JPH0799199B2 - トランスフアケ−ス - Google Patents

トランスフアケ−ス

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JPH0799199B2
JPH0799199B2 JP22545586A JP22545586A JPH0799199B2 JP H0799199 B2 JPH0799199 B2 JP H0799199B2 JP 22545586 A JP22545586 A JP 22545586A JP 22545586 A JP22545586 A JP 22545586A JP H0799199 B2 JPH0799199 B2 JP H0799199B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は例えば四輪駆動装置において駆動力を後輪側
と前輪側とに分配するトランスファのケースに関し、特
にチェーン伝動機構などの巻き掛け伝動機構を収容した
ケースに関するものである。
従来の技術 周知のように四輪駆動トランスファは、変速機から与え
られる駆動力を前輪側と後輪側とに分配するためのもの
であり、このトランスファにおける伝動機構として、ス
ペースおよび騒音上の理由からチェーン伝動機構が用い
られることがある。この伝動機構も当然、他の部品と同
様にトランスファケース内に収められるが、その伝動機
構を収容した収容室すなわちチェーン室は、他の部分と
比較して相当広い空洞部となるから、チェーン室を形成
しているケースの壁面が所謂膜振動を起こして騒音の原
因となり、そのため従来一般には、ケースの外面に太く
かつ高い多数のリブを突設し、膜振動の防止を図ってい
る。
また前記チェーンの潤滑はチェーン室内に油だめを形成
し、チェーンの駆動力を利用してはねかけ潤滑を行なう
のが一般的であるが、油だめでの潤滑油の量が多い場合
には、潤滑油の撹拌が過度になって油温の上昇や動力損
失などの不都合が生じる。そこで本出願人はチェーン室
のうちチェーンの内周側で各スプロケットの間に、流出
口を有する副オイル溜りを設けた潤滑装置を、特開昭60
−234173号によって提案した。
発明が解決しようとする問題点 しかるに四輪駆動トランスファは、車両の最低地上高を
一定高さ以上に確保し、また室内空間をある程度広くす
るなどの要請のために、極めて限られたスペース内に治
めなればならず、そのためケースの外面にリブを設ける
にあたっては、リヤーエンジンマウント等との干渉で制
約を受け、必要十分な剛性を有する効果的なリブを設け
ることは困難であった。
他方、ケース内での潤滑については、前述した本出願人
の提案に係る潤滑装置により、油だめにおける潤滑油の
撹拌の度合を低減することができる。しかしながらケー
ス内での潤滑油の還流は、ケースの内面を伝わって相当
量生じ、これに対し前述した本出願人の提案に係る潤滑
装置はケースと別体のオイル受け部を取り付けたもので
あって、ケース内面から部分的に離れているため、副オ
イル溜りに効果的に潤滑油を溜めることができず、また
製造や組付けなどの工数の増加でコスト高になる問題が
ある。さらにその副オイル溜りはケースとは別体のオイ
ル受け部を取り付けることにより形成するものであるか
ら、ケースの補強効果すなわちリブ効果を殆んど生じ
ず、その結果、ケース外面のリブの削減に役立たないの
で、重量増加の要因になる問題があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたもので、外
形寸法が小さくかつ面剛性が高く、しかも内部機器の潤
滑性に優れたトランスファケースを提供することを目的
とするものである。
問題点を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、互いに接合
することにより前記収容室を形成する凹部を備えた第1
ケース部材と第2ケース部材とからなり、これらのケー
