JPH0796672B2 - 雨漏り防止方法及び雨漏り防止剤 - Google Patents

雨漏り防止方法及び雨漏り防止剤

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JPH0796672B2
JPH0796672B2 JP1113774A JP11377489A JPH0796672B2 JP H0796672 B2 JPH0796672 B2 JP H0796672B2 JP 1113774 A JP1113774 A JP 1113774A JP 11377489 A JP11377489 A JP 11377489A JP H0796672 B2 JPH0796672 B2 JP H0796672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は良好な止水性能を有する雨漏り防止方法及び雨
漏り防止剤に関し、より詳しくは屋根あるいは壁面に雨
漏り防止剤を散布することによる雨漏り防止方法及び、
雨漏りの原因となるひび割れ、または穴に入り込み、そ
のすき間を埋めることにより雨水の浸入を阻止すること
が出来る雨漏り防止剤に関する。
従来技術 屋根または壁面からの雨漏りを止めるには、その原因と
なる穴またはひび割れもしくは間隙などの雨水浸入個所
にシーリング剤を塗布、充填するか、あるいは雨水浸入
個所不明の場合は、屋根の全面葺替、防水シートの全面
張替、壁面にあっては全面吹付塗装、タイル全面張替等
をしなくてはならない。多くの場合、雨水の浸入個所を
特定することは甚だ困難な為、シーリング剤の塗布、充
填だけの簡単な補修では直らないことが多い。
雨漏りの補償期間は5年〜10年と長期間にわたることが
多く、補償期間内にあっては建築業者が又補償期限切れ
の建築業者あるいは、ときには施主がそれぞれ多額の費
用負担を余儀なくされている。
発明が解決しようとする課題 安価で、施工の手間がかからず、建物の美観を損ねるこ
とのない、雨漏り防止剤の開発が望まれている。
課題を解決する為の手段 本発明は、 (1) (i)界面活性剤0.1〜5重量% (ii)ポリアクリル酸ソーダ0.1〜20重量% (iii)水不溶性粉状物0.2〜50重量% (iv)水 25〜99.6重量% とからなる散布用雨漏り防止剤を散布後、水で雨水浸入
口に注入することを特徴とする雨漏り防止方法 (2) (i)界面活性剤0.1〜5重量% (ii)ポリアクリル酸ソーダ0.1〜20重量% (iii)水不溶性粉状物0.2〜50重量% (iv)水 25〜99.6重量% とからなる散布用雨漏り防止剤に関する。
本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する界面活性剤とは、いかなる種類のもの
であっても良く、アニオン系、カチオン系、ノニオン
系、両性系等であり、具体的には脂肪酸ソーダ塩、りん
酸エステル、ポリオキシエチレングリコール、テトラア
ルキルアンモニウム塩、アルキルエーテル硫酸エステル
ソーダ、アルファオレフィンスルホン酸ソーダ、脂肪酸
アルカノールアミド等が挙げられ、これらは単独で又は
2種以上の混合して用いても良い。環境面から特に好ま
しいのは脂肪酸ソーダ塩である。
界面活性剤の配合量は0.1〜5重量%で用いられ、特に
好ましくは0.2〜2%である。界面活性剤は水不溶性粉
状物の水中分散性を良好にし、屋根材料または壁面材料
と本発明の防止剤とのなじみを良好にし、水不溶性分散
物を雨水浸入個所に導き易くする。その為界面活性剤が
0.1%未満では水不溶性粉状物の水中分散性が悪くな
り、かつ屋根材料又は壁面材料と本発明とのなじみも急
速に低下し、雨水浸入個所に流れ込みにくくなり、充分
な止水性能が発揮されない。
ポリアクリル酸ソーダは水不溶性粉状物のバインダーと
なり、水不溶性粉状物が雨水浸入個所に入り込んだ後、
流失するのを防ぐ働きがある。その配合量は0.1〜20重
量%である。このポリアクリル酸ソーダには、他の親水
性糊剤を混合してもよい。親水性糊剤は、天然物系糊
剤、合成高分子系糊等がいずれも良いが、腐敗しにくい
合成高分子系糊剤が好ましい。具体的な例としては、ポ
リ酢酸ビニル樹脂水性エマルジョン、水性ポリアクリル
