JPH0798987B2 - 表面品質に優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
表面品質に優れたアルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH0798987B2 JPH0798987B2 JP13066487A JP13066487A JPH0798987B2 JP H0798987 B2 JPH0798987 B2 JP H0798987B2 JP 13066487 A JP13066487 A JP 13066487A JP 13066487 A JP13066487 A JP 13066487A JP H0798987 B2 JPH0798987 B2 JP H0798987B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建材や器物などの表面品質が要求される製品
に用いられるアルミニウム合金板の製造方法に関するも
のである。
に用いられるアルミニウム合金板の製造方法に関するも
のである。
アルミニウムは建材や器物に広く用いられており、それ
らは一般に陽極酸化処理を行ない耐食皮膜を形成させて
使用する場合が多い。ところで建材用アルミニウム材料
に要求される特性は、 色調のむらのない陽極酸化処理皮膜が形成できるこ
と。
らは一般に陽極酸化処理を行ない耐食皮膜を形成させて
使用する場合が多い。ところで建材用アルミニウム材料
に要求される特性は、 色調のむらのない陽極酸化処理皮膜が形成できるこ
と。
グレーンストリークと呼ばれるすじ状のマクロ組織
が形成されないこと。
が形成されないこと。
加工時の耐肌荒れ性を有すること、などである。
また器物用材料の場合、前記〜の特性に加え、 耳率が低いことなどの絞り加工に関する特性も要求
されている。
されている。
特に近年多様化する用途と共にやに示した表面品質
上の要求が厳しくなっている。の色調むらに関してそ
の原因はAl6Feのような金属間化合物がアルミニウム板
中に存在すると、これが陽極酸化処理の際に、そのまま
の状態で皮膜中にとり込まれるためとされており、解決
法も考えられつつある。この解決法には均質化処理温度
を制御する方法と冷延、焼鈍条件を制御する二つの方法
があるが冷延、焼鈍条件は、材料の強度や前記の〜
などの要求特性を満足させるため厳しく制限されてお
り、後者の方法は実質的に不可能である。従って、前者
の均質化処理温度の制御が実際に用いられている。これ
は、均質化処理温度を高温で行なうことで、鋳塊の晶出
物として存在するAl6FeをAl3Feへ相変態させ色調むらを
なくそうとする方法であるが、このようにして製造した
製品は、色調むらは確かになくなるものの、グレーンス
トリークの発生や熱延時のピックアップ欠陥が生じる問
題があった。
上の要求が厳しくなっている。の色調むらに関してそ
の原因はAl6Feのような金属間化合物がアルミニウム板
中に存在すると、これが陽極酸化処理の際に、そのまま
の状態で皮膜中にとり込まれるためとされており、解決
法も考えられつつある。この解決法には均質化処理温度
を制御する方法と冷延、焼鈍条件を制御する二つの方法
があるが冷延、焼鈍条件は、材料の強度や前記の〜
などの要求特性を満足させるため厳しく制限されてお
り、後者の方法は実質的に不可能である。従って、前者
の均質化処理温度の制御が実際に用いられている。これ
は、均質化処理温度を高温で行なうことで、鋳塊の晶出
物として存在するAl6FeをAl3Feへ相変態させ色調むらを
なくそうとする方法であるが、このようにして製造した
製品は、色調むらは確かになくなるものの、グレーンス
トリークの発生や熱延時のピックアップ欠陥が生じる問
題があった。
ここでグレーンストリークとは熱間粗圧延時に加工組織
が残ったり粗大な再結晶粒となった場合、後の焼鈍工程
で微細な再結晶となっても方位差の少ない粒がすじ状に
分布し、陽極酸化処理を行なうと圧延方向に沿ったしま
模様として現れるものをいうものである。またピックア
ップとはロールコーティングが圧延途中においてロール
からはぎとられて板表面に埋め込まれたり、板表面の一
部が局所的にロールに付着し、その部分がむしりとられ
た状態になることを云うものである。これは圧延油、圧
延温度、ブラッシュロールの駆動やパススケジュールが
影響されるともされているものである。
が残ったり粗大な再結晶粒となった場合、後の焼鈍工程
で微細な再結晶となっても方位差の少ない粒がすじ状に
分布し、陽極酸化処理を行なうと圧延方向に沿ったしま
模様として現れるものをいうものである。またピックア
ップとはロールコーティングが圧延途中においてロール
からはぎとられて板表面に埋め込まれたり、板表面の一
部が局所的にロールに付着し、その部分がむしりとられ
た状態になることを云うものである。これは圧延油、圧
延温度、ブラッシュロールの駆動やパススケジュールが
影響されるともされているものである。
本発明は上記の〜にあげた問題について検討の結
果、特定のアルミニウム合金組成の鋳塊を特別な均質化
処理条件で行ない特定の温度により熱間圧延を施すこと
により上記の色調むら、グレーンストリーク、およびピ
ックアップの発生がなく、しかも耐肌荒れ性や絞り加工
性を損なわないアルミニウム板の製造方法を開発したも
のである。
果、特定のアルミニウム合金組成の鋳塊を特別な均質化
処理条件で行ない特定の温度により熱間圧延を施すこと
により上記の色調むら、グレーンストリーク、およびピ
ックアップの発生がなく、しかも耐肌荒れ性や絞り加工
性を損なわないアルミニウム板の製造方法を開発したも
のである。
特許請求の範囲第1項の発明は、Fe0.1〜0.8wt%、Si0.
