JP3771956B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に用いられる動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−42837号公報に図18のようなトランスファ201(動力伝達装置)が記載されている。
【0003】
このトランスファ201は、変速機構203、センタ−デフ205、差動制限装置207、チェ−ン伝動機構209などを備えており、これらを収納するトランスファケ−ス211にはオイル溜りが設けられている。
【0004】
変速機構203はエンジンの駆動力の2段変速とセンタ−デフ205の切り離しとを行い、センタ−デフ205は変速された駆動力を分配し、チェ−ン伝動機構209を介して前輪側に送り、後輪出力軸213を介して後輪側に送る。また、差動制限装置207は多板クラッチ215によってセンタ−デフ205の差動を制限する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように構造が複雑な装置では、各部の焼き付きや偏摩耗などを防止して正常な機能と高い耐久性とを保つために、各潤滑箇所を充分に潤滑することが必要である。
【0006】
トランスファ201では、変速機構203を介してエンジンに駆動されるオイルポンプ217を用いてオイル溜りのオイルを加圧し、油路219、221、223、後輪出力軸213に設けられた軸方向の油路225と径方向の各油路を介して、変速機構203、センタ−デフ205、差動制限装置207の多板クラッチ215などにオイルを送るように構成されており、これらの潤滑箇所を充分に潤滑している。
【0007】
しかし、このようにオイルポンプ217を用いる構成は、潤滑効果は大きいが、オイルポンプ217と油路の構成を含めてコスト高になり、構造が複雑になると共に、オイルポンプ217の駆動分だけエンジンの燃費が低下する。
【0008】
そこで、この発明は、構造が簡単で低コストであり、エンジン燃費に殆ど負担を掛けずに、各部を充分に潤滑することができる動力伝達装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の動力伝達装置は、内部にオイル溜りを有するケーシングと、このケーシング内に設けられ第1回転部材の回転によってオイル溜りから掻き上げられたオイルを受けるオイルガータと、オイルガータからのオイルを流下させる第1のオイル流路と、このオイル流路から流下したオイルを集めるオイルポケットと、オイルポケットに集められたオイルを第2回転部材の回転によって付勢するオイル付勢手段と、第2回転部材に設けられ付勢されたオイルを第3回転部材の径方向内側へ導く第2のオイル流路とを備え、前記第1回転部材が一対のスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとからなり一方のスプロケットが前記第3回転部材の外周に支承され、前記第3回転部材の前端はベアリングを介して前記第2回転部材の内周に支承され、後端はベアリングを介して前記ケーシングに支承され、前記オイルガータが前端側と後端側を仕切る仕切板を有し、該仕切板より後端側のオイルは前記第3回転部材後端のベアリングを潤滑する後端側の流下口から流下し、仕切板より前端側のオイルは前記第1のオイル流路を通り前端側の流下口から流下することを特徴とする。
【0010】
第1、2、3の各回転部材が回転すると、オイル溜りから掻き上げられたオイルはオイルガ−タから、第1のオイル流路を介してオイルポケットに集められ、集められたオイルは第2回転部材の回転を利用するオイル付勢手段によって付勢され、第2のオイル流路を介して第3回転部材の径方向内側へ導かれる。径方向内側へ導かれたオイルは第3回転部材などの回転に伴う遠心力によって更に付勢され、各潤滑箇所を充分に潤滑する。
【0011】
このように、エンジン駆動のオイルポンプによって強制潤滑を行う従来例と異なって、オイルガ−タに集めた掻き上げオイルを回転部材の回転を利用するオイル付勢手段で付勢して回転する部材の径方向内側へ導くように構成したから、オイルポンプとオイルポンプ用の油路が不用なだけ、構造が簡単で、低コストであり、また、エンジンの燃費に殆ど負担を掛けずに、各潤滑箇所を充分に潤滑することができ、各部の焼き付きや異常摩耗を防止して、耐久性を大きく向上させることができる。
【0012】
請求項2の動力伝達装置は、請求項1記載の動力伝達装置であって、前記第2回転部材と前記第3回転部材との間に、プラネタリーギヤ式差動機構を備え、
前記オイルポケットに集められ前記付勢手段により前記第3回転部材の径方向内側へ導かれたオイルが前記第3回転部材の回転により第3回転部材の軸心側から前記差動機構のギヤ部に供給されることを特徴とする。
【0013】
