JPH08100367A - 金属被覆炭素繊維の製造方法 - Google Patents

金属被覆炭素繊維の製造方法

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JPH08100367A
JPH08100367A JP6257299A JP25729994A JPH08100367A JP H08100367 A JPH08100367 A JP H08100367A JP 6257299 A JP6257299 A JP 6257299A JP 25729994 A JP25729994 A JP 25729994A JP H08100367 A JPH08100367 A JP H08100367A
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metal
chloride
coated carbon
fiber bundle
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Kenichi Mochizuki
健一 望月
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Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素繊維束に無電解めっき法を適用するに当
って、炭素繊維表面に金属付着量が大きくかつ密着性の
高い金属被覆を形成させることを目的とする。 【構成】 炭素繊維束を水溶液中で開繊処理し、続いて
水溶性高分子を含むパラジウムコロイドを該炭素繊維の
表面に吸着させた後、無電解めっきにより金属被覆炭素
繊維を製造する方法において、少なくともアリルアミン
重合体及びアルカリ金属塩を含む水溶液にて開繊処理す
ることにより、炭素繊維表面に金属付着量が大きくかつ
密着性の高い金属被覆を効率的に形成させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属被覆炭素繊維の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、有機高分子や金属などと複
合され、いわゆる繊維強化プラスチック(FRP)や繊
維強化金属(FRM)と呼ばれる複合材として色々な用
途、例えば、導電性、電磁波シールド性などを必要とす
る用途に使用されているが、近年、これら複合材の力学
的特性や電気的特性などを向上させる目的で、炭素繊維
に金属被覆を施したものが要求されるようになってき
た。
【0003】炭素繊維に金属被覆を施す方法としては、
特開平3−206173号公報に開示されている。上記
公報に開示された金属被覆炭素繊維の製造方法は、炭素
繊維束を水溶液中で開繊処理した後、水洗し、続いてパ
ラジウムヒドロゾル中に浸漬することにより、当該炭素
繊維の表面に超微粒子のパラジウムコロイドを吸着させ
てから、金属を無電解めっきして金属被覆炭素繊維を製
造する方法において、前記開繊処理時にカチオン性界面
活性剤を含む水溶液を用いるとともに前記パラジウムヒ
ドロゾルに水溶性高分子を含有させておくことを特徴と
する金属被覆炭素繊維の製造方法を構成とするものであ
る。
【0004】この製造方法は、無電解めっき法により、
炭素繊維束を構成する単繊維の1本1本それぞれの表面
に、繊維の切断および損傷を招くことなく、均一性およ
び密着性を有する金属被覆を形成することを可能にし
た。しかしながら、炭素繊維の金属被覆の分野では、各
単繊維の金属付着量および密着性が極めて高い金属被覆
炭素繊維が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素繊維束
に無電解めっき法を適用するに当って、炭素繊維表面に
金属付着量が大きくかつ密着性の高い金属被覆を形成さ
せることを技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、炭素繊維束を開
繊するに当って、少なくともアリルアミン重合体及びア
ルカリ金属塩を含む水溶液を用いることにより無電解め
っきされた炭素繊維束の金属付着量および密着性を向上
させることができ、その結果、従来技術に対し体積固有
抵抗が極めて小さい金属被覆炭素繊維が得られることを
見出し、本発明に至ったものである。すなわち本発明
は、炭素繊維束を水溶液中で開繊処理し、続いて水溶性
高分子を含むパラジウムコロイドを炭素繊維の表面に吸
着させた後、無電解めっきにより金属被覆炭素繊維を製
造する方法において、少なくともアリルアミン重合体及
びアルカリ金属塩を含む水溶液にて開繊処理することを
特徴とする。
【0007】本発明において用いることのできる炭素繊
維束は、例えばレーヨン系、ポリアクリロニトリル系、
およびピッチ系などの炭素長繊維の繊維束である。これ
ら炭素繊維束は、表面の酸化処理をされていないもの
も、気相酸化または液相電解などの酸化処理を施された
ものもいずれも用いることができる。
【0008】本発明において開繊処理に用いるアリルア
