JPH0797375B2 - 辞書検索装置 - Google Patents

辞書検索装置

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JPH0797375B2
JPH0797375B2 JP4309217A JP30921792A JPH0797375B2 JP H0797375 B2 JPH0797375 B2 JP H0797375B2 JP 4309217 A JP4309217 A JP 4309217A JP 30921792 A JP30921792 A JP 30921792A JP H0797375 B2 JPH0797375 B2 JP H0797375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単語を音声で入力し、
その単語に関する詳細な情報を辞書から検索してユーザ
に示すような辞書検索装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
計算機で文書を適当な表示装置に表示し、その文書を閲
覧するシステムが増えている。その際、文章中に意味の
よく分からない単語があり、ユーザが辞書を引いてその
詳細な意味を得たいという場合がある。このような場合
に、いちいち国語辞典のような本を使って意味を調べる
のは面倒である。これに対処するため、計算機上で検索
可能な辞書を用意し、計算機の画面上にその単語の情報
を表示できるようにした辞書検索装置が開発されてい
る。
【0003】図23は、そのような辞書検索装置の構成
例である。計算機上で文書を閲覧している利用者が、検
索キー入力部101 から適当な方法で検索したい単語を入
力すると、辞書検索部102 は入力された単語を検索キー
として情報検索用辞書103 から指定の単語を検索し、そ
の単語のエントリにある詳細情報を読み出し、検索結果
表示部104 に渡し、検索結果表示部104 は表示装置に該
単語の詳細情報を表示する。
【0004】上述の辞書検索装置において、検索キー入
力部101 による入力操作方法としては、従来、検索した
い単語をキーボードから打ち込む方法、及び、カーソル
やマウスなどにより表示された文書中の検索対象単語を
指示する方法の二つがある。
【0005】しかし、そのような操作を行なうことは、
表示されている閲覧文書への利用者の集中を妨げるとい
う問題があった。そこで、検索したい単語を音声で入力
する方法が考えられている。
【0006】図24は、音声入力のできる辞書検索装置
の構成例である。この構成では、図23の場合の検索キ
ー入力部101 の代わりに音声認識装置108 が置かれる。
音声認識装置108 は、音声入力部105 、音声認識部106
、及び、音声認識用辞書107で構成される。
【0007】音声入力部105 は、利用者が入力する音声
をマイクロホン等で受け取り、所定の音声信号にして音
声認識部106 に渡す。図1は、音声入力部105 の構成例
である。音声入力部105 は、例えば、マイクロホン251
、A/D変換部252 、フーリエ変換(FFT)部253
で構成し、マイクロホン251 で受け取って出力する音声
のアナログ信号をA/D変換部252 でディジタル信号に
変換し、そのディジタル信号をFFT部253 でフーリエ
変換し、周波数スペクトルの時系列データとして出力す
る。以上の音声入力部105 の構成では、周波数スペクト
ルの時系列データを出力とし、音声認識部106 に入力す
る。
【0008】ここで、FFTは音声信号の周波数分析の
一例として取り上げたものであり、これ以外にも種々の
分析方法に置き換えることが可能である。図2は、音声
認識部106 の構成例である。音声認識部106 は、例え
ば、DP照合部361 と認識結果生成部362 で構成する。
DP照合部361 は音声入力部105 から入力される周波数
スペクトル・データを、音声認識用辞書107 に保持する
テンプレートと比較し、両者の類似度として所定の距離
を表す値を求める。その距離は、例えば、公知のダイナ
ミック・プログラミング(DP)法によって求めること
ができる。
【0009】以上のために、音声認識用辞書107 には、
辞書検索に必要なすべての単語のそれぞれについて、各
単語の周波数スペクトルに基づいた特徴を持つテンプレ
ートを作成し、単語と対応付けて登録しておく。
【0010】認識結果生成部362 は、音声認識用辞書10
7 中に登録されている各単語と、音声入力部105 に入力
された検索したい単語の類似度(距離)を比較し、距離
の小さい順に有力な認識結果候補として、例えば、ある
値より小さい距離をもつ単語を認識結果として出力す
る。
【0011】認識結果の単語を図24の辞書検索部102
が受け取り、前記図23について説明したと同様に、そ
れを検索キーとして、情報検索用辞書103 を検索し、検
索した詳細情報を、検索結果表示部104 が表示する。
【0012】なお、以上に述べた音声入力部105 、音声
認識部106 の詳細構成、および、音声認識用辞書のテン
プレートの内容等は、一音声認識方式の場合の一例であ
って、他に各種の音声認識方式があり、それらに応じて
構成は異なる。
【0013】上述の如く、音声入力した単語を検索キー
として辞書検索処理を行なう場合には、音声認識用辞書
あるい辞書検索用辞書のいずれかに該単語が登録されて
いないために、該単語を検索できなくなることがあると
いう問題を有している。
【0014】検索単語をキーボード等で入力する従来の
辞書検索装置(図23)の場合には、検索したい単語が
辞書に登録されていないならば、検索できないと諦める
こともできる。しかし、入力方式に音声認識を用いる場
合(図24)には、音声認識用の辞書と情報検索用の辞
書のエントリが異なっていることが考えられ、情報検索
用辞書に検索したい単語が存在するにもかかわらず音声
認識できないために検索できないという事態が生じる可
能性がある。
【0015】更に、情報検索用辞書の内容は次々に改版
されていくと考えられ、改版の度に情報検索用辞書と音
声認識用辞書の相違を意識して、両辞書の整備、保守を
しなければならないという問題もある。
【0016】また、検索キーとなる単語の語彙数は一般
に大量であり、そのように大語彙数の音声認識を実時間
で行なうのは困難であり、仮に数万語の音声認識が実時
間で可能だとしても、その認識性能は非常に低いものと
ならざるを得ないという問題もある。
【0017】例えば、普通の国語辞典の範囲をカバーし
ようとするだけでも数万語ある。通常、数万語の認識を
行なうような装置では、まず、上位20位程度の候補を
ユーザに示し、その中から正解を選択させるようにする
ことが多い。これはユーザに2段階の選択を強いること
となり、検索単語の入力を容易にするという音声入力の
利点を相殺することになる。
【0018】しかしながら、音声認識の対象語彙数を減
らすわけにはいかないという問題もある。利用者が検索
したいと思う単語の多くを認識できないことになるから
である。
【0019】この発明は上述した背景のもとになされた
ものであり、第一に、音声認識用辞書と情報検索用辞書
の語彙を確実に一致させることが可能な辞書検索装置を
目的とし、第二に、十分な語彙数の単語を音声認識可能
であり、かつ、認識処理時間および認識性能が実用的な
レベルに維持できる辞書検索装置を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、音声
