JPH0796844A - 電動式動力舵取装置 - Google Patents

電動式動力舵取装置

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Publication number
JPH0796844A
JPH0796844A JP26544593A JP26544593A JPH0796844A JP H0796844 A JPH0796844 A JP H0796844A JP 26544593 A JP26544593 A JP 26544593A JP 26544593 A JP26544593 A JP 26544593A JP H0796844 A JPH0796844 A JP H0796844A
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JP
Japan
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displacement
steering
shaft
axial direction
linear
Prior art date
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Application number
JP26544593A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nishigori
裕 錦織
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入、出力軸間での回転変位を直線変位に変換
する部位での円滑な動きを可能とし、急操舵や極低温時
の変位伝達にあたっての応答遅れを解消する。 【構成】 舵取ハンドル側の入力軸2と操舵輪側の出力
軸3との間での相対的な回動変位に伴って軸線方向に移
動される直動部材31を、一方向に付勢して設ける。こ
の直動部材31のフランジ部31aが係合する変位取出
し部材40を設け、その直線変位に伴い軸線方向に移動
させる。この変位取出し部材は一方向に付勢され、また
その動きを非接触状態で検出する操舵トルク検出手段が
設けられる。直動部材は、回転が規制された状態で、他
方軸側の係合手段が係合するカム手段36,37を有す
る。このカム手段は、直動部材の直線変位を軸線方向両
側において機械的に規制可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舵取ハンドルの操作力
(操舵力)を軽減するための操舵補助力発生源として電
動モータを用いてなる電動式動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング装置として従来は油
圧式が主流を占めていたが、近年電動モータ等を利用し
た電動式も、たとえば特開昭61−226362号公報
等を始め種々提案されている。すなわち、この種の電動
式動力舵取装置は、簡単な電気配線により車載バッテリ
およびコントローラ等に結線して使用し得る電動モータ
を、操舵補助力発生手段とするものであり、従来一般的
であった油圧式に比べ、装置構成の簡素化が図れ、小型
かつコンパクト化も可能となるものであった。
【0003】ところで、このような電動モータを操舵補
助力発生手段とする電動式のパワーステアリング装置に
採用するにあたっては、運転者の操舵要求を適切かつ確
実に検出してモータを精度よく駆動制御し、所要の操舵
補助力が得られるような構成を採用することが必要とさ
れる。すなわち、車輌において停車中での据切り時や低
速走行中の舵取操作時にはきわめて軽い舵取操作が行な
えるとともに、高速走行中はある程度の重さを有する剛
性感をもつ舵取操作が望まれるためである。
【0004】このため、運転者の操舵要求である操舵力
(操舵トルク)、操舵角速度等を、車輌の走行速度と共
に適切かつ確実に検出する検出機構を設けることが必要
とされており、従来から種々の構造をもつ検出機構が提
案されている。
【0005】この種の検出機構において、たとえば操舵
力検出機構としては、非接触型のトルクセンサおよびそ
の信号処理回路等からなり、これらをステアリングシャ
フトを構成する入、出力軸間に介在させてステアリング
ボディ内に内設したものが、実開平3−5570号公報
