JPH08103051A - 小型モータ - Google Patents

小型モータ

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Publication number
JPH08103051A
JPH08103051A JP23624194A JP23624194A JPH08103051A JP H08103051 A JPH08103051 A JP H08103051A JP 23624194 A JP23624194 A JP 23624194A JP 23624194 A JP23624194 A JP 23624194A JP H08103051 A JPH08103051 A JP H08103051A
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JP
Japan
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bearing
inner peripheral
circumferential
rotary shaft
groove
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Application number
JP23624194A
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English (en)
Inventor
Hidehiro Yamamoto
英弘 山本
Akio Sato
彰雄 佐藤
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Mabuchi Motor Co Ltd
Original Assignee
Mabuchi Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で回転軸を偏倚させることによ
り、振動を防止することができる小型モータを提供す
る。 【構成】 内周面に永久磁石を固着したハウジングと、
コイルを巻装した電機子鉄心と整流子とからなる回転子
と、整流子と摺動するブラシとのこのブラシに電気的に
接続された入力端子とを設けてなるエンドプレートとか
らなり、前記ハウジングの底部と前記エンドプレートと
に設けられた焼結含油材料からなる軸受を介して前記回
転子を回転自在に支持してなる小型モータにおいて、軸
受の内周摺動面に微小間隔を介して円周方向に複数個の
溝部を設けると共に、少なくとも1個の溝部の円周方向
長さが他の溝部の円周方向長さと異なるように形成し、
かつ夫々の溝部の中心間の円周方向ピッチが異なるよう
に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響機器、映像機器等
に使用される小型モータに関するものであり、特に回転
子の回転軸を支持する軸受を焼結含油軸受によって形成
し、かつ回転軸を偏倚させることにより振動を防止する
ようにした小型モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の小型モータの例を示す要
部縦断面図である。図15において、1はハウジングで
あり、例えば軟鉄のような金属材料により有底中空筒状
に形成され、内周面に例えばアークセグメント状に形成
された永久磁石2を固着する。このハウジング1内には
前記永久磁石2に対向し、コイル3を巻装してなる電機
子鉄心4と整流子5とからなる回転子6を介装し得るよ
うに構成する。次に7はエンドプレートであり、例えば
合成樹脂その他の絶縁材料によって形成し、ハウジング
1の開口部に嵌着し得るように構成する。
【0003】8はブラシであり、導電性弾性材料によっ
て形成し、整流子5と摺動係合するように設け、このブ
ラシ8と電気的に接続されてなる入力端子9と共にエン
ドプレート7に設けられる。10,11は軸受であり、
各々ハウジング1の底部とエンドプレート7の中央部の
軸受保持部12内に固着され、回転子6を構成する回転
軸13を回転自在に支持する。
【0004】上記の構成により、入力端子9からブラシ
8を介して回転子6を構成する整流子5を経由してコイ
ル3に電流を供給することにより、ハウジング1の内周
面に固着された永久磁石2によって形成されている磁界
中に存在する電機子鉄心4に回転力が付与され、回転子
6を回転させることができる。従って回転軸13を介し
