JPH08100627A - 自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート - Google Patents

自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート

Info

Publication number
JPH08100627A
JPH08100627A JP26118694A JP26118694A JPH08100627A JP H08100627 A JPH08100627 A JP H08100627A JP 26118694 A JP26118694 A JP 26118694A JP 26118694 A JP26118694 A JP 26118694A JP H08100627 A JPH08100627 A JP H08100627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
stainless steel
sound absorbing
layer
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26118694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2893317B2 (ja
Inventor
Akira Yanagisawa
章 柳沢
Nobukatsu Tonotani
順功 殿谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP6261186A priority Critical patent/JP2893317B2/ja
Publication of JPH08100627A publication Critical patent/JPH08100627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2893317B2 publication Critical patent/JP2893317B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス繊維の飛散防止と効果的な吸音・消音性
能を実現することができる自動車マフラー用吸音・消音
ステンレス繊維シートを提供する。 【構成】自動車のマフラーを構成する多孔パイプに外装
され外層のガラス繊維マットとで吸音・消音用層を形成
する繊維部材であり、ステンレス鋼繊維を2方向以上に
配向して積層するかまたはランダムに配向し、厚さ方向
でニードルパンチしたシート体で構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4輪または2輪の自動車
マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】4輪車や2輪車にお
いてエンジンから発生する音を吸音あるいは消音する手
段としてマフラーが用いられており、かかるマフラーに
は膨張形、共鳴形、多孔共鳴形、サイドブランチ形、吸
音膨張形、吸音チャンバー形など種々のもの構造のもの
があるが、かかるハウジング構造のみで十分に消音効果
を得るのは困難である。このため、吸音・消音部材とし
てガラス繊維マットを排気パイプ外周に巻き付けたり、
マフラーケーシング内壁面に貼り付けることが行われて
おり、こうした吸音・消音材は直管状で構造的に吸音・
消音効果の得にくい4輪車のファーストマフラーや排気
経路の短い2輪車用マフラーに多く使用されている。し
かしながら、かかる使用部位での排気温度は800℃前
後とかなり高く、ガラス繊維は排気の熱衝撃や振動、風
圧により微細に切断され、排気中に排出されることが多
い。このためマフラーの消音効果が低下し、また、環境
汚染の原因となるという問題があった。
【0003】この対策として、図10のようにガラス繊
維マットaの内側すなわち多孔排気パイプcの外周にス
テンレス繊維層bを形成することが行われている。この
ステンレス繊維層の形成方法として、従来では、図11
のようにステンレス繊維束(トウ)b’を多孔排気パイプ
cにスパイラル状に巻き付ける手法が取られていた。
しかしこの方法では、吸音・消音層は一方向繊維のみの
構成となり、また繊維束を巻き付けることからパイプ長
手方向で層厚や密度にむらが発生しやすい。そのため吸
音・消音効果が低下したり、品質のバラツキが多くなる
という問題が生じていた。
【0004】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その第1の目的は、ガラス繊維
