JPH0797309A - メタロチオネイン誘導剤及びサンバーンセル産生抑制剤 - Google Patents

メタロチオネイン誘導剤及びサンバーンセル産生抑制剤

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JPH0797309A
JPH0797309A JP8970394A JP8970394A JPH0797309A JP H0797309 A JPH0797309 A JP H0797309A JP 8970394 A JP8970394 A JP 8970394A JP 8970394 A JP8970394 A JP 8970394A JP H0797309 A JPH0797309 A JP H0797309A
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hinokitiol
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metallothionein
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JP8970394A
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Yoshiro Otsu
吉朗 大津
Yaeno Arima
八重野 有馬
Katsuyuki Nakajima
克行 中嶋
Shoichi Adachi
正一 足立
Tsutomu Muramatsu
勉 村松
Katsumi Hanada
勝美 花田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒノキチオール又はその塩、及び酸化亜鉛を
有効成分として含有するメタロチオネイン誘導剤、及び
サンバーンセル産生抑制剤。 【効果】 このメタロチオネイン誘導剤、サンバーンセ
ル産生抑制剤は、各種皮膚疾患治療剤、紫外線防止用化
粧料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、副作用が少なく、種々
の形態で使用できるメタロチオネイン誘導剤、及びサン
バーンセル産生抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステロイド剤等が、皮膚疾患治療
剤として、例えば皮膚炎、日焼け症、神経皮膚炎、湿
疹、肛門性器そう痒症などの如き皮膚症状の治療に局所
的に用いられてきた。しかし、ステロイド剤は副作用が
強いため、大量長期投与が困難であった。
【0003】一方、原子エネルギーの利用発達は近年凄
まじく、原子力発電、各種疾病の診断、癌治療などの放
射線治療法等多くの分野で利用されているが、その利用
による被曝障害が問題となってきた。このような障害と
しては、白血球の減少、脱毛、皮膚の発赤などの早期障
害や長期間の経過後に現れる発癌、白内障、胎児障害な
どの晩発障害がある。また、放射線の急性被曝による全
身障害、例えば原爆被爆、原子力発電事故、放射線治療
の副作用における吐き気、食欲不振、全身倦怠感といっ
た二日酔いに似た症状もある〔鍵谷 勤,334−36
0,活性酸素,医歯薬出版株式会社,1987年発
行〕。上記放射線障害の原因の一つとして放射線被曝に
よる体内での異常なフリーラジカルの生成が挙げられて
いる。しかし、放射線障害を予防したり、被曝を受けた
場合の障害を安全に減弱し得る有効な薬剤は今だにな
い。
【0004】一方、化粧料にあっては、日焼け止め等を
目的として、パラアミノ安息香酸誘導体、桂皮酸誘導
体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ウロカニン
酸誘導体、ベンズフェノン誘導体及び複素環誘導体など
の紫外線吸収剤が専ら外用剤に配合され、利用されてい
る。これら紫外線吸収剤は、紫外線による皮膚の紅斑や
水疱の形成を抑制し、更にはメラニン形成の抑制による
色素沈着の予防効果、皮膚の老化予防をその目的とした
ものである。ところでいわゆる「日焼け」には、上記し
たように急性炎症性変化としてのサンバーン(sunb
