JPH079678A - インクジェットプリント装置とプリント物及びその方法とその加工品 - Google Patents

インクジェットプリント装置とプリント物及びその方法とその加工品

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JPH079678A
JPH079678A JP5142402A JP14240293A JPH079678A JP H079678 A JPH079678 A JP H079678A JP 5142402 A JP5142402 A JP 5142402A JP 14240293 A JP14240293 A JP 14240293A JP H079678 A JPH079678 A JP H079678A
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Hiroshi Endo
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4078Printing on textile

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Coloring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント動作が停止された場合でも、その停
止された部分までを完全なプリント画像としてプリント
できるインクジェットプリント装置とその方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 複数のプリントヘッドをプリント媒体に対し
て所定方向に走査してプリントするインクジェットプリ
ント装置であって、布帛103の搬送方向に対して上流
及び下流位置に設けられた第1と第2のプリントヘッド
2,2’のそれぞれを、布帛の搬送方向にほぼ直交する
方向に走査してプリントを行い、プリント動作の停止が
指示されると、その指示により第1のプリントヘッド2
でプリントした箇所を第2のプリントヘッド2’でプリ
ントした後、プリント動作を停止するように動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像データの供給を受
けてプリント媒体にカラー画像をプリントするインクジ
ェットプリント装置とその方法及びそのインクジェット
プリント装置でプリントされたプリント物及びその加工
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット法により布帛等の
大きなプリント媒体にカラー画像をプリントする装置が
開発されており、このような装置を用いることにより、
壁紙や織布等に好みの画像をプリントすることができ
る。
【0003】このような大きなプリント媒体を搬送する
ために、布帛等のプリント媒体の搬送機構と印刷機構と
を別体に構成し、インクジェットヘッドを上下2段に設
け、最初にプリントを行うヘッドでは間引いた画像デー
タでプリントを行い、後続のヘッドで補完することによ
り、一度に布帛上に吐出されるインク量を少なくしてイ
ンクの吸収や乾燥効率を上げるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、印刷機構と布
帛の繰り機構との同期が重要になり、またプリンタに使
用するヘッドが上下2段に別れているため、ある時点で
プリント動作を終了させると、その時点で例えば下側の
ヘッドだけでプリントされた部分は未完成となってい
る。そこでこの未完成のプリント部分を完全なプリント
画像にするために、更にプリント動作を続行して、その
部分を完全な画像にする必要がある。
【0005】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、プリント動作が停止された場合でも、その停止され
た部分までを完全なプリント画像としてプリントできる
インクジェットプリント装置とその方法を提供すること
を目的とする。
【0006】また前述のインクジェットプリント装置で
プリントされたプリント物と、その加工品を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェットプリント装置は以下の様な構
成を備える。即ち、複数のプリントヘッドをプリント媒
体に対して所定方向に走査してプリントするインクジェ
ットプリント装置であって、プリント媒体の搬送方向に
対して上流及び下流位置に設けられた第1と第2のプリ
ントヘッドのそれぞれを前記搬送方向にほぼ直交する方
向に走査してプリントを行うプリント手段と、前記プリ
ント手段によるプリント動作の停止を指示する指示手段
と、前記指示手段の指示により前記第1のプリントヘッ
ドでプリントした箇所を前記第2のプリントヘッドでプ
リントした後、前記プリント手段によるプリント動作を
停止するように制御する制御手段とを有する。
【0008】
【作用】以上の構成により、プリント媒体の搬送方向に
対して上流及び下流位置に設けられた第1と第2のプリ
ントヘッドのそれぞれを、プリント媒体の搬送方向にほ
ぼ直交する方向に走査してプリントを行っている際、指
示手段によりそのプリント動作の停止が指示されると、
第1のプリントヘッドでプリントした箇所を第2のプリ
ントヘッドでプリントした後に、そのプリント動作を停
止するように動作する。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。なお、以下の説明では本発明の
好適な実施例としての捺染システムについて、次の順序
に従って説明する。
【0010】(1)システムの全体(図1〜図2) (2)制御部(図3〜図12) (2.1)構成 (2.2)動作 (3)インクジェット記録部(図13〜図45) (3.1)印刷機構の説明 (3.2)装置構成の説明 (3.3)基本画像のプリントパターン (3.4)変換データ,パラメータのダウンロード (4)他の構成例(図46〜図60) (5)装置全体の動作説明(図61〜図68) (1)システムの全体 図1は本発明の一実施例に係る捺染システムの全体構成
を示す図で、デザイナ等が作成した原画像を読み取る読
取部1001、この読取部1001で読み取った原画デ
ータを加工する画像処理部1002、画像処理部100
2で作成されたイメージデータを2値化する2値化処理
部1003、及び2値化されたイメージデータに基づい
て布帛上に画像をプリントする画像印刷部1004を備
えている。
【0011】読取部1001では、CCDイメージセン
サにより原画像が読み取られ電気信号として画像処理部
1002へ出力される。画像処理部1002において
は、入力された原画データから後述するマゼンタ、シア
ン、イエロー、ブラックの4色のインクを吐出するイン
クジェット記録部1005を駆動するための記録データ
を作成する。この記録データの作成の際には、原画像を
インクのドットで再現するための画像処理、色調を決定
する配色、レイアウトの変更、拡大、縮小等の図柄の大
きさの選択がなされる。
【0012】画像印刷部1004においては、プリント
する布帛に前処理を施す前処理部1010、記録データ
に応じてインクを吐出させるインクジェット記録部10
05と、このインクジェット記録部1005へ布帛を給
送する布帛給送部1006、更に前記インクジェット記
録部1005に対向して設けられ、布帛を精密搬送する
記録搬送部1007、更にはプリント済みの布帛に対し
後処理を行うと共に、そのプリント済みの布帛を収納す
る後処理部1008より構成される。尚、この画像印刷
部1004の構成は図面を参照して詳しく後述する。
【0013】図2は本システムを用いて行うことができ
る捺染処理手順の一例を示すフローチャートで、各ステ
ップで行う処理内容は例えば次の通りである。原画作成ステップMS1 デザイナが適宜の手段を用いて原画、即ちプリント媒体
である布上の繰返し画像の基本単位となる基本画像を作
成するステップである。当該作成にあたっては、図3に
つき詳述する、本システムに画像データを供給するデー
タ源の各部、例えば入力手段や表示手段等を用いること
もできる。原画入力ステップMS3 原稿作成ステップMS1にて作成された原画を読取部1
001を用いて読込むステップ、または外部記憶装置
(図3参照)に格納された原画データを読込むステッ
プ、またはLAN16より原画データを受信するステッ
プである。原画修正ステップMS5 本例における捺染システムは、基本画像に対して種々の
繰返しパターンの選択を可能とするが、選択された繰返
しパターンによっては境界部において不本意な画像の位
置ずれや色調の不連続性が生じうる。本ステップは、繰
返しパターンの選択を受容するとともに、当該選択に応
じた繰返しパターンの境界部における不連続性の修正を
行うステップである。その修正の態様としては、制御部
1009に接続された表示器(図示せず)の画面を参照
しつつ、デザイナまたはオペレータがマウスその他の入
力手段を用いて行うものでもよく、画像処理部1002
により自動修正を行うものでもよい。特別色指定ステップMS7 本例に係る画像印刷部1004では、基本的にイエロー
(Y),マゼンタ(M)およびシアン(C)、あるいは
さらにブラック(BK)のインクを用いてプリントを行
うが、捺染においてはこれら以外の色、例えば金色,銀
色などの金属色や、鮮明なレッド(R),グリーン
(G),ブルー(B)などの使用を望むことがある。そ
こで、本例のプリンタPにおいては、これら特別な色
(以下特色という)のインクを用いたプリントを可能と
するとともに、本ステップにおいてその特色の指定を行
う。カラーパレットデータ作成ステップMS9 デザインにおいては、デザイナは標準カラーパッチから
色を選びながら原画を作成する。当該選択色に対するプ
リント時の色の再現性が捺染システムの生産性に大きく
影響する。そこで、本ステップでは、選択された標準色
を良好に再現するためのY,M,Cあるいは特色の混合
比率を定めるデータを生成する。ロゴ入力ステップMS11 反物では、端部にデザイナ,メーカのブランド等のロゴ
マークをプリントする場合が多い。本ステップでは、そ
のようなロゴマークの指定、およびその色,サイズ,位
置の指定等を行う。布サイズ指定ステップMS13 プリント対象である布の幅,長さ等を指定する。これに
よりプリンタPにおけるプリントヘッドの主走査方向お
よび副走査方向における走査量や、原画パターンの繰返
し数等が定まる。原画倍率指定ステップMS15 原画に対するプリント時の変倍率(例えば100%,2
00%,400%など)を設定する。布種類指定ステップMS17 布には綿,絹,毛などの天然繊維や、ナイロン,ポリエ
ステル,アクリルなどの合成繊維等、種々な種類があ
り、捺染に関わる特性を異にする。そして、布の伸縮性
によると考えられるが、プリント時の送り量を等しくす
る場合には、主走査毎の境界部に発生するすじの現れ方
が異なってくる。そこで、本ステップではプリントに係
る布の種類を入力し、画像印刷部1004における適切
な送り量の設定に供するようにする。インク最大打込み量設定ステップMS19 同じ量のインクを布上に打込んでも、布上に再現させる
画像濃度は布種により異なる。また、画像印刷部100
4における定着系の構成等によっても打込み可能なイン
ク量は異なる。そこで、本ステップでは布種類や画像印
刷部1004の定着系の構成等に応じてインク最大打込
み量を指定する。プリントモード指定ステップMS21 画像印刷部1004において高速プリントを行うかまた
は通常プリントを行うか、あるいは、1ドットに対し1
回のインク打込みを行うかまたは複数回のインク打込み
を行うかなどを指定する。さらには、プリントを中断し
たとき等において、中断の前後で柄が連続するように制
御を行うか、または柄の連続性とは無関係に新たにプリ
ントを開始するかの指定を行うようにすることもでき
る。ヘッドシェーディングモード指定ステップMS23 画像印刷部1004において複数の吐出口を有するプリ
ントヘッドを用いる場合には、製造上のばらつきやその
後の使用状態等によってヘッドの吐出口毎にインク吐出
量または吐出方向のばらつきが生じる場合がある。そこ
でこれを補正すべく吐出口毎の駆動信号を補正して吐出
量を一定にする処理(ヘッドシェーディング)を行うこ
とがある。本ステップでは、かかるヘッドシェーディン
グのタイミング等を指定できるようにする。プリントステップMS25 以上の指定に基づき、画像印刷部1004によって捺染
を実行する。
【0014】なお、以上の各ステップにおいて指定等を
行うことが不要であればそのステップを削除もしくはス
キップするようにしてもよい。また、必要に応じてその
他の指定等を行うステップを追加してもよい。 (2)読取部1001、画像処理部1002、2値化処
理部1003及び制御部1009 (2.1)構成 図3は、本発明の一実施例にかかる制御部9を中心とし
てシステム全体を示すブロック図である。
【0015】図において、1011は情報処理システム
全体の制御を実行するCPU、1013はCPU101
1が実行するプログラムを記憶したり、この実行の際の
ワーク領域として用いられるメインメモリ、1014は
CPU1011を介さずにメインメモリ1013と本シ
ステムを構成する各種機器との間でデータの転送を行う
DMAコントローラ(以下DMACという)である。1
015はLAN1016と本システムとの間のLANイ
ンターフェース、1017はROM,SRAM,RS2
32C方式インターフェースなどを有した入出力装置
(以下、I/Oという)である。I/O 1017に
は、各種外部機器を接続可能である。1018および1
019は外部記憶装置としてのそれぞれハードディスク
装置およびフロッピーディスク装置、1020はハード
ディスク装置1018やフロッピーディスク装置101
9と本システムとの間で信号接続を行うためのディスク
インターフェースである。1022は画像印刷部100
4および読取部1001との間で信号接続を行うための
スキャナ/プリンタインターフェースであり、GPIB
仕様のものとすることができる。1023は各種文字情
報,制御情報などを入力するためのキーボード、102
4はポインティングデバイスとしてのマウス、1025
はキーボード1023およびマウス1024と本システ
ムとの間で信号接続を行うためのキーインターフェスで
ある。1026はインターフェス1027によって、そ
の表示が制御されるCRT等の表示装置である。101
2は上記各機器間を信号接続するためのデータバス,コ
ントロールバス,アドレスバスからなるシステムバスで
ある。
【0016】(2.2)動作 以上説明した各種機器などを接続してなるシステムで
は、デザイナまたはオペレータは、CRT26の表示画
面に表示される各種情報に対応しながら操作を行う。即
ち、LAN1016,I/O 1017に接続される外
部機器、ハードディスク1018、フロッピーディスク
1019、読取部1001、キーボード1023、マウ
ス1024から供給される文字,画像情報など、また、
メインメモリ1013に格納されシステム操作にかかる
操作情報などがCRT1026の表示画面に表示され、
デザイナまたはオペレータはこの表示を見ながら各種情
報の指定、システムに対する指示操作などを行う。
【0017】ここで、図2に示した諸ステップのうち、
図3に示すシステムを用いて行う本実施例の主要部に係
る処理のいくつかの詳細を説明する。
【0018】図4は図2における特色指定処理手順の一
例を示す。本手順は、制御部1009が画像印刷部10
04に送出するパレットデータに対する画像印刷部10
04におけるパレット変換テーブル(Y,M,C,B
K、および特色の混合比率を示すテーブル)としてパレ
ット変換テーブルを出力するものであり、本手順が起動
されると、まずステップSS7−1にて特別色の使用が
指示されているか否かを判別する。ここで否定判定であ
れば直ちに本手順を終了するが、肯定判定の場合にはス
テップSS7−3に進み、画像印刷部1004における
現在の特別色についての情報をCRT1026に表示す
る。この処理にあたっては、例えば、プリンタのプリン
トヘッドが自己の情報を提示する手段(パターンカッテ
ィング)を有し、プリンタ本体側でその手段より当該情
報を認識できるようにした、本出願人の提案になる特開
平2−187343号等に開示された発明を利用するこ
とができる。当該情報を提示する手段としては、EPR
OMやDIPスイッチ等を用いたものでもよい。本例に
適用するには、当該情報をそのプリントヘッドが用いる
インク色とすればよく、画像印刷部1004でその情報
を読取って制御部1009のCPU1011に通知すれ
ばよい。オペレータはCRT1026に表示されたその
情報を見て、特別色用のプリントヘッドの現在の使用の
有無、および現在用いられている特別色を知り、ステッ
プSS−5において所望の特色が含まれているか(すな
わち現状でよいか)否かのキー操作等を行うことができ
る。そして、否定判定された場合にはステップSS7−
9に進み、所望色のプリントヘッドの装着を促す等の表
示を行い、当該装着に応じてステップSS7−3に復帰
する。
【0019】ステップSS7−5にて画像印刷部100
4で現在用いているプリントヘッドで良い旨の指示が与
えられると、ステップSS7−51にて色の組合せを規
定するパレットコマンドを指定する。これは、例えばプ
リントにあたりC,M,Yの3色を用いる場合、さらに
BKを用いる場合、C,M,Yの3色に加え特色S1,
S2を用いる場合、およびさらに特色S3,S4を用い
る場合を、例えばそれぞれ“3”,“4”,“6”,
“8”の数値を用いて指定することができる。
【0020】これに応じて、ステップSS7−53にお
いて例えば記憶装置(メインメモリ1013や外部記憶
装置1018,1019など)に予め格納してあるパレ
ット変換テーブルを読出し、必要に応じてオペレータは
適宜の修正を施して各色の混入量を設定し(ステップS
S7−55)、パレットコマンドとともにそのテーブル
データを画像印刷部1004に送出する(ステップSS
7−57)。パレット変換テーブルとしては、例えば図
5〜図8に示すものとすることができる。
【0021】なお、本手順に対する画像印刷部1004
側の処理回路としては、図15〜図19につき後述する
ものを用いることができる。
【0022】図9は図2におけるカラーパレットデータ
生成ステップMS9の詳細な処理手順の一例を示す。
【0023】本手順では、まずステップSS9−1に
て、デザイナが選択した色の標準カラーパッチをリード
する。このためには、読取部1001を用いることもで
き、あるいは後述する画像印刷部1004に設けられた
読取り手段を用いることもできる。次に、ステップSS
9−3にて、標準カラーパッチに対応するコードに基づ
いてまず予め画像印刷部1004に適合するように設定
されているパレット変換テーブルにより特色を含むパレ
ット変換データを算出し、算出した特色を含むデータに
応じて像形成を行い、ステップSS9−5にこれをカラ
ーパッチの形態でプリントさせる。
【0024】次に、ステップSS9−7にて当該画像印
刷部1004でプリントさせたカラーパッチをリード
し、そのカラーデータをステップSS9−1で得たカラ
ーデータと比較する。そして両者の差が所定値未満であ
れば、ステップSS9−11にてそのときのカラーパレ
ット変換データを採用してこれを画像印刷部1004に
セットし、一方所定値以上であればステップSS9−1
3にて上記差を基にパレットデータを補正してステップ
SS9−5に復帰し、ステップSS9ー9にて肯定判定
されるまで処理を繰返す。なお、上述の図4に示した特
色処理手順の中で特色S1,S2,S3,S4を用いる
場合について説明したが、かかるS1,S2,S3,S
4を用いる場合それぞれについて、オペレータが作成し
たパレット変換テーブルを本手順にて得たデータに基づ
いて修正することもできる。本実施例によれば、カラー
パッチ、すなわちデザイナが選択した色のコードから該
色のコードに対応する特色を含む複数のインクの組合せ
を適切に選択できる。
【0025】図10はカラーパレットデータ生成ステッ
プの詳細な処理手順の他の例を示す。
【0026】本手順でもまずステップSS9−1と同様
のステップSS9−21にて標準カラーパッチをリード
する。次に、本手順では、ステップSS9−23にて複
数種類のカラーパレット変換データを用意し、それらに
ついて複数のカラーパッチのプリントを行わせる。次
に、ステップSS9−25にて当該複数のカラーパッチ
をリードし、ステップSS9−27にてこれらから得た
カラーデータをステップSS9−21で得たカラーデー
タと比較する。そして、ステップSS9−29にて、ス
テップSS9−21で得たカラーデータに最も近い、す
なわち最も色再現性のよいものを選び、そのカラーパレ
ット変換データを採用して画像印刷部1004にセット
する。
【0027】なお、ステップSS9−23で用意する複
数のカラーパレット変換データは、全色プリントヘッド
について所定量ずつインク混合量を変化させるものとし
てもよく、あるいは、ステップSS9−21で得たデー
タを中心とした、あるいは図4の手順でオペレータが設
定したデータを中心とした所定範囲を選び、その範囲内
でインク混合量を僅かずつ変化させたものでもよい。本
手順では、図9の手順に比較して、補正および再プリン
トを行う処理を省くことができるので、カラーパレット
変換データ生成の処理を高速に行うことができる。
【0028】図11は図2におけるロゴ入力処理手順の
一例を示す。
【0029】本手順では、まずステップSS11−1に
て、オペレータに対し布にロゴを入れるか否かを問合
せ、肯定判定された場合にはステップSS11−3でプ
リントするロゴの色の指定を受付ける。この色の指定
は、C,M,Y,BK,特別色S1,S2,S3または
S4の8色から選択するようにすることができる。
【0030】次に、ステップSS11−5にて、後述す
る画像印刷部1004に予め用意してある複数種のロゴ
からの選択指定を受付ける。これは、例えば、4種類の
うち1つを選ぶ指定とすることができる。
【0031】ステップSS11−7では、プリントの主
走査方向(X方向)および副走査方向(Y方向)につい
て、プリントしたいロゴのサイズ指定を受付ける。これ
は、例えば、X方向については1画素単位で最大512
画素まで、Y方向については記録ヘッドの1回の主走査
の記録幅(バンド)を単位として最大8バンドまで指定
するものとすることができる。
【0032】ステップSS11−9では主走査方向(X
方向)におけるロゴプリント開始位置の指定を受付け
る。これは、例えば、1画素を単位として最大512画
