JPH08100074A - 不透明樹脂延伸フィルム - Google Patents

不透明樹脂延伸フィルム

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JPH08100074A
JPH08100074A JP25903994A JP25903994A JPH08100074A JP H08100074 A JPH08100074 A JP H08100074A JP 25903994 A JP25903994 A JP 25903994A JP 25903994 A JP25903994 A JP 25903994A JP H08100074 A JPH08100074 A JP H08100074A
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JP
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resin
film
weight
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stretched
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JP25903994A
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Kenji Nakajima
研治 中島
Masayuki Inoue
正行 井上
Yoshihiro Kurasawa
義博 倉沢
Koji Nishida
耕治 西田
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Mitsubishi Chemical Corp
Yupo Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Yupo Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2323/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers
    • C08J2323/02Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers not modified by chemical after treatment
    • C08J2323/10Homopolymers or copolymers of propene

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 白化斑や紙粉トラブルの発生がなく、高い延
伸安定性を備え、不透明度が高く、色相の良好な樹脂延
伸フイルム(合成紙)を提供する。 【構成】 (a)プロピレン系樹脂50〜95重量%、
及び(b)YI値が110以下のポリフェニレンエーテ
ル系樹脂50〜5重量%を含有する熱可塑性樹脂を基材
とする延伸フイルムであって、該樹脂延伸フイルムの空
孔率が20〜70%、不透明度が75%以上、b値が−
1以上、3以下、L値が85以上である不透明な樹脂延
伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム内部に微細な
空孔を有する不透明の樹脂延伸フィルムに関する。この
不透明樹脂延伸フィルムは、屋外ポスター用紙、ラベル
用紙、製図用紙、ステッカー用紙等、およびバーコード
用紙、印画紙、感熱記録用紙及び熱転写画像受容シート
の支持体として有用である。
【0002】
【従来技術】無機微細粉末を含有する熱可塑性樹脂フイ
ルムを延伸して得られるフイルム内部に微細な空孔を有
する不透明な合成紙は知られている(特公昭46−40
794号公報、特公昭60−30173号公報、特公昭
54−31032号公報、米国特許3773608号明
細書、米国特許4191719号明細書)。これら合成
紙は、パルプ抄造紙と比較して耐水性、強度、平滑性な
どに優れていることから、選挙ポスター用紙、ラベル用
紙、感熱記録用や熱転写画像受容紙の支持体として実用
化されている。
【0003】これらの無機微細粉末をフイルムの延伸に
よる空孔発生剤として使用して得られた合成紙は、樹脂
延伸フイルムの内部に無機微細粉末を核とする微細な空
孔を有する他に、樹脂延伸フイルムの表面からも無機微
細粉末が突出し、また、この無機微細粉末が二次凝集し
たもの(特開昭62−87390号公報)もあるため、
印刷・印字時に合成紙表面より無機微細粉末が脱落し、
白抜けが生じる(いわゆるピンホールトラブル)欠点が
ある。この白抜きは特に印刷や印字が黒色のベタの場合
に目立ち、問題となる。また、オフセット印刷時に合成
紙の表面より脱落した無機微細粉末は、ブランケットを
介してインキ中に混入し、インキの流動性を失わせて、
