JPS6186239A - 多孔質熱可塑性樹脂フイルムの製造法 - Google Patents

多孔質熱可塑性樹脂フイルムの製造法

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JPS6186239A
JPS6186239A JP20918184A JP20918184A JPS6186239A JP S6186239 A JPS6186239 A JP S6186239A JP 20918184 A JP20918184 A JP 20918184A JP 20918184 A JP20918184 A JP 20918184A JP S6186239 A JPS6186239 A JP S6186239A
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stretching
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亀井 衛一
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下村 泰志
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法に関す
る。
[発明の背景] 高分子材料製のフィルムに多数の微細透孔が形成された
構成からなる多孔質熱可塑性樹脂フィルム(多孔質熱可
塑性樹脂フィルム)は、たとえば、空気清浄、水処理等
に使用する濾過膜あるいは分離膜、電池あるいは電気分
解等に使用する隔1りおよび人工肺あるいは血漿分離等
に使用する分離膜などとして各種の分野で利用されてい
る。
多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法としては、たとえ
ば、易溶解性物質を混合分散させた高分子材料をフィル
ムに成形したのち、該易溶解性物質を溶媒により溶解除
去してフィルムに多数の微細透孔を形成する方法などが
知られている。
近年、熱可塑性の結晶性高分子材料をフィルムとして成
形した後、これを熱処理し、次いで延伸処理することに
よりフィルムに空孔を発生させる方法を利用して多孔質
体とする方法もまた一般的となっている。
このような目的に用いられる熱可塑性の結晶性高分子材
料としては各種の高分子物質が用いることができること
が知られているが、特にポリオレフィン、フッ素含有高
分子化合物、ポリアミド、ポリエステル、あるいは上記
の高分子化合物に類似の共重合体などが知られている。
なかでもポリプロピレン(プロピレンの単独重合体、あ
るいはプロピレンと他のモノマーとの共重合体)および
フッ素含有高分子化合物は、強度、耐薬品性などが優れ
ていることから多孔質熱可塑性樹脂フィルム製造用の高
分子材料として優れたものとされている。
[従来技術の説明および問題点] 高分子材料を用いた多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよび
その製造法は、たとえば、特公昭46−40119号公
報、特公昭50−2176号公報、特公昭55−325
31号公報などに開示されている。上記の公報に開示さ
れている多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造法
は、そのほとんどが、成形した熱可塑性樹脂フィルムを
先ず熱処理した後、室温付近あるいは使用する熱可塑性
樹脂の二次転移温度以上(たとえば、ポリプロピレンを
使用する場合には、−40℃以上)の温度で延伸処理し
て空孔を発生させて多孔質体と1     江シ −ト
 七 続 −一 而 fi  +−−Nし 1N 、唱
 ii nt  表kmtl鶴 も り; すさ −、
\熱固定する方法をその骨子とするものである。
多孔質熱可塑性樹脂フィルムは、その利用目的からして
微細透孔はできるだけ均質で、かつ所望の密度(空隙率
で表わすことができる)にて形成されていることが好ま
しい、しかしながら、上記方法で得られる多孔質熱可塑
性樹脂フィルムは平均透孔径が5000λ以下と小さく
、また空隙率が低いとの問題がある。従って、上記の方
法で得られた多孔質熱可塑性樹脂フィルムは、た、とえ
ば血漿分離などの分離膜として使用することは不適当で
あるなど、その用途が制限されることがある。
一般に、上述したような公知方法を利用して、形成され
る微細透孔が均一で大きく、かつ高い空隙率を有する多
孔質熱可塑性樹脂フィルムを得るためには、使用する未
延伸熱可塑性樹脂フィルムが高い配向性または高い弾性
回復率(ElasticRecoマery)を有するこ
とが必要である。このような未延伸熱可塑性樹脂フィル
ムを調製する方法としては、フィルムの成形を特定の条
件下で行なう方法、あるいは、未延伸熱可塑性樹脂フィ
ルムを熱処理して結晶化度を向上させる方法などが利用
されている。換言すれば従来法では、得られる多孔質熱
5(g!性樹脂フィルムの品質を向上させるために、予
め未延伸熱可塑性樹脂フィルムの結晶化度を高めるよう
な操作を加えることが一般的であった。従って、多孔質
熱可塑性樹脂フィルムの製造工程が全体として複雑にな
りやすいとの問題があった。
[発明の目的] 本発明は、空隙率が高く、平均透孔径が大きく、かつ形
成される透孔が均一な多孔質熱可塑性フィルムの製造法
を提供することを特徴とする特に本発明は、低い弾性回
復率又は低いドラフト比の熱可塑性樹脂の未延伸熱可塑
性樹脂フィルムを用いたとしても、空隙率が高く、平均
透孔径の大きく、かつ形成される透孔が均一な多孔質熱
可・塑性樹脂フィルムを製造できる方法を提供すること
を目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを延伸することにより
該フィルムに多数の微細透孔を形成する工程を含む多孔
質熱可塑性樹脂フィルムの製造法において、 該延伸工程を、窒素、醜素、アルゴン、一酸化炭素、メ
タンおよびエタンからなる群より選ばれた媒体中で、か
