JPH0810302A - 多糖類水溶液用循環風呂 - Google Patents

多糖類水溶液用循環風呂

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JPH0810302A JP6168752A JP16875294A JPH0810302A JP H0810302 A JPH0810302 A JP H0810302A JP 6168752 A JP6168752 A JP 6168752A JP 16875294 A JP16875294 A JP 16875294A JP H0810302 A JPH0810302 A JP H0810302A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】多糖類の水溶液Ｐが循環する風呂を構成する。
水溶液Ｐは、浴槽１から排出され、集毛器１から濾過器
３を経て濾過した後に、電解殺菌器４で殺菌して浴槽１
に還元する。装置各部の循環用パイプＱに非金属製パイ
プを使用する。電解殺菌器４は、複数枚の電極板を流水
方向に対して直交状に配する。濾過器３は、水溶液の接
液部分にゴムライニングを施した筒状を成し、磁重砂を
載せた目皿板を内部に配する。 【効果】多糖類を主成分とする粘度の高い水溶液でも循
環液として繰り返し使用することが可能で、目詰まりが
少なく、濾過処理や逆洗処理時間が短時間で済み、充分
な殺菌力が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、主に、皮膚や、鼻粘膜
等の細胞を活性化するのに好適な多糖類水溶液用循環風
呂に関する。
【０００２】
【従来の技術】本願発明者は、先に、皮膚細胞の活性化
を図るべく、多糖類を主成分とする水溶液（特許第1597
430 号及び特開平3-240730号）を発明している。これら
の水溶液は、副作用の恐れが全くない状態で、皮膚や、
鼻粘膜等の細胞を活性化し、脱毛症や色素沈着、あるい
は口内炎や花粉症等の諸疾患に顕著な効果を奏するもの
である。そして、発明者は、鋭利研究の末、これらの水
溶液を浴槽内で使用することで、より有効な効果が得ら
れることを発見した。
【０００３】一方、従来の循環風呂の濾過装置として、
特開平2-108794号公報に記載された浴槽用殺菌処理装置
や、特開平3-192 号公報に記載された浴槽水殺菌浄化装
置が提案されている。いずれの装置も、浴槽水を循環せ
しめる間に水を殺菌濾過するものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この多糖類
を主成分とする特殊な水溶液を従来の循環風呂で使用す
るには、次のような課題が残されていた。
【０００５】第１には、各循環装置の金属部分の腐食が
激しく、３カ月から半年で使用できなくなってしまうこ
と。
【０００６】第２に、水溶液の濾過処理時間が極めて長
くなること。すなわち、浴槽内で使用する多糖類の水溶
液は、通常の浴槽で使用する水分に比べて極めて高粘度
のため、濾過装置の各部に多くの目詰まりが生じ、濾過
処理時間が極めて長くなる。また、同様の理由から、濾
過器内部の逆洗処理時間も長時間になってしまう。
【０００７】第３に、多糖類の水溶液を殺菌する場合
に、従来の殺菌装置では殺菌力が弱いこと。例えば、通
常の温水を使用した浴槽水の雑菌数が１ml中、１×１０
8 個ある場合に、従来の殺菌装置で殺菌した雑菌数は、
９×１０5 までの抑制が限界である。したがって、多糖
類の水溶液を殺菌するには、更にその殺菌効果が劣って
しまい、実用的ではないこと。
【０００８】そこでこの発明は、上述の課題を解消すべ
く創出されたもので、多糖類を主成分とする粘度の高い
水溶液でも循環液として繰り返し使用することが可能
で、目詰まりが少なく、濾過処理や逆洗処理時間が短時
間で済み、充分な殺菌力が得られる多糖類水溶液用循環
風呂の提供を目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべく
この発明の第１の手段は、浴槽から排出される多糖類の
水溶液が、非金属製の循環用パイプを循環し、集毛器か
ら濾過器を経て濾過された後に、水溶液を電解殺菌器で
殺菌して浴槽に還元する循環風呂であって、電解殺菌器
は、複数枚の電極板を流水方向に対して直交状に配し、
濾過器は、水溶液の接液部分にゴムライニングを施した
筒状を成し、磁重砂を載せた目皿板を内部に配し、磁重
砂の上の槽内部を下部から上部へ循環する循環路に集毛
器を介し、磁重砂の下の槽内部に逆洗循環路を設けたこ
とにある。
【００１０】第２の手段の濾過器は、水溶液の接液部分
にゴムライニングを施したステンレス材を使用し、ま
た、集毛器は、水溶液の接液部分に塩化ビニル材を使用
するものである。
【００１１】第３の手段の電解殺菌器は、チタン合金に
より形成された網目状の電極板には、少なくとも１A 乃
至３A の電流が流れる。
【００１２】第４の手段に係る多糖類の水溶液は、デキ
ストランと、ブドウ糖と、塩化ナトリウムとを含んだ浴
槽水を使用する。
【００１３】第５の手段に係る多糖類の水溶液は、プル
ラン、硫酸化デンプン、マンニトール、デキストリン、
シクロデキストリン、カラゲナン、ムタン、レンチナ
ン、塩化カルシウム、ヒドロキシエチルスターチのいず
れかを添加したものを使用することを課題解消のための
手段とする。
【００１４】
【作用】すなわちこの発明の第１の手段によると、浴槽
から排出される多糖類を含有した水溶液は、非金属製の
循環用パイプを通って濾過装置を循環する。そして、循
環する水溶液は、集毛器から濾過器を経て濾過され、流
水方向に対して直交状に配した複数枚の電極板を有する
電解殺菌機で殺菌される。
【００１５】また、濾過器によると、多糖類の水溶液
は、ゴムライニングを施した部分に収容される。そし
て、この水溶液は、磁重砂を載せた目皿板を通過する際
に濾過される。一方、磁重砂の上の槽内部では、集毛器
を介した循環路を循環することで濾過される。また、磁
重砂の下の槽内部に設けた逆洗循環路から槽内部が逆洗
されるものである。
【００１６】また、第２の手段のステンレス製の濾過器
は、ゴムライニングを施した部分に多糖類の水溶液が接
触し、集毛器は塩化ビニル材が腐食を防止する。
【００１７】第３の手段の電解殺菌器は、その電極板を
チタン合金により形成された網目状に形成し、少なくと
も１A 乃至３A の電流が流れる。すると、電気分解（溶
液通電）によって、陽極に酸素が発生する。その際、酸
素電子のエネルギーレベルが基底状態から励起して活性
酸素を生じさせる。このときの電極板の材質、形状が活
性酸素生成系のエネルギー障壁を下げ、触媒様の作用を
すると考えられる。また、発生した活性酸素は、スーパ
ーオキシドアニオン、一重項二原子酸素であり、細菌細
胞壁を酸化し、ラジカル分子を生じさせ、細菌を死滅さ
せる。
【００１８】第４の手段に係る多糖類の水溶液は、デキ
ストランと、ブドウ糖と、塩化ナトリウムとを含んだも
のが浴槽水になって循環する。
【００１９】第５の手段に係る多糖類の水溶液は、プル
ラン、硫酸化デンプン、マンニトール、デキストリン、
シクロデキストリン、カラゲナン、ムタン、レンチナ
ン、塩化カルシウム、ヒドロキシエチルスターチのいず
れかを添加したものが浴槽水になって循環する。
【００２０】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例を
詳細に説明する。
【００２１】図１は、この発明の第１実施例を示す。符
号１は、多糖類の水溶液を浴用水とする浴槽である。こ
の浴槽１から使用後に排出される水溶液は、集毛器２と
濾過器３と電解殺菌器４とを循環して再使用される。そ
して、この循環経路の循環用パイプに非金属製のパイプ
を使用する。このとき、非金属製のパイプとして、塩化
ビニル等のプラスチック材を予定しているが、この他、
セラミックなど、他の腐食に強い非金属製材を使用する
こともできる。
【００２２】集毛器２は、水溶液の接液部分に塩化ビニ
