JPH0798286A - X線評価装置 - Google Patents
X線評価装置Info
- Publication number
- JPH0798286A JPH0798286A JP5242332A JP24233293A JPH0798286A JP H0798286 A JPH0798286 A JP H0798286A JP 5242332 A JP5242332 A JP 5242332A JP 24233293 A JP24233293 A JP 24233293A JP H0798286 A JPH0798286 A JP H0798286A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ray
- sample
- rays
- spectroscope
- incident
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 結晶成長や分子反応等をns単位ないしはp
s単位での高速スキャニングで観察可能にすること。 【構成】 X線分光器13として湾曲結晶面13aを有
してX線を分光して集光させるものを用い、かつ、X線
分光器13の湾曲結晶面13aを試料面11aに対して
直交するように配設させ、分光したX線を試料面13a
に同時に入射させることで、速度が制約される機械的な
回転機構を用いることなく、高速スキャニングを可能と
し、かつ、この湾曲結晶面13aで分光させたX線をス
リット14を通して試料11に入射させることで、散乱
によるX線が照射されることによるノイズ成分を軽減で
きるようにした。
s単位での高速スキャニングで観察可能にすること。 【構成】 X線分光器13として湾曲結晶面13aを有
してX線を分光して集光させるものを用い、かつ、X線
分光器13の湾曲結晶面13aを試料面11aに対して
直交するように配設させ、分光したX線を試料面13a
に同時に入射させることで、速度が制約される機械的な
回転機構を用いることなく、高速スキャニングを可能と
し、かつ、この湾曲結晶面13aで分光させたX線をス
リット14を通して試料11に入射させることで、散乱
によるX線が照射されることによるノイズ成分を軽減で
きるようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば超高真空中で成
膜された試料の最上表面の原子・電子構造などの、物質
の表面構造の測定解析に適したX線を利用したX線評価
装置に関する。
膜された試料の最上表面の原子・電子構造などの、物質
の表面構造の測定解析に適したX線を利用したX線評価
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年にあっては、各種機能を持たせたデ
バイス材料の研究・開発が盛んであり、材料表面の組成
ないしは構造分析等が重要となっている。
バイス材料の研究・開発が盛んであり、材料表面の組成
ないしは構造分析等が重要となっている。
【0003】このような物質の表面原子・電子構造を評
価する手法として、電子線、X線、中性子線、イオン線
等をプローブとして用いたものが多数ある。例えば、電
子線によるものとしては、検出量を透過電子として原子
配列、欠陥構造、界面構造等を解析する透過顕微鏡(T
EM)とか、検出量を反射電子として表面原子構造等を
解析する反射顕微鏡(REM)等がある。また、X線に
よるものとしては、検出量を電子(エネルギースペクト
ル)としてバンド構造、状態密度分布、化学結合状態等
を解析する光電子分光法(XPS=X-ray Photoelect
ron Spectroscopy) とか、検出量をX線(回折、定在
波、吸収微細構造)及び蛍光X線(エネルギースペクト
ル)として結晶構造、局所的原子構造(原子間距離)を
解析するX線解析法又は拡張X線吸収微細構造法(EX
AFS=Extended X-ray Absorption Fine Struct
ure) 等がある。
価する手法として、電子線、X線、中性子線、イオン線
等をプローブとして用いたものが多数ある。例えば、電
子線によるものとしては、検出量を透過電子として原子
配列、欠陥構造、界面構造等を解析する透過顕微鏡(T
EM)とか、検出量を反射電子として表面原子構造等を
解析する反射顕微鏡(REM)等がある。また、X線に
よるものとしては、検出量を電子(エネルギースペクト
ル)としてバンド構造、状態密度分布、化学結合状態等
を解析する光電子分光法(XPS=X-ray Photoelect
ron Spectroscopy) とか、検出量をX線(回折、定在
波、吸収微細構造)及び蛍光X線(エネルギースペクト
ル)として結晶構造、局所的原子構造(原子間距離)を
解析するX線解析法又は拡張X線吸収微細構造法(EX
AFS=Extended X-ray Absorption Fine Struct
ure) 等がある。
【0004】これらのプローブの内、X線以外の電子
線、中性子線、イオン線等は、概して空気中で吸収・散
乱されやすい欠点を有する。このため、これらのX線以
外のものでは、真空中に試料を設置して評価するものが
多い。この点、X線は空気中でも吸収・散乱が殆どない
ものであり、有望といえる。もっとも、X線の内でも、
軟X線と称される数十Å以上のX線は、空気中では吸収
・散乱されやすいために、XPS法に採用されているよ
うに真空チャンバを使うことが多い。
線、中性子線、イオン線等は、概して空気中で吸収・散
乱されやすい欠点を有する。このため、これらのX線以