05〜0.4wt%で、Si/Feの比が0.5以下、残部Alからなる
アルミニウム合金を560℃以上の温度で2時間以上加熱
した後、少なくとも520℃までは30℃/hr以下の冷却速度
で冷却する処理を行った後、面削可能な温度まで冷却し
面削を行い、その後550℃以下の温度に加熱し、熱間圧
延を行うことを特徴とする表面品質に優れたアルミニウ
ム合金板の製造方法である。
05〜0.4wt%で、Si/Feの比が0.5以下、残部Alからなる
アルミニウム合金を560℃以上の温度で2時間以上加熱
した後、少なくとも520℃までは30℃/hr以下の冷却速度
で冷却する処理を行った後、面削可能な温度まで冷却し
面削を行い、その後550℃以下の温度に加熱し、熱間圧
延を行うことを特徴とする表面品質に優れたアルミニウ
ム合金板の製造方法である。
又特許請求の範囲第2項の発明は、Fe0.1〜0.8wt%、Si
0.05〜0.4wt%でSi/Feの比が0.5以下、残部Alからなる
アルミニウム合金を560℃以上の温度で2時間以上加熱
した後、400℃以上520℃以下に冷却後3時間以上保持す
る処理を行った後、面削可能な温度まで冷却し面削を行
い、その後550℃以下の温度に加熱し、熱間圧延を行う
ことを特徴とする表面品質に優れたアルミニウム合金板
の製造方法である。
0.05〜0.4wt%でSi/Feの比が0.5以下、残部Alからなる
アルミニウム合金を560℃以上の温度で2時間以上加熱
した後、400℃以上520℃以下に冷却後3時間以上保持す
る処理を行った後、面削可能な温度まで冷却し面削を行
い、その後550℃以下の温度に加熱し、熱間圧延を行う
ことを特徴とする表面品質に優れたアルミニウム合金板
の製造方法である。
特許請求の範囲第1項と第2項の発明の対象とするアル
ミニウム合金成分について上記のように限定したのは、
Feは材料の強度を向上させ、結晶粒の微細化を図るため
に必要であるが、0.1wt%未満ではその効果がなく、0.8
wt%を越えると、成形加工性や耐食性が劣化するからで
ある。SiもFeと同様に材料の強度を向上させ結晶粒の微
細化を図る元素であり、0.05wt%未満ではその効果が少
なく0.4wt%を越えると単体Siの析出が起こり、陽極酸
化処理材の色調むらが生じる。またSiをSi/Fe比で0.5以
上添加した場合は単体Siが析出し、これが陽極酸化処理
材の色調むらを生じさせる。従ってSiの含有量はSi/Fe
比で0.5以下とするものである。以上が本発明において
対象とする合金の必要とする成分であるが、後述のよう
に本発明は合金の析出状態および表面酸化皮膜を制御す
るところに特徴があり、その制御を阻害しない元素は製
品の要求特性を満す限り添加してもさしつかえない。例
えば、成形性を向上させるため1.0wt%以下のCuや0.5wt
%以下のMnを添加したり、結晶粒微細化のために0.05wt
%以下のBや0.15wt%以下のTiを添加することは何らさ
しつかえない。
ミニウム合金成分について上記のように限定したのは、
Feは材料の強度を向上させ、結晶粒の微細化を図るため
に必要であるが、0.1wt%未満ではその効果がなく、0.8
wt%を越えると、成形加工性や耐食性が劣化するからで
ある。SiもFeと同様に材料の強度を向上させ結晶粒の微
細化を図る元素であり、0.05wt%未満ではその効果が少
なく0.4wt%を越えると単体Siの析出が起こり、陽極酸
化処理材の色調むらが生じる。またSiをSi/Fe比で0.5以
上添加した場合は単体Siが析出し、これが陽極酸化処理
材の色調むらを生じさせる。従ってSiの含有量はSi/Fe
比で0.5以下とするものである。以上が本発明において
対象とする合金の必要とする成分であるが、後述のよう
に本発明は合金の析出状態および表面酸化皮膜を制御す
るところに特徴があり、その制御を阻害しない元素は製
品の要求特性を満す限り添加してもさしつかえない。例
えば、成形性を向上させるため1.0wt%以下のCuや0.5wt
%以下のMnを添加したり、結晶粒微細化のために0.05wt
%以下のBや0.15wt%以下のTiを添加することは何らさ
しつかえない。