等によって従来から種々提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な従来構造によれば、非接触型センサとしてのホール素
子や信号処理回路を構成する各種電気部品等を実装して
なるプリント配線回路基板を、可動部材である入、出力
軸の一方に付設するとともに、これら両軸間での相対的
な回転変位による出力信号を、ブラシとスリップリング
等からなる出力信号配線手段により固定側に引出し、こ
れをコントローラ等に送ってモータの駆動制御を行なう
構成としなければならない。
【0007】そして、このような従来構造によれば、非
接触型センサや磁石手段による検出手段を、共に回転す
る部材である入、出力軸に設けることが必要で、このた
めにその出力信号の取出しをブラシとスリップリングと
による直接摺動接触タイプのものを用いて行なうことが
必要で、特にブラシ等での強度や耐久性の面で問題を生
じるばかりでなく、接触抵抗が使用時に増減したりし、
センサ出力としての信頼性が低下する等の不具合があ
り、このような入、出力軸間での相対的な回転変位を検
出して取出す際に実用面での問題を避けられないもので
あった。
【0008】このため、本出願人は、たとえば特開平4
−325376号公報、実開平5−10159号公報等
により、カム手段等を介して一方の軸上で軸線方向に移
動する直動部材を用い、かつこの直動部材の動きを、位
置センサとして、固定部側に軸線方向に移動可能な状態
で保持され永久磁石を有する変位取出し部材とその外周
部に対向して設けられるホール素子を有するセンサ部材
とからなるトルク検出手段を用いてなる構造等によるも
のを、先に提案している。
【0009】そして、このような構成によれば、入、出
力軸間での回転変位を、直動部材の軸線方向への直線変
位に変換し、これを必要最小限の構成部品点数によって
得られる検出手段によって、所要のトルク検出を行なえ
る。
【0010】しかしながら、上述した構成による操舵ト
ルク検出部において、入、出力軸での回転変位がカム手
段を介して伝達される直動部材や変位取出し部材は、ば
ね等の弾性手段で一方向に付勢されているものの、逆方
向には機械的に規制されてはおらず、その付勢力にそれ
ぞれの部材の復帰習性を組合わせて直動変位させている
に過ぎない。
【0011】そして、このような従来構造では、たとえ
ば急操舵時や極低温時において、入、出力軸間にトーシ
ョンバーのねじれで相対的に回転変位が生じているにも
かかわらず、慣性の影響、ボディ内に充満されているグ
リース等、潤滑剤の粘性抵抗の影響によって、特に変位
取出し部材での所要の軸線方向での直線変位を得ること
が難しいという不具合があった。
【0012】すなわち、急操舵時やグリースの粘性が増
大している極低温時にあっては、ボディ内に単純に移動
可能に設けただけの直動部材や変位取出し部材を、所要
の方向に所定量移動させることが困難で、操舵トルク検
出が適切に行えず、その結果として応答性が悪く、いわ
ゆる応答遅れを生じるという不具合を避けられないもの
であった。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、入、出力軸間での回転変位を直線変位に変
換する部位での円滑な動きを可能とし、急操舵や極低温
時の変位伝達にあたっての操舵トルク検出を適切かつ確
実に行い、いわゆる応答遅れという不具合を解消し得る
電動式動力舵取装置を得ることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る電動式動力舵取装置は、舵取ハンド
ル側の入力軸と操舵輪側の出力軸との一方軸上に、軸線
方向に沿って移動可能でかつ一側に付勢した状態で設け
られ両軸間での相対的な回転変位をカム機構を介して軸
線方向での直線変位に変換するフランジ部を有する直動
部材と、この直動部材のフランジ部が係合することによ
りその直線変位動作に伴って軸線方向に移動可能な状態
でかつ一側に付勢した状態で設けられている変位取出し
部材と、この変位取出し部材の軸線方向への直線変位動
作を非接触状態で検出する操舵トルク検出手段を備え、
直動部材を、一方軸上に回転を規制された状態で支持す
るとともに、他方軸に設けられた係合手段が係合するこ
とで両軸間での回転変位を直線変位に変換するカム手段
を有し、このカム手段を、直動部材の直線変位を軸線方
向両側において機械的に規制可能に構成したものであ
る。
【0015】
【作用】本発明によれば、入、出力軸間での相対的な回