つその延伸温度が、−70℃以下の温度であって、該媒
体の凝固点から該媒体の沸点より50℃高い温度以下の
範囲にて行なうことを特徴とする多孔質熱可塑性樹・脂
フィルムの製造法を提供する。
また1本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを延伸すること
により該フィルムに多数の微細透孔を形成する工程を含
む多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法において、該延
伸工程が、フィルムを;(I)  窒素、酸素、アルゴ
ン、一酸化炭素、メタンおよびエタンよりなる群から選
ばれた媒体中で、かつ延伸温度が一70℃以下の温度で
あって、該媒体の凝固点から該媒体の沸点より50℃高
い温度以下の範囲にて延伸する工程;および(II)該
極低温下の延伸工程の後に該フィルムを該熱c+f塑性
樹脂の融解温度より90〜5℃低い温度の範囲内で熱延
伸する工程 ;を含むことを特徴とする多孔質熱可塑性樹脂フィルム
の製造法を提供する。
本発明は、たとえばポリプロピレンなどの熱可・塑性樹
脂フィルムを、たとえば液体窒素などのような特定の媒
体中で極低温下の条件で延伸を行なった場合に優れたク
レージング作用が現われ、また、このクレージング作用
は、熱可塑性樹脂フィルムが高い弾性回復率又はドラフ
ト比を有していなくとも特性の優れた多孔質熱可塑性樹
脂フィルムとなるように作用するとの知見に基づき完成
されたものである。すなわち本発明では、その多孔質化
が特定の媒体を用い極低温の温度条件で行なわれるため
、従来法では特に優れた特性を有する多孔質熱可塑性樹
脂フィルムを製造することが困難であった弾性回復率の
低い熱可塑性樹脂を使m したとしても均一な透孔を形
成することが可能となり、かつ空隙率の高い多孔質熱可
塑性樹脂フィルムを製造することができる。従って、未
延伸熱可塑性樹脂フィルムの製造の際に、従来法のよう
にその弾性回復率またはドラフト比を向上させるための
煩雑な操作を特に必要とはしない。
[発明の詳細な記述] 本発明は、熱可塑性樹脂を特定の媒体中で、−70℃以
下の温度であって、この媒体の凝固点から該媒体の沸点
より50℃高い温度以下の範囲にて延伸(以下、極低温
延伸ともいう)する、ことが必要である。
本発明は、その多孔質化の条件が従来法とは全く異るた
め、使用する熱可塑性樹脂には特に制限はない、使用す
る熱可塑性樹脂の例としては、ポリオレフィン(例、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル
−ペンテン−1)など)、フッ素含有高分子化合物(例
、ポリフッ化フニリデン、エチレンφテトラフルオロエ
チレン共重合体など)などを挙げることができ、これら
を単独であるいは混合して使用することができる0本発
明の熱可塑性樹脂としてはポリブロピレンが特に好まし
い。ただし1本発明においてポリプロピレンとは、単に
プロピレンの単独重合体に限定されるものではなく、プ
ロピレンの単独重合体、およびプロピレンと他のモノマ
ーあるいはオリゴマーとのブロック共重合体、プロピレ
ンと他のモノマーあるいはオリゴマーとのランダム共重
合体を含むものである。上記記載中の他のモノマーある
いはオリゴマーとして使用できるものはプロピレンと共
重合が可能であれば制限はないが、たとえばエチレンあ
るいはエチレンから誘導されるオリゴマーなどを挙げる
ことができる0本発明において特に限定のない「ポリプ
ロピレン」との表現は上記の各種のものを総称するもの
である。
また、使用する熱可塑性樹脂の溶融粘度[メルトフロー
インデックス(MFI)あるいはメルトフロー・ンクス
(MI)]は、フィルム成成形能な範囲であれば特に限
定を必要とするものではないが、たとえば、ポリプロピ
レンを使用する場合にはフィルム成形の効率あるいは生
産性を考慮すると、MFIが0.5〜40g/10分の
ものを用いることが好ましい。
その他、可塑剤、着色剤、難燃化剤、充填材などの添加
剤(材)を含む熱可塑性樹脂も使用することができる。
本発明においては、まず上記のような熱可塑性樹脂を公
知のフィルム製造法に従って成形し未延伸熱可塑性樹脂
フィルムとする。利用することができるフィルム製造法
の例としては、インフレーションフィルム成形法、Tダ
イフィルム成形法などを挙げることができる。このよう
な成形法における成形条件は公知技術より適宜選択する
ことができる。たとえば、フィルム成形温度は、使用す
る熱可塑性樹脂を吐出することができる温度以上であっ
て、樹脂の熱分解温度以下の範囲内の温度で行なうこと
ができる。たとえば、ポリプロピレンを使用する場合に
は、通常では170〜300℃、好ましくは190〜2
70℃、高密度ポリエチレンを使用する場合には1通常
では150〜300℃、好ましくは160〜270℃、
ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を使用する場合には
、通常では260〜330℃、好ましくは270〜30
0℃、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体を使
用する場合には、通常では290〜350℃、好ましく
は190〜280℃、ポリフッ化ビニリデンを使用する
場合には、通常では190〜300℃、好ましくは19
0〜280℃である。
また、成形して得られる未延伸熱可塑性樹脂フィルムの
弾性回復率(あるいはドラフト比)についても特に限定
はない、しかしながら、弾性回復率(あるいはドラフト
比)がゼロ(%)乃至極端に低い未延伸熱可塑性樹脂フ
ィルム、すなわち結晶配向性が極度に低い未延伸熱可塑
性樹脂フィルムを用いた場合には、本発明の極低温にお
ける延伸工程に付しても、得られる多孔性熱可塑性樹脂
フィルムに満足できる特性を与えにくい場合もある。従
って、得られる多孔質熱可塑性樹脂フィルムの空隙率お
よび微細透孔の平均透孔径等の特性を考慮して未延伸フ
ィルムの成形条件を設定することが好ましい。
