JPH079638A - ポリオレフィンフィルム - Google Patents

ポリオレフィンフィルム

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JPH079638A
JPH079638A JP15660993A JP15660993A JPH079638A JP H079638 A JPH079638 A JP H079638A JP 15660993 A JP15660993 A JP 15660993A JP 15660993 A JP15660993 A JP 15660993A JP H079638 A JPH079638 A JP H079638A
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浩二 平田
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秀喜 梅川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フィルムの傷つき難さやヒートシール性に優れ
る他、フィルム同士の滑り性に著しく優れ、さらに包装
した際に内部が透視できないだけの適度な不透明性を有
するフィルムを開発すること。 【構成】ポリプロピレン90重量%〜70重量%好まし
くは90重量%〜75重量%と高密度ポリエチレン10
重量%〜30重量%好ましくは10重量%〜25重量%
との混合物の基層と、平均粒子径が0.5〜3μm、ゴ
ム硬度Aが30〜80度であるシリコーンゴム粒子を
0.05〜1重量%含有した上記基層より低融点のポリ
オレフィンの表面層とが積層されてなるポリオレフィン
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィンフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】食品等を包装する際にポリオレフィン製
のフィルムが使用される。こうしたポリオレフィンフィ
ルムには、通常、包装体の開封時にフィルムの除去が容
易に行えるようにフィルム同士が良好な滑り性を有する
こと、或いは包装体の外観を低下させないためにフィル
ムにこすれ傷がつきにくいことが要求される。また、こ
のポリオレフィンフィルムには、包装時に各包み片の固
定が簡易に行えるように、該フィルムがヒートシール性
を有することも要求される。
【0003】しかして、このような滑り性、傷つき難さ
に優れ、ヒートシール性を有するポリオレフィンフィル
ムとしては、例えば既に本特許出願人が提案した、平均
粒子径が0.5〜3μm、ゴム硬度Aが30〜80度で
あるシリコーンゴム粒子を0.05〜1重量%含有した
ポリオレフィンの表面層と、該ポリオレフィンよりも融
点の高い基層とが積層されてなるポリオレフィンフィル
ムが知られている(特開平4−220436号公報)。
ここで、該ポリオレフィンフィルムにおいて、基層を形
成する上記ポリオレフィンとしては、具体的には、プロ
ピレン単独重合体、エチレン含量が3モル%以下のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたポ
リオレフィンフィルムにより包装する被包装物が、おむ
すび等の水分含有量の高い物品の場合、該物品の包装体
では上記ポリオレフィンフィルムの各包み片が互いに重
なる部分において、その間隙に水分が浸透して両包み片
がぴったり付着し易い。その結果、こうした包装体で
は、包装の開封時において上記付着する両包み片の引き
剥しに必要以上の強い抵抗感が生じ、場合によっては、
包装されるおにぎり等の被包装物に無理な力がかかり該
物品にひび割れを生じさせてしまう。こうしたことから
上記おむすび等の水分含有量の高いものが被包装物であ
る場合、包装フィルムには、フィルム同士の滑り性が際
だって高いことが要求され、そのため前記したフィルム
表面層に特定のシリコーンゴム粒子が含有されるポリオ
レフィンフィルムにおいても、さらに該フィルム同士の
滑り性の向上が望まれていた。
【0005】また、かかるフィルム表面層に特定のシリ
コーンゴム粒子が含有されるポリオレフィンフィルム等
は、前記した通り基層の素材がプロピレン単独重合体等
の本来透明性の高い樹脂であることから、良好な透明性
を有している。ところが、こうした透明性の高いフィル
ムを前記おむすびの包装に用いた場合、得られるおむす
び包装体では、おむすびとフィルムの接触箇所が濡れた
ように透視され、外観が重視されるこの商品においてそ
の商品価値を低下させていた。
【0006】以上の背景から、フィルムの傷つき難さや
ヒートシール性に優れる他、上記の如くフィルム同士の
滑り性に一層優れ、さらに包装した際に内部が透視でき
ないだけの適度な不透明性を有するフィルムの開発が望
まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結
果、前記した如くのフィルム表面層に特定のシリコーン
ゴム粒子が含有されるポリオレフィンフィルムにおい
て、フィルムの基層を特定の組成比のポリプロピレンと