ス部材の互いに対向する面のうち少なくともいずれか一
方に、収容室内の伝動機構における各回転体の間でかつ
前記伝動媒体の内周側に位置するようリブを突設し、そ
のリブを下側に窪んだ凹断面部を有する形状とするとと
もにその凹断面部に下側に貫通する貫通部を形成し、さ
らにリブの先端を対向するケース部材の内面もしくはそ
の内面に突設したリブに突き合わさせたことを特徴とす
るものである。
作用 この発明におけるリブは第1ケース部材と第2ケース部
材との少なくとも一方の内面に突設され、かつそのリブ
の先端が他方のケース部材の内面もしくはその内面に突
設したリブに突き合わされているから、そのリブによっ
て面剛性が高くなる。またリブは凹断面部を有している
ことにより、その部分に潤滑油が溜り、しかもリブはケ
ース部材の内面に突設されているものであるから、ケー
スの内面を伝う潤滑油を効果的に溜めることができる。
さらにリブ上に溜った潤滑油は貫通部を通って伝動媒体
やこれを巻き掛けた回転体に滴下するので効果的な潤滑
が行なわれ、かつ撹拌される潤滑油の量が少なくなる。
実 施 例 つぎにこの発明の実施例について添付の図面を参照して
詳細に説明する。
第1図はこの発明を適用した四輪駆動トランスファ1の
詳細図であって、そのトランスファ1を組込んだ前置き
エンジン後輪駆動車(FR車)の駆動力伝達系統を第2図
に示す。すなわち第2図において、トルクコンバータお
よび複数の遊星歯車機構を主体とする自動変速機2がエ
ンジン3の後段側に配置されており、トランスファ1は
その自動変速機2の後端側に接続され、トランスミッシ
ョン出力軸4がトランスファ1の入力軸となっている。
そしてトランスファ1はスリップ制御される差動制御ク
ラッチ5によって差動作用が制限されるセンタディファ
レンシャル装置6を介して後輪側と前輪側とに駆動力を
分配するよう構成されている。トランスファ1における
後輪出力軸7はトランスミッション出力軸4と同一軸線
上に配置されていて、その先端部にはリヤプロペラ軸
(図示せず)を接続するためのコンパニオンフランジ8
が取付けられている。これに対し前輪出力軸9はトラン
スミッション出力軸4と平行に配置されており、この前
輪出力軸9にはフロントプロペラ軸10が連結され、さら
にフロントプロペラ軸10はフロントディファレンシャル
装置11のピニオンドライブ軸12に連結されている。
トランスファ1の機能部品を収容するケースは、第1図
に示すように、自動変速機2のケースに接続されるフロ
ントケース13と、フロントケース13に取付けられてフロ
ントケース13と共にチェーン室14を形成しかつ前記差動
制御クラッチ5およびセンタディファレンシャル装置6
を収容するリヤケース15と、リヤケース15の後部に連結
されたエクステンションハウジング16とから構成されて
いる。フロントケース13とリヤケース15とのそれぞれの
対向部分は、トランスミッション出力軸4の軸線方向で
互いに反対方向に幾分窪み、かつその凹部がトランスミ
ッション出力軸4の半径方向へ突出しており、したがっ
てフロントケース13とリヤケース15とを密着させて連結
することにより、各々の凹部によってチェーン室14が形
成され、そのチェーン室14内に、サイレントチェーン17
およびこれを巻き掛けたドライブスプロケット18とドリ
ブンスプロケット19とからなる伝動機構20が収容されて
いる。ドライブスプロケット18は、その中心軸線に沿っ
て挿入孔21が形成されるとともに、ボス部が前側(第1
図の左側)で短く、かつ後側(第1図の右側)で長く突
出したものであって、そのボス部の外周に嵌め込んだ1
対の軸受22、23により前記フロントケース13とリヤケー
ス15とに対して回転自在に保持されている。そしてドラ
イブスプロケット18の挿入孔21の内部にトランスミッシ
ョン出力軸4が非接触状態で挿通され、したがって両者
は互いに同心上に配置されている。またドリブンスプロ
