JPH0796332B2 - 光記録方法 - Google Patents

光記録方法

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JPH0796332B2
JPH0796332B2 JP61241784A JP24178486A JPH0796332B2 JP H0796332 B2 JPH0796332 B2 JP H0796332B2 JP 61241784 A JP61241784 A JP 61241784A JP 24178486 A JP24178486 A JP 24178486A JP H0796332 B2 JPH0796332 B2 JP H0796332B2
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light
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英一 小林
光孝 宮林
豊史 大橋
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Description

【発明の詳細な説明】 1) 発明の分野 情報をエネルギーの印加により記録し、かつ記録された
部分の光学的変化を利用して再生する光記録方法に関す
る。特に、有機高分子を記録素子とする記録媒体に永久
記録する技術に関する。
2) 発明の背景 光記録は、媒体と書き込みないし読み出しヘッドが非接
触であるので、記録媒体が摩耗、劣化しないという特徴
を有する。
さらに、レーザ光線等を集束した光ビームを用いて記録
することで高密度記録が可能となる。さらに高速で情報
の書き込み、読みとりができること、アクセスタイマが
短いことなどの特徴を有する。
さらに、このような記録媒体への記録は、記録すべき情
報を電気的な時系列信号に変換し、その信号に応じて強
度変調されたレーザビームでその記録媒体上を走査させ
て行うことができ、この場合にはリアルタイムで記録画
像を得られるという利点がある。
かかる特徴を有する光記録媒体としては、Te,Bi,As−Te
−Seなどの金属薄膜にレーザー光を集光して照射し、照
射部分を局部的に蒸発させてピットを形成して記録する
媒体がある。再生にはピットの有無を反射光で読み出
す。
しかし、この記録媒体は情報の記録に大きなパワーのレ
ーザ光線を要するといったこと、又ピットの形状制御が
難しくノイズレベルが高くなりやすいことなどの問題点
を有する。また、この記録媒体は、記録した情報を消去
して、再び新しい情報を記録する可逆性を有していな
い。
一方、記録、再生、消去が可能な光記録として、Gd−C
o,GdTbFeなどの希土類−遷移金属系の非晶質合金を光記
録媒体として用いた光磁気記録がある。これは、レーザ
による加熱と外部印加磁界を併用して記録し、磁化の向
きによる光の振動面の回転方向の違いを利用して再生す
るものである。とくに光記録媒体に対して磁化が垂直に
なる垂直光磁気記録が高密度記録の点ですぐれている。
記録された情報の消去は、レーザによる加熱と記録時と
は、逆の向きの外部印加磁界を加わえることによってな
される。
しかし、この光磁気記録媒体は、再生時の感度が悪くS/
Nが悪いといった欠点、酸化による記録の安定性に不安
があるといった欠点を有している。
また、記録、再生、消去が可能な光記録として、Te−Te
O2薄膜を光記録層として用い、これの結晶、非晶間の相
転移を利用した光記録がある。
しかし、Te系媒体は毒性に関し問題があること、記録部
と未記録部のコントラストが充分でないといった問題点
を有している。
さらに、上述の光磁気記録媒体や、Te−TeO2薄膜等は、
記録、再生、消去が可能であるが、逆に記録した情報を
永久に保存しておきたいときに、誤って情報を消してし
まう恐れがあった。
本発明者らは、こうした状況に鑑み、同じ光記録媒体を
用いて、記録・再生・消去を行なったり、また、必要に
応じて情報を永久に保存したい時には実質的に消去ので
きない記録を行うことのできる光記録方法を鋭意検討し
てきた。
その結果、本発明に到達したものである。
3) 発明の概要 本発明は、数平均分子量400ないし500,000の下記構造式
(1)で表わされる基を繰り返し単位とする結晶性芳香
族ビニレンスルフィド重合体を光学的記録素子とする光
記録媒体に、芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶が
ほぼ完全に消去する量のエネルギーを印加することによ
って情報を永久記録することを特徴とする光記録方法で
ある。
〔式中、m,nは1〜5の整数である。R1,R2,R3,R4,R5,
R6,R7,R8は水素、ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基
など任意の置換基で、それぞれ同一であっても異なって
いてもよい。m又はnが2以上であるとき、多フェニル
基中の各フェニル基の構造及び置換基は同一であっても
異なっていてもよい。〕 4) 発明の具体的説明 (1) 芳香族ビニルスルフィド重合体 本発明の光記録方法で、光学的変化素子として用いられ
る芳香族ビニレンスルフィド重合体は、繰り返し単位の
構造及び分子量によって特徴づけられる。また、本発明
の芳香族ビニレンスルフィド重合体はさらに結晶性を有
しうることで特徴づけられる。
本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体は上記(1)
の構造式であらわされる基を繰り返し単位とする。
本発明に用いる芳香族ビニレンスルフィド重合体は、m,
nが1〜5の整数となるものが使用される。m,nが1〜3
の整数であることが好ましく、m=n=2ないしm=n