の飛散防止と効果的な吸音・消音性能を実現することが
できる自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シー
トを提供することにある。また、本発明の第2の目的
は、上記効果に加えて排気パイプに容易に良好な形状で
装着することができる自動車マフラー用吸音・消音ステ
ンレス繊維シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め本発明は、自動車のマフラーを構成する多孔パイプに
外装され外層のガラス繊維マットとで吸音・消音用の層
を形成する繊維部材において、ステンレス鋼繊維を2方
向以上に配向して積層するかまたはランダムに配向し厚
さ方向でニードルパンチしたシート体で構成したもので
ある。また、第2の目的を達成するため本発明は、ステ
ンレス鋼繊維を2方向以上に配向して積層するかまたは
ランダムに配向した繊維シートの表面にプラスチックフ
イルムまたは不織布をニードルパンチで一体化したもの
である。好ましくは、プラスチックフイルムまたは不織
布は一部が繊維シートの端部から前方に延長されてい
る。
【0006】
【作用】第1発明によるステンレスマフラー用吸音・消
音ステンレス繊維シートは、ステンレス鋼繊維を縦方向
と横方向あるいは斜め方向に配向して積層し、あるいは
ステンレス鋼繊維をランダムに配向しニードルパンチで
厚さ方向に結合させたものであるから、繊維束のように
繊維が一方向にだけ向いておらず、密度(目付)も自由に
制御することができ、全面積にわたって一定の密度とす
ることができる。従って、消音パイプに巻き付けたとき
に繊維層が均一となり、バラツキの少ない良好な吸音・
消音効果を得ることができる。第2発明によれば、第1
発明の構成に加えて、繊維シートの表面にプラスチック
フイルムまたは不織布をニードルパンチで一体化してい
るため、4輪車のセカンドマフラーの端壁用としてある
いは2輪車の異形状端壁用として打抜いたときに繊維が
遊離してバラバラになることが防止される。また、多孔
パイプに直接巻き付ける場合にも摩擦係数が相対的に大
きいプラスチックフイルムまたは不織布が接触するため
多孔パイプと滑りが生じにくく、円滑確実に取り付ける
ことができる。ことに、プラスチックフイルムまたは不
織布を繊維シート端部から延長させた場合には、該延長
部が多孔パイプの表面に接し、巻回内側のシート端部を
パイプ表面側になじませることができるため、巻回内側
の繊維シート端部が巻回外側の繊維シートとの接触で折
れ返ることがなくなり、多孔パイプと良好に密着させる
ことができる。このため吸音・消音効果を高めることが
できる。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1ないし図5は第1発明による自動車マフラー
用吸音・消音ステンレス繊維シートの実施例を示してい
る。図1はその第1実施例を示しており、(a)(b)はステ
ンレス鋼長繊維1を同一平面上で繊維軸線が一様に横方
向に向くように配向して横配向長繊維層1’を形成する
とともに、該ステンレス鋼長繊維1に接してステンレス
鋼長繊維2を同一平面上で繊維軸線が一様に縦方向に向
くように配向して縦配向長繊維層2’を形成し、こうし
た交差配向で重合する長繊維層1’,2’に対し所定間
隔ごとにニードルを貫挿して上または下のステンレス鋼
繊維の屈曲繊維3を他方のステンレス鋼繊維2の外面に
突き出させ、これにより2層を一体に縫着したシートと
したものである。同図(c)は最下位に横配向長繊維層
1’を配し、中間に縦配向長繊維層2’を配し、最上位
に横配向長繊維層1’を配して3層とし、それら3層の
繊維層にニードルを貫挿して屈曲繊維3により縫着一体
化させたものである。なお、2層の場合、上が縦配向長
繊維層、下が横配向長繊維層でもよい。また3層の場
合、最下位が縦配向長繊維層、中間が横配向長繊維層、
最上位が縦配向長繊維層としてもよい。さらにまた3層
に限定されず4層以上であってもよい。
【0008】図2は第2実施例を模式的に示している。
この実施例は横配向のステンレス鋼長繊維1と縦配向の
ステンレス鋼長繊維2を交互に2層以上に積層して、ニ
ードルにより屈曲繊維3を長繊維層厚さ方向に貫挿させ
ることで縫着一体化していることは実施例1と同じであ
る。しかしこの実施例においては、横配向長繊維層1’
のステンレス鋼長繊維1の繊維量を縦配向長繊維層2’
のステンレス鋼長繊維2のそれよりも相対的に多くし、
繊維密度を高くしている。この構造によれば、シートの
剛性ないし柔軟性が横方向と縦方向で異なるため、横配