上述したように未延伸熱可塑性樹脂フィルムの弾性回復
率に特に制限はないが、上記理由により次式で表わされ
る未延伸熱可塑性樹脂フィルムの25℃、相対湿度65
%のおける50%伸長の際の弾性回復率は、たとえば、
ポリプロピレンを使用する場合には、20%以上である
ことが好ましく、また、通常の成形装置を使用した場合
の生産性なども併せて考慮すると30〜95%の範囲で
あることが特に好ましい。
弾性回復率($)= [伸長時の長さ一伸長後の長さ]
÷[伸長時の長さ一原フィルムの 長さ]×lOO また、上記の要件および生産性等の要因を考慮するして
1本発明において使用する未延伸熱可塑性樹脂フィルム
のドラフト比(未延伸熱可塑性樹脂)仁ルムの引取り速
度とノズルからの吐出速度との比:引取り速度/吐出速
度)は、たとえばポリプロピレンを使用する場合には1
0〜6000の範囲にあることが望ましい。
未延伸熱可塑性樹脂フィルムは、延伸工程に付する前に
熱処理してもよい、この延伸前の熱処理を行なうことに
より、未延伸熱可塑性樹脂フィルムの結晶化度を高める
ことができるため、延伸により得られる多孔質熱可塑性
樹脂フィルムの特性はさらに向上する。
上記の熱処理は、未延伸熱可塑性樹脂フィルムを、たと
えば熱可塑性樹脂の融解温度よりも30〜5℃低い温度
に加熱した空気中で3秒以上加熱する方法により実施さ
れる。
本発明における延伸工程は、窒素、酸素、アルゴン、一
酸化炭素、メタンおよびエタンからなる群より選ばれた
媒体中で、延伸温度が一70℃以下の温度であって、か
つ該媒体の凝固点から該媒体の沸点より50℃高い温度
以下の範囲で行なうことが必要である。
本発明における極低温延伸工程は、上述した媒体を単独
で、あるいは混合して使用することができる。
上記媒体を使用する場合の好ましい延伸温度の例を示す
と、窒素を用いた場合には、−209℃〜−146℃の
範囲、酸素を用いた場合には、−218℃〜−132℃
の範囲、アルゴンを用いた場合には、−189℃〜−1
40℃の範囲、一酸化炭素を用いた場合には、−205
℃〜−141”cの範囲、メタンを用いた場合には、−
182℃〜−1l1℃の範囲、エタンを用いた場合には
一183℃〜−70℃の範囲である。延伸温度が一70
℃より高いと、たとえば、弾、性回復率の低い未延伸フ
ィルムを使用した場合に、延伸により有効な透孔の形成
率が低くなる。なお、本発明において沸点より50℃高
い温度以下とは沸点よりも正確に50℃高い温度より低
い温度範囲を意味するものではなく、沸点よりほぼ50
℃高い温度以下との意味である。
このような極低温下では前記媒体は、液状、液・ガス状
またはガス状を呈しており1本発明の延伸工程は、媒体
が上記のいずれの状態であっても実施することができる
本発明に係る上記の延伸は、前記媒体を用いて極低温下
で延伸するとクレージング作用が現われる為に生ずるも
のと推定される。前記以外の通常の媒体中では、熱可塑
性樹脂のフィルムは極低温下でガラス状態となり、伸び
が現われることなく切断されてクレージング作用は生じ
ない。
本発明の極低温延伸温度は、−70℃以下の温度であっ
て、使用する媒体の凝固点から、沸点より50℃高い温
度以下の範囲で実施することができるが、一般に、延伸
はその低温液体の沸点付近の温度にて行なうことが、製
造管理上、および得られる多孔質熱可塑性樹脂フィルム
の特性を一定にする上でも有利である。
上記の極低温延伸工程における延伸倍率は、一般に未延
伸熱可塑性樹脂フィルムに対して1〜200%の範囲の
値とされる。ただし好ましい延伸倍率は10−150%
の範囲の値である。これらの範囲内の延伸倍率では、延
伸倍率が増加すると透孔数が増加する傾向があり、この
傾向を利用して、得られる多孔質熱可塑性樹脂フィルム
の平均透孔径や空隙率を目的に合わせて調整することも
可能である。
上述した極低温延伸工程は、所望の平均透孔径および空
隙率が得られるまで二回以上繰返し実施することができ
る。
本発明の特定媒体中、極低温における冷却下での延伸工
程を利用した熱可塑性樹脂フィルムの多孔質化は、従来
の室温付近での延伸工程による場合とは異なり、たとえ
ば、25℃における50%の歪からの弾性回復率が40
%に満たない熱可塑性樹脂フィルムにも有効に作用し、
透孔が均一であり、かつ空隙率の高い優れた多孔質熱意
す性樹脂フィルムとすることができる。
上記特定媒体中、極低温での延伸工程を経て多孔質化さ
れた熱可塑性樹脂フィルムは、次いで、熱固定処理にか
けられることが好ましい、この熱固定処理は、形成され
た微細透孔を保持するための熱固定を主なる目的とする
ものである。この熱固定処理は、極低温での延伸状態を
保持したまま多孔質化した熱可塑性樹脂フィルムを、使
用した熱可塑性樹脂の融解温度より20〜5℃低い温度
に加熱した空気中で3秒以上加熱する方法などにより実
施される。具体的な加熱温度は、たとえば、ポリプロピ
レンを使用する場合には、通常では110−165℃、
好ましくは130〜155℃、高密度ポリエチレンを使
用する場合には、通常では70〜125℃、好ましくは
80〜120℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)を
使用する場合には、通常では150〜210℃、好まし
くは160〜200℃、エチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体を使用する場合には、通常では180〜2
40℃、好ましくは200〜230℃、ポリフッ化ビニ
リデンを使用する場合には、通常ではioo〜165℃
、好ましくは110〜160℃である。なお、加熱温度
が、記載した温度の上限より著しく高いと、形成された
微細空孔が閉鎖することもあり、また、温度が下限より
著しく低いか、あるいは加熱時間が3秒より短いと熱固
定が不充分となりやすく、後に、形成された透孔が閉鎖
することがあり、また使用に際しての温度変化により熱
収縮を起し易くなる。上述した極低温延伸と熱固定処理
は、所望の平均透孔径および空隙率が得られるまで繰返