素まで指定するものとすることができる。
【0033】ステップSS11−11では、副走査方向
(Y方向)におけるロゴ開始位置を、例えばロゴ間のピ
ッチ(繰返し間隔)を指定することで指定する入力を受
付ける。これは、例えば1バンドを単位として最大25
6バンドまで指定するものとすることができる。なお、
当該指定値が、ステップSS11−7で指定したY方向
サイズ未満とならないように、オペレータに情報を提示
するようにすることもできる。
【0034】以上の各指定に対し、ステップSS11−
13では、制御部1009が画像印刷部1004にロゴ
情報を設定する。このためのデータフォーマットとして
は、例えば、“<WLOGO >,<color >,<pattern
>,<X0>,<Y0>,<L0>,<L1>”とすることがで
きる。ここで、<WLOGO>はこれに続くデータがロ
ゴ情報である旨を画像印刷部1004に認識させるため
の識別符号、<color >は色設定のためのデータであ
り、上記8色の各色に1ビットを割当て、そのオン/オ
フで当該色の出力/マスクを行うことのできる1バイト
の信号とすることができる。また、<pattern >はロゴ
パターン設定のためのデータであり、4種類から1種類
を選ぶために2ビットの信号とすることができる。<X0
>,<Y0>,<L0>及び<L1>は、それぞれ、X方向ロ
ゴサイズ、Y方向ロゴサイズ、X方向ロゴ開始位置、お
よびY方向ロゴ繰返し間隔を設定するためのデータであ
り、これらとロゴ出力形式との対応例を図12に示し
た。 (3)画像印刷部 (3.1)印刷機構の説明 図13を用いて、本実施例の画像印刷部1004として
シリアルタイプによるインクジェット記録装置の動作を
説明する。
【0035】図13において、キャリッジ1はシアン
(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック
(BK)の4色に対応するカラー用のプリントヘッド2
a,2b,2c,2dを搭載しており、ガイドシャフト
3はキャリッジ1を移動案内を支持している。なお、簡
略化のために図示を省略したが、本例ではキャリッジ1
には特色用ヘッドを4本まで搭載可能であるとともに、
それに関連した機構も配設される。各ヘッドは各別に、
または数本を単位としてキャリッジ1に着脱自在であっ
てもよい。
【0036】エンドレスベルトであるベルト4は、その
一部がキャリッジ1に固定接続されて、かつ、パルスモ
ータであるキャリッジ駆動モータ5(モータドライバ2
3により駆動される)の駆動軸に取り付けられたギヤに
張られている。従って、このキャリッジ駆動モータ23
を駆動することにより駆動軸に張られたベルト4が送ら
れることになり、結果としてキャリッジ1がガイドシャ
フト3に沿ってプリント媒体のプリント面を走査運動す
ることになる。さらに、プリント媒体6(記録紙や布
等)を搬送する搬送ローラ7、そのプリント媒体6を案
内する案内ローラ8A,8Bおよびプリント媒体搬送モ
ータ9を備えている。
【0037】また、各プリントヘッド2a,2b,2
c,2dおよび特色用プリントヘッドには、プリント媒
体6に向けてインク滴を吐出させる吐出口が例えば40
0DPI(ドット/インチ)の密度で256個設けられ
ている。それぞれのプリントヘッド2a,2b,2c,
2d(およびさらに特色用のヘッド)に対しては、対応
するインクタンク11a,11b,11c,11d(及
びさらに特色用インクタンク)から供給チューブ12
a,12b,12c,12d(及びさらに特色用供給チ
ューブ)を介してインクが供給される。そして、各吐出
口に連通する液路に設けられたエネルギー発生手段(図
示せず)に対しては、各ヘッドドライバ24a,24
b,24c,24d(およびさらに特色用ドライバ)よ
りフレキシブルケーブル13a,13b,13c,13
d(およびさらに特色用フレキシブルケーブル)を介し
てインク吐出信号が選択的に供給される。
【0038】さらに、各プリントヘッド2a,2b,2
c,2d等には、ヘッドヒータ14a,14b,14
c,14d(14b.14c,14d等は図示せず)と
温度検知手段15a,15b,15c,15d(15
b,15c,15d等は図示せず)が設けられており、
温度検知手段15a,15b,15c,15d等からの
検知信号は、CPUを有する制御回路16に入力され
る。制御回路16は、この信号に基づいて、ドライバ1
7および電源18を介してヘッドヒータ14a,14
b,14c,14d等における加熱を制御する。
【0039】キャッピング手段20は、非記録時に各プ
リントヘッド2a,2b,2c,2dの吐出口面に当接
し、その乾燥および異物が混入するのを抑え、あるいは
その除去を行うものである。具体的には、非記録時に
は、プリントヘッド2a,2b,2c,2dが、キャッ
ピング手段20と対向する位置に移動する。そして、キ
ャッピング手段20は、キャップドライバ25によって
前進駆動され、弾性部材44を吐出口面に圧接させてキ
ャッピングを行うようになっている。なお、図では省略
した特色用ヘッドのためのキャッピング手段も設けられ
るのは勿論である。
【0040】目詰まり防止手段31は、プリントヘッド
2a,2b,2c,2dが空吐出動作をするときに吐出
インクを受けるものである。この目詰まり防止手段31
は、プリントヘッド2a,2b,2c,2d等と対面し
ていて、空吐出されたインクを吸収受液する液受け部材
2を備えており、キャッピング手段20と記録開始位置
の間に配置されている。なお、液受け部材32および液
体保持部材45の材質としては、スポンジ状多孔質部
材、あるいはプラスチック焼結体等が有効である。
【0041】キャッピング手段20には、水吐出用電磁
弁61ならびにエアーポンプドライバ62が連結され、
それぞれ制御回路16による制御の下にキャッピング手
段20内に配設された洗浄用の水の吐出ならびにエアー
の噴射用ノズルを駆動する。図14は、本実施例のプリ
ントヘッドの動作を説明するための平面図であり、図1
3に示したものと同じ要素には同一符号をつけ、それら
の説明は省略する。また、本図においても特色用ヘッド
2S1〜2S4に関連した構成は図示を省略されてい
る。
【0042】図14において、記録開始検知センサ34
およびキャッピング手段検知センサ36は、それぞれ各
プリントヘッド2a,2b,2c,2dそれぞれの位置
を検出するためのものである。また、空吐出位置検知セ
ンサ35は、プリントヘッド2a,2b,2c,2dが
走査方向に移動しながら行う空吐出動作の基準位置を検
知する。
【0043】また、108は、ヘッドシェーディング
(図2のステップMS23)の他、カラーパレットデー
タ作成(ステップMS9)にも使用できるヘッド特性測
定手段であり、ヘッドで記録したヘッドシェーディング
用テストパターンやカラーパッチをプリントしたプリン
ト媒体等を搬送する搬送手段と、それら情報を読取る読
取り手段とを有する。このヘッド特性測定手段として
は、例えば本出願人の出願になる特開平4−18358
号公報の第31図に示されたようなものを用いることが
できる。
【0044】次に、インクジェットプリント動作につい
て説明する。
【0045】まず、待機中であるが、この場合にはプリ
ントヘッド2a,2b,2c,2dがキャッピング手段
20によりキャッピングされている。そして、制御回路
16にプリント信号が入ると、モータドライバ23によ
りモータ5が駆動されてキャリッジ1が移動を開始す
る。この移動に伴って、空吐出位置検知センサ35で各
プリントヘッドが検知されると目詰まり防止手段31に
所定の時間インクの空吐出を行う。そして、その後、再
び矢印D方向にキャリッジ1が移動し、それを記録開始
検知センサ34によって検出されたら、プリントヘッド
2a,2b,2c,2d等の各吐出口が選択的に駆動さ
れる。これにより、インク滴が吐出され、プリント媒体
103のプリント幅部分pにドットマトリクスパターン
で画像がプリントされる。こうして、所定幅(プリント
ヘッドの縦方向のノズル間隔とその個数で決定される)
のプリントを行っていくと、キャリッジ1は図の右端側
の位置まで移動する(モータ5に与えるパルス数をカウ
ントすることで検出できる)が、それを検出してからプ
リントヘッド配設幅分のパルスを与えてキャリッジ1の
後端のプリントヘッド2aがプリント媒体を横切るよう
にする。その後、キャリッジ1は反転し、矢印E方向に
駆動されて空吐出位置へ戻るとともに、プリント媒体1
03はプリント幅部分pの幅またはこれ以上の量だけ矢
印F方向に搬送され、再び前述した動作が繰り返され
る。
【0046】(3.2)装置構成の説明 図15は本発明の実施例の画像印刷部104であるイン
クジェットプリンタの構成例を、図16はその要部の拡
大斜視図を示す図である。本例の画像印刷部(プリン
タ)は、大きく分けて捺染用の前処理を施されたロール
上の布を送り出す布帛給布部1006と、送られてきた
布を精密に行送りしてインクジェットヘッドでプリント
を行う本体部Aと、プリントされた布を乾燥させ巻取る
後処理部1008とからなる。そして、本体部Aは更に
プラテンを含む布の精密送りを行う記録搬送部1007
とインクジェット記録部1005とからなる。
【0047】前処理されたロール状の布103は布帛給
布部1006の方に送り出され、本体部Aにステップ送
りされる。ステップ送りをされてきた布103は、第1
のプリント部111において、プラテン112によって
プリント面が平坦に規制され表側からインクジェットヘ
ッド2によってプリントされる。1行のプリントが終る
ごとに、所定量ステップ送りされ、次いで加熱プレート
114による加熱と、温風ダクト115によって給/排
される、表面からの温風によって乾燥される。続いて第
2のプリント部111′において、第1のプリント部1
11と同様な方法で重ねプリントがなされる。
【0048】こうしてプリントされた布103は加熱プ
レートとヒータ(もしくは温風)よりなる後乾燥部11
6で再度乾燥され、ガイドロール117に導かれて巻取
りロール118に巻取られる。そして、巻取られた布1
03は本装置から取り外され、バッチ処理で発色,洗
浄,乾燥されて製品となる。
【0049】図16において、プリント媒体である布1
03は図中上方向にステップ送りされるようになってい
る。図中下方の第1プリント部111にはY,M,C,
BKや、特色S1〜S4用のインクジェットヘッドを搭
載できる、すなわち合計8個のインクジェットヘッド2
を搭載できる第1のキャリッジ124がある(図におい
てはY,M,C,BKおよびS1〜S4のヘッドを搭載
している)。本例におけるインクジェットヘッド(プリ
ントヘッド)2は、インクを吐出するために利用される
エネルギとして、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネル
ギを発生する素子を有するものを用いてあり、また40
0DPI(ドット/インチ)の密度で256個の吐出口
を配列したものを用いている。
【0050】第1のプリント部111の下流側には背面
から加熱する加熱プレート114と、表側から乾燥させ
る温風ダクト115とからなる乾燥部125が設けられ
ている。加熱プレート114の熱伝達面は、中空になっ
ている内側に通してある高温高圧の蒸気によって、背面
から強力に加熱する。加熱プレート面の内側は集熱のた
めのフィン114′が設けられていて熱を効率的に布1
03の背面に集中できるようにしてある。布103と反
対側は断熱材126でカバーしてあり、放熱による損失
を防いでいる。
【0051】表側では下流側の供給ダクト127から乾
燥温風を吹き付けることによって、乾燥しつつある布1
03に、より湿度の低い空気を当てて乾燥効果を高める
ようにしている。そして布103の搬送方向とは逆に流
れて充分に水分を含んだ空気は、上流側の吸引ダクト1
28から、吹き付けの量よりもはるかに多量の吸引をす
ることによって、蒸発水分が漏れて周囲の機械装置に結
露しないようにしてある。温風の供給源は図16の奥側
にあり、吸引は手前側から行うようになっていて、布1
03に対向している吹き出し口129と吸引口130と
の圧力差が長手方向全域にわたって均一になるようにし
てある。空気の吹き付け/吸引部は背面の加熱プレート
の中心に対して下流側にオフセットされており、充分に
加熱された所に空気が当るようにしてある。これらによ
って第1のプリント部111が、布103が受容した薄
め液も含むインク中の多量の水分を強力に乾燥させる。
【0052】その下流(上方)には第2のプリント部1
11′があり、第1のキャリッジ124と同様の構成の
第2キャリッジ124′で第2のプリント部111′を
形成している。なお、第1のキャリッジ124と第2の
キャリッジ124′とは予め一体、もしくは適宜の連結
部材を介して一体としたものとし、これを駆動する駆動
源,伝動機構等を共通化してもよい。
【0053】また、図16には示していないが、インク
を貯留し、ヘッドにインクを必要量供給するためのイン
ク供給装置が設けられており、インクタンクやインクポ
ンプなどを有する。その本体とヘッド2,2′とはイン
ク供給チューブ等で接続され、通常は毛細管作用により
ヘッドから吐出される分だけ自動的にヘッドに供給され
る。また、ヘッド回復動作のときには、インクポンプを
用いて強制的にインクがヘッドに供給される。そして、
ヘッドおよびインク供給装置はそれぞれ別体のキャリッ
ジに搭載され、不図示の駆動装置により図16の矢印で
示す方向に往復移動を行うように構成されている。
【0054】また、図16には示していないが、ヘッド
のインク吐出安定性を維持するためにヘッドのホームポ
ジション(待機位置)においてヘッドに対向し得る位置
にヘッド回復装置が設けられており、次に述べるような
動作を行う。即ち、まず非動作時にヘッド2のノズル内
からのインクの蒸発を防ぐためにホームポジションにお
いてヘッドのキャッピングを行う(キャッピング動
作)。あるいは画像プリント開始前にノズル内の気泡や
ゴミなどを排出するためにインクポンプを用いてヘッド
内のインク流路を加圧してノズルから強制的にインクを
排出するといった動作(加圧回復動作)またはノズルか
らインクを強制的に吸引排出する動作(吸引回復動作)
を行う際に排出されたインクを回収するなどの機能を果
たす。次に、本装置の制御系の構成を説明する。図17
及び図18は実施例の画像印刷部1004の構成及びそ
の操作部の構成例を示しており、図19〜図21は図1
7のコントロールボード142の内部構成の一例をデー
タの流れに沿って概念的に示したものである。
【0055】制御部1009からインターフェース(こ
こではGPIB)を介し、図13における制御回路16
等を有するコントロールボード142に印刷用画像デー
タを送る。画像データを送る装置は特に限定されず、か
つ、転送形態としてはネットワークによる転送、マグネ
ットテープ等を介するオフラインでも良い。コントロー
ルボード142は、CPU142A,各種プログラムを
格納したROM142B,各種レジスタ領域や作業用領
域を有するRAM14C及び図19〜図21その他で示
す各部からなり装置全体の制御を行う。143はオペレ
ータが画像印刷部1004に対して所要の指示を与える
ための操作部およびオペレータに対してのメッセージ等
を表示するための表示器を有する操作・表示部である。
144はプリント対象である布等のプリント媒体を搬送
するためのモータ等からなる布搬送機である。145は
図18に示した各種モータ(末尾に“M”を付してあ
る)や各種ソレノイド(“SOL”で示す)を駆動する
ためのドライバユニット入出力部(I/O)である。1
47は各ヘッドに駆動信号を供給するとともに、各ヘッ
ドに係る情報(装着の有無やそのヘッドの提示する色等
の情報)を受容してコントロールボード142に供給す
るための中継ボードである。当該情報は制御部1009
に転送されて用いる色のカラーパレットデータの転送を
要求するのに供されるほか、キャリッジ124,12
4′におけるヘッドの搭載範囲の認識ないしは走査範囲
の設定等に用いられる。また、151はキャリッジ12
4,124′を走査させるためのモータ等の駆動部であ
る。
【0056】さて、制御部1009から印刷する画像デ
ータの情報を受けると、その画像データはGPIBイン
ターフェース501,フレームメモリコントローラ50
4を介し画像メモリ505に蓄積される(図19参
照)。実施例の画像メモリ505は124Mバイトの容
量を有し、A1サイズを8ビットのパレットデータ構成
したものである。つまり、1画素につき8ビットが割り
当てられている。503はメモリ転送の高速化のための
DMAコントローラである。制御部1009よりのデー
タ転送が終了したら、所定の処理後、印刷を開始でき
る。
【0057】説明が前後するが、実施例の画像印刷部1
004に接続される制御部1009は、画像データをラ
スタイメージとして転送してくる。各プリントヘッド2
は縦方向に複数のインク吐出ノズルが並んでいるので、
画像データの並びをプリントヘッドに合致するよう変換
しなければならない。このデータ変換をラスタ@BJ変
換コントローラ506で行う。そして、このラスタ@B
J変換コントローラ506で変換されたデータは、画像
データを変倍するための次の拡大コントローラ507の
拡大機能を通しパレット変換コントローラ508に供給
される。なお、拡大コントローラ507までのデータは
制御部1009から送られてきたデータであり、この実
施例では8ビットのパレット信号である。そして、この
パレットデータ(8ビット)は各プリントヘッドに対す
る処理部(以下に説明する)に共通に渡され、処理され
る。
【0058】なお、図19〜図21では、イエロー,マ
ゼンタ,シアン,ブラックの他に特色S1〜S4をプリ
ントするヘッドが備えられているものとして説明する。
【0059】さて、パレット変換コントローラ508は
制御部1009から入力されてきたパレットデータおよ
び対応する色の変換テーブルを変換テーブルメモリ50
9に供給する。8ビットのパレットの場合、その再現可
能な色種は0〜255までの256通りであり、適宜の
テーブルが各色毎に対応するテーブルメモリ509に展
開される。例えば、 0が入力された場合 薄い灰色の印刷 1が入力された場合 特色1のベタ印刷 2が入力された場合 特色2のベタ印刷 3が入力された場合 シアンとマゼンタの混色でブ
ルー系の色の印刷 4が入力された場合 シアンのベタ印刷 5が入力された場合 マゼンタとイエローの混色で
レッド系の色の印刷 (中略) 254が入力された場合 イエローのベタ印刷 255が入力された場合 何も印刷しない という処理を行う。
【0060】具体的な回路構成としては、パレット変換
テーブルメモリ509は、パレットデータに対するアド
レス位置に変換データを書き込んでおくことでその機能
を果す。つまり、実際にパレットデータがアドレスとし
て供給される場合には読出しモードでメモリをアクセス
する。なお、パレット変換コントローラ508は、パレ
ット変換テーブルメモリ509の管理や、コントロール
ボード142とパレット変換テーブルメモリ509との
インターフェースを行う。また、特色に関して、次段の
HSコントローラ510およびHS変換テーブルメモリ
511からなるHS系との間に、特色混入量を設定する
回路(出力を0〜1倍する回路)を介挿し、その設定量
を可変とすることもできる。
【0061】HS変換コントローラ510およびHS変
換テーブルメモリ511は、適宜の濃度むら補正部を含
むヘッド特性測定機148により測定したデータに基づ
いて、各ヘッドの各吐出口に対応する印刷濃度のバラツ
キの補正を行う。たとえば、濃度の薄い(吐出量の少な
い)吐出口に対して濃いめにデータ変換し、濃度の濃い
(吐出量の多い)吐出口に対しては薄めにデータ変換
し、中くらいの吐出口に対してはそのまま流すという処
理を行う。この処理については後述する。
【0062】次のγ変換コントローラ512およびγ変
換テーブルメモリ513は色毎に、全体の濃度を濃くし
たり薄くしたりするためのテーブル変換である。例え
ば、何もしない場合には、リニアなテーブルで、 0入力には0出力 100入力には100出力 210入力には210出力 255出力には255出力 ということである。
【0063】次段の2値化コントローラ514は、疑似
階調機能を持つものであり、8ビットの階調データを入
力し、2値化された1ビットの疑似階調データを出力す
るものである。多値データを2値データに変換するもの
には、ディザマトリクスによるもの、誤差拡散法等があ
るが、実施例でもこれらを採用するものとし、その詳述
は割愛するが、いずれにせよ、単位面積あたりのドット
の数で階調表現するものであればよい。
【0064】ここで2値化されたデータはつなぎメモリ
515に格納されたのち、各プリントヘッド駆動用とし
て使用される。そして、各つなぎメモリから出力された
2値データは、C,M,Y,BK,S1〜S4として出
力される。各色の2値化信号は同様な処理が実施される
ので、ここでは2値データCに注目して図21を用いて
説明する。なお、同図はプリント色シアンに対する構成
であって、各色毎に同様の構成を有するものである。な
お、図21は図19,図20に示すつなぎメモリ515
よりも後段の回路構成を示すブロック図である。
【0065】2値化コントローラ514で2値化された
信号Cはシーケンシャルマルチスキャンジェネレータ
(以下SMSジェネレータ)522に向けて出力される
が、パターンジェネレータ517,518により装置単
体のテスト印刷を実施する場合もあるので、当該データ
は、セレクタ519に供給される。勿論、この切り換え
はコントロールボード142のCPUによって制御され
ており、操作者が操作表示部143(図17参照)に対
して所定の操作を行った場合には、テスト印字をすべく
2値パターンコントローラ517からのデータを選択す
る。従って、通常は、2値コントローラ514(つなぎ
メモリ516)からのデータを選択するようになってい
る。520はセレクタ520とSMSジェネレータ52
2との間に介挿したロゴ入力部であり、捺染の場合布の
端部にメーカ,デザイナのブランド等のロゴマークを入
れることが多いので、これに対応したものである。その
構成は例えばロゴデータを格納するメモリや、プリント
位置等を管理するコントローラ等からなるものとするこ
とができる。
【0066】なお、SMSジェネレータ522は、ノズ
ル毎の吐出量変化による画像の濃度ムラを防止するもの
である。マルチスキャンは例えば特願平4−79858
号として提案されている。マルチスキャンを行って、即
ち、1画素に対して複数の吐出口からインク吐出を行う
ようにして画質を優先するか、あるいはそのようなマル