て外部機器(図示せず)を駆動することができる。
【0005】上記のような小型モータにおいて、回転軸
13を支持する軸受10,11は焼結含油軸受、すなわ
ち焼結体内部に空隙が充分に残り、その大部分が外部に
通じるように焼結し、これに潤滑油を含浸させたブッシ
ュによって構成されており、軸受10,11と回転軸1
3とは間隙を介して嵌合されている。一方永久磁石2の
磁界中において回転する回転子6には、この磁界による
吸引力によって半径方向に振動が発生し、回転軸13と
軸受10,11との衝突を招来し、機械的ノイズが発生
する。このような機械的ノイズは音響機器は勿論のこ
と、その他の機器においても非所望なものである。
【0006】従来上記のような振動若しくは機械的ノイ
ズを解消する手段として種々の提案がされている。まず
図16は実公平4−48140号公報に記載されるもの
であり、1対の永久磁石2a,2b間に回転子6を介装
させた小型モータにおいて、回転軸13をe寸法だけ一
方の永久磁石2a側にずらせることにより、回転子6と
永久磁石2a,2bとの間の空隙g1 ,g2 ,をg1
2 に形成したものである。このような構成により、軸
受10,11を含めて構造的に回転子6に偏倚力を与
え、回転軸13が軸受10,11内の一方の壁に押付け
られて回転するようにして、回転軸13の振動を防止す
るのである。
【0007】次に図17に示すものは特開昭61−22
736号公報に記載されるものであり、回転軸13を鉄
鋼材料のような磁性材料によって形成すると共に、軸受
10の近傍に偏倚用の磁石14を設けることにより、回
転軸13を軸受10に一方向から押付けるように付勢
し、回転軸13の振動を抑制するものである。
【0008】更に図18に示すものは特開平5−447
30号公報に記載されるものであり、軸受10の内周面
に複数個の突出部15を設けて、回転軸13と軸受10
の内周面との間にくさび状の隙間を形成し、これらの隙
間の油膜に発生する複数の動圧による浮上作用により、
回転軸13を浮上支持して回転軸13の振動を抑制する
ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の回転軸13
の振動防止ないしは振動抑制の手段においては、まず実
公平4−48140号公報記載のものは、コギングトル
クが大になるため、始動時に大なる電流を必要とし、小
型モータの始動特性を悪化させるという問題点がある。
また高速回転においては共振を起こす等の問題点も併有
している。
【0010】次に特開昭61−22736号公報記載の
ものは、回転軸13を磁性材料によって形成しなければ
ならないという制約があると共に、偏倚用の磁石14を
ハウジング1内の狭小な空間に設ける必要があるため
に、構成部品の点数が増加し、製作コストが増大すると
いう問題点がある。
【0011】更に特開平5−44730号公報記載のも
のは、複数の動圧によって回転軸13を浮上支持してい
るため、界磁を構成する永久磁石(図示せず、図15に
おける符号2参照)と、回転子(図示せず、図15にお
ける符号6参照)との引き合いにより、軸受10のクリ
アランスの中において振れ回るという問題点がある。ま
た低速回転においては、回転軸13と突出部15とが局
部接触を起こし、回転軸13および突出部15が異常摩
耗し易くなるという問題点がある。
【0012】本発明は、上記従来技術における問題点を
解決し、簡単な構造で回転軸を偏倚させることにより、
振動を防止することができる小型モータを提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、金属材料により有底中空筒状に
形成されかつ内周面に永久磁石を固着してなるハウジン
グと、前記永久磁石に対向しコイルを巻装してなる電機
子鉄心と整流子とからなる回転子と、前記ハウジングの
開口部に嵌着されかつ前記整流子と摺動係合されるブラ
シとこのブラシに電気的に接続された入力端子とを設け
てなるエンドプレートとからなり、前記ハウジングの底
部と前記エンドプレートとに設けられた焼結含油材料か
らなる軸受を介して前記回転子を回転自在に支持してな
る小型モータにおいて、軸受の内周摺動面に微小間隔を
介して円周方向に複数個の溝部を設けると共に、少なく
とも1個の溝部の円周方向長さが他の溝部の円周方向長
さと異なるように形成し、かつ夫々の溝部の中心間の円
周方向ピッチが異なるように形成する、という技術的手
段を採用した。
【0014】本発明において、最大円周方向長さθsを