urn)とそれに引き続いて生じるメラニン色素沈着、
サンタン(suntan)の2つの異なった反応が含ま
れる。このサンバーンを起こす光の波長は320nm以下
の中波長紫外線(UVB)と呼ばれる領域であり、紅斑
を発生させる。紫外線による紅斑反応は熱によるヤケド
(burn)とは異なり、日光暴露の直後には発現せ
ず、数時間の潜伏期間をおいて現れる。サンバーンを生
じた皮膚を病理組織学的に観察すると、照射量に応じて
種々の程度の炎症性変化が表皮及び真皮に認められ、中
でも特徴的といえる所見は、表皮内に出現するいわゆる
日焼け細胞(サンバーンセル:sunburn cel
l(SBC))である。組織染色標本で見ると強く好酸
性に染色され核の濃縮した細胞が散見され、これが表皮
細胞の壊死を示す所見とされている〔掘尾 武,Fra
grance Journal,,15−20(19
91)〕。かかる日焼けを防ぐために上記の如くパラア
ミノ安息香酸誘導体、桂皮酸誘導体等の紫外線吸収剤が
使用されているが、必ずしもそれらの紫外線吸収効果は
満足するものではなく、その使用にあっては、使用感や
安定性も悪いという問題を有し、他の配合剤との相溶性
も低く、耐水性及び耐油性においても問題を多々有して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情から、皮膚
疾患治療剤にあっては、副作用が少なく、製剤的にも外
用だけでなく内服にも使用し得る新しい作用効果を持っ
た皮膚疾患治療剤の開発が望まれ、放射線障害治療及び
予防剤にあっては、より安全に放射線被曝による酸化的
障害を抑制治療できる薬剤の開発が望まれ、化粧料にあ
っては、上記の使用感及び製剤の安定性等の問題点を解
決できる化粧料の開発が望まれている。従って、本発明
の目的は上記の特性を有するメタロチオネイン誘導剤、
及びサンバーンセル産生抑制剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】生体の必須微量金属であ
る亜鉛は、生殖器の発達促進、創傷治癒の促進、金属酵
素の成分として、脱水素酵素の促進因子として、また、
免疫系の賦活化などのさまざまな働きとともに金属結合
蛋白であるメタロチオネイン(MT)の誘導因子として
知られている。このMTは炎症時に生じるフリーラジカ
ルのスカベンジャーの働きがあると報告されている〔H
anada,K.et al,Dermatologi
ca,179(suppl.1)143(198
9)〕。
【0007】そこで、本発明者らは、紫外線等による日
焼けなどの外的刺激による皮膚の炎症においても、MT
は炎症部位に集まる白血球、特に顆粒球の放出するフリ
ーラジカルを捕捉し、これにより抗酸化作用を示し、リ
ンパ球への傷害を抑制し、免疫系を賦活化し、更には、
抗酸化作用により皮膚の老化促進を予防すると考えた。
そして、亜鉛化合物を投与してMTを皮膚の表皮角質層
に誘導し、又は増加せしめることにより紫外線暴露後の
サンバーンセル(SBC)の形成を抑制することができ
ると考えた。また上記MTの抗酸化作用は、X線、α
線、β線、γ線、中性子線、加速電子線等の放射線によ
る放射線障害の治療にも利用できると考えた。
【0008】かかる実情において本発明者らは、種々の
化合物についてその薬理作用を検討したところ、ヒノキ
チオール又はその塩、あるいはヒノキチオール又はその
塩と酸化亜鉛の混合物が、公知の薬理作用から全く予測
困難な優れたMT誘導作用及び紫外線によるSBCの産
生抑制作用を有し、日焼け症改善、日焼け予防、皮膚疾
患改善、放射線障害改善等を目的とした化粧料や医薬と
して有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明はヒノキチオール又はそ
の塩(亜鉛塩を除く)を有効成分とするメタロチオネイ
ン誘導剤を提供するものである。
【0010】また、本発明は、ヒノキチオール又はその
塩(亜鉛塩を除く)を有効成分とするサンバーンセル産
生抑制剤を提供するものである。
【0011】また、本発明はヒノキチオール又はその塩
及び酸化亜鉛を有効成分として含有するメタロチオネイ
ン誘導剤、サンバーンセル産生抑制剤を提供するもので
ある。