し実施することができる。すなわち、フィルムの温度を
室温までもどし、繰返し極低温延伸(および熱固定処理
)を含む工程に付すことができる。極低温延伸を繰返し
て行なうことにより形成される透孔の数を多くすること
ができ、また平均透孔径を大きくすることができる。
上記のようにして調製された多孔質熱可塑性樹脂フィル
ムは形成された平均透孔径が大きく、また空隙率も高く
良好な特性を示すが、さらに上記の多孔性熱可塑性樹脂
フィルムを熱延伸工程にかけることにより、さらにその
特性は向上する。
上記極低温での延伸工程を少なくとも一回経て多孔質化
された熱可塑性樹脂フィルムの熱延伸工程は次のように
して実施される。この熱延伸工程は、主として極低温で
形成された微細透孔を透孔径を拡張することを目的とし
て行なわれるものである。この熱延伸工程は、多孔質化
した熱可塑性樹脂フィルムをこの熱可塑性樹脂の融解温
度より90〜5℃低い温度に加熱した空気中などで延伸
することにより実施される。たとえば、ポリプロピレン
フィルムを使用する場合には、加熱温度を80〜160
℃、好ましくは110〜155℃、高密度ポリエチレン
を使用する場合には、通常では70−125℃、好まし
くは80〜120℃、ポリ(4−メチル−ペンテン−1
)を使用する場合には一通常では150〜210℃、好
ましくは160〜200℃、エチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体を使用する場合には、通常では180
〜240℃、好ましくは200〜230℃、ポリフッ化
ビニリデンを使用する場合には、通常では100〜16
5℃、好ましくは110〜160℃に設定して行なう、
なお加熱温度が上記の温度の上限より高い場合には、形
成された微細空孔が閉鎖することもあり、また、温度が
下限より低い場合には延伸による透孔径の拡張が不充分
となることがある。
この熱延伸工程における延伸倍率は、極低温延伸工程に
付される以前のフィルム長さく初期長さ)に対して通常
は10〜700%、好ましくは、50〜550%である
。延伸倍率が、10%より低いと透孔の拡張が不充分と
なることがあり、また700%より高いとフィルムが切
断されることがある。
なお、この熱延伸工程は、上述した極低温延伸工程と交
互に実施するか、または少なくとも一回の極低温延伸工
程を終了した後に実施する。
この延伸処理により多孔質化されたフィルムは、延伸工
程と延伸工程の間に、熱固定処理にかけることが望まし
い、この熱固定処理は、熱延伸工程を経て形成された透
孔を熱固定することを主なる目的とするものである。
この熱固定処理は、通常多孔質化した熱可塑性樹脂フィ
ルムを延伸状態を保持したまま空気中で3秒以上、使用
した熱可塑性樹脂の融解温度より20〜5℃低い温度に
加熱する方法などにより実施される。具体的な加熱温度
は、たとえばポリプロピレンを使用する場合には通常1
10〜165℃、好ましくは130〜155℃、高密度
ポリエチレンを使用する場合には通常70−125℃、
好ましくは80〜120℃、ポリ(4−メチル−ペンテ
ン−1)を使用する場合には通常150〜210℃、好
ましくは160〜200℃、エチレン・テトラフルオロ
エチレン共重合体を使用する場合には通常180〜24
0℃、好ましくは200〜230℃、ポリフッ化ビニリ
デンを使用する場合には、通常ではtoo−tes℃、
好ましくは110−160℃である。
この熱固定処理は全ての延伸工程を終了したフィルムに
対しても同様に行なうことが望ましい。
加熱温度が上記の上限温度より高いと、形成された透孔
が閉鎖することもあり、また温度が上記の下限温度より
低いか加熱時間が3秒より短いと熱固定が不充分となり
易く、後に透孔が閉鎖し、また使用に際しての温度変化
により熱収縮を起し易くなる。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
なお、以下の実施例および比較例で示した透水率は、A
STM−F317に規定された方法に準じて、得られた
多孔質フィルムをアルコールと界面活性剤に浸漬するこ
とにより親木化処理し、この親水化処理された多孔質フ
ィルムを所定のホルダーに装着し、このフィルムの一方
の側にフィルムの厚さ方向に対して圧力を付与して、フ
ィルムの加圧側から他の側に透過した単位時間あたりの
水量を測定して求めた。
[実施例1] ポリプロピレン(商品名:υBE−PP−J105G、
宇部興産■製、MFI=5g/10分)を、直径50m
m・スリットギャップ0.7mmのインフレーション成
形ダイを備えたインフレーション成形機にかけ、未延伸
ポリプロピレンフィルムを成形した。成形操作は、ポリ
プロピレンを樹脂吐出温度210℃で、ブロー比が0.
7になるようにバルブ内に空気を吹込みながら吐出させ
、ダイス上50mの位置で吐出されたフィルムの外壁面
に室温の空気を吹きつけ冷却し、そしてダイス上1.8
mの位置でニップロールにより引取り速度36m/分で
引取る方法により行ない、目的の未延伸ポリプロピ1/
ンフイルムを成形した。
得られた未延伸フィルムの厚さは、10gmであった。
また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は3
1%であった。
この未延伸フィルムを液体窒素(−195℃)中で初期
長さに対して10%の延伸を行ない、この延伸状態を保
ったまま145℃の加熱空気槽中で1.0分間熱固定を
行なった。熱固定終了後、液体窒素中で、延伸された長
さに対してさらに10%延伸し、この延伸状態を保った
まま145℃の空気槽中で10分間熱固定を行ない多孔
質ポリプロピレンフィルムラ製造した。
111られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入
法(測定は、(1:ARLOERBA社(イタリア)製
のPORO5IMETRO5ERIES 1500を使
用して行なった。
以下も同様)で測定した平均透孔径は0.05μm、空
隙率は15.10%であった。また透水率は2.301