チスキャンを行わずに高速性を優先するかは、適宜の入
力手段、例えば操作表示部103やホストコンピュータ
Hで指定することができる。
【0067】つなぎメモリ524は、ヘッドの物理的な
位置、即ち、図16における上下プリント部間の位置
や、各ヘッド間の位置の補正をするバッファメモリであ
り、画像データを一旦ここに入力し、ヘッドの物理的な
位置に応じたタイミングで出力する。従って、このつな
ぎメモリ524は各プリント色毎にその容量は異なる。
以上のようなデータ処理を実施した後、ヘッド中継ボー
ド147を介しヘッドにデータが送られる。
【0068】ところで、従来はパレット変換,HS変
換,γ変換用のデータは、装置本体に設けられたメモリ
に固定保持されていた。そのため、出力したい画像デー
タと合わない場合があり、十分な品位の画像が得られな
いことがあった。そこで、本実施例では、これらの変換
用データは外部から入力可能とし、各変換テーブルメモ
リに蓄えるようにした。例えば、図5〜図8に示すよう
なパレット変換データを変換テーブルメモリ509にダ
ウンロードする。つまり、実施例の変換テーブルメモリ
509,511,513は全てRAMにより構成されて
いる。そして、パレット変換,γ変換用のデータは、例
えば制御部1009より送られてくるようにした。ま
た、HS変換用のデータは、外部に設けられたヘッド特
性測定機148(図17参照)より入力し、常にヘッド
の状態に合わせたデータを得られるようにした。ヘッド
特性測定機148で各記録色のヘッド特性を得るために
は、各々のプリントヘッドでテストプリント(均一な所
定の中間調濃度のプリント)を行う。そして、そのプリ
ント幅に対応するその濃度分布を測定することで行う。
かかるヘッドの状態とは、ヘッドに含まれる複数ノズル
の吐出状態のばらつき、または、ヘッドによりプリント
された後の画像の濃度が所望の濃度と、どの程度異なっ
ているかである。
【0069】また、本実施例においては、変換用のパラ
メータが入力されるまでは異常出力の防止等を防ぐた
め、図22に示すようにデータが入力しても出力を
“0”にしてプリントされないようにした。γ変換等に
ついても同様である。
【0070】図23は図21におけるロゴ入力部520
の構成例を示し、制御部1009が行う図11の処理手
順に対応して構成されたものである。
【0071】上記手順にて、制御部1009より送信さ
れた<color >,<pattern >,<X0>,<Y0>,<L0
>,<L1>の諸データは、画像印刷部1004のコント
ロールボード142に設けられたCPU142Aによ
り、レジスタ520Aに設定される。コントローラ52
0Bはカウンタその他を用いて構成され、プリントヘッ
ドの主走査方向(X方向)送りおよび布103の副走査
方向(Y方向)送りを管理するための信号(例えばアド
レス信号)を受けて、L0,L1(図12参照)で規定
される位置に対してロゴが形成されるようにする。ま
た、当該位置よりレジスタ520Aに格納されたX0,
Y0で定まる範囲、即ち、ロゴ印字範囲を空白化すべ
く、2値化された画像データ516の空白化処理回路5
20Cを制御する。空白化処理回路520Cは当該制御
信号を受けて当該範囲の画像データを消勢する。
【0072】コントローラ520Bはレジスタ520A
に格納されたpattern に基づき、プリントしようとする
ロゴを格納したロゴメモリ520Dを指定する。ロゴの
パターンは本例では4種類、即ち、ロゴメモリは4つ設
けられている。各ロゴメモリ520Dは、本例では4M
ビットのROMを2つ用いて構成されており、指定可能
なX0の最大値(512画素分)とY0の最大値(プリ
ントヘッドが有する吐出口数256×8バンド分=20
48画素分)で定まる最大寸法に対応している。
【0073】図24(A)及び図24(B)には、ロゴ
の画像出力範囲とロゴメモリの2つのROM(ROM
A,ROMB)の空間との対応を示してあり、ハッチン
グを施した領域は指定されたX0,Y0を越えるために
出力されない部分である。
【0074】また、図25に示すように、ROMにおけ
る1画素は8ビットで構成され、この各ビットに当該画
素の1色のオン/オフデータを割当てている。
【0075】コントローラ520Bにより指定されたロ
ゴメモリ520Dから読出されたデータは、ロゴ送出回
路520Eに供給される。ロゴ送出回路はセレクタ等で
構成され、図25で示される画素データに対しレジスタ
520Aに格納されたロゴ色指定データ(color )で指
定される色のデータのみを有効とし、データ送出回路5
20Fに供給する。OR回路等を用いて構成できるデー
タ送出回路520Fでは、空白化された領域に対しては
指定されたパターンのロゴを指定された色でプリントす
るデータを送出し、またそれ以外の領域では画像データ
516をそのまま通過させて、次段のSMSジェネレー
タに供給する。
【0076】本例は、ロゴデータを基本画像データとは
独立に管理しているので、基本画像の繰返し周期や図2
6に示すような繰返しパターンの種類によらず、オペレ
ータの望む繰返し周期にて所望のロゴデータを挿入でき
る。また、基本画像データのヘッドへの送出の直前に、
即ち、2値化の後に指定範囲を空白化してそこにロゴを
挿入するようにしているので、ロゴマークは種々の変換
の影響を受けず、これを望み通りに(例えば鮮明に)プ
リントできる。更に、図25に示したように、1画素に
ついて1バイト(8ビット)の空間を、各ビットに各色
を割当てて構成しているので、メモリの使用効率が向上
する。
【0077】なお、ロゴメモリの内容を制御部1009
又は画像印刷部1004のCPUが読み込み、制御部1
009のCRT1026又は画像印刷部1004の操作
・表示部143にて表示可能な構成を採ることもでき
る。
【0078】また、本例ではロゴメモリをROMとした
が、RAM,EPROM等のメモリで構成し、制御部1
009により内容を書換え可能としてもよい。この場
合、制御部1009はロゴデータをファイル化し、管理
ナンバを付して外部記憶に格納しておき、適宜これをア
クセスするようにすることもできる。また、RAMを用
いる場合には電源オフ時にもその記憶内容を保存すべく
電池等でバックアップしてもよく、あるいは必要に応じ
て制御部1009からロゴデータの転送及び記憶領域へ
の展開を行うようにしてもよい。
【0079】さらに、ロゴメモリの個数すなわちロゴデ
ータのパターンの種類は上述の4つに限られないのは勿
論である。
【0080】加えて、本例に係る画像印刷部1004で
はマルチスキャン等1画素に対して2回以上の吐出動作
を行うモードが選択可能であるが、ロゴに関して高画質
が要求されないのであれば、ロゴについては例えば第2
回以降の吐出動作を行わないように制御することもでき
る。この場合には、例えば図23のデータ送出回路52
0Fに対し、モードに応じて当該第2回目以降の吐出動
作が行わないようロゴデータの消勢を行わせるゲート回
路等を付加すればよい。
【0081】(3.3)基本画像のプリントパターン 基本画像の画像データの入力の際は、制御部1009の
CPU1010が画像印刷部1004に入力画像サイズ
(Xin,Yin)をコマンドとパラメータの形式で送信す
る。これにより、画像印刷部1004のCPU142A
は画像メモリ505に入力領域を確保し、RAM142
Cの所定のパラメータ記憶部に、この入力画像サイズを
記憶する。次に制御部1009が画像データを画像印刷
部1004に逐次送信すると、画像印刷部1004でこ
の画像データを受信し、FMコントローラ504を介し
て画像メモリ505に格納する。一方、制御部1009
はその画像データの出力形式を画像印刷部1004に送
信する。これにより画像印刷部1004は、その画像出
力形式をRAM142Cのパラメータ記憶部に記憶す
る。ここでは、画像出力形式として図26のような出力
タイプを扱うことにする。
【0082】図26の(A)〜(E)は本実施例におけ
る画像出力形式を示す図である。
【0083】図26の(A)は、基本画像300をX方
向(キャリッジ1の送り方向)とY方向(プリント媒体
の送り方向)に図のように周期的に繰返すように印刷出
力する形式(タイプ1)を示す。図26の(B)は、基
本画像300を繰返して印刷する際に、基本画像300
をX方向に1つ置きに所定のオフセット量(ずらし量)
ΔyだけY方向にずらして印刷出力する形式(タイプ
2)を示している。図26の(C)は、前述のタイプ2
(図26(B))とほぼ同様に、基本画像300をY方
向に1つ置きに所定のオフセット量ΔxだけX方向にず
らして印刷出力する形式(タイプ3)を示す。図26の
(D)は、基本画像300を回転(図26(D)では9
0度)させた後、タイプ2(図26の(B))と同様に
Y方向にオフセット量(図26(D)ではオフセット
“0”)だけずらして印刷出力する形式(タイプ4)を
示す。最後に図26の(E)は、基本画像300を回転
(図26(E)では90度)させた後、図26(C)の
タイプ3と同様にX方向にオフセット量(図26(E)
では“0”)だけずらして印刷出力する形式(タイプ
5)を表している。
【0084】制御部1009より出力される出力形式を
指定するパラメータとしては、上述したもののほか、タ
イプ1〜5のような出力タイプ、基本画像サイズ(X
b ,Y b )、全出力画像サイズ(XOUT ,YOUT )、X
方向オフセット量Δx、Y方向オフセット量Δy、回転
量(ここでは、90度単位とする)等がある。これらパ
ラメータは、下記の条件のもとに設定される。
【0085】Xin×Yin≦メモリ505の容量,Xb
in ,Yb ≦Yin ,XOUT ≧Xb ,YOUT ≧Yb ,Δ
x≦Xb ,Δy≦Yb ,等である。
【0086】制御部1009は、図2のステップMS2
5において画像データの印刷命令を画像印刷部1004
に送信し、これにより画像印刷部1004は印刷動作に
入る。
【0087】具体的には、CPU142AはFMコント
ローラ504に設けたアドレス制御部のメモリ505の
読出しタイミングと、モータドライバ23の起動タイミ
ングと、ヘッドドライバ24の起動タイミングを制御す
ることで、プリント媒体である布103への印刷タイミ
ングを制御する。アドレス制御部はパラメータ記憶部に
セットされたパラメータに従ってメモリ505より逐次
画像データを読出してヘッドドライバ24へ向けて出力
する。これによりヘッドドライバ24は、その画像デー
タに応じてプリントヘッド2a〜2d、もしくはさらに
特色用ヘッドの駆動信号を形成して各プリントヘッドに
出力する。こうして各プリントヘッドは駆動信号によっ
て駆動され、インク滴を布103に吐出してその画像デ
ータに応じた画像を印刷する。
【0088】一方、モータドライバ23は、搬送モータ
9を駆動することで布103を印刷できる位置に給送
し、キャリッジモータ5を所定方向に回転させることに
よりキャリッジ1をD方向に移動させながらプリントを
行う(図13参照)。こうして1スキャン分の印刷が終
了すると、次にキャリッジモータ5を逆方向に回転させ
て、キャリッジ1をE方向に移動させてホームポジショ
ンまで戻り、そして布103を、そのプリントされた1
スキャンのY方向の幅分だけ、もしくはマルチスキャン
時にはそれ未満の量だけY方向に移動するために搬送モ
ータ9を回転させる。以上でのタイミングは、キャリッ
ジ1の1往復を基本サイクルとし、プリントヘッドの印
刷動作速度が印刷タイミングの基準となる。
【0089】このように、画像印刷部1004は上述し
た動作を繰返し実行することにより、全出力画像サイズ
(XOUT ,YOUT )で指定されたサイズの画像を印刷し
終ると、モードドライバ,ヘッドドライバ,FMコント
ローラ504等の動作を停止させて印刷モードを終了
し、再び制御部1009および操作表示部143からの
入力待ちになる。
【0090】図27は本実施例のパラメータ記憶部およ
びアドレス制御部の内部構成の一例を示すブロック図で
ある。
【0091】図27において、830から836のそれ
ぞれは、パラメータ記憶部におけるレジスタ等の記憶部
を示し、レジスタ830には全出力画像サイズ(X
OUT ,Y OUT )、レジスタ831には基本画像サイズ
(Xb ,Yb )、レジスタ832には基本画像を繰返し
て出力するX方向およびY方向の回数(Nx ,Ny )、
レジスタ833には出力タイプ、レジスタ834にはX
方向のオフセット量Δx、レジスタ835にはY方向オ
フセット量Δy、レジスタ836には回転量Rが各々記
憶されている。
【0092】なお、Nx =INT(XOUT /XB ),N
y =INT(YOUT /Yb )である。ただし、INT
(a)は、数字aが小数である時、その数字aの小数第
1位を切り上げて整数にすることを示す。例えば、IN
T(1.2)=2である。
【0093】これらのレジスタは、入力した画像データ
の出力形式に応じてアドレス制御部の各部へ接続される
(具体的には、以下に述べる比較器の基準値として使用
する)。
【0094】図27において、837はXアドレス発生
器Aで、基本画像300のX方向のアドレス(XADR
A)をカウントしている。838はYアドレス発生器A
で、基本画像300のY方向のアドレス(YADRA)
をカウントしている。839と840のそれぞれはXア
ドレス発生器B、Yアドレス発生器Bで、前述した画像
出力タイプ2,3(図26(B),(C))のように、
XまたはY方向にずらした基本画像300のX方向のア
ドレス(XADRB)と、Y方向のアドレス(YADR
B)をカウントしている。これらアドレス発生器837
〜840は、各々主に実際にアドレスを出力するカウン
タと、そのアドレスが基本画像のサイズあるいは全画像
のサイズを越えたかどうかを比較するための比較器とで
構成される。
【0095】841は基本画像300のX方向およびY
方向の繰返しを各々カウントするブロックカウンタで、
主にカウンタと比較器で構成される。842はセレクタ
で、X方向のアドレス(XADRA)と、X方向にずら
されたXアドレス(XADRB)のいずれか一方を選択
している。843も同様にY方向のアドレス(YADR
A)と、Y方向にずらされたYアドレス(YADRB)
を選択するセレクタである。844はタイミング発生部
で、セレクタ842,843よりのアドレス(XAD
R)と(YADR)とに基づいて、メモリ部の各種読出
し信号(CS,ADR,RAS,CAS,WE等)およ
び各種タイミング信号(IN,OUT,VE,PE等)
を出力する。
【0096】ここでは、メモリ505の構成は市販され
ているD−RAM(ダイナミックRAM)モジュールを
1つ以上用いて構成している。上記メモリ部の読出し信
号において、CSはモジュールを選択するチップセレク
ト信号、ADRは行アドレス(YADR)と列アドレス
(XADR)を時間的に割り付けた信号で、RASは行
アドレス・ストローブ信号、CASは列アドレス・スト
ローブ信号、WEはライトイネーブル(書込み可)信号
であり、これら信号のタイミングの詳細を図28に示
す。
【0097】また、上述の各種タイミング信号におい
て、INは画像入力データを一時保持するラッチ回路の
ラッチタイミング信号、OUTは画像出力データを一時
保持するラッチ回路のラッチタイミング信号、VEは1
ラスタ毎に有効な画像データを示すビデオイネーブル信
号、PEは1ページのうち有効なラスタを示すページイ
ネーブル信号である(図28,図29参照)。
【0098】次に、図26(A)に示すタイプ1の画像
出力の場合におけるアドレス制御部の各部の動作を図2
8を参照して説明する。
【0099】制御部1009または操作・表示部143
から印刷開始が指示されると、CPU142AはSTA
RT信号をアドレス制御部に出力してXアドレス発生器
A837,Yアドレス発生器A838を共にクリアし
((XADRA)と(YADRA)を共に“0”にす
る)、かつこれらアドレス発生器837,838が動作
できるようにし、タイミング発生部844,ブロックカ
ウンタ841も動作可能にする。
【0100】出力基準タイミング信号(画像出力クロッ
クCLK,ラスタ同期信号HSYNC,スタート信号S
TART等がある)のうち、START信号がハイレベ
ル(イネーブル)になり、水平同期信号HSYNCが立
上ると、図28に示すように、タイミング発生部844
はVE信号とPE信号を共にハイレベル(イネーブル)
にする。また、VE信号とHSYNC信号が共にハイレ
ベルの間、図28に示すようにCLKに同期してRA
S,CAS,ADR,WE,OUTの各信号がメモリ5
05に出力されてメモリ505より画像データが読出さ
れる。また、VE信号とPE信号が共にハイレベルの間
に、メモリ505より読出すアドレスを制御することに
より、画像データの読出し位置と出力位置とを決定す
る。
【0101】次に、アドレス制御部におけるアドレス制
御について説明する。
【0102】Xアドレス発生器A837の出力は、水平
同期信号HSYNCがハイレベルになると“0”にクリ
アされ、CLKの立上りに同期してその出力(XADR
A)を1ずつカウントアップし、そのカウント値が“X
b ”(基本画像サイズのX方向の長さ)になるとブロッ
クカウンタ41にリップルキャリイ信号(XARC)を
出力して、その出力アドレス(XADRA)を“0”に
クリアする(図28のタイミングT1〜T3)。即ち、
このキャリイ信号(XARC)は、基本画像サイズレジ
スタ831に記憶された基本画像サイズの“Xb ”と、
CLKを計数しているカウンタの出力値とを比較器(図
示せず)により比較した結果である。
【0103】この動作中、ブロックカウンタ841は、
セレクタ842がXアドレス発生器A837よりのアド
レス信号(XADRA)を選択し、セレクタ843がY
アドレス発生器A838よりのアドレス信号(YADR
A)を選択するように選択信号XSEL,YSELを共
にハイレベルで出力する。そして、Xアドレス発生器8
37からのキャリイ信号(XARC)を受けるとX方向
のブロックカウントXを1つ進め、X方向の繰返し回数
x と等しくなったら(タイミングT3)、Yアドレス
発生器A838を1だけカウントアップするためのYC
NT信号を出力し、X方向の1ラスタ分の画像データの
出力が終了したことを知らせるXEND信号を1(イネ
ーブル)にする。
【0104】タイミング発生部844はその間、セレク
タ842よりのアドレス信号(XADR)と、セレクタ
843よりのアドレス信号(YADR)とに基づいて、
メモリ505のアドレス信号ADRとチップセレクト信
号CSを作成し、出力基準タイミング信号500に同期
してRAS,CAS,WE,ADR,CS,OUT等の
各信号をメモリ505に出力して画像データの読出しを
行っている。そして、ブロックカウンタ841より入力
されるXEND信号が“1”になるとVE信号をロウレ
ベル(ディスイネーブル)にし(タイミングT3)、一
旦、メモリ部よりの画像データの読出しを停止するため
に各信号の出力を停止する。ここで、VE信号がロウレ
ベルになると、Xアドレス発生器837,Yアドレス発
生器838,ブロックカウンタ841のカウントも停止
する。
【0105】次に、次のラスタの先頭である水平同期信
号HSYNCが立上ると上記動作を繰返し、Yアドレス
発生器A838は逐次カウントアップされる。こうして
各ラスタの印刷処理が行われ、Yアドレス発生器A83
8より出力されるYアドレス(YADRA)の値が基本
画像サイズのY方向の長さ“Yb ”と一致すると(タイ
ミングT5〜T7)、Yアドレス発生器A838,キャ
リイ信号(YARC)をブロックカウンタ841に出力
し、かつ信号(YADRA)を“0”にクリアする。
【0106】Yアドレス発生器838からのキャリイ信
号(YARC)を受けるとブロックカウンタ841は、
Y方向のブロックカウントYを1つ進め、この値が繰返
し回数Ny と等しくなったかどうかを調べ、等しくなる
とY方向の読出しが全て終了したことを知らせるYEN
D信号をハイレベル(イネーブル)にする(タイミング
T7)。このYEND信号が1になると、タイミング発
生器844は、VE,PE信号をともにロウレベル(デ
ィスイネーブル)にするとともに、各信号の出力を停止
し、布1単位分についての画像読出しを完了する。ま
た、PE信号がロウレベルになると、Xアドレス発生器
A837,Yアドレス発生器A838およびブロックカ
ウンタ841の計数動作も停止する。
【0107】上記繰返し回数Ny は制御部1009から
コマンドとともに送出されてよいし、上記ステップMS
13(図2)に応じて算出されるものでもよく、さらに
は操作・表示部143で設定してもよい。
【0108】次に、図26の(B)で示されたタイプ2
の画像出力の場合における、アドレス制御部の動作を図
29のタイミング図を参照して説明する。
【0109】このタイミング図の基本的な動作は、図2
8に示すタイプ1の画像出力の場合と同様であるが、異
なる点はYアドレス発生器B840の動作を有効にする
ことと、セレクタ843の選択処理である。
【0110】具体的には、ブロックカウンタ841が、
選択信号YSELによりセレクタ843をブロックカウ
ンタ841のX方向のブロックカウントに同期させてハ
イレベル/ロウレベルと切り換えることで、Yアドレス
発生器A838よりの信号(YADRA)とYアドレス
発生器B840よりの信号(YADRB)を切り換え
て、YアドレスYADRをブロック毎に切り換える点が
異なる。
【0111】また、Yアドレス発生器B840は、水平
同期信号HSYNCの立上りで“0”にクリアされるの
ではなく、このタイミングでY方向のオフセット量Δy
がロードされる。また、Yアドレス発生器B840は、
基本画像サイズのY方向の長さ“Yb ”とYアドレス発
生器B840の出力(YADRB)とを比較し、(YA
DRB)が“Yb ”に等しくなると“0”にクリアされ
る。なお、このときキャリイ信号YBRCは出力され
ず、ブロックカウンタ41はXアドレス発生器A837
よりのキャリイ信号(YARC)でブロックカウンタY
をインクリメントする。
【0112】このタイミングは図29に詳しく示されて
おり、例えば図26(B)の基本画像300部分の最初
の1スキャン分を印刷する時は、タイミング発生部84
4に入力されるYアドレス(YADR)はYアドレス発
生器A838の出力(YADRA)が選択されて“0”
となり、次に右側の画像領域(オフセットされた部分)
の最初の1スキャン分を印刷する時はYアドレス発生器
B840の出力(YADRB)が選択されて“Δy”に
設定されている。また同様に3つ目の画像領域(オフセ
ットがない)では、Yアドレス(YADR)は“0”に
戻り、次のオフセットされている領域では再び“Δy”
となる。