外のものでは、真空中に試料を設置して評価するものが
多い。この点、X線は空気中でも吸収・散乱が殆どない
ものであり、有望といえる。もっとも、X線の内でも、
軟X線と称される数十Å以上のX線は、空気中では吸収
・散乱されやすいために、XPS法に採用されているよ
うに真空チャンバを使うことが多い。
【0005】ところで、これらの何れのプローブ(光・
電子)による場合も、試料面にすれすれに光又は電子を
入射させて表面最上層の情報を得ようとする手法が各種
研究・開発されている。例えば、全反射蛍光X線分析法
等がある。この内、上記のように有望視されているX線
を用いた表面分析法としては、表面蛍光EXAFS法と
か全反射X線計測法等がある。これらは、何れもX線を
試料面に対してすれすれの低入射角で入射させて、試料
表面の原子・電子構造や、表面・界面粗さ、密度、膜厚
等を評価しようとするものである。この場合、従来にあ
っては、主として数Å以下の波長の硬X線を用いるもの
とされている。
電子)による場合も、試料面にすれすれに光又は電子を
入射させて表面最上層の情報を得ようとする手法が各種
研究・開発されている。例えば、全反射蛍光X線分析法
等がある。この内、上記のように有望視されているX線
を用いた表面分析法としては、表面蛍光EXAFS法と
か全反射X線計測法等がある。これらは、何れもX線を
試料面に対してすれすれの低入射角で入射させて、試料
表面の原子・電子構造や、表面・界面粗さ、密度、膜厚
等を評価しようとするものである。この場合、従来にあ
っては、主として数Å以下の波長の硬X線を用いるもの
とされている。
【0006】また、上記の評価に使用される従来のX線
検出器は、PC(プロポーショナルカウンタ)、SC
(シンチレーションカウンタ)、SSD(半導体検出
器)、イオンチャンバ等の大きなものであり、かつ、一
次元であり二次元の空間分解能を持たないため、面分析
も不可能なものである。また、これらの検出器は、時間
分解能が大き過ぎて、ナノ秒(ns)やピコ秒(ps)
の時間的変化を計数することはできないものである。
検出器は、PC(プロポーショナルカウンタ)、SC
(シンチレーションカウンタ)、SSD(半導体検出
器)、イオンチャンバ等の大きなものであり、かつ、一
次元であり二次元の空間分解能を持たないため、面分析
も不可能なものである。また、これらの検出器は、時間
分解能が大き過ぎて、ナノ秒(ns)やピコ秒(ps)
の時間的変化を計数することはできないものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように試料中の原
子的構造変化をnsやpsといった高速単位で観察でき
ない点をさらに考察すると、最も短時間の計測でもミリ
秒(ms)の時間分解能とされているといった検出器自
身の時間分解能が不足しているという現状もあるが、光
源が弱く、短時間では充分な強度をとれないことにも起
因している。
子的構造変化をnsやpsといった高速単位で観察でき
ない点をさらに考察すると、最も短時間の計測でもミリ
秒(ms)の時間分解能とされているといった検出器自
身の時間分解能が不足しているという現状もあるが、光
源が弱く、短時間では充分な強度をとれないことにも起
因している。
【0008】ところで、X線評価装置として、例えば、
図3に示すような本出願人既提案のものがある。図示例
は、X線源1と、このX線源1からのX線を分光するX
線分光器2と、試料3を下向きに保持するマニピュレー
タ4と、前記X線分光器2からのX線を前記試料3に対
して入射させる入射角可変自在な全反射ミラー5と、前
記試料3から出射されるX線及び電子線を検出する二次
元検出器6とを真空チャンバ7に内蔵させて設けたもの
である。8は真空排気装置である。
図3に示すような本出願人既提案のものがある。図示例
は、X線源1と、このX線源1からのX線を分光するX
線分光器2と、試料3を下向きに保持するマニピュレー
タ4と、前記X線分光器2からのX線を前記試料3に対
して入射させる入射角可変自在な全反射ミラー5と、前
記試料3から出射されるX線及び電子線を検出する二次
元検出器6とを真空チャンバ7に内蔵させて設けたもの
である。8は真空排気装置である。
【0009】ここに、X線分光器2は図4に示すように
ダブルチャネルカットした分光結晶9を(+,+)配置
させ、これらの分光結晶9の載った回転テーブル10を
2個同時に逆向きに回転させて分光するモノクロメータ
とされている。このような回転テーブル10はステップ
スキャニング方式とされ、ある角度(例えば、0.01
°)動いて止まり、計数してあるエネルギーのX線デー
タを得るようにしている。
ダブルチャネルカットした分光結晶9を(+,+)配置
させ、これらの分光結晶9の載った回転テーブル10を
2個同時に逆向きに回転させて分光するモノクロメータ
とされている。このような回転テーブル10はステップ
スキャニング方式とされ、ある角度(例えば、0.01
°)動いて止まり、計数してあるエネルギーのX線デー
タを得るようにしている。
【0010】よって、試料3よりも入射側に配設させた
X線分光器2の回転テーブル10を高速回転させれば、
nsやpsといった高速単位での観察が可能と考えられ
るが、このような方式は、機械的な回転を用いているの
で、速くても1°回転するのに1秒乃至1分程度は掛か
ってしまうので現実には不可能である。
X線分光器2の回転テーブル10を高速回転させれば、
nsやpsといった高速単位での観察が可能と考えられ
るが、このような方式は、機械的な回転を用いているの