入力を受け付け、該音声入力を周波数スペクトル等の音
声データの時系列に変換する音声入力部と、検索して得
られた単語の詳細情報を表示装置上に表示しユーザに提
示する検索結果表示部を含む辞書検索装置を前提とす
る。
【0021】まず、辞書検索装置内に、検索対象とする
単語の音声認識用のテンプレートと、該単語の詳細情報
を同一のエントリに登録してある単語辞書部を有する。
次に、辞書検索装置内に、前記音声入力部の出力である
音声データと、前記単語辞書部内に登録された各単語の
テンプレートの類似度を求め、入力音声の単語を認識す
る音声認識部を有する。
【0022】また、辞書検索装置内に、前記音声認識部
の音声認識結果として得られた単語を検索キーとして、
前記単語辞書部を検索し、該単語の詳細情報を取り出
し、前記検索結果表示部に送る辞書検索部を有する。
【0023】図3〜8は、本発明の原理ブロック図であ
る。図3は、第1の原理ブロック図である。第1の原理
構成は、音声認識用辞書と情報検索用辞書の不統一から
生じる問題を解決するためのものであり、音声入力部41
0 と、音声認識部411 、辞書検索部412 、検索結果表示
部413 、単語辞書414 からなる。
【0024】音声入力部410 は、音声入力を所定の音声
信号データに変換する。単語辞書414 は、辞書検索の対
象とする単語について、各該単語ごとのエントリとし
て、音声認識で使用する所定のテンプレートと、該単語
の詳細情報とを保持する。すなわち、音声認識部411 で
用いる辞書と、辞書検索部412 で用いる辞書を一体化し
た単語辞書である。
【0025】音声認識部411 は、単語辞書414 の各単語
のテンプレートを参照し、所定の音声認識処理により、
音声入力部410 から入力された音声信号データに対応す
る単語を決定する。
【0026】辞書検索部412 は、音声認識部411 が出力
する音声認識結果の単語について、該単語の詳細情報を
単語辞書414 から読み出し、検索結果表示部413 は、該
詳細情報を表示装置上に表示する。
【0027】このような構成を採ることにより、単語辞
書414 の各単語をキーとする各エントリに、音声認識用
のテンプレートと、情報検索対象の詳細情報とを保持す
る一体化した形態の単語辞書になるので、従来のよう
に、音声認識用の辞書と情報検索用の辞書を個別に生
成、保持することによる語彙の食い違いの問題はなくな
る。
【0028】図4は、第2の原理ブロック図である。第
2以降の原理構成は、大語彙の音声認識に対処するため
の構成である。大語彙の音声認識に対して、実用的な認
識時間と認識性能を確保する目的をもつ。
【0029】第2の原理構成は、第1の原理ブロック図
の構成(音声入力部410 、音声認識部411 、辞書検索部
412 、検索結果表示部413 、単語辞書414 )に加えて、
文書表示部420 、単語限定部422 が加わっている。
【0030】文書表示部420 は、辞書検索の対象となる
文書データを保持し、保持している文書データのなかの
一部分を表示装置上に表示する。一方、単語限定部422
は、辞書検索部412 に渡す音声認識結果の単語を限定す
る。限定方法は種々考えられるが、ここでは特に指定し
ない。
【0031】次に、第2の原理構成の作用を説明する。
まず、音声入力部410 は、音声で入力された情報検索キ
ーを所定の音声信号データに変換し、音声認識部411 に
送る。音声認識部411 は、単語辞書414 のテンプレート
を参照して所定の音声認識処理を行ない、認識結果の単
語を決定し、辞書検索部412 に渡す。このとき、単語限
定部422 は、辞書検索部412 に検索キーとして渡す単語
の範囲を限定する処理を行なう。
【0032】単語限定範囲としては、文書表示部420 が
保持している文書に含まれる単語群に限定した範囲、あ
るいは、文書表示部420 が保持している文書のなかの表
示装置に表示している部分に含まれる単語群に限定した
範囲に絞ることが例えば考えられる。
【0033】単語限定を音声認識部411 のどの部分で適
用するかによって種々の方式が考えられるがここでは限
定しない。音声認識部411 から出力された検索キーとし
ての単語(単語限定範囲の)は辞書検索部412 に渡さ
れ、辞書検索部412 は該検索キーの単語の詳細情報を単
語辞書414 から取り出し、検索結果表示部413 に送る。
検索結果表示部413 は、該詳細情報を表示装置上に表示
する。
【0034】図5は、第3の原理ブロック図であり、辞
書検索部に渡す単語を限定する第1の方法の構成を示し
ている。音声入力部410 、音声認識部411 、辞書検索部
412 、検索結果表示部413 、単語辞書414 、文書表示部
420 は第2の原理構成と同様である。そして、辞書検索
部に渡す単語を限定する処理部として認識対象単語限定
部430 を有する。
【0035】認識対象単語限定部430 は、音声認識部41
1 が単語辞書414 から音声認識用テンプレートを読み込
む経路に配置され、単語を限定し、限定した単語のテン
プレートのみを音声認識部411 に受け渡す。これによ
り、認識結果として出力される単語も限定された単語の
なかから選ばれることになり、辞書検索部412 に渡す単
語を限定できる。
【0036】図6は、第4の原理ブロック図であり、辞
書検索部に渡す単語を限定する第2の方法の構成を示し
ている。音声入力部410 、音声認識部411 、辞書検索部
412 、検索結果表示部413 、単語辞書414 、文書表示部
420 は第2の原理構成と同様である。そして、辞書検索
部に渡す単語を限定する処理部として認識結果単語限定
部440 を有する。
【0037】ここでは、単語辞書414 は音声認識部411
に直接接続する構成を採り、音声認識対象単語を予め限
定することはしない。従って認識結果単語の候補が大量
に出力される。この候補が認識結果単語限定部440 の入
力となる。そして、文書表示部420 からの文書情報を元
に、認識結果の単語群のなかから該文書に関する何らか
の範囲の単語に限定する処理を行なう。そして、限定さ
れた単語を辞書検索部412 に受け渡す。
【0038】認識結果単語限定部440 は、音声認識部41
1 による音声認識結果の単語候補を絞り込む役割を果た
し、辞書検索部412 は絞り込まれた単語についての詳細
情報を検索し、検索結果表示部413 によって該詳細情報
を表示する。
【0039】図7は、第5の原理ブロック図であり、辞
書検索部に渡す単語を限定する第3の方法の構成を示し
ている。音声入力部410 、音声認識部411 、辞書検索部
412 、検索結果表示部413 、単語辞書414 、文書表示部
420 は第2の原理構成と同様である。そして、第3の原
理構成の認識対象単語限定部430 および第4の原理構成
の認識結果単語限定部440 を両方用いる点が本構成の特
徴である。
【0040】すなわち、単語辞書414 と音声認識部411
の間に認識対象単語限定部430 を置き、音声認識部411
と辞書検索部412 の間に認識結果単語限定部440 を置い
た構成である。
【0041】この構成では、音声認識部411 に対して、
認識対象単語限定部430 が限定した単語のテンプレート
を受渡し(第1の限定)、この限定単語群について音声
認識部411 が認識処理を行なった認識結果の単語群を、
認識結果単語限定部440 が更に限定し(第2の限定)、
辞書検索部412 に引き渡す。