高密度ポリエチレンとの混合物とすることにより上記の
課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、ポリプロピレン90重量
%〜70重量%と高密度ポリエチレン10重量%〜30
重量%との混合物の基層と、平均粒子径が0.5〜3μ
m、ゴム硬度Aが30〜80度であるシリコーンゴム粒
子を0.05〜1重量%含有した上記基層より低融点の
ポリオレフィンの表面層とが積層されてなるポリオレフ
ィンフィルムである。
【0009】本発明のポリオレフィンフィルムにおい
て、基層となる層は、ポリプロピレン90〜70重量%
好ましくはポリプロピレン90〜75重量%と高密度ポ
リエチレン10〜30重量%好ましくは10〜25重量
%との混合物で形成される。ポリプロピレンのフィルム
は、一般的に、透明でありフィルム同士の滑り性も充分
なものではないが、かかるポリプロピレンと上記量の高
密度ポリエチレンとの混合物を、このようにフィルムの
基層とした場合、該フィルムは表面が粗面化されフィル
ム同士の滑り性が向上し、また、包装フィルムとした際
に内部が透視できないだけの適度な不透明性を有するも
のとなる。ここで、上記混合物の成分であるポリプロピ
レンは、特に制限されることなく公知のものが使用でき
る。具体的には、プロピレンの単独重合体の他、エチレ
ン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のプロピ
レンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体であって
も良い。本考案においてポリプロピレンは、メルトフロ
ーインデックス(以下、MFIと略する)=1.0〜
5.0g/10min(230℃)であるのが好まし
い。
【0010】一方、高密度ポリエチレンは、特に制限さ
れることなく公知のものが使用できる。具体的には、密
度=0.945g/cm3以上好適には0.945g〜
0.960/cm3で、MFI=0.05〜2.0g/
10min(190℃)であるものが、フィルムに不透
明性を付与する上で好ましい。
【0011】上記ポリプロピレンと高密度ポリエチレン
との混合物において、高密度ポリエチレンの量が10重
量%より少ない場合、フィルム表面の粗面化が不十分と
なりフィルム同士の滑り性が低下すると共にフィルムの
不透明感が不足する。一方、高密度ポリエチレンの量が
30重量%より多い場合、フィルムの製膜性が低下す
る。
【0012】次に、本発明のポリオレフィンフィルムに
おいて、上記基層には、平均粒子径が0.5〜3μm、
ゴム硬度Aが30〜80度であるシリコーンゴム粒子を
0.05〜1重量%含有した該基層より低融点のポリオ
レフィンの表面層が積層される。従って、本発明のポリ
オレフィンフィルムは、上記基層を形成する混合物の融
点より低く且つ表面層を形成するポリオレフィンの融点
以上の熱をかけることにより、該表面層のみをヒートシ
ールに供すことが可能である。なお、本発明で述べる低
融点のポリオレフィンとは、必ずしも熱分析で一概に明
確な融点のピークを示さなくても、基層の素材であるポ
リプロピレンと高密度ポリエチレンとの混合物と比べ
て、より低温で溶融するポリオレフィンであれば良い。
【0013】また、かかる表面層を形成するフィルムの
表面は、基層フィルムの表面が前記粗面化されているた
め、該基層フィルムの凹凸に応じて同様に凹凸を生じ粗
面化されている。しかして、本発明のポリオレフィンフ
ィルムにおいてかかる表面層には、前記の通りフィルム
に良好な滑り性を付与する特定の粒子径およびゴム硬度
Aを有するシリコーンゴム粒子が含有されているため、
本発明のポリオレフィンフィルムでは、該シリコーンゴ
ム粒子と前記フィルム表面の凹凸化が相乗的に作用し
て、その滑り性を著しく向上される。なお、こうした表
面層は、基層のいずれか一方の表面のみに形成しても良
いが、包装フィルムとして使用した際の操作性を勘案す
ると基層の両面に形成させるのが好ましい。
【0014】本発明において、表面層中に含有させるシ
リコーンゴム粒子は、平均粒子径が0.5〜3μm好ま
しくは1〜2μm、ゴム硬度Aが30〜80度好ましく
は35〜75度である。シリコーンゴム粒子の平均粒子
径が0.5μm未満のときは、滑り性の改良効果が乏し
く、逆に3μmを越える場合には、球形粒子を中心とし
たフィッシュアイが発生するためフイルムの外観上好ま
しくない。また、シリコーンゴム粒子のゴム硬度Aが3
0未満のときは、滑り性の改良効果が乏しく、逆に80
度を越える時は、該フィルム同士の接触時にこすれ傷が
つき易くなる。なお、ゴム硬度AはJIS K 630
1により測定した値である。
【0015】上記のシリコーンゴム粒子の形状は、特に
制限されないが、滑り性の改良を勘案すると球状である
ことが好ましい。市販のシリコーンゴム粒子は普通球状
であるため、市販品をそのまま使用すれば良い。
【0016】本発明のポリオレフィンフィルムにおい
て、上記表面層に含有されるシリコーンゴム粒子の含有
量は、0.05〜1重量%であり、0.1重量%〜0.