で、速くても1°回転するのに1秒乃至1分程度は掛か
ってしまうので現実には不可能である。
【0011】このような結果、例えば結晶成長や分子の
反応等を観察するのにはnsとかpsといった単位で観
察する必要があるが、従来方式によると、光源なる白色
X線を分光し、分光したX線を高速計測するのが不可能
となっている。
反応等を観察するのにはnsとかpsといった単位で観
察する必要があるが、従来方式によると、光源なる白色
X線を分光し、分光したX線を高速計測するのが不可能
となっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、X線源と、このX線源からのX線を分光して集光さ
せる湾曲結晶面を有するX線分光器と、試料面が前記X
線分光器の湾曲結晶面と直交するように試料を保持する
マニピュレータと、前記X線分光器と前記試料との間に
配設されて前記X線分光器により集光されたX線の一部
をカットするスリットと、前記試料から出射されるX線
を検出する検出器と、これらのX線源とX線分光器とス
リットと試料とマニピュレータと検出器とを内蔵した真
空チャンバとにより構成した。
は、X線源と、このX線源からのX線を分光して集光さ
せる湾曲結晶面を有するX線分光器と、試料面が前記X
線分光器の湾曲結晶面と直交するように試料を保持する
マニピュレータと、前記X線分光器と前記試料との間に
配設されて前記X線分光器により集光されたX線の一部
をカットするスリットと、前記試料から出射されるX線
を検出する検出器と、これらのX線源とX線分光器とス
リットと試料とマニピュレータと検出器とを内蔵した真
空チャンバとにより構成した。
【0013】請求項2記載の発明では、検出器を、半導
体位置検出素子とマイクロチャネルプレートとのアセン
ブリとした。
体位置検出素子とマイクロチャネルプレートとのアセン
ブリとした。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明においては、X線分光器と
して湾曲結晶面を有してX線を分光して集光させるもの
を用いているので、速度が制約される機械的な回転機構
を用いることなく、nsやpsといった高速計測が可能
となる。この際、この湾曲結晶面で分光させたX線をス
リットを通して試料に入射させるので、散乱によるX線
が照射されることによるノイズ成分が軽減される。ま
た、X線分光器の湾曲結晶面を試料面に対して直交する
ように配設しているので、分光したX線を試料面に同時
に入射させることができる。
して湾曲結晶面を有してX線を分光して集光させるもの
を用いているので、速度が制約される機械的な回転機構
を用いることなく、nsやpsといった高速計測が可能
となる。この際、この湾曲結晶面で分光させたX線をス
リットを通して試料に入射させるので、散乱によるX線
が照射されることによるノイズ成分が軽減される。ま
た、X線分光器の湾曲結晶面を試料面に対して直交する
ように配設しているので、分光したX線を試料面に同時
に入射させることができる。
【0015】この際、請求項2記載の発明においては、
検出器が、半導体位置検出素子とマイクロチャネルプレ
ートとのアセンブリとして構成され、ps単位の時間分
解能とμm単位の空間分解能とを併せ持つので、試料面
に同時に入射されたX線に関して、どのエネルギーの光
が吸収されたかを時間分割で測定し得るものとなり、一
層の高速計測が可能となる。
検出器が、半導体位置検出素子とマイクロチャネルプレ
ートとのアセンブリとして構成され、ps単位の時間分
解能とμm単位の空間分解能とを併せ持つので、試料面
に同時に入射されたX線に関して、どのエネルギーの光
が吸収されたかを時間分割で測定し得るものとなり、一
層の高速計測が可能となる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図1及び図2に基づいて
説明する。まず、本実施例の基本的思想ないし原理的構
成について、図1により説明する。本実施例は、測定対
象となる試料面11aのスキャニングを行うために機械
的な回転部分を一切設けないことを基本とするため、X
線(白色X線12)の分光には湾曲結晶面13aを有す
る分光結晶13をX線分光器として用いるものとし、か
つ、この湾曲結晶面13aと試料面11aとは、直交す
る位置関係で配設し、試料面11aに対して分光して集
光させたX線を同時に入射させることで、高速計測を可
能とする。この際、分光結晶13の湾曲結晶面13aで
回折させたX線を、一旦、スリット14を通過させて試
料面13aに入射させることで、散乱によるX線が照射
されてノイズの多いデータとなることを防止する。ま
た、試料11表面でどのエネルギーの光が吸収されたか
を時間分割測定するために、ps単位での時間分解能と
μm単位での空間分解能とを併せ持つX線検出器15、
できれば、二次元X線検出器を用いるようにする。
説明する。まず、本実施例の基本的思想ないし原理的構
成について、図1により説明する。本実施例は、測定対
象となる試料面11aのスキャニングを行うために機械
的な回転部分を一切設けないことを基本とするため、X
線(白色X線12)の分光には湾曲結晶面13aを有す
る分光結晶13をX線分光器として用いるものとし、か
つ、この湾曲結晶面13aと試料面11aとは、直交す
る位置関係で配設し、試料面11aに対して分光して集
光させたX線を同時に入射させることで、高速計測を可
能とする。この際、分光結晶13の湾曲結晶面13aで
回折させたX線を、一旦、スリット14を通過させて試