従って、付勢手段によりオイルは、差動装置の軸心側から供給されるので、充分な潤滑がなされる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1ないし図10により本発明の第1実施形態を説明する。図1は4輪駆動車のトランスファ1(この実施形態の動力伝達装置)を示しており、図1、2の左方はこの車両の前方に相当する。また、符号が与えられていない部材等は図示されていない。
【0027】
図1のように、トランスファ1は、センタ−デフ3、チェ−ン伝動機構5、速度感応型の差動制限装置7、これらを収納するトランスファケ−ス9(ケ−シング)などを備えている。このトランスファケ−ス9の底部にはオイル溜りが設けられている。
【0028】
センタ−デフ3はインタ−ナルギヤ11と、外側と内側のピニオンギヤ13、15と、サンギヤ17とを有するダブルピニオンのプラネタリ−ギヤ式差動機構である。
【0029】
インタ−ナルギヤ11は中空の入力軸19(第2回転部材)の後端に一体形成されており、この入力軸19はトランスミッションの出力軸側に連結されている。
【0030】
図2に拡大して示したように、入力軸19はゴムのリング21で片側をシ−ルされたボ−ルベアリング23によってトランスファケ−ス9に支承されている。入力軸19とトランスファケ−ス9との間にはシ−ル25が配置され、外部へのオイル洩れを防止している。このシ−ル25とボ−ルベアリング23と入力軸19とトランスファケ−ス9との間でオイルポケット27が形成されている。
【0031】
外側と内側のピニオンギヤ13、15は、それぞれベアリング29を介してピニオンシャフト31に支承されており、各ピニオンシャフト31は前後のピニオンキャリヤ33、35に両端を支持されている。ピニオンキャリヤ33、35は互いに連結されており、前側のピニオンキャリヤ33は後輪側の出力軸37(第3回転部材)にスプライン連結されている。
【0032】
出力軸37の前端はベアリング39を介して入力軸19の内周に支承され、後端側はボ−ルベアリング41を介してトランスファケ−ス9に支承されている。図1、4のように、出力軸37にはフランジ43がスプライン連結されており、このフランジ43は後輪側の伝達軸に連結されている。このフランジ43とトランスファケ−ス9との間にはシ−ル45が配置され、外部へのオイル洩れを防止している。
【0033】
サンギヤ17は中空のスプロケット47(第1回転部材)の前端側に一体形成されている。このスプロケット47はニ−ドルベアリング49、49を介して出力軸37の外周に支承されている。また、入力軸19と前側のピニオンキャリヤ33との間及びスプロケット47とピニオンキャリヤ33との間にはこれらの摺動抵抗を低減する摺動ワッシャ51、53がそれぞれ配置されている。
【0034】
チェ−ン伝動機構5は、前記のスプロケット47と他のスプロケット55(第1回転部材)とこれらを連結するチェ−ン57(第1回転部材)とから構成されている。スプロケット55は前輪側の伝達軸59に一体形成されている。この伝達軸59は出力軸37と平行に配置されており、ボ−ルベアリング61、61によってトランスファケ−ス9に支承されている。図1、3のように、伝達軸59にはフランジ63がスプライン連結されており、このフランジ63は前輪側の伝達軸に連結されている。このフランジ63とトランスファケ−ス9との間にはシ−ル65が配置され、外部へのオイル洩れを防止している。
【0035】
入力軸19を回転させるエンジンの駆動力はセンタ−デフ3で分配され、ピニオンキャリヤ33、35を介して出力軸37に伝達され、サンギヤ17からチェ−ン伝動機構5を介して伝達軸59に伝達される。出力軸37の回転はリヤデフ(後輪側の車軸上に配置されたデファレンシャル装置)を介して左右の後輪に分配され、伝達軸59の回転はフロントデフ(前輪側の車軸上に配置されたデファレンシャル装置)を介して左右の前輪に分配される。
【0036】
また、悪路などで前後の車輪間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギヤ13、15の自転によってエンジンの駆動力は前後各側に差動分配される。
【0037】
差動制限装置7は、外側のハウジング67と内側のハブ69との間の相対回転速度が大きいほど差動回転を抑止するように作用する。例えばオイルポンプ式のカップリング装置等を用いたものであり、オイルを密封するためのシール71、71が配置されている。ハウジング67はスプロケット47にスプライン連結され、ハブ69は出力軸37にスプライン連結されている。こうして、差動制限装置7はセンタ−デフ3の差動を制限する。この差動制限力は前後輪間の差動回転速度が大きい程大きくなる速度感応型の差動制限特性を持っている。
【0038】