【0012】本発明に用いられるヒノキチオールの塩と
しては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属
塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金
属塩;銅などの金属塩等の無機塩;ジエタノールアミン
塩、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン
塩;モルホリン塩、ピペラジン塩、ピペリジン塩等の環
状アミン塩;アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン
塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられ
る。塩基性アミノ酸塩としてはD体、L体又はこれらの
混合物のいずれも使用できる。
【0013】また、酸化亜鉛としては粒子径に関係なく
いずれのものでも使用できるが、例えば、通常化粧料に
用いられている平均粒径0.1〜1.0μmのもの、及
び0.001〜0.1μm、特に好ましくは0.005
〜0.02μmの微粒子化酸化亜鉛のいずれも用いるこ
とができる。
【0014】ヒノキチオール又はその塩は単独で優れた
MT誘導作用、SBC産生抑制作用を有する。またヒノ
キチオール又はその塩と酸化亜鉛との混合物はMT誘導
作用、紫外線によるSBCの産生抑制作用を有する。ま
た、ヒノキチオール又はその塩、酸化亜鉛のいずれも既
に化粧料、医薬等に使用されており、安全性が確立して
いる。
【0015】本発明において、ヒノキチオール又はその
塩及び酸化亜鉛をMT誘導剤又はSBC産生抑制剤の有
効成分として用いる場合、ヒノキチオール又はその塩と
酸化亜鉛とは、互いに反応しない条件で配合すればよ
く、これらの化合物はそのままで、あるいは慣用の製剤
担体と共に投与することができる。投与形態は特に限定
されず、必要に応じ適宜選択して使用される。かかる投
与形態としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、各種経口
用液剤などの経口剤;注射剤、坐剤などの非経口剤;液
状塗布剤、ローション剤、エアゾール剤、リニメント
剤、軟膏剤、パップ剤などの外用剤等、一般的な医薬製
剤の形態が挙げられる。
【0016】また、これら本発明のMT誘導剤及びSB
C産生抑制剤は、ヒトの皮膚炎、日焼け症、神経皮膚
炎、皮膚脈管炎、乾癬、多形性紅疹、ベーチェット病、
水痘性皮膚炎、セメント皮膚炎、湿疹、肛門性器そう痒
症などの皮膚疾患;白血球の減少、脱毛や皮膚の発赤、
吐き気、食欲不振などの放射線被曝障害の治療に用いら
れる以外に、ヒト以外の哺乳動物(犬、猫等のペットや
牛、馬等の家畜など)の皮膚疾患等の治療にも用いるこ
とができる。
【0017】本発明のMT誘導剤及びSBC産生抑制剤
は、通常医薬に使用されている各種の希釈剤、賦形剤等
を適宜使用して、常法に従って製造される。例えば、経
口剤のうちの錠剤は前記有効成分をゼラチン、澱粉、乳
粉、ステアリン酸マグネシウム、滑石、アラビアゴムな
どの製剤学的賦形剤と混合し、賦形化して製造される。
カプセル剤は、前記有効成分を不活性の製剤充填剤もし
くは希釈剤と混合し、硬質ゼラチンカプセル、軟質カプ
セルなどに充填して製造される。経口用液剤のシロップ
剤及びエリキシル剤は前記有効成分をショ糖などの甘味
剤、メチルパラベン類、プロピルパラベン類などの防腐
剤、着色剤、調味剤などと混合して製造される。また、
かかる経口剤は、必要に応じて各種のビタミン剤、シュ
クロースなどのエネルギー源としての炭水化物、カゼイ
ンなどの蛋白源、メチオニンなどのアミノ酸及び食塩な
どの電解質との配合による食事用皮膚疾患改善剤、食事
用MT誘導剤及び食事用SBC産生抑制剤としても投与
できる。
【0018】また、非経口剤は、例えば、前記有効成分
を滅菌した液状担体に溶解して製造される。好ましい担
体は水又は食塩水である。所望の透明度、安定性及び非
経口使用の適応性を有する液剤は前記亜鉛化合物を、水
及び有機溶剤に溶解し、更に分子量200〜5000の
ポリエチレングリコールに溶解して製造される。かかる