酸エステル、水性ウレタン樹脂、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルローズ等が挙げられる。ポリ
アクリル酸ソーダと他の親水性糊剤のトータルの配合量
は0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%であ
る。配合量が0.1重量%未満では本発明の防止剤の粘度
が不充分になり、水不溶性粉状物の水中浮揚性が悪く、
沈降し易くなり、雨水浸入個所に水不溶性粉状物が浸入
し難くなり、止水性能が充分に発揮されない。
水不溶性粉状物とは、有機物粉体、無機物粉体何れでも
良く、粒径約1mm〜1μmに幅広くかつ均等に分布して
いるものが好ましい。また、粒子の比重は水に近い1.0
ぐらいか若干重いぐらいが良く、水中に浮遊し、均一に
分散するものが良い。具体例としては、樹脂粒子、粘
土、充分に水を浸み込ませた木粉、架橋型高吸水性高分
子、バーミキュライト、パーライト等が挙げられる。特
に好ましいのは吸水して膨潤する性質のあるものであ
る。水不溶性粉状物は雨水浸入個所のすきまを充填し、
止水性能を発揮するが、その後の乾燥により収縮し、粒
子間に微細な空隙が生じたとしても、降雨時に再び吸水
膨潤し、空隙を埋めて止水性能を発揮する。水不溶性粉
状物も、単独か2種以上の混合でも良い。好ましくは粒
度分布が幅広くなる組合せが良い。水不溶性粉状物の色
は、散布したときに、建物の美観に影響する為、屋根又
は壁面と同じ色のものを選定するが、無色透明のものを
選ぶのが良い。水不溶性粉状物の配合量は0.2〜50重量
%であり、好ましくは0.5〜20重量%である。
水の配合量は25〜99.6重量%であるが、降雨量の多少に
より加減する。すなわち、降雨量の多いところでは、水
は少なめにし、降雨量の少ないところでは多めにするの
が良い。本発明の防止剤は屋根又は壁面に散布するだけ
では止水効果はなく、降雨中または散布後の降雨によ
り、はじめて雨水浸入個所への本発明の流入が可能とな
り、止水性能を発揮するものであるから、大量降雨が期
待出来ることろでは、逆に流失し易いのを防ぐため、水
は控えめに配合し、小雨量のところでは、水は多めに配
合して、かつ出来るだけ広い面積にまんべんなく散布す
るのが好ましい。
本発明の防止剤の使用方法としては、雨水浸入口に検討
がつくところでは、その浸入口付近に散布すれば良い。
雨水浸入個所が不明な場合は、雨漏りのする屋根または
壁面全面に均一に散布すれば良いが、その際、屋根また
は壁面が全面的に濡れる必要は全くない。
本発明の防止剤は散布後に乾燥しても構わない。散布し
た本発明が雨水浸入口に致らず、乾燥したとしても、何
ら効力に変化はない。含有される糊剤により屋根または
壁面において乾燥状態で付着し、とどまるが、降雨時に
再び湿潤し、雨水浸入口に水不溶性分散物が運ばれ、浸
入口を塞ぎ、止水性能を発揮する。しかし、乾燥期間が
長い(2週間以上)と、本発明が飛散してしまう恐れも
ある為、なるべくならば降雨直前か、降雨中に散布する
のが好ましい。
本発明を適用するのに好ましい屋根は鉄筋コンクリート
造陸屋根であり、これは通常、コンクリート目地防水と
アスファルト防水、シート防水、塗膜防水等のメンブレ
ン防水を組合わせてあり、防水層の上から散布すれば良
い。
本発明を適用するのに好ましい外壁はセメントモルタ
ル、アクリルリシン吹付、タイル貼り、レンガ、コンク
リート等である。
実施例 実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 外壁レンガ色タイル貼三階建鉄筋コンクリート造りのビ
ル一階壁面より雨漏りする為、外壁全面のタイル目地点
検、シーリング材の上塗り、穴埋めを行ったが、雨漏り
を直すに致らなかった。そこで、以下の組成による本発
明の雨漏り防止剤を使用した。
1)界面活性剤:市販粉せっけん 30g 商品名「ミヨシコナ石鹸」ミヨシ油脂株式会社製 2)親水性糊剤:ポリアクリル酸ソーダ 30g 商品名「パナカヤクF」日本化薬株式会社製 市販透明水性アクリル塗料 20g 商品名「水性ニス」株式会社アサヒペン製 市販酢酸ビニルエマルジョン樹脂 商品名「木工用セメダインホワイト605」 20g セメダイン株式会社製 3)水不溶性粉状物:木粉(50〜400メッシュ) 100g 市販品粘土 30g 商品名「ウッディねんど」CEC社製 高吸水性ポリマー 10g 商品名「アクアリックCA Type KI」日本触媒化学工業製 4)水: 4800g 1)〜4)を混合して一週間室温にて放置したところ、