次に特許請求の範囲第1項と第2項の発明の製造工程に
ついて説明する。
ついて説明する。
まず、アルミニウム合金鋳塊に560℃以上の温度で2時
間以上の熱処理を施すのであるが、560℃未満では晶出
物として鋳塊中に存在するAl6FeがAl3Feに相変態をほと
んどおこさない。また加熱時間が2時間未満では相変態
に要する時間が不充分であり、また鋳造組織均質化の点
でも2時間以上必要である。
間以上の熱処理を施すのであるが、560℃未満では晶出
物として鋳塊中に存在するAl6FeがAl3Feに相変態をほと
んどおこさない。また加熱時間が2時間未満では相変態
に要する時間が不充分であり、また鋳造組織均質化の点
でも2時間以上必要である。
Al6FeをAl3Feに相変化させる理由は前述の様にAl6Feは
陽極酸化処理時に色調むらを生じる為である。そして56
0℃以上ならば合金の融点以下ならばよく時間は2時間
以上ならば経済の許される程度まで適用できる。
陽極酸化処理時に色調むらを生じる為である。そして56
0℃以上ならば合金の融点以下ならばよく時間は2時間
以上ならば経済の許される程度まで適用できる。
次にこのように560℃以上に加熱した鋳塊を、特許請求
の範囲第1項の発明では、少なくとも520℃までは30℃/
hr以下の冷却速度で冷却するが、その理由は次の通りで
ある。560℃以上に加熱された鋳塊にはFeやSiが固溶し
ており、これをできるだけ粗大に析出させるためにこの
処理を行なうものである。すなわち520℃まで、冷却速
度30℃/hr以下の非常に遅い冷却速度で冷却することに
より、冷却中に固溶元素の大部分を粗大に析出させるの
であるが、そのためには冷却速度が30℃/hr以下である
必要がある。30℃/hrを越えると冷却速度が早いため析
出不充分である。また520℃を越えた温度で該処理を止
めた場合も析出が不充分であるので、少なくとも520℃
までは30℃/hrの冷却速度で冷却する必要がある。この
様な処理を行なった場合は520℃で、すでに固溶元素は
充分に析出しているので520℃以下の温度では冷却速度
は30℃/hr以上で冷却しても差支えない。
の範囲第1項の発明では、少なくとも520℃までは30℃/
hr以下の冷却速度で冷却するが、その理由は次の通りで
ある。560℃以上に加熱された鋳塊にはFeやSiが固溶し
ており、これをできるだけ粗大に析出させるためにこの
処理を行なうものである。すなわち520℃まで、冷却速
度30℃/hr以下の非常に遅い冷却速度で冷却することに
より、冷却中に固溶元素の大部分を粗大に析出させるの
であるが、そのためには冷却速度が30℃/hr以下である
必要がある。30℃/hrを越えると冷却速度が早いため析
出不充分である。また520℃を越えた温度で該処理を止
めた場合も析出が不充分であるので、少なくとも520℃
までは30℃/hrの冷却速度で冷却する必要がある。この
様な処理を行なった場合は520℃で、すでに固溶元素は
充分に析出しているので520℃以下の温度では冷却速度
は30℃/hr以上で冷却しても差支えない。
また特許請求の範囲第2項の発明の処理方法として、40
0℃以上520℃以下の温度に冷却後上記の温度に3時間以
上保持する方法がある。温度が400℃未満で保持すると
単体Siやα−AlFeSiの析出が生じ、これらは色調むらの
原因となるので温度の下限を400℃とするものである。
また520℃を越えた温度で保持を行なっても析出量が不
充分であるので上限を520℃とした。保持時間は3時間
未満では析出量が不充分であり3時間を下限としたもの
である。保持中の温度は400〜520℃の範囲内であれば保
持中に変動しても析出は充分に進行する。また520℃ま
での冷却速度は、一切関係がない、これは上記の温度で
保持中に析出させるからである。
0℃以上520℃以下の温度に冷却後上記の温度に3時間以
上保持する方法がある。温度が400℃未満で保持すると
単体Siやα−AlFeSiの析出が生じ、これらは色調むらの
原因となるので温度の下限を400℃とするものである。
また520℃を越えた温度で保持を行なっても析出量が不
充分であるので上限を520℃とした。保持時間は3時間