【0042】つまり、2種類の単語限定方法(例えば、
第1の限定では文書表示部420 が保持する文書に含まれ
る単語の範囲に限定し、第2の限定では表示装置に表示
されている文に含まれる単語の範囲にさらに限定する)
を併用する。
【0043】以上に説明した、原理構成2(図4)〜原
理構成5(図7)において、予め、ある程度限定した単
語のセットを作成しておき、単語限定部(認識対象単語
限定部および認識結果単語限定部)内に保持しておく手
法が可能である。
【0044】すなわち、単語セットとしては、文書表示
部が保持している文書に含まれる単語群をセットとして
単語セットや、文書をいくつかのブロックに分割し、各
ブロックに含まれる単語群を各ブロックの単語セットと
することが可能である。
【0045】このような単語セットを予め作成し、保持
しておくことにより、例えば、該単語セットを用いて、
現在表示されている部分に含まれる単語セットを求める
等の単語限定処理が容易に、かつ短時間に行えるように
なる。すなわち、ブロックごとの単語セットを保持して
いれば、文書表示部が表示しているブロック番号を知る
ことにより、現在表示中の文書に含まれる単語群を速や
かに求めることができる。
【0046】一方、限定単語を、単語限定処理の実行時
に文書の解析によって求める手法も可能である。辞書検
索装置を稼働した時点に初めて文書を読み込む場合には
予め単語セットを用意しておくことが不可能なため、実
行時に文書を解析し、含まれる単語を抽出し、単語セッ
トを作成する。このようにして実行時に文書解析して得
られた単語セットを保持することにより、何度も同じ文
書解析をせずにすむようにすることが可能である。
【0047】以上に説明した、原理構成2(図4)〜原
理構成5(図7)では、それぞれの方法で辞書検索部に
出力する音声認識結果の単語を限定することにより、音
声認識の語彙数を実質的に減少し、その結果、認識処理
時間を短縮するとともに、認識性能を高めることができ
る。
【0048】一方、以上に説明した、原理構成2(図
4)〜原理構成5(図7)では、音声認識部が認識する
単語群の範囲を辞書検索の対象となる文書(文書表示部
が保持している)内の単語に限定していたが、辞書検索
対象単語に限定することなく音声認識対象単語を設定す
ることも可能である。例えば、コマンドを音声認識対象
単語とし、コマンド音声入力を可能にすることもでき
る。
【0049】この場合、単語辞書に音声認識対象の単語
(コマンド等)のテンプレートを格納しておくととも
に、認識対象単語限定部および認識結果単語限定部の限
定単語群のなかに該音声認識対象単語(コマンド等)を
含めるようにすればよい。但し、これらの単語は辞書検
索対象の単語ではないので、詳細情報を単語辞書に必ず
しも登録する必要はない。
【0050】図8は、第6の原理ブロック図である。こ
の原理構成は、辞書検索対象として検索結果表示ブロッ
クに表示された検索単語の詳細情報文中の単語群を設定
するためのものである。
【0051】本原理構成は、第2〜第5の原理構成を前
提する。但し、同図は第2の原理ブロック図を元にして
いる。本原理構成は、第2〜第5の原理構成にスイッチ
SW460 を加えた構成を採る。
【0052】このスイッチSW460 は、オン/オフのス
イッチであり、検索結果表示部413と、音声認識部411
および単語限定部422 に接続され、検索結果として表示
されている文章を単語限定に用いるか否かを切り替え
る。例えば、スイッチSW460がオンの場合には検索結
果の文章が単語限定部422 に戻され、文書表示部420 の
文書内容は戻さず、オフの場合には検索結果の文章では
なく文書表示部420 の文書内容を戻す処理を行なうよう
にする。
【0053】このスイッチSW460 は単語限定部422 の
中に設けてもよい。さらに、検索結果表示部413 に表示
される文章は、予め単語辞書414 に詳細情報として蓄え
られているので、この詳細情報に含まれる単語は事前に
調べておくことができる。そこで、詳細情報に含まれる
単語群を単語辞書414 の各単語のエントリとする単語辞
書構成が可能である。
【0054】最後に、以上に説明した原理構成2(図
4)〜原理構成6(図8)では、音声認識部が認識した
結果の単語が文書表示部420 によって表示装置上に表示
されている文書中に存在する場合が大半である。そこ
で、音声認識部の認識結果となった単語を表示装置上で
他の単語とは区別して表示するようにすると利用者にと
って有効である。このために、認識結果単語が表示上に
ある場合に、その単語の部分の表示方法を他の単語とは
変える(例えば、反転表示する、あるいはその部分にカ
ーソルを移動する)方法を導入することが可能である。
【0055】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の好適実施
例につき説明する。まず、各原理構成(図3〜図8)に
おいて共通の部分(音声入力部410 、音声認識部411 、
辞書検索部412 、検索結果表示部413 、単語辞書414 )
の構成例を示す。以下、各原理構成の実施例についての
説明では、これらの共通部分の説明は、同様として省略
する。
【0056】まず、音声入力部410 、音声認識部411
は、前述の従来方式と同様でよい。すなわち、音声入力
部410 は図2に示したように、マイクロホン251 とA/
D変換部252 、FFT部253 で構成できる。ここで、F
FTは音声信号の周波数分析の一例として取り上げた
が、これ以外の種々の分析方法に置き換えることも可能
である。また、周波数分析を必ずしも必要としない音声
認識方法も存在するが、ここでは、よく知られた方法と
して周波数スペクトルを用いた音声認識方式を前提とし
て考えている。
【0057】音声入力部410 の各部分に使用するもの
は、市販のマイク、A/D変換ボード、FFTボードな
ど任意のものを用いればよい。FFTはソフトウエアで
も実現できる。
【0058】次に、音声認識部411 を説明する。音声認
識部411 は、計算機上のソフトウエアとして実現でき、
図2に示したように、DP照合部361 と認識結果生成部
362で構成される。
【0059】DP照合部361 は、音声入力部410 から入
力された音声のスペクトル時系列と、単語辞書414 に記
述されている各単語のテンプレートとを比較し、両者間
の距離(あるいは類似度)を計算するものである。距離
(あるいは類似度)計算には音声認識で良く用いられる
DP(ダイナミック・プログラミング)法を用いる。D
P法の距離計算方法については、公知のものを用いれば
よい。
【0060】認識結果生成部362 は、DP照合部361 に
よって得られた各単語毎の距離を読み込み、距離が小さ
い(あるいは類似度が大きい)順に並べ変えて出力す
る。次に、単語辞書414 の実施例を説明する。図9は、
一実施例の単語辞書構成図である。
【0061】辞書検索の対象とする単語のそれぞれにつ
いて複数の欄を持つ。主要な欄は、「単語見出し」、
「音声認識用テンプレート」、及び、「詳細情報」であ
る。「音声認識用テンプレート」と「詳細情報」を単一
の単語辞書内の同じ「単語見出し」下に置くことが本発
明の特徴である。
【0062】また、制御の便宜を図るために、「単語番
号」と「データ長」の欄を加えている。「データ長」
は、各単語エントリのデータ長を保持するもので、単語
辞書の各単語のデータ長を可変にすることを可能とす