ケット19もその中心軸線に沿って挿入孔24を形成した構
成であって、歯の部分を挟んだ前後両側のボス部に嵌合
させた軸受25、26によって、前記フロントケース13およ
びリヤケース15のうち半径方向へ突出した部分に回転自
在に保持されている。この状態でドリブンスプロケット
19はドライブスプロケット18と平行となるとともに、そ
の後側(第1図の右側)の端部はリヤケース15内に位置
し、これに対し前側(第1図の左側)の端部はフロント
ケース13と共に前方側に開口している。そしてサイレン
トチェーン17がこれらのスプロケット18、19に巻き掛け
られている。
このように構成された伝動機構20のうちドライブスプロ
ケット18には、その歯の部分のいずれかの歯底と挿入孔
21の内面とに開口する油孔27が形成され、さらに挿入孔
21の内周面のうち油孔27の開口部に円周方向に沿う溝28
が形成されている。これに対しトランスミッション出力
軸4には、自動変速機2におけるオイルポンプ等の油圧
源(図示せず)に連通する潤滑油通路29が中心軸線に沿
って先端部にまで形成されており、そのトランスミッシ
ョン出力軸4のうち前記溝28に一致する部分には、潤滑
油通路29から外周面に至るスプロケット用油孔30が半径
方向に向けて形成されている。すなわち自動変速機2の
油圧源から圧送されたオイルを、潤滑油通路29およびス
プロケット用油孔30ならびに溝28、油孔27を介してドラ
イブスプロケット18の歯の部分に供給するよう構成され
ている。
さらにドライブスプロケット18のうち前側のボス部は軸
受22の幅とほぼ同一の長さに設定されており、そのボス
部の先端部からわずかに外れた位置に開口する軸受用油
孔31が、前記スプロケット用油孔30と同様に、トランス
ミッション出力軸4にその半径方向に向けて形成されて
いる。この軸受用油孔31から噴出するオイルを軸受22に
案内するオイルガイド32がフロントケース13の内部に設
けられている。すなわちオイルガイド32は、トランスミ
ッション出力軸4の外径よりわずか大きい開口径の環状
の部分であって、フロントケース13のうち前記軸受22の
アウタレースを保持する部分からわずか前方側に延び出
るよう一体的に形成されており、その先端部(内周縁)
は第3図に示すように、前記軸受用油孔31の開口部を被
うようその開口部より前方側に位置している。さらにオ
イルガイド32の内奥面は、半径方向を向くオイル噴流を
軸受22のアウタレースとインナレースとの間に導くよ
う、半径方向に対して例えば45゜傾斜したガイド面33と
されている。
他方、伝動機構20を構成するドリブンスプロケット19に
はオイル漏れを防ぐ手段が設けられている。すなわち前
側のボス部の外周にはオイルシール34が嵌め込まれてお
り、また挿入孔24のうちリヤケース15内に位置する端部
には、プラグ35およびそのプラグ35との間を封止するオ
イルシール36が嵌め込まれている。このプラグ35とオイ
ルシール36とは、前輪出力軸9を挿入孔24に嵌合させる
以前にオイルが挿入孔24に流入することを防ぎ、かつ前
輪出力軸9の挿入時のエア抜きを行なうものであって、
その詳細は第4図の通りである。すなわちプラグ35は、
挿入孔24の内径より小径で軸長の短い軸部37と、挿入孔
24の開口端の内周面に密着嵌合するフランジ部38からな
るものであって、そのフランジ部38には、一部を切欠い
て形成したスリット部39が形成され、そのスリット部39
により挿入孔24の内外両側が連通するようになってい
る。またオイルシール36は、軸部37と挿入孔24の内周面
との間に配置されていて、内周側に突出したリップ部40
が軸部37の外周面に接触している。このリップ部40は、
挿入孔24の内外両側の圧力差によって撓むことができ、
したがってリップ部40は実質的にバルブとなっている。
このように構成されたドリブンスプロケット19の挿入孔
24内に、前輪出力軸9が前側から挿入されてスプライン
嵌合しており、この前輪出力軸9と挿入孔24の内周面と