8重量%であることが好ましい。シリコーンゴム粒子の
配合量が0.05重量%未満のときは、滑り性の改良効
果が乏しく、配合量が1重量%を越えて添加しても、該
滑り性の改良効果の向上は望めない。
【0017】また、本発明のポリオレフィンフィルムに
おいて、表面層の素材樹脂である、基層より低融点のポ
リオレフィンとしては、特に制限されるものではない
が、好適には、その融点が該基層より10〜80℃低い
ものが良い。こうしたポリオレフィンを具体的に示せ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフ
ィンの単独共重合体、上記α−オレフィン同士の共重合
体、上記α−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン
以外の単量体とα−オレフィンとの共重合体、及びこれ
らの混合物等が何等制限なく採用される。上記のα−オ
レフィンと共重合可能なα−オレフィン以外の単量体と
しては、酢酸ビニル、マレイン酸等を挙げることができ
る。本発明においては、ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1
−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン
共重合体及びこれらのポリオレフィンを主成分とするブ
レンド物等を用いるのが最も好ましい。
【0018】本発明のポリオレフィンフィルムにおい
て、基層の厚みは、特に制限されるものではないが、通
常、10〜50μm好ましくは15〜30μmの範囲と
するのが一般的である。また、該基層の表面に積層され
る表面層の厚みは、特に制限されるものではないが、フ
ィルムに十分なヒートシール性を付与したりフイルム同
士の摩擦等によるシリコーンゴム粒子の欠落を防止し、
また、基層フィルムの表面の凹凸に起因する凹凸を十分
に生じさせ、フィルムの滑り性を向上させるためには
0.5〜5.0μm好ましくは0.5〜3.0μmさら
に好ましくは0.5〜2.0μmの範囲とするのが良
い。
【0019】本発明のポリオレフィンフイルムにおい
て、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとの混合物に
より形成される基層は、一軸方向、或いは一軸方向およ
び該一軸方向とほぼ直角の方向に延伸することが好まし
い。その場合、延伸倍率は一般には、一軸延伸の場合は
1.1〜8倍、二軸延伸の場合は一軸延伸の方向と直角
方向にさらに3〜12倍延伸するのが好適である。ま
た、この基層に積層される前記表面層も、同様に一軸方
向、或いは一軸方向および該一軸方向とほぼ直角の方向
に延伸しても良い。
【0020】本発明のポリオレフィンフイルムは、如何
なる方法により製造されても良い。一般には次のような
方法によって製造することができる。まず、基層となる
ポリプロピレンと高密度ポリエチレンの混合物を押出成
形によりシートとし、これを一軸方向に1.1〜8倍に
延伸して一軸延伸シートを得る。次いで、表面層を形成
するためにポリオレフィンをシート状に押出し、これを
上記の一軸延伸シート上に積層する。或いは、積層した
シートをさらに一軸延伸の方向とほぼ直角方向に3〜1
2倍延伸することにより本発明のポリオレフィンフイル
ムを得ることができる。なお、基層と表面層とを同時に
押出して積層し、これを上記と同様の方法にて一軸また
は二軸に延伸することも可能である。
【0021】本発明のポリオレフィンフイルムの基層及
び表面層には、プラスチックフイルムに通常添加するこ
とが知られている種々の添加剤、例えば、熱安定剤、酸
化防止剤、結晶核剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング
防止剤、抗菌剤、鮮度保持剤等を添加しても良い。なか
でも、フイルムの滑り性の向上のためには、表面層中へ
の滑剤の使用が好ましい。滑剤としては、高級脂肪酸ア
ミド類たとえば、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、
ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、N