る。但し、これらの制御情報については、テーブル等の
管理で公知の方法により、例えば、制御情報を単語辞書
の先頭にまとめて持ち、また、エントリの終端に特定の
終端コードを入れる等、種々の代替手段がある。
【0063】以上のような構成の単語辞書414 は、例え
ば、適当な記憶容量を持つ磁気ディスク等の記憶装置上
に格納する。該記憶装置はランダムアクセス可能である
ことが望ましい。
【0064】以上により、音声認識部411 が、単語辞書
414 のテンプレートを使って、前記従来と同様にして認
識結果の単語を決定した場合に、それらの認識結果の単
語の単語番号、又は単語辞書414 におけるエントリのア
ドレスを辞書検索部412 に通知されば、辞書検索部412
は、単語辞書414 から単語番号又はアドレスを使って、
必要な単語の詳細情報を読み出して、検索結果表示部41
3 に渡す。
【0065】本実施例において、単語辞書414 は磁気デ
ィスク上に格納することを想定すると、辞書検索部412
は磁気ディスク装置のコントローラを内蔵した読み出し
装置で実現することが可能である。
【0066】一方、検索結果表示部413 は、辞書検索部
412 から渡された内容をユーザに表示できればよい。こ
こでは、計算機のディスプレイで実現可能である。次
に、原理構成2(図4)〜原理構成6(図8)に共通の
文書表示部420 について一実施例の構成を説明する。
【0067】図10は、文書表示部420 の構成図であ
る。文書表示部420 は、文書保持メモリ425 、文書読み
出し部426 、ポインタ427、及び文書表示装置428 から
なる。
【0068】文書の内容は文書保持メモリ425 に保持さ
れていて、文書読み出し部426 が文書を読み出し、文書
表示装置428 に出力する。ポインタ427 は、文書保持メ
モリ425 を文書読み出し部426 が読み出す部分のアドレ
スを示し、ポインタ427 に従って、文書の内容を順次必
要な部分ごとに読み出す。
【0069】文書読み出し部426 によって読み出された
文書の内容は、単語限定部422 (認識対象単語限定部43
0 および認識結果単語限定部440 )にも受け渡され、単
語限定処理の資料とされる。
【0070】文書表示装置428 は、文書保持メモリ425
から受け渡された内容をユーザに表示するものであり、
計算機のディスプレイで実現できる。以上で、共通部分
(音声入力部410 、音声認識部411 、辞書検索部412 、
検索結果表示部413 、文書表示部420 )について説明し
た。
【0071】以下、各原理構成の好適実施例について説
明する。第2の原理構成(図4)では、単語限定部422
の実現方法としては、原理構成3〜5に示した方法があ
る。すなわち、音声認識の対象となる単語範囲を限定す
る方法(原理構成3)と、音声認識結果の単語のなかか
ら単語範囲を限定する方法(原理構成4)、および音声
認識対象単語および認識結果単語の両方を限定する方法
(原理構成5)である。その際、単語の限定範囲として
は、原理構成2の部分で述べた、文書表示部420 に保持
されている文書に含まれる単語群、あるいは、そのなか
でも文書表示装置428 に表示されている文に含まれる単
語群、あるいは、必要な場合には、文書表示装置428 に
表示されている文のなかの更に限定した範囲(ある段落
やウインドウ等)に含まれる単語群等、限定単語の範囲
を選ぶことが可能である。
【0072】まず、原理構成3(図5)の単語限定方法
の実施例を説明する。原理構成3では、認識対象単語限
定部430 により、音声認識対象とする単語範囲を限定す
る。図11は、一実施例の認識対象単語限定部430 の構
成図である。
【0073】認識対象単語限定部430 は、第1のテンプ
レート保持部431 よび辞書読み出し部432 、文章解析部
433 で構成される。まず、文章解析部433 は、文書表示
部420 の文書読み出し部426 から文書の全体あるいは表
示中の部分等の文書データを受け取り、該文書データを
解析し、含まれる単語セットを決定する。
【0074】文書解析部433 で行なう文書解析は、文章
の翻訳等で使用される、公知のいわゆる形態素解析手法
等によれば原理的には可能であるが、形態素解析処理の
処理量は、本装置の用途としては非現実的な程度に大規
模になる可能性がある。
【0075】そこで、より簡便な方法として、図9に示
した構成の単語辞書414 から各エントリの「単語見出
し」を読み出し、文書データとのマッチングをとり、一
致した単語を集めて単語セットを構成する方法を用い、
ソフトウエアで実現することが可能である。
【0076】辞書読み出し部432 は、文章解析部433 か
ら単語セットを受け取り、単語セット中の各単語につい
て、単語辞書414 から音声認識用テンプレートと単語辞
書中の各単語のアドレスを読み出し、テンプレート保持
部431 に送る。辞書読み出し部432 の実現例としては、
辞書検索部412 と同様に、ディスク装置のコントローラ
を内蔵した読み出し装置で実現できる。
【0077】第1のテンプレート保持部431 は、受け取
った音声認識用テンプレートとアドレスを組としたテー
ブルを作成し、保持する。図12は、第1のテンプレー
ト保持部431 に保持するテーブルの構成例である。
【0078】このようにして第1のテンプレート保持部
431 に作成されたテーブル(図12)は、音声認識部41
1 で参照される。音声認識部411 は認識対象単語限定部
430内の第1のテンプレート保持部431 の各テンプレー
トを参照して音声認識処理を行ったうえ、認識結果とし
て採用するテンプレートと組となったアドレス(単語辞
書中の該単語のアドレス)を辞書検索部412 に出力する
ことになる。
【0079】ここで、本実施例では、第1のテンプレー
ト保持部431 のテーブルをその都度文章解析部433 と辞
書読み出し部432 による処理で求めることを前提として
いる。しかし、一旦作成したテンプレートを捨ててしま
うのは無駄である。
【0080】図13及び図14は、一旦作成したテンプ
レートを保持しておくことができる認識対象単語限定部
430 の第二の実施例の構成図である。本実施例は、図1
1及び図12の第一の実施例の構成に加えて、第2のテ
ンプレート保持部435 を有する。今、単語の限定を表示
されている部分に含まれる単語群に限定するものとす
る。第一の実施例と同様に、文章解析部433 が表示され
ている文書部分に含まれる単語セットを決定し、辞書読
み出し部432 がその単語セットに含まれる各単語につい
て、単語辞書414 から各テンプレートを読み出し、第1
のテンプレート保持部321 に保持する。
【0081】本実施例では、このとき、テンプレート保
持部431 に保持したテンプレートと単語辞書中のアドレ
スの情報(図12)に加えて、文書中の該単語の位置情
報を組としたテーブルを作成し、第2のテンプレート保
持部435 に格納する。
【0082】このようなテンプレート保持部435 を用意
し、表示する部分が変わった場合には、辞書読み出し部
432 は、先ず第2のテンプレート保持部435 にあるテー
ブルの各エントリの「文書中の位置」の欄を調べる。そ
して、表示中の部分の文書中の位置に合致するものがあ
れば、それを第1のテンプレート保持部431 に転送して
使用する。表示中の部分の文書の位置は、文書読み出し
部426 から文章解析部433 を介して得ることができる。
表示中の部分で、第2のテンプレート保持部435 に合致