料面13aに入射させることで、散乱によるX線が照射
されてノイズの多いデータとなることを防止する。ま
た、試料11表面でどのエネルギーの光が吸収されたか
を時間分割測定するために、ps単位での時間分解能と
μm単位での空間分解能とを併せ持つX線検出器15、
できれば、二次元X線検出器を用いるようにする。
【0017】このような原理的構成において、分光結晶
13へのX線の入射角θ1 ,θ2 ,θ3 は、θ1 >θ2
>θ3 (別のエネルギーで測定する場合は、分光結晶1
3はθ1 ,θ2 ,θ3 を同時に変化させるように回転も
可能として配設してある)なる関係にある。ここに、ブ
ラッグの式2d・sinθ =λによれば、2dの値は一定
であるので、各々の入射角θ1 ,θ2 ,θ3 で入射され
て回折される各X線の波長λ1 ,λ2 ,λ3 はλ1 >λ
2 >λ3 なる関係となる。従って、回折される各々のX
線のエネルギーはE1 <E2 <E3 なる関係となるの
で、X線検出器15上に到達するX線A,B,Cのエネ
ルギーは、A>B>Cとなる。ここに、X線検出器15
を図1中に矢印で示す方向に位置(空間)分解能を有す
るものとすれば、一瞬の試料面13aの照射で、高→低
エネルギーのデータを同時に取得できる。この場合、試
料面13aは各エネルギー毎に異なる点を照射するの
で、均一面でなければならない。また、スリット14と
試料11との間に、試料面11aと僅かに角度をなして
全反射する反射鏡(例えば、Pt被膜鏡)を設けてもよ
い。
13へのX線の入射角θ1 ,θ2 ,θ3 は、θ1 >θ2
>θ3 (別のエネルギーで測定する場合は、分光結晶1
3はθ1 ,θ2 ,θ3 を同時に変化させるように回転も
可能として配設してある)なる関係にある。ここに、ブ
ラッグの式2d・sinθ =λによれば、2dの値は一定
であるので、各々の入射角θ1 ,θ2 ,θ3 で入射され
て回折される各X線の波長λ1 ,λ2 ,λ3 はλ1 >λ
2 >λ3 なる関係となる。従って、回折される各々のX
線のエネルギーはE1 <E2 <E3 なる関係となるの
で、X線検出器15上に到達するX線A,B,Cのエネ
ルギーは、A>B>Cとなる。ここに、X線検出器15
を図1中に矢印で示す方向に位置(空間)分解能を有す
るものとすれば、一瞬の試料面13aの照射で、高→低
エネルギーのデータを同時に取得できる。この場合、試
料面13aは各エネルギー毎に異なる点を照射するの
で、均一面でなければならない。また、スリット14と
試料11との間に、試料面11aと僅かに角度をなして
全反射する反射鏡(例えば、Pt被膜鏡)を設けてもよ
い。
【0018】ところで、分光結晶13は目的に応じて選
択される。例えば、格子面間隔の長いエチレンジアミン
四酢酸(EDDT)が用いられる。このEDDTは、化
学式C6H14N2O6 で示される単結晶系のもので、回折
面を(020)、2d=0.8803nmとするもので
ある。この他、Si(111)結晶等であってもよい。
X線検出器15は空間分解能と時間分解能とを有するも
のであればよいが、実際的には、空間分解能としては5
0〜100μm、時間分解能としてはns以上、好まし
くは500ps位の分解能を有することが好ましい。こ
のような空間及び時間分解能を併せ持つX線検出器15
は、PSD(半導体位置検出素子)とマイクロチャネル
プレート(MCP)とのアセンブリよりなるものを用い
ればよいが、具体的には、例えば、浜松ホトニクス株式
会社製のPIAS−TI等を用いればよく、この他、フ
ォトダイオードアレイを用いてもよい。
択される。例えば、格子面間隔の長いエチレンジアミン
四酢酸(EDDT)が用いられる。このEDDTは、化
学式C6H14N2O6 で示される単結晶系のもので、回折
面を(020)、2d=0.8803nmとするもので
ある。この他、Si(111)結晶等であってもよい。
X線検出器15は空間分解能と時間分解能とを有するも
のであればよいが、実際的には、空間分解能としては5
0〜100μm、時間分解能としてはns以上、好まし
くは500ps位の分解能を有することが好ましい。こ
のような空間及び時間分解能を併せ持つX線検出器15
は、PSD(半導体位置検出素子)とマイクロチャネル
プレート(MCP)とのアセンブリよりなるものを用い
ればよいが、具体的には、例えば、浜松ホトニクス株式
会社製のPIAS−TI等を用いればよく、この他、フ
ォトダイオードアレイを用いてもよい。
【0019】ところで、図1に示した分光結晶13等の
各機能部は、全て、真空中に配設される。これは、 結晶成長や分子の反応等を、その場観察するには、
汚れた環境では不可能となってしまう。 X線は波長が短く、空気中での散乱も少ないもの
の、1〜100Åの波長なる軟X線に対しては、真空中
のほうが吸収・散乱がなく、好ましい。 空間及び時間分解能を併せ持つ現状のX線検出器は
真空中で取扱う必要がある。ためである。
各機能部は、全て、真空中に配設される。これは、 結晶成長や分子の反応等を、その場観察するには、
汚れた環境では不可能となってしまう。 X線は波長が短く、空気中での散乱も少ないもの
の、1〜100Åの波長なる軟X線に対しては、真空中
のほうが吸収・散乱がなく、好ましい。 空間及び時間分解能を併せ持つ現状のX線検出器は
真空中で取扱う必要がある。ためである。
【0020】このような基本的思想ないしは原理的構成
の下、実際のX線評価装置としては、例えば図2に示す
ように構成される。まず、真空排気装置16に連通され
て内部が高真空状態とされる真空チャンバ17が設けら
