JPH081008B2 - 人工肺用多孔質中空糸の製造法 - Google Patents

人工肺用多孔質中空糸の製造法

Info

Publication number
JPH081008B2
JPH081008B2 JP62066239A JP6623987A JPH081008B2 JP H081008 B2 JPH081008 B2 JP H081008B2 JP 62066239 A JP62066239 A JP 62066239A JP 6623987 A JP6623987 A JP 6623987A JP H081008 B2 JPH081008 B2 JP H081008B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
temperature
thermoplastic resin
porous
artificial lung
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62066239A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63235540A (ja
Inventor
信治 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP62066239A priority Critical patent/JPH081008B2/ja
Publication of JPS63235540A publication Critical patent/JPS63235540A/ja
Publication of JPH081008B2 publication Critical patent/JPH081008B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多孔質中空糸、特に人工肺に使用するガス
交換膜として好適な人工肺用多孔質中空糸の製造法に関
する。
[従来の技術] 高分子材料製の中空糸に多数の微細透孔が形成された
構成からなる多孔質熱可塑性樹脂中空糸は、たとえば、
水処理等に使用する濾過膜あるいは分離膜、および人工
肺あるいは血漿分離等に使用するガス交換膜などとし
て、各種の分野で利用されている。
多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法としては、たとえ
ば、易溶解性物質を混合分散させた高分子材料を中空糸
に成形したのち、該易溶解性物質を溶媒により溶解除去
して中空糸に多数の微細透孔を形成する方法などが知ら
れている。
近年、熱可塑性の結晶性高分子材料を中空糸として成
形した後、これを熱処理し、次いで、延伸処理すること
により中空糸に空孔を発生させる方法を利用して多孔質
体とする方法もまた一般的となっている。
高分子材料を用いた多孔質熱可塑性樹脂中空糸および
その製造法は、たとえば、特公昭56−52123号公報、特
開昭55−107507号公報、特開昭57−66117号公報、特開
昭57−5914号公報などに開示されている。上記の公報に
開示されている多孔質熱可塑性樹脂中空糸およびその製
造法は、そのほとんどが、成形した熱可塑性樹脂中空糸
を先ず熱処理した後、室温付近あるいは使用する熱可塑
性樹脂の二次転移温度以上(たとえば、ポリエチレンを
使用する場合には、−100℃以上)の温度で延伸処理し
て空孔を発生させて多孔質体とし、形成された空孔を次
いで再度熱処理を行ない熱固定する方法をその骨子とす
るものである。
このようにして得られ、人工肺用のガス交換膜として
使用されている多孔質中空糸は、その有する微細孔が透
過すべき気体分子に比べて著しく大きいため、体積流と
して微細孔を通過する、例えば、マクロポーラスポリプ
ロピレン膜等の多孔質中空糸を使用した人工肺が種々提
案されている。
また、人工肺用のガス交換膜としては、均質膜も知ら
れており、透過する気体の分子が膜に溶解し、拡散する
ことによってガスの移動が行なわれる。この代表的なも
のにポリジメチルシロキサンゴムがあり、コロボー膜型
肺として製品化されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記した、従来人工肺用として提案さ
れている多孔質中空糸は、水蒸気の透過性が高いので結
露水によって性能が低下するだけでなく、長期間血液を
循環させて使用すると、血漿が漏出するという欠点があ
った。
また、前記の均質膜は、ガス透過性の点から現在使用
可能のものとしてはシリコーンのみしか知られておら
ず、そのシリコーン膜は強度的に膜厚を100μm以下に
することはできない。このためガス透過に限界があり、
特に炭酸ガスの透過が悪いという欠点があった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、シリコーン膜の有する光学的安定性、生
体に対する毒性の無さ、及び酸素ガスの透過性良さなど
を生かし、シリコーン膜の欠点である機械的強度の低さ
を補う人工肺用の多孔質中空糸を得るために鋭意研究し
た結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂中空糸の内面およ
び外面の少なくとも片面にシリコーン樹脂層を積層して
なる中空糸を延伸することにより熱可塑性樹脂中空糸の
みに多数の微細透孔を形成する工程を含む人工肺用多孔
質中空糸の製造法であって、該延伸工程を、窒素、酸