未満では析出量が不充分であり3時間を下限としたもの
である。保持中の温度は400〜520℃の範囲内であれば保
持中に変動しても析出は充分に進行する。また520℃ま
での冷却速度は、一切関係がない、これは上記の温度で
保持中に析出させるからである。
特許請求の範囲第1項と第2項の発明(以下、本発明と
略記する)の上記処理方法によると固溶元素量が少な
く、かつ粗大や析出物しか存在しないのでその後の熱間
圧延工程において微細で均一な再結晶組織となり、グレ
ーンストリークの発生を防止できるのである。一方従来
の均質化処理を行なったものはAl6FeがAl3Feに相変化し
た色調むらは防止できるが析出が不充分のため、再加熱
の途中、或いは熱間圧延において固溶元素量の変化が大
きくなり、グリーンストリークの発生は避けられない。
略記する)の上記処理方法によると固溶元素量が少な
く、かつ粗大や析出物しか存在しないのでその後の熱間
圧延工程において微細で均一な再結晶組織となり、グレ
ーンストリークの発生を防止できるのである。一方従来
の均質化処理を行なったものはAl6FeがAl3Feに相変化し
た色調むらは防止できるが析出が不充分のため、再加熱
の途中、或いは熱間圧延において固溶元素量の変化が大
きくなり、グリーンストリークの発生は避けられない。
本発明は上記の様な処理を行なった後、面削可能な温度
まで冷却し、面削を行ない、その後550℃以下の温度に
加熱し熱間圧延を行なうものであるが、ここで面削を行
なうのは、前記したピックアップが圧延中のロールコー
ティングの剥離や、圧延条件の他、高温均質化処理の際
に生じる酸化皮膜が圧延中に剥離して生じるものである
との知見によるもので、この酸化皮膜を面削により除去
してその後の熱間圧延におけるピックアップの発生を防
止したものである。また熱間圧延前の加熱温度を550℃
以下としたのは、上記の面削して酸化皮膜が除かれた新
たな表面の酸化を少なくするためである。
まで冷却し、面削を行ない、その後550℃以下の温度に
加熱し熱間圧延を行なうものであるが、ここで面削を行
なうのは、前記したピックアップが圧延中のロールコー
ティングの剥離や、圧延条件の他、高温均質化処理の際
に生じる酸化皮膜が圧延中に剥離して生じるものである
との知見によるもので、この酸化皮膜を面削により除去
してその後の熱間圧延におけるピックアップの発生を防
止したものである。また熱間圧延前の加熱温度を550℃
以下としたのは、上記の面削して酸化皮膜が除かれた新
たな表面の酸化を少なくするためである。
ところでこのような、面削、再加熱を前記した本発明の
2種のいずれかの処理を行なわずに実施した場合、再加
熱の際に析出が生じ、その制御は困難でありグリーンス
トリークの発生やその他の特性のばらつきの原因とな
る。
2種のいずれかの処理を行なわずに実施した場合、再加
熱の際に析出が生じ、その制御は困難でありグリーンス
トリークの発生やその他の特性のばらつきの原因とな
る。
これに対し本発明の前記の処理を行なった場合は、固溶
元素量が少なく析出物が粗大であるため、再加熱や熱間
圧延に対して感受性が鈍いもので熱間圧延前の加熱温度
が550℃以下であれば圧延できる程度の温度であればよ
く、また加熱時間もいずれであっても特性は変化しな
い。
元素量が少なく析出物が粗大であるため、再加熱や熱間
圧延に対して感受性が鈍いもので熱間圧延前の加熱温度
が550℃以下であれば圧延できる程度の温度であればよ
く、また加熱時間もいずれであっても特性は変化しな
い。
しかして本発明の前記の処理を行なった鋳塊の晶出物は
Al3Feであるため製品板の色調むらはなく、新たな面削
面を表面にしているためピックアップの発生もなく、か
つ再加熱前の固溶、析出状態をコントロールしているの
で、グレーンストリークの発生もなく、従来通りの冷
延、焼鈍工程によるも、その他の要求特性を満足させる
ことができるものである。
Al3Feであるため製品板の色調むらはなく、新たな面削
面を表面にしているためピックアップの発生もなく、か
つ再加熱前の固溶、析出状態をコントロールしているの
で、グレーンストリークの発生もなく、従来通りの冷
延、焼鈍工程によるも、その他の要求特性を満足させる