−ステアリルエルカ酸アミド等が好ましく使用できる。
【0022】本発明のポリオレフィンフィルムは、特に
制限されものではないが、種々の物品に対する包装材料
として採用するのが好ましい。フィルム同士の滑り性に
極めて優れ、しかも、内部が透視できないだけの適度な
不透明性を有することを勘案すれば、水分含有量の高い
食品、特におむすびの包装フィルムとして用いるのが好
ましい。
【0023】図1に、本発明のポリオレフィンフィルム
を海苔で巻いて食べるおむすびの内包装フィルムとして
用いた場合の例を示す。
【0024】即ち、図1は、本発明のポリオレフィンフ
ィルムを内包装フィルムとして、海苔が巻かれて食べら
れるおむすびを包装した場合の横断面図である。図1に
おいて、おむすび1は、本発明のポリオレフィンフィル
ムからなる2a、2bの2枚の内包装フィルムにより、
その表面が覆われて包装されている。そして、上記2
a、2bの2枚の内包装フィルムは、おむすび上におい
て少なくとも一方(2a)の縁部が、内部に折り返し構
造になっており、おむすび表面の大部分は、この折り返
し片3と接触している。なお、図1において、4は、所
定箇所に破断部5を有する外包装フィルムであり、該外
包装フィルムと内包装フィルムは、各縁部の所定箇所で
ヒートシールにより接着され固定されている。また、こ
の外装フィルムと前記内包装フィルム2a、2bの間に
は、海苔6が収納されている。こうしたおむすび包装体
では、食用時に外包装フィルムの破断部5を引き裂き、
内装および外装の両包装フィルムを一緒にAおよびBの
相反する方向に引っ張りおむすびから除去することによ
り、簡単に海苔で巻かれたおむすびが出来上がる。この
時、内包装フィルム2aの折り返し片3では、フィルム
はおむすび上を上記引っ張り方向(A方向)に単にすべ
り取られるのではなく、おむすびから引き剥がされる形
になる。従って、かかる折り返し片3は、表面の粘着性
が高いおむすびを包装しているにもかかわらず容易にお
むすび3の表面から剥離させることができる。
【0025】一方、この折り返し片3は、おむすび1の
水分により湿潤状態で、内包装フィルム2aの該折り返
し片に対向する面に密着している。ところが、内包装フ
ィルム2aは、前記した通りフィルム同士の滑り性が極
めて良好な本発明のポリオレフィンフィルムで構成され
ているため、この折り返し片3は、前記フィルムの引き
取り時において、容易に内包装フィルム2aの対抗面上
を滑動する。その結果、かかるおむすび包装体では、小
さい抵抗力で容易に内包装フィルムをおむすびから引っ
張り取ることが可能になる。
【0026】また、かかるおむすび包装体では、外包装
フィルム4として透明度の高いフィルムを用いている場
合においても、内包装フィルム2a、2bが適度な不透
明性を有しているため、内部のおむすびが透視されず、
該おむすびが濡れた感じで見えて外観を損ねることがな
い。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリオレフィンフイルムは、フ
ィルムの傷つき難さやヒートシール性に優れる他、フィ
ルム同士の滑り性に著しく優れ、さらに包装した際に内
部が透視できないだけの適度な不透明性を有する。従っ
て、例えばおむすびを包装した際には、包装の開封時に
おいて、おむすびの取り出しが非常にスムーズに行え、
また、かかる開封時におむすびに無理な力がかかってお
むすびがひび割れることがない。しかも、内部が透視で
きないだけの適度な不透明性を有するため、上記おむす
び等を包装した際に、該おむすびが濡れた感じで透視さ
れてその商品価値を低下させるようなことがない。さら
に、そのヒートシール性を利用して自動包装機による包
装にも使用することができる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するために実
施例および比較例を挙げるが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。なお、以下の実施例および比
較例におけるフイルム物性の測定は下記の方法により行
った。
【0029】(1)ヘイズ JIS K 6714に準じて測定した。