ミン重合体は、分子量に制限はないが、2千〜5万の分
子量のものが好ましい。分子量が2千未満の場合、炭素
繊維表面へのパラジウムコロイドの吸着促進作用が不足
する場合があり、5万を超える場合、炭素繊維束の開繊
作用が低くなり、むしろ集束作用に転ずる場合も起こり
うる。水溶液のアリルアミン重合体濃度は、0.001
〜0.5重量%の範囲が好ましい。濃度が0.001%
未満の場合は、炭素繊維束の開繊作用が低くなる場合が
あり、又後工程でのパラジウムコロイドの吸着力が弱く
なる場合がある。0.5%を超える場合は、他の添加物
との関係で、水溶液の粘性が高くなる場合があり、炭素
繊維束の開繊作用が低くなることに加え、各単繊維の無
電解めっきの状態の均一性を欠く場合がある。
【0009】本発明のアリルアミン重合体は、アリルア
ミン系モノマーを重合成分としてえられる高分子化合物
である。アリルアミン系モノマーは、少なくとも1つの
アリル基を有するアミンまたはアンモニウム塩であり、
例えば、モノアリルアミン、メチルアリルアミン、エチ
ルアリルアミンなどのアルキルアリルアミン、ジメチル
アリルアミン、ジエチルアリルアミン、メチルエチルア
リルアミンなどのジアルキルアリルアミン、ベンジルア
リルアミンなどのアリールアリルアミン、ジベンジルア
リルアミンなどのジアリールアリルアミン、メチルベン
ジルアリルアミン、エチルベンジルアリルアミンなどの
アルキルアリールアリルアミン、ジアリルアミン、メチ
ルジアリルアミン、エチルジアリルアミンなどのアルキ
ルジアリルアミン、ベンジルジアリルアミンなどのアリ
ールジアリルアミンおよびジメチルジアリルアンモニウ
ムハライド、メチルエチルジアリルアンモニウムハライ
ド、ジエチルジアリルアンモニウムハライドなどのジア
ルキルジアリルアンモニウム塩などを例示することがで
きる。
【0010】アリルアミン重合体は、上記のアリルアミ
ン系モノマーのいずれか一種の単独重合体でも2種類以
上の共重合体でもよく、または、上記例示のアリルアミ
ン系モノマーのいずれか少なくとも一種とそれ以外の1
種または複数種のカチオンモノマーまたはノニオンモノ
マーとの共重合体でもよい。アリルアミン系モノマーと
の共重合に用いることのできるカチオンモノマーまたは
ノニオンモノマーを例示すれば次の様なものである。
【0011】カチオンモノマーとしては、ジメチルアミ
ノエチルアクリレートなどのジアルキルアミノアルキル
アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートな
どのジアルキルアミノアルキル(アルキル)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどのジアル
キルアミノアルキルアクリルアミド、ジメチルアミノエ
チルメタクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル
(アルキル)アクリルアミド、トリメチルアクリロキシ
エチルアンモニウムクロライドなどのトリアルキルアク
リロキシアルキルアンモニウム塩、トリメチルメタクリ
ロキシエチルアンモニウムクロライドなどのトリアルキ
ル(アルキル)アクリロキシアルキルアンモニウム塩、
トリメチルアクリロイルアミノエチルアンモニウムクロ
ライドなどのトリアルキルアクリロイルアミノアルキル
アンモニウム塩およびトリメチルメタクリロイルアミノ
エチルアンモニウムクロライドなどのトリアルキル(ア
ルキル)アクリロイルアミノアルキルアンモニウム塩な
どである。
【0012】ノニオンモノマーとしては、二酸化硫黄
(共重合によりノニオン基となる)、アクリルアミド、
メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタ
クリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジメチルメタ
クリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリ
ルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジエチルメタクリ
ルアミド、メチルエチルアクリルアミド、メチルエチル
メタクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルおよび酢
酸ビニルなどである。
【0013】アリルアミン系モノマーとそれ以外のモノ
マーとの共重合体を用いる場合は、アリルアミン系モノ
マーのモル比が40モル%以上のものが好ましい。アリ
ルアミン重合体を用いる際は、上記の単独重合体または
共重合体のうちの1種類を水溶液としてもよく、2種類
以上の混合水溶液としてもよい。本発明に用いる上で特
に好ましいアリルアミン重合体として、モノアリルアミ
ンの単独重合体であるポリアリルアミン、ジアリルアミ
ンの単独重合体であるポリジアリルアミン、モノアリル
アミンとジアリルアミンとの共重合体、ジメチルジアリ
ルアンモニウムクロライドの単独重合体であるポリジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリ
ルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄とのモル比1:
1共重合体であるポリアミンスルホンがあげられる。
【0014】アリルアミン重合体とともに用いるアルカ
リ金属塩は、強酸と強塩基の中和に基づく塩、例えば、
塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化ナトリウム、硝酸ナ
トリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム等が好ましい。
開繊処理に用いる水溶液中のアルカリ金属塩の濃度は、
好ましくは0.001〜0.1重量%である。アリルア
ミン重合体の濃度に対するアルカリ金属塩の濃度は、特
に制限はされないが、開繊処理後の水洗の容易さ等を考
慮すれば、当濃度もしくはそれ以下とすることが好まし
い。
【0015】本発明の開繊処理に用いる水溶液は、必須
成分としてアリルアミン重合体及びアルカリ金属塩を含
むが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分、例え
ば、窒化ナトリウム等の防腐剤等を含んでも良い。
【0016】本発明における開繊処理は、少なくともア
リルアミン重合体およびアルカリ金属塩を含む水溶液中
に炭素繊維束を0℃〜100℃、好ましくは10℃〜6
0℃の温度範囲で、10秒〜20分間程度浸漬して行な
う。なお、開繊処理後の水洗は、炭素繊維束に付着して
いるアルカリ金属塩および過剰のアリルアミン重合体を
洗い流す処理であり、イオン交換水、より好ましくは蒸
留水を用いて浸漬、シャワーリング等によって洗浄すれ
ばよい。
【0017】本発明において使用するパラジウムヒドロ
ゾルは、水溶性高分子安定剤の存在下で塩化パラジウム
(PdCl2)硝酸パラジウム(Pd(NO32)など
のパラジウムの無機塩の水溶液を水素化ホウ素ナトリウ
ム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、アスコルビン
酸等の還元剤で還元処理することで得られる。パラジウ
ムヒドロゾルに含有させる水溶性高分子安定剤は、パラ
ジウムヒドロゾルの凝集沈殿を防止するとともに、炭素
繊維表面にパラジウムコロイドを吸着させる作用を有す
るものであり、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルエーテル、アラビアゴムま
たはゼラチン等があげられる。パラジウムヒドロゾル中
のパラジウムイオン濃度は、0.1〜5mmol/Lの
範囲が好ましい。0.1mmol/L以下の場合には、
濃度が低いためパラジウムコロイドの炭素繊維への吸着
が進まない場合がある。5mmol/L以上の場合に
は、安定なパラジウムヒドロゾルが得られない場合があ
る。
【0018】また、水溶性高分子安定剤の濃度は、0.
002〜1重量%の範囲が望ましい。0.002%以下
の場合には、安定なパラジウムヒドロゾルを得ることが
できない場合がある。1%以上の場合には、水溶性高分
子安定剤の安定化作用が強力なため、パラジウムコロイ
ドの炭素繊維への吸着が良好になされない場合がある。
本発明における開繊処理された炭素繊維束をパラジウム
ヒドロゾルに浸漬することにより、炭素繊維表面にパラ
ジウムコロイドを吸着させるための処理は、0〜100
℃、好ましくは室温から80℃の温度範囲で、20秒間
から30分間の処理時間とするとよい。なお、パラジウ
ムコロイドの吸着が過剰である場合、この処理工程の次
工程である無電解めっきの際に余分のパラジウムコロイ
ドが炭素繊維表面より分離放出されて、その部分で炭素
繊維とは別に無電解めっきが生起するため、パラジウム
コロイドを吸着させたのち、水洗して余分なパラジウム
コロイドを除去してもよい。
【0019】本発明における無電解めっきは、常法によ
り行なうことができる。すなわち、パラジウムコロイド
が吸着された炭素繊維束を金属イオンおよび還元剤など
を含む無電解めっき液に浸漬することにより、炭素繊維
表面のパラジウムコロイドが存在する部分で金属イオン
が還元されて金属が析出してくるのである。本発明にお
ける無電解めっきのための金属イオン溶液としては、ニ
ッケル、コバルト、銅、銀等の一種または二種以上を使
用することができる。還元剤としては、次亜リン酸ナト
リウム、ホルムアルデヒド、ジメチルアミンボラン等を
使用することができる。
【0020】
【作用】本発明の構成の主たる特徴は、開繊処理時にア
リルアミン重合体およびアルカリ金属塩を含む水溶液を
用いることである。アリルアミン重合体およびアルカリ
金属塩を含む水溶液を用いることにより、先行技術であ
るステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの
カチオン性界面活性剤を含む水溶液を用いる場合に比べ
て、炭素繊維表面に金属付着量が大きくかつ密着性の高
い金属被覆を形成させることができる。すなわち、ステ
アリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオ
ン性界面活性剤はモノマーであるため、本発明で用いて
いるアリルアミン重合体が有するような炭素繊維表面へ
の付着性の強さ、膜形成による被覆効果をもたない。そ
のため、炭素繊維表面へのパラジウムコロイドの吸着親
和性が格段に異なり、このことがさらに炭素繊維表面に
無電解めっきにより形成される金属被覆の金属付着量お
よび密着性の高さの際に反映されるといいうる。本発明
で用いられているアリルアミン重合体のうち、特にポリ
アリルアミンは、無電解めっきにより形成される金属被
覆の金属付着量および密着性の高さに優れた炭素繊維束
を与えることができる。これは、ポリアリルアミンが単
位質量当りのアミノ基のモル数がきわめて大きい高分子
であるため、触媒のパラジウムコロイドの吸着親和性が
きわめて高く、従って無電解めっきにより形成される金
属被覆の金属付着量および密着性を大きくするためであ
ると考えられる。さらに、アリルアミン重合体とともに
アルカリ金属塩を用いることにより得られる効果は次の
様なものと推測される。すなわち、アリルアミン重合体
は水分子との親和性が高いが、アルカリ金属塩はより水
分子との親和性が高い電解質である。このため、両者が
ともに溶解している水溶液に炭素繊維表面が接触した場
合、アルカリ金属塩のイオンがその高い水分子との親和
性をもって、アリルアミン重合体のアミノ基と水分子と
の水素結合を切断し、これによりアリルアミン重合体の
アミノ基と炭素繊維表面との親和力が働き、アリルアミ
ン重合体による炭素繊維の表面処理がより優れたものと
なることを可能にするものと思われる。加えて、アルカ
リ金属塩は、水溶性が高く水洗が容易であるため、残留
により開繊処理以降の工程に悪影響を及ぼす不安がほと
んど無い。
【0021】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。本実施例で用いたパラジウムヒドロゾル、無電
解めっき液は以下の方法で各実施例毎に調製した。ま
た、炭素繊維束は、三菱レイヨン株式会社製PAN系高
弾性炭素繊維 30418F−08B(表面処理をしてい
ないもの)を20cmの長さにして用い た。体積固有抵
抗の測定は、TR6142電波発生器((株)アドバンテ
スト製)およびME−540電圧計(SOAR(株)製)を
用いて四端子法によって行なった。
【0022】「パラジウムヒドロゾルの調製」塩化パラ
ジウム(PdCl2)の20mmol/L水溶液25ml
を蒸留水 で950mlに希釈し、これを攪拌子を用い
て攪拌しながらさらにポリビニルエーテルの1重量%水
溶液を10ml加え、次いで、水素化ホウ素ナトリウム
50mmol/L水溶液を40mlを滴化して加えてパ
ラジウムヒドロゾル1Lを得た。
【0023】「無電解めっき液の調製」蒸留水750m
lに硫酸ニッケル(NiSO4)0.1mol/L、次亜
リン酸ナトリウム0.15mol/L、クエン酸ナトリ
ウム0.2mol/L、リン酸アンモニウム0.5mo
l/Lを溶解し、この水溶液を10N,5N、2Nおよ
び1Nの水酸化ナトリウムをもちいてpHを8.5と
し、水を加えて1Lの無電解ニッケルめっき液を調製し
た。
【0024】実施例1 PAA HCl 3L(日東紡績株式会社製、ポリアリ
ルアミン、分子量約10, 000)を、0.1重量%お
よび塩化ナトリウム0.05重量%を含む水溶液とし、
25℃のこの水溶液500ml中に炭素繊維束を5分
間浸漬して開繊処理した後、蒸留水で水洗を行なった。
次いで上記のごとく調製されたパラジウムヒドロゾル5
00mlに、開繊処理された炭素繊維束を70℃で5分
間浸漬したのち蒸留水で水洗を行ない、パラジウムコロ
イドが表面に吸着された炭素繊維束を得た。このパラジ
ウムコロイドが表面に吸着された炭素繊維束を無電解め
っき液中に90℃で2分間浸漬した後、水洗、乾燥して
ニッケル被覆炭素繊維を得た。得られたニッケル被覆炭
素繊維の体積固有抵抗を計測したところ1.2×10ー5
Ω・cmであった。
【0025】実施例2 実施例1において、PAA HCl 3Lと共存させる
塩化ナトリウムの濃度を0.01重量%とし、それ以外
は実施例1と全く同一の条件で操作を行ない、ニッケル
被覆炭素繊維を得た。得られたニッケル被覆炭素繊維の
体積固有抵抗を計測したところ 1.1×10ー5Ω・c
mであった。
【0026】実施例3 実施例1において、PAA HCl 3Lと共存させる
アルカリ金属塩を塩化カリウムとし、その濃度を0.0
5重量%としてそれ以外は実施例1と全く同一の条件で
操作を行ない、ニッケル被覆炭素繊維を得た。得られた
ニッケル被覆炭素繊維の体積固有抵抗を計測したところ
1.1×10ー5Ω・cmであった。
【0027】実施例4 実施例3において、PAA HCl 3Lと共存させる
塩化カリウムの濃度を0.01重量%としてそれ以外は
実施例3と全く同一の条件で操作を行ない、ニッケル被
覆炭素繊維を得た。得られたニッケル被覆炭素繊維の体
積固有抵抗を計測したところ 1.0×10ー5Ω・cm
であった。
【0028】実施例5 実施例1において、PAA HCl 3Lを用いたとこ