の間は、0リング41によってシールされている。そして
前輪出力軸9の前端部に、自在継手等のジョイント部42
を介してフロントプロペラ軸10が連結されている。
つぎにチェーン室14内でオイルを循環させるための構成
について説明すると、前述したように伝動機構20はドラ
イブスプロケット18から強制潤滑するようになっている
ので、オイルをオイルパン等の外部の油だめ(図示せ
ず)に戻すためにオイル排出口15aがリヤケース15に形
成されている。すなわち第5図はリヤケース15を車両の
後側から見た図であって、ドライブスプロケット18に対
してドリブンスプロケット19は斜め下側に配置されてお
り、そのドライブスプロケット18の上側および横側にそ
れぞれ位置する円弧状のリブ43、44、45、46が、前記フ
ロントケース13およびリヤケース15の各々の対向面に突
設されている。これらのリブ43、44および45、46は互い
に当接して隔壁となっており、その結果、ドライブスプ
ロケット18の外周側にオイル通路47が形成されている。
オイル排出口15aはオイルがオイル通路47から滴下する
位置に設けられている。
またフロントケース13とリヤケース14との各々の対向面
のうち前記各スプロケット18、19の間に位置する部分に
は、先端部が互いに当接する油受けリブ48、49が突設さ
れている。これらの油受けリブ48、49は第5図に示すよ
うに伝動機構20等との干渉を避けた状態で上方に受けた
受け面を形成するよう下側に窪んだ凹断面形状の部分を
有するものであって、その中央部にはオイルを前記サイ
レントチェーン17に滴下させるための貫通部としてチェ
ーン潤滑孔50が形成され、サイレントチェーン17の油滑
を行なうようになっている。また油受けリブ48のうちチ
ェーン室14の内壁面に寄った所定箇所に他の貫通部とし
てオイルシール潤滑孔51が形成されている。そしてこの
オイルシール潤滑孔51は、ドリブンスプロケット19のボ
ス部外周に配置したオイルシール34に至るようフロント
ケース13に形成した油路52に連通している。
後輪出力軸7は、リヤケース15を後側に取付けたエクス
テンションハウジング16の内部に、1対の軸受53、54に
よって回転自在に支持されており、その中間部には車速
センサ用の歯車55が取付けられるとともに、後輪出力軸
7の後端部にはコンパニオンフランジ8がスプライン嵌
合している。このコンパニオンフランジ8とエクステン
ションハウジング16との間はオイルシール56によって封
止され、かつ後輪出力軸7とコンパニオンフランジ8と
の間は0リング57によって封止されている。そしてトラ
ンスミッション出力軸4の先端部が、後輪出力軸7の基
端部(第1図の左端部)の内部に軸受58を介して支持さ
れている。
このトランスミッション出力軸4の駆動力を、後輪側と
前輪側とに分配するセンタディファレンシャル装置6お
よびその差動制限を行なう差動制御クラッチ5は、つぎ
のように構成されている。センタディファレンシャル装
置6は遊星歯車機構からなるものであって、そのプラネ
タリピニオンを保持するキャリヤ59がトランスミッショ
ン出力軸4の端部にスプライン嵌合する一方、リングギ
ヤ60は後輪出力軸7に連結一体化されている。これに対
しサンギヤ61は前記ドライブスプロケット18におけるボ
ス部の延長部分にスプライン嵌合するとともに車両前方
側(第1図の左側)に延びた円筒部を有し、その円筒部
がリヤケース15内に固定したサポート62のボス部に回転
自在に嵌合している。また差動制御クラッチ5は湿式多
板クラッチからなるものであって、そのクラッチドラム
63が前記サンギヤ61のうち前記サポート62側に延びた円
筒部に連結一体化されており、またクラッチハブ64がセ
ンタディファレンシャル装置6のリングギヤ60と一体化
されている。
前記サンギヤ61のうちサポート62側に延びた円筒部とク
ラッチドラム63とによってシリンダが形成されるととも