向のステンレス鋼長繊維1を排気パイプの軸線と平行方
向にすることにより巻き付けを容易に行うことができ
る。なお、この実施例においても(b)(c)において縦配向
と横配向を逆にしてもよいし、また4層以上に構成して
もよい。
【0009】図3は第3実施例を模式的に示しており、
横配向長繊維層1’と縦配向長繊維層2’と、斜配向長
繊維層4,5との積層シートからなっており、それら4
層はニードルによる屈曲繊維3によって縫着されてい
る。上記4つの配向の積層形態は任意であり、図示する
ものでは最上層と最下層に斜配向長繊維層4,5を設け
ているが、これに限定されず斜配向長繊維層4,5は中
間層であってもよいし、あるいはまた一方が中間層、他
方が最上層または最下層に配されていてもよい。また、
場合によっては斜配向長繊維層4,5だけの2層以上の
シートとしてもよい。
【0010】図4は第3実施例を示しており、この実施
例はステンレス鋼短繊維6を所要厚さ3次元的にランダ
ムに配向して絡み合わせ、かつ所要間隔でニードルを貫
挿させることで屈曲繊維3により縫着したシートとした
ものである。この実施例は繊維が密集しランダムな方向
に配向しているため、吸音、消音効果が良好である。
【0011】図5は第4実施例を示しており、ステンレ
ス鋼短繊維とステンレス鋼長繊維を併用して多層シート
としたものである。(a)はステンレス鋼短繊維6をラン
ダムに配向した所要厚さのランダム繊維層6’にステン
レス鋼長繊維7を横、縦または斜めに配向した長繊維層
7’を積層し、屈曲繊維3により縫着した2層シートと
したものである。(b)はステンレス鋼長繊維1を横、縦
または斜めに配向した長繊維層1’の上下にステンレス
鋼短繊維6をランダム配向したランダム繊維層6’,
6’を設け、屈曲繊維3により縫着し3層シートとした
ものである。(c)はステンレス鋼短繊維6をランダム配
向したランダム繊維層6’の上下にステンレス鋼長繊維
を横、縦または斜めに配向した長繊維層7’,7’を設
け、屈曲繊維3により縫着し3層シートとしたものであ
る。この実施例はランダム繊維層6’を有しているため
吸音・消音効果が良好であり、しかもランダム繊維層
6’は短繊維の集合組織であるため強い引っ張り力が作
用すると繊維が分離しやすい弱点があるが、ステンレス
鋼長繊維7が少なくとも片面に積層され、それがニード
ルパンチによる屈曲繊維3により縫着されているため、
ステンレス鋼長繊維7が消音パイプに巻き付けるときの
張力メンバーとして機能し、ランダム繊維層6’の分離
による密度や層厚の変化を防止することができる。
【0012】図6は本発明の第2発明の実施例を示して
いる。この実施例において、符号8は第1発明のいずれ
かの実施例によるステンレス鋼繊維シート(ただしニー
ドル処理前の状態)である。(a)と(b)は第1実施例を示
しており、ステンレス鋼繊維シート8の上面または下面
に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩
化ビニール、ポリエステルなどから選択される高分子系
物質繊維を素材とする不織布か、または伸縮性を有する
合成樹脂フイルムたとえばポリエチレンのフィルム9を
配し、この状態でステンレス鋼繊維シート8側からニー
ドルパンチすることにより不織布またはフィルム9に屈
曲繊維3を貫挿させ、屈曲繊維3によりステンレス鋼繊
維シート8と不織布またはフィルム9を縫着一体化して
いる。(c)はステンレス鋼繊維シート8の上面と下面に
前記不織布またはフィルム9層着したものであり、図示
するものでは下側の不織布またはフィルム9を局部屈曲
繊維3により縫着し、上側の不織布またはフィルム9は
ステンレス鋼繊維シート8の繊維と摩擦的に係合させて
いるが、ステンレス鋼繊維シート8から上側の不織布ま
たはフィルム9に逆ニードルパンチを行って、屈曲繊維
3で縫着させてもよい。(d)は不織布またはフィルム9
をステンレス鋼繊維シート8の片面所要範囲だけに、し
かもその不織布またはフィルム9がステンレス鋼繊維シ
ート8の端部よりも前方に延出するように配し、ステン
レス鋼繊維シート8との接面部分を屈曲繊維3で縫着さ
せたものである。90は不織布またはフィルム9の突出
部(耳部)である。(e)は不織布またはフィルム9をステ
ンレス鋼繊維シート8の片面全体に配し、かつその不織
布またはフィルム9にステンレス鋼繊維シート8の端部
よりも前方に延出する突出部90を設けている。(f)は
不織布またはフィルム9,9をステンレス鋼繊維シート
8の上下両面に配し、かつそれら不織布またはフィルム
9,9にステンレス鋼繊維シート8の端部よりも前方に