有する内周摺動面から回転軸の回転方向下流側の第1の
溝部の円周方向長さθg1 と、第2の溝部以降の溝部の
円周方向長さの和θgsとをθg1 <θgsに形成する
ことが好ましい。
【0015】また本発明において、最大円周方向長さθ
sを有する内周摺動面に隣接する溝部の円周方向長さθ
gとをθs>θgに形成することができる。更に本発明
において、軸受の軸線方向端部および/または軸線方向
中間部に円周方向に連続する内周摺動面を設けることが
できる。
【0016】
【作用】上記の構成により、回転子と共に回転軸が回転
すると、焼結含油材料からなる軸受の内周摺動面から潤
滑油が浸出して軸受内に油膜が形成され、回転軸の回転
方向下流側の溝部後端と内周摺動面とに形成された段部
に、回転軸の半径方向に作用する動圧が発生する。そし
て夫々の溝部の上記後端に発生する動圧のベクトル和が
回転軸を偏倚させるように作用し、回転軸は特定の内周
摺動面に偏倚した状態で回転するから、振動の発生を防
止することができる。
【0017】
【実施例】図1および図2は各々本発明の第1実施例に
おける軸受を示す端面説明図であり、同一部分は前記図
15と同一の参照符号で示す。まず図1において、2
1,22は各々溝部でり、軸受10の内周摺動面20に
微小間隔の内周摺動面23を介して円周方向に設ける。
溝部21,22の円周方向長さは、異なるように、かつ
回転軸13の回転方向下流側の溝部22を長く形成す
る。Cは回転軸13の軸心が軸受10の軸心に存在する
場合の回転軸13と内周摺動面20,23との間の間
隙、hmは溝部21,22の内周摺動面20,23から
の深さを示す。なお溝部21,22は内周摺動面20,
23と同心円状に、かつ両者の境界に形成される夫々の
段部の円周方向における矢視形状を矩形状に形成する。
【0018】上記の構成により、回転軸13を矢印方向
に回転させると、焼結含油材料からなる軸受10の内周
摺動面から潤滑油が浸出して、軸受10内に油膜が形成
され、回転軸13の回転方向下流側の段部21a,22
aにピーク圧力(動圧)が発生し、回転軸13の半径方
向への油膜圧力が作用し、これら油膜圧力のベクトル和
により、回転軸13は図2に示すように内周摺動面23
の側に偏倚させられる。
【0019】図2において、溝部21,22の円周方向
の中心角(以下単に「円周方向長さ」と記述する)θg
1 ,θg2 、内周摺動面23の円周方向長さθs1
し、これらの値を夫々θg1 =50°,θg2 =120
°,θs1 =10°とすると、回転軸13の中心は軸受
10の中心Oを通る水平軸Oxから反時計方向θeの方
向にeだけ偏倚してO1 に至る。
【0020】図1および図2において、軸受10は内周
摺動面20,23の内径を2.3mm 、外径を7.3mm 、軸線
方向長さを2.5mm に形成し、回転軸13の回転数7,0
00r.p.m. 、間隙Cを0.0035mmに形成した。なお溝部
21,22の深さhmを0.012mm とした。この場合の偏
倚角度θeは2°、回転軸13の偏倚率(または偏心
率)e/cは0.99であった。
【0021】図3は図1および図2に示す軸受10と回
転軸13との間の円周方向の位置における隙間分布
(a)および油膜圧力分布(b)を示す図であり、図2
に示すように回転軸13の中心がOからO1 に偏倚した
状態におけるものである。図3(a)において鎖線およ
び実線は各々図1および図2に示す状態に対応し、
( )内の参照符号は図1および図2における参照符号
と対応する。
【0022】図3に示すように、溝部21ないし内周摺
動面23間には段部21aにおけるピーク圧力p21を含
む油膜圧力が発生し、一方溝部22ないし内周摺動面2
0間には段部22aにおけるピーク圧力p22を含む油膜
圧力が発生する。従ってこれらの油膜圧力のベクトル和
が図1および図2に示す回転軸13に対して側圧として
作用し、回転軸13を図2に示すように偏倚させるので
ある。この場合の側圧は約43gfであり、その方向は
前述のようにOx軸から反時計方向にθe=2°の方向
である。従って軸受10の端面近傍に偏倚方向に対応す
る切欠部16を設けることにより、軸受10の位置決
め、組立作業を容易に行うことができる。
【0023】図4は本発明の第2実施例における軸受を
示す端面説明図であり、同一部分は前記図1および図2
と同一の参照符号で示す。図4に示すものは溝部24を
内周摺動面25を介して溝部22の回転軸13の回転方
向下流側に追加して設けたものである(深さ0.012mm