なお、上記のように、ハブ69が連結された出力軸37の前端はベアリング39と入力軸19とボ−ルベアリング23とを介してトランスファケ−ス9に支承され、出力軸37の後端はボ−ルベアリング41を介してトランスファケ−ス9に支承されており、ハウジング67が連結されたスプロケット47はベアリング49、49を介して出力軸37の外周に支承されている。従って、ハウジング67やハブ69の回転振動による悪影響はこれらのベアリング23、39、41、49、49によってセンタ−デフ3から遮断され、各ギヤの歯当たり不良や破損、騒音などを防止する。
【0039】
図3のように、トランスファケ−ス9に設けられたオイル溜りのオイルレベル73はチェ−ン伝動機構5の前輪側スプロケット55の中心を適度に超えたレベルにある。チェ−ン伝動機構5が図3の矢印56の方向に回転すると、チェ−ン57はオイル溜りのオイルを図1、3の矢印のように掻き上げる。
【0040】
また、図4のように、トランスファケ−ス9の下部にはオイル溜りのオイルを抜くためのドレンプラグ75が取り付けられており、それより上方にはオイル注入用のフィラ−プラグ77が取り付けられている。更に、トランスファケ−ス9の上部には、オイルの吹き出しを防ぎながらエアを流出入させ、トランスファケ−ス9の内圧を一定に保つエアブリ−ザ79が取り付けられている。
【0041】
図1、3のように、トランスファケ−ス9にはオイルガ−タ81がその両端をトランスファケース9に設けられた凹部83、85に差し込んで取り付けられている。オイルガ−タ81はプラスチック製のトレ−であり、図5ないし図10に示すように、両端にオイルの流下口87、89を有し、中央に仕切り板91が設けられている。図5はオイルガータ81の下面図であり、図6はその一側の側面図で、図7はその他側の側面図である。また、図8は図5のC−C断面を、図9は同D矢視図を、図10は同E矢視図を示す。
【0042】
トランスファケ−ス9には、オイルガ−タ81の流下口87側にオイル流路93(第1のオイル流路)が形成されている。上記のように、シ−ル25とボ−ルベアリング23と入力軸19とトランスファケ−ス9との間でオイルポケット27が形成されており、このオイル流路93は、オイルポケット27より重力方向上方に配置され、かつオイルガータ81の流下口87からオイルポケット27に向け重力方向に沿うように形成され、オイルガ−タ81の流下口87とこのオイルポケット27とを連通し、オイルガ−タ81のオイルをオイルポケット27に流下させる。なお、オイル流路93の外部開口には盲プラグ95が取り付けられ、オイル洩れを防止している。
【0043】
図1、2のように、オイルポケット27の内部では、トランスファケ−ス9にプレ−ト97が固定され、入力軸19のボス部99には2条ねじ101(ねじ)が形成されている。この2条ねじ101とプレ−ト97との間には隙間103が設けられている。こうして、オイルの付勢手段105が構成されている。
【0044】
更に、このボス部99にはオイル流路107(第2のオイル流路)が形成されており、入力軸19の内周にはプラグ109が装着され外部へのオイル洩れを防止している。また、出力軸37には互いに連通した軸方向と径方向のオイル流路111、113が形成されている。
【0045】
上記のように、チェ−ン伝動機構5が回転すると、チェ−ン57によって掻き上げられたオイルは、図3の矢印のように、直接、あるいはトランスファケ−ス9の内壁に跳ね返ってオイルガ−タ81に集められる。
【0046】
オイルガ−タ81の仕切り板91より後方のオイルは、図1の矢印のように、流下口89から流下し、ベアリング41、差動制限装置7のハウジング67とベアリング41の間のワッシャ115、スピ−ドメ−タ用のギヤ117などを潤滑した後、オイル溜りへ戻る。
【0047】
また、仕切り板91より前方のオイルは、図1の矢印のように、流下口87からオイル流路93を流下してオイルポケット27に集められる。オイルポケット27のオイルは、2条ねじ101とプレ−ト97との隙間103の中で、2条ねじ101の回転によって付勢され、オイル流路107を介して、出力軸37の軸心に形成された軸方向のオイル流路111に押し込まれる。
【0048】
押し込まれたオイルは、遠心力によってベアリング39、ワッシャ51、53から、センタ−デフ3の各ギヤに送られてこれらを潤滑し、更に、オイル流路111から径方向のオイル流路113を介してニ−ドルベアリング49、49などを潤滑して、オイル溜りに戻る。
【0049】
こうして、トランスファ1が構成されている。
【0050】
上記のように、このトランスファ1では、オイルガ−タ81で集めた掻き上げオイルを、2条ねじ101の回転によるオイルの付勢作用を利用したオイル付勢手段105で出力軸37の径方向内側へ導き、このオイルを遠心力によって各潤滑箇所に送り、充分な潤滑を行うように構成した。
【0051】