【0113】次に、これらの画像領域を印刷する2スキ
ャン目では、Yアドレス(YADR)はオフセットされ
ていない画像領域ではYアドレス発生器A838の出力
(YADRA)が選択されて“1”となり、オフセット
されている領域ではYアドレス発生器B840の出力
(YADRB)が選択されて“Δy+1”となる。
【0114】なお、図26(B)のライン301を出力
した後は、Yアドレス発生器B840の出力(YADR
B)は基本画像サイズ“Yb ”に等しくなるため、
“0”にクリアされる。
【0115】また、前述の図26(C)に示すタイプ3
の場合は、タイプ2の場合ではY方向のオフセットであ
るのに対し、このタイプ3ではX方向のオフセットとし
ている点が異なる。従って、前述のタイプ2では、セレ
クタ843がYアドレス発生器A838とYアドレス発
生器B840の出力を選択してYアドレス(YADR)
の形成に工夫をしたが、このタイプ3ではセレクタ84
2が、Xアドレス発生器A837とXアドレス発生器B
839の出力のいずれかを選択してXアドレス(XAD
R)として出力する制御が必要となる。
【0116】具体的には、ブロックカウンタ841がブ
ロックカウンタ841のYカウント値と同期させてセレ
クタ842の選択信号XSELをハイレベル/ロウレベ
ルに切り換えることで、Xアドレス発生器A837が出
力するアドレス(XADRA)とXアドレス発生器B8
39が出力するアドレス(XADRB)をブロック毎に
切り換えて(XADR)としてタイミング発生部44に
出力する。また、Xアドレス発生器B839は、HSY
NCの立上りで“0”にクリアされるのでなく、このタ
イミングでX方向のオフセット量“Δx”がロードされ
る。また、Xアドレス発生器B839は、基本画像サイ
ズのX方向の幅“Xb ”と、その出力(XADRB)と
を比較し、(XADRB)が“Xb ”を越えるとリップ
ルキャリイ(XBRC)を出力せずに、Xアドレス発生
器B839を“0”にクリアする。また、ブロックカウ
ンタ841は、Xアドレス発生器A837よりのキャリ
イ(XARC)でブロックカウンタXの値をインクリメ
ントする。
【0117】タイプ4とタイプ5は、基本画像サイズの
横“Xb ”と縦“Yb ”との比率が整数であると幾何学
的には美しく有用である。特にXb =Yb (基本画像が
正方形)であると、格子状にきれいに配置できるし、構
成上比較的容易で、XADRとYADRの入れ換えや、
アドレス発生器837〜840のカウント方向(ダウン
/アップカウント)を回転量Rに応じて実現することが
できる。
【0118】また、基本画像を回転する場合、アドレス
制御だけでなく、回転用処理部をパイプライン的に挿入
することも可能である。また、アドレス制御により、画
像データを実際に出力する前に、例えば基本画像を90
度回転した回転画像を画像メモリに基本画像分だけ作成
して記憶しておくことにより、より簡単に高速にこれら
回転画像を含む画像データを出力することができる。
【0119】また、ブロックカウンタ841は、基本画
像のブロックをカウントして、全出力画像サイズ(X
OUT ,YOUT )が出力されるようにしたが、この限りで
ない。特に、XOUT ,YOUT が各々Xb ,Yb の倍数で
ない時は、ブロックのカウントだけではXOUT ,YOUT
を規定できなくなる。そこで、余り画素Xr =XOUT
x ×Xb ,但し、Nx =INT(XOUT /Xb )−1
を導入し、繰返し回数N x の比較と、余り画素Xr とを
比較することによりXOUT に到達したかどうかを判定す
るようにできる。これはY方向についても同様である。
【0120】また、プリントヘッドでの印刷速度が遅
く、かつ画像出力クロックが遅い場合は、前述したアド
レス形成をCPU等のソフトウェア処理により実現する
ことも可能である。特にソフトウェアにより、メモリの
一部をカウンタとして図27の構成の一部をソフトウェ
アで置き換えることも可能である。
【0121】なお、本実施例では、プリントヘッドへ出
力する画像データの並びをラスタ形式で行い、プリント
ヘッドに依存する画像データ配列の変更をラスタ@BJ
変換コントローラ506(図19)で行うようにしてい
るが、本発明はこれに限定されるものでなく、メモリ5
05に格納される画像データの配列とプリントヘッドに
出力する画像データの配列が同じであってもよく、また
異なる場合は、ヘッドドライバに出力する時点でプリン
トヘッドのヘッド配列に合わせるようにしてもよい。
【0122】なお、本例に係る画像印刷部1004の機
械的構成では実際には図28に示すように、Y方向に幅
y の記録範囲を有するプリント(記録)ヘッドをX方
向にスキャンして画像出力するようにしている。
【0123】このような場合は、FMコントローラ50
4が有するアドレス制御部のY方向のYアドレス発生器
838,Yアドレス発生器B840を、Hy だけカウン
トするカウンタ(および比較器)と、そのリップルキャ
リイをカウントするカウンタ(および比較器)の2段構
成で実現することも可能である。
【0124】また、Y方向にHy の幅で、X方向にX
OUT の単位(バンド単位と称する)で画像を読出して印
刷することも可能である。このとき、上記のY方向のY
アドレス発生器838,Yアドレス発生器B840の上
位のカウンタを必要とせずに、下位のカウンタ(Hy
のカウンタ)だけで構成することも可能である。具体的
には、バンド単位で画像を出力する毎に、CPU142
AがY方向の規定アドレス(今度印刷するバンド単位の
始めの画像データのYアドレス)をHy 用のカウンタに
ロードし、そこからカウントアップを行うようにしても
よい。
【0125】 (3.4)変換データ,パラメータのダウンロード 以上説明した、各変換データを各変換コントローラを介
して変換テーブルにダウンロードするため、あるいは制
御部1009や操作・表示部143で設定した各種パラ
メータを対応する所定のレジスタに格納するため、本実
施例の装置は図31のフローチャートに従って処理する
ことになる。以下、その動作を説明するが、同処理を行
うプログラムはコントロールボード142内に設けられ
たROM142Bに格納されており、CPU142Aに
より実行されるものである。
【0126】先ず、本システムに電源が投入されると、
ステップSP1で画像印刷部1004を初期化する。こ
の初期化処理には、各記録色に対する変換テーブル50
9,511および513の初期化処理も含まれる。
【0127】そして、次のステップSP2で、制御部1
009や操作・表示部143よりテストプリントの指示
を受けているか否かを判断し、その指示があったと判断
したらステップSP3でテストプリントを行う。この場
合、先に説明したように、各記録色ごとのセレクタ51
9が2値PGコントローラからのデータを選択するよう
指示信号を出力し、印刷処理を行うことになる。
【0128】さて、制御部1009や操作・表示部14
3からの指示がない場合には、ステップSP4に進ん
で、GPIBインターフェース501を介してデータを
受信したかどうかを判断し、その受信を待つ。データ受
信があると、ステップSP4に進み、その受信データが
画像データであるか、各変換テーブル用データやパラメ
ータであるかを判断する。ちなみに、画像データである
か否かの判断は、受信データの先頭に位置する制御コマ
ンドを解釈することで行われる。特に、変換テーブル用
のデータやパラメータである場合、続いて送られるデー
タがどの記録色のどの変換テーブルのためのデータであ
るのか、あるいはどの制御に用いるパラメータであるの
かを示す識別データが付加される。
【0129】さて、受信したデータが画像データである
と判断した場合には、ステップSP6に進んで、その画
質に基づく印刷処理を実行する。
【0130】また、変換テーブル用データ,パラメータ
であると判断した場合には、ステップSP7に進んで、
その制御コマンドを解釈してどの記録色のどの変換テー
ブルであるのか、あるいはパラメータであるのかを判断
し、ステップSP8でその判別結果に基づいて受信デー
タを対応する変換コントローラやCPUを介して変換テ
ーブルやレジスタに格納する。
【0131】なお、制御部1009や操作・表示部14
3で設定した情報その他は、操作・表示部143の表示
器上に表示することもできる。図32はその表示例を示
す図である。図中の表示器143Dには布103の印刷
済みの長さ,布の全長,布の送り量等が表示されている
が、制御部1009や本操作・表示部の操作ボタンを用
いて設定した各種パラメータ,モード等も表示しうるの
は勿論である。図32において、143Eは各種エラー
ランプである。143A及び143Bはそれぞれ停止ボ
タンおよび緊急停止ボタンを示し、それぞれ、プリント
出力の連続性を保護する停止モードおよび保護しない停
止モードとの選択を可能とするのに用いることができ
る。 (4)他の構成例 以上の実施例では、制御部1009は画像印刷部100
4に対しカラーパレットデータ化した画像データを供給
し、画像印刷部1004ではこれをカラーパレット変換
テーブルに基づいてC,M,Y,BKおよび特色S1〜
S4を用いたプリントを行うものとしたが、以下では制
御部1009がR,G,Bの輝度データとして画像デー
タを画像印刷部1004に供給する場合の例を述べる。
【0132】本例においては、前述したシステムとほぼ
同様の構成をとることができるが、図19における画像
メモリ505はパレットデータ化された画像データでは
なく、R,G,Bの輝度データで表現された画像データ
を記憶するものとし、図21の構成を図33に示すもの
に置換えて用いる。
【0133】図33はR,G,Bの信号等からC,M,
Y,BKの信号への変換あるいはS1〜S4の特色信号
の生成を行う画像処理部の例を示す。
【0134】本例において、制御部1009は、画像印
刷部1004に対してカラー画像データをR,G,Bで
送り、画像印刷部1004はインターフェースを介して
画像データR,G,Bを受け取り、CPU142Aがコ
ントロールボード142に配設される画像データ処理
部,記録ヘッドドライバ24,モータドライバ23等の
タイミングを取り、これらを制御することにより、布1
03にシアンC,マゼンタM,イエローY,ブラックB
Kあるいはさらに特色S1〜S4のインクを塗布するこ
とでカラー画像のプリントを行う。
【0135】図33において、メモリ505より各コン
トローラ504,506及び507から供給される画像
データ(輝度データ)R,G,Bに対し、入力補正部6
32は、入力画像の分光特性やダイナミックレンジ等を
考慮して、標準の輝度データR′,G′,B′(例えば
カラーテレビジョンのNTSC方式のR,G,B)への
変換を行い、濃度変換部633は、標準の輝度データ
R′,G′,B′を対数変換等の非線形変換を用いて濃
度データC,M,Yに変換する。下色除去部634と黒
生成部635は、濃度データC,M,YとUCR量βと
スミ量σから下色除去と黒生成を以下の計算例のように
行う。
【0136】
【数1】C(1)=C−β×MIN(C,M,Y) M(1)=M−β×MIN(C,M,Y) Y(1)=Y−β×MIN(C,M,Y) K(1)=σ×MIN(C,M,Y) 次に、マスキング部636は下色除去されたC(1),
M(1),Y(1)に対してインクの不要吸収特性を以
下の計算例で補正を行う。
【0137】
【数2】C(2)=A11×C(1)+A12×M
(1)+A13×Y(1) M(2)=A21×C(1)+A22×M(1)+A2
3×Y(1) Y(2)=A31×C(1)+A32×M(1)+A3
3×Y(1) ただし、Aij(ij=1〜3)はマスキング係数であ
る。
【0138】次に、γ変換部641は、C(2),M
(2),Y(2),BK(1)に対して各々出力ガンマ
の調整をしたC(3),M(3),Y(3),K(3)
に変換する(C(3),M(3),Y(3),BK
(3)の各々信号に対応したインクで出力される画像濃
度と線形になるように補正する)。
【0139】ここで、プリントヘッドはインクを吐出す
るか否かの2つの状態しかない2値記録手段であるた
め、2値化処理部642は、多値データであるC
(3),M(3),Y(3),K(3)を各々疑似的な
階調形成がでるようにC′,M′,Y′,BK′へと2
値化変換処理を行い、図21に示す回路部へ出力する。
【0140】さらに、本例では、CPU142Aから与
えられる特色指示に応じて色度図上所定のR,G,Bの
範囲(入力補正部632から与えられるR′,G′,
B′)を特色S1〜S4に置換えてプリントさせる指示
を発生する色検出部631を設ける。当該指示は信号S
としてγ変換部637に供給され、γ変換部631は適
切な特色信号S1(3)〜S4(3)を出力し、更にこ
れを2値化処理部638にて2値化して、信号S1′〜
S4′を発生するようにしてある。
【0141】図34は図27の構成に対して制御部10
09が行う特色指定処理手順の一例を示す。本手順は原
則としてR,G,Bの3色の所望の色度範囲を指定して
色度図における所望の範囲を定め、その範囲に含まれる
色を所望の特色に置換する処理である。
【0142】本手順においても図4に示したと同様のス
テップSS7−1〜SS7−7の処理が前置され、そし
て、所望色のプリントヘッドが装着されている場合には
ステップSS7−11にて、CRT1026に表示する
原画データ内の色に対し直接指定を行うか否かを判別す
る。ここで肯定判定であればステップSS7−13にて
その指定を促し、ステップSS7−15にてその指定入
力がなされたと判定された場合にはステップSS7−1
7にてR,G,B各色についての特色への変換幅の指定
を待つ。当該指定にあたっては、R,G,Bの各色毎に
変換幅の最小値(min)および最大値(max)を指
定する。次に、ステップSS7−19にて所望の特色を
選択する。例えば、特別色がS1〜S4の4色あれば各
色毎に割当てた数値で指定することができる。
【0143】このように変換範囲、特色の指定がなされ
ると、ステップSS7−21にて画像印刷部1004に
対し指定を行う。この指示に用いるコマンドのフォーマ
ットとしては、例えば、識別コード<WCOLOR>に続き、
“<Rmin>,<Rmax>,<Gmin>,<Gmax>,<Bmin
>,<Bmax>,<byte>”を付したものとすることがで
きる。この意味は、 Rmin≦R ≦Rmax,Gmin<G <Gmax,Bmin<B <Bmax で定まる色度図の範囲内のデータに対しては、“<byte
>”で指示する特別色を用いる旨の指示である。
【0144】ステップSS7−11で否定判定された場
合にはステップSS7−23に進み、カラーグラフィッ
ク機能を有するコンピュータにおいて採用されるCRT
画面上の色見本表で変換に係る色の指定を行うか否かを
判定する。ここで肯定判定であればステップSS7−2
5にて当該指定を促し、その後ステップSS7−15に
進んで上述と同様の処理を行う。
【0145】一方、ステップSS7−23にて否定判定
された場合にはステップSS7−27に進み、変換に係
る色情報をキーで指定するか否かの判定を行い、肯定判
定された場合にはその旨を促してステップSS7−15
に移行する。さらにステップSS7−27で否定判定さ
れた場合には、現在画像印刷部1004で使用している
特色をそのまま用いるものとして処理を終了する。
【0146】なお、以上の制御部1009側の指定処理
に対する画像印刷部1004の色検出部631の回路
は、図35に示すものを採用することができる。
【0147】図35において、制御部1009が送出す
る上記データはCPU142Aにより、レジスタ,コン
パレータ等を用いて構成できる比較回路641にセット
される。比較回路641は入力補正部632からR′,
G′,B′の信号が入力されると、これをセットされた
諸値と比較し、指定された範囲内であれば“0”、それ
以外であれば“1”となる信号αを発生する。当該信号
αは濃度変換部633と特色信号生成回路643とに供
給される。濃度変換部633はα=0であれば当該
R′,G′,B′に対してC,M,Yの信号を生成しな
い。
【0148】R′,G′,B′の信号は輝度信号生成回
路645にも供給される。輝度信号生成回路645は例
えば(R′+G′+B′)/3を演算して特色信号生成
回路643に供給し、特色に置換する範囲に対しても濃
度が良好に再現されるようにする。また、セレクタ64
7は、上記<byte>で指示されるデータに応じてCPU
142Aにより切換えられ、当該特色を用いる旨を特色
信号生成回路643に指示する。従って、特色信号生成
回路643は、比較回路641が出力するαが“0”で
あるときに、輝度信号生成回路645から供給される輝
度信号に対応した濃度にて、セレクタ647で指示され
る特色のデータSを発生する。
【0149】なお、特色とC,M,Y等とを混色させる
ことが望まれる場合には、本例において上記<byte>の
データを増やすとともに、比較回路641が特色の使用
のみを指示するα=0とC,M,Y等のみを使用するα
=1との間で、それぞれの混合比率を定めるデータを発
生するようにすればよい。
【0150】図36は制御部1009が行う特色指定処
理手順のさらに他の例を示す。本処理は、原画データ上
の特定エリアを指定して、その範囲を所望の特色でプリ
ントするようにするための処理である。
【0151】本手順においても、上述のステップSS7
−1〜SS7−9が前置される。そして、用いようとす
る特色の記録ヘッドが装着されているときにステップS
S7−41にて原画上の所望エリアを示す座標データの
入力を促す。そして、ステップSS7−43にてその入
力が判定されると、ステップSS7−45にて特色の選
択を行わせ、ステップSS7−47にて上記エリアデー
タ、特色の指定データを画像印刷部1004に通知す
る。その際のコマンドのフォーマットとしては、例えば
<WAREA >なる識別コードに続けて、上記エリアが3角
形状の領域であれば、X,Y座標により、“<X1>,<
Y1>,<X2>,<Y2>,<X3>,<Y3>,<byte>”と
することができる。ここに、“<byte>”は上述と同様
特色の指定データである。
【0152】なお、本手順に対する画像印刷部1004
側の処理回路としては図33における色検出部631を
領域検出部とするとともに、その領域検出部として図3
7に示すものを用いることができる。
【0153】図37において、制御部1009が送出す
る上記領域に関するデータはCPU142Aにより、レ
ジスタ,コンパレータ等を用いて構成できる比較回路6
51にセットされる。比較回路651はCPUバスより
画像アドレスが入力されると、これをセットされた諸値
と比較し、指定された範囲内であれば“0”、それ以外
であれば“1”となる信号αを発生し、濃度変換部63
3と特色信号生成回路643とに供給する。濃度変換部
633はα=0であればC,M,Yの信号を発生しな
い。なお、比較回路651をC,M,Y等と特色との混
合を比率を定めるデータを発生するように構成すること
もできる。
【0154】特色信号生成回路653,輝度信号生成回
路655およびセレクタ657の構成は、それぞれ、図
35における各部643,645および647と同様で
あり、特色信号生成回路653は、比較回路651が出
力するαが“0”であるときに、輝度信号生成回路65
5から供給される輝度信号に対応した濃度にて、セレク
タ657で指示される特色のデータSを発生する。
【0155】図4、図34および図36のフローチャー
トを用いて説明した特色指定手順は、画像印刷部100
4側の構成に合せて、即ち例えば画像印刷部1004が
提示する情報に基づいていずれかを起動するようにする
こともでき、あるいは画像印刷部1004側がいずれの
手順にも対応できる回路を有しているのであればオペレ
ータの所望に応じていずれかを起動できるようにするこ
とも可能である。
【0156】なお、以上の各実施例において、「特色」
とは、カラープリンタにおいて通常用いられるY,M,
Cでは再現不能もしくは再現が困難である金属色、鮮明
なR,G,Bやバイオレット,オレンジ等の色とし、そ
れら色を専用のヘッドによって表現するものとしたが、
本発明に言う特色とはそれらのほか、Y,M,C等の混
合によって再現可能もしくは再現が容易であっても、使
用頻度が高いために混合に供される色の記録剤の使用量
が多大となる場合において、その使用量を抑える目的で
用いられる色であってもよい。また、Y,MまたはCと
特色、もしくは特色同士の記録剤の混合により表現され
る色であってもよい。
【0157】また、デザイナが選択した色の忠実な再現
を行うための処理に関して、図9,図10の実施例では
カラーパレットデータを生成する手順について述べた
が、図33以降の実施例の如く制御部1009がR,
G,Bの輝度信号を画像印刷部1004に送信するもの
である場合には、図9に示したような補正または図10
に示したような選択により、良好な色再現を行わせる
R,G,B信号を送信するようにすればよい。 (5)その他 なお、本発明に係る画像出力装置(プリンタ)には、イ
ンクジェット記録方式に限らず種々の記録方式を採用で
きるが、インクジェット記録方式を採る場合には、その
中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネル
ギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換
体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインク
の状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式に
よれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからであ
る。
【0158】以上の構成に基づく本実施例の画像印刷部
1004の主要部を図38〜図41を参照して説明す
る。
【0159】図38は、図15,図16に示したインク
ジェットヘッドの吐出状態を良好にするための処理を行
う、いわゆる回復手段を模式的に示したものである。キ
ャッピング手段20のキャッピング部材51は、ヘッド
の吐出面の乾燥防止等の機能をもち、非プリント中やス
タンバイ中にはここでヘッドの吐出面をキャッピングし
て覆うものである。また、ヘッドの吐出口内方の増粘し
たインク吐出する先が空吐出箱53であり、キャリッジ
124または124′はシャフト3に沿って移動しなが
らS4ヘッドから次々にCヘッドまで空吐出箱53にイ
ンクを吐出していく。目詰まり防止手段31のワイピン
グ部材57は、ヘッドの吐出面に付着した異物を除去す
るための弾性部材または多孔質部材であり、キャリッジ