)。なお溝部21,22,24および内周摺動面2
3,25の円周方向長さは夫々、θg1 =70°,θg
2 =80°,θg3 =60°,θs1 =θs2 =10°
とした。従って最大の内周摺動面20の円周方向長さθ
sは130°である。
【0024】上記の構成により、回転軸13を矢印方向
に回転させると、前記実施例と同様にして軸受10内に
油膜が形成され、油膜圧力のベクトル和により、回転軸
13の中心はOからO1 に偏倚させられる。この場合の
偏倚角度はθe=93°、偏倚率e/cは0.99であっ
た。
【0025】図5は図4に示す軸受10と回転軸13と
の間の円周方向の位置における隙間分布(a)および油
膜圧力分布(b)を示す図である。図5(a)において
()内の参照符号は図4における参照符号と対応する。
すなわち図4に示すように溝部21,22,24を設け
ることにより、図5(b)に示すような油膜圧力が発生
し、これら油膜圧力のベクトル和が図4における回転軸
13に側圧として作用し、回転軸13を偏倚させること
ができるのである。この場合の側圧は約18gfであっ
た。
【0026】なお図5において、溝部24の円周方向長
さを溝部21のそれと同一にθg3=θg1 とすれば、
回転軸13の回転方向が時計方向および反時計方向の両
者に適用できる。
【0027】図6は本発明の第3実施例における軸受を
示す端面説明図であり、同一部分は前記図4と同一の参
照符号で示す。図6に示すものは前記図4におけるもの
に更に溝部26を内周摺動面27の回転軸13の回転方
向下流側に追加して設けたものである(深さ0.012mm
)。なお溝部21,22,24,26および内周摺動
面23,25,27の円周方向長さは夫々、θg1 =θ
4 =65°,θg2 =θg3 =25°,θs1 =θs
2 =θs3 =10°とした。従って最大の内周摺動面2
0の円周方向長さθsは150°である。
【0028】上記の構成により、回転軸13を矢印方向
に回転させると、前記実施例と同様に、油膜圧力のベク
トル和によって回転軸13を偏倚角度θe=74°の方
向に偏倚させ得る。
【0029】図7は図6に示す軸受10と回転軸13と
の間の円周方向位置における隙間分布(a)および油膜
圧力分布(b)を示す図であり、前記図3および図5と
対応するものである。この場合の側圧は約15gfであ
った。
【0030】図8は本発明の第4実施例における溝部の
深さと側圧との関係を示す図である。軸受各部の構成は
前記図1および図2に示すものを使用し、溝部21,2
2の深さhmを0〜50μmに変化させた場合に、回転
軸13に作用する側圧の変化を測定したものである。図
8から明らかなように、溝部の深さが4μm未満および
45μmを超えた領域においては、前述のような油膜圧
力のベクトル和に起因する側圧が発生しないことがわか
る。従って溝部の深さは4〜45μm、好ましくは5〜
40μmとするのがよい。
【0031】図9は本発明の第5実施例における回転数
と側圧との関係を示す図である。使用した軸受の構成は
前記図1および図2に示すものを使用し、回転数400
0〜20,000r.p.m.に変化させた場合の側圧の変化
である。図9から明らかなように、回転数が増加すると
回転軸に作用する側圧は比例して増大することがわか
る。従って本発明の小型モータは高速回転仕様のものに
特に有効である。
【0032】図10は本発明の第6実施例における軸受
の内周面を示す拡大展開図であり、同一部分は前記図1
および図2と同一の参照符号で示す。図10において2
8は内周摺動面であり、軸受10の軸線方向の中間部に
設け、内周摺動面20,23と同一面に形成する。従っ
て内周摺動面20,23,28は連続した円周面を形成
することになる。
【0033】上記の構成により、回転軸(図示せず)が
円滑に回転し、異常摩耗の発生を防止することができ
る。すなわち連続する内周摺動面28を欠如した構成の
ものでは、低速回転の場合において、回転軸が溝部2
1,22内に進入し、回転軸と段部21a,21b,2
2a,22bとが局部接触して、両者に異常摩耗を発生
することがあるが、連続する内周摺動面28を設けるこ
とにより、上記のような非所望な現象を防止できるので
ある。
【0034】図11は図10における連続する内周摺動
面28の軸線方向長さDLと軸受10の軸線方向長さL
との比DL/Lと側圧との関係を示す図である。図11
から明らかなように、DL/Lが大になるに伴って側圧
は減少し、DL/Lが0.2 を超えると側圧が発生しない
