JPH079810Y2 - 包装具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、菓子等を包装するた
めの包装具に関し、特に、一枚のシート部材からなり、
非使用時において偏平なシートの状態の包装具に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】菓子等を包装するために、紙製の包装具
が使用されているのは周知のとおりである。このような
包装具は、外箱と、被包装物を外部からの衝撃から保護
するための緩衝物とからなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、これらの包
装具において、製造コストが高いという問題と、保管す
るのに不便であるという問題があった。外箱は、複数枚
のシート部材を打ち抜き、接着あるいはホッチキス止め
等によって組み立てられる。したがって、製造するのに
手間がかかり、コストが高い。また、組み立てられた外
箱は大きなスペースを占有するので、保管するのに極め
て不便であった。

【０００４】そこで、この考案は、製造コストが安く、
保管に要するスペースが小さい包装具を提供することを
課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本考案の包装具は、適度の剛直性を有する一枚の
矩形のシート部材が、長さ方向に間隔をおいて設けられ
た平行な谷折り線を介して、高さ寸法Ｈの被包装物を収
容するための収容孔を備えた頂壁、前記頂壁に対して直
角に折り曲げられる高さｈ（ただしｈ≦Ｈ）の側壁、前
記側壁に対して直角に折り曲げられ、前記頂壁に対向す
る底壁を連接してなるユニット構成領域と、前記ユニッ
ト構成領域における頂壁に、前記谷折り線に平行な山折
りたたみ線を介して連結され、前記ユニット構成領域に
おける頂壁の上部に重ね合わされる少なくとも一つの上
部のユニット構成領域と、前記ユニット構成領域におけ
る底壁に前記谷折り線を介して連結され、前記ユニット
構成領域における底壁と積み重ねられた最上段の前記上
部のユニット構成領域における頂壁との距離に対応する
長さ寸法の側蓋、前記側蓋に前記谷折り線を介して連接
された上蓋を備えてなる蓋体とを有することを特徴とす
るものである。

【０００６】

【作用】接着やホッチキス止めを必要とせず、シート部
材を打ち抜くだけで製造することができるので、従来の
包装具に比べ、製造コストが安い。また、偏平なシート
の状態で保管することができるので、従来の包装具に比
べ、保管に要するスペースが極めて小さい。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例について説明する。本
考案の包装具は、高さ寸法Ｈの非包装物１を集合配列
し、高さ方向に積層状に配列収納するようにしたもの
で、図１に示すように、段ボール等の適度の剛直性を有
するシート部材２を打ち抜いて作られている。シート部
材２は長さ方向に間隔をおいて設けられた平行な谷折り
線３を有し、谷折り線３を介して、被包装物１を収容す
るための収容孔４を備えた頂壁５と、頂壁５に対して直
角に折り曲げられる高さｈ（ただしｈ≦Ｈ）の側壁６
と、側壁６に対して直角に折り曲げられ、頂壁５に対向
する底壁７とが連接されたユニット構成領域８を有す
る。収容孔４の一辺には折線４ｂを介して舌片４ａが連
接されている。舌片４ａの高さＩは、側壁６、頂壁５を
折り曲げ、頂壁５を底壁７に平行に対向させ、舌片４ａ
を底壁７側に折り曲げたとき、舌片４ａの先端が底壁７
に当接するように設定されている。また、シート部材２
は、ユニット構成領域８の頂壁５に、谷折り線３に平行
な山折りたたみ線９を介して連結され、ユニット構成領
域８の頂壁５の上部に重ね合わされる上部のユニット構
成領域８’を有する。上部のユニット構成領域８’の頂
壁５には、谷折り線３を介して端壁１３が連接されてい
る。さらに、シート部材２は、ユニット構成領域８の底
壁７に谷折り線３を介して連結され、ユニット構成領域
８の底壁７と積み重ねられた上部のユニット構成領域
８’の頂壁５との距離に対応する長さ寸法の側蓋１０
と、側蓋１０に谷折り線３を介して連接された上蓋１１
とを備えてなる蓋体１２を有する。