素、アルゴン、一酸化炭素、メタンおよびエタンからな
る群より選ばれた媒体中で、かつその延伸温度が、−10
0℃以下の温度であって、該媒体の凝固点から該媒体の
沸点より50℃高い温度以下の範囲の温度にて行なうこと
を特徴とする人工肺用多孔質中空糸の製造法、を提供す
るものである。
本発明では、未延伸の中空糸を、熱可塑性樹脂中空糸
の内面および外面の少なくとも片面にシリコーン樹脂層
を積層してなる中空糸としてそれを延伸することによ
り、人工肺におけるガス交換膜として有効に使用できる
多孔質中空糸を製造することができることを見出し、そ
れに着目して本発明を完成したものである。
本発明の製造方法によって得られる多孔質中空糸は、
一般にその外径が10〜1000μm、周壁部厚さが10〜500
μm、熱可塑性樹脂中空糸に形成された透孔の透孔径が
0.01〜5μm、熱可塑性樹脂中空糸の空隙率が20〜75%
となる。そして、その構造は、熱可塑性樹脂中空糸には
多数の微細透孔が形成され、一方、該中空糸の内面およ
び/あるいは外面に形成されたシリコーン樹脂層には透
孔が形成されていない状態を呈するものである。
また、本発明においては、未延伸中空糸を特定の媒体
中で、−100℃以下の温度であって、該媒体の凝固点か
ら該媒体の沸点より50℃高い温度以下の範囲の温度にて
延伸することが必要である。
本発明に使用する熱可塑性樹脂中空糸の材質の例とし
ては、ポリオレフィン(ポリプロピレン、高密度ポリエ
チレンなど)、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポ
リフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン
共重合体などを挙げることができ、これらを単独あるい
は混合して使用することができる。
また、使用する熱可塑性樹脂の溶融粘度[メルトフロ
ーインデックス(MFI)あるいはメルトインデックス(M
I)]は、中空糸の紡糸可能な範囲であれば特に限定を
必要とするものではないが、たとえば、ポリエチレンを
使用する場合には中空糸の紡糸の効率あるいは生産性を
考慮すると、MIが0.5〜40g/10分のものを用いることが
好ましい。
本発明において使用されるシリコーン樹脂は、シリコ
ーンオイル、シリコーンゴムを含む広い概念であり、具
体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等
のシリコーン樹脂、ジメチルシリコーンオイル、メチル
フェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル、また
上記ポリシロキサンの分子量を大きくし、重合度2000以
上のものにしたシリコーンゴムなど、が好ましく使用さ
れる。
その他、可塑剤、着色剤、難燃化剤、充填剤などの添加
剤を含む熱可塑性樹脂も使用することができる。
熱可塑性樹脂中空糸の内面および外面の少なくとも片
面にシリコーン樹脂層を積層する方法としては、従来公
知の方法を用いることができ、例えば、コーティング
(塗布)処理方法などにより行なうことができる。
熱可塑性樹脂中空糸に積層されるシリコーン樹脂層の
厚さは、通常1〜20μm、好ましくは2〜10μmであ
る。
本発明においては、まず上記のような熱可塑性樹脂中
空糸にシリコーン樹脂層を積層したものを公知の中空糸
の紡糸法に従って紡糸し、未延伸の中空糸とする。この
ような紡糸条件は公知技術より適宜選択することができ
る。例えば、紡糸温度は、使用する熱可塑性樹脂を吐出
することができる温度以上であって、樹脂の熱分解温度
以下の範囲内の温度で行なうことができる。例えば、ポ
リプロピレンを使用する場合には、通常では、160〜280
℃、好ましくは180〜280℃、高密度ポリエチレンを使用
する場合には、通常では150〜300℃、好ましくは160〜2
70℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用する場
合には、通常では260〜330℃、好ましくは270〜300℃、
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体を使用する場
合には、通常では290〜350℃、好ましくは190〜280℃、
ポリフッ化ビニリデンを使用する場合には、通常では19
0〜300℃、好ましくは190〜280℃である。
未延伸の中空糸は、延伸工程に付する前に熱処理して
もよい。この延伸前の熱処理を行なうことにより、未延
伸中空糸の結晶化度を高めることができるため、延伸に
より得られる多孔質中空糸の特性はさらに向上する。
上記の熱処理は、未延伸中空糸を、例えば中空糸の基
材である熱可塑性樹脂の融解温度よりも30〜5℃低い温
度に加熱した空気中で3秒以上加熱する方法により実施
される。
本発明における延伸工程は、窒素、酸素、アルゴン、
一酸化炭素、メタンおよびエタンからなる群より選ばれ
た媒体中で、延伸温度が−100℃以下の温度であって、
該媒体の凝固点から該媒体の沸点より50℃高い温度以下
の範囲で行なうことが必要である。
本発明における延伸工程は、上述した媒体を単独で、
あるいは混合して使用することができる。
上記媒体を使用する場合の好ましい延伸温度の例を示
すと、窒素を用いた場合には、−209℃〜−146℃の範
囲、酸素を用いた場合には、−218℃〜−132℃の範囲、
アルゴンを用いた場合には、−189℃〜−140℃の範囲、
一酸化炭素を用いた場合には−205℃〜−141℃の範囲、