するエントリのない部分についてのみ、前記のように文
章解析部433 による単語セットの決定を行って、テンプ
レートのテーブルを生成し、生成したエントリは前記の
ように第1のテンプレート保持部431 に保持するととも
に、第2のテンプレート保持部435 に追加して保存す
る。
【0083】このような構成を採ることにより、一度単
語辞書414 から辞書読み出し部432が読みだしたテンプ
レートを再度単語辞書414 から読みだす必要がなくな
る。次に、原理構成4(図6)の実施例の構成を説明す
る。
【0084】原理構成4は、認識結果単語限定部440 に
より音声認識部411 が出力する音声認識結果の単語群を
さらに絞ることにより単語限定を行なうものである。図
13及び図14は、一実施例の認識結果単語限定部440
の構成図である。
【0085】認識結果単語限定部440 は、文章解析部44
1 および単語チェック部442 で構成される。文章解析部
441 は、文書表示部420 の文書読み出し部426 から、文
書保持メモリ425 が保持している文書全体あるいは文書
表示装置428 が現在表示中の文書の文書データを受け取
り、図11及び図12に示した認識対象単語限定部430
の文章解析部433 と同様に該文書データに含まれる単語
セットを作成し、単語チェック部442 に渡す。単語チェ
ック部442 は、音声認識部411 から音声認識結果の単語
群を受け取り、該単語セットに含まれる単語だけを認識
結果から選択し、辞書検索部412 に渡す。 ここで、原
理構成3の実施例でも説明したように、文章解析部441
が文書読み出し部426 から読み込んだ文書データを形態
素解析等で解析するのは、実際的には困難である。
【0086】そこで、本実施例では、単語チェック部44
2 が音声認識部411 から受け取った認識結果の単語群を
文章解析部441 に渡し、認識結果単語群の単語見出しそ
れぞれについて、文章読み出し部426 から読み出した文
書データとマッチングし、マッチングした単語のみを単
語チェック部442 に渡すような構成を採る。このように
することにより、単語チェック部442 は、音声認識部41
1 の認識結果のなかから文書読み出し部426 から読みだ
した文書データに含まれる単語のみを得ることができ、
これを辞書検索部412 に渡す処理を行えばよい。
【0087】以上のような構成を採ると、文章解析部44
1 は、入力された文書データと単語チェック部442 から
得た単語データをマッチングするソフトウエアで実現で
き、また、単語チェック部442 は、音声認識部411 から
得た音声認識結果の単語群および文章解析部441 でマッ
チングした単語群を一時的に保持できる記憶装置によっ
て実現すればよい。
【0088】次に、原理構成5(図7)の実施例につい
て説明する。原理構成5は、原理構成3の認識対象単語
限定部430 および原理構成4の認識結果単語限定部440
を共に設けた構成で実現することができる。
【0089】そして、例えば、認識対象単語限定部430
では、第1の限定処理として、音声認識対象の単語を文
書表示部420 が保持する文書に含まれる単語に限定し、
さらに、認識結果単語限定部440 では、第2の限定処理
として、音声認識結果の単語群のなかから、文書表示部
420 が表示している文書中に含まれる単語に限定する。
こうして認識結果単語限定部440 の単語チェック部442
に蓄えられた限定済みの単語を辞書検索部412 に渡す。
【0090】このような2段階の限定処理を行なうこと
により、高い認識性能を比較的高速な処理で得ることが
可能になる。以上に説明した第2〜第5の原理構成の実
施例の構成において、文書表示部420 に保持する文書に
対応して、その文書に含まれる単語を予め抽出した単語
群を単語セットとして持つようにすれば、認識対象単語
限定部430 および認識結果単語限定部440 が文章解析部
(433 および441 )によって文書から単語を抽出するマ
ッチング等の処理が不要になり、処理を更に高速化する
ことが可能になる。
【0091】表示中の文書の部分に含まれる単語に語彙
を限定する場合には、該単語セットにある単語が表示中
の部分にあるかをマッチングによって識別し、単語セッ
トを更に限定する。
【0092】また、文書を段落等によって適当なブロッ
クに分割し、各ブロックに対応して、前記の単語セット
を作成しておき、認識対象単語限定部430 および認識結
果単語限定部440 は、表示中の文書の部分を含むブロッ
クの単語セットを限定単語として使用することもでき
る。
【0093】このように予め単語セットを作成しておく
場合には、認識対象単語限定部430および認識結果単語
限定部440 の構成を簡略化することができる。図16
は、単語セットを予め作成しておく場合の認識対象単語
限定部430 の構成図である。テンプレート保持部431 お
よび辞書読み出し部432 、単語読み出し部434 で構成さ
れる。
【0094】この構成では、図11の文章解析部433 が
単語読み出し部434 におきかわっている。単語セットを
文書保持部420 中に文書データとともに保持しておき、
単語読み出し部434 は、必要な単語セットを文書表示部
420 に要求して受け取る処理をすればよい。
【0095】この場合、文書表示部420 には、文書に対
応して、該文書の単語セット、あるいは該文書を適当な
ブロックに分割した各ブロック毎の単語セットを格納し
ておく。すなわち、文書表示部420 の構成は図10と同
様であるが、文書保持メモリ425 中に、文書データその
ものと、それに対応した単語セットを記憶しておく。
【0096】単語セットの各単語の情報としては、単語
と、該単語の文書中の位置を示すリストとして構成され
る。単語としては、例えば、単語番号または単語辞書41
4 上の該単語のアドレスで示し、文書中の位置は、例え
ば、該単語の先頭文字の文書中での位置を文書の行番号
と、行内の桁番号で示す。
【0097】図17〜図20は、文書表示部420 が保持
する単語セットから音声認識用のテンプレート・テーブ
ルを作成する方法の具体例の説明図である。ここで、文
書保持メモリ425 が該文書に含まれる単語についての単
語セットを保持しており、該文書のなかで文書表示装置
428 上に表示されている部分に含まれる単語群を図16
に示した認識対象単語限定部430 に単語セットとして受
け渡し、その単語セットの単語のテンプレート・テーブ
ルを作成する処理を説明するものとする。
【0098】今、文書表示装置428 に文書保持メモリ42
5 に保持されている文書の一部が表示されている(図1
7)。そのなかには「abc」や「efg」といった単
語が含まれている。
【0099】文書保持メモリ425 に保持している単語セ
ットの情報は、前述のように、単語番号あるいは単語の
辞書中でのアドレス(ここでは単語番号)、および、文
書中での出現位置である。文書表示装置428 に表示して
いる該文書の部分はポインタ427 により分かっているの
で、現在表示中の文書部分に含まれる単語は、文書保持
メモリ425 に保持されている単語セットから求めること
ができる。
【0100】そこで、まず、表示中の文書に含まれる単
語のリストを作成する(図18)。すなわち、単語番号
1の単語「abc」が表示装置上の第4行6桁目に、単
語番号3の単語「efg」が第8行10桁目に、単語番
号7の「hij」が第20行3桁目・・・というよう
