JPH0799331B2 - 回転体の原点位置判定装置 - Google Patents

回転体の原点位置判定装置

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JPH0799331B2
JPH0799331B2 JP27937388A JP27937388A JPH0799331B2 JP H0799331 B2 JPH0799331 B2 JP H0799331B2 JP 27937388 A JP27937388 A JP 27937388A JP 27937388 A JP27937388 A JP 27937388A JP H0799331 B2 JPH0799331 B2 JP H0799331B2
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車輛等のハンドル操舵に連動して回転する回
転体の直進走行時における原点位置(操舵中立位置)を
判定するために用いて好適な回転体の原点位置判定装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、自動車等の車輛においては、ハンドル操舵に
連動して回転する回転円板に等角度間隔(所定角度ピッ
チ)で複数のスリットを開設し、このスリットの通過位
置にフォトインタラプタを2個隣接して配置してハンド
ル操舵に連動した各種制御を行っている。
すなわち、ハンドル操舵に連動させて、第1および第2
のフォトインタラプタに同一波形で位相の略90゜ずれた
パルス状の電気信号(2相のインクリメンタル信号)を
生じせしめ、このインクリメンタル信号のカウントを行
って、操舵方向および操舵角度の検出を行っている。
通常、上記2相のインクリメンタル信号のみでは原点位
置の検出が不可能であるために、原点位置を検出するた
めに回転円板に原点スリットを設け、この原点スリット
の第3のフォトインタラプタに対する通過により原点信
号を得るようになして3ビット構成とし、原点位置から
の回転円板の相対位置をインクリメンタル信号で検出す
る方式を採用している。
しかし、ステアリングシャフトとハンドルとのセレーシ
ョンのずれ、ステアリングシャフトとステアリングセン
サとの取付公差、ホイルアライメントの調整不良等を考
えると、その組付誤差はワーストケースで数10゜にも及
ぶ。このため、通常、原点信号を得るために、回転円板
に設ける原点スリットの角度幅を拡大し、数10゜の組付
誤差があっても、車輛が直進走行を行っている限りは、
原点信号を得ることができるものとしている。
その結果、原点信号の発生の有無だけでは、原点位置を
特定することができないという問題が生じ、このような
問題を解消するために、特開昭61−28811号公報に開示
されているような操舵位置検出装置が提案されている。
すなわち、この操舵位置検出装置は、ステアリング操作
によって回転する操舵部材に設けられ、操舵角を検出
し、操舵角信号を出力する操舵角検出手段と、実操舵角
零点に相当する操舵位置を中心に、所定の操舵範囲(本
発明でいう原点範囲)を検出し、操舵中立ゾーン信号を
出力する中立ゾーン検出手段と、操舵中立ゾーン信号が
検出されている時の操舵角信号の平均値を演算し、この
平均値を中立位置信号として出力する中立位置演算手段
とを備えており、このような操舵位置検出装置を用いる
ことによって、車輛の整備状況や車輛への乗員状況の如
何に拘わらず、車輛の直進状態における操舵中立位置を
検出することができるものとしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような操舵位置検出装置によると、
操舵中立ゾーン信号が検出されている間の平均値を演算
して中立位置信号としてさせるようにしているため、更
新すべき新たな中立位置信号を得るために時間がかかる
という問題があった。
また、操舵中立ゾーン信号が検出されている時の操舵角
信号の平均値を演算するために、重み付け移動平均演算
を行い、平均値を算出しているようにしており、このよ
うな種々の処理演算により、その回路構成が複雑となる
ものであった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような課題を解決するためになされたもの
で、その外周縁面に所定角度ピッチで設けられたスリッ
トゾーンとこのスリットゾーンの2角度ピッチよりも広
