JPH0797563A - 半導体素子の封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

半導体素子の封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置

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JPH0797563A
JPH0797563A JP24128493A JP24128493A JPH0797563A JP H0797563 A JPH0797563 A JP H0797563A JP 24128493 A JP24128493 A JP 24128493A JP 24128493 A JP24128493 A JP 24128493A JP H0797563 A JPH0797563 A JP H0797563A
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JP
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resin
epoxy resin
resin composition
semiconductor element
epoxy
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Application number
JP24128493A
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Inventor
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Yoshiki Matsuoka
祥樹 松岡
Koji Yamatsuta
浩治 山蔦
Hiroshi Shiomi
浩 塩見
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記の(a)、(b)、(c)、および(d)
を必須成分とする樹脂組成物であって、(c)成分のふ
っ素原子を含有するラジカル重合可能なモノマーが、分
散安定化剤の存在下で系内に均一に分散していることを
特徴とする半導体素子の封止用樹脂組成物およびこの樹
脂組成物を用いて封止して得られる樹脂封止型半導体装
置。 (a)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)ふっ素原子を含有するラジカル重合可能なモノマ
ー (d)ラジカル重合開始剤 樹脂組成物としては、なかでも、(c)成分としてはア
クリル酸および/またはメタクリル酸の含ふっ素アルコ
ールエステルを用いたものが好ましく、また、実用的に
は各種の無機質の充填材および添加剤を配合して用い
る。 【効果】従来の封止用エポキシ樹脂組成物と比べて、そ
の硬化特性、取扱い性および耐熱性において同等であ
り、吸湿率において優れた樹脂封止型半導体装置を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子の封止用と
して有用な樹脂組成物およびそれを用いた樹脂封止型半
導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI、IC、トランジスター等
の半導体素子の封止には、性能および価格の優位性から
エポキシ樹脂が使用されている。封止の方法は、固体状
のエポキシ樹脂を用いたトランスファー成形や液状エポ
キシキシ樹脂を用いた注型法やディッピング法などが使
用されている。
【0003】本用途におけるエポキシ樹脂については数
々の改良が行われてきた。その中でも異種のポリマーを
エポキシ樹脂系内に導入し、高機能化を図る種々の方法
が検討されている。それらの技術としては以下のような
ものが挙げられる。例えば、未硬化の熱硬化性樹脂中に
ポリマー微粒子を添加し、分散安定化剤の非存在下ある
いは存在下で該ポリマー微粒子を機械的に攪拌し分散さ
せた後に、該熱硬化性樹脂を硬化させる方法が知られて
いる。該ポリマー微粒子として、ふっ素系ポリマー微粒
子を用いることが知られているが、この場合、系の粘度
上昇による作業性の低下や、ポリマー微粒子の均一分散
が難しい。
【0004】また、未硬化の熱硬化性樹脂中にポリマー
を均一に溶解しておき、熱硬化性樹脂の重合の進捗にと
もない溶解していたポリマーを析出させて、異種ポリマ
ードメインを形成させる方法も知られている。また、未
硬化の熱硬化性樹脂中に重合性モノマーを分散安定剤存
在下で分散しておき、該重合性モノマーを熱硬化性樹脂
の重合・硬化に先立ちin−situ重合し、安定分散
したポリマー微粒子を未硬化の熱硬化性樹脂系内に形成
し、しかる後に該熱硬化性樹脂を硬化する技術もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近ではLSIの表面
実装が行われており、樹脂封止型半導体装置が直接ハン
ダ浴中に浸漬される場合が増えてきた。その際、封止材
は200℃以上の高温に曝されるため、封止材が吸水し
た水分の膨脹により封止材にクラックを生じたり、ダイ
パッドとの界面に剥離を生じる等の問題点があり、エポ
キシ樹脂の長所である密着性や機械的性能、あるいは作
業性の良さを損なうことなく、耐水性を向上(低吸水化
と言ってもよい)させることが求められている。すなわ
ち、本発明は、エポキシ樹脂の長所を損なうことなく、
耐水性を向上させることができる、半導体素子の封止用
途に有用な樹脂組成物およびそれから得られる樹脂封止
型半導体装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は以下に
記す発明からなる。 (1)下記の(a)、(b)、(c)、および(d)を
必須成分とする樹脂組成物であって、(c)成分のふっ
素原子を含有するラジカル重合可能なモノマーが、分散
安定化剤の存在下で系内に均一に分散していることを特