124または124′の移動の過程でS4ヘッドから次
々にCヘッドまでそれぞれの吐出面に係合し、払拭を行
ってゆく。
【0160】捺染の場合、印刷の基本色であるシアン,
マゼンタ,イエロー,ブラックの4原色の他に、これら
の混色で表現しにくい色を特色という形で追加する。例
えば、鮮やかなコバルトブルーとか、金色,銀色等であ
る。どの色を特色として追加するかはデザイン原画が要
求するところによるので、印刷柄によりその都度特色が
変わるといえる。しかし、装置としては、最大使用する
特色が4色あればほぼ全てのデザインに対応できると考
えて、本例では特色ヘッドを搭載するスペースを4エリ
ア確保している。
【0161】図39では、印刷の基本色に加えて特色用
のヘッド4個搭載した場合(i)の空吐出箱53に対す
る吐出動作に関して要求されるキャリッジ移動範囲と特
色を使わずシアンヘッドを2個ヘッド搭載した場合(i
i)のキャリッジの移動範囲とを示す説明図である。こ
の図から明らかなように、搭載しているヘッドの数ない
しは搭載範囲を認識してキャリッジの移動距離を切換え
ることが印刷速度を向上する上で好ましいこと、即ち、
8個を搭載した場合に要する移動距離L1が、5個搭載
の場合はL2で済むことがわかる。
【0162】これは、空吐出動作に限らず、ワイピング
動作,プリント動作にも適用できるのは言うまでもな
い。
【0163】水着やスキーウエア等のための捺染では、
大変濃い印刷が要求されることがある。このような場合
は、同一印刷面を複数回スキャンして重ね印刷を行い、
濃度の向上を図ることも考えられるが、これでは印刷速
度の低下は免れない。そこで図39の例では、キャリッ
ジ上の特色のヘッド搭載エリアを使い、濃く印刷したい
色に対応したヘッドを複数個搭載している。
【0164】この場合、図19〜図21に示した画像処
理系では以下のように対応するようにすればよい。即
ち、図20のパレット変換テーブルについて、C変換テ
ーブルはそのままとし、M変換テーブルをC変換テーブ
ルに、Y変換テーブルをM変換テーブルに、K変換テー
ブルをY変換テーブルに、S1変換テーブルをK変換テ
ーブルにそれぞれ置換えるとともに、特色S2からS4
変換テーブルには“00”をセットして出力が生じない
ようにすればよい。また次段以降のHS変換テーブル,
γ変換テーブルについてもそれぞれ同様に置換えを行え
ばよい。
【0165】以上の処理を施すことにより、図20の2
値出力516は、C,C,M,Y,Kとなる。ここで、
シアンだけが2回プリントされるため2倍の濃度にな
り、もう少し濃度を下げたいという場合は、シアンのγ
変換テーブルの傾きを少し所望の濃度低下が得られるだ
け小とすればよい。
【0166】このように特色エリアに濃度アップを図り
たいヘッドを配置することによって、その色の濃度を高
めることができる。なお、本例の場合プリントヘッドの
順番即ち、混色時の順番は変更していないので色あいの
変化はない。図40は上段キャリッジ124′にマゼン
タヘッドを2個搭載し、下段キャリッジ124に特色ヘ
ッドS1を2個搭載した例を示す。画像処理系のテーブ
ルは、このように上下キャリッジで搭載するヘッドが異
なる場合であっても、適宜切換えを行えばよい。
【0167】図41はキャリッジ124,124′に搭
載しているヘッドに応じて変換テーブルの内容および走
査範囲を設定するための処理手順の一例を示す。
【0168】まず、ステップS1では、キャリッジ12
4,124′に搭載しているヘッドについての認識、即
ちその色や個数ないしは搭載範囲の認識を行う。例え
ば、搭載しているヘッドの個数ないしは範囲を認識する
手段としては、図17の中継ボード147とヘッドとの
間の信号線から、ヘッドのあるライン間のインピーダン
スを測定してCPU142Aが判断するものや、キャリ
ッジ上のヘッド装着位置に配設したスイッチのオン/オ
フにより判断を行うものとすることができる。また、イ
ンクジェット記録部1005のプリントヘッドが自己の
情報を提示する手段(パターンカッテイング)を有し、
画像印刷部1004側でその手段より当該情報を認識で
きるようにした、本出願人の提案になる特開平2−18
7343号等に開示された発明を利用することもでき
る。当該情報を提示する手段としては、EPROMやD
IPスイッチ等を用いたものでもよい。本例に適用する
には、当該情報をそのプリントヘッドが用いるインク色
とすればよく、プリンタでその情報を読取ることによ
り、色の他、個数ないし範囲を認識することができる。
さらに、操作者が操作表示部143等を用いてそれら情
報を入力するようにしてもよい。
【0169】このような認識結果に基づいて、コントロ
ールボード142では制御部1009に所要の通知を行
い、これに応じて送信されてくる変換用データを変換テ
ーブル509,511,513に展開する処理を行い
(ステップS3)、さらにヘッドの搭載個数ないし範囲
に応じて、図39,図40について説明したように空吐
出,ワイピング,印刷領域での走査範囲を設定する処理
を行う(ステップS5)。
【0170】なお、本発明はキャリッジ上でプリントヘ
ッドの全て、もしくは一部が着脱可能なものであって
も、又は全てが容易な着脱を前提としない固定的なもの
であってもよい。着脱可能である場合においてヘッドの
個数の情報のみで走査範囲を設定可能とするためには、
キャリッジ上のヘッド装着部分に空きを生じさせること
のないように並置すればよい。また、ヘッドのすべてが
固定的である場合または装着されているヘッドの一部の
みを印刷に用いる場合には、使用するヘッドの情報を入
力し、または制御部1004において原画の色の分析を
行って使用するヘッドの情報を認識し、これに応じて走
査範囲の設定等を行うようにすることもできる。 (第2実施例)次に、特にプリント濃度の向上に着目し
た実施例について説明する。本実施例においても上述し
た第1実施例と同様の装置構成,処理手順等を採用でき
るが、特に本実施例は布帛にプリントを行う場合につい
て所望のプリント濃度を確保するのに好適な実施例であ
る。
【0171】図42は布103へのインク打ち込み量と
染色濃度の関係を示す。この図において、横軸はインク
打ち込み量であり、単位面積当たりの最大打ち込み量を
“100”とした値である。縦軸は、布に印刷後、発色
処理,洗浄工程を終えた後の染色物の反射率Rの関数で
あり、
【0172】
【数3】K/S=(1−R)2 /2R で表されるK/S(ケーバーエス)値と呼ばれる視覚で
の染色濃度を定量化したものである。
【0173】同図では、シアンの最大値を“100”と
し、他の値を正規化して表現しており、値が大きいほど
濃いといえる。そして同図では、標準色であるイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックと特色であるブルーの
計5色の特性を示している。
【0174】この図から明らかなように、同じ打ち込み
量をもってもイエロー,マゼンタ,シアンに比べブラッ
クと特色であるブルーは約半分の濃度しか得られないこ
とがわかる。
【0175】しかるに、水着やスキーウエア等のための
捺染では、大変濃い印刷が要求されることがある。この
ような場合において、デザイン上濃度を確保しにくいブ
ラックやブルーなどの特色の使用が要求される場合、前
述したようにそのような色の染料濃度を高めること、ま
たはインク滴の大きさを制御すること、または同一印刷
面を複数回スキャンして重ね印刷を行うことによって、
濃度の向上を図ることも考えられるが、これでは吐出に
支障をきたし、またはすじ発生によるプリント品位を低
下させ、または印刷速度の低下は免れない。
【0176】そこで本実施例では、図43に示すよう
に、キャリッジ上のヘッド搭載エリアに、濃く印刷した
い色に対応したヘッドを複数個、すなわちブラックとブ
ルーとをそれぞれ2個搭載している。
【0177】この場合、図19〜図21に示した画像処
理系では以下のように対応するようにすればよい。即
ち、図20のパレット変換テーブル508について、
C,M,Y,K変換テーブルはそのままとし、S1変換
テーブルをK変換テーブルに、S2,S3の変換テーブ
ルをBL(ブルー)変換テーブルに、それぞれ置換える
とともに、S4変換テーブルは、“00”をセットして
出力が生じないようにすればよい。また次段以降のHS
変換テーブル,γ変換テーブルについてもそれぞれ同様
に置換えを行えばよい。
【0178】以上の処理を施すことにより、図20の2
値出力516は、C,M,Y,K,K,BL,BLとな
る。ここで、ブラックとブルーだけが2倍の濃度になり
もう少し濃度を下げたいという場合は、ブラックとブル
ーのγ変換テーブルの傾きを少し所望の濃度低下が得ら
れるだけ小とすればよい。
【0179】図44は、図42に対し、ブラックとブル
ーヘッドを2個搭載した場合の濃度を表わす。ブラッ
ク,ブルーが他の3色と同程度の濃度を表現できること
が明らかにわかる。
【0180】このように特色エリアに濃度アップを図り
たいヘッドを配置することによって、その色の濃度向上
を図ることができる。なお、本例の場合プリントヘッド
の順番すなわち混色時の順番は変更していないので色あ
いの変化はない。
【0181】本例においても、第1の実施例と同様、図
41に示したような処理手順を用いてキャリッジに搭載
しているヘッドに応じた変換テーブルの内容等の設定を
行うことができる。
【0182】即ち、まずステップS1では、キャリッジ
に搭載しているヘッドについての認識、すなわちその色
や個数ないしは搭載範囲の認識を行い、このような認識
結果に基づいて、コントロールボード142では制御部
1004に所要の通知を行い、これに応じて送信されて
くる変換用データを変換テーブル509,511,51
3に展開する処理を行えばよい(ステップS3)。更に
ヘッドの搭載個数ないし範囲に応じて、図39,図40
について説明したように空吐出,ワイピング,印刷領域
での走査範囲を設定する処理を行う場合にはステップS
5の処理を実行し、行わない場合にはこれを削除または
スキップすればよい。
【0183】なお、本実施例においては所望の濃度を得
るべくブラックとブルーについてプリントヘッドを2個
搭載した場合について説明したが、デザインに応じて、
また濃度に応じて適宜の色のヘッドを適宜の数搭載で
き、さらにこれに応じて画像処理系に適宜の設定を行え
ばよいのは勿論である。 (インクの実施例)次に、上記実施例1および実施例2
で述べたような捺染装置に用いて好適なインクについて
述べる。
【0184】従来の捺染装置としては代表的なものとし
て、シルクスクリーン版を用いて布帛等に直接印刷する
スクリーン捺染法がある。スクリーン捺染法は、印刷す
べき原画像に対しその原画像に使われている色毎にスク
リーン版を作成しシルクの目を通してインクを直接布帛
に染色する方法である。
【0185】しかしながら、このようなスクリーン捺染
法においては、スクリーン版を作成するに当たり多大な
工数と日数を要するほか、印刷に要する各色のインクの
調合、スクリーン版の位置合わせ等の作業も要する。さ
らに装置も大きく、使用する色の数に比例して大型化し
設置スペースを要するほか、上記スクリーン版の保存ス
ペースも必要である。
【0186】そこで、プリンタ,複写機,ファクシミリ
等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワ
ードプロセツサ等を含む複号型電子機器やワークステー
ションの出力機器として用いられる記録装置として、イ
ンクジェット式の記録装置が実用化されており、このよ
うなインクジェット式の記録装置を捺染に利用し、直接
布帛上にインクを吐出して記録を行うシステム、すなわ
ち上記実施例1,2で述べたようなシステムが有効であ
る。すなわち、そのようなシステムによれば、スクリー
ン捺染に用いられるような版を必要とせず、布帛に印刷
するまでの行程、日数が大幅に短縮できるほか、装置の
小型化もできるからである。また、当然のことではある
が、印刷のための画像情報もテープ,フロッピーディス
ク,光ディスク等の媒体に保存できるためその保管性,
保存性についてもすぐれている。さらに、原画像に対す
る配色変え、レイアウト変更,拡大・縮小等の加工が容
易に行える。
【0187】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング,蒸着,スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体,電極,
液路壁,天板等を形成することにより、高密度の液路配
置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することが
でき、一層のコンパクト化が可能であり、さらに、記録
速度の高速化,画質の高精細化を図ることもでき、イン
クジェット捺染方法として、有望である。
【0188】このようなインクジェット捺染方法に用い
られるインクは、従来の紙等の被記録材へのインクジェ
ット記録で用いられているインクよりも、 ・発色に十分な濃度を与えること、 ・ヘッドのインク吐出口やインク通路などの目詰まりを
生じさせないこと、 ・布帛上で不規則なにじみが少ないこと、 ・長期にわたる耐久性においても吐出特性に変化のない
こと、特に熱エネルギーを利用してインクを吐出させる
方式の場合には熱エネルギーを与えるヒータ上に異物の
沈着がなく、また消泡時のキャビテーションによるヒー
タ破壊を起こさないこと、等の要求を満足するために、
厳しい条件が求められ、特公昭62−57750号公
報、特開昭61−179269号公報のようなインクが
提案されている。
【0189】しかし、これらの技術では、個々の性能を
ある程度満足させることはできるが、これらの性能を同
時に満足させることができるインクジェット捺染方法は
今までのところ知られていないのが現状である。
【0190】さらに、インクジェット捺染方法の実用化
を試みるに際し、後述するような新たな問題が生まれて
きた。
【0191】インクジェット記録に用いる装置として
は、被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向
に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリアルタイ
プの記録装置がある。この装置においては、被記録材に
沿って主走査方向に移動するキャリッジ上に搭載した記
録手段によって画像を記録し、1行分の記録を終了した
後に副走査方向に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行
い、その後に再び停止した被記録材に対して、次の行の
画像を記録するという動作を繰り返すことにより、被記
録材全体の記録が行われる。
【0192】このインクジェット記録装置を捺染に用い
る装置として実用化するためには、生産速度、および衣
服等、最終製品形態からの要求により、通常、プリンタ
等で用いられてきたインクジェット記録装置に比べて、
連続印字長(スキャン長)を非常に長くしなければなら
ない(約0.5m以上)。このため、駆動信号の印加に
よってヘッドの発熱素子に発生する熱エネルギーにより
前記ヘッドがインクを吐出するインクジェット記録方法
で、1回の走査が長いことからヘッドの温度の上昇が大
きく、これによりインクの粘度が大きく変化するため
に、1回の主走査中に安定吐出を維持することが困難で
ある。その結果、不吐出が生じやすい。
【0193】さらには、インク吐出時に発生してしまう
ヘッドオリフィス面へのインクミストの堆積量が1回の
走査が長いことから非常に多くなってしまい、ノズルオ
リフィス面を塞ぎ、不吐出(濡れ不吐)の原因となる。
さらに、ノズル近傍にたい積したインクミストまでも
が、布帛表面に存在するケバ、糸屑等の繊維との接触に
より、ノズル口まで引きずられ、ヘッドのノズル口を塞
ぎ、インクの不吐出を招く。また、前述の糸屑自体も、
ノズル口に接触付着する機会が増え、ノズル口を塞ぎイ
ンクの不吐出を招く、等の新たな問題が発生した。これ
は、ヘッドのノズルの少なくとも1つが、1回の走査中
に5×10-3回以上の駆動信号の印加によってインクを
吐出するような印字長が長い記録装置で顕著な問題であ
る。
【0194】従って、印字長が長いインクジェット捺染
記録において、不吐出などが生じない安定した吐出が行
え、画像欠陥のない優れた捺染物を得ることができるよ
うにし、さらに、本発明の目的は、上述したインクジェ
ット捺染の問題を満足する、即ち、にじみのない高濃度
の捺染物を得ることができ、ヘッドの目詰まり等が生じ
ず、長期にわたって耐久性や吐出特性を良好にする上
で、適切なインクを用いることが重要である。
【0195】このような課題は、以下のような構成によ
って解決される。
【0196】すなわち、駆動信号の印加によって記録ヘ
ッドの発熱素子に発生する熱エネルギーにより、前記記
録ヘッドがインクを布帛上に吐出して捺染を行なうイン
クジェット捺染にあって、前記記録ヘッドが前記布帛に
対し相対的に走査し、前記記録ヘッドに含まれるノズル
の少なくとも1つが、1回の走査中に、5×10-3回以
上の駆動信号の印加によって前記インクを吐出し、か
つ、前記インクが染料を前記インク全重量中2重量%以
上30重量%以下含有し、粘度を1.5cp以上4cp
以下、表面張力が35dyn/cm以上65dyn/c
m以下とすることである。
【0197】さらに、少なくとも、ブラック、マゼン
タ、シアンおよびイエローのインク、あるいは所要の特
色のインクを用いて、駆動信号の印加によって記録ヘッ
ドの発熱素子に発生する熱エネルギーにより、前記記録
ヘッドが前記インクを布帛上に吐出して捺染を行なうカ
ラーインクジェット捺染にあって、前記記録ヘッドが前
記布帛に対し相対的に走査し、前記記録ヘッドに含まれ
るノズルの少なくとも1つが、1回の走査中に、5×1
-3回以上の駆動信号の印加によって前記インクを吐出
し、かつ、前記インクが何れも、染料を前記インク全重
量中2重量%以上30重量%以下含有し、粘度を1.5
cp以上4cp以下、表面張力が35dyn/cm以上
65dyn/cm以下とすることである。
【0198】本発明者らは、前述したようなインクジェ
ット捺染装置を用いてインクジェット捺染記録を行う際
に、前述の如き種々の問題を同時に満足させる捺染方法
について検討を行った結果、用いるインクが染料を前記
インク全重量中2重量%以上30重量%以下含有し、粘
度が1.5cp以上4cp以下、表面張力が35dyn
/cm以上65dyn/cm以下であると、不吐出等が
生じない安定した吐出が行え、かつにじみ等のない高濃
度の捺染物を得ることができることを見出したのであ
る。
【0199】次に、好ましい実施態様を挙げて、実施例
1,2で述べたようなインクジェット記録装置に用いる
ことのできるインクについてさらに詳しく説明する。
【0200】本例において使用するインクは、色素,
水,有機溶剤,添加剤等からなる。色素としては、染料
が好ましく、布帛に対して染色可能であれば良い。酸性
染料,カチオン染料,反応染料,分散染料,建染染料等
を用いることができる。これらの染料は、インク中に1
種以上含有され、色相の異なったものと併用することも
可能であり、その使用量は、布帛上で十分な発色を得る
ためには、一般的にインク全量に対して合計で2重量%
以上30重量%以下、好ましくは4重量%以上25重量
%以下、特にブラックインクは好ましくは6重量%以上
20重量%以下の範囲である。
【0201】インクの主成分として好ましい水について
は、インク全量に対して10〜93重量%、好ましくは
25〜87重量%、より好ましくは30〜80重量%の
範囲である。
【0202】有機溶剤については、例えば、アセトン,
ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトアルコー
ル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオ
キシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレン
グリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシ
レングリコール等のアルキレン基が2ないし6個の炭素
原子を含むアルキレングリコール類;チオジグリコー
ル;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(また
はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル
(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコール
の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジ
メチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリ
コールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アル
コールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリノジン等が挙げられる。
【0203】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して重量%で5〜60%、好ましく
は5〜50%の範囲である。
【0204】上記の如き媒体を併用する場合は単独でも
混合物としても使用できるが、もっとも好ましい液媒体
組成は、該溶剤が少なくとも1種の多価アルコールを含
有するものである。中でも、チオジグリコール単独もし
くはジエチレングリコール、チオジグリコール混合系は
特に良好なものである。
【0205】使用するインクの主要成分は上記の通りで
あるが、その他公知の各種の分散剤,界面活性剤,粘度
調整剤,表面張力調整剤,蛍光増白剤等を必要に応じて
添加することができる。
【0206】例えば、ポリビニルアルコール,セルロー
ス類,水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオンあるいはノ
ニオン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン,トリ
エタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衡液によるp
H調整剤,防カビ剤等を挙げることができる。
【0207】本例のようなインクジェット捺染方法にお
いて特に重要な事は、前記インクの粘度を1.5cp以
上4cp以下、好ましくは2.0cp〜3.8cp、表