ことがわかる。従ってDL/Lは0.2 以下とすることが
好ましい。
【0035】図12は本発明の第7実施例における軸受
を示す説明図であり、(a)は端面、(b)は(a)に
おけるA−A線断面を示し、同一部分は前記図1、図2
および図10と同一の参照符号で示す。図12におい
て、連続する内周摺動面28は軸受10の一方の端面に
接して設けられる。このような構成にすることにより、
軸受10の成形を容易に行い得る。すなわち本発明にお
ける軸受10は焼結含油軸受であるため、粉末冶金手段
によって製作されるのであるが、前記図10に示すよう
な軸受10の軸線方向の中間部に連続する内周摺動面2
8を有するものを成形することは、成形用金型が複雑と
なるのみならず、成形作業が煩雑になる。図12に示す
ような構成とすることにより、成形作業が極めて容易に
なり得る。
【0036】図13は本発明の第8実施例における軸受
を示す縦断面図であり、(a)は連続する内周摺動面を
軸線方向中間部に設けたもの、(b)は連続する内周摺
動面を端面に設けたものを示し、同一部分は前記図12
と同一の参照符号で示す。図13(a)に示すものは図
12に示す軸受10を2個連続する内周摺動面28を隣
接させて組み合わせたものであり、前記図10に示すも
のと同様の作用が期待できる。また図13(b)に示す
ものは、連続する内周摺動面28が両端面に現れるよう
に、図12に示す軸受10を2個組み合わせたものであ
る。図13(b)に示すような構成により、連続する内
周摺動面28がシール機能を具備することになり、潤滑
油の外部への流出を少なくすることができる。
【0037】図14は本発明における軸受に設ける溝部
の変形例を示す要部説明図であり、同一部分は前記図1
2と同一の参照符号で示す。まず図14(a)に示すも
のは、溝部21の深さを溝部22の深さより大に形成し
たものである。図14(b)に示すものは、溝部21の
段部21aを傾斜面に形成したものである。また図14
(c)に示すものは、溝部22の段部22aの他に他の
段部22a1を設けて、複数の段部としたものである。
上記のように溝部および段部を形成しても前記と同様の
回転軸に対する偏倚作用が期待できる。
【0038】本発明における溝部の円周方向長さは10
°〜170°に形成することが好ましい。10°未満で
は回転軸の回転方向下流側の段部における動圧が小であ
り、回転軸に作用する側圧が小さいため好ましくない。
一方170°を超えると、回転軸が溝部内に進入し、回
転軸と溝部および/または段部と局部接触して、両者に
異常摩耗を発生することとなるため不都合である。
【0039】次に内周摺動面の円周方向長さは、最大内
周摺動面(例えば図1および図2における符号20参
照)以外で、溝部間に設けられるものは、10°〜30
°に形成することが好ましい。10°未満であると摺動
面が突起状となり、回転軸と局部接触して異常摩耗を発
生するため好ましくない。一方30°を超えると、油膜
圧力が大になりすぎて、回転軸を最大内周摺動面側に押
戻そうとする力が大になり、回転軸の偏倚を阻害するた
め不都合である。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上記述のような構成および作
用であるから、回転軸に作用する油膜圧力のベクトル和
により、回転軸を特定の内周摺動面に偏倚させることが
でき、回転軸の振動を防止することができるのである。
また軸受内周に設けた複数個の溝部の一部を円周方向に
横断して連続する内周摺動面を設けることにより、回転
軸と溝部の段部との局部接触を防止し、更に軸受外への
潤滑油の流出を防止し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における軸受を示す端面説
明図である。
【図2】本発明の第1実施例における軸受を示す端面説
明図である。
【図3】図1および図2に示す軸受10と回転軸13と
の間の円周方向の位置における隙間分布(a)および油
膜圧力分布(b)を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例における軸受を示す端面説
明図である。
【図5】図4に示す軸受10と回転軸13との間の円周
方向の位置における隙間分布()および油膜圧力分布
(b)を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例における軸受を示す端面説
明図である。