従って、エンジン駆動のオイルポンプによって強制潤滑を行う従来例と異なり、オイルポンプとオイルポンプ用の油路が不用なだけ、構造が簡単で、低コストであり、また、エンジンの燃費に殆ど負担を掛けずに、各潤滑箇所を充分に潤滑することができるから、トランスファ1は、各部の焼き付きや異常摩耗が防止され、耐久性が大きく向上する。またオイル流路93をシール25とベアリング23との間のケース9に形成したことにより、ベアリング23のケース9への圧入代を全周十分に確保でき、また、ベアリング23に片シールベアリングを採用して多量の静圧オイル量を確保できるオイルポケット27を形成することができる。さらにはオイルポケット27より重力方向上方に配置され、かつオイルガータ81の流下口87からオイルポケット27に向け重力方向に沿うようにオイル流路93を形成したので、オイルガータ81に集められたオイルは常時オイル流路93内に蓄溜されるのでオイルの自重が作用しオイルの付勢を助長し、オイル流路107へ効率よくオイルを導入することができる。
【0052】
次に、図11、12により本発明の第2実施形態を説明する。図11はランスファ119(第2実施形態の動力伝達装置)を示している。
【0053】
なお、トランスファ119の説明と図11、12において、上記第1実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号を付して引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。
【0054】
図11のように、トランスファケ−ス9には、オイルポケット27の内部にプレ−ト121が固定されている。このプレ−ト121に形成された円形のオイル案内部123は、図12のように、入力軸19のボス部99に対してオフセット量aだけオフセット配置された楕円形状をしており、ボス部99の回転方向に沿って徐々に間隔が狭くなる三日月形のポンプ室125を形成している。入力軸19の第2のオイル流路107はこのポンプ室125と連通している。
【0055】
こうして、オイル付勢手段127が構成されている。
【0056】
図12の矢印のように、入力軸19がいずれの方向に回転しても、入力軸19に連れ回って回転するオイルポケット27のオイルはポンプ室125の間隔の狭くなる方へ移動して加圧され、加圧されたところでオイルはオイル流路107に押し込まれる。
【0057】
押し込まれたオイルは、遠心力によってベアリング39、ワッシャ51、53から、センタ−デフ3の各ギヤに送られてこれらを潤滑し、更に、オイル流路111から径方向のオイル流路113を介してニ−ドルベアリング49、49などを潤滑して、オイル溜りに戻る。
【0058】
このように、トランスファ119では、オイルガ−タ81で掻き上げオイルを集め、オイルポケット27に流下させ、三日月形のポンプ室125で加圧し、出力軸37の径方向内側へ導き、このオイルを遠心力によって各潤滑箇所に送り、充分な潤滑を行うように構成した。
【0059】
こうして、エンジン駆動のオイルポンプによって強制潤滑を行う従来例と異なり、オイルポンプとオイルポンプ用の油路が不用なだけ、構造が簡単で、低コストであり、また、エンジンの燃費に殆ど負担を掛けずに、回転する出力軸37の径方向内側にオイルを導くことができ、各潤滑箇所を充分に潤滑することができるから、トランスファ119は、各部の焼き付きや異常摩耗が防止され、耐久性が大きく向上する。
【0060】
またオイル流路93をシール25とベアリング23との間のケース9に形成したことにより、ベアリング23のケース9への圧入代を全周十分に確保でき、また、ベアリング23に片シールベアリングを採用して多量の静圧オイル量を確保できるオイルポケット27を形成することができる。さらにはオイルポケット27より重力方向上方に配置され、かつオイルガータ81の流下口87からオイルポケット27に向け重力方向に沿うようにオイル流路93を形成したので、オイルガータ81に集められたオイルは常時オイル流路93内に蓄溜されるのでオイルの自重が作用しオイルの付勢を助長し、オイル流路107へ効率よくオイルを導入することができる。
【0061】
次に、図13、14、15により本発明の第3実施形態を説明する。図13はトランスファ129(第3実施形態の動力伝達装置)を示している。
【0062】
なお、トランスファ129の説明と図13、14、15において、上記各実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号を付して引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。
【0063】
図13のように、トランスファケ−ス9には、オイルポケット27の内部にプレ−トフィン131が固定されている。図14、15のように、このプレ−トフィン131には周方向等距離に4個のフィン133が設けられており、これらのフィン133は各開口135から吐き出し部137までの断面が徐々に狭くなるポンプ室139を形成している。第2のオイル流路107は各ポンプ室139と連通している。