ろをダンフィックス505 RE(日東紡績株式会社
製、モノアリルアミン95モル%とジアリルアミン5モ
ル%との共重合体、分子量約50,000、高分子濃
度約20重量%)に置き換え、 蒸留水で200倍希釈
し、塩化ナトリウム0.05重量%を共存させ、それ以
外は実施例1と全く同一の条件で操作を行ない、ニッケ
ル被覆炭素繊維を得た。得られたニッケル被覆炭素繊維
の体積固有抵抗を計測したところ 6.0×10ー4Ω・
cmであった。
【0029】実施例6 実施例1において、PAA HCl 3Lを用いたとこ
ろをPAS−H 5L(日 東紡績株式会社製、ポリジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド、分子量約50,
000)に置き換え、0.1重量%および塩化ナトリウ
ム0.05重量%を含む水溶液とし、それ以外は実施例
1と全く同一の条件で操作を行ない、ニッケル被覆炭素
繊維を得た。得られたニッケル被覆炭素繊維の体積固有
抵抗を計測したところ3.0×10ー4Ω・cmであっ
た。
【0030】実施例7 実施例1において、PAA HCl 3Lを用いたとこ
ろをPAS−A 1(日東 紡績株式会社製、ポリアミン
スルホン、分子量約2,000)に置き換え、0.1重
量%および塩化ナトリウム0.05重量%を含む水溶液
とし、それ以外は実施例1と全く同一の条件で操作を行
ない、ニッケル被覆炭素繊維を得た。得られたニッケル
被覆炭素繊維の体積固有抵抗を計測したところ 9.5
×10ー4Ω・cmであった。
【0031】比較例1 実施例1において、PAA HCl 3Lを用いたとこ
ろをカチオンモノマーの界面活性剤であるステアリルト
リメチルアンモニウムクロライドに置き換え、0.1重
量%の水溶液とし、それ以外は実施例1と全く同一の条
件で操作を行ない、ニッケル被覆炭素繊維を得た。得ら
れたニッケル被覆炭素繊維の体積固有抵抗を計測したと
ころ9.8×10ー3Ω・cmであった。
【0032】
【発明の効果】実施例に見られる通り、本発明の製造方
法により得られた金属被覆炭素繊維は、その体積固有抵
抗値からも優れた導電性を有することを示す。すなわ
ち、本発明によれば、無電解めっき法を利用して、その
表面に金属付着量が大きくかつ密着性の高い金属被覆を
有する炭素繊維束が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:40 D06M 15/21 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維束を水溶液中で開繊処理し、続
    いて水溶性高分子を含むパラジウムコロイドを該炭素繊
    維の表面に吸着させた後、無電解めっきにより金属被覆
    炭素繊維を製造する方法において、少なくともアリルア
    ミン重合体及びアルカリ金属塩を含む水溶液にて開繊処
    理することを特徴とする金属被覆炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アリルアミン重合体の分子量は、
    2,000ー50,000である請求項1の金属被覆炭
    素繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アリルアミン重合体は、モノアリル
    アミンの単独重合体であるポリアリルアミン、ジアリル
    アミンの単独重合体であるポリジアリルアミン、モノア
    リルアミンとジアリルアミンとの共重合体、ジメチルジ
    アリルアンモニウムクロライドの単独重合体であるポリ
    ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジ
    アリルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄とのモル比
    1:1共重合体であるポリアミンスルホンである請求項
    1の金属被覆炭素繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ金属塩は、塩化ナトリウ
    ム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウムであ
    る請求項1の金属被覆炭素繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アリルアミン重合体の濃度は、0.
    001〜0.5重量%である請求項1の金属被覆炭素繊
    維の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ金属塩は、0.001〜
    0.1重量%である請求項1の金属被覆炭素繊維の製造
    方法。
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Cited By (10)

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