液剤にはナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コールなどの潤滑剤が配合されるのが好ましい。更に、
上記の経口剤及び非経口剤には、ベンジルアルコール、
フェノール、チメロサールなどの殺菌剤及び防カビ剤、
更に必要に応じ、ショ糖、局所麻酔剤、安定剤、緩衝剤
の他、すでに公知の紫外線吸収剤として知られている成
分を配合することができる。また、非経口投与用薬剤
は、その安定性の観点から、カプセルなどに充填後、冷
凍し、通常の凍結乾燥技術により水を除去し、使用直前
に凍結乾燥粉末から液剤を再調製することもできる。
【0019】かくして得られる、経口剤、非経口剤中に
含有される前記有効成分の量は特に限定されないが、投
与単位形態中にヒノキチオール又はその塩単独で、ある
いはヒノキチオール又はその塩と酸化亜鉛の総量として
0.1〜200mgが好ましい。また、投与されるべき有
効成分の量も特に限定がなく、広い範囲から適宜選択さ
れるが、所期の効果を発揮するためにはヒノキチオール
又はその塩単独で、あるいはヒノキチオール又はその塩
と酸化亜鉛の総量として大人(体重50kg)で0.1〜
200mg/日の用量にて1〜数回にわけて投与するのが
好ましい。なお、ヒノキチオール又はその塩と酸化亜鉛
とを併用する場合、その配合比はヒノキチオール又はそ
の塩:酸化亜鉛=99.95:0.05〜0.05:9
9.95、特に9:1〜1:200が好ましい。
【0020】また、本発明のMT誘導剤又はSBC産生
抑制剤を外用剤として調製するにあたっては、通常の親
油性又は親水性基剤、例えば脂肪、脂肪油、ラノリン、
ワセリン、パラフィン、ロウ、グリコール類、グリセリ
ン、水等を使用して、常法に従って行えばよい。上記の
外用剤には、必要に応じて通常添加されることの知られ
ている各種の添加剤、例えば安定化剤、香料、着色剤等
の他、すでに公知の紫外線吸収剤として知られている成
分を配合することができる。
【0021】かくして得られる外用剤中に含有される前
記有効成分の量は特に限定されず、広範囲から適宜選択
されるが、通常製剤中にヒノキチオール又はその塩単独
で、あるいはヒノキチオール又はその塩と酸化亜鉛の総
量として約0.0001〜30重量%の範囲が好まし
い。また、ヒノキチオールと酸化亜鉛を併用する場合の
配合比は前記と同様である。また本発明治療剤の適用量
及び方法は、該製剤の形態、製剤中の有効成分量、これ
を適用される患者の年齢、性別その他の条件、皮膚病変
の程度等に応じて決定することができ、例えば本発明治
療剤は、これを患部全体に充分に行きわたる量で、一日
に1〜複数回、該患部に散布、塗布等により適用するこ
とができる。
【0022】また、本発明における前記有効成分を紫外
線防止用等の化粧料の成分として用いる場合、当該化粧
料は、前記化合物を有効成分として含有させる以外は、
通常の化粧料と同様にして、各種の形態に調製される。
例えば洗浄用化粧料、化粧水、クリーム、乳液、メイク
アップクリーム、化粧用オイル、パック等の基礎化粧
料、ファンデーション、口紅、頬紅、アイライナー、マ
スカラ、アイシャドー、マニキュア、白粉等の仕上げ化
粧料、整髪剤、養毛剤等の頭髪用化粧料、浴用剤、美白
剤、サンスクリーン剤、ニキビ用剤等の各種形態とする
ことができ、各々は常法に従って製造することができ
る。
【0023】また、かかる化粧料の製造の際には必要に
応じて公知の各種化粧料基剤、例えば賦形剤、結合剤、
滑沢剤、崩壊剤等を使用することができ、更に必要に応
じて本発明の効果を損なわない範囲内で各種の油脂、ロ
ウ、炭化水素、脂肪酸、高級アルコール、エステル油、
金属石ケン等の油脂原料、動物・植物抽出液、ビタミン
剤、ホルモン剤、アミノ酸等の薬効剤、界面活性剤、色
素、染料、顔料、香料、防腐剤、殺菌剤、保湿剤、増粘
剤、酸化防止剤、金属封鎖剤の他、すでに公知の紫外線
吸収剤として知られている成分、その他の添加剤を組み
合わせて使用し得る。
【0024】本発明化粧料中への前記有効成分の配合量
は、得られる化粧料の形態や所望の効果等に応じて、適
当に選択できるが、通常全組成物中にヒノキチオール又
はその塩と酸化亜鉛の総量として0.0001〜99.