徴とする半導体素子の封止用樹脂組成物。 (a)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)ふっ素原子を含有するラジカル重合可能なモノマ
ー (d)ラジカル重合開始剤
【0007】(2)ふっ素原子を含有するラジカル重合
可能なモノマーが、アクリル酸および/またはメタクリ
ル酸の含ふっ素アルコールエステルである上記項(1)
記載の半導体素子の封止用樹脂組成物。 (3)上記項(1)または(2)記載の半導体素子の封
止用樹脂組成物を用いて封止して得られることを特徴と
する樹脂封止型半導体装置。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。ふ
っ素系ポリマーが種々の機能を有することは周知である
が、なかでも表面エネルギーが他の樹脂に比べて極めて
低く、撥水性が高い材料であることを利用した用途は多
い。
【0009】本発明の半導体素子の封止用樹脂組成物
は、以下に記すように、その硬化工程においては、エポ
キシ樹脂の硬化とともに、ふっ素原子を含有するラジカ
ル重合可能なモノマーが重合し、ふっ素系ポリマー粒子
が均一に分散して含有されているエポキシ樹脂の硬化物
を与えることができる。
【0010】すなわち本発明によれば、硬化樹脂の構造
として、硬化したエポキシ樹脂をマトリックスとしてふ
っ素系ポリマー粒子が均一に分散した構造となる。した
がって、密着性や耐熱性等の性能はマトリックスである
エポキシ樹脂単身の場合に比べて遜色がない。一方、高
撥水性のふっ素樹脂粒子が均一に分散しているから、表
面で撥水する特性を有するので、エポキシ樹脂の内部に
吸水され難く、その結果として、エポキシ樹脂の長所を
損なうことなく耐水性を向上させることを可能にしてい
る。
【0011】本発明に用いられる(a)成分であるエポ
キシ樹脂としては、従来より公知慣用のものを挙げるこ
とできる。これらのものについて具体的に例示すると以
下のものがある。分子中に2個のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、
レゾルシン等の二価フェノール類、または、p−オキシ
安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジル
エステル化合物、5,5−ジメチルヒダントイン等から
誘導されるヒダントイン系エポキシ樹脂、2,2−ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、2,2
−ビス〔4−(2,3−エポキシシプロピルシクロヘキ
シル〕プロパン、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ
樹脂、その他N,N−ジグリシジルアニリンなどがある
がこれらに限定されるものではない。
【0012】また、1分子あたり3個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂としては、p−アミノフェノー
ル、m−アミノフェノール、4−アミノ−m−クレゾー
ル、6−アミノ−m−クレゾール、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキ
シ)プロパン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トル
エンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、1,4−シクロヘキサン−ビス(メチルア
ミン)、1,3−シクロヘキサン−ビス(メチルアミ
ン)等から誘導されるアミン系エポキシ樹脂、フェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール
等のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物であ
るノボラック樹脂から誘導されるノボラック系エポキシ
樹脂、フロログリシン、トリス−(4−ヒドキシフェニ
ル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、ビス〔α−(ジヒドロキジフェ
ニル)−α−メチルエチル〕ベンゼン等の3価以上のフ
ェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物等
の他、トリグリシジルイソシアヌレート、2,4,6−
トリグリシジル−s−トリアジン等があるが、これらに
限定されるものではない。
【0013】また、本発明の(b)成分であるエポキシ
硬化剤としては、従来より公知慣用のものが使用され、
例えば、芳香族アミンおよび脂肪族アミンなどのアミン
系硬化剤、フェノールノボラックやクレゾールノボラッ
クなどのポリフェノール化合物、さらには酸無水物、ジ
シアンジアミド、ヒドラジド化合物等を挙げることがで
きる。エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の割合は、硬化剤
の活性水素がエポキシ1モルに対して0.5〜1.5モ
ルとなるよう配合される。
【0014】さらに必要に応じて、硬化促進剤を添加す
ることができる。例えば、硬化促進剤としては、ベンジ
ルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロウンデ
セン等のアミン類や2−エチル−4−メチルイミダゾー
ルなどのイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯
体、有機ホスフィン化合物などが挙げられる。
【0015】次に本発明に使用される(c)成分である
ふっ素原子を含有するラジカル重合性モノマーについて
説明する。ラジカル重合可能な含ふっ素モノマーはすべ
て本発明の対象となるが、フルオロアルキル基含有ラジ
カル重合性モノマーが好ましく、アクリル酸,メタクリ
ル酸,2−フルオロアクリル酸とパーフルオロアルコー
ルから誘導される化合物がより好ましい。これらのもの
を例示すると以下のものがある。
【0016】2,2,2−トリフルオロエチルアクリレ