転変位は、一方軸上に回転を規制されて軸支されている
直動部材にカム手段を介して伝達され、これによる直動
部材の直線変位は、フランジ部が係合している変位取出
し部材に伝達される。このとき、入、出力軸の回転変位
を直動部材に伝達するカム手段は、直動部材の直線変位
を軸線方向両側で機械的に規制可能に構成されているた
め、両方向への動きが適切に伝達されて円滑な動きを確
保でき、応答遅れ等といった問題は生じない。
【0016】
【実施例】図1ないし図4は本発明に係る電動式動力舵
取装置の一実施例を示している。これらの図において、
まず、全体を符号1で示す電動式動力舵取装置の概略構
成を図4等を用いて簡単に説明すると、2は図示せぬ舵
取ハンドル側に連結される入力軸としてのスタブ軸、3
は図示せぬ操舵輪側に連結されるピニオン3aを有する
出力軸としてのピニオン軸、4はこれら両軸2,3を所
定角度範囲内で相対的に回動変位可能に連設するトーシ
ョンバーで、これらの部材によってステアリングシャフ
トが構成される。
【0017】また、これらステアリングシャフトを構成
する軸2,3は、前記ピニオン3aと噛合するラック歯
5aを有するラック5と共に、ステアリングギヤボディ
6,7内に貫通して配設されている。なお、8a,8
b,8cはボディ6,7内でピニオン軸3を回転自在に
支持する軸受、8d,8eはこのピニオン軸3内にスタ
ブ軸2を差し込んだ状態で回転自在に支持する軸受であ
る。さらに、上述したラック5は、周知の通り、図示せ
ぬタイロッド等と共に操舵輪間を連結する舵取リンク機
構を構成する。
【0018】また、上述したステアリングシャフト機構
部において、舵取ハンドル側のスタブ軸2にトーション
バー4を介して連結された操舵輪側のピニオン軸3上に
は、スタブ軸2側の側面が歯面10aとされたハイポイ
ドギヤによる大ギヤ10が軸支して設けられるととも
に、この大ギヤ10を介してピニオン軸3側に操舵補助
力を与える電動モータ11を、前記ピニオン軸3に略直
交して配置させ、そのモータ軸11a先端側に、大ギヤ
10と共に操舵補助力伝達用の歯車機構13となる減速
歯車機構を構成する小ギヤ12aを有するギヤ軸12を
設け、これによりモータ11からの操舵補助力を前記ピ
ニオン軸3側に伝達するように構成している。
【0019】このような構成によれば、ステアリングシ
ャフト(2,3,4)等を有するステアリングギヤボデ
ィ6,7、ピニオン軸3に軸食違いギヤであるハイポイ
ドギヤによる減速歯車機構(傘歯車等でもよい)を介し
て連結されるモータ11などを効率よく連結し、結果と
して装置全体の小型、軽量かつコンパクト化が可能とな
る。勿論、本実施例のようなハイポイドギヤによれば、
軸の食違い分だけ軸線方向での小型化が可能となる。
【0020】なお、20は操舵輪側のステアリングシャ
フトであるピニオン軸3(出力軸系)に操舵補助力を伝達
する電動モータ11からの小ギヤ12aおよび大ギヤ1
0による歯車機構13の途中に介在されモータ軸11a
側とピニオン軸3側への伝達用の小ギヤ12aを有する
ギヤ軸12側との間での回転伝達を選択的に連結、遮断
する電磁クラッチで、周知の構造を有し、さらに周知の
動作を行なうものであり、詳細な説明は省略する。
【0021】さらに、21は歯面10aを一側面側に有
しピニオン軸3上に軸線方向に移動可能でかつ回転方向
においてのみ連結して軸支される被駆動側の大ギヤ10
を背面側から押圧付勢することにより、この大ギヤ10
のギヤ部10aを、電動モータ11からの回転駆動力を
伝達するギヤ軸12先端側の小ギヤ12aに常時噛合さ
せ、かつバックラッシュをゼロとし得るようにする弾性
支持用の付勢手段である。
【0022】さて、本実施例では、上述したスタブ軸2
とピニオン軸3とのトーションバー4のねじれによる相
対的な回動変位を検出しモータ11を駆動するための操
舵トルク検出機構30を、図1ないし図3からも明らか
なような構成としている。
【0023】これを詳述すると、舵取ハンドル側のスタ
ブ軸2とこれにトーションバー4を介して相対的に回転
変位可能に連結される操舵輪側のピニオン軸3の一方
(実施例ではピニオン軸3)に、軸線方向に沿って移動
可能な直動部材として中央部にフランジ部31aを有す
る筒状体31を設け、該筒状体31を軸線方向において
一端側(図中左方向であるラック5側)に付勢した状態
としている。なお、図中32は付勢手段であるスプリン
グである。
【0024】ここで、図1および図3から明らかなよう
