
の集中から前前輪22aは上方向に向かって移動する。
このままでは、荷重はアクスル22に集中してしまう
が、板ばね21,23間にはリンク機構28があるの
で、この荷重は後側に分散されていく。
【0049】すなわち、アクスル22は板ばね21に支
えられているから、アクスル22が前前輪22aと共に
上方向に移動するにしたがって、板ばね21の全体は、
前部のピン22aを支点として、上方向に移動する。
【0050】この動きはシャックルリンク38を介して
リンク機構28へ伝わり、まず、このリンク機構28を
構成する前側レバー36に伝達される。これにより、前
側レバー36は、ピン39aを支点として、時計回りに
回動運動し、コネクティングロッド30を前方へ引き込
む。
【0051】すると、ロッド30の引き込み運動によっ
て後側レバー45は、ピン47aを支点として、前側レ
バー36と同期して時計回りに回動運動する。これによ
り、板ばね23には、入力された板ばねの動きの向きと
逆向きの動きが出力され、板ばね23を、シャックルリ
ンク38側を支点として、入力された荷重の方向とは反
対となる下方向へ移動させる。
【0052】すると、アクスル22(前前軸)に大きく
偏っていた軸重の一部は、後側のアクスル24(前後
軸)に分担される。ここで、あらかじめレバー比は常に
アクスル22とアクスル24との双方に均等に分担させ
る比に設定してあるから、アクスル24はアクスル22
と同じ軸重となる。
【0053】ついで、乗り越えた後は、板ばね21,2
3の弾性力によって元の状態に戻る。この挙動は、前後
輪24aが段差部54を乗り越えるときにも生じる。
【0054】このときには、逆に板ばね23が上方向に
移動し、この移動に伴い回動する後側レバー45でコネ
クティングロッド30を後方へ引き込み、前側レバー3
6を反時計回りに回動させて、板ばね21を下方へ移動
させる。
【0055】このように前二軸車の全車軸に加わる軸重
は均等化されることとなり、段差乗り越え時に生じてい
た車体後部が浮くような挙動を改善することができる。
これは登坂路面を走行するときも同様である。
【0056】この結果、前前輪22aと前後輪24aと
の軸間距離を図10に示される如く「S1 」から「S
2 」に長くしたとしても、軸重の変化からトラックが安
定して駆動されなかったりすることはなくなり、常に安
定した駆動力を得て安定走行ができる。しかも、各車輪
の偏磨耗も防ぐことができる。
【0057】特に、「1:1」の比率となるレバー長さ
で、前前輪22aと前後輪24aとに荷重を分担させて
あるので、十分な効果を期待できる。そのうえ、板ばね
21と板ばね23とがリンク機構28を介して直列につ
ながる構造なので、車輪から加わる荷重に対する実質的
なばね定数は半分(1/2)となって、その分、緩衝能
力が高くなり、前二軸車の乗心地の向上も図れる。
【0058】加えて、通常走行時に生じるイコライザリ
ンク機構28の無用な振れは、専用のショックアブソー
バ50によって減衰されて吸収されるから、同リンク機
構28の動きを要因とした振動,騒音などの発生を防ぐ
ことができる。
【0059】すなわち、通常走行時は、路面の細かい凹
凸などを受けて、前前輪22a,前後輪24aが速いス
ピードで上下方向に動き、それに伴って板ばね21,2
2が速いスピードで動き、イコライザリンク機構28を
不用に振れさせようとする。
【0060】ここで、ショックアブソーバ50は、同リ
ンク機構28の振れを抑制する方向に作用する。すなわ
ち、ショックアブソーバ50は往復するスピードが速
く、かつストロ−クが小さくなるように作用して、イコ
ライザリンク機構28の振れ動きを減衰する。
【0061】これにより、イコライザリンク機構28の
動きを要因とした騒音(例えば金属が触れて生じるガチ
ャガチャ音など)の発生を防ぐことができる。なお、段
差部54を乗り越えるときは、車速が遅いことから、前
前輪22a,前後輪24aは遅いスピードで上下方向に
動き、それに伴って板ばね21,22が遅いスピードで
動くことから、ショックアブソーバ50は往復するスピ
ードが遅く、かつストロ−クは大きくなるよう作用す
る。
【0062】このショックアブソーバ50の作用を利用
して、軸重の一部を分担させる仕事は妨げないようにし
てある。またロッド長さを調節することが可能なコネク
ティングロッド30の採用は、車種に応じて変わる前二
軸の軸間距離S2 に合わせて、簡単に必要なリンク機構
28を構成することができる。特に、このコネクティン
グロッド30の採用は、各レバー36,45はそのまま
でロッド長さを変えるだけでよいから、共用性に優れた
ものとなる。
【0063】なお、一実施例では前二軸に均等に軸重が
加わるようにしたが、レバー比(レバー長さ)を変更し
て、前二軸に加わる軸重を変えてもよい、また本発明を
前二軸トラックに適用したが、これに限らず、他の前二
軸車に適用してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、段差乗り越え時、登坂路面走行時などで生