延出する突出部90,90を設けている。なお図示しな
いが不織布またはフィルム9,9をステンレス鋼繊維シ
ート8の上下両面に配し、いずれか一方の不織布または
フィルム9に前記突出部90を設ける態様も含まれる。
【0013】上記第1発明と第2発明におけるステンレ
ス鋼長繊維及びステンレス鋼短繊維は、いずれも直径が
約10〜100μmで太さが均一であるものが適当であ
る。こうした特性のステンレス鋼繊維としては、本発明
者の一人が開発したコイル材切削法によるものが好適で
ある。この方法は、図7のように旋削主軸10に厚さが
10〜100μmのステンレス鋼薄板110をタイトに
コイルに巻き付け、そのステンレス鋼薄板コイル材11
の端面を旋削主軸10と平行に送りが与えられたカッタ
12で切削する方法であり、切削速度35〜100m/mi
n、送り量5〜45μm/minなどの条件を採用すればよ
い。この方法によれば、三次元的に適度にカールしたス
テンレス繊維束13がとぎれなく連続的に創成され、各
ステンレス鋼繊維は、一辺が板厚に一致し、他の一辺が
工具送り量で決まる長方形類似断面形状を有している。
第1図ないし第3図と第5図で使用するステンレス鋼長
繊維は、上記方法で得られたステンレス繊維束13を幅
方向に展張し、所要長さに切断することで得ることがで
きる。また、図4と図5で使用するステンレス短繊維は
上記方法で得られたステンレス繊維束13を短寸に切断
することで得ることができる。
【0014】
【実施例の作用】本発明による吸音・消音ステンレス繊
維シートは図10に示すように多孔排気パイプcの外周
に直接巻き付けられるもので、その外周にガラス繊維マ
ットaが取り付けられる。第1発明の実施例1ないし第
3実施例によれば、ステンレス長繊維は従来のような一
方向配列でなしに縦方向と横方向あるいは斜め方向に交
差して2層以上を形成している。それら各長繊維層は繊
維同士の絡みつきにより合体している上にニードルパン
チによる屈曲繊維3で縫着されるため完全に一体化して
いる。したがって、強い巻き付け力によっても目付が変
化しない良好な特性を示し、また音の吸収機能も全面で
均一なものとすることができ、目付もステンレス長繊維
の展張度合いや層の数、配向によって自由に調整するこ
とができるため、希望する吸音、消音特性を自在に実現
することができる。第1発明の実施例2によれば、横配
向のステンレス長繊維1と縦配向のステンレス長繊維2
の繊維量に変化を与えて意図的に2方向で柔軟性に差異
を形成しているため、多孔排気パイプcの外周に対する
巻き付けが容易となるとともに、多孔排気パイプcの外
周に的確に密着指せることができる。第1発明の第3実
施例によれば、ステンレス長繊維が縦横及び斜め交差状
に配向されて積層されているため、より一層方向性がな
くなり、吸音・消音効率を高くすることができる。ま
た、巻き付けに十分に耐える強度を持たせることができ
る。
【0015】第1発明の実施例4によれば、ステンレス
鋼短繊維6をランダムに配向したランダム繊維層6’を
少なくとも1層有するため吸音・消音効果がすぐれてい
る上に、ステンレス長繊維1の併用により多孔排気パイ
プbの外周に対する巻き付け力を十分にとることができ
るため、引張りにより目付が変化する短繊維集合組織の
弱点を補うことができる。
【0016】第2発明の第1実施例,第2実施例,第4
実施例および第5実施例によれば、ステンレス鋼繊維シ
ート8が高分子系の不織布またはフイルム9と摩擦接合
されるだけでなくニードルパンチによる屈曲繊維3でそ
れらステンレス鋼繊維シート8と高分子系の不織布また
はフイルム9が縫着一体化されているため、巻き付けな
どのためのハンドリング時に表面繊維がパラパラと飛散
して作業環境を汚したり、作業者が繊維を吸い込んだり
することが少なくなる。また、消音パイプ挿通孔付き端
壁用に加工すべく打抜いた場合にも繊維がバラバラにな
らない。また、第2発明の第1実施例,第2実施例によ
れば、多孔排気パイプcの外周に巻き付けるときに、ス
テンレス鋼繊維シート8ではメタル同士の接触のため滑
りが生じやすいが、不織布9が裏打ちされているため摩
擦係数が増して滑りにくくなり、ステンレス鋼繊維シー
ト8が多孔排気パイプbの外周を1ターンしてシート同
士がラップしたときに不織布またはフイルム9が摩擦し
合いかつニードルパンチによる屈曲繊維3が引掛り部と
して作用するため、しっかりと巻き付けることができ
る。また、伸縮性のあるフイルム9で裏打ちしたときに
はこの特性により多孔排気パイプcの外周にタイトに巻
き付けることができる。
【0017】さらにステンレス鋼繊維シート8だけの場
