JPH079882A - エンジン付き走行車両 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行負荷の変動に対して車速の高低にかかわ
らず迅速にエンジンを調速制御できるエンジン付き走行
車両を提供する。 【構成】 エンジン７と駆動車輪２との伝動系中に無段
変速装置８を介装するとともに、この無段変速装置８の
伝動上手がわの軸回転速度を検出する第１回転速度検出
手段１１と、無段変速装置８の伝動下手がわの軸回転速
度を検出する第２回転速度検出手段１２とを設け、第１
回転速度検出手段１１の検出結果と、第２回転速度検出
手段１２の検出結果との比に基づいて、無段変速装置８
での伝動比が大きいほどエンジン７の調速機構１６をエ
ンジン回転速度を増速するがわに操作して、無段変速装
置８の伝動下手がわの軸回転速度をほぼ一定に維持する
制御手段１０を設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、地面に敷設さ
れた誘導線で誘導走行したり、或いは無線操縦等で無人
走行も可能なゴルフカートや防除機等のエンジン付き走
行車両に関し、詳しくは、エンジンの調速機構を備える
とともに、そのエンジンと駆動車輪との伝動系中に無段
変速装置を介装してあるエンジン付き走行車両に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のエンジン付き走行車両と
しては、例えば、特開平４−３６４５０６号公報に開示
されているように、走行時の負荷等に応じて車速を自動
的に所定状態に変更調節するために、車速検出手段の結
果のみに基づいて無段変速装置を操作したり、調速機構
を調速操作するようにしたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のものにあっては、単に車速の変動状態をみて負
荷の変動を検出し、その検出結果に基づいて無段変速装
置を変速操作するものであったため、高速走行時には少
しのアクセル操作で車速が増速しやすいことから、その
変速操作で所望車速をオーバーした車速になったりしな
いよう、車速を検出しながら比較的ゆっくりと変速操作
や調速操作しなければならないものであって、一方、低
速走行時にはアクセル操作に対する車速の増速の程度が
低いことから、応答性が遅いものであって、結局適宜な
車速となるようにエンジン回転速度を制御するのが遅い
ものとなっていた。このため、より応答性に優れた車速
制御が望まれていた。本発明は、上記実情に鑑みてなさ
れたものであって、走行負荷の変動に対して車速の高低
にかかわらず迅速にエンジンを調速制御できるエンジン
付き走行車両の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるエンジン
付き走行車両は、上記目的を達成するために、エンジン
と駆動車輪との伝動系中に無段変速装置を介装するとと
もに、この無段変速装置の伝動上手がわの軸回転速度を
検出する第１回転速度検出手段と、前記無段変速装置の
伝動下手かわの軸回転速度を検出する第２回転速度検出
手段とを設け、前記第１回転速度検出手段の検出結果
と、第２回転速度検出手段の検出結果との比に基づい
て、前記無段変速装置での伝動比が大きいほど前記エン
ジンの調速機構をエンジン回転速度を増速するがわに操
作して、前記無段変速装置の伝動下手がわの軸回転速度
をほぼ一定に維持する制御手段を設けてあることを特徴
構成とする。かかる特徴構成による作用・効果は次の通
りである。

【０００５】

【作用】即ち、無段変速装置の伝動上手がわの軸回転速
度の検出結果と無段変速装置の伝動下手がわの軸回転速
度の検出結果とによって得られる無段変速装置での伝動
比が大きいほどエンジンの調速機構をエンジン回転速度
を増速するがわに操作するから、高速走行時には、伝動
比が小さいからエンジン回転速度の増速の程度を小さく
して車速が所定よりオーバーして高速になることを抑制
しながらも調速でき、一方、低速走行時には、伝動比が
大きいからエンジン回転速度の増速の程度を大きくして
車速が所定の車速に迅速になるように調速できることに
なって、走行時の負荷が通常状態より大きくなった場合
等において、その負荷の増加にかかわらず車速自体はあ
まり変化しないようにエンジンの調速を車速の高低にか
かわらず迅速に行えることになる。

【０００６】

【発明の効果】従って、車速の高低にかかわらず走行時
の負荷の変動状況に応じて調速機構を迅速に操作するか
ら、その負荷に対して車速が大きく変化しないよう迅速
な調速を行えることになって車速変動の比較的少ない安
定した走行を常時維持できるに至った。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図２に、本発明にかかるエンジン付き走行車両の
一例としてのゴルフカートを示している。このゴルフカ
ートは、左右一対の前車輪１，１と駆動車輪としての左
右一対の後車輪２，２とで車体フレーム３を走行可能に
支持するとともに、この車体フレーム３に、搭乗運転部
４，原動部５、荷物台６等を搭載装備して構成してい
る。