/ゴ・分・気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムノ表面および断面を
賂再−+T+子願塁焙C目存咽性1石−制−Y−650
、以下同様)により観察したところ、フィルム表面にほ
ぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたってほ
ぼ均一であった。また、このフィルム断面を観察したと
ころ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表面
まで貫通した透孔であることが確認された。
[比較例1] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−Y105J (宇部興産
株製)MFI=5g/10分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは10pmであった。ま
た、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は31
%であった。
この未延伸ポリプロピレンフィルムを使用して実施例1
における液体窒素中の延伸に代え、′f9%中にて室温
(25℃)で延伸を行なった以外は同様に操作して延伸
および熱固定を行なった。
得られたフィルムの表面および断面を走査顕微鏡で観察
したところ、表面に孔は形成されていなかった。また、
断面にも孔の形成された形跡は見られなかった。
[実施例2コ 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピL/ 7UBE−PP−YIOIJ (宇部
興産■製)MFI=1g/10分 樹脂吐出温度   230℃ 引取り速度     20m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは20 pmであった。
また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は3
8%であった。
この未延伸ポリプロピレンを用い、液体窒素中の延伸お
よび熱固定を十六回繰返し行なった以外は実施例1と同
様に操作して多孔質ポリプロピレンフィルムを製造した
この多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で測定
した平均孔径は0.13gm、空隙率は50.2%であ
った。また透水率は6.50M/ば・分・気圧であった
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。また、このフィルム断面を観察した
ところ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表
面まで貫通した透孔であることが確認された。
[実施例3] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g/10分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは10gmであった。こ
のフィルムの50%伸張からの弾性回復率は80%であ
った。
このフィルムを用い実施例1と同様の操作により液体窒
素中での延伸および熱固定を行なったのち、このフィル
ムを145℃に加熱された空気槽中で液体窒素中で延伸
された長さに対して180%の延伸を行ない、この延伸
状態を保ったまま145℃の加熱空気槽中で10分間熱
固定を行ない多孔質ボリブロピレンフィルムヲ製造した
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.12℃m、空隙率は51.2
0%であった。また、透水率は15.96文/ m’・
分・気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ。
フィルム表面にほぼ均一に孔が形成されており、p 坪
 子、水沫 [−ハ  ト 。 で 111ギヒ1− 
で訊 う ト −孝 をこのフィルム断面を観察したと
ころ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表面
まで貫通した透孔であることが確認された。
[実施例4] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g710分 樹脂吐出温度   230℃ 引取り速度     20m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは20gmであった。ま
た、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は38
%であった。
このフィルムを用い、液体窒素をアルゴンに代え、また
延伸温度を一180℃とした以外は、実施例3と同様の
操作により延伸、熱固定、熱延伸および熱固定を行ない
多孔質ポリプロピレンフィルムを製造した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.131Lm、空隙率は53.
20%であった。また透水率は6.05す/rn″会分
−気分−気圧た。
こノ多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。また、このフィルム断面を観察した
ところ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表
面まで貫通した透孔であることが確認された。
[比較例2] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g/10分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さはlogmであった。こ
のフィルムの50%伸張からの弾性回復率は80%であ
った。