い角度幅で設けられた原点ゾーンとを有し外部操作に連
動して時計および反時計方向へ回転する回転体と、この
回転体のスリットゾーンの通過に基づき該回転体の回転
角度位置を検出する回転位置検出手段と、この回転体の
原点ゾーンの通過に基づき該回転体の原点範囲を検出す
る原点範囲検出手段と、この原点範囲検出手段により原
点範囲が検出されている間、前記回転位置検出手段の検
出する回転角度位置に基づき前記原点ゾーンを複数のサ
ブゾーンに分割し、この分割したサブゾーンの各々の原
点範囲の検出に貢献した走行距離を積算し、この積算距
離が一番早く所定の距離に到達したサブゾーンを原点位
置と判定する原点位置判定手段とを備えたものである。
〔作用〕
したがってこの発明によれば、原点ゾーン中、原点範囲
の検出に貢献した積算距離が一番早く所定の距離に到達
したサブゾーンが、原点位置と定められる。
〔実施例〕
以下、本発明に係る回転体の原点位置判定装置を詳細に
説明する。
第1図は、この原点位置判定装置の一実施例を示すブロ
ック構成図である。同図において、5は回転位置検出セ
ンサ(操舵角センサ)100(第2図)の送出するパルス
状電気信号を入力とし、ハンドル操舵に応じた処理信号
(アップ信号およびダウン信号)を送出するUP/DOWN切
替回路、6はこのUP/DOWN切替回路5の送出する処理信
号を入力とするUP/DOWNカウンタである。
操舵角センサ100は、ハンドル操舵に連動して回転する
回転円板1と、発光素子および受光素子を有してなるフ
ォトインタラプタ2〜4から構成されており、回転円板
1の外周縁面に等角度間隔(所定角度ピッチP)で同一
形状のスリット1aが開設されている。そして、このスリ
ット1aの通過位置にフォトインタラプタ2および3が隣
接して配置されており、このフォトインタラプタ2およ
び3に、回転円板1の回転に伴うスリット1aの通過によ
って、第3図(a)および(b)に示すような「1」レ
ベルおよび「0」レベルの交互する同一波形のパルス状
電気信号が発生するようになっている。すなわち、今、
第2図に示されるような操舵状態から、ハンドルを時計
方向へ回転(第2図において右回転)すると、N点を中
心とする正方向への電気信号が、反時計方向へ回転する
と、N点を中心とする負方向への電気信号が発生するも
のとなっている。フォトインタラプタ2に発生する電気
信号は、フォトインタラプタ3に発生する電気信号より
も位相が90゜進んでおり、設計上理想とする回転円板1
の原点位置(操舵中立位置)において、即ち第3図に示
すN点において、フォトインタラプタ2に発生する電気
信号が「1」レベルより「0」レベルへ或いは「0」レ
ベルから「1」レベルへと変化する立ち下がり或いは立
ち上がり時期にあり、フォトインタラプタ3に発生する
電気信号は「0」レベル状態にある。そして、このフォ
トインタラプタ2および3の送出する電気信号がUP/DOW
N切替回路5に入力されるものとなっている。
一方、回転円板1の外周縁面の所定回転角度位置には、
独立して、原点ゾーンとしてのスリット1bが開設されて
おり、このスリット1bの通過をフォトインタラプタ4で
検出するものとしている。すなわち、スリット1bがフォ
トインタラプタ4に対向する回転位置をこの回転円板1
の原点範囲としており、この原点範囲の角度幅すなわち
スリット1bの角度幅αを、ステアリングシャフトとハン
ドルとのセレーションのずれ、ステアリングシャフトと
ステアリングセンサとの取付公差、ホイルアライメント
の調整不良等を考慮した組付誤差のワーストケース以上
に拡大して設定している。本実施例においては、スリッ
ト1bの角度幅αを60゜としており、発明者の調査では上
記組付誤差のワーストケースとして54゜という値を実験
的に得ているので、スリット1bの角度幅αを60゜に設定
すれば、車輛が直進走行を行っているときには必ず、フ
ォトインタラプタ4の送出する電気信号として「1」レ
ベルの原点範囲検出信号(第3図(c))を得ることが
できる。そして、この「1」レベルの原点範囲検出信号
が、第1図において、その端子101を介して、アンドゲ
ート14,アンドゲート23,デコーダ26の「A」入力端およ
びインバータ27を介してアンドゲート24に入力されるも
のとなっている。ここで、フォトインタラプタ4は、回
転円板1の設計上理想とする原点位置において、即ち第
3図に示すN点において、スリット1bの角度幅αの中央