=1であることがさらに好ましく、m=n=1であるこ
とがとくに好ましい。
多フェニル基としてはベンゼン環どうしが任意の位置で
結ばれているものを含むか、ベンゼン環がパラの位置で
結合したものがとくに好ましい。たとえばターフェニル
基としては、 が好ましい。
また、ビニレン基はベンゼン環、多フェニル基の任意の
位置についているものを含む。ベンゼン環に対してはビ
ニレン基が互いにメタないしパラの位置で結合している
ものが好ましく、とくにパラの位置で結合しているもの
が好ましい。多フェニル基を対してはたとえばビフェニ
ル基を例にとるなら が好ましく、とくに が好ましい。
ターフェニル基に対しては が好ましくとくに が好ましい。
スルフィド基は、ベンゼン環、多フェニル基に対して互
いに任意の位置についているものを含むが、その好まし
い位置については上述のビニレン基について述べた位置
と同様である。
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8は、水素、ハロゲン、炭素数
1〜12のアルキル基など任意の置換基で、それぞれは同
一であっても異なっていてもよい。
1〜8の置換基の例としては、水素、ハロゲン、炭素
数1〜12のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基、
ヒドロキシ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アル
デヒド基があげられる。
水素、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン、アミノ
基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ヒド
ロキシ基、カルボキシ基が好ましい置換基の例であり、
水素、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲンが、さらに
好ましい置換基の例であり、水素、メチル基、ハロゲン
がとくに好ましい置換基の例である。
置換基は本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体から
引きだそうとする機能により選択することができる。ま
た、モノマーの合成のしやすさなどの観点からは、R
1〜8のすべてが水素であることがとくに好ましい。
1〜4は水素ないし電子吸引性の置換基を、R5〜8
は水素ないし電子供与体の置換基を選択するのもの反応
性などの観点で好ましい。
なお、本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体は、上
述の構造式(1)であらわされる基を繰り返し単位とす
るが、構造の異る2種以上の繰り返し単位を含むもので
あってもよい。
また、小割合(通常10モル%以下、好ましくは5モル%
以下、さらに好ましくは2モル%以下)の他の結合、た
とえば のような構造式(1)以外の結合の存在を否定するもの
ではない。
更に、本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体の末端
構造としてはエチニル基又はメルカプト基である。
本発明に用いる芳香族ビニレンスルフィド重合体は、そ
の数平均分子量が400ないし500,000、好ましくは800〜1
00,000、さらに好ましくは900〜15,000であり、特に好
ましくは950〜9,500である。
本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体の分子量は、
分子末端がエチニル基やチオール基の重合体に塩化第一
銅等の金属化合物を添加すると末端が金属化された重合
体になるが、この金属を定量することや、蒸気圧浸透圧
法(VPO)により決めることができる。
(2) 光記録媒体の構成と製造 本発明の光記録媒体は基板上に本発明の芳香族ビニレン
スルフィド重合体薄膜を形成することによって得られ
る。
本発明に用いられる基板は、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリカーボネートなどの透明なプラスチック基板、
あるいはガラス等の透明な無機材料基板などである。
また、偏光子としての機能を有する基板を用いることも
できる。
更に基板の上方からのみ、光を照射して情報を記録ま
た、読みとる場合はアルミニウム合金基板などの不透明
基板を用いることもできる。
光記録層を構成する芳香族ビニレンスルフィド重合体薄
膜の膜厚は特に限定するものではないが通常10Å〜100
μmである。
基板上に光記録層として用いられる上述の芳香族ビニレ
ンスルフィド重合体は、下記構造式(2)及び(3)に
示す構造の化合物の付加重合により合成することができ
る。
〔R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8は、水素、ハロゲン、炭素
数1〜12のアルキル基など任意の置換基でそれぞれは同
一であっても異なっていてもよい。m,nは1〜5の整数
である。
n又はmが2以上であるとき、多フェニル基中の各フェ
ニル基の構造及び置換基は同一であっても異なっていて
もよい〕 好ましいm,nの値、多フェニル基の構造、ビニレン基、
チオール基のベンゼン環、多フェニル基への結合の位
置、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8の置換基の種類について
は、芳香族ビニレンスルフィド重合体の構造についての
説明で好ましいとしたものが、対応する化合物(2)な
いし(3)においても好ましい。
基板上に上述の芳香族ビニレンスルフィド重合体薄膜を
得る方法としては、たとえば基板上に化合物(2)及び
(3)を同時に蒸着させて化合物(2)と(3)の混合