合、多孔排気パイプcの外周に巻き付けたときに、図9
のように巻き付け始端部80が1ターンしたステンレス
鋼繊維シート8の下面に引掛かって折れ返り現象が生
じ、これにより多孔排気パイプbとの密着性が阻害さ
れ、吸音・消音効率が低下しやすい。しかし、第2発明
の第4実施例によれば、不織布またはフイルム9がステ
ンレス鋼繊維シート8の端部よりも前方に伸びる突出部
90を有しているため、図8(a)のように突出部90が
多孔排気パイプbの外周に接触し、それによりステンレ
ス鋼繊維シート巻き付け始端部80が押えられるととも
に直接ステンレス鋼繊維シート8に接触しなくなる。こ
のため重なり部分の折れ返りを防止することができる。
また、突出部90がリードとして多孔排気パイプcの外
周に摩擦的に接触するため滑りにくく、かつステンレス
鋼繊維シートが1ターンして重なり合ったときに不織布
またはフイルム9にニードルパンチによる屈曲繊維3が
引掛るため、確実かつ緊密な巻き付け状態を形成するこ
とができる。第2発明の第5実施例によれば、実施例4
の作用に加えて、上下に突出部90があるためステンレ
ス鋼繊維シート巻き付け始端部80の折り返し防止がよ
り確実になるとともに、多孔排気パイプcの外周全体に
不織布またはフイルム9が摩擦接合し、さらに繊維シー
トの重なり合う領域では不織布またはフイルム9,9が
相互に摩擦しあい、ニードルパンチによる屈曲繊維3が
引掛るため、さらに一段と巻き付け張力を高くすること
ができる。なお、不織布またはフイルム9は製品として
のマフラーの完成後エンジンからの排気の熱量で加熱さ
れ炭化する形で消失するため吸音、消音効果に悪影響を
与えない。
【0018】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1ないし請
求項3によれば、ステンレス繊維が一方向配列でなしに
縦方向と横方向あるいは斜め方向に交差して2層以上を
形成し、それら各層は繊維同士の絡みつきにより合体し
ている上にニードルパンチによる局部屈曲繊維3で縫着
されるため完全に一体化している。したがって、ガラス
繊維の飛散防止を図ることができるとともに、強い巻き
付け力によっても目付が変化せず、音の吸収機能も均一
なものとすることができ、目付もステンレス長繊維の展
張度合いや層の数、配向によって自由に調整することが
できるため、希望する吸音、消音特性を自在に実現する
ことができるというすぐれた効果が得られる。 請求項
4によれば、上記効果に加えて横方向の配向が密である
ため排気パイプの軸線と平行な方向で柔軟性に富み、排
気パイプへの巻き付けを容易に行えるというすぐれた効
果が得られる。請求項5によれば、短繊維をランダムに
配向した層を有するため消音・吸音効果が高く、またラ
ンダム繊維層が引っ張りに弱い難点を長繊維を縦または
横配向した層によって補って排気パイプに所定張力でし
っかり巻き付けることができるというすぐれた効果が得
られる。請求項2によれば、繊維シートに不織布または
フイルムが裏打ちされているため、摩擦係数の増加によ
り排気パイプへの巻き付け時に滑りにくくなり、またス
テンレス鋼繊維シートが排気パイプの外周を1ターンし
てシート同士がラップしたときに不織布またはフイルム
9が摩擦し合いかつニードルパンチによる局部屈曲繊維
が引掛り部として作用するため、しっかりと巻き付ける
ことができるというすぐれた効果が得られる。請求項6
によれば、不織布またはフイルムが繊維シートの端部か
ら突出しているため、排気パイプへの巻き付け時に、繊
維シート巻き付け始端部がターンした繊維シートに接触
しなくなる。このため重なり部分の折れ返りを防止する
ことができ、確実かつ緊密な巻き付け状態を形成するこ
とができというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の第1実施例を示し、(a)はその部分
切欠斜視図、(b)はそのX−X線に沿う断面図、
(c)は他の態様を示す断面図である。
【図2】第1発明の第2実施例を示し、(a)は模式的
な部分平面図、(b)はその断面図、(c)は他の態様
を示す断面図である。
【図3】第1発明の第3実施例を示し、(a)は模式的
な部分平面図、(b)はその断面図である。
【図4】第1発明の第3実施例を示し、(a)はその部
分的平面図、(b)はその断面図である。
【図5】第1発明の第4実施例を示し、(a)ないし
(c)はその各態様を示している。
【図6】第2発明を示し、(a)はその第1実施例の断
面図、(b)はその部分切欠背部斜視図、(c)は第2
実施例を示す断面図、(d)は第3実施例を示す断面
図、(e)は第4実施例を示す断面図、(f)は第5実