に位置するものとなっている。また、本実施例にあって
は、スリット1bの角度幅αをスリット1aの角度ピッチP
の3倍(3角度ピッチ)よりやや広めに設定している。
一方、UP/DOWN切替回路5は、入力されるパルス状電気
信号を処理して、ハンドルの右操舵量および左操舵量に
応じた数のアップ信号およびダウン信号を送出するよう
になっており、UP/DOWNカウンタ6は、入力されるアッ
プ信号あるいはダウン信号の数だけそのカウント値をア
ップカウントあるいはダウンカウントするものとなって
いる。すなわち、回転円板1の設計上理想とする原点位
置を基準として、UP/DOWNカウンタ6におけるカウント
値を基本的に零と定めており、ハンドルの右操舵により
そのカウント値が、フォトインタラプタ2の出力の立ち
下がりエッジ毎に順次アップするものとなっている。ま
た、ハンドルの左操舵によりそのカウント値が、フォト
インタラプタ2の出力の立ち上がりエッジ毎に順次ダウ
ンするものとなっている。すなわち、第3図において、
N点を起点としてハンドルを右方向へ回転させれば、a
点においてUP/DOWNカウンタ6におけるカウント値が+
1へ、b点において+2へと順次アップするものとな
り、N点から左方向へ回転させれば、c点においてUP/D
OWNカウンタ6におけるカウント値が−1へ、d点にお
いて−2へと順次ダウンするものとなる。そして、UP/D
OWNカウンタ6におけるカウント値が、デコーダ7およ
びディジタルコンパレータ8〜10に入力されるものとな
っており、デコーダ7は入力されるカウント値に応じた
位置の出力端子(図示せず)を選択し、そのレベルを
「0」あるいは「1」として、ハンドル操舵に連動して
動作せしめる外部機器、例えばコーナリングランプシス
テム等の制御を行うものとして構成されている。
コンパレータ8〜10には所定の比較基準値が各々設定さ
れており、ここでその比較基準値とUP/DOWNカウンタ6
を介して入力されるカウント値とが比較されるものとな
っている。すなわち、コンパレータ8には、UP/DOWNカ
ウンタ6におけるカウント値にして+1が右1ビット基
準値として設定されており、コンパレータ10には、UP/D
OWNカウンタ6におけるカウント値にして−1が左1ビ
ット基準値として設定されている。コンパレータ9に
は、UP/DOWNカウンタ6におけるカウント値にして±1
が直進位置基準値として設定されており、UP/DOWNカウ
ンタ6を介して入力されるカウント値が±0のとき、コ
ンパレータ9における出力レベルが「1」となるものと
なっている。また、UP/DOWNカウンタ6を介して入力さ
れるカウント値が+1のとき、コンパレータ8における
出力レベルが「1」となり、UP/DOWNカウンタ6を介し
て入力されるカウント値が−1のとき、コンパレータ10
における出力レベルが「1」となるものとなっている。
そして、コンパレータ8〜10の送出する「1」レベルの
信号が、アンドゲート11〜13の一端に入力されるものと
なっており、アンドゲート11〜13の他端には、アンドゲ
ート14の出力が入力されるものとなっている。アンドゲ
ート14の一端には、前述した通り、第2図に示したフォ
トインタラプタ4を介して原点範囲検出信号が入力され
るものとなっているが、その他端には走行距離に応じた
パルス信号(距離信号)が入力されるものとなってい
る。
一方、アンドゲート11〜13の出力は、同進カウンタ17〜
19に入力されるようになっており、このカウンタ17〜19
のオーバフロー信号(CARRY信号)が、4入力オアゲー
ト20の第1〜第3の入力端に入力されるものとなってい
る。そして、このオアゲート20の出力がオアゲート21を
介してUP/DOWNカウンタ6に入力されるものとなってお
り、このオアゲート21を介する「1」レベルの信号によ
りUP/DOWNカウンタ6におけるカウント値がリセットさ
れ±0に戻されるものとなっている。また、オアゲート
20の送出する「1」レベルの出力は、カウンタ17〜19へ
のリセット信号としても入力されるものとなっており、
オアゲート20の第4の入力端に、コンパレータ22の送出
する比較出力が入力されるものとなっている。コンパレ
ータ22は、端子103の電源投入と同時に所定電圧が印加
されることにより、その比較出力を即座に「1」レベル
となし、コンデンサC3への充電々位の上昇に基づき、所
定時間遅れてその比較出力を「0」レベルへ戻す。ま