【０００８】次に、シート部材２の組み立て方法につい
て説明する。先ず、ユニット構成領域８の側壁６、頂壁
５を谷折り線３に沿って直角に谷折りし、頂壁５を底壁
７に対向させ、舌片４ａを折線４ｂに沿って底壁７側に
直角に折り曲げる。収容孔４に被包装物３を収容する
と、被包装物３の底面が底壁７に当接し、被包装物３の
上部が頂壁５より上に突出する。また、舌片４ａの先端
が底壁７に当接し、頂壁５が底壁７と平行に保たれる。
次に、ユニット構成領域８’を山折りたたみ線９に沿っ
て折り曲げ、上部のユニット構成領域８’の底壁７をユ
ニット構成領域８の被包装物３上に重ねる。上部のユニ
ット構成領域８’の側壁６、頂壁５、舌片４ａをユニッ
ト構成領域８と同様に折り曲げ、収容孔４に被包装物３
を収容する。そして、端壁１３を谷折り線３に沿って下
方に折り曲げ、蓋体１２の側蓋１０を谷折り線３に沿っ
て上方に折り曲げ、端壁１３に重ねる。最後に、蓋体１
２の上蓋１１を谷折り線３に沿って下方に折り曲げ、上
部のユニット構成領域８’の被包装物３上に重ね、上蓋
１１をセロテープ等によって上部のユニット構成領域
８’の側壁６に係止すると、図２、３に示すように、包
装が完成する。

【０００９】なお、端壁１３、舌片４ａは省くこともで
きる。また、収容孔４の形状は、包装される被包装物３
の横断面形状に対応する形状であれば、どのような形状
であってもよい。また、ユニット構成領域８に積み重ね
られる上部のユニット構成領域８’の数は何個であって
もよい。

【００１０】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の包装具で
は、シート部材２の他に緩衝材等を使用しないので、従
来の包装具に比べ、部品点数を減らすことができる。ま
た、本考案の包装具はシート部材２を打ち抜くだけで製
造することができ、接着やホッチキス止めを必要としな
いので、製造が非常に容易である。さらに、シート部材
２は矩形状なので、紙取りが良く、材料費を節減するこ
とができる。したがって、従来の包装具に比べ、製造コ
ストを大幅に低減することができる。また、非使用時に
おいては、偏平なシートの状態で保管することができ、
保管に要するスペースが極めて小さいので、保管が容易
である。したがって、所期の目的を達成することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】シート部材２の展開図

【図２】包装具を組み立てた状態を示す側面図。

【図３】図１の平面図。

【符号の説明】

１ 被包装物 ２ シート部材 ３ 谷折り線 ４ 収容孔 ５ 頂壁 ６ 側壁 ７ 底壁 ８ ユニット構成領域 ８’上部のユニット構成領域 ９ 山折りたたみ線 １０ 側蓋 １１ 上蓋 １２ 蓋体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高さ寸法Ｈの複数個の被包装物１を集合
   配列し、高さ方向に積層状に配列収納するようになした
   包装具であって、 適度の剛直性を有する幅寸法Ｗ、長さ寸法Ｌの矩形のシ
   ート部材２からなり、前記シート部材２が、長さ方向に
   間隔をおいて設けられた平行な谷折り線３を介して、被
   包装物１を収容するための収容孔４を備えた頂壁５、前
   記頂壁５に対して直角に折り曲げられる高さｈ（ただし
   ｈ≦Ｈ）の側壁６、前記側壁６に対して直角に折り曲げ
   られ、前記頂壁５に対向する底壁７を連接してなるユニ
   ット構成領域８と、 前記ユニット構成領域８における頂壁５に、前記谷折り
   線３に平行な山折りたたみ線９を介して連結され、前記
   ユニット構成領域８における頂壁５の上部に重ね合わさ
   れる少なくとも一つの上部のユニット構成領域８’と、 前記ユニット構成領域８における底壁７に前記谷折り線
   ３を介して連結され、前記ユニット構成領域８における
   底壁７と積み重ねられた最上段の前記上部のユニット構
   成領域８’における頂壁５との距離に対応する長さ寸法
   の側蓋１０、前記側蓋１０に前記谷折り線３を介して連
   接された上蓋１１を備えてなる蓋体１２とを有すること
   を特徴とする包装具。