9重量%程度、好ましくは約0.001〜30重量%程
度、より好ましくは約0.001〜10重量%程度の範
囲となる量とされるのが適当である。また、ヒノキチオ
ールと酸化亜鉛の配合比は前記と同様である。また、本
発明の化粧料は水又は適当な溶媒により希釈して使用す
ることも可能である。
【0025】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0026】実施例1 ヘアレスマウス(BALB/c Jcl−hr,6週
齢,雌,日本クレア)を用い、ヒノキチオール又はその
塩、酸化亜鉛、その混合物を皮膚外用によるMTの誘導
及びSBC産生抑制効果について検討した。ヘアレスマ
ウスを3.6%抱水クロラールの腹腔注射(0.8cc
/100g)による麻酔下、背部皮膚に被検サンプルを
8時間毎に3回塗布した。
【0027】(1)最終塗布から24時間後、マウスを
屠殺し、背部の皮膚を6mmトレパンにて採取した。採取
した皮膚を用い、抗ラット肝MT抗体を用いて免疫組織
化学的染色を行ない、MTが誘導されているか確認し
た。免疫組織化学的染色方法は、特開平2−24720
0号に記載の方法に従った。即ち、採集した皮膚をホル
マリン固定し、パラフィン包埋した後、常法に従って切
り出し、ガラス切片をキシレン・アルコール濃度勾配に
て脱水した後、そのガラス切片プレート上に固定した。
次にプレートをTBS〔20mMトリス、500mM Na
Cl(pH7.5)〕に10分間浸し、振盪した後、ブロ
ッキング液(TBSに3%ゼラチンを加えたもの)にプ
レートを浸し、5分間振盪した。これをもう一度繰り返
した後、TBSに1%ゼラチンを加えた抗体希釈液で4
00倍に希釈した一次抗体液(抗ラットMTウサギIg
G抗体の抗体希釈液)にプレートを浸し一晩振盪した。
次いで、TTBS液(TBSに0.05%Tween−
20を加えたもの)にプレートを5分間振盪した。この
操作をもう一度繰り返した後、GAR−HRP二次抗体
液(山羊抗ウサギIgG抗体、ホースラディシュペルオ
キシダーゼコンジュゲートの抗体希釈液による400倍
希釈液)にプレートを浸し、1時間以上振盪した。更
に、TTBSにプレートを浸し、5分間振盪する操作
を、2回繰り返した後、TBSにプレートを浸し、5分
間振盪する操作を、1回繰り返した。基質液(60mgの
基質を含む20ml氷冷メタノールと30%H22を60
μlを含む100ml TBSを使用直前に混合して調
製)にプレートを浸し、45分間振盪した。蒸留水にプ
レートを浸し、軽く洗い、風乾した後写真をとり、イム
ノアッセイを行なった。各群における表皮核、真皮、及
び毛包とMT抗体との反応性を表1に示した。該表中、
(−)はMT染色でMTと反応なし、(+)は弱い反応
あり、(++)は反応あり、(+++)は強い反応あり
を示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1より、ヒノキチオール又はその塩の単
独塗布、ヒノキチオール又はその塩と酸化亜鉛との併用
の場合には、いずれも強いMT誘導効果が認められた。
【0030】(2)前記の被検サンプル最終塗布から2
4時間後、マウス背部皮膚に紫外線(2000J/
2)照射を行った。照射の24時間後、マウスを屠殺
し、皮膚を6mmトレパンにて採取し、10%ホルマリン
で固定した後、組織切片標本を作製し、これをヘマトキ
シリン・エオジン染色した。作製した組織染色標本長さ
1mm当りのSBC数を数えた。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2より、ヒノキチオール又はその塩の単
独塗布、ヒノキチオール又はその塩と酸化亜鉛との併用
の場合には、いずれも強力なSBC産生抑制効果が認め
られた。
【0033】
【表3】 実施例2(軟膏) (重量%) ヒノキチオール 0.05 豚脂 30.0 サラシミツロウ 6.0 酸化亜鉛 10.0 白色ワセリン 適量 合計 100.0
【0034】(1)ヒノキチオールを秤取し、これに豚
脂の一部を加え、約40℃に加温、均一に攪拌溶融し
た。(2)残りの豚脂、サラシミツロウ及び白色ワセリ
ンを水浴上で溶解した後、攪拌して80℃の混合物を形