【0064】
こうして、オイル付勢手段141が構成されている。
【0065】
入力軸19が、図14の矢印の方向に回転すると、入力軸19に連れ回って回転するオイルポケット27のオイルは、各フィン133の開口135からポンプ室139に入り、徐々に断面が狭くなるポンプ室139を移動して加圧され、加圧されたオイルはオイル流路107(入力軸19)が吐き出し部137まで回転したところでオイル流路107に押し込まれる。
【0066】
押し込まれたオイルは、遠心力によってベアリング39、ワッシャ51、53から、センタ−デフ3の各ギヤに送られてこれらを潤滑し、更に、オイル流路111から径方向のオイル流路113を介してニ−ドルベアリング49、49などを潤滑して、オイル溜りに戻る。
【0067】
このように、トランスファ129では、オイルガ−タ81で集めた掻き上げオイルを、オイルポケット27に流下させ、入力軸19の回転方向に断面が狭くなるポンプ室139で加圧し、出力軸37の径方向内側に導き、このオイルを遠心力によって各潤滑箇所に送り、充分な潤滑を行うように構成した。
【0068】
こうして、エンジン駆動のオイルポンプによって強制潤滑を行う従来例と異なり、オイルポンプとオイルポンプ用の油路が不用なだけ、構造が簡単で、低コストであり、また、エンジンの燃費に殆ど負担を掛けずに、回転する出力軸37の径方向内側にオイルを導くことができ、各潤滑箇所を充分に潤滑することができるから、トランスファ129は、各部の焼き付きや異常摩耗が防止され、耐久性が大きく向上する。
【0069】
またオイル流路93をシール25とベアリング23との間のケース9に形成したことにより、ベアリング23のケース9への圧入代を全周十分に確保でき、また、ベアリング23に片シールベアリングを採用して多量の静圧オイル量を確保できるオイルポケット27を形成することができる。さらにはオイルポケット27より重力方向上方に配置され、かつオイルガータ81の流下口87からオイルポケット27に向け重力方向に沿うようにオイル流路93を形成したので、オイルガータ81に集められたオイルは常時オイル流路93内に蓄溜されるのでオイルの自重が作用しオイルの付勢を助長し、オイル流路107へ効率よくオイルを導入することができる。
【0070】
次に、図16、図17により本発明の第4実施形態を説明する。図16はトランスファ143(第4実施形態の動力伝達装置)を示している。
【0071】
なお、トランスファ143の説明と図16、17において、上記各実施形態の部材と同機能の部材には同一の符号を付して引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。
【0072】
図16のように、トランスファケ−ス9には、オイルポケット27の内部にリング145が固定されており、図17のように、このリング145には等間隔に2個の凸部147が設けられている。第2のオイル流路107は十文字状に設けられている。
【0073】
こうして、オイル付勢手段149が構成されている。
【0074】
入力軸19が回転すると、入力軸19に連れ回って回転するオイルポケット27のオイルはリング145の凸部147と衝突して方向を変える。方向を変えたオイルはオイル流路107が凸部147と対向する位置に来たときに、オイル流路107に押し込まれる。
【0075】
押し込まれたオイルは、遠心力によってベアリング39、ワッシャ51、53から、センタ−デフ3の各ギヤに送られてこれらを潤滑し、更に、オイル流路111から径方向のオイル流路113を介してニ−ドルベアリング49、49などを潤滑して、オイル溜りに戻る。
【0076】
このように、トランスファ143ではオイルガ−タ81で集めた掻き上げオイルを、オイルポケット27に流下させ、リング145の凸部147に衝突させて出力軸37の径方向内側に導き、このオイルを遠心力によって各潤滑箇所に送り、充分な潤滑を行うように構成した。
【0077】
こうして、エンジン駆動のオイルポンプによって強制潤滑を行う従来例と異なり、オイルポンプとオイルポンプ用の油路が不用なだけ、構造が簡単で、低コストであり、また、エンジンの燃費に殆ど負担を掛けずに、回転する出力軸37の径方向内側にオイルを導くことができ、各潤滑箇所を充分に潤滑することができるから、トランスファ143は、各部の焼き付きや異常摩耗が防止され、耐久性が大きく向上する。
【0078】