に、表示されている単語の番号と表示位置を示すリスト
を作成する。そして、このリストを文書読み出し部426
を介して図16の認識対象単語限定部430 に送る。
【0101】認識対象単語限定部430 は、送られてきた
表示装置上に表示されている単語のリストを元に、単語
辞書414 から該単語の音声認識用テンプレートを取り出
し、テンプレート・テーブルを作成する。
【0102】図19は単語辞書の構成である。単語番号
1には単語「abc」、単語番号3には単語「ef
g」、単語番号7には単語「hij」の音声認識用テン
プレートと詳細情報が格納されている。文書表示部420
の文書読み出し部426 から送られてくるリストに含まれ
る単語番号から各単語の音声テンプレートを取り出し、
図20に示すテンプレート・テーブルを作成する。
【0103】テンプレート・テーブルは、取り出した音
声認識用のテンプレートと、該単語の表示画面上の位
置、および該単語の単語番号で構成する。このテンプレ
ート・テーブルを音声認識部411 に送ることにより、表
示画面上の単語に限定した音声認識が可能になる。
【0104】図21は、単語限定の一例の説明図であ
る。文書保持メモリ425 がある文書について各段落ごと
に用意した単語セットを保持しているとする。すなわ
ち、段落1、2、3、4・・の各段落について、その段
落に出現する単語セット(単語番号と出現位置)を持っ
ている。そして、今、表示画面上には段落2の途中から
段落3の途中までが表示されているものとする。
【0105】このようなとき、例えば、認識対象単語限
定部430 では段落2および段落3の単語に限定した認識
を行ない、認識結果単語限定部440 では音声認識部411
の認識結果の単語群のなかから更に表示範囲に含まれる
単語に限定する処理を行なうことが可能である。
【0106】すなわち、認識対象単語限定部430 では段
落2と3に含まれる単語に限定し、認識結果単語限定部
440 ではさらに表示画面内の単語に限定するのである。
このようにすると、認識対象単語限定部430 では単語
「abc」および「efg」が認識対象となり、音声認
識部411 の認識結果に「abc」が含まれることがあり
得る。しかし、認識結果単語限定部440 の処理により、
表示画面内にない単語「abc」を除外することが可能
になる。
【0107】以上のように、単語限定範囲を一つの文
書、あるいは文書の一部の段落、あるいは表示されてい
る部分の単語等に限定し、このような単語限定範囲を、
音声認識の対象単語、あるいは音声認識後の認識結果単
語に適用することにより、音声認識性能や処理速度を向
上するとともに、利用者が利用しやすい辞書検索装置を
構成することが可能になる。
【0108】次に、原理構成6(図8)の実施例の構成
を説明する。図8の原理図に示した通り、本構成では、
検索結果の内容について更に辞書検索をしたい場合に、
スイッチSW460 をオンにすることにより、文書保持メ
モリ425 の文書あるいは文書表示装置428 によって表示
されている文書ではなく、検索結果表示部413 の内容を
対象とするよう指示する構成を採る。
【0109】スイッチそのものは、簡単なトグルスイッ
チでもよいし、ソフトウエアで等価のものを実現しても
よい。例えば、スイッチSW460 がオフの場合には単語
限定部422 (認識対象単語限定部430 あるいは認識結果
単語限定部440 )は、文書表示部420 が保持する文書に
基づいて単語を限定する。スイッチSW460 をオンにす
ると、単語限定部422 (認識対象単語限定部430 あるい
は認識結果単語限定部440 )は、文書ではなく、検索結
果表示部413 が表示している詳細情報に含まれる単語
を、限定単語の語彙とするように単語限定処理を切り替
える。
【0110】このために、スイッチSW460 がオンであ
る場合、単語限定部422 (認識対象単語限定部430 ある
いは認識結果単語限定部440 )は、検索結果表示部413
で詳細情報を表示している単語について、単語辞書414
から詳細情報を読み出し、例えば、詳細情報の文章にあ
る単語を抽出して単語セットを生成し、その単語セット
により、前記のように単語を限定する制御を行なう。
【0111】また、この処理を高速化するために、単語
辞書414 に、各詳細情報に対応して、当該詳細情報に含
まれる単語の単語リストを追加してもよい。図22は詳
細情報に含まれる単語の単語リストを追加した単語辞書
の構成例である。
【0112】図9に示した単語辞書の構成例に、詳細情
報に含まれる単語の単語リストを保持する「単語リス
ト」欄を追加している。単語リストの中身は、詳細情報
に含まれる単語エントリの単語辞書中でのアドレスある
いは単語番号とすることができる。
【0113】このような単語辞書414 を用意する場合に
は、単語限定部422 (認識対象単語限定部430 あるいは
認識結果単語限定部440 )は、単に該当する単語の詳細
情報の単語リストを単語辞書414 から読みだして、単語
を限定する単語セットとして用いればよい。
【0114】以上に説明したそれぞれの実施例の構成に
おいて、音声入力で指定された単語の詳細情報を検索結
果表示部413 が表示する場合に、文書表示部420 あるい
は検索結果表示部413 に該単語を通知し、表示中の文章
のなかの該単語の表示を適当な強調表示で表示すると、
利用者は注目する単語を識別しやすい。
【0115】この場合、文書表示部420 は、表示中の文
書の部分に、通知を受けた単語があるか否かを、例え
ば、表示文書とのマッチングまたは単語セットの走査に
よって識別し、該当する単語が表示されている場合に
は、表示装置のその単語の表示位置へ改めて、該単語の
表示出力を行なう。
【0116】強調表示を文字の輝度の反転(一般にリバ
ース表示という)させることにより実現する場合には、
公知のように、所定の反転表示指示コマンドに続けて、
その単語を構成する文字列の文字コードを表示装置に対
して出力すればよい。
【0117】検索結果表示部413 内の該当単語を強調表
示する場合には、表示中の詳細情報の文章について、通
知を受けた単語の有無を識別し、該当する単語が表示さ
れている場合には、前記文書表示部420 と同様に強調表
示処理を実行する。
【0118】以上に説明した原理構成2〜原理構成6の
実施例において、音声認識の対象とする単語群に、文書
表示部420 が保持している文書に関する単語とは関係な
くい単語を設定できるようにする構成も可能である。例
えば、コマンドを音声入力し、音声認識させ、該コマン
ドの処理をシステムに実行させることが可能になる。
【0119】この場合、単語限定部422 (認識対象単語
限定部430 あるいは認識結果単語限定部440 )では、機
能を拡張し、単語限定の範囲にそれらの検索文書とは関
係ない単語(コマンド用単語等)を加えるようにする。
【0120】例えば、認識結果単語限定部440 では、単
語チェック部442 の機能を拡張し、認識結果単語と文書
表示部420 の文章とのマッチングをとる前に、認識結果
単語が予め設定した検索文書とは関係ない単語群(コマ
ンド用単語等)に存在するか否かをチェックする。この
ために、単語チェック部442 内に、コマンド用バッファ
を持ち、そのなかにコマンド用単語等の検索文書とは関
係ない単語のリストを予め設定できるようにすればよ
い。
【0121】
【発明の効果】本発明では、以上の構成に加えて、辞書
検索装置内に、前記辞書検索部が出力する単語詳細情報