【図7】図6に示す軸受10と回転軸13との間の円周
方向位置における隙間分布(a)および油膜圧力分布
(b)を示す図である。
【図8】本発明の第4実施例における溝部の深さと側圧
との関係を示すである。
【図9】本発明の第5実施例における回転数と側圧との
関係を示す図である。
【図10】本発明の第6実施例における軸受の内周面を
示す拡大展開図である。
【図11】図10における連続する内周摺動面28の軸
線方向長さDLと軸受10の軸線方向長さLとの比DL
/Lと側圧との関係を示す図である。
【図12】本発明の第7実施例における軸受を示す説明
図であり、(a)は端面、(b)は(a)におけるA−
A線断面を示す。
【図13】本発明の第8実施例における軸受を示す縦断
面図であり、(a)は連続する内周摺動面を軸線方向中
間部に設けたもの、(b)は連続する内周摺動面を端面
に設けたものを示す。
【図14】本発明における軸受に設ける溝部の変形例を
示す要部説明図である。
【図15】従来の小型モータの例を示す要部縦断面図で
ある。
【図16】従来の振動防止手段の例を示す横断面説明図
である。
【図17】従来の振動防止手段の他の例を示す要部縦断
面図である。
【図18】従来の振動防止手段の更に他の例を示す要部
拡大横断面図である。
【符号の説明】
10,11 軸受 20,23,25,27 内周摺動面 21,22,24,26 溝部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料により有底中空筒状に形成され
    かつ内周面に永久磁石(2)を固着してなるハウジング
    (1)と、前記永久磁石(2)に対向しコイル(3)を
    巻装してなる電機子鉄心(4)と整流子(5)とからな
    る回転子(6)と、前記ハウジング(1)の開口部に嵌
    着されかつ前記整流子(5)と摺動係合されるブラシ
    (8)とこのブラシ(8)に電気的に接続された入力端
    子(9)とを設けてなるエンドプレート(7)とからな
    り、前記ハウジング(1)の底部と前記エンドプレート
    (7)とに設けられた焼結含油材料からなる軸受(1
    0),(11)を介して前記回転子(6)を回転自在に
    支持してなる小型モータにおいて、 軸受(10),(11)の内周摺動面に微小間隔を介し
    て円周方向に複数個の溝部(21),(22)…を設け
    ると共に、少なくとも1個の溝部の円周方向長さが他の
    溝部の円周方向長さと異なるように形成し、かつ夫々の
    溝部(21),(22)…の中心間の円周方向ピッチが
    異なるように形成したことを特徴とする小型モータ。
  2. 【請求項2】 最大円周方向長さθsを有する内周摺動
    面(20)から回転軸の回転方向下流側の第1の溝部
    (21)の円周方向長さθg1 と、第2の溝部(22)
    以降の溝部の円周方向長さの和θgsとをθg1 <θg
    sに形成したことを特徴とする請求項1記載の小型モー
    タ。
  3. 【請求項3】 最大円周方向長さθsを有する内周摺動
    面(20)に隣接する溝部(21)…の円周方向長さθ
    gとをθs>θgに形成したことを特徴とする請求項1
    若しくは2記載の小型モータ。
  4. 【請求項4】 軸受(10),(11)の軸線方向端部
    および/または軸線方向中間部に円周方向に連続する内
    周摺動面(28)を設けたことを特徴とする請求項1な
    いし3何れかに記載の小型モータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100516745B1 (ko) * 1996-12-25 2006-01-12 엔티엔 가부시키가이샤 동압형다공질오일함유베어링및베어링장치
JP2014042448A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Stabilus Gmbh 電気モータおよびそれを有するモータ・ギヤ装置と可変長駆動手段

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KR100516745B1 (ko) * 1996-12-25 2006-01-12 엔티엔 가부시키가이샤 동압형다공질오일함유베어링및베어링장치
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