れている。この真空チャンバ17は厚さ0.4μmのダ
イヤモンド窓18a,18bにより仕切られたX線源1
9領域と、分光領域とを連設したもので、分光領域中に
はスリット(目的によっては、ピンホールでもよい)2
0が内蔵されているとともに、X線分光器となる湾曲モ
ノクロメータ21が、試料11の試料面11aに直交す
る方向に位置させて内蔵されている。真空チャンバ17
内では、回転可能なマニピュレータ22により試料11
が下向きに保持されている。また、前記湾曲モノクロメ
ータ21で分光されてダイヤモンド窓18bとスリット
(目的によっては、ピンホールでもよい…これらを総合
してスリットとする)14を通して出射するX線を前記
試料面11aに向けて低入射角で入射させる全反射ミラ
ー23が設けられている。この全反射ミラー23は表面
にPt被膜がコーティングされたものであり、回転軸2
4を中心に回動自在とされ、試料11に対する入射角を
可変し得るように設定されている。また、全反射ミラー
23・試料11間の光路上には試料11に対する入射X
線強度を計測するための小型のイオンチャンバ25が介
在されている。さらに、前記試料11からの出射側光路
上には、空間分解能及び時間分解能の良好なる二次元の
検出器15が配設されている。加えて、本実施例では成
膜中の分析を可能とするため、前記試料11の下方に位
置させて成膜装置であるKセル26が設けられている。
27はそのシャッタである。また、マニピュレータ22
には試料11を加熱するための加熱装置28が付加され
ている。
の下、実際のX線評価装置としては、例えば図2に示す
ように構成される。まず、真空排気装置16に連通され
て内部が高真空状態とされる真空チャンバ17が設けら
れている。この真空チャンバ17は厚さ0.4μmのダ
イヤモンド窓18a,18bにより仕切られたX線源1
9領域と、分光領域とを連設したもので、分光領域中に
はスリット(目的によっては、ピンホールでもよい)2
0が内蔵されているとともに、X線分光器となる湾曲モ
ノクロメータ21が、試料11の試料面11aに直交す
る方向に位置させて内蔵されている。真空チャンバ17
内では、回転可能なマニピュレータ22により試料11
が下向きに保持されている。また、前記湾曲モノクロメ
ータ21で分光されてダイヤモンド窓18bとスリット
(目的によっては、ピンホールでもよい…これらを総合
してスリットとする)14を通して出射するX線を前記
試料面11aに向けて低入射角で入射させる全反射ミラ
ー23が設けられている。この全反射ミラー23は表面
にPt被膜がコーティングされたものであり、回転軸2
4を中心に回動自在とされ、試料11に対する入射角を
可変し得るように設定されている。また、全反射ミラー
23・試料11間の光路上には試料11に対する入射X
線強度を計測するための小型のイオンチャンバ25が介
在されている。さらに、前記試料11からの出射側光路
上には、空間分解能及び時間分解能の良好なる二次元の
検出器15が配設されている。加えて、本実施例では成
膜中の分析を可能とするため、前記試料11の下方に位
置させて成膜装置であるKセル26が設けられている。
27はそのシャッタである。また、マニピュレータ22
には試料11を加熱するための加熱装置28が付加され
ている。
【0021】ここで、各部について説明する。まず、X
線源19は主として実験室用に多用されるロータターゲ
ットを用いるのがよいが、プラズマX線源やレーザX線
源と称されるものでもよく、さらには、封入管タイプの
ものでもよい。もっとも、簡便性、使いやすさを考える
と、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Ag
(銀)、Al(アルミニウム)等をターゲットとし、電
子線を照射することにより発生する白色X線を用いるロ
ータターゲットがよい。本実施例では、例えばMoをタ
ーゲットとするロータターゲットとされている。
線源19は主として実験室用に多用されるロータターゲ
ットを用いるのがよいが、プラズマX線源やレーザX線
源と称されるものでもよく、さらには、封入管タイプの
ものでもよい。もっとも、簡便性、使いやすさを考える
と、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Ag
(銀)、Al(アルミニウム)等をターゲットとし、電
子線を照射することにより発生する白色X線を用いるロ
ータターゲットがよい。本実施例では、例えばMoをタ
ーゲットとするロータターゲットとされている。
【0022】真空チャンバ17内の真空度は10~6Tor
r 以上、好ましくは10~9Torr 以上の高真空、より好
ましくは10~10Torr以上の超高真空がよい。一方、分
光チャンバ21内の真空度は10~4Torr 以上とされて
いる。
r 以上、好ましくは10~9Torr 以上の高真空、より好
ましくは10~10Torr以上の超高真空がよい。一方、分
光チャンバ21内の真空度は10~4Torr 以上とされて
いる。
【0023】X線分光器となる湾曲モノクロメータ21
は、図1に示した分光結晶13に相当するものであり、
ここでは、Si(111)結晶を加熱した油の中で、中
央と端部とを互いに異なる方向に押付ける治具を用い
て、湾曲結晶面21aを有するものとした。ここに、ス
リット20により制限されたX線を僅かに異なる入射角
となるようにして湾曲結晶面21aに入射・回折させる
ように軸21bを中心に回転可能に設けられている。
は、図1に示した分光結晶13に相当するものであり、
ここでは、Si(111)結晶を加熱した油の中で、中