【０００８】原動部５には、図１に示すように、エンジ
ン７と、無段変速装置の一例としてのベルト式無段変速
装置８と、ミッションケース９とが設けられているとと
もに、ミッションケース９からの出力で後車輪２，２が
駆動されるように構成している。ベルト式無段変速装置
８は、エンジン７の出力軸７ａに連動連結した駆動プー
リ８ａと、ミッションケース９の入力軸９ａに連動連結
した割りプーリ構造の従動プーリ８ｂとにわたって伝動
ベルト８ｃを張設し、伸縮駆動される電動シリンダ８ｄ
によって、伝動ベルト８ｃに張力を付加するテンション
プーリ８ｅを軸芯Ｐ周りで揺動させることでその伝動ベ
ルト８ｃの張力を変更調節できるようにして、その張力
の変更に伴い従動プーリ８ｂにおける伝動ベルト８ｃの
ベルト巻き掛け径を変更できるように、即ちその巻き掛
け径を変更することで無段階に変速伝動できるように構
成している。電動シリンダ８ｄは、車体に搭載した制御
手段としての制御装置１０からの伸縮操作指令に基づく
変速操作位置に伸縮操作される。前記出力軸７ａと入力
軸９ａのそれぞれには、その回転速度を検出するための
第１回転速度検出手段１１と第２回転速度検出手段１２
とを設けている。それら検出手段１１，１２の検出情報
は前記制御装置１０に入力されるようにしている。これ
ら第１回転速度検出手段１１、第２回転速度検出手段１
２は、それぞれ電磁式のピックアップで構成されてお
り、軸が一回転する毎に１パルス出力するような構成と
なっている。そして、それら検出手段１１，１２の検出
情報を時間で微分することで、制御装置１０では、軸７
ａの回転速度Ｖｉ、及び、軸９ａの回転速度Ｖｏを算出
する。更に、制御装置１０では、ベルト式無段変速装置
８の伝動上手がわの軸回転速度に相当する回転速度Ｖｉ
を、ベルト式無段変速装置８の伝動下手がわの軸回転速
度に相当する回転速度Ｖｏで除算して、ベルト式無段変
速装置８の伝動比Ｄを得る。

【０００９】又、図１に示すように、エンジン７のキャ
ブレタにはスロットルバルブ１３を設けているともに、
このスロットルバルブ１３の開度角度を検出するための
開度検出手段１４を設け、更に、このスロットルバルブ
１３を開閉操作する調速用ステッピングモータ１５を設
けている。ここで、スロットルバルブ１３、開度検出手
段１４、調速用ステッピングモータ１５は、調速機構１
６を構成している。そして、スロットル操作用のペダル
１７を搭乗運転部４に設けているとともに、このペダル
１７の踏み込み操作量を検出する検出手段１８の検出情
報や、前記開度検出手段１４での検出情報は前記制御装
置１０に入力される。これら検出情報に基づいて、前記
スロットルバルブ１３の開度を調整するように、制御装
置１０から調速用ステッピングモータ１５へ駆動信号が
出力される。

【００１０】更に、このゴルフカートを所定の走行路Ｒ
に沿って自動走行できるように、ゴルフカートを走行案
内するための誘導線Ｌを走行路Ｒに敷設している。そし
て、その誘導線Ｌ位置を電磁的に感知するための感知手
段１９，１９を、車体フレーム３の前端下部及び後端下
部に設け、これら感知手段１９，１９の検出情報を前記
制御装置１０に入力しているとともに、その検出情報に
基づいて誘導線Ｌに沿うように、前車輪１，１を操舵す
る操舵機構に制御装置１０から操舵信号を出力させてい
る。このゴルフカートの前端には、超音波センサ等で構
成されるプレビューセンサ２０を設け、このプレビュー
センサ２０で障害物検出や、走行地の傾斜等を検出する
ようにしている。

【００１１】上記構成により、制御装置１０では、この
ゴルフカートが誘導線に沿って自動走行しているときに
は、一定速度に維持されながら走行するようにしてお
り、例えば走行地Ｒが上り坂や下り坂等となっていて、
走行負荷が変動することで車速が一時的に変動したとき
にはその車速を所定車速に維持するように調速機構１６
を調速操作して、エンジン７の調速制御をする。又、搭
乗者によって操縦されている場合等においては、前記第
１，第２回転速度検出手段１１，１２の検出結果により
制御装置１０で得られた前記伝動比Ｄに基づいてその伝
動比Ｄが大であるほど、つまり概して低速走行時には前
記調速機構１６のスロットルバルブ１３の開度角度の変
更量が大きな比率でなされるようにしている。一方、高
速走行時には、スロットルバルブ１３の開度角度の変更
量が小さな比率でなされるようにしている。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】エンジンの調速等を行う制御構造を示す概略説
明図

【図２】ゴルフカートを示す全体側面図

【符号の説明】

２ 駆動車輪 ７ エンジン ８ 無段変速装置 １１ 第１回転速度検出手段 １２ 第２開店速度検出手段 １６ 調速機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン（７）と駆動車輪（２）との伝
   動系中に無段変速装置（８）を介装するとともに、この
   無段変速装置（８）の伝動上手がわの軸回転速度を検出
   する第１回転速度検出手段（１１）と、前記無段変速装
   置（８）の伝動下手がわの軸回転速度を検出する第２回
   転速度検出手段（１２）とを設け、前記第１回転速度検
   出手段（１１）の検出結果と、第２回転速度検出手段
   （１２）の検出結果との比に基づいて、前記無段変速装
   置（８）での伝動比が大きいほど前記エンジン（７）の
   調速機構（１６）をエンジン回転速度を増速するがわに
   操作して、前記無段変速装置（８）の伝動下手がわの軸
   回転速度をほぼ一定に維持する制御手段（１０）を設け
   てあるエンジン付き走行車両。