ート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルア
クリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリ
レート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレ
ート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレー
ト、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、
2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリ
レート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エ
チルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルオ
クチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9
−メチルデシル)エチルアクリレート、2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,
5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1
H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1
H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレー
ト、1H,1H,11H−アイコサフルオロウンデシル
アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオ
ロブチルアクリレート、2,2,2−トリフロロ−1−
トリフロロメチルエチルアクリレート、3−パーフルオ
ロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−
パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチル
ブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、およ
びこれらのα位のふっ素置換体。2,2,2−トリフロ
ロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ
ブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロヘ
キシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロオ
クチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロデ
シル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−3
−メチルブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフ
ルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタクリレート、
2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタ
クリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)
エチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタ
フルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,7H−
ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、1H,1H,
9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1
H,1H,11H−アイコサフルオロウンデシルメタク
リレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブ
チルメタクリレート、2,2,2−トリフロロ−1−ト
リフロロメチルエチルメタクリレート、3−(パーフル
オロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシ
ル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−
(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−
メチルデシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、N−プロピル−N−(β−アクリロキシエチル)パ
ーフルオロオクタンスルホンアミド、N−プロピル−N
−(β−メタクリロキシエチル)パーフルオロオクタン
スルホンアミドなどがあり、これらのうち一種類ないし
二種類以上を組み合わせて用いることができる。さらに
は、ふっ素原子を含有しないラジカル重合性モノマーを
添加することも可能であり、ジビニルベンゼン等の多官
能モノマーを添加、共重合させることでふっ素系ポリマ
ー粒子に架橋構造を導入することも有用な技術である。
【0017】ふっ素原子を含有するラジカル重合性モノ
マーの添加量は、未硬化のエポキシ樹脂組成物100重
量部に対して、5〜50重量部が好ましい。この量未満
では所望の撥水性が達成できず、またこれを越える量で
は硬化後に形成される成形物等の表面の機械的強度の低
下が著しい。
【0018】上記のラジカル重合性の含ふっ素モノマー
は、所定の重合開始剤を添加することにより重合するこ
とができる。本発明の成分(d)である該重合開始剤と
しては、熱分解によりラジカルを発生する各種化合物を
用いることができるが、例示すると以下のもの等があ
る。