ル材を使用する。そして、浴槽１から排出された水溶液
は、まず、この集毛器２を通過した後に、濾過ポンプ３
Ａを介して濾過器３へ移動する。
【００２３】濾過器３は、ステンレス製のものを使用
し、特に、タンク内部における水溶液の接液部分にゴム
ライニングを施している。このとき、ステンレス材は、
ＳＳ−４１にゴムライニングを施したものを予定してい
る。図示例では、この濾過器３に逆洗水槽５を接続して
いる。さらに、濾過器３を通過した水溶液は、電解殺菌
器４へと循環する。
【００２４】このとき、電解殺菌器４には、カートリッ
ジフィルター６を介して水溶液が送られている。そして
カートリッジフィルター６は、集毛器２と同様に材質を
塩化ビニル製としてある。さらに、カートリッジフィル
ター６と電解殺菌器４との間には、熱交換器７と温水槽
８とを介して、循環する水溶液の温度を調整できるよう
にしている。
【００２５】図２は、この発明の瀘過器３を示してい
る。すなわち、瀘過器３の内部には、磁重砂を収納して
いる。この磁重砂は、瀘過器３の内部に設けた目皿板４
の上に載置するもので、瀘過器３の上部から下部に流れ
る水溶液がこの磁重砂で濾過されるものである。図示例
では、瀘過器３のフランジ３ｂ部位に目皿板４を配設し
ている。更に、瀘過器３の上部には、瀘過器３内部を攪
拌する攪拌器３Ｂを設けている。
【００２６】集毛器３Ｅは、磁重砂の上の槽内部を、下
部から上部へ循環する循環路３ｃに配している。このと
き、符号３ｄは循環ポンプを示す。また、集毛器３Ｅの
材質は、PVC 製材を予定している。
【００２７】逆洗循環路３Ｆは、磁重砂の下の槽内部に
設けてある。この逆洗循環路３Ｆは、逆洗ポンプ５Ａを
介して逆洗水槽５に連結している。
【００２８】図３は、電解殺菌器４を示している。この
電解殺菌器４は、複数枚の電極板４Ａを流水方向に対し
て直交状に配設する。図示例の電極板４Ａは、４層のも
のを使用している。そして、対を成した電極板４Ａの間
には孔の開いたグラファイト４Ｂをスペーサーとして用
いている。
【００２９】電極板４Ａはチタン合金を使用して網目状
に形成する（図４参照）。図示例では、２枚の網板の網
目の位置を変えて組み合わせた電極板４Ａを構成してあ
る。次に、厚さ 2mm電極板４Ａをカラム本体４Ｃの内部
に25mmの間隔で４枚組み込み、各電極板４Ａに電圧3.0V
で2.2Aの電流を流して殺菌した結果を表１に示す。
【００３０】
【表１】 このデータは、電解殺菌器４が電圧2.8V/cell 、電流2.
0A、1.3 l/min の条件で継続測定したデータを示す。こ
の結果、水溶液Ｐに含まれる細菌 ２．１×１０3 〜６
５（個／ｍｌ）まで激減させることができた。
【００３１】
【表２】 表２は、同じ条件下で、Naclを除いた水溶液Ｐを殺菌し
たものである。この場合、電極板４Ａを６枚にすること
で、細菌を２．３×１０3 〜６６（個／ｍｌ）までに減
らすことができた。
【００３２】本発明の殺菌性能の主な要因は、処理液に
流される電流値より決定されるもので、各電極板４Ａに
20〜80W で、しかも 1〜3Aの電流が望ましいと考えられ
る。但し、電極板４Ａの材質や形状でその値は変動する
可能性がある。
【００３３】多糖類の水溶液は、デキストランと、ブド
ウ糖と、塩化ナトリウムとを含むもので、この他、プル
ラン、硫酸化デンプン、マンニトール、デキストリン、
シクロデキストリン、カラゲナン、ムタン、レンチナ
ン、塩化カルシウム、ヒドロキシエチルスターチなど
を、適宜添加する場合もある。
【００３４】図５は、この発明の他の実施例を示すもの
で、水溶液Ｐは、集毛器２からポンプ２Ａ、流量計１１
を介して濾過器３で濾過される。この濾過器３で濾過さ
れた水溶液Ｐは、熱交換器７及び塩素殺菌器１２を経た
後に、電解殺菌器４で殺菌し、フィルター１０を通して
浴槽１内にもどされるものである。
【００３５】
【発明の効果】この発明は、上述の如く構成したことに
より、当初の目的を達成する。
【００３６】すなわち、請求項１により、多糖類の水溶
