JPH0797407B2

JPH0797407B2 - 境界追跡型凸包生成方法

Info

Publication number: JPH0797407B2
Application number: JP1141227A
Authority: JP
Inventors: 文雄久保
Original assignee: Stanley Electric Co Ltd
Current assignee: Stanley Electric Co Ltd
Priority date: 1989-06-05
Filing date: 1989-06-05
Publication date: 1995-10-18
Anticipated expiration: 2010-10-18
Also published as: JPH036778A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、平面上に描かれたディジタル図形におい
て、対象図形を含む最小の凸集合を得る境界追跡型凸包
生成方法に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の平面上に描かれた対象図形の凸集合を得
る凸包生成方法としては、以下のような方法が提案され
ている。

すなわち、先ず、第５図に示すように、平面に描かれた
対象図形に対して互いに直交するＸ軸,Y軸を設定し、図
の矢印方向にラスタ走査を行う。そして、各走査ライン
毎に値が変化する境界座標を求め、表１のようなｎ個の
座標系列を作成する。

次に、上記座標系列の中から連続する３点を選び、中央
の点が内部点であればその点を除去する。そして、残り
の各点を凸包を生成する頂点として抽出し、これらの点
をつないで凸包を生成する。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような凸包生成方法にあっては、ラスタ走査によ
り求めた座標系列から圧縮した座標系列を作成すること
ができるので、処理時間が大幅に短縮されるという利点
を有しているが、平面上に複数の図形が存在した場合に
は、ラスタ走査により各図形の境界を抽出するため、複
数の図形を含む凸包が生成されてしまい、特定の対象図
形のみを含む凸包を生成することができないという問題
点を有している。

この発明は、このような問題点に着目してなされたもの
で、平面上に複数の図形が存在する場合でも特定の対象
図形のみの凸包を生成することができ、また、処理時間
の短い境界追跡型凸包生成方法を提供することを目的と
している。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の境界追跡型凸包生成方法は、平面上に描かれ
た対象図形の中から任意の境界点を求め、この境界点か
ら出発して該図形の境界を追跡し、それらの境界点から
連続する３点を選び、中央の点が内部点であればその点
を除去して前記対象図形を含む凸包の頂点を抽出するよ
うにしたものである。

〔作用〕

この発明の境界追跡型凸包生成方法においては、図形の
境界を追跡して凸包の頂点を抽出するようにしているの
で、平面上の他の図形の影響を受けることなく、対象図
形の凸包を生成することができる。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を第１図ないし第４図につい
て説明する。

（ａ）先ず、第１図に示すように、１〜ｍの値を持つＸ
軸と１〜ｎの値を持つＹ軸とで構成されるディジタル平
面上に描かれた図形を対象とし、その凸包を生成するこ
とを考える。

（ｂ）この時、上記の対象図形に対し、大きさｎの二つ
の作業領域Ａ（ｎ）,B（ｎ）を用意する。

（ｃ）そして、表２に示すように、一方の作業領域Ａに
はｍ＋1,他方の作業領域Ｂには０を初期値として与え
る。

（ｄ）次に、上記の図形内の任意の点Ｑを与える。

（ｅ）そして、点Ｑから例えば右方向（Ｘ方向）に走査
して境界点Ｓ（Sx,Sy）を求め、該図形の作業対象とな
るn1〜n2の作業領域に対し、n1＝Sy,n2＝Syとしてお
く。

（ｆ）次に、上記境界点Ｓから出発して矢印方向の右回
りに該図形の境界を追跡し、それらの全ての境界点に対
して以下の（ｇ）の処理を行う。

（ｇ）すなわち、ある境界点Ｐの座標値を（Px,Py）と
して、次の処理を行う。

ｉ）Px＜Ａ（Py）ならば、Ａ（Py）＝Px ii）Px＞Ｂ（Py）ならば、Ｂ（Py）＝Px iii）Py＜n1ならば、n1＝Py iv）Py＞n2ならば、n2＝Py （ｈ）そして、上記の境界追跡処理が終了すると、第２
図及び第３図の太い実線で示される境界点のＸ座標値
が、表３及び表４のように各作業領域A,Bのn1〜n2に格
納される。

（ｉ）次に、各作業領域のn1〜n2に格納された境界点か
ら連続する３点を選び、中央の点が内部点であればその
点を除去していき、上記対象図形を含む凸包の頂点を抽
出する。

（ｊ）そして、第４図に示すように、上記抽出された二
つの作業領域内の凸頂点をつなぎ、対象図形の凸包を生
成する。

以上のようにして、平面上に描かれた図形の凸包を生成
することができるが、その際境界を追跡することによっ
て凸包を生成するため、平面上の他の図形の影響を受け
ることはない。従って、平面上に複数の図形が存在する
場合でも、特定の対象図形のみの凸包を生成することが
できる。

また、平面上にただ一つの図形が存在している場合で
も、走査型に比べて全体の処理をより高速に短時間で行
うことができる。なお、本実施例では２つの作業領域A,
Bの大きさをｎとしたが、これをｍとして、境界点のＹ
座標値をm2〜m1に格納しても、同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。

この場合、前述の（ｇ）の処理は次のようになる。

ｉ′）Py＜Ａ（Px）ならば、Ａ（Px）＝Py ii′）Py＞Ｂ（Px）ならば、Ｂ（Px）＝Py iii′）Px＜m2ならば、m2＝Px iv′）Px＞m1ならば、m1＝Px 〔発明の効果〕以上のように、この発明によれば、図形の境界を追跡し
て凸包の頂点を抽出するようにしたため、平面上の他の
図形の影響を受けることなく、特定の対象図形のみの凸
包を生成することができ、また、全体の処理時間が短く
なるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの発明に係る境界追跡型凸包生
成方法による処理手順を示す説明図、第５図は従来例を
示す説明図である。 S,P……境界点

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】１〜ｍ（ｍは正の整数）の値を持つＸ軸と
１〜ｎ（ｎは正の整数）の値を持つＹ軸とで構成される
ディジタル平面上に描かれた対象図形に対し、大きさｎ
あるいはｍの２つの作業領域A,Bを用意し、一方の作業
領域Ａにはｍ＋１あるいはｎ＋１、他方の作業領域Ｂに
は０を初期値として与えると共に、該対象図形の中から
任意の境界点Ｓ（Sx,Sy）を求め、該図形の作業対象と
なるn1〜n2あるいはm2〜m1の作業領域に対し、n1＝Sy,n
2＝Syあるいはm2＝Sx,m1＝Sxとし、前記境界点Ｓから出
発して該図形の境界を追跡し、それら全ての境界点Ｐ
（px,Py）に対して以下のｉ）〜iv）あるいはｉ′）〜i
V′）の処理を行った後、各作業領域A,Bのn1〜n2あるい
はm2〜m1に格納された境界点から連続する３点を選び、
中央の点が内部点であればその点を除去して前記対象図
形を含む凸包の頂点を抽出するようにしたことを特徴と
する境界追跡型凸包生成方法。ｉ）Px＜Ａ（Py）ならばＡ（Py）＝Px ｉ′）Py＜Ａ
（Px）ならばＡ（Px）＝Py ii）Px＞Ｂ（Py）ならばＢ（Py）＝Px ii′）Py＞Ｂ
（Px）ならばＢ（Px）＝Py iii）Py＜n1ならばn1＝Py iii′）Px＜m2ならばm2＝Px iv）Py＞n2ならばn2＝Py iv′）Px＞m1ならばm1＝Px