印刷機から印刷用紙へのインキの適正な転移を阻害し印
刷物の仕上がりを低下させる(いわゆる紙粉トラブル)
という問題を生じる。
【0004】かかる紙粉トラブルの少ない合成紙とし
て、フイルムマトリックス樹脂及びこのマトリックス樹
脂の融点より高融点を有し、マトリックスとは非相溶性
の熱可塑性樹脂との混合物を基材とするフイルムを延伸
して、該高融点樹脂を空孔発生剤とした延伸樹脂フイル
ムよりなるサテン状外観を有する合成紙が提案されてい
る(米国特許3154461号明細書、米国特許443
8751号明細書、米国特許4758462号明細書、
特開昭59−209849号公報、特公平3−2433
4号公報)。
【0005】具体的には、これら延伸フイルムはマトリ
ックスとしてポリプロピレンを用い、空孔発生剤の高融
点樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ナイロン6を使用している。と
ころが、空孔発生剤がナイロン6の場合には、ポリプロ
ピレンマトリックスへの分散性が悪く、ナイロン6粒子
の粒径が8〜10μmと大きく、形成された空孔が粗大
となり、ペコ(延伸フイルムを湾曲した際に、座屈によ
り生じるシワ)が発生しやすく、実用化に問題がある。
【0006】また、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートを空孔発生剤として用いると、
空孔の発生が少なく、不透明度が65%以下の合成紙し
か得られない。空孔の発生を高めて得られる合成紙の不
透明度を高めるために、これらフイルムの延伸温度をポ
リプロピレンの最適延伸温度より低くすると、樹脂フイ
ルムの延伸途中で破断したり、延伸テンターのチャック
(被延伸フイルムの保持具)からフイルムがはずれたり
して、生産効率が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、マトリ
ックスとしてポリプロピレン系樹脂を用い、空孔発生剤
の樹脂として、ポリフェニレンエーテル系樹脂を用い
た、不透明な樹脂延伸フイルムを得たところ、このもの
は紙粉トラブルが無く、また不透明度も高いものであっ
た。しかしながら、ポリフェニレンエーテル樹脂は、一
般にはその色相が黄色味を帯びており、これを用いて得
られた樹脂フィルムは、黄色がかったものとなってしま
う。
【0008】合成紙として用いる場合には、その色相は
非常に重要であり、黄色味がかっている、また、その反
対に青みが強い等の問題は致命的な欠陥となる。これを
改良するために基材中のポリフェニレンエーテル樹脂の
量を下げると延伸樹脂フイルムの空孔の発生量が少な
く、不透明度が低いという問題がある。本発明は、紙粉
トラブルが無く、また不透明度が高い合成紙であって、
かつ色相の良好な合成紙の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)プロピ
レン系樹脂50〜95重量%、(b)YI値が110以
下のポリフェニレンエーテル樹脂30〜100重量%と
芳香族アルケニル化合物重合体70〜0重量%からなる
ポリフェニレンエーテル系樹脂5〜50重量%、および
(c)相溶化剤成分0.1〜10重量%を含有する熱可
塑性樹脂を基材とし、次式
【0010】
【式2】 で算出した空孔率が20〜70%の空孔をフィルム内部
に有する不透明度が75%以上である不透明樹脂延伸フ
ィルムであって、かつ該樹脂延伸フイルムのb値が−1
以上、3以下、L値が85以上であることを特徴とする
不透明樹脂延伸フィルムを提供するものである。
【0011】
【発明の具体的な説明】
(1)構成成分 (a)プロピレン系樹脂 フイルムのマトリックス成分であるプロピレン系樹脂
は、プロピレンを主成分とする樹脂であり、具体的には
プロピレン単独重合体、プロピレンを主成分とし、これ
と、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共
重合体である。この共重合体はランダム共重合体でもブ
ロック共重合体でもよい。
【0012】これらプロピレン系樹脂の中でもプロピレ
ン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体が特に好
ましい。これらプロピレン系樹脂のメルトフローレート
(JIS K−7210;230℃、2.16kg荷
重)は0.3〜50g/10分、特に0.6〜12g/
10分が好ましく、融点は130〜190℃、特に14
5〜178℃であることが好ましい。
【0013】(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂 空隙の発生の核となるポリフェニレンエーテル系樹脂
は、ポリフェニレンエーテル樹脂単独、またはポリフェ
ニレンエーテル樹脂とアルケニル芳香族化合物重合体と
の混合物である。ここで用いられるアルケニル芳香族化