浮いていた木粉は沈降し、軽い撹拌で浮遊し、水不溶性
粉状物はやや粘性のある水中に均一に分散している状態
となった。
この水溶液を降雨中にビス3階屋上より壁面につ伝わら
せて散布したところ雨漏りは止水された。止水後6カ月
経過してが(うち降雨48日間)雨漏りは見られなかっ
た。
実施例2 3階建鉄筋コンクリート造のビル階段部分屋上より雨漏
りがし、屋上はルーフィング防水である。これに下記組
成を有する本発明の雨漏防止剤を使用した。
1)界面活性剤:市販粉せっけん 20g 商品名「ミヨシコナ石鹸」ミヨシ油脂株式会社製 2)親水性糊剤:ポリアクリル酸ソーダ 20g 商品名「パナカヤクF」日本化薬株式会社製 ポリ酢酸ビニルエマルジョン 30g 商品名「木工用セメダインホワイト605」セメダイン株
式会社製 3)水不溶性粉状物:木粉 60g(100〜400メッシュ) 4)水 600g これらを混合撹拌後、室温で10日間放置した。溶液はか
なり粘度の高いものであった。これを晴れた日に70gず
つだんご状にして10カ所に分散して階段上屋上部分に置
いた。5日後に降雨があったが、階段部で雨漏りはしな
かった。その後6カ月経過(うち降雨55日間)したが、
雨漏りは見られなかった。
実施例3 実施例1と2では建物に対して本発明が同色であったの
で、本発明の防止剤が建物の美観を損ねることはなかっ
たが、本例では白色タイル貼外壁に適用した。
4階建鉄筋コンクリート造り、外壁白色タイル貼りの外
壁1、2階部分より雨漏りかする為、足場を組んで、タ
イル目地の点検、シーリング材による穴埋め、上塗りを
行ったところ、2階部分は止水したが、1階部分が直ら
なかった。そこで下記組成の本発明の防止剤を使用し
た。
1)界面活性剤:市販台所用合成洗剤 5g 商品名「ママローヤル」ライオン株式会社製 2)親水性糊剤:ポリアクリル酸ソーダ 20g 商品名「パナカヤクF」:日本化薬株式会社製 市販水性アクリル塗料(透明) 30g 商品名「水性ニス」株式会社アサヒペン製 3)水不溶性粉状物:高分子吸水剤(架橋型ポリアクリ
ル酸ソーダ) 30g 商品名「アクアリックCA TYPEM−1」日本触媒化学工業
製 4)水 4900g 尚、糊剤であるポリアクリル酸ソーダはエタノール50g
に浸潤後水にあけ、均一な糊状になる様にした。本発明
の防止剤を調製後直ちに4階建建物屋上より雨漏りのす
る外壁面を伝わらせて散布した。
2日後に降雨があったが、雨漏りはしなかった。以後6
カ月間に降雨42日間あったが、その間雨漏りはなかっ
た。また本発明の防止剤使用後の外壁面は使用前とほぼ
同じであり、外壁の美観が損なわれることはなかった。
発明の効果 本発明に係る雨漏り防止剤は安価で、施工も容易であ
り、施工後の手間もかからず、建物の美観を損ねること
なく、確実に雨漏りを止めることが出来るので、従来の
様な足場を組んで補修するとか、全面工事の必要性がな
く経済的にメリットが多大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/10 Z E04B 1/66 Z 1/684 E04D 7/00 L F16J 15/14 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)界面活性剤0.1〜5重量% (ii)ポリアクリル酸ソーダ0.1〜20重量% (iii)水不溶性粉状物0.2〜50重量% (iv)水 25〜99.6重量% とからなる散布用雨漏り防止剤を散布後水で雨水浸入口
    に注入することを特徴とする雨漏り防止方法。
  2. 【請求項2】(i)界面活性剤0.1〜5重量% (ii)ポリアクリル酸ソーダ0.1〜20重量% (iii)水不溶性紛状物0.2〜50重量% (iv)水 25〜99.6重量% とからなる散布用雨漏り防止剤。
JP1113774A 1989-05-08 1989-05-08 雨漏り防止方法及び雨漏り防止剤 Expired - Fee Related JPH0796672B2 (ja)

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