に、筒状体31の左側筒状部において周方向の一部に
は、端縁部から切欠き溝33が形成され、この切欠き溝
33に、ピニオン軸3上に植設した係合ピン34が、ベ
アリング35を介して係合している。そして、この切欠
き溝33とピニオン軸3側の係合ピン34との係合によ
って、筒状体31は、ピニオン軸3上で軸線方向にのみ
移動可能な状態で回り止めされ、このピニオン軸3と一
体的に回転するようになっている。
【0025】さらに、前記筒状体31の左側筒状部にお
いて、切欠き溝33とは周方向でずれた位置には、図3
から明らかなように、周縁がカム面36aとされたカム
孔36が形成され、このカム孔36には、前記スタブ軸
2上に植設された係合ピン37が係入し、ベアリング3
8を介してカム面36aに係合している。なお、ピニオ
ン軸3には、この係合ピン37を逃げる開口37aが形
成されている。
【0026】そして、このカム孔36と係合ピン37を
含めた筒状体31によるカム機構によって、前記スタブ
軸2とピニオン軸3との間での相対的な回動変位を、両
軸2,3での軸線方向への動きに変換するようになって
いる。
【0027】ここで、上述したカム孔36は、両軸2,
3での相対変位を回転運動から軸線方向への直動運動に
変換するカム孔36全周がカム面36aとされ、かつ軸
線方向の両側において両方向への動きを許容できる程度
の隙間をおいて対向する対称なカム面形状によって形成
され、さらにスプリング32によって一方(ピニオン軸
3側)に付勢されている。このようにすれば、両軸2,
3での回転変位に応じて筒状体31を、カム孔36全周
でのカム面36aとスプリング32の付勢力とによっ
て、操舵方向がいずれでもあっても、その回転変位を円
滑かつ迅速に追従して軸線方向に直線変位に変換し、直
動移動させ得るものである。
【0028】40は上述した直動部材としての筒状体3
1の動きを取り出すための変位取出し部材としての磁石
ホルダで、この磁石ホルダ40は、ステアリングボディ
7において軸線方向に形成した摺動孔41内に軸線方向
に移動可能な状態で保持され、その内部には、非接触型
の操舵トルクセンサとして、軸線方向の両端側が異なる
極性をもつように着磁されている永久磁石42が配設さ
れている。
【0029】ここで、図1では、永久磁石42は、一対
のばね43,43により浮動支持した場合を示している
が、これに限定されず、図3に示すように、一方にスペ
ーサ44を入れ、他方からばね43により付勢して保持
するように構成してもよいことは言うまでもない。
【0030】そして、上述した磁石ホルダ40はボディ
6,7内の内方端にネック部45を有し、このネック部
45に前記筒状体31のフランジ部31aが係入される
ことにより、筒状体31と一体的に移動するようになっ
ている。なお、頭部45aの一部を切り落とすことによ
り非対称な切欠き形状としたのは、組立時においてフラ
ンジ部31aのネック部45への係合を、干渉を生じる
ことなく簡単に行えるようにし、しかもこの磁石ホルダ
40を半回転することで係合状態を維持できるようにし
ているものである。
【0031】ここで、図中46は上述した磁石ホルダ4
0を組込み、回転させてフランジ部31aと係合状態と
した後、ホルダ40を組込んだ摺動孔41の開口端を、
該ホルダ40を回り止めした状態で閉塞するための回転
規制手段としての蓋体で、ボディ7に対し所要の取付姿
勢でねじ止め固定されるようになっている。
【0032】そして、このような構成によれば、両軸
2,3間での相対的な回転変位がカム手段であるカム孔
36と係合ピン37を介して筒状体31の直線変位に変
換され、これは軸線方向両側で機械的に規制可能に構成
されていることから、両操舵方向への動きが適切かつ確
実に伝達され、たとえば急操舵時や極低温時において慣
性の影響やグリース等の増大する粘性抵抗によって、筒
状体31や永久磁石42を有する変位取出し部材である
磁石ホルダ40での所要の直線変位が得られないという
従来の不具合を一掃でき、磁石ホルダ40の直線変位、
ひいては操舵トルクセンサによる検出結果に基づく操舵
時の操舵補助力発生での応答遅れ等という問題を解消す
ることができる。
【0033】また、本実施例では、図1や図2の
(a),(b)から明らかなように、上述したようにし
てボディ6,7内で軸線方向に移動可能に保持されスタ
ブ軸2とピニオン軸3との相対的変位に基づいて移動す
る筒状体31(直動部材)、磁石ホルダ40(変位取出し