合物重合体とはスチレンを基材とする公知の材料であ
り、例を挙げればポリスチレン、ゴムで改質されたポリ
スチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、及びそ
のイミド化物、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等で
あり、好ましくはポリスチレン、ゴムで改質されたポリ
スチレンである。
【0014】また、ポリフェニレンエーテル樹脂は、下
記一般式
【化1】 (式中、Q1 は各々ハロゲン原子、第一級もしくは第二
級アルキル基、フェニル基、アミノアルキル基、炭化水
素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表し、Q2 は各
々水素原子、ハロゲン原子、第一級若しくは第二級アル
キル基、フェニル基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ
基又はハロ炭化水素オキシ基を表し、mは10〜450
の数を表す。)で示される繰返単位を有する単独重合体
又は共重合体である。Q1 及びQ2 が第一級アルキル基
の場合の好適な例は、メチル、エチル、n−プロピル、
n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチルブチ
ル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2−、3
−若しくは4−メチルペンチル又はヘプチルである。第
二級アルキル基の場合の好適な例は、イソプロピル、s
ec−ブチル又は1−エチルプロピルである。多くの場
合、Q1 はアルキル基又はフェニル基、特に炭素数1〜
4のアルキル基であり、Q2 は水素原子である。
【0015】好適なポリフェニレンエーテルの単独重合
体としては、例えば、2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル単位からなるものである。好適な共重合
体としては、上記2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル単位との組合せからなるランダム共重
合体である。多くの好適な、単独重合体又はランダム共
重合体が、特許文献、学術文献に記載されている。例え
ば、分子量、溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性を
改良する分子構成部分を含むポリフェニレンエーテル
も、また好適である。
【0016】本発明で使用するポリフェニレンエーテル
は、クロロホルム中で、30℃の固有粘度が0.2〜
0.8dl/gであるものが好ましい。本発明でポリフ
ェニレンエーテル系樹脂は、ポリフェニレンエーテル樹
脂30〜100重量%と芳香族アルケニル化合物重合体
70〜0重量%とからなるものであり、好ましくはポリ
フェニレンエーテル樹脂50〜100重量%と芳香族ア
ルケニル化合物重合体50〜0重量%のものである。
【0017】該ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス
転移温度は、140℃〜300℃であり、フイルムの延
伸温度(℃)以上であることが好ましく、より好ましく
はフイルムの延伸温度+5(℃)以上、とりわけ好まし
くはフイルムの延伸温度+10(℃)以上のものであ
る。該ポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度
がフイルムの延伸温度(℃)未満だと延伸フイルムの空
孔発生量が少なく不透明度に欠ける。
【0018】該ポリフェニレンエーテル系樹脂のYI値
は110以下であり、好ましくは100以下、より好ま
しくは90以下である。ここでYI値とは、ポリフェニ
レンエーテル樹脂を、温度250℃、圧力100kg/
cm2 、プレス時間14分の成形条件によるプレス成形
にて厚さ2mmのシートを成形し、色相・色差計にて、
JIS K−7103(プラスチックスの黄色度及び黄
変度試験法)に準拠して測定したものである。YI値が
110を越えるポリフェニレンエーテル樹脂を用いる
と、得られた樹脂延伸フイルムの色相は不満足なもので
あり、該フィルムは黄色味を帯びるか青味を帯びる。
【0019】(c)相溶化剤 本発明において、好適な任意の配合剤として用いられる
相溶化剤は、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリ
プロピレン系樹脂との相溶性を改良するものであり、例
えば、ポリフェニレンエーテル樹脂グラフトポリプロピ
レン系樹脂、スチレングラフトプロピレン系樹脂、スチ
レン・ヒドロキシエチルメタクリレートグラフトエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム、部分水素添加アルケニル
芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体等を挙げる
ことができる。
【0020】かかる相溶化剤成分としては、市場にて、
上記スチレングラフトプロピレン系樹脂として、三菱油
化(株)より「VMX」の商品名で、また、上記部分水
素添加アルケニル芳香族化合物・共役ジエンブロック共
重合体として、シェル化学(株)より「グレイトンG」
の商品名で、クラレ(株)より「セプトン」の商品名
で、旭化成工業(株)より「タフテック」の商品名で、
販売されており容易に入手することができる。これら相
溶化剤の配合量は、基材樹脂中に0〜10重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜1
0重量%含有させることが良い。
【0021】(d)付加的成分 本発明におけるフイルム成形用樹脂成分は、上記成分以
外に、安定剤、紫外線吸収剤、分散剤、染料、顔料等を
含有してもよい。特に色相を改良する目的で酸化チタ
ン、硫化亜鉛等の白色顔料や、群青、フタロシアニン等
の青色顔料、染料等を配合することが効果的である。こ
れら成分の配合量は特に限定されるものでは無いが、例
えば酸化チタンでは基材中に0.1〜10重量%が好ま
しい。また、必要により、マトリックス樹脂分の30重
量%以下を高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタ
レートに置き換えてもよい。
【0022】(2)配合量 本発明において、プロピレン系樹脂(a)が基材中に5
0重量%未満の量で含有される場合は延伸成形性が悪
く、また、95重量%を越える量で含有される場合は空
孔の発生量が少なく、不透明度に欠ける。また逆に、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂(b)が50重量%を越え
る量では延伸性が悪く、また、5重量%未満の量では空
孔の発生量が少なく、不透明度が劣る。
【0023】(3)樹脂延伸フィルムの製造 樹脂延伸フイルムは、プロピレン系樹脂(a)、ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂(b)及び必要により相溶化剤
(c)等を含有する樹脂組成物を押出機を用いてプロピ
レン系樹脂の融点を越える温度、例えば200〜300
℃で混練することにより、プロピレン系樹脂中にポリフ
ェニレンエーテル系樹脂微粒子(好ましくは0.1〜3
μm)を分散させ、この溶融物をダイよりフイルム状に
押し出し、ついでこのフイルムを所望の空孔率が得られ
るような温度(例えば、プロピレン系樹脂の融点よりは
低い温度である140〜165℃)で少なくとも一方向
に3.5〜12倍、好ましくは押し出し方向(MD)に
3.5〜5.5倍、幅方向(TD)に4〜12倍の延伸
倍率となるように延伸することにより得られる。
【0024】必要により、本発明の延伸フイルムを製造
する際に、他の樹脂層と積層しても良い。該他の樹脂層
としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂等のオレ
フィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどの飽和ポリエステル樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂等を挙げることができ
る。この様な他の樹脂層には、炭酸カルシウム、二酸化
チタン、クレー、硫酸バリウム等の充填剤を含有させて
も良い。
【0025】(4)樹脂延伸フィルムの物性 本発明の樹脂延伸フィルムは、空孔率が20〜70%、
好ましくは25〜60%、不透明度(JIS P−81
38)が75%以上、好ましくは80〜100%のもの
である。空孔率が20%未満では、光の乱反射が不十分
で紙的風合いが得られない。また、70%を越えては合
成紙の強度が脆いものとなる。
【0026】しかし、不透明度が75%未満では、隠蔽
性が不十分で、これに印刷し、製本した場合に、次頁の
印字が透けて見えたり、また、両面印刷の場合には、裏
面の印刷がダブルに見えて、当該面の印字・印刷面が見
づらくなる。また、樹脂延伸フイルムの色相は、b値が
−1以上、3以下、好ましくは0以上、2以下であり、
L値が85以上、好ましくは90以上である。b値が−
1未満では青味がきつく、3を越えると黄味がきつく、
また、L値が85未満ではくすんだ感じを与え、何れも
合成紙としては色相上問題である。
【0027】(5)用途 本発明の樹脂延伸フイルムは、それ自身、ポスター用
紙、製図用紙、ラベル用紙として、またこのフイルム単
独、あるいは紙、ポリエステルなどと積層して、このフ
イルム表面にゼラチン層、感熱記録塗工層、画像受容記
録層を設けて、印画紙、感熱記録紙、熱転写画像受容紙