施例を示す断面図である。
【図7】本発明に用いるステンレス繊維の製造法を例示
する斜視図である。
【図8】(a)は第2発明の第4実施例に示す繊維シートを
排気パイプに巻き付けた状態を示す断面図、(b)は第2
発明の第5実施例に示す繊維シートを排気パイプに巻き
付けた状態を示す断面図である。
【図9】第2発明を適用しない繊維シートを排気パイプ
に巻き付けた状態を示す断面図である。
【図10】本発明の繊維シートを用いたマフラーの一例
を示す部分切欠斜視図である。
【図11】従来のステンレス繊維の排気パイプへの装着
状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2 ステンレス鋼長繊維 1’ 横配向長繊維層 2’ 縦配向長繊維層 3 局部屈曲繊維 4,5 斜め配向長繊維層 6 ステンレス鋼短繊維 6’ ランダム繊維層 7’ 長繊維層 8 繊維シート 9 不織布またはフイルム 90 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 1/10 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車のマフラーを構成する多孔パイプに
    外装され外層のガラス繊維マットとで吸音・消音用層を
    形成する繊維部材において、ステンレス鋼繊維を2方向
    以上に配向して積層するかまたはランダムに配向し、厚
    さ方向でニードルパンチしたシート体で構成したことを
    特徴とする自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維
    シート。
  2. 【請求項2】自動車のマフラーを構成する多孔パイプに
    外装され外層のガラス繊維マットとで吸音・消音用層を
    形成する繊維部材において、ステンレス鋼繊維を2方向
    以上に配向して積層するかまたはランダムに配向した繊
    維シートの表面にプラスチックフイルムまたは不織布を
    ニードルパンチで一体化したことを特徴とする自動車マ
    フラー用吸音・消音ステンレス繊維シート。
  3. 【請求項3】ステンレス鋼繊維が長繊維であり、該長繊
    維を縦方向に配向した少なくとも1つの層と長繊維を横
    方向に配向した少なくとも1つの層を有している請求項
    1または請求項2のいずれかに記載の自動車マフラー用
    吸音・消音ステンレス繊維シート。
  4. 【請求項4】横方向に配向される長繊維の繊維量を縦方
    向に配向される繊維量よりも多くしているものを含む請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の自動車マフラ
    ー用吸音・消音ステンレス繊維シート。
  5. 【請求項5】ステンレス鋼短繊維をランダムに配向した
    少なくとも1つの層とステンレス鋼長繊維を縦または横
    方向に配向した少なくとも1つの層を有している請求項
    1,2および3のいずれかに記載の自動車マフラー用吸
    音・消音ステンレス繊維シート。
  6. 【請求項6】プラスチックフイルムまたは不織布が繊維
    シートの端部から前方に延出する突出部を有しているも
    のを含む請求項2に記載の自動車マフラー用吸音・消音
    ステンレス繊維シート。
JP6261186A 1994-09-30 1994-09-30 自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート Expired - Lifetime JP2893317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6261186A JP2893317B2 (ja) 1994-09-30 1994-09-30 自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6261186A JP2893317B2 (ja) 1994-09-30 1994-09-30 自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08100627A true JPH08100627A (ja) 1996-04-16