またオイル流路93をシール25とベアリング23との間のケース9に形成したことにより、ベアリング23のケース9への圧入代を全周十分に確保でき、また、ベアリング23に片シールベアリングを採用して多量の静圧オイル量を確保できるオイルポケット27を形成することができる。さらにはオイルポケット27より重力方向上方に配置され、かつオイルガータ81の流下口87からオイルポケット27に向け重力方向に沿うようにオイル流路93を形成したので、オイルガータ81に集められたオイルは常時オイル流路93内に蓄溜されるのでオイルの自重が作用しオイルの付勢を助長し、オイル流路107へ効率よくオイルを導入することができる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の動力伝達装置は、オイルガ−タで集めた掻き上げオイルをオイルポケットに流下させ、第2回転部材の回転を利用したオイル付勢手段によりこのオイルを付勢して第3回転部材の径方向内側へ押し込み、このオイルが遠心力によって各潤滑箇所に導かれるように構成した。
【0080】
このように、エンジン駆動のオイルポンプによって強制潤滑を行う従来例と異なり、オイルポンプとオイルポンプ用の油路が不用なだけ、構造簡単で低コストであり、また、エンジンの燃費に殆ど負担を掛けずに、回転する部材の径方向内側にオイルを導いて各潤滑箇所を充分に潤滑し、各部の焼き付きや異常摩耗を防止して、耐久性を大きく向上させることができる。
【0081】
請求項2の発明によれば、第3回転部材の回転によりオイルが第3回転部材の軸心側から差動機構のギヤ部に供給されるので、充分な潤滑を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図であり、図3のD−O2 −O1 −H断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】一部を切り欠いて示した図1のA矢視図である。
【図4】図1のB矢視図である。
【図5】各実施形態に用いたオイルガ−タの下面図である。
【図6】図5のオイルガ−タの一側側面図である。
【図7】図5のオイルガ−タの他側側面図である。
【図8】図5のC−C断面図である。
【図9】図5のD矢視図である。
【図10】図5のE矢視図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す要部断面図である。
【図12】図11のF−F断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示す要部断面図である。
【図14】図13のG−G断面図である。
【図15】第3実施形態に用いたプレ−トフィンの正面図である。
【図16】本発明の第4実施形態を示す要部断面図である。
【図17】図16のH−H断面図である。
【図18】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、119、129、143 トランスファ(動力伝達装置)
9 トランスファケ−ス(ケ−シング)
19 入力軸(第2回転部材)
27 オイルポケット
37 出力軸(第3回転部材)
47、55 スプロケット(第1回転部材)
57 チェ−ン(第1回転部材)
81 オイルガ−タ
93 第1のオイル流路
97、121 プレ−ト
101 2条ねじ(ねじ)
103 隙間
105、127、141、149 オイル付勢手段
107 第2のオイル流路
125、139 ポンプ室
131 プレ−トフィン
135 開口
137 吐き出し部
145 リング
147 凸部
Claims (2)
- 内部にオイル溜りを有するケーシングと、このケーシング内に設けられ第1回転部材の回転によってオイル溜りから掻き上げられたオイルを受けるオイルガータと、オイルガータからのオイルを流下させる第1のオイル流路と、このオイル流路から流下したオイルを集めるオイルポケットと、オイルポケットに集められたオイルを第2回転部材の回転によって付勢するオイル付勢手段と、第2回転部材に設けられ付勢されたオイルを第3回転部材の径方向内側へ導く第2のオイル流路とを備え、
前記第1回転部材が一対のスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとからなり一方のスプロケットが前記第3回転部材の外周に支承され、前記第3回転部材の前端はベアリングを介して前記第2回転部材の内周に支承され、後端はベアリングを介して前記ケーシングに支承され、前記オイルガータが前端側と後端側を仕切る仕切板を有し、該仕切板より後端側のオイルは前記第3回転部材後端のベアリングを潤滑する後端側の流下口から流下し、仕切板より前端側のオイルは前記第1のオイル流路を通り前端側の流下口から流下することを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1記載の動力伝達装置であって、前記第2回転部材と前記第3回転部材との間に、プラネタリーギヤ式差動機構を備え、
前記オイルポケットに集められ前記付勢手段により前記第3回転部材の径方向内側へ導かれたオイルが前記第3回転部材の回転により第3回転部材の軸心側から前記差動機構のギヤ部に供給されることを特徴とする動力伝達装置。
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