央と端部とを互いに異なる方向に押付ける治具を用い
て、湾曲結晶面21aを有するものとした。ここに、ス
リット20により制限されたX線を僅かに異なる入射角
となるようにして湾曲結晶面21aに入射・回折させる
ように軸21bを中心に回転可能に設けられている。
【0024】全反射ミラー23はX線を全反射させるも
のであり、表面凹凸が15Å以下であることが望まし
い。材料としては、カーボン、BN、SiC等が用いら
れる。本実施例では、例えばカーボン製とされている。
また、凹面鏡形状とすれば、分光されたX線を集光で
き、入射させるX線強度を向上させることができる。こ
のような全反射ミラー23は回転軸24を中心に0.0
01deg 単位で回動し得るものとされ、入射角の微調整
が可能とされている。もっとも、試料11に対する入射
角の可変は、相対的なものであり、この全反射ミラー2
3側は固定的とし、マニピュレータ22側を可動的とす
ることにより、試料11に対する入射角を可変させるよ
うにしてもよい。
のであり、表面凹凸が15Å以下であることが望まし
い。材料としては、カーボン、BN、SiC等が用いら
れる。本実施例では、例えばカーボン製とされている。
また、凹面鏡形状とすれば、分光されたX線を集光で
き、入射させるX線強度を向上させることができる。こ
のような全反射ミラー23は回転軸24を中心に0.0
01deg 単位で回動し得るものとされ、入射角の微調整
が可能とされている。もっとも、試料11に対する入射
角の可変は、相対的なものであり、この全反射ミラー2
3側は固定的とし、マニピュレータ22側を可動的とす
ることにより、試料11に対する入射角を可変させるよ
うにしてもよい。
【0025】二次元の検出器15は前述したように空間
及び時間分解能に優れたものとして、PSD(半導体位
置検出素子)とマイクロチャネルプレート(MCP)と
のアセンブリ、具体的には、浜松ホトニクス株式会社製
のPIAS−TI等のように、直径70nm、長さ50nm
程度の小型のものが用いられている。
及び時間分解能に優れたものとして、PSD(半導体位
置検出素子)とマイクロチャネルプレート(MCP)と
のアセンブリ、具体的には、浜松ホトニクス株式会社製
のPIAS−TI等のように、直径70nm、長さ50nm
程度の小型のものが用いられている。
【0026】このような構成において、例えば、試料1
1をKセル26を用いて成膜した後、X線源19からの
X線をこの試料11表面にすれすれなる低入射角(5°
以下)で入射させ、反射XANES、反射EXAFSを
測定する場合を考える。
1をKセル26を用いて成膜した後、X線源19からの
X線をこの試料11表面にすれすれなる低入射角(5°
以下)で入射させ、反射XANES、反射EXAFSを
測定する場合を考える。
【0027】まず、X線源19から出射された白色X線
はスリット20で制限された後、湾曲モノクロメータ2
1の分光結晶で回折されることにより分光される。分光
されたX線は全反射ミラー23で全反射されることで光
路が曲げられ、試料11表面に低入射角で入射する。こ
の際、全反射ミラー23は回動し得るものであり、試料
11への入射角は調整可能である。
はスリット20で制限された後、湾曲モノクロメータ2
1の分光結晶で回折されることにより分光される。分光
されたX線は全反射ミラー23で全反射されることで光
路が曲げられ、試料11表面に低入射角で入射する。こ
の際、全反射ミラー23は回動し得るものであり、試料
11への入射角は調整可能である。
【0028】この全反射ミラー23により試料11表面
へ入射するX線の強度はイオンチャンバ25により計測
される。試料11表面へ入射したX線は、その一部が吸
収されるが、散乱・反射される大半は、検出器15に入
る。この際、図中には示さないが、成膜後は試料11直
下へ別の二次元検出器を配設することで、試料11から
出射される二次電子を検出し、EXAFSのデータをと
るようにした。
へ入射するX線の強度はイオンチャンバ25により計測
される。試料11表面へ入射したX線は、その一部が吸
収されるが、散乱・反射される大半は、検出器15に入
る。この際、図中には示さないが、成膜後は試料11直
下へ別の二次元検出器を配設することで、試料11から
出射される二次電子を検出し、EXAFSのデータをと
るようにした。
【0029】具体的に、Kセル26を用いてSiウエハ
上に1000Åなる膜厚のAu層を設け、さらにその上
にZnO膜を積層した。ここに、9keVから10.7
keVまでのエネルギーのX線が同時に湾曲モノクロメ
ータ21で得られるようにセットし、0.5〜1.5°
の入射角で試料に入射させ、ZnO膜の成膜の初期から
100ms毎に反射XAFSデータを2秒までとった。
同様の測定を、ZnO膜の成膜の初期から同様にして2
0回繰返し、各データを積算した。また、この反射XA
FSデータを予め用意した透過XAFSへの変換プログ
ラムを用いて変換し、変換データを解析してZn原子周
りの最近接原子間距離を求めたところ、1.979Åと
なったものである。この値は、0ms〜100msの
間、変化することはなかった。従って、Au層上のZn
O膜は、エピタキシャル成長したものと考えられる評価
が得られる。
上に1000Åなる膜厚のAu層を設け、さらにその上
にZnO膜を積層した。ここに、9keVから10.7
keVまでのエネルギーのX線が同時に湾曲モノクロメ
ータ21で得られるようにセットし、0.5〜1.5°
の入射角で試料に入射させ、ZnO膜の成膜の初期から