JP2893317B2 JP2893317B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=17358336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6261186A Expired - Lifetime JP2893317B2 (ja) 1994-09-30 1994-09-30 自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2893317B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000011327A1 (en) * 1998-08-19 2000-03-02 Lancaster Glass Fibre Ltd. Silencer cartridge
WO2000024506A2 (en) * 1998-10-28 2000-05-04 Abb Lummus Global, Inc. Method and apparatus for making structured packing element
JP2001355430A (ja) * 2000-06-14 2001-12-26 Nakagawa Sangyo Kk 消音器
JP2007119942A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Shigeki Monmaya 金属生地及びその製造方法
WO2009133613A1 (ja) * 2008-04-30 2009-11-05 イビデン株式会社 マット材、マット材の製造方法、消音器、及び、消音器の製造方法
US7694778B2 (en) * 2004-11-30 2010-04-13 Honda Motor Co., Ltd. Fuel cell vehicle
JP2010096171A (ja) * 2008-04-30 2010-04-30 Ibiden Co Ltd マット材、マット材の製造方法、消音器、及び、消音器の製造方法
US8136629B2 (en) * 2009-12-21 2012-03-20 Honda Motor Co., Ltd. Silencer/muffler
JP2013122245A (ja) * 2011-12-07 2013-06-20 So La Is - Soc Lavorazione Isolanti - Srl Con Unico Socio 内燃エンジンの排気ガス排出システムの消音器用消音インサートを製造するための方法及び機械
CN112041185A (zh) * 2018-04-26 2020-12-04 东海兴业株式会社 车辆用成型带

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49104530U (ja) * 1972-12-28 1974-09-07
JPH01207461A (ja) * 1988-02-15 1989-08-21 Nippon Felt Kk ステンレス鋼不織布

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49104530U (ja) * 1972-12-28 1974-09-07
JPH01207461A (ja) * 1988-02-15 1989-08-21 Nippon Felt Kk ステンレス鋼不織布

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000011327A1 (en) * 1998-08-19 2000-03-02 Lancaster Glass Fibre Ltd. Silencer cartridge
WO2000024506A2 (en) * 1998-10-28 2000-05-04 Abb Lummus Global, Inc. Method and apparatus for making structured packing element
WO2000024506A3 (en) * 1998-10-28 2000-12-07 Abb Lummus Global Inc Method and apparatus for making structured packing element
JP2001355430A (ja) * 2000-06-14 2001-12-26 Nakagawa Sangyo Kk 消音器
US7694778B2 (en) * 2004-11-30 2010-04-13 Honda Motor Co., Ltd. Fuel cell vehicle
JP2007119942A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Shigeki Monmaya 金属生地及びその製造方法