このフィルムの実施例1における液体窒素中の延伸に代
えて、ヘリウムガスを用い、−195℃で延伸を試みた
が、フィルムはただちに切断され延伸を行なうことがで
きなかった。
[比較例3] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g710分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは10JLmであった。
また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は8
0%であった。
このフィルムを実施例1における液体窒素中の延伸に代
えて、−60℃に冷却した空気中で延伸を試みたが、フ
ィルムはただちに切断され、延伸を行なうことができな
かった。
[実施例5] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)M F I = 1 g / 10分 樹脂吐出温度   230℃ 引取り速度     20m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは実施例2とは樹脂吐出
量を変化させたので117℃mであった。
また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は3
2%であった。
このフィルムを用い、実施例3と同様の操作により液体
窒素中での延伸、熱固定、熱延伸および熱固定を行ない
多孔質ポリプロピレンフィルムを製造した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.59gm、空隙率は19.4
0%であった。透水率は5.67文/rrfe分・気圧
であった。
こノ多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。また、このフィルム断面を観察した
ところ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表
面まで貫通した透孔であることが確認された。
[比較例4] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロビレy UBE−PP−YIOIJ (宇部興
産株製)MFI=1g710分 樹脂吐出温度   230℃ 引取り速度     20m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは実施例5と同様に実施
例2とは樹脂吐出量を変化させたので11μmであった
。また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は
32%であった。
この未延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、実施例3
における液体窒素中の延伸に代え、空気中にて室温(2
5℃)で延伸を行なった以外は同様に操作して延伸およ
び熱固定を行ない延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
得られた延伸ポリプロピレンフィルムの平均透孔径およ
び空隙率の測定を試みたが測定不能であった。ただし透
水率は0.0217rr1′”分・気圧の値を示した。
この延伸フィルムの表面および断面を走査顕微鏡で観察
したところ、観察した範囲においては表面に孔は形成さ
れていなかった。また、同様に断面にも孔の形成された
形跡は見られなかった。
[実施例6] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンυBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g/lo分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さはl OILmであった
。また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は
80%であった。
得られたフィルムを無張力下に145℃で10分間熱処
理を行なった。得られたフィルムの弾性回復率は87%
に向上した。
このフィルムを用い、実施例3と同様の操作により液体
窒素中での延伸、熱固定、熱延伸および熱固定を行ない
多孔質ポリプロピレンフィルムを製造した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.14gm、空隙率は54.6
0%であった。また、透水率は23.18fL/m″・
分・気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており。
孔径も全体にわたってほぼ均一であった。また、このフ
ィルム断面を観察したところ、形成された孔の大部分が
一方の表面から他の表面まで貫通した透孔であることが
確認された。
[比較例5] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンυBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g/10分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは1107hであった。
また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は8
0%であった。
11)られたフィルムを無張力下に145℃で10分間
熱処理を行なった。得られたフィルムの弾性回復率は8
7%に向上した。
このフィルムに、液体窒素中での延伸を空気中(25℃
)での延伸に代えた以外は実施例3と同様に延伸および
熱固定を行ない多孔質ポリプロピレンフィルムを製造し
た。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.07JLm、空隙率は41.