ことができるものである。
以下に本発明の一実施例について説明する。
実施例1 第1表に示すA〜Dの合金をCD鋳造法にて厚さ400mmの
鋳塊を作製し、それぞれを第2表に示す条件で面削、均
質化処理を行ない厚さ6mmまで熱間圧延行なった。圧延
開始温度は430℃であり、得られたホットコイルを350℃
で2時間焼鈍し、3mm厚さまで冷延した。得られた冷延
板に陽極酸化処理を行ない、色調むら、グレーンストリ
ーク、ピックアップおよび曲げ加工による肌荒れの発生
の評価を行なった。その結果を第3表に示す。
鋳塊を作製し、それぞれを第2表に示す条件で面削、均
質化処理を行ない厚さ6mmまで熱間圧延行なった。圧延
開始温度は430℃であり、得られたホットコイルを350℃
で2時間焼鈍し、3mm厚さまで冷延した。得られた冷延
板に陽極酸化処理を行ない、色調むら、グレーンストリ
ーク、ピックアップおよび曲げ加工による肌荒れの発生
の評価を行なった。その結果を第3表に示す。
第1表〜第3表から明らかなように本発明法を用いた場
合、従来例よりも優れた特性を有している。
合、従来例よりも優れた特性を有している。
すなわち、比較例No.6は最初に560℃以上の加熱を行な
っていないため、色調むらが発生しており、No.7では熱
延前の加熱を550℃以上にしているためピックアップが
発生している。No.8では、600℃×9hrに加熱後本発明法
の処理を行なっていないため、グレーンストリークが発
生しており、No.9では途中の工程で面削を行なっていな
いため、ピックアップが発生している。No.10、11は従
来例であるが、No.10ではピックアップが発生し、No.11
では560℃以上に加熱していないため、色調むらが発生
している。
っていないため、色調むらが発生しており、No.7では熱
延前の加熱を550℃以上にしているためピックアップが
発生している。No.8では、600℃×9hrに加熱後本発明法
の処理を行なっていないため、グレーンストリークが発
生しており、No.9では途中の工程で面削を行なっていな
いため、ピックアップが発生している。No.10、11は従
来例であるが、No.10ではピックアップが発生し、No.11
では560℃以上に加熱していないため、色調むらが発生
している。
これに対して本発明法によるNo.1〜No.5は、色調むら、
グレーンストリーク、ピックアップおよび肌荒れなど
は、いずれも発生がなく優れた特性を示すことが判る。
グレーンストリーク、ピックアップおよび肌荒れなど
は、いずれも発生がなく優れた特性を示すことが判る。
実施例2 Si/Fe比が0.5以下のJIS 1050相当Si0.09%、Fe0.28%、
Ti0.01%、残部Alの100mm厚のアルミニウム鋳塊を第4
表に示す条件で均質化処理、面削後410℃で熱間圧延を
開始し、3mm厚さの熱延板を得た。この熱延板を1.5mm厚
さまで冷延後360℃×2hrの焼鈍を行ないさらに陽極酸化
処理を行なった。色調むら、グレーンストリーク、肌荒
れの評価結果と焼鈍板の耳率測定結果を第5表に示す。
なお耳率はブランクφ61でカップを絞り測定しており、
0°−90°を+とし、45°を−とする。
Ti0.01%、残部Alの100mm厚のアルミニウム鋳塊を第4
表に示す条件で均質化処理、面削後410℃で熱間圧延を
開始し、3mm厚さの熱延板を得た。この熱延板を1.5mm厚
さまで冷延後360℃×2hrの焼鈍を行ないさらに陽極酸化
処理を行なった。色調むら、グレーンストリーク、肌荒
れの評価結果と焼鈍板の耳率測定結果を第5表に示す。
なお耳率はブランクφ61でカップを絞り測定しており、
0°−90°を+とし、45°を−とする。
第4表および第5表から明らかなようにNo.20〜No.24の
本発明条件を外れる比較例においては色調むら、グレー
ンストリーク、ピックアップのいずれかが発生するがN
o.15〜19の本発明例においては、これらの発生は全くな
い。また耳率についても特性が損なわれることがないこ
とが判る。
本発明条件を外れる比較例においては色調むら、グレー
ンストリーク、ピックアップのいずれかが発生するがN
o.15〜19の本発明例においては、これらの発生は全くな