液による腐食を防止し、多糖類を主成分とする粘度の高
い水溶液でも循環液として繰り返し使用することが可能
になった。
【００３７】また、請求項２により、粘度の高い水溶液
であっても目詰まりが少ない濾過をすることができる。
【００３８】更に、請求項３は、多糖類水溶液を実用化
できるほど充分に殺菌することができる。
【００３９】しかも、請求項４及び５により、デキスト
ランと、ブドウ糖と、塩化ナトリウムとを含ませた多糖
類の水溶液は、副作用の恐れが全くない状態で、皮膚
や、鼻粘膜等の細胞を活性化し、脱毛症や色素沈着、あ
るいは口内炎や花粉症等の諸疾患に顕著な効果を奏す
る。この結果、多糖類の水溶液を浴槽１内部で多量に循
環使用することが可能になったことで、極めて有効な治
療を望めるものである。
【００４０】このように、本発明によると、多糖類を主
成分とする粘度の高い水溶液でも循環液として繰り返し
使用することが可能で、目詰まりが少なく、濾過処理や
逆洗処理時間が短時間で済み、充分な殺菌力が得られる
など、産業上有益な種々の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例を示す概略図。
【図２】この発明の使用例を示す概略図。
【図３】この発明の電解殺菌器を示す縦断面図。
【図４】電解殺菌器の電極板を示す要部拡大平面図。
【図５】この発明の他の実施例を示す概略図。
【符号の説明】
Ｐ 水溶液 Ｑ 循環パイプ １ 浴槽 ２ 集毛器 ２Ａ 濾過ポンプ ３ 濾過器 ３ａ ゴムライニング ３ｂ フランジ ３ｃ 循環路 ３ｄ 循環ポンプ ３Ａ 蓋体 ３Ｂ 攪拌器 ３Ｃ 鏡板 ３Ｄ 目皿板 ３Ｅ 集毛器 ３Ｆ 逆洗循環路 ４ 電解殺菌器 ４Ａ 電極板 ４Ｂ グラファイト ４Ｃ カラム本体 ５ 逆洗水槽 ５Ａ 逆洗ポンプ ５Ｂ 逆洗排水 ６ カートリッジフィルター ７ 熱交換器 ８ 温水槽 ８Ａ ヒーター ８Ｂ 循環ポンプ ８Ｃ 補給水 ９ 市水 １０ フィルター １１ 流量計 １２ 塩素殺菌器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０２Ｆ 1/46 Ｚ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】浴槽から排出される多糖類の水溶液が、非
    金属製の循環用パイプを循環し、集毛器から濾過器を経
    て濾過した後に、電解殺菌器で殺菌して浴槽に還元する
    循環風呂であって、電解殺菌器は、複数枚の電極板を流
    水方向に対して直交状に配し、濾過器は、水溶液の接液
    部分にゴムライニングを施した筒状を成し、磁重砂を載
    せた目皿板を内部に配し、磁重砂の上の槽内部を下部か
    ら上部へ循環する循環路に集毛器を介し、磁重砂の下の
    槽内部に逆洗循環路を設けたことを特徴とする多糖類水
    溶液用循環風呂。
  2. 【請求項２】濾過器は、水溶液の接液部分にゴムライニ
    ングを施したステンレス材を使用し、集毛器は、水溶液
    の接液部分に塩化ビニル材を使用した請求項１記載の多
    糖類水溶液用循環風呂。
  3. 【請求項３】電解殺菌器は、その電極板をチタン合金に
    より形成された網目状に形成し、少なくとも１A 乃至３
    A の電流が流れる請求項１及び２記載の多糖類水溶液用
    循環風呂。
  4. 【請求項４】多糖類の水溶液は、デキストランと、ブド
    ウ糖と、塩化ナトリウムとを含んだ浴槽水である請求項
    １乃至３記載の多糖類水溶液用循環風呂。
  5. 【請求項５】多糖類の水溶液は、プルラン、硫酸化デン
    プン、マンニトール、デキストリン、シクロデキストリ
    ン、カラゲナン、ムタン、レンチナン、塩化カルシウ
    ム、ヒドロキシエチルスターチのいずれかを添加した請
    求項１乃至４記載の多糖類水溶液用循環風呂。
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