た、コンパレータ22の比較出力は、アンドゲート23およ
び24へも入力されるようになっており、アンドゲート23
の出力がオアゲート21の他端に入力されるものとなって
いる。また、アンドゲート24の出力は、フリップフロッ
プ25のセット端子に入力され、フリップフロップ25のQ
出力がデコーダ26の「B」入力端へ入力されるものとな
っている。デコーダ26の「C」および「D」入力端には
UP/DOWN切替回路5を介してダウン信号およびアップ信
号が入力されるものとなっており、デコーダ26は、その
入力端「D」,「C」,「B」,「A」に、「0」,
「1」,「1」,「1」の信号が入力されたとき、その
出力端子26aのレベルを「1」となし、「1」,
「0」,「1」,「1」の信号が入力されたとき、その
出力端子26bのレベルを「1」となすものとなってい
る。そして、デコーダ26の出力端子26aより「1」レベ
ルの信号が送出されると、この信号がオアゲート28を介
してUP/DOWNカウンタ6にロード信号として入力され、
デコーダ26の出力端子状態に基づきエンコーダ29を介し
て、UP/DOWNカウンタ6におけるカウント値が+1にセ
ットされるものとなっている。また、デコーダ26の出力
端子26bより「1」レベルの信号が送出されると、この
信号がオアゲート28を介してUP/DOWNカウンタ6にロー
ド信号として入力され、デコーダ26の出力端子状態に基
づきエンコーダ29を介して、UP/DOWNカウンタ6におけ
るカウント値が−1にセットされるものとなっている。
なお、オアゲート28より出力されるロード信号はワンシ
ョットマルチバイブレータ(以下、単にワンショットと
呼ぶ)30にも入力されるものとなっており、ワンショッ
ト30はこの入力されるロード信号の立ち下がりエッジで
作動し、このワンショット30によるワンショット信号に
よりフリップフロップ25がリセットされるものとなって
いる。
次に、このように構成された装置の動作を説明する。す
なわち、今、自動車が直進走行を行っており、回転円板
1の真の直進操舵位置において、第2図に示した如き設
計上理想とする原点位置に部位するものとすると、端子
101を介して「1」レベルの原点範囲検出信号が入力さ
れている間、UP/DOWNカウンタ6におけるカウント値は
±0となっている期間が長くなる。すなわち、UP/DOWN
カウンタ6におけるカウント値は、デコーダ7に入力さ
れると同時にコンパレータ8〜10にも入力され、このコ
ンパレータ8〜10において各基準値と比較される。UP/D
OWNカウンタ6におけるカウント値が+1のときは、コ
ンパレータ8が「1」レベルの信号を送出し、UP/DOWN
カウンタ6におけるカウント値が−1のときは、コンパ
レータ10が「1」レベルの信号を送出する。また、UP/D
OWNカウンタ6におけるカウント値が±0のときはコン
パレータ9が「1」レベルの信号を送出する。そして、
コンパレータ8〜10の送出する「1」レベルの信号に基
づき、端子101を介して「1」レベルの原点範囲検出信
号が入力されている間、アンドゲート14を通過する距離
信号が、アンドゲート11〜13を通過してカウンタ17〜19
に入力される。すなわち、UP/DOWNカウンタ6における
カウント値が+1のときはカウンタ17におけるカウント
値が積算されてアップし、UP/DOWNカウンタ6における
カウント値が−1のときはカウンタ19におけるカウント
値が積算されてアップする。また、UP/DOWNカウンタ6
におけるカウント値が±0のときはカウンタ18における
カウント値が積算されてアップする。この場合、UP/DOW
Nカウンタ6におけるカウント値を±0とした状態での
走行距離の積算値(積算距離)が一番早く所定の距離に
到達するので、カウンタ17〜19のうちカウンタ18が一番
早くオーバフローして「1」レベルのCARRY信号を送出
し、このCARRY信号がオアゲート20および21を通過してU
P/DOWNカウンタ6に入力され、UP/DOWNカウンタ6をリ
セッットしてそのカウント値を±0とする。この場合、
UP/DOWNカウンタ6におけるカウント値は既に±0であ
り、これによりUP/DOWNカウンタ6におけるカウント値
は±0を維持し続けることになる。
上述の動作は、自動車の直進走行時に、回転円板1が真
の直進操舵位置においてその設計上理想とする原点位置
に部位するものとして説明したが、その組付誤差により
回転円板1が設計上理想とする原点位置に対してずれて