い。また耳率についても特性が損なわれることがないこ
とが判る。
以上に説明したように本発明によれば、色調むらのない
陽極酸化皮膜が得られ、またグレーンストリーク、ピッ
クアップもなく、表面品質が優れ、しかも耐肌荒れ性
や、絞り加工性を損なわないアルミニウム合金板の製造
を可能としたもので、その工業的な効果は極めて大きい
ものである。
陽極酸化皮膜が得られ、またグレーンストリーク、ピッ
クアップもなく、表面品質が優れ、しかも耐肌荒れ性
や、絞り加工性を損なわないアルミニウム合金板の製造
を可能としたもので、その工業的な効果は極めて大きい
ものである。
Claims (2)
- 【請求項1】Fe0.1〜0.8wt%、Si0.05〜0.4wt%で、Si/
Feの比が0.5以下、残部Alからなるアルミニウム合金を5
60℃以上の温度で2時間以上加熱した後、少なくとも52
0℃までは30℃/hr以下の冷却速度で冷却する処理を行っ
た後、面削可能な温度まで冷却し面削を行い、その後55
0℃以下の温度に加熱し、熱間圧延を行うことを特徴と
する表面品質に優れたアルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項2】Fe0.1〜0.8wt%、Si0.05〜0.4wt%でSi/Fe
の比が0.5以下、残部Alからなるアルミニウム合金を560
℃以上の温度で2時間以上加熱した後、400℃以上520℃
以下に冷却後3時間以上保持する処理を行った後、面削
可能な温度まで冷却し面削を行い、その後550℃以下の
温度に加熱し、熱間圧延を行うことを特徴とする表面品
質に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13066487A JPH0798987B2 (ja) | 1987-05-27 | 1987-05-27 | 表面品質に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13066487A JPH0798987B2 (ja) | 1987-05-27 | 1987-05-27 | 表面品質に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63293145A JPS63293145A (ja) | 1988-11-30 |
JPH0798987B2 true JPH0798987B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=15039658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13066487A Expired - Lifetime JPH0798987B2 (ja) | 1987-05-27 | 1987-05-27 | 表面品質に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0798987B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012234938A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | High Energy Accelerator Research Organization | 低温用熱伝達材 |
JP2012234939A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | High Energy Accelerator Research Organization | 超電導磁石用磁気遮蔽材 |
-
1987
- 1987-05-27 JP JP13066487A patent/JPH0798987B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63293145A (ja) | 1988-11-30 |
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