成した。(3)乳鉢に酸化亜鉛を秤取し、上記(2)で
調製された混合物を少量ずつ添加しながら均一に攪拌
し、約40℃になるまで攪拌下冷却した。(4)次い
で、上記(1)で調製された混合物を約40℃で添加し
た後、固まるまでよく攪拌し、目的の軟膏を得た。
【0035】
【表4】 実施例3(軟膏) (重量%) ヒノキチオール 0.05 豚脂 30.0 サラシミツロウ 6.0 微粒子化酸化亜鉛 5.0 白色ワセリン 適量 合計 100.0 (製法は実施例2と同じ。)
【0036】
【表5】 実施例4(軟膏) (重量%) ヒノキチオール 0.33 オリーブ油 10.0 酸化亜鉛 0.08 局方単軟膏 適量 合計 100.0
【0037】(1)ヒノキチオールを秤取し、これにオ
リーブ油の一部を加え、約40℃に加温、均一に攪拌溶
融した。(2)残りのオリーブ油及び局方単軟膏を水浴
上で溶解した後、攪拌して80℃の混合物を形成した。
(3)乳鉢に酸化亜鉛を秤取し、上記(2)で調製され
た混合物を少量ずつ添加しながら均一に攪拌し、約40
℃になるまで攪拌下冷却した。(4)次いで、上記
(1)で調製された混合物を約40℃で添加した後、固
まるまでよく攪拌し、目的の軟膏を得た。
【0038】
【表6】 実施例5(ミルクローション) (重量%) ステアリン酸 3.0 鯨ロウ 3.0 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0 サラシミツロウ 2.0 飽和脂肪酸(C8〜C12)トリグリセライド 10.0 L−アルギニン 1.0 ソルビトール 3.0 酸化亜鉛 0.02 ヒノキチオール 0.02 香料 0.1 精製水 残分 合計 100.0
【0039】
【表7】 実施例6(ミルクローション) (重量%) ステアリン酸 3.0 鯨ロウ 3.0 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0 サラシミツロウ 2.0 飽和脂肪酸(C8〜C12)トリグリセライド 10.0 L−アルギニン 1.0 ソルビトール 3.0 微粒子化酸化亜鉛 0.02 ヒノキチオール 0.2 香料 0.1 精製水 残分 合計 100.0
【0040】
【表8】 実施例7(化粧水) (重量%) エチルアルコール 10.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(9EO) 2.0 感光素201号 0.001 香料 適量 濃グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 3.0 酸化亜鉛 0.05 ヒノキチオール・L−アルギニン塩 1.0 色素 適量 精製水 残分 合計 100.0
【0041】(1)エチルアルコールにポリオキシエチ
レンラウリルエーテル(9EO)、感光素201号及び
香料を加え、均一に溶解した。(2)精製水に、濃グリ
セリン、1,3−ブチレングリコール、ヒノキチオール
・L−アルギニン塩及び酸化亜鉛を加え、均一に溶解し
た。(3)80℃で上記(1)で調製された混合物に上
記(2)で調製された混合物を加え、均一に混合し可溶
化した後、ヒノキチオールを添加し、色素で着色し、化
粧水を得た。
【0042】
【表9】 実施例8(クリーム) (重量%) トリオクタン酸グリセリル 30.0 サラシミツロウ 2.5 親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0 ステアリン酸バチル 2.0 ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10EO) 1.0 ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(20EO) 1.0 酸化亜鉛 1.0 ヒノキチオール・2−アミノ−2−エチル 1,3−プロパンジオール塩 0.03 精製水 残分 合計 100.0
【0043】
【表10】 実施例9(クリーム) (重量%) 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0 オリーブ油 8.0 微粒子酸化亜鉛 5.0 プロピレングリコールモノステアレート 0.5 濃グリセリン 8.0 pH調整剤 適量 ヒノキチオール 0.05 エタノール 3.0 精製水 残分 合計 100.0
