JPH079644Y2 - 薬袋プリンタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、薬袋プリンタ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

通常、病院内の薬局では、医師から出された処方箋に基
づいて処方内容監査、調剤指示、用法書記調剤、調剤監
査、用法口授の作業が行なわれている。

上記作業のうち、薬を収納する薬袋の表面に、患者名、
用法等を記入する用法書記には非常に手間がかかり、最
近では、所要事項があらかじめメモリされたコンピュー
タのプリンタを利用して行なわれている。

薬袋は１種類の薬を収納するものであるため、１人の患
者に数種類の薬が与えられる場合、薬の数に対応する薬
袋を用意する必要がある。この場合、薬の種類によって
大きさの異なる薬袋が必要になる。

薬袋に対する用法書記処理装置として、大きさの異なる
複数の薬袋装着部を有し、各装着部にセッチされた数種
の袋体を１台のプリンタによって印字処理するようにし
たものが従来から知られている（特開昭61-158480号公
報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記装置においては薬袋を一枚ずつ処理する
構成であるため、１人の患者に複数の薬袋が必要な現状
では、処理能力上問題があり、その問題解決のため、複
数の装置を設置することも考えられるが、場所をとり、
しかも薬袋装着部に対する袋体の補給も頻繁に行なわな
ければならない不都合が生じる。

また、薬袋装着部に袋体をセットするため、袋体を製造
する製袋装置が別に必要になり、コスト的に非常に不利
であると共に、製袋装置の製造能力は用法書記処理装置
の処理能力より大きいため、製造された薬袋の保管場所
を確保しなければならない不都合がある。

この考案は上記の点にかんがみ、１人の患者に手渡され
る大きさの異なる数種類の薬袋を同時に生産することが
できるようにした小型の薬袋プリンタ装置を提供するこ
とを技術的課題としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案においては、二
つ折りされ、又は筒状に成形された熱融着性ラミネート
紙のロール紙を支持する支持部を有し、その支持部から
引き出されたラミネート紙の移送路に送りローラと、上
記ラミネート紙を幅方向に帯状にヒートシールするヒー
タ装置と、シール後のラミネート紙を幅方向に切断して
袋体を形成するカッタ装置と、形成された袋体の搬送装
置と、搬送装置によって送られてくる袋体に処方箋情報
に基づく文字情報を打ち出す印字装置と、印字後の薬袋
の送り出し装置とを順に設けた薬袋印字ユニットの複数
を上下方向に配置した構成を採用したのである。

〔作用〕

上記の構成から成る薬袋プリンタ装置の薬袋印字ユニッ
トは、送りローラの回転によってロール体から引き出さ
れたラミネート紙を一方向に送り、所定の長さのラミネ
ート紙が送られると、ヒータ装置の作動によりそのラミ
ネート紙を幅方向に帯状にヒートシールし、かつカッタ
装置によりシール後のラミネート紙を切断して袋体を形
成する。その袋体を搬送装置により印字装置に向けて搬
送し、その印字装置により文字情報を打出して薬袋を形
成し、この薬袋を送り出し装置により排出する。

そして、複数の薬袋が必要な場合には、袋体の形成と、
印字処理とを行なう上記薬袋印字ユニットの複数を同時
に作動させる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、この考案に係る薬袋プリンタ装置
は、給紙部１を下部に有し、その給紙部１に幅寸法が異
なる複数のロール体Ｌがセットされている。

ロール体Ｌは、熱融着製のラミネート紙Ｓをロール状に
巻付けたものであり、ラミネート紙Ｓは、幅方向に二つ
折りされたもの、あるいは予め筒状に成形されたものが
用いられる。

上記ロール体Ｌから引き出されたラミネート紙Ｓは複数
のガイドローラ２に案内されて上記給紙部１上に多段に
設けた製袋印字ユニットＵに送り込まれる。

実施例の場合、ロール体Ｌをセットする給紙部１と製袋
印字ユニットＵとを独立させたものを示したが、各製袋
印字ユニットＵに給紙部を形成してその給紙部から製袋
印字ユニットにラミネート紙を直接引き出すようにして
もよい。

第２図は、製袋印字ユニットＵの概略を示す。製袋印字
ユニットＵは、ラミネート紙Ｓを一方向に搬送する送り
ローラ10を有し、その送りローラ10は図示省略したモー
タによって回転され、その回転によってラミネート紙Ｓ
を矢印方向に一定長さ搬送する。