に、その内部に大小2個のピストンが直列に内蔵され、
ここに差動制御クラッチ5を動作させるための油圧サー
ボ機構65が構成されている。この油圧サーボ機構65はピ
ストンがリターンスプリング66に抗して移動することに
より差動制御クラッチ5を係合させるものであって、リ
ヤケース15の下側に配置した油圧制御装置67により制御
されるようになっている。なお、第1図に示す例では、
差動制御クラッチ5を常時ある程度の係合力で係合させ
ておくことにより、センタディファレンシャル装置6の
差動制限を行ない、後輪側へのトルク分配率が大きくな
るよう制御する。
なお、トランスミッション出力軸4には、その潤滑油通
路29から外周面に至る油孔が必要箇所に設けられてお
り、またセンタディファレンシャル装置6のサンギヤ61
には、歯面にオイルを供給する油孔が、内周面から歯底
に向けて形成されている。さらに後輪出力軸7には、中
心軸線に沿う潤滑油通路がその基端部から所定長さに亘
って形成され、かつその潤滑油通路から外周面に至る油
孔が必要箇所に形成されている。
上記の四輪駆動トランスファ1では、トランスミッショ
ン出力軸4からセンタディファレンシャル装置6のキャ
リヤ59に駆動力が与えられ、その駆動力はリングギヤ60
から後輪出力軸7に伝達される一方、サンギヤ61からド
ライブスプロケット18に伝達される。その場合、差動制
御クラッチ5がスリップ制御されてセンタディファレン
シャル装置6の差動作用をある程度制限することによ
り、後輪出力軸7とドライブスプロケット18とに対する
トルク分配率は50対50とならずに、差動制限の程度に応
じて変化する。ドライブスプロケット18に与えられた駆
動力はサイレントチェーン17およびドリブンスプロケッ
ト19を介して前輪出力軸9に伝達され、さらにジョイン
ト部42で連結したフロントプロペラ軸10に伝達される。
すなわち前後輪へのトルク分配率を異ならせた四輪駆動
状態となる。
このような駆動状態において、前記伝動機構20の動作に
よる振動が生じるが、チェーン室14を形成するフロント
ケース13とリヤケース15との内面には、互いに突き合わ
せた油受けリブ48,49が形成されてその面剛性が高くな
っているから、チェーン室14での膜振動が抑制され、騒
音の発生が有効に防止される。
また伝動機構20等の動作状態では、トランスミッション
出力軸4に形成した潤滑油通路29を介して自動変速機2
の油圧源からオイルが圧送されるが、その一部はスプロ
ケット用油孔30からドライブスプロケット18の内周面側
に供給される。ドライブスプロケット18の内面には円周
方向に沿う溝28が形成され、かつスプロケット用油孔30
がその溝28に一致して位置しており、さらにドライブス
プロケット18は回転しているので、オイルは遠心力によ
ってその溝28の内部に保持され、かつ溝28から歯底に至
る油孔27から順次歯の部分に供給される。すなわちドラ
イブスプロケット18は自動変速機2における油圧源によ
って強制潤滑される。またドライブスプロケット18の回
転数とトランスミッション出力軸4の回転数とは、セン
タディファレンシャル装置6および差動制御クラッチ5
の作用によって相違し、その結果、前記スプロケット用
油孔30の開口端とドライブスプロケット18に形成した油
孔27の開口端とが必ずしも一致しないが、オイルは前記
溝28によって保持されるので、ドライブスプロケット18
の歯の部分へのオイルの供給は確実に行なわれる。
他方、サイレントチェーン17には、ドライブスプロケッ
ト18からオイルが与えられるのみならず、チェーン室14
内に幾分たまっているオイルをはねかけてその潤滑が行
なわれる。サイレントチェーン17に付着したオイルはサ
イレントチェーン17の走行によって運ばれその一部はサ
イレントチェーン17の走行途中に落下する。前記油受け
リブ48,49の上側でサイレントチェーン17から離脱した
オイルは第5図に矢印で示すように、直接もしくはチェ