面張力を35dyn/cm以上65dyn/cm以下の
範囲に調整することである。かかる範囲とすることによ
り、良好なインクジェット捺染が実現できる。
【0208】即ち、上例のインクジェット捺染方法のよ
うに、プリント長の長いインクジェット捺染記録を行う
ためには、従来のプリントで用いていたインクよりも、
より厳密な条件でインク物性を管理しなければならな
い。
【0209】ここに、インクの粘度を4cp以上とする
と急激に走査中の不吐出が増加する。これは、吐出力が
弱いため、吐出口近傍にたまったインク糸屑等により安
定した吐出を行う力が不足するからである(濡れ不吐
等)。また1.5cp以下とすると、画像ににじみが生
じやすくかつ吐出が不安定となる(スプラッシュによる
サテライト等の発生)。
【0210】またインクの粘度のみを上述の範囲として
も、表面張力が35dyn/cm以下だと、不吐出した
際の不吐出の長さ(布帛上にできる白抜けの長さ)が数
10cmに亙ってしまう。即ち、不吐出後の回復がスム
ーズに行かない。この様な数10cmにわたる不吐出が
1つでもあれば、その布帛は使用できなくなり、好まし
くない。
【0211】反対に表面張力を65dyn/cm以上と
すると、周波数応答性が低下し、吐出が不安定となる。
【0212】従って、プリント長の長いインクジェット
捺染記録における効果は、粘度と表面張力の両方を本発
明の範囲にすることにより得られるものであり、どちら
か一方でも、この範囲を外れると所望の効果は得られな
い。
【0213】用いるインクの粘度と表面張力の調整は、
用いる染料、および有機溶剤の種類や量を適宜選択して
組合わせたり、各種添加剤を添加する等により、当業者
が容易に行うことができる。
【0214】インクジェット捺染において使用する布帛
を構成する素材として、綿,絹,ナイロン,ポリエステ
ル等の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維等が
挙げられるが、中でも綿、絹等の天然繊維が好ましい。
上記繊維は織物,編物,不織布等いずれの形態でも使用
できる。
【0215】より良好な捺染物を得るためには、上記布
帛に従来の前処理を施すことが好ましい。特に、布帛に
0.01〜5重量%のアルカリ性物質を含有させたも
の、または、水溶性金属塩、水溶性高分子、尿素、およ
びチオ尿素の群から選ばれる物質を、0.01〜20重
量%含有させたものがより好ましい。
【0216】アルカリ性物質とは、例えば、水酸化ナト
リウム,水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、モ
ノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナト
リウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム等の炭酸も
しくは炭酸水素アルカリ金属等が挙げられる。酢酸カル
シウム,酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモニアお
よびアンモニア化合物等がある。また、スチーミングお
よび乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナトリ
ウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質として
は、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウムおよ
び重炭酸ナトリウムである。
【0217】また、水溶性高分子の例としては、トウモ
ロコシ,小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセル
ロース,メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム,アラ
ビヤゴム,ローカスイトビーンガム,トラガントガム,
グアーガム,タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン,カ
ゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物質,リグニン系物
質等の天然水溶性高分子が挙げられる。
【0218】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物,ポリエチレンオキサイド系
化合物,アクリル酸系水溶性高分子,無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0219】水溶性金属塩類としては、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物の様に、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2
4 ,KCL,CH3 COONa等が挙げられ、また、
アルカリ土類金属としては、CaCl2 ,MgCl2
が挙げられる。中でもNa,K,Caの塩類が好まし
い。
【0220】次にインクの実施例および比較例を揚げて
さらに具体的な説明を行う。なお文中「部」および
「%」とあるのは重量基準である。 1.インク調製 それぞれ下記成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウム
にてpH8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポ
アフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて
濾過し水性インクA〜Hを得た。
【0221】各インクの粘度および表面張力を以下に示
す。
【0222】 インクA: C.I.Reactive Black39 15.0部 チオジグリコール 15.0部 ジエチレングリコール 10.0部 水 60部 インクB: C.I.Reactive Red24 11.0部 チオジグリコール 10.0部 ジエチレングリコール 20.0部 水 59.0部 インクC: C.I.Reactive Blue72 8.0部 チオジグリコール 20.0部 ジエチレングリコール 10.0部 水 62.0部 インクD: C.I.Reactive Yellow95 11.0部 チオジグリコール 25.0部 ジエチレングリコール 10.0部 水 54.0部 インクE: C.I.Reactive Black39 15.0部 チオジグリコール 15.0部 ジエチレングリコール 15.0部 水 55.0部 インクF: C.I.Reactive Black39 15.0部 チオジグリコール 10.0部 水 75.0部 インクG: C.I.Reactive Red24 11.0部 イソプロピルアルコール 10.0部 チオジグリコール 10.0部 ジエチレングリコール 20.0部 水 49.0部 インクH: C.I.Reactive Red24 11.0部 グリセリン 10.0部 水 79.0部 下記成分を混合し、混合液を酢酸にてpH4.8に調整
し、2時間攪拌した後、フロロポアフィルタFP−10
0(商品名、住友電工製)にて濾過し、水性インクI,
Jを得た。
【0223】 インクI: C.I.Acid Blue40 4.0部 ジエチレングリコール 36.0部 水 60.0部 インクJ: C.I.Acid Black26 6.0部 ジエチレングリコール 36.0部 水 58.0部 2.インクジェット捺染装置 図15または図16に示した装置を以下のようなプリン
ト条件で用いた(捺染装置a)。
【0224】・プリントヘッド:400dpi、256
ノズル、オリフィス(22μm×33μm) ・駆動電圧:24.0V ・ヘッド温度:25〜60℃ ・駆動パルス幅:10μs ・駆動周波数:1.5KHz〜4.0KHz ・ノズルと布帛の距離:1mm ・インク吐出量:20pl〜50pl/ドット ・プリント長(1スキャンの長さ):1.6m さらに、プリント長が310mmと短い以外は全て上記
条件である捺染装置bも用いた。 3.布帛 下記の2種の布帛を用い、aは10%水酸化ナトリウム
水溶液、bは15%尿素水溶液の液に浸漬後、乾燥し
た。
【0225】a.平地細布(綿100%) b.羽二重8匁付(絹100%) 4.操作 上記の各インクA〜Jを上記布帛に、前記のインクジェ
ット捺染装置を用いて、30スキャン連続プリントでベ
タプリントを行い(捺染装置はベタプリントのとき、1
スキャンで1.8×104 パルス/ノズル、捺染装置b
は4.0×10 3 パルス/ノズル)、不吐出の発生頻
度、および不吐出の平均長を調べた。さらに、プリント
物をスチーミング(104℃、10分)処理により定着
し、その後中性洗剤で洗浄、乾燥後、捺染物のにじみ性
について評価した。また、プリント後のヘッドオリフィ
ス面も観察した。これらの結果を図45に示す。尚、図
45において、それぞれ異なる粘度のインクによるプリ
ントを実施例1〜6と比較例1〜4で示している。
【0226】 *1 不吐出の平均長さ:Σl/n(cm) l:不吐出の長さ n:不吐出の数 *2 ベタ部のエッジの直線部分の不規則な乱れを肉眼
で観察し判定した。
【0227】〇:乱れが全くない △:乱れが少しある ×:乱れが多い *3 吐出性、およびヘッドオリフィス面を観察した。
【0228】×:インク滴が多数付着しており吐出が困
難。
【0229】△:インク滴は付着しているが、吐出には
問題がない。
【0230】〇:インク滴は全く付着していない。
【0231】上記インクA〜Dを用いてフルカラープリ
ントを行ったところ、安定に吐出されにじみのない、発
色性の良好なプリント物が得られた。
【0232】以上のように本例のインクを用いれば、プ
リント長が長いインクジェット捺染において、不吐出等
が生じない安定した吐出が行え、さらににじみのない高
濃度捺染物を得ることができることがわかる。 (その他)なお、本発明は、インクジェットプリント方
式に限らず種々のプリント方式を採ることができるが、
インクジェットプリント方式を採用する場合には、その
中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネル
ギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換
体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインク
の状態変化を生起させる方式のプリントヘッド、プリン
ト装置において優れた効果をもたらすものである。かか
る方式によればプリントの高密度化,高精細化が達成で
きるからである。
【0233】次に、本実施例のインクジェット記録部1
005の記録部の構成をより詳しく説明する。
【0234】図46は、本実施例のインクジェット記録
部1005の一実施例を示す概略構成図である。
【0235】インクジェット記録部1005は、本体
と、ヘッドキャリッジ334と、ヘッドキャリッジ台3
35と、2本のヘッドキャリッジ用スライドレール3,
3と、ヘッドキャリッジ駆動系と、インクタンクキャリ
ッジ330と、インクタンクキャリッジ台331と、2
本のインクタンクキャリッジ用スライドレール333,
333と、インクタンクキャリッジ駆動系と、回復系装
置20とを具備し、ヘッドキャリッジ334とインクタ
ンクキャリッジ330とがそれぞれ別々のスライドレー
ルに沿って主走査方向(矢印P方向)に移動される点を
特徴とする。
【0236】次に、インクジェット記録部1005の各
構成要素について説明する。
【0237】(1)ヘッドキャリッジ334,ヘッドキ
ャリッジ台335,ヘッドキャリッジ用スライドレール
3,3およびヘッドキャリッジ駆動系 ヘッドキャリッジ334には、前述したように複数の吐
出口からインク滴を吐出させる記録ヘッドが、シアン
用,マゼンタ用,イエロー用,ブラック用およびその他
の特殊な4色用の8個ほど搭載さている。また、ヘッド
キャリッジ334は、ヘッドキャリッジ台335に載置
されている。ヘッドキャリッジ台335は、2本のヘッ
ドキャリッジ用スライドレール3,3に摺動自在に支持
されている。ヘッドキャリッジ駆動系は、無端のヘッド
キャリッジ用主走査ベルト4と、ヘッドキャリッジ用主
走査ベルト4を回転させるためのヘッドキャリッジ用主
走査モータ5とを有する。
【0238】従って、ヘッドキャリッジ台335がヘッ
ドキャリッジ用主走査ベルト4に固定されるとともに、
ヘッドキャリッジ用主走査ベルト4がヘッドキャリッジ
用主走査モータ5により回転させられることにより、ヘ
ッドキャリッジ334は、主走査方向に移動される。
【0239】(2)インクタンクキャリッジ330,イ
ンクタンクキャリッジ台331,インクタンクキャリッ
ジ用スライドレール333,333およびインクタンク
キャリッジ駆動系 インクタンクキャリッジ330には、前記各記録ヘッド
に所定のインクを供給するための8個のインクタンクが
それぞれ搭載さている。また、インクタンクキャリッジ
330は、インクタンクキャリッジ台331に載置され
ている。インクタンクキャリッジ台331は、2本のイ
ンクタンクキャリッジ用スライドレール333,333
に摺動自在に支持されている。インクタンクキャリッジ
駆動系は、無端のインクタンクキャリッジ用主走査ベル
ト(不図示)と、インクタンクキャリッジ用主走査ベル
トを回転させるためのインクタンクキャリッジ用主走査
モータ(不図示)とを有する。
【0240】従って、インクタンクキャリッジ台331
がインクタンクキャリッジ用主走査ベルトに固定される
とともに、インクタンクキャリッジ用主走査ベルトがイ
ンクタンクキャリッジ用主走査モータにより回転させら
れることにより、インクタンクキャリッジ330は、主
走査方向に移動される。なお、記録時には、インクタン
クキャリッジ330は、ヘッドキャリッジ334と同期
して主走査方向に移動される。
【0241】次に、インクジェット記録部1005の特
徴点である、ヘッドキャリッジ334とインクタンクキ
ャリッジ330とをそれぞれ別々のスライドレールに沿
って主走査方向に移動させることの利点について、図4
7(A),(B),(C)をそれぞれ参照して説明す
る。
【0242】本発明者らは、インクジェット記録部10
05を設計するに際し、図47(A)に示すように、ヘ
ッドキャリッジ334とインクタンクキャリッジ330
とを同一の2本のスライドレール340,341に沿っ
て主走査方向(図示矢印方向)に移動させることを検討
した。しかし、1m以上の記録幅を有するプリント物に
長時間連続して記録するインクジェット記録装置を実現
するためには、ヘッドキャリッジ334およびインクタ
ンクキャリッジ330の重量が数kg〜数十kgとなる
ので、以下に示す問題があることがわかった。
【0243】(1)ヘッドキャリッジ334,インクタ
ンクキャリッジ330およびスライドレール340,3
41自体の重量により、各スライドレール340,34
1の径が小さいと、ヘッドキャリッジ334およびイン
クタンクキャリッジ330がスライドレール340,3
41の主走査方向の中央付近に移動されたときに、各ス
ライドレール340,341にたわみが生じる。その結
果、図47(B)に示すように、プリント物の主走査方
向に対して中央部から端部にいくに従って、走査(ライ
ン)ごとに画素342のずれが生じ、画質が低下する。
この画質低下を防止するために、例えば、1つの画素3
42の主走査方向の幅を60μmとした場合に、走査ご
との画素342の最大ずれ量を30μm以下に抑えるに
は、一設計例では、100φの各スライドレール34
0,341が必要となり、各スライドレール340,3
41の重量も約240kg程度となる。
【0244】(2)各インクタンク内のインクの消費に
よるインク液面の変動によりインクタンクキャリッジ3
30が振動する。その結果、インクタンクキャリッジ3
30の振動がスライドレール340,341を介してヘ
ッドキャリッジ334に伝わり、記録品位の低下をもた
らす。
【0245】(3)ヘッドキャリッジ334とインクタ
ンクキャリッジ330とを各スライドレール340,3
41に沿って主走査方向に移動させるためには、図47
(A)に示すように、ヘッドキャリッジ334とインク
タンクキャリッジ330とを横並びに配置する構成とな
る。その結果、インジュジェット記録装置の本体の主走
査方向に対する幅として、インクタンクキャリッジ33
0の主走査方向に対する幅分だけ余分に必要となる。
【0246】これに対して、本実施例のインクジェット
記録部1005のように、ヘッドキャリッジ334とイ
ンクタンクキャリッジ330とをそれぞれ別々のスライ
ドレールに沿って主走査方向に移動させることにより、
以下に示す利点が生じる。
【0247】(1)各ヘッドキャリッジ用スライドレー
ル3,3および各インクタンク用スライドレール33
3,333にかかる重量をそれぞれ減らすことができる
ため、各スライドレール3,3,333,333の径を
小さくすることができ、各スライドレール3,3,33
3,333の軽量化(一設計例では、70kg)が図れ
る。
【0248】(2)各インクタンク内のインクの消費に
よるインク液面の変動によりインクタンクキャリッジ3
30が振動しても、インクタンクキャリッジ330の振
動がヘッドキャリッジ334に伝わることを防止するこ
とができる。
【0249】(3)図47(C)に示すように、ヘッド
キャリッジ334とインクタンクキャリッジ330とを
縦並びに配置して、ヘッドキャリッジ334とインクタ
ンクキャリッジ330とを主走査方向に移動させること
により、インクジェット記録部1005の本体の主走査
方向の幅を最小にすることができる。
【0250】以上の説明では、インクジェット記録部1
005はインクタンクキャリッジ駆動系を有したが、イ
ンクタンクキャリッジ駆動系を有せず、インクタンクキ
ャリッジ台331をヘッドキャリッジ台335に固定し
て、ヘッドキャリッジ台335とともに移動するように
してもよい。但し、インクタンクキャリッジ駆動系を有
することにより、例えば、図47(C)に示したよう
に、ヘッドキャリッジ334とインクタンクキャリッジ
330とを縦並びに配置してヘッドキャリッジ334と
インクタンクキャリッジ330とを主走査方向に移動さ
せる場合には、ヘッドキャリッジ334を交換する際
に、インクタンクキャリッジ駆動系でインクタンクキャ
リッジ330のみを自動的に移動させることにより、ヘ
ッドキャリッジ334をインクタンクキャリッジ330
側からも取り外せるため、作業性の向上が図れる。
【0251】B.本実施例のインクジェット記録装置お
よび第2のインクジェット記録物の製法について 図48は、本実施例の第2インクジェット記録装置の第
1の実施例を示す概略構成図である。
【0252】インクジェット記録装置1005’は、本
体と、ヘッドキャリッジ334と、2本のヘッドキャリ
ッジ用スライドレール1221,1222と、ヘッドキャリッジ
駆動系(不図示)と、インクタンクキャリッジ330
と、2本のインクタンクキャリッジ用スライドレール13
21,1322 と、インクタンクキャリッジ駆動系(不図示)
と、回復系装置(不図示)とを具備し、ヘッドキャリッ
ジ334とインクタンクキャリッジ330とがそれぞれ
別々のスライドレールに沿って主走査方向に移動される
点については、図46に示したインクジェット記録部1
005と同様である。
【0253】しかし、各第1の支持台1281,1282がそれ
ぞれ固定された第1のI鋼1291,1292と、各第2の支持
台1381,1382がそれぞれ固定された第2のI鋼1391,13
92とを具備する点、及び、ヘッドキャリッジ334が4
個のヘッドキャリッジ用スライドブッシュ1251〜125
4(2個のヘッドキャリッジ用スライドブッシュ1251,1
252のみ図示)を介して各ヘッドキャリッジ用スライド
レール1221,1222に摺動自在に支持されているととも
に、インクタンクキャリッジ330が4個のインクタン
クキャリッジ用スライドブッシュ1351〜1354(2個のイ
ンクタンクキャリッジ用スライドブッシュ1351,1352
み図示)を介して各インクタンクキャリッジ用スライド
レール1321,1322に摺動自在に支持されている点で、図
46に示したインクジェット記録部1005と異なる。
ここで、第1のI鋼1281,1282および第2のI鋼1381
1382の両端はそれぞれ、本体の両側面にそれぞれ設けら
れた窓1511〜1514,1521〜1524(片方の側面に設けられ
た窓1511〜1514のみ図示)に取り付けられた支持部材
(不図示)に固定されている。
【0254】なお、図46には図示しなかったが、ヘッ
ドキャリッジ334とインクタンクキャリッジ330と
の間には、インクチューブ束160 と電気ケーブル束161
とが設けられている。
【0255】本実施例のインクジェット記録装置100
5’は、図49(A)に示すように、各ヘッドキャリッ
ジ用スライドレール1221,1222を各第1の支持台1281
1282上にそれぞれ固定するとともに、各インクタンクキ
ャリッジ用スライドレール1321,1322を各第2の支持台
1381,1382にそれぞれ固定することにより、以下に示す
利点を有する。
【0256】図49(B)に示すように、図46に示し
たインクジェット記録部1005と同様にして、ヘッド
キャリッジ334とインクタンクキャリッジ330とを
別々のスライドレール1721,1722,1821,1822に摺動自
在に支持させることにより、ヘッドキャリッジ334と
インクタンクキャリッジ330とを同一のスライドレー
ルに摺動自在に支持させるよりも各スライドレールの軽
量化やインクタンクキャリッジ330の振動のヘッドキ
ャリッジ334への伝達防止を図ることができる。しか
し、各スライドレール1721,1722,1821,1822として
は、ヘッドキャリッジ334の重量またはインクタンク
キャリッジ330の重量による各スライドレール1721
1722,1821,1822のたわみ量が画質の劣化を生じさせな
い程度となるのに十分な径を有するものが必要となる。
さらに、ヘッドキャリッジ334に設けられる4個のス
ライドブッシュ1751〜1754(2個のスライドブッシュ17
51,1752のみ図示)およびインクタンクキャリッジ33
0に設けられる4個のスライドブッシュ1851〜1854(2
個のスライドブッシュ1851,1852のみ図示)としても、
各スライドレール1721,1722,1821,1822の径に応じた
大きさのものが必要となる。例えば、一設計例では、長
さ3500mmのスライドレールの最大たわみ量を0.