の対象を限定する単語限定部と、情報検索の対象となる
文書を保持し、保持している文書を表示装置上に表示す
る文書表示部を、更に含むように構成することができ
る。
【0122】以上の本発明の構成において、単語限定部
は、前記辞書検索部が出力する単語詳細情報の対象を、
前記文書表示部が保持している文書に含まれる単語群に
限定する方式か、前記文書表示部が保持している文書の
うち表示装置上に表示している部分に含まれる単語群に
限定する方式のいずれか一方を採ることが可能である。
【0123】一方、単語限定部が前記辞書検索部の出力
を限定する方法としては、前述の二つの限定方法のいず
れかで限定した限定単語群によって前記音声認識部によ
る音声認識の対象となる単語を限定する方法と、前記音
声認識部による認識結果の単語群のなかから前述の二つ
の限定方法のいずれかで限定した限定単語群に含まれる
ものだけを辞書検索部に渡す方法と、前記2方法(音声
認識対象語を限定する方法と、認識結果の単語群から辞
書検索単語を限定する方法)の両方の限定方法を実行す
る方法があり、以上の3通りの方法のいずれかを採るこ
とが可能である。
【0124】さらに、音声認識の対象とする単語とし
て、辞書検索部の検索対象以外の単語も別に設定できる
ようすれば、装置の動作を制御するためのコマンド入力
等を音声入力できるようにすることが可能である。
【0125】また、文書中に存在する単語のセットを予
め登録しておけるようにすると、単語限定処理が短時間
に行なえるうえ、登録された単語セットのなかから表示
装置上に表示中の文書部分に含まれる単語を求めて単語
限定を行なう処理も容易に行なえる。
【0126】さらに、文書を適当なブロックに分割し、
そのブロック毎に存在する単語のセットを予め登録して
おき、その単語セットを用いて、該文書中で表示中の部
分に含まれる単語を求めるようにすることもできる。
【0127】また、単語の限定方法として、文書の解析
を行ない、限定単語を求める方法を採ることもできる。
このとき、さらに、求めた該限定単語を辞書検索装置内
に保持しておき、以降の処理において再利用可能にする
ことも可能である。
【0128】本発明では、以上の構成に加えて、辞書検
索装置内に、前記検索結果表示部に表示されている詳細
情報内に含まれる単語群を単語限定部に渡すか否かのス
イッチ部を、更に含むように構成することができる。こ
うすることにより、辞書検索によって表示された単語の
詳細情報中に含まれる単語についても、音声入力によっ
て詳細情報を検索することが可能になる。
【0129】上記の詳細情報中の単語検索のために、単
語辞書部内の各単語の詳細情報文に含まれる単語のセッ
トを予め求めておき、辞書検索装置内に保持しておくこ
ともできる。
【0130】最後に、音声認識部による音声認識結果と
一致する単語が文書表示部によって表示されている文中
に存在する場合に、その単語の文字の表示形態を他の文
字と変え、ユーザに音声認識結果を示すようにすること
もできる。
【0131】以上に示されるような本発明の構成によれ
ば、辞書検索のための検索キー入力の手段として音声入
力を用いる方法が実用的手段として可能になる。すなわ
ち、音声認識用の辞書と情報検索用の辞書の語彙を確実
に一致させることが容易になるとともに、音声認識可能
な語彙数として十分大きな語彙数を確保でき、さらに、
認識処理時間および認識性能を実用的なレベルに維持す
ることができる。
【0132】これによって、辞書検索装置を利用する利
用者の使い易さを改善できるという著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】音声入力部の構成ブロック図である。
【図2】音声認識部の構成ブロック図である。
【図3】本発明の第1の原理ブロック図である。
【図4】本発明の第2の原理ブロック図である。
【図5】本発明の第3の原理ブロック図である。
【図6】本発明の第4の原理ブロック図である。
【図7】本発明の第5の原理ブロック図である。
【図8】本発明の第6の原理ブロック図である。
【図9】一実施例の単語辞書構成図である。
【図10】一実施例の文書表示部の構成図である。
【図11】一実施例の認識対象単語限定部の構成図であ
る。
【図12】テンプレート保持部の構成図である。
【図13】認識対象単語限定部の第二の実施例の構成図
(全体構成)である。
【図14】認識対象単語限定部の第二の実施例の構成図
(テンプレート保持部2の内容)である。
【図15】一実施例の認識結果単語限定部の構成図であ
る。
【図16】単語セットを予め作成しておく場合の認識対
象単語限定部の構成図である。
【図17】表示画面上の単語に限定する場合のテンプレ
ート・テーブルの作成方法の説明図である。
【図18】表示画面上の単語に限定する場合のテンプレ
ート・テーブルの作成方法の説明図である。
【図19】表示画面上の単語に限定する場合のテンプレ
ート・テーブルの作成方法の説明図である。
【図20】表示画面上の単語に限定する場合のテンプレ
ート・テーブルの作成方法の説明図である。
【図21】単語限定の一例の説明図である。
【図22】単語辞書の第二の実施例の構成図(詳細情報
に含まれる単語も検索対象とする場合(原理構成6の場
合))である。
【図23】従来の構成例を示すブロック図(その1)で
ある。
【図24】従来の構成例を示すブロック図(その2)で
ある。
【符号の説明】
410 音声入力部 411 音声認識部 412 辞書検索部 413 検索結果表示部 414 単語辞書

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声を入力とし、該音声入力を所定の音
    声信号データに変換する音声入力部と、該音声信号デー
    タを音声認識する音声認識部と、該音声認識部による音
    声認識結果の単語について辞書検索を行なう辞書検索部
    と、該辞書検索部によって検索した単語の詳細情報をユ
    ーザに対して表示する検索結果表示部とを有する辞書検
    索装置において、 前記音声認識部が音声認識に使用する各単語の音声認識
    用テンプレートと、前記辞書検索部が検索する各単語の
    詳細情報を保持している単語辞書と、 検索対象とする単語を含む文書の文書データを保持し、
    保持している文書をユーザに対して表示する文書表示部
    と、 前記文書表示部が保持する文書に含まれる単語に基づい
    て前記単語辞書に保持されている単語を限定し、該限定
    した単語を前記音声認識部へ渡す認識対象単語限定部と
    を有し、 該認識対象単語限定部から渡された単語を利用して前記
    音声認識部が前記音声認識を行う ことを特徴とする辞書検索装置。
  2. 【請求項2】 音声を入力とし、該音声入力を所定の音
    声信号データに変換する音声入力部と、該音声信号デー
    タを音声認識する音声認識部と、該音声認識部による音
    声認識結果の単語について辞書検索を行なう辞書検索部
    と、該辞書検索部によって検索した単語の詳細情報をユ
    ーザに対して表示する検索結果表示部とを有する辞書検
    索装置において、 前記音声認識部が音声認識に使用する各単語の音声認識
    用テンプレートと、前記辞書検索部が検索する各単語の
    詳細情報を保持している単語辞書と、 検索対象とする単語を含む文書の文書データを保持し、
    保持している文書をユーザに対して表示する文書表示部