として用いるための支持体として有用である。
【0028】
【実施例】以下に示す実験例によって、本発明を更に具
体的に説明する。なお、実験例及び比較例における評価
は以下に示す評価方法によって評価した。 〔I〕評価方法色相 スガ試験機(株)製S&Mカラーコンピューター(測色
計)を用いて、Lab系の白色度(JIS K710
3)を測定した。ここでL値は明度を表し、L値が低く
なるとくすんだかんじになり、またb値は知覚色度指数
で、+側では黄味を、−側では青味を表す。不透明度 不透明度はJIS P8138に基づき測定した。
【0029】隠蔽性 東洋精機(株)製鉛筆硬度計(スクラッチテスター)を
用いて、得られたフイルムに垂直になるようにセットさ
れた硬度HBの鉛筆に、200gの荷重をかけて、20
0秒/mの速度で線分を描く。この線分の描かれたフイ
ルムを、光学濃度が0.2の白紙の上に、描画面が白紙
面と接するように重ね合わせ、透けて見える線分の度合
いを目視観察して、つぎのように判断した。 不良:容易に線分が読み取れる。 良 :線分を読むのに苦労する、もしくは読めない。
【0030】延伸の安定性 試験片の製造を10回実施したとき、延伸途中で破断や
チャック外れが発生せず、延伸が最後まで完了した試験
片の製造回数を測定する。ベック平滑度 ベック平滑度の測定はJIS P8119に基づき測定
した。
【0031】〔II〕実施例実施例1 メルトフローレート0.8g/10分、融点174℃の
プロピレン単独重合体“三菱ポリプロTA−8”〔三菱
油化(株)製(商品名)〕79重量部、30℃でのクロ
ロホルム中での固有粘度0.3dl/g、ガラス転移温
度210℃、YI値90のポリフェニレンエーテル樹脂
〔日本ポリエ−テル(株)製〕12重量部、ゴム強化ポ
リスチレン樹脂“HT76”〔三菱化成(株)製(商品
名)〕3重量部、相溶化剤としてスチレングラフトプロ
ピレン系樹脂「VMX DN65X」〔三菱油化(株)
製(商品名)〕6重量部、および二酸化チタン3重量
部、群青#8800〔第一化成(株)製(商品名)〕
0.04重量部よりなる混合物を210℃に設定した二
軸押出機(日本製鋼所製)にて溶融混練した後、ダイよ
りストランド状に押し出し、冷却裁断してペレットを得
た。
【0032】このペレットを260℃に設定したプレス
成形機で溶融・圧縮・冷却し、縦120mm、横120
mm、厚さ1.5mmのプレスシートを得た。このプレ
スシートを小型の2軸延伸機(岩本製作所製)で160
℃に加熱した後、最初に縦方向に5倍、次に横方向に5
倍、逐次に延伸し、30秒間アニーリング処理して延伸
フイルムを得た。得られたフイルムの色相、肉厚、空孔
率、不透明度、隠蔽性、延伸の安定性、およびベック平
滑度を表1に示す。
【0033】実施例2〜4及び比較例1〜3 実施例1における配合及び延伸温度を、表1に記載の配
合及び延伸温度にする他は、実施例1と同様の方法で延
伸フイルムを作製し、実施例1と同様の方法で評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例5 メルトフローレート0.8g/10分、融点174℃の
プロピレン単独重合体“三菱ポリプロTA−8”(三菱
油化(株)製(商品名))79重量部、30℃でのクロ
ロホルム中での固有粘度0.3dl/g、ガラス転移温
度210℃、YI値90のポリフェニレンエーテル樹脂
〔日本ポリエ−テル(株)製〕12重量部、ゴム強化ポ
リスチレン樹脂“HT76”(三菱化成(株)製(商品
名))3重量部、相溶化剤としてスチレングラフトプロ
ピレン系樹脂「VMX DN65X」〔三菱油化(株)
製(商品名)〕6重量部、二酸化チタン3重量部及び群
青#8800〔第一化成(株)製(商品名)〕0.04
重量部よりなる混合物を210℃に設定した二軸押出機
(日本製鋼所製)にて溶融混練後、ダイよりシート状に
押し出し、冷却してフイルムを得た。
【0036】このフイルムを145℃の加熱ロールに接
触させて加熱した後、縦方向に4.8倍延伸した。次い
で、このフイルムを60℃の温度にまで冷却した後、テ
ンター式横延伸装置を用い、そのオーブンの中で165
℃の熱風で加熱した後、横方向に8倍延伸し、170℃
の熱風でアニーリング処理した後、耳部をスッリトして
不透明樹脂延伸フィルムを得た。延伸安定性は良好であ
った。
【0037】得られた延伸フイルムの物性は以下のとお
りであった。 b値 :1.8 L値 :92 厚さ :100μm 空孔率 :44% 不透明度 :98% ベック平滑度 :3000秒 隠蔽性 :良
【0038】実施例6 メルトフローレート0.8g/10分、融点174℃の
プロピレン70重量部、平均粒径1.5μmの重炭酸カ
ルシウム20重量部、及びメルトフローレート11g/
10分の高密度ポリエチレン10重量部よりなる組成物
を260℃に設定した押出機にて溶融混練後、250℃
に設定したダイよりシート状に押し出し、冷却ロールで