WO2009133613A1 (ja) * 2008-04-30 2009-11-05 イビデン株式会社 マット材、マット材の製造方法、消音器、及び、消音器の製造方法
JP2010096171A (ja) * 2008-04-30 2010-04-30 Ibiden Co Ltd マット材、マット材の製造方法、消音器、及び、消音器の製造方法
US8887863B2 (en) 2008-04-30 2014-11-18 Ibiden Co., Ltd. Mat member, method for manufacturing the mat member, muffler and method for manufacturing the muffler
EP3012424A1 (en) * 2008-04-30 2016-04-27 Ibiden Co., Ltd. Use of a mat member and muffler comprising said mat member
US8136629B2 (en) * 2009-12-21 2012-03-20 Honda Motor Co., Ltd. Silencer/muffler
JP2013122245A (ja) * 2011-12-07 2013-06-20 So La Is - Soc Lavorazione Isolanti - Srl Con Unico Socio 内燃エンジンの排気ガス排出システムの消音器用消音インサートを製造するための方法及び機械
CN112041185A (zh) * 2018-04-26 2020-12-04 东海兴业株式会社 车辆用成型带
CN112041185B (zh) * 2018-04-26 2024-05-14 东海兴业株式会社 车辆用成型带

Also Published As

Publication number Publication date
JP2893317B2 (ja) 1999-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180109092A1 (en) Non-woven, self-wrapping thermal sleeve and method of construction thereof
JP4489969B2 (ja) 高強度不織布およびその製造方法
US7501099B2 (en) Hybrid mounting system for pollution control devices
JPH08100627A (ja) 自動車マフラー用吸音・消音ステンレス繊維シート
JP3613727B2 (ja) 成形性に優れた吸音材
JP3583645B2 (ja) メカニカルファスナのループ部材
US20070065349A1 (en) Non-classified end cone insulation for catalytic converter
JP6329405B2 (ja) 吸音材用複合不織布
JP3705419B2 (ja) 軽量吸音材
US20110240165A1 (en) Mounting mat and pollution control device with the same
JP4626969B2 (ja) 吸音性能に優れた車両用内装材
US20110232243A1 (en) Mounting mat and pollution control device with the same
JP3968648B2 (ja) 吸音材
JP3288936B2 (ja) 内燃機関用消音器
JP2009293531A (ja) 吸音材及び吸音ダクトシステム
JP4203373B2 (ja) 車両用マフラー装置の製造方法
US6155379A (en) Silencing member for mufflers and method of manufacturing the silencing member
JP2000028083A (ja) 圧縮性ダクト
JPH0436013A (ja) 内燃機関の消音器
JP4420782B2 (ja) 吸音材とその吸音材を使用した消音器
JP3786250B2 (ja) 車両用天井材およびその製造方法
JP2004271797A (ja) 吸音材
TWI672233B (zh) 用於減少噪音的多層吸音裝飾件與其使用
JP3705412B2 (ja) 吸音材およびその製造方法
JP2557454Y2 (ja) 空調用粗塵フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term