【0030】(2)耐スクラッチ性 20cm×30cmに切ったフイルムを2枚重ね合わ
せ、一枚を下方に固定し、一枚を上方とした。上フイル
ムに4.6kgのおもりをのせて、下フイルムと10c
m×10cmの面積で接触させ、上フイルムを水平に移
動させることによって20cm間を往復2回こすり合わ
せた。操作の前後でヘイズを測定し、その差が0%以上
〜3%未満を○、3%以上〜10%未満を△、10%以
上を×とした。
【0031】(3)滑り性 フイルム製膜後、40℃で3日間養生後にASTM−D
−1894の動摩擦係数測定法に準拠して測定した。
【0032】(4)ヒートシール性 5×200mmのヒートシールバーを用い、各設定温度
において、ヒートシール圧力1Kg/cm2 、ヒートシ
ール時間1.0秒の条件でシールした試料から15mm
幅のサンプルを切り取り、引張り試験機を用いて引張り
速度100mm/分で測定した。結果は5サンプルの平
均値とした。
【0033】(5)おむすびの開封性 外包装フィルムとして、厚み20μmの両面ヒートシー
ル性ポリプロピレン二軸延伸フイルムを用いた。なお、
この外包装フィルムには、開封時の破断部としてホット
メルト剤が塗工された幅3mmの開封テープ部が設けら
れている。内包装フィルムとして、各テスト用フイルム
を使用し、インパルスシール機および簡易型アイロンを
用いて、図1に示すような構造のおむすび包装フィルム
を作成した。かかるおむすび包装フィルムにより市販の
おむすびを図1の如く実包した。実際におむすびを開封
して、おむすびの開封性を評価した。各テスト用フイル
ムは、それぞれ10個のおむすびで評価し、おむすびが
開封時に割れるか否かで5段階評価を行った。
【0034】5点:割れたおむすびが0個 4点: 〃 1個〜2個 3点: 〃 3個〜4個 2点: 〃 5個〜6個 1点: 〃 7個〜10個 (6)おむすびの透視性 各テスト用フイルムを市販のおむすび表面に当着し、該
フィルムをとおしておむすびの表面が透視できるかを観
察した。フィルムが不透明でおむすびが透視できないも
のを○、おむすびが透視され表面が濡れた感じで観察さ
れるものを×として評価した。
【0035】実施例1 230℃におけるメルトフローインデックス=2.0g
/10分のポリプロピレン80重量%と190℃におけ
るメルトフローインデックス=1.0g/10分、密度
=0.955g/cm3の高密度ポリエチレン20重量
%との混合物をTダイ押出機を用いて240℃の樹脂温
度でシート状に押出し、60℃に維持されたチルロール
により冷却固化し、厚み1.1mmのシートを作成し
た。
【0036】230℃におけるメルトフローインデック
ス=8.0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体
79.4重量%、プロピレン−ブテン共重合体20重量
%、平均粒子系1.2μm、ゴム硬度A=40度のシリ
コーンゴム球体粒子0.3重量%及びエルカ酸アミド
0.3重量%の混合物を押出機により230℃で押出
し、ペレット化してポリオレフィン系樹脂組成物を得
た。
【0037】次に上記したシートを加熱ロール延伸機に
より150℃で4.8倍延伸し、230μmの一軸延伸
シートを得た。先のポリオレフィン系樹脂組成物をTダ
イ押出機を用いて230℃の樹脂温度でシート状に押出
し、一軸延伸シートと70℃に保ったロール上で貼合わ
せ240μmの二層シートを得た。
【0038】さらに、この二層シートのうち一軸延伸シ
ート面側に同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成物を
貼合わせ250μmの三層シートを得た。
【0039】ひき続き、この三層シートを横延伸機を用
いて、160℃において10倍延伸し、ポリプロピレン
と高密度ポリエチレンの混合物からなる基層が23.0
μm、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる表面層が各
1.0μmで、全体の厚みが25.0μmのポリオレフ
ィンフイルムを得た。得られたポリオレフィンフイルム
についてヘイズ、耐スクラッチ性、滑り性、ヒートシー