送りローラ10の下流側にはヒータ装置11が設けられてい
る。ヒータ装置11は、上下に配置された一対の熱板12、
13を有し、その一対の熱板12、13をラミネート紙Ｓの停
止時に相対的に移動して両熱板12、13間に挿通されたラ
ミネート紙Ｓを幅方向に帯状にヒートシールするように
なっている。

上記ヒータ装置11の作動時、送りローラ10は停止状態に
あり、ヒータ装置11がラミネート紙Ｓをヒートシールす
ると、上記送りローラ10は回転してラミネート紙Ｓを所
要長さ搬送し、ヒータ装置11によってヒートシールされ
たシール部がヒータ装置11の下流側に設けたカッタ装置
14の位置に臨むと停止する。

カッタ装置14は、固定刃板15に対して可動刃板16を上下
動させるようにしており、その可動刃板16の上下動によ
ってラミネート紙Ｓを幅方向に切断する。

上記カッタ装置10は、ラミネート紙Ｓが幅方向に２つ折
りされたものである場合は、ヒータ装置11によってヒー
トシールされたシール部の幅方向２等分位置を切断す
る。その切断によって、第３図に示す袋体B₁が形成され
る。

また、ラミネート紙Ｓが筒状の場合は、ヒータ装置11に
よってヒートシールされたシール部の一側に沿ってラミ
ネート紙Ｓを切断する。その切断によって第４図に示す
袋体B₂が形成される。

カッタ装置14の作動によって形成された袋体B₁、B₂は、
搬送装置17によって更に前方に搬送される。搬送装置17
として、ここでは、モータによって一方向に回転される
駆動ローラ18に押えローラ19を接触させたローラコンベ
ヤが使用され、そのローラコンベヤ17の搬出端に印字装
置20が設けられている。

印字装置20は、処方箋情報に基づく文字情報をその印字
装置20に送り込まれた袋体B₁又はB₂に対して打出すよう
になっている。その文字情報の打出しによって薬袋Ａが
形成され、その薬袋Ａは送り出しローラ21によってユニ
ット外部に排出される。

なお、図中22は、ラミネート紙Ｓの移動を案内するガイ
ド板、23は袋体B₁、B₂の移動を案内するガイド板を示
す。

上記のように、薬袋印字ユニットＵは、ラミネート紙か
ら袋体B₁、B₂を形成し、その袋体B₁、B₂に文字情報を打
出して薬袋Ａを形成するものであり、その薬袋印字ユニ
ットＵを複数設け、各薬袋印字ユニットＵに幅寸法の異
なるラミネート紙Ｓを供給したことによって、各薬袋ユ
ニットＵを同時に作動させることにより、大きさの異な
る数種の薬袋Ａを同時に形成することができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案に係る薬袋プリンタ装置によれ
ば、複数の薬袋印字ユニットに幅寸法の異なるラミネー
ト紙を供給し、各薬袋印字ユニットによって袋体を形成
し、その袋体に文字情報を打出すようにしたので、大き
さの異なる数種類の薬袋を同時に形成することができ
る。

また、製袋装置によって一度袋体を形成し、その袋体を
用法書記処理装置に供給して薬袋を形成する従来方法の
場合には、袋体を保管する場所や袋体を補給する動作が
必要であったが、この考案においては、ロール体から引
き出したラミネート紙から薬袋を直接形成するため、上
記のような袋体の保管場所や袋体の補給動作を不要とす
ることができ、薬局内のスペースの有効利用と、メンテ
ナンスの容易化とを図ることができる。

さらに、薬袋印字ユニットを上下に多段に配置したの
で、小型の薬袋プリンタ装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る薬袋プリンタ装置の概略図
面、第２図は同上の薬袋印字ユニットを示す概略図面、
第３図および第４図は袋体を示す斜視図である。 Ｌ……ロール体、Ｓ……ラミネート紙、10……送りロー
ラ、11……ヒータ装置、14……カッタ装置、17……搬送
装置、20……印字装置、21……送り出しローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】二つ折りされ、又は筒状に成形された熱融
   着性ラミネート紙のロール体を支持する支持部を有し、
   その支持部から引き出されたラミネート紙の移送路に送
   りローラと、上記ラミネート紙を幅方向に帯状にヒート
   シールするヒータ装置と、シール後のラミネート紙を幅
   方向に切断して袋体を形成するカッタ装置と、形成され
   た袋体の搬送装置と、搬送装置によって送られてくる袋
   体に処方箋情報に基づく文字情報を打ち出す印字装置
   と、印字後の薬袋の送り出し装置とを順に設けた薬袋印
   字ユニットの複数を上下方向に配置した薬袋プリンタ装
   置。