部材)を介しての永久磁石41の外周部に略直交する方
向から臨むようにステアリングボディ7内に組み込まれ
かつ永久磁石41と共に操舵トルクセンサを構成するホ
ール素子50を内方端に有するホール素子ホルダ51を
備えている。
【0034】そして、このホール素子ホルダ51の基端
部を、ボディ7側に形成したねじ孔52に螺合されるね
じ部53として形成するとともに、内方端側でこのねじ
部53と同軸上に、ボディ7側でねじ孔52に連続して
形成される嵌合孔54内にインローによる嵌合部55を
形成している。
【0035】なお、図中51aはホール素子ホルダ51
における外方端フランジ、50aはホール素子50から
引き出されるリード、56はねじ部53に螺合されるロ
ックナットである。ここで、この例では、図2の(a)
に示されるように、一個の永久磁石42に対し二方向か
らホール素子50,50を有するホルダ51,51をね
じ込んで臨ませ、ダブルチェックを行なえるようにした
が、これに限定されず、一個のホール素子50をもつホ
ルダ51のみを用いてもよいことは勿論である。
【0036】このような構成では、ホール素子ホルダ5
1を、基端部側のねじ部53によりステアリングボディ
7のねじ孔52内に順次ねじ込んで螺合させ、その内方
端側のインローによる嵌合部55を、ボディ7側の嵌合
孔54内に嵌合させ、内方端部に設けたホール素子50
を、ボディ7内に保持されている変位取出し部材である
磁石ホルダ40における永久磁石42外周部に臨ませる
ことにより、非接触型の操舵トルクセンサを、所要の位
置精度とギャップ精度とをもって簡単にしかも精度よく
調整して組込むことが可能となる。
【0037】そして、このような構成を採用すると、簡
単な構造でしかも簡単な組立作業であるにもかかわら
ず、操舵トルクセンサを構成するホール素子50を、永
久磁石42との位置調整やギャップ調整も容易にしかも
精度よく行なって、ステアリングボディ6,7内に組み
込めるものである。ここで、注意すべきことは、ホール
素子ホルダ51においてねじ部52と同軸上にインロー
による嵌合部55を設けるとともに、その軸心上にホー
ル素子50を設けることである。そして、このような機
械精度で得られる各部によって、前述したホール素子5
0と永久磁石42とによる非接触型の操舵トルクセンサ
を、所要の位置精度、ギャップ精度をもって構成でき、
コスト低減化も達成し得るものである。
【0038】特に、上述した構造のようにロックナット
56を用いてホール素子ホルダ51を、微調整後に所定
位置で固定できるように構成すれば、ねじ込み量によっ
てギャップの微調整を適切かつ確実に行なえるもので、
その利点は大きい。また、ねじ込みによるホルダ51に
おいても、そのねじ部52と同軸上に設けられているイ
ンローによる嵌合部55の嵌合孔54へのインロー結合
によって、永久磁石42に対するホール素子50の位置
精度を所要の状態に合わせることが、機械精度のみでき
わめて簡単に行なえる。
【0039】なお、本発明は、上述した実施例構造に限
定されず、電動式動力舵取装置1各部の形状、構造等を
必要に応じて適宜変形、変更することは自由で、種々の
変形例が考えられよう。たとえば、上述した実施例で
は、モータ11からの操舵補助力伝達用の歯車機構13
として、ハイポイドギヤを用いた場合を例示したが、本
発明はこれに限定されず、平歯車を始め、はすば歯車、
遊星歯車、傘歯車等による軸違い歯車からなる歯車機構
13であってもよいもので、種々の変形例が考えられ
る。
【0040】また、上述した実施例では、ねじ込み可能
でかつインロー結合されるホール素子ホルダ51を用
い、これによりホール素子50とボディ7内で永久磁石
42の外周部に対向するように臨ませた際の位置精度を
確保した場合を説明したが、本発明はこれに限定され
ず、ボディ7等に対し適宜の調整手段を有するコネクタ
等を用いてホール素子50を、調整可能な状態で組付け
固定するように構成してもよいことは勿論である。
【0041】さらに、上述した実施例では、ステアリン
グギヤとしてラックピニオン型を例示したが、これに限
定されず、ボールねじ型などに適用してもよいことも勿
論である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電動式
動力舵取装置によれば、入、出力軸の一方軸上に、軸線
方向に沿って移動可能でかつ一側に付勢した状態で設け