ーン室14の内面を伝わって油受けリブ48,49の上面側に
流れ込んで溜まり、したがって油受けリブ48,49が実質
的に副油だめとなる。油受けリブ48,49には前述したよ
うにチェーン潤滑孔50およびオイルシール潤滑孔51が形
成してあるから、副油だめのオイルはチェーン潤滑孔50
からサイレントチェーン17に滴下し、またオイルシール
潤滑孔51から前記ドリブンスプロケット19の外周側のオ
イルシール34に至り、したがってこれらサイレントチェ
ーン17やオイルシール34が良好に潤滑される。他方、チ
ェーン室14の下部にもある程度の潤滑油が溜まるが、静
止状態でチェーン室14の下部に溜まる全潤滑油のうちの
かなりの部分が動作状態では前述した副油だめに溜まる
から、動作状態ではチェーン室14内の下部に生じる油だ
めのオイルの量が少なくなり、換言すれば、はねかけ潤
滑に供されるオイルの量が少なくなってオイルレベルが
下がり、そのためサイレントチェーン17によるオイルの
撹拌の度合が低下し、油温の上昇や動力損失などの不都
合が改善される。
なお、この発明で対象とする伝動機構はチェーンによる
巻掛け伝動機構に限らず、他の巻き掛け伝動機構であっ
てもよいことは勿論である。
発明の効果 以上説明したようにこの発明のトランスファケースによ
れば、チェーン室などの収容室を形成するケース部材の
内面にリブを突設し、かつそのリブの先端を他方のリブ
等の対向部分に突き合わせたから、収容室を形成してい
る部分での面剛性が高くなり、その結果、外面のリブを
削減し、ケース全体としての外径寸法を小さくすること
ができる。また収容室の内部のリブが実質的に副油だめ
を形成し、かつその副油だめが巻き掛け伝動媒体の内周
側に位置することになるから、伝動媒体が掻き上げるオ
イルのレベルを低下させて、撹拌による油温の上昇や動
力損失を従来になく抑制することができ、同時に副油だ
めに対して収容室の内面を伝わった潤滑油の流入を生じ
させて効果的に潤滑油を溜めることができ、かつその潤
滑油が貫通部を通って伝動媒体などの伝動機構に滴下す
るから、効果的な潤滑を行なうことができる。さらに前
記リブにより、従来設定していた外面のリブを削減でき
るから、重量の低減を図ることができるうえ、新規部品
を取付けるものではないから、コストの低減をも図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明によるトランスファの断面図、第2図
は駆動力の伝達系統を示す簡略図、第3図はオイルガイ
ドの部分拡大図、第4図はプラグおよびオイルシールを
示す部分図、第5図はリヤケースを車両後方から見た図
である。 1……四輪駆動トランスファ、13……フロントケース、
14……チェーン室、15……リヤケース、17……サイレン
トチェーン、18……ドライブスプロケット、20……伝動
機構、48,49……油受けリブ、50……チェーン潤滑穴、5
1……オイルシール潤滑孔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動回転体と従動回転体とこれらの回転体
    に巻き掛けた無端の伝動媒体とからなる伝動機構を収容
    する収容室を設けたトランスファケースにおいて、 互いに接合することにより前記収容室を形成する凹部を
    備えた第1ケース部材と第2ケース部材とからなり、こ
    れらのケース部材の互いに対向する面のうち少なくとも
    いずれか一方に、前記各回転体の間でかつ前記伝動媒体
    の内周側に位置するようリブが突設され、そのリブが下
    側に窪んだ凹断面部を有するとともにその凹断面部に下
    側に貫通する貫通部が形成され、さらにリブの先端が対
    向するケース部材の内面もしくはその内面に突設したリ
    ブに突き合わされていることを特徴トランスファケー
    ス。
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