じていた前前軸に対する軸重の大きな偏りを、前後軸へ
の分担によって解消することができる。
【0065】この結果、前二軸車の前前輪と前後輪との
軸間距離を長くしても、軸重の変化からトラックが安定
して駆動されなかったり、各車輪が偏磨耗を生じたりす
ることはなくなる。
【0066】しかも、第1の板ばねと第2の板ばねとが
リンク機構を介して直列につながるので、車輪から加わ
る荷重に対する実質的なばね定数は半分となり、その
分、緩衝能力が高くなって、前二軸車の乗心地を向上さ
せることができる。
【0067】請求項2に記載の発明によれば、さらに請
求項1の効果に加え、常に前後軸は前前軸と同様の軸重
にすることができ、常に十分な効果を発揮させることが
できる。
【0068】請求項3に記載の発明によれば、さらに請
求項1又は請求項2の効果に加え、車種に応じて変わる
前二軸の軸間距離に合わせてロッド長さを設定すること
ができる。
【0069】これによって、レバー部材はそのままに、
簡単に前二軸の軸間距離に合わせたリンク機構を構成す
ることができるという効果をもたらす。請求項4に記載
の発明によれば、さらに請求項1、請求項2又は請求項
3の効果に加え、通常走行時に生じるリンク機構の無用
な振れを抑制して、同リンク機構の動きを要因とした振
動,騒音の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例の前二軸車の懸架
装置を示す側面図。(b)は、同じく平面図。
【図2】図1(a)中に示されている板ばね間に在るリ
ンク機構を拡大した側面図。
【図3】同じく平面図。
【図4】図2中の矢印A−A線に沿うシャックルリンク
回りの連結構造を示す断面図。
【図5】図2中の矢印B−B線に沿う前側レバーの支持
構造ならびに板ばねとの連結構造を示す断面図。
【図6】図2中の矢印C−C線に沿う後側レバーと板ば
ねの連結構造を示す断面図。
【図7】段差乗り越え時の懸架装置の挙動を説明するた
めの図。
【図8】従来の前二軸トラックの側面図。
【図9】同トラックの前二軸に採用されている懸架装置
を説明するための側面図。
【図10】同懸架装置の段差乗り越え時の挙動を説明す
るための図。
【符号の説明】
20…シャーシフレーム(車体) 21…板ばね(第
1の板ばね) 22…アクスル(前前軸) 22a…前前輪 23…板ばね(第2の板ばね) 24…アクスル
(前後軸) 24a…前後輪 25,26,39,47…ブ
ラケット 27,38…シャックルリンク 28…イコライザ
リンク機構 29…目玉部 30…コネクティ
ングロッド 31…ロッド部 32…コネクト部 36…前側レバー(レバー部材) 45…後側レバー
(レバー部材) 50…ショックアブソーバ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端部がフレームに支持されて車体前後
    方向に延びる方向に配設された、前前軸を懸架するため
    の第1の板ばねと、 この板ばねの後側に配置され、後端部がフレームに支持
    されて車体前後方向に延びる方向に配設された、前後軸
    を懸架するためのた第2の板ばねと、 前記第1の板ばねの後端部と前記第2の板ばねの前端部
    との間に車体前後方向に沿って配設されたコネクティン
    グロッドと、 前記フレームに車体前後方向に回動自在に支持されて前
    記コネクティングロッド端とこれに隣合うばね端部との
    間にそれぞれ配設され、かつこれらコネクティングロッ
    ド端とばね端部が回動自在に連結されてなり、前記第1
    の板ばねと第2の板ばねの間において前記第1および第
    2の板ばねの一方から伝わる上下方向の動きを逆向きに
    して他方に伝えるリンク機構を構成するレバー部材と、 を具備してなることを特徴とする前二軸車の懸架装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の前二軸車の懸架装置に
    おいて、前記レバー部材のレバー長さは、前前軸と前後
    軸に均等に荷重を分担させる比に設定してあることを特
    徴とする前二軸車の懸架装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の前二軸車
    の懸架装置において、前記コネクティングロッドは、ロ
    ッド長さが調節可能となっていることを特徴とする前二
    軸車の懸架装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4に記載の前二軸車の懸架装置において、前記リンク
    機構には、振れを抑制するためのショックアブソーバが
    装着されていることを特徴とする前二軸車の懸架装置。
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