3mm以下にするには、100φのスライドレールが必
要となり、また、スライドブッシュの重量も10kgと
なる。
【0257】これに対して、本実施例のインクジェット
記録装置1005' では、ヘッドキャリッジ334の重量を
各第1のI鋼1291,1292で支えることができるととも
に、インクタンクキャリッジ330の重量を各第2のI
鋼1391,1392で支えることができるため、各ヘッドキャ
リッジ用スライドレール1221,1222の径および各インク
タンクキャリッジ用スライドレール1321,1322の径をよ
り小さくすることができる。その結果、各スライドレー
ル1221,1222,1321,1322の軽量化が図れる。また、こ
れに伴い、各ヘッドキャリッジ用スライドブッシュ12
51,1252および各インクタンクキャリッジ用スライドブ
ッシュ1351,1352の小型化が図れる。例えば、一設計例
では、各スライドレール1221,1222,1321,1322として
は、20φ〜30φのもので構成でき、また、各スライ
ドブッシュ1251,1252,1351,1352の重量も300g〜
800gとすることができる。
【0258】図50は本発明のインクジェット記録装置
の第2実施例を示す要部構成図である。
【0259】本実施例のインクジェット記録装置1210
は、ヘッドキャリッジ用スライドレール2221,2222の位
置合わせ機構およびインクタンクキャリッジ用スライド
レール2321,2322の位置合わせ機構を具備する点で、図
48に示した第1の実施例のインクジェット記録装置10
05と異なる。なお、該2つの位置合わせ機構は同様の構
成を有するものであるため、以下、図50図示右端のイ
ンクタンクキャリッジ用スライドレール2322の位置合わ
せ機構を例としてその構成および動作について説明す
る。
【0260】インクタンクキャリッジ用スライドレール
2322の位置合わせ機構は、レール台1310と、第1の調整
部材1320と、第2の調整部材1330(図51参照)とを具
備する。ここで、レール台1310は、第2のI鋼2392が載
置されて固定される載置面1311と、本体1211の側面の窓
2524の図示上方に設けられた第1のダボ1291が嵌合され
る第1のスライド穴1312と、本体1211の側面の窓2524
図示下方に設けられた第2のダボ1292が嵌合される第2
のスライド穴1313とを備える。また、第1の調整部材13
20は、円板状の第1のハンドル1321と、軸の中心が第1
のハンドル1321の中心と一致するように一端が第1のハ
ンドル1321に取り付けられた第1の軸部1322と、軸の中
心が第1の軸部1322の中心とずらされて一端が第1の軸
部1322の他端に取り付けられた第1の嵌合軸1323とを備
える。なお、第1の嵌合軸1323は、本体1211の側面の第
2のダボ1292よりも図示下方に設けられた第1の嵌合穴
1293に嵌合される。さらに、第2の調整部材1330は、図
51に示すように、円板状の第2のハンドル1331と、軸
の中心が第2のハンドル1331の中心と一致するように一
端が第2のハンドル1331に取り付けられた第2の嵌合軸
1332と、軸の中心が第2の嵌合軸1332の中心とずらされ
て一端が第2の嵌合軸1332の他端に取り付けられた第2
の軸部1333とを備える。なお、第2の嵌合軸1332は、レ
ール台1310の載置面1311に設けられた第2の嵌合穴1319
に嵌合され、また、第2の軸部1333は、第2のI鋼2392
に設けられた長穴1350に嵌合される。
【0261】インクタンクキャリッジ用スライドレール
2322の図示左右方向の位置合わせは、第2の嵌合軸1333
を第2の嵌合穴1319に嵌合させるとともに第2の軸部13
33を長穴1350に嵌合させたのち、第2のハンドル1331を
回転させて、第2のI鋼2392を図示左右方向に移動させ
ることにより行う。このようにして図示左右方向の位置
合わせが終了すると、第2のI鋼2392をレール台1310の
載置面1311に2本の固定ねじで固定する。また、インク
タンクキャリッジ用スライドレール2322の図示上下方向
の位置合わせは、第1の嵌合軸1323を第1の嵌合穴1293
に嵌合させたのち、第1のハンドル1321を回転させて、
第1の軸部1322と当接するレール台1310の押上げ面1351
を上下に移動させることにより行われる。このようにし
て図示上下方向の位置合わせが終了すると、レール台13
10を本体1211の側面に4本の固定ねじで固定する。な
お、インクタンクキャリッジ用スライドレール2322の位
置合わせ機構は、本体1211の他の側面にも設けられてい
る。
【0262】以上説明したインクタンクキャリッジ用ス
ライドレール2322の位置合わせと同様にして、2本のヘ
ッドキャリッジ用スライドレール2221,2222および他方
のインクタンクキャリッジ用スライドレール2321の位置
合わせをそれぞれ行うことにより、各スライドレール22
21,2222,2321,2322の平行性および水平性が確保でき
る。
【0263】C.本発明の第3のインクジェット記録装
置および第3のインクジェット記録物の製法について 図52は、本発明の第3のインクジェット記録装置の一
実施例を示す概略構成図である。
【0264】インクジェット記録装置410 は、本体411
と、ヘッドキャリッジ420 と、2本のヘッドキャリッジ
用スライドレール4221,4222と、ヘッドキャリッジ駆動
系(不図示)と、インクタンクキャリッジ430 と、2本
のインクタンクキャリッジ用スライドレール4321,4322
と、インクタンクキャリッジ駆動系(不図示)と、回復
系装置(不図示)とを具備し、ヘッドキャリッジ420 と
インクタンクキャリッジ430 とがそれぞれ別々のスライ
ドレールに沿って主走査方向に移動される点,各第1の
支持台4281,4282がそれぞれ固定された第1のI鋼42
91,4292と、各第2の支持台4381,4382がそれぞれ固定
された第2のI鋼4391,4392とを具備する点、および、
ヘッドキャリッジ420 が4個のヘッドキャリッジ用スラ
イドブッシュ4251〜4254(2個のヘッドキャリッジ用ス
ライドブッシュ4251,4252のみ図示)を介して各ヘッド
キャリッジ用スライドレール4221,4222に摺動自在に支
持されているとともに、インクタンクキャリッジ430 が
4個のインクタンクキャリッジ用スライドブッシュ4351
〜4354(2個のインクタンクキャリッジ用スライドブッ
シュ4351,4352のみ図示)を介して各インクタンクキャ
リッジ用スライドレール4321,4322に摺動自在に支持さ
れている点については、図48に示したインクジェット
記録装置1005' と同じである。
【0265】しかし、インクジェット記録装置410 は、
本体411 の底板411aに設けられた凹部411bと、凹部411b
内に設けられたフロートセンサ1510とを具備する点、お
よび、記録ヘッドを駆動するヘッド駆動手段1501,ヘッ
ドキャリッジ駆動系,インクタンクキャリッジ駆動系お
よび電源(不図示)等の電装部材が本体411 の外に設け
られている点で、図48に示したインクジェット記録装
置1005' と異なる。なお、たとえば、ヘッドキャリッジ
420 に内蔵されている記録ヘッドとヘッド駆動手段1501
との電気的な接続は、第1の電気束線1502と第2の電気
束線1503と電気ケーブル束461 とを介して行われる。
【0266】このように構成されたインクジェット記録
装置410 は、以下に示す利点を有する。
【0267】(1)インクジェット記録装置410 では、
インクタンクキャッリッジ430 に搭載されたインクタン
ク内のインクがなくなると、外部のメインタンクからイ
ンクが供給されるが、この際に、何等かの原因でインク
が本体411 内部に漏れてしまうという事故が発生する可
能性がある。このとき、各種電装部材を本体411 内部に
設けていると、漏れてきたインクにより電気的ショート
が生じ、各種電装部材が破壊されてしまう危険性がある
ため、各種電装部材に電気的ショートを防止する機構を
設ける必要がある。しかし、記録幅が1m以上の記録媒
体に対して長時間連続して記録を行うようなインクジェ
ット記録装置410 では、ワープロ等と異なり、各種電装
部材を本体411 内部に設ける必要性は必ずしもない。従
って、可能な限り各種電装部材を本体411 外部に設ける
ことにより、上記問題を容易に解決することができる。
【0268】(2)作業者が知らないうちにインクが本
体411 内部に漏れてしまった場合に、本体411 内部を汚
染してしまい、本体411 内部を清掃する期間インクジェ
ット記録装置410 の稼働を停止させなければならない。
このことは、インクジェット記録装置411 を業務用とし
て長時間連続稼働させる場合には、生産性の低下という
問題を生じさせる。したがって、本体411 の底板411aに
凹部411bを設けるとともに、凹部411b内にフロートセン
サ1510を設けることにより、インク漏れを早期に発見
し、本体411 内部の汚染を最小限に止めることができる
ため、生産性の低下を防止することができる。
【0269】D.本発明の第4のインクジェット記録装
置および第4のインクジェット記録物の製法について 図53は、本発明の第4のインクジェット記録装置の一
実施例における2段ヘッド構成を示す概略構成図であ
る。
【0270】本実施例のインクジェット記録装置は2段
ヘッド構成とした点を特徴とする。即ち、1m以上の記
録幅を有する記録媒体に対して長時間連続して記録する
インクジェット記録装置の課題の一つとして、前述した
ように、画像形成速度の向上が挙げられる。したがっ
て、1段ヘッド構成よりも2段ヘッド構成とした方が画
像形成速度の向上という点では有利である。そこで、本
実施例のインクジェット記録装置では、以下に示すよう
にして、2段ヘッド構成を実現している。
【0271】ヘッドキャリッジ1000の内部空間を上下2
段の内部空間に分割し、各内部空間に、記録ヘッドが内
蔵されたヘッドホルダ1100,1200をそれぞれ搭載する。
このとき、各ヘッドホルダ1100,1200の搭載および位置
決めは、次のようにして行う。
【0272】ヘッドホルダ1100は、位置決め部材とし
て、2つの前方固定部材11111 ,1111 2 (前方固定部材
11111 のみ図示)と、2つの後方固定部材11151 ,1115
2 (後方固定部材11151 のみ図示)と、2本の位置決め
軸11201 ,11202 (位置決め軸11201 のみ図示)とを備
える。
【0273】ここで、前方固定部材11111 は、ヘッドホ
ルダ1100のヘッドホルダ枠1101の側面の記録ヘッド側
(図示左側)に取り付けられている。前方固定部材1111
1 の上面には、クリック山11121 が取り付けられてい
る。また、図54に示すように、前方固定部材11111
記録ヘッド側の面には、2段の凹部と貫通孔がそれぞれ
形成されている。前方固定部材11111 の1段目の凹部に
は、ナット部材11131 が、図56に示すように、まわり
止めがなされ、かつ、前方固定部材11111 と所定のがた
をもって嵌め込まれている。これにより、ナット部材11
131 を前方固定部材11111 に固定した場合に生じる調整
ねじ11211 (後述)の偏心の影響をなくして、ナット部
材11131 のねじのセンターと位置決め軸11201 のセンタ
ーとを常に一致させることができるため、位置決め精度
の向上が図れる。残りの前方固定部材11112 についても
同様である。
【0274】後方固定部材11151 は、ヘッドホルダ枠11
01の側面の記録ヘッドと反対側(図示右側)に取り付け
られている。後方固定部材11151 には、図54に示すよ
うに、貫通孔が穿設されているとともに、セットビス11
301 が設けられている。残りの後方固定部材11152 につ
いても同様である。
【0275】位置決め軸11101 の記録ヘッドと反対側の
端面には、ドライバ嵌合穴11251 が形成されている。位
置決め軸11101 の記録ヘッド側の端の近傍には、記録ヘ
ッド側に長穴11221 が形成された、ナット部材11131
螺合する調整ねじ11211 が取り付けられている。また、
位置決め軸11101 の記録ヘッド側の端と調整ねじ1121 1
との間には、平行ピン11231 が設けられている。位置決
め軸11101 は、記録ヘッドと反対側の端が前方固定部材
11111 の貫通孔と後方固定部材11151 の貫通孔とを順次
貫通されたのち、調整ねじ11211 がナット部材11131
螺合するよう回転されることにより、前方固定部材1111
1 と後方固定部材11151 とに装着される。残りの位置決
め軸11102 についても同様である。
【0276】ヘッドキャリッジ1000は、位置決め部材と
して、図53に示すように、2個のZステージ12111
12112 (Zステージ12111 のみ図示)と、2個の前方支
え部材12121 ,12122 (前方支え部材12121 のみ図示)
と、2個の前方押付け部材12201 ,12202 (前方押付け
部材12201 のみ図示)と、2個の後方支え部材12311,1
2312 (後方支え部材12311 のみ図示)と、2個の後方
押付け部材12401 ,12402 (後方押付け部材12401 のみ
図示)とを備える。
【0277】ここで、各Zステージ12111 ,12112 は、
ヘッドキャリッジ1000の図示下段の内部空間の記録面側
(図示左側)に該記録面と平行にそれぞれ設けられてい
る。また、各前方支え部材12121 ,12122 はそれぞれ、
各Zステージ12111 ,12112に固定ねじで固定されてい
るとともに、貫通孔が穿設されている。
【0278】前方押付け部材12201 は、前方支え部材12
121 の図示上方に設けられている。また、前方押付け部
材12201 は、記録面側の一端近傍が支点12221 により支
持された軸12211 と、軸12211 の他端にコロ軸12231
介して設けられたクリックコロ12241 と、軸12211 の他
端側を図示下方に付勢する加圧ばね12251 とを備える。
残りの前方押付け部材12202 についても同様である。
【0279】各後方支え部材12311 ,12402 は、ヘッド
キャリッジ1000の図示下段の内部空間の記録面と反対側
(図示右側)に該記録面と平行にそれぞれ設けられてい
る。また、各後方支え部材12311 ,12402 の上面には、
凹部がそれぞれ形成されている。
【0280】後方押付け部材12401 は、後方支え部材12
311 の図示上方に設けられている。また、後方押付け部
材12401 は、中央より記録面側が支点12421 により支持
された軸12411 と、軸12411 の記録面と反対側の一端を
図示下方に付勢する加圧ばね12431 とを備える。なお、
後方押付け部材12401 の他端は、図示上方への移動が規
制されている。残りの後方押付け部材12402 についても
同様である。
【0281】ヘッドホルダ1100のヘッドキャリッジ1000
への搭載は、各位置決め軸11201 ,11202 の記録面側の
一端が各前方支え部材12121 ,12122 の貫通孔にそれぞ
れ貫通されたのち、各位置決め軸11201 ,11202 の他端
近傍が各後方支え部材12311,12312 の凹部にそれぞれ
載せられることにより行われる。なお、ヘッドホルダ11
00がヘッドキャリッジ1000へ搭載された状態では、図1
0に示すように、クリック山11121 が前方押付け部材12
201 のクリックコロ12241 により図示左斜め下方に押し
付けられるとともに、後方固定部材11151 の上面が後方
押付け部材1240 1 の軸12411 により図示下方に押し付け
られることにより、ヘッドホルダ1100がヘッドキャリッ
ジ1000に固定される。
【0282】ヘッドホルダ1100の図53図示左右方向の
位置決めは、図55に示すように、位置決め軸11201
ドライバ嵌合穴11251 にドライバ 1300 の先端を嵌め込
んで、ドライバ1300により位置決め軸11201 を回転させ
て、調整ねじ11211 を回転させることにより行う。前方
固定部材11111 と前方支え部材12121 との間の距離を遠
ざける方向に位置決め軸11201 を回転させた場合には、
調整ねじ11211 の長穴側の先端面が前方支え部材12121
に当接したのち、ヘッドホルダ1100が前方固定部材1111
1 ,後方固定部材11151 および位置決め軸11201 ととも
に前方支え部材12121 から遠ざかる方向(図示右方向)
に移動する。一方、ドライバ1300により位置決め軸1120
1 を押し込むように逆方向に回転させた場合には、同様
にして、ヘッドホルダ1100が前方固定部材11111 ,後方
固定部材11151 および位置決め軸11201 とともに前方支
え部材12121 に近付く方向(図示左方向)に移動する。
このようにして、ヘッドホルダ1100の図53図示左右方
向の位置決めを行ったのち、位置決め軸11201 が回転し
ないようにセットビス11301 を締める。
【0283】ヘッドホルダ1100の図53図示上下方向の
位置決めは、図57に示すように、Zステージ12111
調節つまみ13101 を回転させることにより、前方支え部
材12121 を図示上下方向に移動させて行う。その後、ヘ
ッドキャリッジ1000の本体に穿設した長孔133011,1331
1 を介して固定ねじ132011,13211 により前方支え部材
12121 を固定させる。
【0284】以上の説明では、2段ヘッド構成のものを
例としたが、ヘッドの段数は2段に限らず、多数段であ
ってもよい。
【0285】E.本発明の第5のインクジェット記録装
置およびインクジェット記録装置のヘッドホルダの交換
方法について 図58は、本発明の第5のインクジェット記録装置の一
実施例を示す概略構成図である。
【0286】本実施例のインクジェット記録装置2000
は、図47(C)に示したようなヘッドキャリッジとイ
ンクタンクキャリッジとを縦に並べて主走査方向に移動
させるとともに、図53に示したような記録ヘッドが搭
載されたヘッドホルダをヘッドキャリッジに装着して記
録を行うインクジェット記録装置において、ヘッドホル
ダの装着をインクタンクキャリッジ側から行うことによ
り、ヘッドホルダの交換作業の作業効率を向上させた点
を特徴とする。
【0287】インクジェット記録装置2010は、図58に
示すように、本体2011と、ヘッドホルダ2050(図59参
照)が装着されたヘッドキャリッジ2020と、2本のヘッ
ドキャリッジ用スライドレール20221 ,20222 と、ヘッ
ドキャリッジ駆動系(不図示)と、インクタンクキャリ
ッジ2030と、2本のインクタンクキャリッジ用スライド
レール20321 ,20322 と、インクタンクキャリッジ駆動
系(不図示)と、回復系装置2040(図59参照)とを具
備し、ヘッドキャリッジ2020とインクタンクキャリッジ
2030とがそれぞれ別々のスライドレールに沿って主走査
方向に移動される。ここで、ヘッドキャリッジ2020は、
4個のヘッドキャリッジ用スライドブッシュ20251 〜20
254 (2個のヘッドキャリッジ用スライドブッシュ2025
1 ,2025 2 のみ図示)を介して各ヘッドキャリッジ用ス
ライドレール20221 ,20222 に摺動自在に支持されてい
る。また、インクタンクキャリッジ2030は、4個のイン
クタンクキャリッジ用スライドブッシュ20351 〜20354
(3個のインクタンクキャリッジ用スライドブッシュ20
351 ,20352 ,20354 のみ図示)を介して各インクタン
クキャリッジ用スライドレール20321 ,20322 に摺動自
在に支持されている。
【0288】また、インクジェット記録装置2010は、ヘ
ッドキャリッジ2020とインクタンクキャリッジ2030との
間に設けられたインクチューブ束2060および電気ケーブ
ル束2061と、インクチューブ束2060および電気ケーブル
束2061を押えるための、一端が開放可能な束押え部材20
62とを具備する。ここで、インクチューブ束2060および
電気ケーブル束2061は、ヘッドキャリッジ2020とインク
タンクキャリッジ2030の主走査方向の幅よりも長い長さ
を有する。
【0289】インクジェット記録装置2010においては、
図58に示すように、インクチューブ束2060および電気
ケーブル束2061を束押え部材2062で押さえた状態で、ヘ
ッドキャリッジ2020とインクタンクキャリッジ2030とを
縦に並べて主走査方向に移動させることにより、記録が
行われる。したがって、記録時に、インクチューブ束20
60および電気ケーブル束2061が、ヘッドキャリッジ2020
およびインクタンクキャリッジ2030の移動を妨げること
を防止することができる。
【0290】これに対して、ヘッドホルダ2050を交換す
る際には、図59に示すように、束押え部材2062の一端
を開放することによりインクチューブ束2060および電気
ケーブル束2061を自由にしたのち、インクタンクキャリ
ッジ2030のみを主走査方向に移動させて、ヘッドキャリ
ッジ2020とインクタンクキャリッジ2030とをずらす。そ
の後、ヘッドキャリッジ2020のインクタンクキャリッジ
2030側からヘッドホルダ2050を取り出したのち、新たな
ヘッドホルダ2050をヘッドキャリッジ2020のインクタン
クキャリッジ2030側から装着する。なお、ヘッドキャリ
ッジ2020およびヘッドホルダ2050の構成は、図53に示
したものと同様の構成となっている。
【0291】このように、インクジェット記録装置2010
では、ヘッドホルダ2050の装着をインクタンクキャリッ
ジ2030側から行うことができるため、特に、図53に示
したような多数個のヘッドホルダ2050をヘッドキャリッ
ジ2020に装着する場合のヘッドホルダの交換作業の作業
効率を飛躍的に向上させることができる。
【0292】なお、ヘッドホルダ2050の交換時にインク
タンクキャリッジ2030を主走査方向に移動させる際の移
動量が大きすぎると、インクチューブ束2060および電気
ケーブル束2061に過大な負荷がかかるおそれがあるが。
しかし、図60(A)に示すように、ヘッドキャリッジ
2020とインクタンクキャリッジ2030とに、ストッパ209
1,2092をそれぞれ設けておくことにより、図60
(B)に示すように、インクタンクキャリッジ2030の移
動量をヘッドキャリッジ2020およびインクタンクキャリ
ッジ2030の主走査方向の幅以内に制限することができる
ため、インクチューブ束2060および電気ケーブル束2061
に過大な負荷がかかることを防止することができる。
【0293】なお、ヘッドホルダ2050交換時のインクタ
ンクキャリッジ2030の移動は、インクタンクキャリッジ
駆動系を用いて行ってもよく、手動で行ってもよい。ま
た、インクタンクキャリッジ駆動系は必ずしも必要では
ない。
【0294】以上、本発明の第1乃至第5のインクジェ
ット記録装置および第1乃至第5のインクジェット記録
物の製法について個々に説明したが、各発明を組み合せ
て用いることも可能である。 [捺染システムの動作説明(図61〜図68)]次に本
実施例の捺染システムの動作を詳しく説明する。
【0295】図61は本実施例の捺染システムの構成を
示すブロック図で、前述の図1と比較すると、図1の読
取部1001、画像処理部1002、2値化処理部10
03及び制御部1009はホストコンピュータ3000
に含まれ、インクジェット記録部1005は図61のイ
ンクジェット記録装置3001に相当し、布送り機30
02は図1の布帛給送部1006、記録搬送部1007
及び前処理部1010後処理部1008を備えている。
この実施例では、ホストコンピュータ3000とインク
ジェット記録装置3001とはGPIBで接続され、布
送り機3002とインクジェット記録装置3001との
間は専用のインターフェースで接続されている。
【0296】本実施例の布送り機3002は、図17の
布送り機144と同一の布帛等の被プリント物を搬送す
るための装置で、記録装置3001との間のインターフ
ェースを制御する入出力ポート3010、オペレータに
より操作される各種スイッチやディスプレイ等を備えた
操作パネル3015、布帛を搬送するための駆動源であ
るモータ3014、布帛のつなぎ目を検知するためのつ
なぎ目センサ3013等を有している。3011は布送
り機3002全体を制御するためのCPU、3012は
CPU3011の制御プログラムや各種データを記憶し
ているROMである。また、操作パネル3015には、
プリントの開始を指示するスタートキー3016、プリ
ント動作の停止を指示する停止キー3017、プリント
動作の一時停止を指示する一時停止キー3018及び緊
急停止を指示する緊急停止キー3019が備えられてい
る。
【0297】図62はホストコンピュータ3000とイ
ンクジェット記録装置3001との間の信号のやり取り
を説明するための図である。
【0298】パーソナルコンピュータ等のホストコンピ
ュータ300は、まずインクジェット記録装置3001
に対してREMOTEコマンドを送信して、インクジェット記
録装置3001をリモート状態にする。次に初期化コマ
ンド(INIT)をインクジェット記録装置3001に出力し
て、記録装置3001を初期化する。そして次にカラー
設定コマンド(WPALETTE)を出力し、インクジェットヘッ
ドの並びに応じて各色を設定するとともに、パレットデ
ータを送信して記録装置3001内にセットする。次に
ホストコンピュータ3000よりインクジェット記録装
置3001にプリントしたい画像データを転送して、基
本画像として登録する(SAVEコマンド)。
【0299】次に、その画像データをプリントする際の
倍率(DMODE) をインクジェット記録装置3001に出力
し、更に入出力状態設定コマンド(WAREA) により、プリ
ント幅、プリント長、基本画像の繰返しモード(図26
参照)、更には1度打ち、或いは2度打ちでプリントす
るか等を指示する。またロゴをプリントしたい場合は、
ロゴ出力を設定するコマンド(WLOGO) を出力して、プリ
ントしたいロゴの指定、及びそのプリント色、プリント
するロゴサイズ、ロゴのプリント位置等を、ホストコン
ピュータ3000よりインクジェット記録装置3001
に指示する。こうしてインクジェット記録装置3001
への各種データの設定が終了すると、REMOTEコマンドに
よりインクジェット記録装置3001をローカル状態に
して、ホストコンピュータ3000とインクジェット記
録装置3001とを非接続状態にする。この後、後述す
るように、布送り機3002のスタートキー3016が
押下されることにより実際のプリント動作が開始され
る。
【0300】図63は本実施例のインクジェット記録装
置3001におけるプリント処理を示すフローチャート
で、この処理は、例えば図17のコントロールボード1
42のCPU142Aの指示により制御される。
【0301】プリント動作の開始が指示されるとステッ
プS21に進み、エアポンプドライバ62(図13)に
より回復手段20を駆動して、インクジェットヘッド
2,2’にキャッピングを行った状態でインク加圧循環
を行い、キャリッジ124,124’を走査方向に移動
してインクジェットヘッドのワイピング(清掃)を行う
(ステップS22)。次にステップS23に進み、1走
査分のプリント動作を開始するためにキャリッジ12
4,124’の移動を開始し、1走査分のプリント処理
を終了するとステップS24に進み、キャリッジをホー
ム位置に戻す。次にステップS25に進み、インクジェ
ットヘッドよりインクを吐出させる予備吐出を実行す
る。
【0302】次にステップS26に進み、前回の走査前
にワイピングを実行したかどうかを判断し、前回ワイピ
ングを実行していない時はステップS27に進んでワイ
ピングを行うが、ワイピングを実行していれば何もせず
にステップS28に進む。これにより、1走査おきにイ
ンクジェットヘッドのワイピングが実行される。ステッ
プS28では、次の1走査分のプリント処理を実行し、
次にステップS29で全プリント処理が終了したかを調
べ、終了していない時はステップS30に進み、100
ライン分のプリント処理を行ったかどうかをみる。10
0ラインに到達していない時はステップS24に戻り、
前述の処理を実行するが、100ラインになるとステッ
プS21に戻り、インクジェットヘッドをキャッピング
してインク加圧循環を行う。このように、本実施例のイ
ンクジェット記録装置3001では、予備吐出を各走査
ごとに行い、ワイピングを1走査おきに行っており、更
にインク加圧循環処理(ヘッド回復処理)を100走査
ごとに実行している。
【0303】ステップS29で全プリントが終了すると
ステップS31に進み、最終行でワイピングを行ったか
どうかを調べ、最終行でワイピングを実行していない時
はステップS32に進んで、ワイピングを実行する。こ
れにより、プリント動作が終了すると必ずワイピングが
実行されることになる。
【0304】次に、図64のフローチャートを参照し
て、実際のプリント時における布送り機3002とイン
クジェット記録装置3001との動作について説明す
る。
【0305】まずステップS41で、布送り機3002
のスタートキー3016が押下されると、布送り機30
02よりインクジェット記録装置3001に、プリント
動作の開始を指示する(START) 信号が出力される(ステ
ップS42)。そして、ステップS43でインクジェッ
ト記録装置3001よりの布送り要求信号(REQ SEND)を
待つ状態に移行する。
【0306】一方、インクジェット記録装置3001
は、この(START) 信号により、ステップS51でプリン
トシーケンスに入る。ステップS52で、インクジェッ
トヘッドが布103の上にあるかどうかを判断し、布1
03の上にない時はヘッドを布103の上まで移動した
後、ステップS53で、ヘッドが布103の上にあるこ
とを布送り機3002に通知する(CR ENB をハイレベル
にする)。次にステップS54に進み、布送り機300
2において布の搬送中かどうかを判断し、布送り中でな
い時は(ACK SEND がロウレベル)ステップS55に進
み、プリント動作を開始する。このプリント動作は前述
の図63のフローチャートで示されている。こうしてス
テップS56で1走査分のプリント処理が終了するとス
テップS57に進み、布送り機3002がレディかどう
かを調べ、レディであればステップS58に進み、布送
り機3002に布送り量と共に、布送り要求信号(REQ S
END)を送出する。尚、この時の布送り量は、布送り機3
002の操作パネル3015で指定されている送り量、
或いはその1/2,1/4,或いは2倍の量というよう
に指定できる。
【0307】この布送り要求に応じて、布送り機300
2の動作はステップS43のループから抜けてステップ
S44に進み、インクジェット記録装置3001より指
示された送り量に従って布送りを実行する。こうしてス
テップS45で布送りを終了するとステップS46に進
み、布送りの終了(ACK SEND をロウレベルにする)をイ
ンクジェット記録装置3001に通知してステップS4
3に戻る。
【0308】また、インクジェット記録装置3001で
は、ステップS58で布送り機3002に布送り要求を
出力した後、ステップS59で布送りが開始されたかを
信号(ACK SEND)に基づいて調べ、布送り中になるとステ
ップS60で布送り要求をオフにする(REQ SEND をハイ
レベルにする)。ここでは布送り要求の出力と同時にキ
ャリッジリターンを実行しているため、ステップS61
でキャリッジリターンの終了を待ち、キャリッジリター
ンが終了するとステップS62に進み、全プリント処理
が終了したかを調べ、終了していない時はステップS5
4に戻り、次のプリント動作に移行する。このようにイ
ンクジェット記録装置3001と布送り機3002とを
それぞれ別体に構成し、それらの間で各種信号をやり取
りすることにより、布送りとプリント制御とを独立に実
施することができる。
【0309】次に、図65のフローチャートを参照し
て、布帛のプリント時に必要となるつなぎ目でのプリン
ト処理について説明する。
【0310】インクジェット記録装置3001がプリン
ト中或いは布送りの指示等により、布送り機3002に
布送り命令を発行すると(ステップS83)、ステップ
S71の布送り要求の受け付け処理に進む。ステップS
71ではつなぎ目かどうかを判断し、つなぎ目でない時
は通常の処理を実行するが、つなぎ目の時はステップS
72に進み、インクジェットヘッドが布の上にあるかど
うかを判断する。これはインクジェット記録装置300
1において、ステップS83で布送り要求(REQSEND)を
出力した後、実際に布送りが開始されたかどうかを、信
号ACK SENDがハイレベルになるかどうかにより判断す
る。布送り機3002で布送りが開始されない時はステ
ップS85でインクジェットヘッドが布の上に位置して
いるかどうかを判断し、布の上に位置していないときは
ステップS84に戻るが、布上に位置していればステッ
プS86に進み、キャリッジをホーム位置方向に戻し、
ヘッドが布上から外れた時点で、ヘッドが布の上に存在
していないことを示す信号(CR ENB をロウレベルにす
る)を出力する。
【0311】これにより布送り機3002は、ステップ
S72でインクジェットヘッドが布の位置より外れたこ
とを検知し、ステップS73でモータ3014を回転駆
動して布103の搬送を開始する。これは、インクジェ
ットヘッドが布上に位置している状態で布の搬送を行う
と、布の振動により布がインクジェットヘッドのノズル
先端に接触し、布を汚す虞があるからである。
【0312】こうして布送り機3002において布の搬
送が開始されると、インクジェット記録装置3001の
処理はステップS88に進み、布送り要求をオフ(REQ
SENDをハイレベル)にし、ステップS89で布送り処理
が終了するのを待つ。
【0313】一方、布送り機3002では、ステップS
74で布送り処理を行い、布103のつなぎ目部分を通
過して布送り処理を終了するとステップS75に進み、
布送りの終了をインクジェット記録装置3002に通知
する(ACK SENDをロウレベルにする)。これによりイン
クジェット記録装置3001は、ステップS89で布送
りの終了を検知するとステップS90に進み、次のプリ
ント動作のための処理を開始する。
【0314】このようにインクジェット記録装置300
1では、布103のつなぎ目部分があればステップS8
9で、そのつなぎ目部分が送られるまで待たされるだけ
で、布のつなぎ目部分を全く考慮することなくプリント
処理を実行できる。
【0315】図66は、布送り機3002の停止(スト
ップ)キー3017が押下された時の処理を示すフロー
チャートである。
【0316】まずステップS101で停止キー3017
が押下されなければ他の処理を実行するが、停止キー3
017が押下されるとステップS103に進み、インク
ジェット記録装置3001に停止信号(STOP)を出力す
る。これによりインクジェット記録装置3001は、ス
テップS107以降の処理を実行する。ステップS10
7でプリント中の時はステップS108に進み、現在プ
リントしている1走査分のプリント処理を続行し、その
1走査のプリント処理が終了するとステップS109に
進み、キャリッジリターンを行う。
【0317】ここでインクジェット記録装置3001
は、図15に示すように、上側のヘッドと下側のヘッド
とでプリントを行っており、プリントされる布103は
下から上方向に搬送されている。更に、このプリント処
理においては、下側のヘッド2で間引きプリントした
後、それを補完するように上側のヘッド2’でプリント
を行っているため、既に下側のヘッド2でプリントされ
た部分を上側のヘッドを用いてプリントする処理(後端
処理)が必要となる。
【0318】この処理を図67を参照してより詳しく説
明する。
【0319】図67(A)は、上側のインクジェットヘ
ッド2’と下側のインクジェットヘッド2との位置関係
を示しており、これらヘッドの間隔はヘッド長の10.