メタンを用いた場合には、−182℃〜−111℃の範囲、エ
タンを用いた場合には−183℃〜−100℃の範囲である。
延伸温度が前記の範囲外であると、延伸により有効な透
孔の形成率が低くなる。
上記の低温延伸工程における延伸倍率は、一般に未延
伸中空糸に対して1〜200%の範囲の値とされる。但
し、好ましい延伸倍率は10〜150%の範囲の値である。
これらの範囲内の延伸倍率では、延伸倍率が増加すると
透孔数が増加する傾向にあり、この傾向に利用して得ら
れる多孔質中空糸の平均透孔径や空隙率を目的に合わせ
て調整することも可能である。
上述した延伸工程では、所望の平均透孔径および空隙
率が得られるまで二回以上繰り返し実施することができ
る。
本発明の特定媒体下、低温における冷却下での延伸工
程を利用した中空糸の多孔質化は、従来の室温付近での
延伸工程による場合とは異なり、透孔が均一であり、且
つ空隙率の高い優れた多孔質中空糸とすることができ
る。
上記特定媒体中、延伸工程を経て多孔質化された中空
糸は、次いで熱固定処理にかけることが好ましい。この
熱固定処理は、形成された微細透孔を保持するための熱
固定を主なる目的とするものである。この熱固定処理し
た中空糸を、使用した熱可塑性樹脂の融解温度より70〜
5℃低い温度に加熱した空気中で3秒以上加熱する方法
などにより実施される。具体的な加熱温度は、例えば、
ポリプロピレンを使用する場合には、通常では100〜160
℃、好ましくは110〜155℃、高密度ポリエチレンを使用
する場合には、通常では70〜125℃、、好ましくは80〜1
20℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用する場
合には、通常では150〜210℃、好ましくは160〜200℃、
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体を使用する場
合には、通常では180〜240℃、好ましくは200〜230℃、
ポリフッ化ビニリデンを使用する場合には、通常では10
0〜165℃、好ましくは110〜160℃である。なお、加熱温
度が、記載した温度の上限により著しく高いと、形成さ
れた微細空孔が閉鎖すこともあり、また、温度が下限よ
り著しく低いか、あるいは加熱時間が3秒より短いと熱
固定が不充分となりやすく、後に形成された透孔が閉鎖
することがあり、また使用に際しての温度変化により熱
収縮を起し易くなる。上述した低温延伸と熱固定処理
は、所望の平均透孔径および空隙率が得られるまで繰り
返し実施することができる。即ち、中空糸の温度を室温
まで戻し、繰り返し低温延伸(および熱固定処理)を含
む工程に付すことができる。低温延伸を繰り返して行な
うことにより形成される透孔の数を多くすることがで
き、また平均透孔径を大きくすることができる。
上記のようにして調製された多孔質中空糸は形成され
た平均透孔径が大きく、また空隙率も高く良好な特性を
示すが、さらに上記の多孔質中空糸を熱延伸工程にかけ
ることにより、さらにその特性は向上する。
上記延伸工程を少なくとも一回経て多孔質化された中
空糸の熱延伸工程は次のようにして実施される。この熱
延伸工程は、主として低温で形成された微細透孔の透孔
径を拡張することを目的として行なわれるものである。
この熱延伸工程は、多孔質化した中空糸を使用した熱可
塑性樹脂の融解温度より70〜5℃低い温度に加熱した空
気中などで延伸することにより実施される。例えば、ポ
リプロピレンを使用する場合には、通常では100〜160
℃、好ましくは110〜155℃、高密度ポリエチレンを使用
する場合には、通常では70〜125℃、好ましくは80〜120
℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用する場合
には、通常では150〜210℃、好ましくは160〜200℃、エ
チレンテトラフルオロエチレン共重合体を使用する場合
には、通常では180〜240℃、好ましくは200〜230℃、ポ
リフッ化ビニリデンを使用する場合には、通常では100
〜165℃、好ましくは110〜160℃に設定して行なう。な
お、加熱温度が上記の温度の上限より高い場合には、形
成された微細空孔が閉鎖することもあり、また、温度が
下限より低い場合には延伸による透孔径の拡張が不充分
となることがある。
この熱延伸工程における延伸倍率は、低温延伸工程に
付される以前の中空糸長さ(初期長さ)に対して通常は
10%〜700%、好ましくは、50%〜550%である。延伸倍
率が、10%より低いと透孔の拡張が不充分となることが
あり、また700%より高いと中空糸が切断されることが
ある。
なお、この熱延伸工程は、上述した低温延伸工程と交
互に実施するか、または少なくとも1回の低温延伸工程
を終了した後に実施する。
この延伸処理により多孔質化された中空糸は、延伸工
程と延伸工程の間に、熱固定処理にかけることが望まし
い。この熱固定処理は、熱延伸工程を経て形成された透
孔を熱固定することを主なる目的とするものである。
この熱固定処理は、通常多孔質化した熱可塑性樹脂中
空糸を延伸状態を保持したまま空気中で3秒以上、使用
した熱可塑性樹脂の融解温度により20〜5℃低い温度に
加熱する方法などにより実施される。具体的な加熱温度
は、たとえばポリプロピレンを使用する場合は、通常10
0〜160℃、好ましくは110〜155℃、高密度ポリエチレン
を使用する場合は通常70〜125℃、好ましくは80〜120
℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用する場合
には、通常150〜210℃、好ましくは160〜200℃、エチレ
ンテトラフルオロエチレン共重合体を使用する場合には
通常180〜240℃、好ましくは200〜230℃、ポロフッ化ビ
ニリデンを使用する場合には、通常では100〜165℃、好
ましくは110〜160℃である。
この熱固定処理は全ての延伸工程を終了した中空糸に
対しても同様に行うことが望ましい。
加熱温度は上記の上限温度より高いと、形成された透
孔が閉鎖することもあり、また温度が上記の下限温度よ
り低いか加熱時間が3秒より短いと熱固定が不充分とな
り易く、後に透孔が閉鎖し、また使用に際しての温度変
化により熱収縮を起し易くなる。
以上のようにして得られる多孔質中空糸は、人工肺に
用いるガス交換膜として有効に使用される。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基いてさらに説明する。
(実施例1) ポリプロピレン(UBE−PP−J109G、商品名:字部興産
(株)製、MFI=9g/10分)を、直径8mm、内径7mmの気体
供給管を備えた中空糸製造用ノズルを使用し、紡糸温度
200℃、引取速度122m/分の条件で紡糸した。得られたポ
リプロピレン中空糸の内面にジメチルポリシロキサンを
厚さ5μmにて塗布してなるものを、145℃の加熱空気
槽で30分加熱処理し、次いで液体窒素(−195℃)中
で、初期長さに対し20%延伸し、延伸状態を保ったまま
145℃の加熱空気槽内で15分熱処理を行った。
この中空糸を145℃の空気雰囲気で400%の熱延伸を行
なった後、延伸状態を保ったまま145℃の加熱空気槽内
で15分間熱処理を行ない多孔質中空糸を製造した。
得られたポリプロピレン中空糸の平均透孔径を水銀圧
入法〔測定は、カルロエルバ(CARLOERBA)社(イタリ
ア)製のポロシメトロ シリーズ(POROSIMETRO SERIE
S)1500を使用して行なった。以下同様〕で測定したと
ころ、0.5μmであり、空隙率は75%であった。なお、
ジメチルポリシロキサンの層には透孔は形成されなかっ
た。
この多孔質中空糸について、人工肺に用いるためのガ
ス交換性能を評価した。評価は、酸素添加能およびシー
ラム リーケージ(SURUMU LEAKAGE)(血漿のにじみ
出し)について行なった。
まず、血液速度が3/min/m2の場合、酸素添加能は2
80ml/min/m2であった。また、シーラム リーケージに
ついては温度37〜38℃において125時間経過後に血漿の
にじみ出しが生じた。
(実施例2) 6高密度ポリエチレン(ショレックスF6080、商品
名、昭和電工(株)製、MI=8g/10分)を、直結8mm、内
径7mmの気体供給管を備えた中空糸製造用ノズルを使用
し、紡糸温度190℃、引取速度200m/分、ドラフト比726
の条件で紡糸した。得られたポリエチレン中空糸の内面
にメチルフェニルポリシロキサンを厚さ6μmで塗布し
てなるものを、110℃の加熱空気槽で30分間加熱処理
し、次いで液体窒素(−195℃)中で、初期長さに対し2
0%延伸し、延伸状態を保ったまま110℃の加熱空気槽内
で15分間熱処理を行なった。
この中空糸を110℃の空気雰囲気で80%の熱延伸を行
なった後、延伸状態を保ったまま110℃の加熱空気槽内
で15分間熱処理を行ない多孔質中空糸を製造した。
得られたポリエチレン中空糸の平均透孔径を水銀圧入
法〔測定は、カルロエルバ(CARLOERBA)社(イタリ
ア)製のポロシメトロ シリーズ(POROSIMETRO SERIE
S)1500を使用して行なった。以下同様〕で測定したと
ころ、0.32μmであり、空隙率は68%であった。一方、
メチルフェニルポリシロキサン層については透孔は形成
されていなかった。
この多孔質中空糸について、実施例1と同一の条件で
人工肺に用いるためのガス交換性能を評価したところ、
酸素添加能は265ml/min/m2であり、また105時間経過後
に血漿のにじみ出しが生じた。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の人工肺用多孔質中空糸
の製造法によれば、ガス透過性は高いが、水蒸気等水分
は透過せず、長期間血液を循環させて使用しても、血漿
が漏出せず、しかもその強度が大である、人工肺用ガス
交換膜として利用できる多孔質中空糸を得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂中空糸の内面および外面の少
    なくとも片面にシリコーン樹脂層を積層してなる中空糸
    を延伸することにより熱可塑性樹脂中空糸のみに多数の
    微細透孔を形成する工程を含む人工肺用多孔質中空糸の
    製造法であって、該延伸工程を、窒素、酸素、アルゴ
    ン、一酸化炭素、メタンおよびエタンからなる群より選
    ばれた媒体中で、かつその延伸温度が、−100℃以下の
    温度であって、該媒体の凝固点から該媒体の沸点より50
    ℃高い温度以下の範囲の温度にて行なうことを特徴とす
    る人工肺用多孔質中空糸の製造法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂がポリプロピレン、高密度ポ
    リエチレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリ
    フッ化ビニリデン又はエチレンテトラフルオロエチレン
    共重合体である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
JP62066239A 1987-03-20 1987-03-20 人工肺用多孔質中空糸の製造法 Expired - Lifetime JPH081008B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62066239A JPH081008B2 (ja) 1987-03-20 1987-03-20 人工肺用多孔質中空糸の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62066239A JPH081008B2 (ja) 1987-03-20 1987-03-20 人工肺用多孔質中空糸の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63235540A JPS63235540A (ja) 1988-09-30
JPH081008B2 true JPH081008B2 (ja) 1996-01-10

Family

ID=13310107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62066239A Expired - Lifetime JPH081008B2 (ja) 1987-03-20 1987-03-20 人工肺用多孔質中空糸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH081008B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308724A (ja) * 2007-08-31 2007-11-29 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂の硬質多孔質成形体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6135803A (ja) * 1984-07-26 1986-02-20 Shin Etsu Chem Co Ltd 複合中空糸
JPS61146811A (ja) * 1984-12-21 1986-07-04 Ube Ind Ltd 多孔質熱可塑性樹脂中空糸の製造法
JPS62117811A (ja) * 1985-11-13 1987-05-29 Mitsubishi Rayon Co Ltd 複合中空繊維状膜の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63235540A (ja) 1988-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4612119A (en) Hollow fiber filter medium and process for preparing the same
CA1131861A (en) Process for preparing microporous hollow fibers
KR101162403B1 (ko) 기체 분리막
EP0299381B1 (en) Membrane-type artificial lung and method of using it
US4269713A (en) Ethylene-vinyl alcohol copolymer membrane and a method for producing the same
KR101015479B1 (ko) 막 및 그의 용도
US5192320A (en) Artificial lung and method of using it
US4385094A (en) Ethylene-vinyl alcohol hollow fiber membrane and method for the production thereof
JPH0647066B2 (ja) 多孔質分離膜とその製造方法
CA1315929C (en) Porous hollow-fiber
JPH0676502B2 (ja) 微多孔性平膜及びその製造方法
JPH04265132A (ja) 多孔質中空糸膜の製法
JPH0763505B2 (ja) 人工肺用多孔質中空糸の製造法
JPH081008B2 (ja) 人工肺用多孔質中空糸の製造法
JPH0262604B2 (ja)
JP2572895B2 (ja) 多孔質中空糸膜の製造法
GB2047161A (en) Hollow fiber form polycarbonate membrane for use in dialysis and process for producing same
IE55578B1 (en) Hollow fibre useful in blood treating processes
JP3492741B2 (ja) 複合膜及びその製法
JP2592725B2 (ja) 中空糸膜の製造法
JP2553248B2 (ja) 多孔質中空糸膜の製造方法
JP2622629B2 (ja) 中空糸膜の製法
JPS6186239A (ja) 多孔質熱可塑性樹脂フイルムの製造法
JP2505496B2 (ja) 半透膜およびその製造方法
JPS60209205A (ja) ポリフツ化ビニリデン系中空糸多孔膜の製造方法