【0044】
【表11】 実施例10(パック) (重量%) ポリビニルアルコール 15.0 ポリビニルピロリドン 5.0 濃グリセリン 5.0 ヒノキチオール 0.1 酸化亜鉛 0.5 エチルアルコール 15.0 精製水 残分 合計 100.0
【0045】
【表12】 実施例11(粉白粉) (重量%) 沈降炭酸カルシウム 30.0 二酸化チタン 3.0 微粒子酸化亜鉛 2.0 ステアリン酸亜鉛 3.0 顔料 適量 香料 適量 ヒノキチオール 0.5 タルク 残分 合計 100.0
【0046】
【表13】 実施例12(サンスクリーンローション(二層性)) (重量%) 微粒子酸化亜鉛 0.8 ヒノキチオール 0.05 ヒノキチオール・L−アルギニン塩 0.05 エタノール 5.0 精製水 残分 合計 100.0
【0047】
【発明の効果】本発明の皮膚疾患治療剤、MT誘導剤、
SBC産生抑制剤、紫外線防止用等の化粧料は、優れた
日焼け症改善効果、日焼け予防効果、皮膚疾患改善効
果、放射線障害治療効果を有する。従って、本発明の皮
膚疾患治療剤、MT誘導剤、SBC産生抑制剤はヒトの
皮膚炎、日焼け症、神経皮膚炎、皮膚脈管炎、乾癬、多
形性紅疹、ベーチェット病、水痘性皮膚炎、セメント皮
膚炎、湿疹、肛門性器そう痒症などの皮膚疾患の治療及
び放射線障害治療剤として放射線被曝による白血球の減
少、脱毛、皮膚の発赤、吐き気、食欲不振、全身倦怠感
などの被曝障害の治療剤として有用であり、また本発明
の化粧料は日焼けの予防や皮膚の老化の予防に有用なも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/12 ADA 9454−4C (72)発明者 村松 勉 奈良県奈良市学園大和町4丁目194番地 (72)発明者 花田 勝美 青森県弘前市城東北1丁目8番12号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオール又はその塩(亜鉛塩を除
    く)を有効成分とするメタロチオネイン誘導剤。
  2. 【請求項2】 ヒノキチオール又はその塩(亜鉛塩を除
    く)を有効成分とするサンバーンセル産生抑制剤。
  3. 【請求項3】 ヒノキチオール又はその塩、及び酸化亜
    鉛を有効成分として含有するメタロチオネイン誘導剤。
  4. 【請求項4】 ヒノキチオール又はその塩、及び酸化亜
    鉛を有効成分として含有するサンバーンセル産生抑制
    剤。
JP8970394A 1993-08-02 1994-04-27 メタロチオネイン誘導剤及びサンバーンセル産生抑制剤 Pending JPH0797309A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195688A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Kankousha:Kk 防腐殺菌保湿剤及び皮膚・毛髪外用組成物
WO2022000038A1 (en) * 2020-06-30 2022-01-06 Advance NanoTek Ltd. Sanitizing, antimicrobial hand, face and body moisturiser
WO2023087079A1 (en) * 2021-11-16 2023-05-25 Advance ZincTek Limited A sunscreen composition

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WO2022000038A1 (en) * 2020-06-30 2022-01-06 Advance NanoTek Ltd. Sanitizing, antimicrobial hand, face and body moisturiser
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