いた場合等においては、本実施例の特徴とする補正動作
が以下のようにして速やかに行われ、支障なく外部機器
をハンドル操舵に連動させて制御でき得るものとなる。
すなわち、回転円板1が設計上理想とする原点位置にあ
る場合には、第3図に示したZ1(d)点からZ2(b)点
までの範囲をスリット1bにおける原点ゾーンとしたと
き、この原点ゾーンを分割するc点からa点までの領域
(以下、この領域を第1のサブゾーンと呼ぶ)内で、UP
/DOWNカウンタ6におけるカウント値が±0となる積算
距離が一番早く所定の距離に到達する。しかし、その組
付誤差により回転円板1が設計上理想とする原点位置に
対してずれていた場合等にあっては、UP/DOWNカウンタ
6におけるカウント値が+1あるいは−1となる積算距
離が長くなるようになる。すなわち、原点ゾーンを分割
するa点からb点までの領域(以下、この領域を第2の
サブゾーンと呼ぶ)内あるいはc点からd点までの領域
(以下、この領域を第3のサブゾーンと呼ぶ)内で、UP
/DOWNカウンタ6におけるカウント値が+1あるいは−
1となる積算距離が長くなるようになる。
第2のサブゾーン内でUP/DOWNカウンタ6におけるカウ
ント値が+1となる積算距離が長くなると、カウンタ17
〜19のうちカウンタ17が一番早くオーバフローし、UP/D
OWNカウンタ6をリセットしてそのカウント値を±0と
する。すなわち、第2のサブゾーンを原点位置と素早く
判定して、UP/DOWNカウンタ6におけるカウント値の補
正が行われるようになる。
また、第3のサブゾーン内でUP/DOWNカウンタ6におけ
るカウント値が−1となる積算距離が長くなると、カウ
ンタ17〜19のうちカウンタ19が一番早くオーバフロー
し、UP/DOWNカウンタ6をリセットしてそのカウント値
を±0とする。すなわち、第3のサブゾーンを原点位置
と素早く判定して、UP/DOWNカウンタ6におけるカウン
ト値の補正が行われるようになる。
なお、この装置への電源の投入直後においては、コンパ
レータ22の送出する比較出力が所定時間継続して「1」
レベルとなるので、端子101を介して「1」レベルの原
点範囲検出信号が入力されている場合に電源が投入され
ると、コンパレータ22の送出する「1」レベルの比較出
力がアンドゲート23を通過し、オアゲート21を介してUP
/DOWNカウンタ6におけるカウント値を強制的に±0と
なし、これにより電源投入直後に検出されていたサブゾ
ーンが、初期の原点位置として設定されるようになる。
また、端子101を介して「1」レベルの原点範囲検出信
号が入力されていない場合に電源が投入されると、イン
バータ27を介して「1」レベルの信号がアンドゲート24
に入力され、このアンドゲート24を通過するコンパレー
タ22の送出する「1」レベルの比較出力によって、フリ
ップフロップ25がセット状態となる。これにより、デコ
ーダ26の「B」入力端へフリップフロップ25の「1」レ
ベルのQ出力が設定されるようになる。そして、その後
のハンドル操舵により、端子101を介して「1」レベル
の原点範囲検出信号が入力されるようになると、この
「1」レベルの原点範囲検出信号がデコーダ26の「A」
入力端に設定されるようになる。今、右操舵に伴う回転
円板1の右回転により「1」レベルの原点範囲検出信号
が発生したものとすると、この右操舵に伴うUP/DOWN切
替回路5からの「1」レベルのアップ信号のデコーダ26
の「D」入力端への設定により、この時点でデコーダ26
の出力端子26bのレベルが「1」レベルとなり、UP/DOWN
カウンタ6におけるカウント値が−1に設定され、三つ
のサブゾーンのうち第3のサブゾーンが初期の原点位置
として設定される。また、左操舵に伴う回転円板1の左
回転により「1」レベルの原点範囲検出信号が発生した
ものとすると、この左操舵に伴うUP/DOWN切替回路5か
らの「1」レベルのダウン信号のデコーダ26の「C」入
力端への設定により、この時点でデコーダ26の出力端子
26aのレベルが「1」レベルとなり、UP/DOWNカウンタ6
におけるカウント値が+1に設定され、三つのサブゾー
ンのうち第2のサブゾーンが初期の原点位置として設定
される。
なお、本実施例においては、原点ゾーンを複数のサブゾ
ーンに分割する際、操舵角センサの最小分解能で分割す
るものとしたが、これらのサブゾーンの設定は必ずしも
操舵角センサの最小分解能である必要はなく、この最小