られ両軸間での相対的な回転変位をカム機構を介して軸
線方向での直線変位に変換するフランジ部を有する直動
部材と、この直動部材のフランジ部が係合することによ
りその直線変位動作に伴って軸線方向に移動可能な状態
でかつ一側に付勢した状態で設けられている変位取出し
部材と、この変位取出し部材の軸線方向への直線変位動
作を非接触状態で検出する操舵トルク検出手段を備え、
直動部材を、一方軸上に回転を規制された状態で支持す
るとともに、他方軸に設けられた係合手段が係合するこ
とで両軸間での回転変位を直線変位に変換するカム手段
を有し、このカム手段を、直動部材の直線変位を軸線方
向両側において機械的に規制可能に構成したので、簡単
かつ安価な構成にもかかわらず、舵取操作による入、出
力軸間での相対的な回転変位を、カム手段にて直動部材
の軸線方向への直線変位に適切かつ確実に変換し、これ
を必要最小限の部品点数による操舵トルク検出手段で操
舵トルクとして検出することが適切かつ確実に行なえ
る。
【0043】特に、本発明によれば、入、出力軸間での
相対的な回転変位がカム手段を介して直動部材の直線変
位に変換され、これは軸線方向両側で機械的に規制可能
に構成されていることから、両操舵方向への動きが適切
かつ確実に伝達され、たとえば急操舵時や極低温時にお
いて慣性の影響やグリース等の粘性抵抗によって、所要
の直線変位が得られないという従来の不具合を一掃する
ことができ、操舵時における応答遅れ等の問題を解消す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式動力舵取装置の一実施例を
示す要部拡大断面図である。
【図2】(a)は図1におけるII−II線断面図、(b)
は操舵トルク検出手段を構成するホール素子ホルダの概
略斜視図である。
【図3】本発明において要部となる直動部材、変位取出
し部材等の概略構成を説明するための概略分解斜視図で
ある。
【図4】本発明装置全体の概略構成を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 電動式動力舵取装置 2 スタブ軸(入力軸) 3 ピニオン軸(出力軸) 4 トーションバー 5 ラック 6 ステアリングギヤボディ(ステアリングボディ) 7 ステアリングギヤボディ(ステアリングボディ) 10 ハイポイドギヤを構成する大ギヤ 11 電動モータ 12 ハイポイドギヤを構成する小ギヤのギヤ軸 12a 小ギヤ 30 操舵トルク検出機構 31 筒状体(直動部材) 31a フランジ部 32 スプリング 33 切欠き溝 34 係合ピン 36 カム孔(カム手段) 37 係合ピン(カム手段) 40 磁石ホルダ(変位取出し部材) 41 摺動孔 42 永久磁石(操舵トルクセンサを構成する) 45 ネック部 50 ホール素子(操舵トルクセンサを構成する) 51 ホール素子ホルダ 52 ねじ孔 53 ねじ部 54 嵌合孔 55 インローによる嵌合部 56 ロックナット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵取ハンドル側の入力軸と操舵輪側の出
    力軸との間での相対的な回動変位によって操舵トルクを
    検出し、操舵輪に至る出力軸系に操舵補助力を与える電
    動モータを駆動制御するように構成されている電動式動
    力舵取装置において、 前記入、出力軸の一方軸上に、軸線方向に沿って移動可
    能でかつ一側に付勢した状態で設けられ前記両軸間での
    相対的な回転変位をカム機構を介して軸線方向での直線
    変位に変換するフランジ部を有する直動部材と、 この直動部材のフランジ部が係合することによりその直
    線変位動作に伴って軸線方向に移動可能な状態でかつ一
    側に付勢した状態で設けられている変位取出し部材と、 この変位取出し部材の軸線方向への直線変位動作を非接
    触状態で検出する操舵トルク検出手段とを備え、 前記直動部材は、一方軸上に回転を規制された状態で支
    持されるとともに、他方軸に設けられた係合手段が係合
    することにより、両軸間での回転変位を直線変位に変換
    するカム手段を有し、 このカム手段は、前記直動部材の直線変位を軸線方向両
    側において機械的に規制可能に構成されていることを特
    徴とする電動式動力舵取装置。
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