【0019】過酸化物としては、クメンヒドロペルオキ
シド、第三ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジ第三ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベン
ゾイル、過酸化アセチル、メチルエチルケトンペルオキ
シド、過酸化ラウロイル等を挙げることができる。−N
=N−結合を有するアゾビスイソブチロニトリル類を用
いることができる。また、過酸化水素−Fe2+、過硫酸
塩−NaHSO3 、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリ
ン等の二元開始剤を用いることもできる。
【0020】なお、これら開始剤系はマトリックスとな
るエポキシ樹脂の硬化温度や、保存寿命等を考慮して選
択される。エポキシ樹脂の硬化が含ふっ素モノマーの重
合より先に起こると、その重合に際しての含ふっ素モノ
マーの大きな重合収縮のために、エポキシ樹脂と含ふっ
素ポリマー粒子との間に空隙が生成してしまい、特に機
械的性能の低下を招くことがある。このような問題を起
こすことなく、本発明により得られる樹脂系の良好な性
能を確保するためには、エポキシ樹脂の硬化工程におい
て、含ふっ素モノマーの重合をマトリックスであるエポ
キシ樹脂の硬化反応に先行させることが好ましく、この
ような重合反応の調整は、本発明を実施するに際して重
要な技術となる。
【0021】つぎに本発明に用いられる分散安定化剤に
ついて説明する。分散安定化剤としては、例えばパーフ
ルオロアルキル基を疎水基として有するオリゴマーある
いはポリマーが好ましいものであるが、未硬化のエポキ
シ樹脂中に上記含ふっ素モノマーを安定に均一分散さ
せ、かつ、重合・硬化反応中も含ふっ素モノマーまたは
含ふっ素ポリマーを安定に均一分散させることができる
ものであればこの限りではない。具体的に本発明に好ま
しい分散安定化剤を市販品から例示すると以下のものな
どがある。 (1)メガファックF−177(商品名、大日本インキ
(株)製のパーフルオロアルキル基含有オリゴマ−) (2)フロラードFC−430(商品名、スリーエム社
製のフルオロアリファティックポリメリックエステル) (3)ユニダインDS−451(商品名、ダイキン工業
(株)製のパーフルオロアルキルオリゴマー)
【0022】なお、分散安定化剤の添加量としては硬化
剤が配合されたエポキシ樹脂組成物100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜5.0重量部、より好ましく
は0.1〜2.0重量部である。
【0023】また、本発明の封止用樹脂組成物には、無
機質充填材を添加することができる。無機質充填材とし
ては、シリカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アル
ミニウム、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、
特にシリカおよびアルミナが好ましい。これらは、その
形状(球状あるいは破砕型)、または大きさの異なるも
のを混合して充填量を増やして使用することもできる。
半導体素子の封止に用いる場合の無機質充填材の配合割
合は、樹脂組成物全量中の10〜90重量%が作業性や
性能から好ましい範囲である。
【0024】本発明の組成物において、その他必要に応
じて天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸および金
属塩類、もしくはパラフィン等の離型剤、あるいはカー
ボンブラック等の着色剤、さらに、シランカップリング
剤等の表面処理剤なども添加できる。また、三酸化アン
チモン、リン化合物、ブロム化エポキシ樹脂などの難燃
化剤を加えることも有用である。また、低応力化するた
めに、各種エラストマーを添加することもできる。具体
的には、エラストマーとしてポリブタジエン、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、シリコンゴム、シリコ
ンオイルなどを添加できる。これらのものとしては、そ
の分子中にエポキシ基と反応する基を有するエラストマ
ーが特に好適である。
【0025】本発明の樹脂組成物の製造方法について例
示する。硬化剤成分が配合されたエポキシ樹脂および重
合開始剤成分が配合されたふっ素原子を含有するラジカ
ル重合可能なモノマーを調製し、両者を所定量の分散安
定剤とともに、機械的攪拌等により均一に混合し、ふっ
素原子を含有するラジカル重合可能なモノマーよりなる
液滴が均一に分散されたエポキシ樹脂組成物を得る。な
お、重合開始剤成分については、エポキシ樹脂に直接添
加することも可能である。さらに、所定の添加剤等を添
加し、混練することにより半導体素子の封止用樹脂組成
物を得ることができる。
【0026】本発明の樹脂組成物を用いて樹脂封止型半
導体装置を製作には、トランスファー成形、圧縮成形、
射出成形の他、注型法やディッピング法などを用いるこ
とができる。
【0027】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。樹脂組成物の混合物および硬化成形物
の評価は以下の通りである。
【0028】(1)ゲルタイム:実施例および比較例で
得られた樹脂組成物の混合物を150℃の熱板の凹部に
0.5gをとり、ゲル化までの時間を測定した。 (2)粘度:コントラバス社製回転粘度計(型式:レオ
マット115)を用いて25℃において測定した。な
お、剪断速度は20 sec-1であった。 (3)ガラス転移温度:(株)島津製作所製熱機械的性
能分析装置(型式:DT−30)を用いて測定した。 (4)吸湿率:アドバンテック社製恒温恒湿装置(型
式:AGX−326)を用い、温度85℃、湿度85%
の条件で72時間放置した際の吸水量を測定した。
【0029】実施例1 エポキシ樹脂としてスミエポキシELA128(商品
名、住友化学工業(株)製、ビスフェノールA系液状エ
ポキシ樹脂)100重量部,HN5500(商品名、日