100ms毎に反射XAFSデータを2秒までとった。
同様の測定を、ZnO膜の成膜の初期から同様にして2
0回繰返し、各データを積算した。また、この反射XA
FSデータを予め用意した透過XAFSへの変換プログ
ラムを用いて変換し、変換データを解析してZn原子周
りの最近接原子間距離を求めたところ、1.979Åと
なったものである。この値は、0ms〜100msの
間、変化することはなかった。従って、Au層上のZn
O膜は、エピタキシャル成長したものと考えられる評価
が得られる。
【0030】このような測定例を含め、本発明のX線評
価装置によれば、例えば、下記に列挙するような各種測
定が可能となる。
価装置によれば、例えば、下記に列挙するような各種測
定が可能となる。
【0031】 微小角反射X線測定 X線を試料11表面にすれすれの低入射角で入射させ、
その表面での反射X線強度の入射角依存性を二次元の検
出器15で計測する。二次元計測も行う。この結果、試
料11の表面・界面の粗さとか、膜の密度、膜厚等を、
成膜中にその場観察することにより瞬間的変化を評価で
きる。また、粗さの異方性もその場で評価できる。
その表面での反射X線強度の入射角依存性を二次元の検
出器15で計測する。二次元計測も行う。この結果、試
料11の表面・界面の粗さとか、膜の密度、膜厚等を、
成膜中にその場観察することにより瞬間的変化を評価で
きる。また、粗さの異方性もその場で評価できる。
【0032】 反射XAFS X線を試料11表面にすれすれの低入射角で入射させ、
その表面での反射X線強度のエネルギー依存性(吸収端
近傍)及び入射角依存性を計測する。この結果、局所的
原子構造(即ち、原子間距離、配位数、温度因子等)
や、電子構造をその場観察することにより時々刻々と変
化する様子を評価し得る。また、深さ方向の組成・構造
変化もその場で評価し得る。
その表面での反射X線強度のエネルギー依存性(吸収端
近傍)及び入射角依存性を計測する。この結果、局所的
原子構造(即ち、原子間距離、配位数、温度因子等)
や、電子構造をその場観察することにより時々刻々と変
化する様子を評価し得る。また、深さ方向の組成・構造
変化もその場で評価し得る。
【0033】 蛍光XAFS X線を試料11により全反射されるようにこの試料11
に入射させると、試料11表面から蛍光X線や二次電子
線や反射電子線が出射される。これらの強度の入射X線
エネルギー依存性(吸収端近傍)や入射角依存性を計測
する。この結果、上記の場合と同様に、局所的原子構
造(即ち、原子間距離、配位数、温度因子等)や、電子
構造の短時間変化を評価し得る。また、二次元検出器を
2個設ければ、このの計測と上記の計測とを同時に
行うこともできる。
に入射させると、試料11表面から蛍光X線や二次電子
線や反射電子線が出射される。これらの強度の入射X線
エネルギー依存性(吸収端近傍)や入射角依存性を計測
する。この結果、上記の場合と同様に、局所的原子構
造(即ち、原子間距離、配位数、温度因子等)や、電子
構造の短時間変化を評価し得る。また、二次元検出器を
2個設ければ、このの計測と上記の計測とを同時に
行うこともできる。
【0034】 X線小角散乱 X線を反射するようにして試料11表面に入射させ、二
次元の検出器15によりX線の散乱程度を計測する。こ
の結果、膜の構造・組織の短時間変化のその場での評価
が可能となる。
次元の検出器15によりX線の散乱程度を計測する。こ
の結果、膜の構造・組織の短時間変化のその場での評価
が可能となる。
【0035】 軟X線分光計測 本発明においては、真空中でX線を取扱うので、上記
〜に例示した計測以外に、従来では難しかった軟X線
を用いることも可能となる。即ち、上記〜の場合と
同様にして、軟X線で計測を行うと、従来では不可能で
あった高分子材料とかSi,Alといった低い原子番号
の材料についても、上述したような評価が可能となる。
さらには、従来では得られなかったフェルミレベルに近
い電子構造をも評価し得る。
〜に例示した計測以外に、従来では難しかった軟X線
を用いることも可能となる。即ち、上記〜の場合と
同様にして、軟X線で計測を行うと、従来では不可能で
あった高分子材料とかSi,Alといった低い原子番号
の材料についても、上述したような評価が可能となる。
さらには、従来では得られなかったフェルミレベルに近
い電子構造をも評価し得る。
【0036】 試料11がマニピュレータ22により
下向きに保持されているので、Kセル26等により成膜
しながら、上記〜の計測ができ、そのデータをフィ
ードバックさせることで成膜制御を行うことも可能とな
る。
下向きに保持されているので、Kセル26等により成膜
しながら、上記〜の計測ができ、そのデータをフィ
ードバックさせることで成膜制御を行うことも可能とな
る。
【0037】なお、本発明は、このような計測・解析に
限定されるものではなく、X線源として放射光を用いれ
ば、物質の表面構造等を広範な計測法で、かつ、1原子
層毎の変化であっても、評価可能なものである。
限定されるものではなく、X線源として放射光を用いれ
ば、物質の表面構造等を広範な計測法で、かつ、1原子
層毎の変化であっても、評価可能なものである。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、X線分光
器として湾曲結晶面を有してX線を分光して集光させる
ものを用い、かつ、X線分光器の湾曲結晶面を試料面に
対して直交するように配設させたので、分光したX線を
試料面に同時に入射させることができ、速度が制約され
る機械的な回転機構を用いることなく、ns単位やps