5倍(170.688mm)に設定されている。従っ
て、図67(B)に示すように、下側のヘッド2により
プリントされた部分に対し、上側のヘッド2’によりプ
リントされる部分は、その記録幅(バンド幅)の半分ず
れていることになる。よって、斜線6701で示された
部分は上側のヘッド2’の下半分のノズルを用いてプリ
ントされ、6702で示される部分は上側のヘッド2の
上半分のノズルを用いてプリントされることになる。こ
のように、布103にプリントされる画像の後端部分ま
でを正常な画像でプリントすることにより、操作パネル
3015の停止キー3017を押下することにより、任
意の位置でプリント動作を終了しても正常なプリント画
像が得られる効果がある。
【0320】このような後端処理が、図66のフローチ
ャートのステップS110〜S111で実行される。即
ち、上下のヘッド2,2’間のプリント済みのエリアは
上側のヘッド2’により順次プリントされ、最終の走査
ラインでは、上側のヘッド2’の下半分或いは上半分の
ノズルを用いてプリントが実行される。
【0321】次に図68のフローチャートを参照して、
操作パネル3015の一時停止キー3018が押下され
た場合の処理を説明する。
【0322】ステップS121で一時停止キー3018
が押下されるとステップS122に進み、布送り機30
02をビジー状態(NUNO RDYをハイレベル)にする。こ
れにより、インクジェット記録装置3001では図64
のステップS57で布送り機3002がビジー状態のま
まとなるため、次のプリント動作に進むことができずに
待ち状態となる。そして、再び図68のステップS12
3に戻り、一時停止キー3018がオフされて一時停止
状態が解除されるとステップS124に進み、ビジー状
態がロウレベルになって(NUNO RDYをロウレベル)布送
り機3002がレディとなり、図64における処理がス
テップS57からステップS58に進み、次のプリント
のための布送りが実施される。このように布送り機30
02よりプリント動作の開始、一時停止を指示すること
ができる。
【0323】尚、図には示していないが、操作パネル3
015の緊急停止キー3019が押下された時は、布送
り機3002は緊急停止信号(EM STOP) をインクジェッ
ト記録装置3001に送出し、直ちにインクジェット記
録装置3001のプリント動作を停止させることができ
る。尚、この場合には、前述した後端処理が実行されな
いことはもちろんである。
【0324】なお、前述の実施例では、図15に示すよ
うに下側の第1のプリント部111と上側の第2のプリ
ント部111’との間に加熱プレート114と温風ダク
ト115を設けて、下側のインクジェットヘッド2でプ
リントされた布103を上側のインクジェットヘッド
2’でプリントする前に乾燥させているが、図69に示
すように、この乾燥ユニットは省略可能である。
【0325】次に、インクジェット捺染用布帛として
は、(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、
(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛
上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則な
インクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬
送性に優れていること、等の性能が要求される。これら
の要求性能を満足させるために、必要に応じて布帛に対
し、あらかじめ前処理を施しておくことができる。例え
ば、特開昭62−53492号公報においてはインク受
容層を有する布帛類が開示され、また、特公平3−46
589号公報においては還元防止剤やアルカリ性物質を
含有させた布帛の提案がなされている。このような前処
理の例としては、布帛に、アルカリ性物質、水溶性高分
子、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチオ尿素か
ら選ばれる物質を含有させる処理を挙げることができ
る。
【0326】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ、ジ、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸も
しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。さらに酢
酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモ
ニア及びアンモニア化合物等がある。また、スチ−ミン
グ及び乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナト
リウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質とし
ては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウム及
び重炭酸ナトリウムがある。水溶性高分子としては、ト
ウモロコシ、小麦等のデンプン物質、カルボキシメチル
セルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセル
ロ−ス等のセルロ−ス系物質、アルギン酸ナトリウム、
アラビアゴム、ロ−カスイトビ−ンガム、トラガントガ
ム、グアガム、タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、
カゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物質、リグニン系
物質等の天然水溶性高分子が挙げられる。
【0327】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコ−ル系化合物、ポリエチレンオキサイド系
化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロ−ス系高分子が好ましい。
【0328】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2 S
O4 ,KCl及びCH3 COONa等が挙げられ、ま
た、アリカリ土類金属としては、CaCl2 及びMgC
l2 等が挙げられる。中でもNa,K及びCaの塩類が
好ましい。
【0329】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コ−ティング法、スプレ−法などを挙げ
ることができる。
【0330】さらに、インクジェット捺染用布帛に付与
される捺染インクは、布帛上に付与した状態では単に付
着しているに過ぎないので、引き続き繊維への染料等イ
ンク中の色素の反応定着工程(染着工程)を施すのが好
ましい。このような反応定着工程は、従来公知の方法で
よく、例えば、スチ−ミング法、HTスチ−ミング法、
サ−モフィックス法、あらかじめアルカリ処理した布帛
を用いない場合は、アルカリパッドスチ−ム法、アルカ
リブロッチスチ−ム法、アルカリショック法、アルカリ
コ−ルドフィックス法等が挙げられる。また、定着工程
は、染料によって反応過程を含むものと含まないものと
があり、後者の例としては繊維に含浸させて物理的に離
脱しないようなものがある。また、インクとしては所要
の色素を有するものであれば適宜のものを用いることが
でき、染料に限らず、顔料を含むものでも良い。
【0331】さらに未反応の染料の除去および前処理に
用いた物質の除去は、上記反応定着工程の後に従来公知
の方法に準じ、洗浄により行うことができる。なお、こ
の洗浄の際に従来のフィックス処理を併用することが好
ましい。なお以上述べた後処理工程が施されたプリント
物は、その後所望の大きさに切り離され、切り離された
片は、縫着,接着,溶着等、最終的な加工品を得るため
の工程が施され、ワンピース,ドレイ,ネクタイ,水着
等の衣類や布団カバー,ソファカバー,ハンカチ,カー
テン等が得られる。布帛を縫製等により加工して衣類や
その他の日用品とする方法は、例えば「最新ニット縫製
マニュアル」(センイジャーナル社発行)や月刊誌「装
苑」(文化出版局発行)等、公知の書籍に多数記載され
ている。
【0332】なお、プリント媒体としては、布帛、壁
布、刺繍に用いられる糸、壁紙、紙、OHP用フィルム
等が挙げられ、布帛としては素材、織り方、編み方を問
わず、あらゆる敷物、本織布及びその他の布地を含む。
【0333】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて、優れた効果をもたらすものである。
【0334】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0335】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0336】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0337】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0338】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0339】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0340】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0341】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0342】尚、本発明は複数の機器から構成されるシ
ステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用し
ても良い。また、本発明はシステム或は装置に、本発明
を実施するプログラムを供給することによって達成され
る場合にも適用できることはもちろんである。
【0343】以上説明したように本実施例によれば、プ
リント媒体のつなぎ目へのプリントを防止できる効果が
ある。
【0344】また、プリント動作が停止された場合で
も、その停止された部分までを完全なプリント画像とし
てプリントできる効果がある。
【0345】また、布帛の搬送機構とインクジェットプ
リント機構との同期を取り、効率よくプリント処理がで
きる効果がある。
【0346】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、プ
リント動作が停止された場合でも、その停止された部分
までを完全なプリント画像として形成できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の捺染システムの全体構成を示すブロ
ック図である。
【図2】その捺染処理手順の概要を示すフローチャート
である。
【図3】本発明の一実施例に係る制御部の構成を中心と
してシステムを示すブロック図である。
【図4】図2における特色指定処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図5】図4の手順で作成するパレット変換テーブル
(CMYのみ)の一例を示す説明図である。
【図6】同じくパレット変換テーブル(CMYK)の一
例を示す説明図である。
【図7】同じくパレット変換テーブル(CMYS1
2 )の一例を示す説明図である。
【図8】同じくパレット変換テーブル(CMYS12
34 )の一例を示す説明図である。
【図9】図2におけるカラーパレットデータ生成手順の
一例を示すフローチャートである。
【図10】カラーパレットデータ生成手順の他の例を示
すフローチャートである。
【図11】図2におけるロゴ入力処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図12】図11で指定するデータとロゴプリント形式
との対応例を示す説明図である。
【図13】本実施例に適用されるインクジェット記録部
の機械的な概略構成を示す斜視図である。
【図14】同じくインクジェット記録部の平面図であ
る。
【図15】本実施例のインクジェット記録部と布帛給送
部の機械的構成の概略を示す側断面図である。
【図16】そのプリントヘッド周辺の構成例を示す斜視
図である。
【図17】図15に示すインクジェット記録部の電気的
な概略構成を示すブロック図である。
【図18】図15に示すインクジェット記録部の電気的
な概略構成を示すブロック図である。
【図19】図17におけるコントロールボードの内部構
成の一部をデータの流れを中心として示すブロック図で
ある。
【図20】図17におけるコントロールボードの内部構
成の一部をデータの流れを中心として示すブロック図で
ある。
【図21】図17におけるコントロールボードの内部構
成の一部をデータの流れを中心として示すブロック図で
ある。
【図22】図20に示す各メモリに対し、変換用パラメ
ータが入力されるまでの異常出力を防止するためにセッ
トするデータを説明するための説明図である。
【図23】図21におけるロゴ入力部の構成例を示すブ
ロック図である。
【図24】(A)および(B)は、ロゴの画像出力範囲
とロゴメモリの空間との対応の一例を示す説明図であ
る。
【図25】ロゴメモリにおける1画素に対するデータ構
造の例を示す説明図である。
【図26】(A)〜(E)は記録媒体に対する基本画像
の形成パターンの諸例を示す説明図である。
【図27】パラメータ記憶部およびアドレス制御部の構
成例を示すブロック図である。
【図28】本実施例のプリンタによる画像出力(タイプ
1)を出力する場合のメモリ制御部の各信号の出力タイ
ミングを示すタイミングチャートである。
【図29】本実施例のプリンタによる画像出力(タイプ
2)を出力する場合のメモリ制御部の各信号の出力タイ
ミングを示すタイミングチャートである。
【図30】本例のインクジェット記録部による実際の画
像出力例を示す説明図である。
【図31】図20に示す各メモリおよび各部レジスタに
変換データおよびパラメータをセットするための処理手
順の一例を示すフローチャートである。
【図32】インクジェット記録部における操作・表示部
の主要部の構成例を示す平面図である。
【図33】図17におけるコントロールボードの主要部
の他の構成例をデータの流れを中心として示すブロック
図である。
【図34】図33の構成に対してホストコンピュータで
採用可能な特色指定処理手順の一例を示すフローチャー
トである。
【図35】その処理のための図33における色検出部の
構成例を示すブロック図である。
【図36】特色指定処理手順の他の例を示すフローチャ
ートである。
【図37】その処理のために図33における色検出部に
替えて配置される領域検出部の構成例を示すブロック図
である。
【図38】図15に示したヘッドに対する回復手段を模
式的に示した説明図である。
【図39】キャリッジ上に、印刷の基本色に加えて、特
色用のヘッドをすべて搭載した場合と特色用のヘッドを
1つのみ搭載した場合とのキャリッジの移動範囲を説明
するための説明図である。
【図40】上下キャリッジで搭載ヘッドを異ならせた場
合の説明図である。
【図41】搭載ヘッドに応じた各種設定処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図42】各色インクをプリントしたときの濃度を説明
するための説明図である。
【図43】キャリッジ上に、印刷の基本色に加え、濃度
を高くしたい色のヘッドを複数搭載した場合の説明図で
ある。
【図44】図42に対し、図43のようなヘッド搭載条
件で各色インクをプリントしたときの濃度の説明図であ
る。
【図45】本実施例の捺染システムにおけるプリント結
果の比較例を示す図である。
【図46】本実施例の第1のインクジェット記録部を示
す概略構成図である。
【図47】図46に示したインクジェット記録部の利点
を説明するための図である。
【図48】本実施例の第2のインクジェット記録部を示
す概略構成図である。
【図49】図48に示したインクジェット記録部の利点
を説明するための図である。
【図50】本実施例の第2のインクジェット記録部を示
す要部構成図である。
【図51】図50に示したインクタンクキャリッジ用ス
ライドレールの図示左右方向の位置合わせを説明するた
めの図である。
【図52】本実施例の第3のインクジェット記録部を示
す概略構成図である。
【図53】本実施例の第4のインクジェット記録部にお
ける2段ヘッド構成を示す概略構成図である。
【図54】図53に示したヘッドホルダの搭載及び位置
決めを説明する図である。
【図55】図53に示したヘッドホルダの搭載及び位置
決めを説明する図である。
【図56】図53に示したヘッドホルダの搭載及び位置
決めを説明する図である。
【図57】図53に示したヘッドホルダの搭載及び位置
決めを説明する図である。
【図58】本実施例の第5のインクジェット記録部を示
す概略構成図である。
【図59】図58に示したインクジェット記録部のイン
クホルダ交換時の動作を説明するための図である。
【図60】図58に示したインクジェット記録装置のイ
ンクホルダ交換時におけるインクタンクキャリッジの移
動量を制限する一手段を説明するための図である。
【図61】本実施例の捺染システムの構成を示すブロッ
ク図である。
【図62】ホストコンピュータとインクジェット記録装
置との信号のやり取りを示す図である。
【図63】本実施例のインクジェット記録装置における
プリント処理を示すフローチャートである。
【図64】本実施例の布送り機とインクジェット記録装
置との連繋動作を示すフローチャートである。
【図65】本実施例の捺染システムにおけるつなぎ目処
理を示すフローチャートである。
【図66】本実施例の捺染システムにおける停止処理を
示すフローチャートである。
【図67】本実施例の捺染システムにおける後端処理を
説明するための図である。
【図68】本実施例の捺染システムにおける一時停止処
理を示すフローチャートである。
【図69】他の実施例のインクジェット記録部と布帛給
送部の機械的構成の概略を示す側断面図である。
【符号の説明】 1001 読取部 1002 画像処理部 1003 2値化処理部 1005 インクジェット記録部 1006 布帛給送部 1007 記録搬送部 1008 後処理部 3000 ホストコンピュータ 3001 インクジェット記録装置 3002 布送り機 3013 つなぎ目センサ 3015 操作パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 英一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 馬渕 俊昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 遠藤 浩志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のプリントヘッドをプリント媒体に
    対して所定方向に走査してプリントするインクジェット
    プリント装置であって、 プリント媒体の搬送方向に対して上流及び下流位置に設
    けられた第1と第2のプリントヘッドのそれぞれを前記
    搬送方向にほぼ直交する方向に走査してプリントを行う
    プリント手段と、 前記プリント手段によるプリント動作の停止を指示する
    指示手段と、 前記指示手段の指示により前記第1のプリントヘッドで
    プリントした箇所を前記第2のプリントヘッドでプリン
    トした後、前記プリント手段によるプリント動作を停止
    するように制御する制御手段と、 を有することを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1のプリントヘッドでプリントし
    た画像を前記第2のプリントヘッドで補完するようにプ
    リントすることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェットプリント装置。
  3. 【請求項3】 前記プリントヘッドは記録剤としてイン
    クを用い、該インクを吐出するインクジェットプリント
    ヘッドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    インクジェットプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記インクジェットプリントヘッドは、
    インクを吐出するために利用されるエネルギとしてイン
    クに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有
    することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット
    プリント装置。
  5. 【請求項5】 前記プリント媒体として布を用いること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインク
    ジェットプリント装置。
  6. 【請求項6】 複数のプリントヘッドをプリント媒体に
    対して所定方向に走査してプリントするインクジェット
    プリント方法であって、 プリント媒体の搬送方向に対して上流及び下流位置に設
    けられた第1と第2のプリントヘッドのそれぞれを前記
    搬送方向にほぼ直交する方向に走査してプリントを行う
    工程と、 そのプリント動作中にプリント動作の停止が指示される
    と、第1のプリントヘッドでプリントした箇所を第2の
    プリントヘッドでプリントした後、プリント動作を停止
    する工程と、 を有することを特徴とするインクジェットプリント方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6の方法によりプリントされたプ
    リント物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のプリント物を更に加工
    して得られたことを特徴とする加工品。
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