ル性、おむすびの開封性、おむすびの透視性を測定し、
その結果を表2に示した。
【0040】実施例2 実施例1において、基層の樹脂組成を表1に示されるも
のに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリオレフ
ィンフイルムを得た。得られたポリオレフィンフイルム
についてヘイズ、耐スクラッチ性、滑り性、ヒートシー
ル性、おむすびの開封性、おむすびの透視性を測定し、
その結果を表2に示した。
【0041】実施例3 実施例1において、表面層に含有させるシリコーンゴム
球体粒子を表1に示されるものに変更した。またTダイ
押出機の押出量を調節することにより基層と表面層の厚
み構成を変更して、実施例1と同様にして全体の厚みが
25.0μmのポリオレフィンフイルムを得た。得られ
たポリオレフィンフイルムについてヘイズ、耐スクラッ
チ性、滑り性、ヒートシール性、おむすびの開封性、お
むすびの透視性を測定し、その結果を表2に示した。
【0042】実施例4〜6 実施例1において、表面層に含有させるシリコーンゴム
球体粒子を表1に示されるものに変更した以外は、実施
例1と同様にしてポリオレフィンフイルムを得た。得ら
れたポリオレフィンフイルムについてヘイズ、耐スクラ
ッチ性、滑り性、ヒートシール性、おむすびの開封性、
おむすびの透視性を測定し、その結果を表2に示した。
【0043】比較例1 実施例1において、230℃におけるメルトフローイン
デックス=2.0g/10分のポリプロピレンをTダイ
押出機を用いて240℃の樹脂温度でシート状に押出し
て基層を形成した以外は、実施例1と同様にしてポリオ
レフィンフイルムを得た。得られたポリオレフィンフイ
ルムについてヘイズ、耐スクラッチ性、滑り性、ヒート
シール性、おむすびの開封性、おむすびの透視性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0044】比較例2〜4 実施例1において、表面層中に含有させる粒子を、平均
粒子径1.2μmの粉砕シリカ粒子、平均粒子径2.0
μmの非溶融型シリコーン樹脂球体粒子または平均粒子
径1.2μm、ゴム硬度A=20度のシリコーンゴム球
体粒子に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリオ
レフィンフイルムを得た。得られたポリオレフィンフイ
ルムについてヘイズ、耐スクラッチ性、滑り性、ヒート
シール性、おむすびの開封性、おむすびの透視性を測定
し、その結果を表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のポリオレフィンフィルムを内
包装フィルムとして、海苔で巻かれて食べられるおむす
びを包装した場合の横断面図である。
【符号の説明】
1:おむすび 2a、2b:内包装フィルム 3:折り返し片 4:外包装フィルム 5:破断部 6:海苔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン90重量%〜70重量%と
    高密度ポリエチレン10重量%〜30重量%との混合物
    の基層と、平均粒子径が0.5〜3μm、ゴム硬度Aが
    30〜80度であるシリコーンゴム粒子を0.05〜1
    重量%含有した上記基層より低融点のポリオレフィンの
    表面層とが積層されてなるポリオレフィンフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08269262A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Showa Denko Kk ポリプロピレン系樹脂組成物
EP0731750A4 (en) * 1993-12-01 1998-04-29 Mobil Oil Corp ORIENTED HDPE FILMS WITH SURFACE COATINGS
JP7316471B1 (ja) * 2023-01-18 2023-07-27 サン・トックス株式会社 二軸延伸ポリプロピレン系フィルム

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