50%であった。また透水率は6.66fL/d・分・
気圧であった。
使用した未延伸ポリプロピレンは、実施例6で使用した
ものと同一のものであるにもかかわらず、得られた多孔
質フィルムの平均透孔径、空隙率および透水率共に実施
例6で得られた多孔質ポリプロピレンフィルムより低い
値を示した。さらに、得られた多孔質ポリプロピレンフ
ィルムの表面および断面を走査電子w4微鏡により観察
したところ、フィルム表面に孔が形成されていたが、フ
ィルム断面を観察したところ、一方の表面から他の表面
まで貫通した透孔は実施例6で得られたフィルムと比較
して少なかった。
[実施例7] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−YIOIJ (宇部興産
■製)MFI=1g/10分 樹脂吐出温度   210℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さはiopmであった。ま
た、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は80
%であった。
このフィルムを用い、液体窒素中での延伸倍率を20%
として延伸を行なった以外は実施例1と同様に操作して
延伸および熱固定を行なった。
このフィルムを145℃の加熱空気槽中で液体V素中で
延伸された長さに対して160%の延伸を行ない、この
延伸状態を保ったまま145℃の加熱空気槽中でlO分
間熱固′定を行ない多孔質ポリプロピレンフィルムを調
製した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.144m。
空隙率は56.00%であった。また、透水率は17.
30文/m’・分−気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。ま、た、このフィルム断面を観察し
たところ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の
表面まで貫通した透孔であることが確認された。
[実施例8] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピL/ 7 UBE−PP−Y130G (宇
部興産■製)MFI=30g/10分 機能吐出温度   170℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは20g、mであった。
また、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は3
0%であった。
得られたフィルムを無張力下に145℃で10分間熱処
理を行なった。得られたフィルムの弾性回復率は72%
に向上した。
このフィルムを用い実施例1と同様に操作して液体窒素
中での延伸および熱固定を行なった。
このフィルムを145℃の加熱空気槽中で液体窒麦中で
延伸された長さに対して330%の延伸を行ない、この
延伸状態を保ったまま145℃の加熱空気槽中で10分
間熱固定を行ない多孔質ポリプロピレンフィルムを製造
した・ 得られた多孔質ボリブロビレンフィルムヲ水銀圧入法に
て測定した平均透孔径は0.98JLm、空隙率は65
.30%であった。また、透水率は59.0OfL/r
rl’−分・気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ。
フィルム表面にほぼ均一に孔が形成されており。
孔径も全体にわたってほぼ均一であった。また、このフ
ィルム断面を観察したところ、形成された孔の大部分が
一方の表面から他の表面まで貫通した透孔であることが
確認された。
[実施例9] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピレンυBE−PP−Y13GG (宇部興産
■製)MFI=30g/10分 樹脂吐出温度    170℃ 引取り速度      36m/分 ブロー比     0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは20gmであった。ま
た、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は30
%であった。
得られたフィルムを無張力下に145℃で10分間熱処
理を行なった。得られたフィルムの弾性回復率は72%
に向上した。
このフィルムを用い、実施例3と同様に操作して液体窒
素中での延伸、熱固定および熱延伸を行ない多孔質ポリ
プロピレンフィルムを製造した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.75gm、空隙率は59.6
0%であった。また、透水率は22.0OJ1/m”−
分・気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。また。
このフィルム断面を観察したところ、形成された孔の大
部分が一方の表面から他の表面まで貫通した透孔である
ことが確認された。
[実施例10] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件は下記の通りである。
ポリプロピL/ ンUBE−PP−Y130G (宇部
興産■製)MFI=30g710分 樹脂吐出温度    170℃ 引取り速度      36m/分 ブロー比     0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは20μmであった。ま
た、このフィルムの50%伸張からの弾性回復率は30
%であった。
得られたフィルムを無張力下に145℃で10分間熱処
理を行なった。得られたフィルムのりi性回復率は72
%に向上したつ このフィルムを用い、液体窒素中での延伸率を20%、