立化成(株)製、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)8
5重量部,スミキュアーD(商品名、住友化学工業
(株)製、トリス(ジアミノメチル)フェノール)1重
量部よりなるエポキシ樹脂組成物を90g調製した。続
いて、β−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレー
ト(共栄社油脂化学工業製、商品名ライトアクリレート
FA−108)10gにアゾビスイソブチロニトリル
(和光純薬(株)製)0.01gを添加し40℃で加熱
溶解し、ふっ素ポリマ−重合用原料とした。該ふっ素ポ
リマ−重合用原料10gを上記のエポキシ樹脂組成物9
0gに添加した。さらに、分散安定化剤としてフロラ−
ドFC430(前述)1.0gを添加し、2000rp
mで3分間攪拌することにより本発明の半導体素子の封
止用樹脂組成物を得た。該樹脂組成物は25℃における
粘度が1200センチポイズの乳白色の均一な液状体で
あった。
【0030】実施例2、3 組成比が異なる他は実施例1と全く同様の操作により本
発明の樹脂組成物を得た。すべて実施例1と同様の乳白
色の均一な液状体であった。
【0031】実施例4〜6 実施例1〜3で得られた樹脂組成物に、それぞれ、充填
材としてのアルミナ粒子(住友化学工業(株)製、商品
名AKP−15、平均粒径0.7μm)、該アルミナ粒
子の表面処理剤としてシランカップリング剤(東レ・ダ
ウコ−ニングシリコン社製、商品名SH−6040、γ
−グリシドキシトリメトキシシラン)およびカ−ボンブ
ラックを表1に示したように配合し、自動乳鉢にて1時
間攪拌混合することにより本発明の半導体素子の封止用
樹脂組成物を得た。100℃に加温した該封止用樹脂組
成物を3mm×100mm×100mmの大きさの型に
注型し、100℃で2時間、続いて150℃で4時間硬
化を行い、樹脂板を得た。この樹脂板を所定の寸法に切
り出し、性能評価に供した。その結果を表1に示した。
【0032】比較例1 ふっ素原子を含有するラジカル重合可能なモノマ−を含
まない従来の封止用エポキシ樹脂組成物を表1の組成で
調合し、実施例4〜6と同様の性能評価を行った。その
結果を表1に示した。
【0033】
【表1】 (注) *1 組成は重量部 *2 エポキシ樹脂とは、スミエポキシELA128(1
00重量部)、HN5500(85重量部)およびスミ
キュアーD30(1重量部)よりなる配合物である。 *3 β−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート *4 アゾビスイソブチロニトリル ←印は左の欄と同じであることを意味する。
【0034】
【発明の効果】本発明の半導体素子の封止用樹脂組成物
は、従来の封止用エポキシ樹脂組成物と比べて、その硬
化特性(ゲルタイム)、取扱い性(粘度)および耐熱性
(ガラス転移温度)において同等であり、吸湿率におい
て優れた樹脂封止型半導体装置を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩見 浩 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)、(b)、(c)、および
    (d)を必須成分とする樹脂組成物であって、(c)成
    分のふっ素原子を含有するラジカル重合可能なモノマー
    が、分散安定化剤の存在下で系内に均一に分散している
    ことを特徴とする半導体素子の封止用樹脂組成物。 (a)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
    樹脂 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)ふっ素原子を含有するラジカル重合可能なモノマ
    ー (d)ラジカル重合開始剤
  2. 【請求項2】ふっ素原子を含有するラジカル重合可能な
    モノマーが、アクリル酸および/またはメタクリル酸の
    含ふっ素アルコールエステルである請求項1記載の半導
    体素子の封止用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の半導体素子の封止
    用樹脂組成物を用いて封止して得られることを特徴とす
    る樹脂封止型半導体装置。
JP24128493A 1993-06-30 1993-09-28 半導体素子の封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 Pending JPH0797563A (ja)

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CA002126958A CA2126958A1 (en) 1993-06-30 1994-06-28 Cured resin product, a process for producing the same, a resin composition and the use of the same
EP94110043A EP0632059A3 (en) 1993-06-30 1994-06-28 Interpenetrating networks of unsaturated monomers and thermosetting resins.
KR1019940015275A KR950000753A (ko) 1993-06-30 1994-06-29 경화 수지 제품, 이의 제조 방법, 수지 조성물 및 이의 용도

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024071234A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化物、硬化物の製造方法、半導体パッケージ、及び、半導体パッケージの製造方法

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