約60℃の温度にまで冷却した。このフイルムを145
℃の加熱ロールに接触させて加熱した後、縦方向に5倍
延伸した。
【0039】この延伸フイルムの両面に、メルトフロー
レート4g/10分、融点174℃、結晶化度67%の
プロピレン単独重合体“三菱ポリプロMA−4”〔三菱
油化(株)製(商品名)〕76重量部に、30℃のクロ
ロホルム中での固有粘度0.3dl/g、ガラス転移温
度210℃、YI値90のポリフェニレンエーテル樹脂
〔日本ポリエ−テル(株)製〕12重量部、ゴム強化ポ
リスチレン樹脂「HT76」〔三菱化成(株)製(商品
名)〕3重量部、相溶化剤としてスチレングラフトプロ
ピレン系樹脂「VMX DN65X」〔三菱油化(株)
製(商品名)〕6重量部及び二酸化チタン3重量部及び
群青#8800〔第一化成(株)製(商品名)〕0.0
4重量部を含有する混合物を270℃に設定した押出機
にて溶融混練後、250℃に設定したダイよりシート状
に押し出し、ロールで溶融圧着してラミネート物を得
た。
【0040】次いで、このラミネート物を60℃の温度
にまで冷却した後、テンター式横延伸装置を用い、その
オーブンの中で165℃の熱風で加熱した後、横方向に
8.5倍延伸し、170℃の熱風でアニーリング処理し
た後、耳部をスッリトして不透明な延伸樹脂フィルムを
得た。
【0041】またこのフイルムを四六半載判(縦788
mm、横545mm)に断裁し、東洋インキ(株)製オ
フセットインキ“TSP−400”(商品名)および三
菱重工(株)製オフセット2色印刷機“ダイヤ印刷機”
(商品名)を用い、2000枚を2色印刷して、ブラン
ケット上のインクエッジパイルやブランケット上の脱落
紙粉により印刷に悪影響を及ぼすまでの印刷枚数(いわ
ゆる紙粉トラブルの徴候が発生するまでの印刷可能枚
数)を求めたところ、1500枚では紙粉トラブルの徴
候は認められなかった。また、得られたフイルムの色相
は以下の通りであった。 b値 : 0.9 L値 : 93
【0042】比較例4 メルトフローレート0.8g/10分、融点174℃の
プロピレン70重量部、平均粒径1.5μmの重炭酸カ
ルシウム20重量部及びメルトフローレート11g/1
0分の高密度ポリエチレン10重量部よりなる組成物を
260℃に設定した押出機にて溶融混練後、250℃に
設定したダイよりシート状に押し出し、冷却ロールで約
60℃の温度にまで冷却した。
【0043】このフイルムを145℃の加熱ロールに接
触させて加熱した後、縦方向に5倍延伸した。この延伸
フイルムの両面に、メルトフローレート4g/10分、
融点174℃、結晶化度67%のプロピレン単独重合体
“三菱ポリプロMA−4”〔三菱油化(株)製(商品
名)〕60重量部、平均粒径1.5μmの重炭酸カルシ
ウム40重量部の組成物を260℃に設定した押出機に
て溶融混練後、260℃に設定したダイよりシート状に
押し出し、ロールで溶融圧着してラミネート物を得た。
【0044】次いで、このラミネート物を60℃の温度
にまで冷却した後、テンター式横延伸装置を用い、その
オーブンの中で165℃の熱風で加熱した後、横方向に
8.5倍延伸し、170℃の熱風でアニーリング処理し
た後、耳部をスッリトして不透明延伸樹脂フィルムムを
得た。このフイルムを実施例6と同様の方法で印刷可能
枚数を評価したところ、600枚であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の不透明な樹脂延伸フイルムは、
白化斑や紙粉トラブルの発生が発生せず、隠蔽性の優れ
た不透明度の高い、かつ、色相の良好なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉沢 義博 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 西田 耕治 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)プロピレン系樹脂50〜95重量
    %、(b)YI値が110以下のポリフェニレンエーテ
    ル樹脂30〜100重量%と芳香族アルケニル化合物重
    合体70〜0重量%からなるポリフェニレンエーテル系
    樹脂50〜5重量%、および(c)相溶化剤成分0〜1
    0重量%を含有する熱可塑性樹脂を基材とし、次式 【式1】 で算出した空孔率が20〜70%の微細な空孔をフィル
    ム内部に有する不透明度が75%以上である不透明樹脂
    延伸フィルムであって、かつ、該樹脂延伸フィルムのb
    値が−1以上、3以下、L値が85以上であることを特
    徴とする不透明樹脂延伸フィルム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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