延伸回数を一回とした以外は実施例3と同様に操作して
延伸、熱固定および熱延伸を行ない多孔質ポリプロピレ
ンフィルムを製造した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.70pm、空隙率は57.2
0%であった。また、透水率は21.00文/ゴ・分・
気圧であった。
こノ多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。また、このフィルム断面を観察した
ところ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表
面まで貫通した2透孔であることが確認された。
[実施例11] 実施例1と同様の装置を使用して未延伸ポリプロピレン
フィルムを成形した。尚、使用したポリプロピレンおよ
び成形条件を下記の通りである。
ポリプロピレンUBE−PP−Y109K (宇部興産
■製)MFI=9g710分 樹脂吐出温度   200℃ 引取り速度     36m/分 ブロー比    0.70 得られた未延伸フィルムの厚さは、20pmであった。
またこのフィルムの50%伸張からの弾性回復率は41
%であった。
得られたフィルムを無張力下に145℃で10分間熱処
理を行なった。得られたフィルムの弾性回復率は73%
に向上した。
このフィルムを用い、実施例3と同様に操作して液体窒
素中での延伸、熱固定および熱延伸を行ない多孔質ポリ
プロピレンフィルムを製造した。
得られた多孔質ポリプロピレンフィルムを水銀圧入法で
測定した平均透孔径は0.53gm、空隙率は60.8
0%であった。透水率は22゜50!L/rrf・分の
気圧であった。
この多孔質ポリプロピレンフィルムの表面および断面を
走査電子顕微鏡により観察したところ、フィルム表面に
ほぼ均一に孔が形成されており、孔径も全体にわたって
ほぼ均一であった。また、このフィルム断面を観察した
ところ、形成された孔の大部分が一方の表面から他の表
面まで貫通した透孔であることが確認された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、熱可塑性樹脂フィルムを延伸することにより該フィ
    ルムに多数の微細透孔を形成する工程を含む多孔質熱可
    塑性樹脂フィルムの製造法において、該延伸工程を、窒
    素、酸素、アルゴン、一酸化炭素、メタンおよびエタン
    からなる群より選ばれた媒体中で、かつその延伸温度が
    、−70℃以下の温度であって、該媒体の凝固点から該
    媒体の沸点より50℃高い温度以下の範囲にて行なうこ
    とを特徴とする多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法。 2、該冷却下の延伸工程を二回以上繰り返すことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の多孔質熱可塑性樹脂
    フィルムの製造法。 3、延伸工程の間および最後の延伸工程にかけた後の熱
    可塑性樹脂フィルムを該熱可塑性樹脂の融解温度より2
    0〜5℃低い温度の範囲内で熱固定処理することを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載の多孔質熱可塑性樹脂
    フィルムの製造法。 4、熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項記
    載の多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法。 5、熱可塑性樹脂フィルムを延伸することにより該フィ
    ルムに多数の微細透孔を形成する工程を含む多孔質熱可
    塑性樹脂フィルムの製造法において、該延伸工程が、フ
    ィルムを; ( I )窒素、酸素、アルゴン、一酸化炭素およびメタ
    ンおよびエタンよりなる群から選ばれた媒体中で、かつ
    延伸温度が−70℃以下であって、該媒体の凝固点から
    該媒体の沸点より50℃高い温度以下の範囲にて延伸す
    る工程;および (II)該極低温下の延伸工程の後に該フィルムを該熱可
    塑性樹脂の融解温度より90〜5℃低い温度の範囲内で
    熱延伸する工程; を含むことを特徴とする多孔質熱可塑性樹脂フィルムの
    製造法。 6、該冷却下の延伸工程および熱延伸工程をそれぞれ二
    回以上繰り返すことを特徴とする特許請求の範囲第5項
    記載の多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法。 7、それぞれの延伸工程の間および最後の延伸工程にか
    けた後の熱可塑性樹脂フィルムを該熱可塑性樹脂の融解
    温度より20〜5℃低い温度の範囲内で熱固定処理する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第5項もしくは第6項
    記載の多孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法。 8、熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることを特徴と
    する特許請求の範囲第5項もしくは第6項記載の多孔質
    熱可塑性樹脂フィルムの製造法。
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WO2011071025A1 (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 富士フイルム株式会社 容器、及び容器の製造方法
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