    と、前記文書表示部が表示装置上に表示している文章に含ま
    れる単語に基づいて前記単語辞書に保持されている単語
    を限定し、該限定した単語を、前記音声認識部へ渡す認
    識対象単語限定部とを有し、 該認識対象単語限定部から渡された単語を利用して前記
    音声認識部が前記音声 認識を行う ことを特徴とする辞書検索装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の辞書検索
    装置であって、 前記文書表示部が保持する文書に含まれる単語に基づい
    て前記音声認識部の認識結果を限定し、該限定した単語
    を、検索する単語として、前記辞書検索部へ渡す認識結
    果単語限定部とを更に有する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  4. 【請求項4】 音声を入力とし、該音声入力を所定の音
    声信号データに変換する音声入力部と、該音声信号デー
    タを音声認識する音声認識部と、該音声認識部による音
    声認識結果の単語について辞書検索を行なう辞書検索部
    と、該辞書検索部によって検索した単語の詳細情報をユ
    ーザに対して表示する検索結果表示部とを有する辞書検
    索装置において、 前記音声認識部が音声認識に使用する各単語の音声認識
    用テンプレートと、前記辞書検索部が検索する各単語の
    詳細情報を保持している単語辞書と、 検索対象とする単語を含む文書の文書データを保持し、
    保持している文書をユーザに対して表示する文書表示部
    と、 前記文書表示部が保持する文書に含まれる単語に基づい
    て前記音声認識部の認識結果を限定し、該限定した単語
    を、検索する単語として、前記辞書検索部へ渡す認識結
    果単語限定部とを有する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  5. 【請求項5】 音声を入力とし、該音声入力を所定の音
    声信号データに変換する音声入力部と、該音声信号デー
    タを音声認識する音声認識部と、該音声認識部による音
    声認識結果の単語について辞書検索を行なう辞書検索部
    と、該辞書検索部によって検索した単語の詳細情報をユ
    ーザに対して表示する検索結果表示部とを有する辞書検
    索装置において、 前記音声認識部が音声認識に使用する各単語の音声認識
    用テンプレートと、前記辞書検索部が検索する各単語の
    詳細情報を保持している単語辞書と、 検索対象とする単語を含む文書の文書データを保持し、
    保持している文書をユーザに対して表示する文書表示部
    と、 前記文書表示部が表示装置上に表示している文書に含ま
    れる単語に基づいて前記音声認識部の認識結果を限定
    し、該限定した単語を、検索する単語として、前記辞書
    検索部へ渡す認識結果単語限定部とを有する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の辞書検索
    装置であって、 前記文書表示部が保持する文書に含まれる単語に基づい
    て前記単語辞書に保持されている単語を限定し、該限定
    した単語を、認識対象とする単語として前記音声認識部
    へ渡す認識対象単語限定部とを更に有し、 該認識対象単語限定部から渡された単語を利用して前記
    音声認識部が前記音声認識を行う ことを特徴とする辞書検索装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の辞
    書検索装置であって、 認識対象とする単語として、辞書検索部の検索対象であ
    る文書表示部が保持する文書以外の単語も別に設定でき
    るようにすることにより、辞書検索装置への音声入力に
    よる指示単語が単語限定の対象とならないようにする、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の辞
    書検索装置であって、 文書表示部が保持する文書中に存在する単語のセットを
    予め作成しておき 記認識対象単語限定部、または前記認識結果単語限定
    部が限定単語を設定する場合に、該単語セットから限定
    単語を設定する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の辞
    書検索装置であって、 文書表示部が保持する文書中に存在する単語のセットを
    予め作成しておき、 前記認識対象単語限定部、または、前記認識結果単語限
    定部が限定単語を設定する場合に、該単語セットから、
    文書表示部が現在表示中の部分に含まれる単語群を選択
    する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    辞書検索装置であって、 文書表示部が保持する文書を適当なブロックに分割し、
    そのブロック毎に、該ブロックに含まれる単語のセット
    を予め作成しておき、 前記認識対象単語限定部、または、前記認識結果単語限
    定部が限定単語を設定する場合に、該単語セットから、
    文書表示部が現在表示中の部分に含まれる単語群を選択
    する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    辞書検索装置であって 記認識対象単語限定部、または、前記認識結果単語限
    定部は、前記限定した単語を設定する場合に、文書表示
    部が保持している文書の解析を行ない、その解析結果か
    ら限定単語を求める、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の辞書検索装置であ
    って、 文書の解析結果から一旦求めた限定単語を保持しておく
    保持部を有し、 単語を限定する必要が生じた場合に、まず、該保持部を
    参照し、再利用可能な限定単語が保持されている場合に
    は該単語を再利用することにより、文書の解析によって
    限定単語を求める処理を省略する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    辞書検索装置であって、 スイッチを有し 記認識対象単語限定部または前記認識結果単語限定部
    は、該スイッチが所定の状態に設定された場合には、前
    記検索結果表示部によって表示装置に表示されている前
    記詳細情報に含まれる単語に基づいて前記限定を行う、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の辞書検索装置であ
    って、 単語辞書に、前記詳細情報ごとに、当該詳細情報に含ま
    れる単語群の単語リストを保持する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
    の辞書検索装置であって、 前記検索結果表示部が表示している前記詳細情報に対応
    する単語が、表示装置上に表示されている場合に、当該
    単語の表示を所定の強調表示に変更する手段を有する、 ことを特徴とする辞書検索装置。
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