分解能の整数倍としても良い。また、サブゾーンの設定
は最小分解能の整数倍とした場合、角サブゾーンは互い
にオーバラップする部分を持たせても良い。
さらに、本実施例においては、スリット1bの角度幅αを
スリット1aの3角度ピッチよりやや広めに設定するもの
としたが、少なくともスリット1aの2角度ピッチよりも
広い角度幅とすればよく、このようにすることによって
操舵角センサの検出する操舵角度位置に基づき、原点ゾ
ーンを複数のサブゾーンに分割することができ、その幅
を拡大した原点ゾーン内での原点位置の正確な判定が可
能となる。なお、本実施例の基本を示す例として、本出
願人による特願昭60−298018号(回転体のセンサ位置判
定方法)があるが、この方法の場合、原点位置検出用の
スリットの角度幅が狭いため、本実施例の目的を達し得
ない。
また、本実施例においては、車輛における操舵中立位置
の判定を例にとって説明したが、車輛のみに限定される
ものではなく、外部操作に連動して回転する種々の回転
体の原点位置の判定に適用して好適であり、この判定し
た原点位置を基準にして各種の制御を行うことができ、
この利用価値は極めて高い。また、上記実施例において
は、回転体の原点位置判定装置を具体的な回路で構成し
たが、マイクロコンピュータ等を利用してソフト的な技
術によって実現することも可能であることは言うまでも
ない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明による回転体の原点位置判定
装置によると、その外周縁面に所定角度ピッチで設けら
れたスリットゾーンとこのスリットゾーンの2角度ピッ
チよりも広い角度幅で設けられた原点ゾーンとを有し外
部操作に連動して時計および反時計方向へ回転する回転
体と、この回転体のスリットゾーンの通過に基づき該回
転体の回転角度位置を検出する回転位置検出手段と、こ
の回転体の原点ゾーンの通過に基づき該回転体の原点範
囲を検出する原点範囲検出手段と、この原点範囲検出手
段により原点範囲が検出されている間、前記回転位置検
出手段の検出する回転角度位置に基づき前記原点ゾーン
を複数のサブゾーンに分割し、この分割したサブゾーン
の各々の原点範囲の検出に貢献した走行距離を積算し、
この積算距離が一番早く所定の距離に到達したサブゾー
ンを原点位置と判定する原点位置判定手段とを備えたの
で、原点ゾーン中、原点範囲の検出に貢献した積算距離
が一番早く所定の距離に到達したサブゾーンを原点位置
と定めることができ、例えばこの回転体を車輛のハンド
ル操作に連動させて回転させた場合、簡単な回路構成で
その操舵中立位置を正確且つ素早く判定することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る回転体の原点位置判定装置の一実
施例を示すブロック構成図、第2図はこの装置に用いる
操舵角センサを示す概略構成図、第3図はこの操舵角セ
ンサの出力波形図である。 1……回転円板、1a……スリット、1b……スリット、2,
3,4……フォトインタラプタ、5……UP/DOWN切替回路、
6……UP/DOWNカウンタ、8〜10……コンパレータ、17
〜19……カウンタ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その外周縁面に所定角度ピッチで設けられ
    たスリットゾーンとこのスリットゾーンの2角度ピッチ
    よりも広い角度幅で設けられた原点ゾーンとを有し外部
    操作に連動して時計および反時計方向へ回転する回転体
    と、この回転体のスリットゾーンの通過に基づき該回転
    体の回転角度位置を検出する回転位置検出手段と、この
    回転体の原点ゾーンの通過に基づき該回転体の原点範囲
    を検出する原点範囲検出手段と、この原点範囲検出手段
    により原点範囲が検出されている間、前記回転位置検出
    手段の検出する回転角度位置に基づき前記原点ゾーンを
    複数のサブゾーンに分割し、この分割したサブゾーンの
    各々の原点範囲の検出に貢献した走行距離を積算し、こ
    の積算距離が一番早く所定の距離に到達したサブゾーン
    を原点位置と判定する原点位置判定手段とを備えてなる
    回転体の原点位置判定装置。
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