単位といった高速スキャニングを可能にすることがで
き、試料中の原子的構造変化を良好に観察できるものと
なり、この際、この湾曲結晶面で分光させたX線をスリ
ットを通して試料に入射させるようにしているので、散
乱によるX線が照射されることによるノイズ成分を軽減
できる。
器として湾曲結晶面を有してX線を分光して集光させる
ものを用い、かつ、X線分光器の湾曲結晶面を試料面に
対して直交するように配設させたので、分光したX線を
試料面に同時に入射させることができ、速度が制約され
る機械的な回転機構を用いることなく、ns単位やps
単位といった高速スキャニングを可能にすることがで
き、試料中の原子的構造変化を良好に観察できるものと
なり、この際、この湾曲結晶面で分光させたX線をスリ
ットを通して試料に入射させるようにしているので、散
乱によるX線が照射されることによるノイズ成分を軽減
できる。
【0039】この際、請求項2記載の発明においては、
検出器を、半導体位置検出素子とマイクロチャネルプレ
ートとのアセンブリとして構成し、ps単位の時間分解
能とμm単位の空間分解能とを併せ持つようにしたの
で、試料面に同時に入射されたX線に関して、どのエネ
ルギーの光が吸収されたかを時間分割で測定できるもの
となり、一層の高速スキャニングが可能となる。
検出器を、半導体位置検出素子とマイクロチャネルプレ
ートとのアセンブリとして構成し、ps単位の時間分解
能とμm単位の空間分解能とを併せ持つようにしたの
で、試料面に同時に入射されたX線に関して、どのエネ
ルギーの光が吸収されたかを時間分割で測定できるもの
となり、一層の高速スキャニングが可能となる。
【図1】本発明の一実施例の基本的思想を原理的に示す
構成図である。
構成図である。
【図2】より全体的な構成例を示す構成図である。
【図3】既提案例を示す構成図である。
【図4】そのX線分光器部分を示す構成図である。
11 試料 11a 試料面 13,21 X線分光器 13a,21a 湾曲結晶面 14 スリット 15 X線検出器 17 真空チャンバ 19 X線源 22 マニピュレータ
Claims (2)
- 【請求項1】 X線源と、このX線源からのX線を分光
して集光させる湾曲結晶面を有するX線分光器と、試料
面が前記X線分光器の湾曲結晶面と直交するように試料
を保持するマニピュレータと、前記X線分光器と前記試
料との間に配設されて前記X線分光器により集光された
X線の一部をカットするスリットと、前記試料から出射
されるX線を検出する検出器と、これらのX線源とX線
分光器とスリットと試料とマニピュレータと検出器とを
内蔵した真空チャンバとよりなることを特徴とするX線
評価装置。 - 【請求項2】 検出器を、半導体位置検出素子とマイク
ロチャネルプレートとのアセンブリとしたことを特徴と
する請求項1記載のX線評価装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5242332A JPH0798286A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | X線評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5242332A JPH0798286A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | X線評価装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0798286A true JPH0798286A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17087625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5242332A Pending JPH0798286A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | X線評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0798286A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014092073A1 (ja) | 2012-12-14 | 2014-06-19 | 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 | 散乱強度分布の測定方法及び測定装置 |
-
1993
- 1993-09-29 JP JP5242332A patent/JPH0798286A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014092073A1 (ja) | 2012-12-14 | 2014-06-19 | 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 | 散乱強度分布の測定方法及び測定装置 |
JP2014119294A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | High Energy Accelerator Research Organization | 散乱強度分布の測定方法及び測定装置 |
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