蒸着薄膜を形成させ、これに活性光線を照射し重合させ
ることで得る方法がある。とくに基板上に結晶性にすぐ
れた上述の芳香族ビニレンスルフィド重合体薄膜を得る
ためには、この方法を用いるのが好ましい。
また、基板上にスピンコート法、ディップ法、キャスト
法等により化合物(2)と(3)の混合物の溶液を塗布
した後乾燥させ、これに活性光線を照射して重合させる
ことで基板上に上述の芳香族ビニレンスルフィド重合体
薄膜を得る方法もある。
活性光線とは可視光線、紫外線、γ線、X線等の電磁
波、電子線、中性子線等をいう。
反応の手段として化合物(2)及び(3)の混合物にベ
ンゾイルパーオキサイドの如きラジカル発生剤を加える
ことによっても得ることができる。更に微量の酸素を存
在させて重合を行なうこともできる。
本発明の光記録媒体は、本発明の芳香族ビニレンスルフ
ィド重合体、好ましくは結晶性芳香族ビニレンスルフィ
ド重合体を光記録層として有することに特徴があり、そ
の構成について特に限定するものではない。
(3) 光記録方法 上述の(1)式を繰り返し単位とする芳香族ビニレンス
ルフィド重合体は、すぐれた結晶化度を有するものか
ら、まったくの非晶体のもの迄巾広い結晶化度を取り得
る。
その結晶化度はたとえばX線回折における結晶ピーク強
度で確認することができる。
本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶部の構
造は、現在解析中であるが、構造式(1)であらわされ
る繰り返し単位の規則的なコンフォメーションの配列及
びパッキングにより結晶構造を有するものと考えられ
る。
この本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体の有する
巾広い結晶化度を、熱、光等の外部エネルギーを印加す
ることで制御することができる。
さらに、この本発明の芳香族ビニレンスルフィド重合体
の結晶化度、すなわち分子配列の規則性の程度により、
芳香族ビニレンスルフィド重合体の光吸収スペクトル、
複屈折性、屈折率などの光学的特性が異なる。
したがって、この本発明の芳香族ビニレンスルフィド重
合体の結晶化度を、熱、光等の外部エネルギーを印加す
ることにより制御することで芳香族ビニレンスルフィド
重合体の光学的特性を制御することができる。
すなわち、本発明は芳香族ビニレンスルフィド重合体を
光学的変化素子として用い、この光学的変化を利用して
記録を行なうものである。
すなわち、上述の(1)式を繰り返し単位とする芳香族
ビニレンスルフィド重合体を光記録層として用い、この
芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶化度の異なる多
数の安定状態ないしは準安定状態のうちの2つの状態を
選択し、一方を未記録状態に、残りの他を記録状態に設
定する。
この未記録状態にエネルギーを印加して記録状態を誘起
することにより情報が記録される。
しかして、本発明芳香族ビニレンスルフィドは、その結
晶はほぼ完全に消去せしめた場合、再結晶化が起り難い
ことが判明した。これを利用することにより永久記録を
行なうことができる。
本発明で永久記録とは、消去可能な記録に対して使用さ
れるもので、消去を目的としない記録を意味する。
従って、記録した情報を永久に保存する時、さらには、
記録された情報を誤って消去したりできないような記録
とするときに利用される。
本発明記録媒体を用いて永久記録するときは、光記録層
の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶を有す
る状態(C相とする)を未記録状態に、また、結晶が消
失する状態を記録状態に設定する。
光記録層の芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶の消
失する状態とは、たとえばX線回折にて鋭い結晶ピーク
が認められない状態を指す。
通常は、記録前の光記録層の芳香族ビニレンスルフィド
重合体の結晶のX線回折における最大回折ピーク強度に
対して3%未満、好ましくは2%以下、さらに好ましく
は1%以下、とくに好ましくは0.5%以下の回折強度の
状態をいう。
このように結晶部を有する未記録状態と、非晶性の記録
状態を設定することで、下記(3)式に示した方法で実
質的に不可逆な記録を行なうことができる。
本発明の記録に用いる外部エネルギーとしては、光学的
エネルギー、熱的エネルギー、電気的エネルギー、力学
的エネルギーなどが用いられるが、印加するエネルギー
を局部的に絞り込むことができ高密度記録を可能にする
という意味で、光学的エネルギーが好ましい。光学的エ
ネルギーを用いる場合、光のフォトン効果を利用して記
録する場合と、ヒートモードを利用して記録する場合を
選択して用いることができる。
光学的エネルギーを印加する光源としては紫外〜可視〜
赤外領域に発振波長をもつ各種半導体レーザ、気体レー
ザ、色素レーザなどレーザやキセノンフラッシュランプ
などの各種パルス発生ランプなどを用いる。
永久記録を行なう場合には、結晶の消失が進行する波長
を選択し、かつ光学的エネルギーの量をある一定量以上
として光照射することにより行なうことができる。
また、光学的エネルギーをある一定量以上にして光照射
し、かつその光学的エネルギーを熱エネルギーに変え
て、その熱エネルギーにより結晶を消失させて永久記録
を行なうことができる。
また、本発明記録媒体は、永久記録に併せて、記録され
た情報を消去して、再び新しい情報を記録する一時記録
を行なうこともできる。
従って、情報を記録する際、光学的エネルギーを制御す
ることによって、永久記録部と一時記録部を混成するこ
とができる。
一時記憶を行なうには、光記録層の芳香族ビニレンスル
フィド重合体の結晶が消失しない範囲に、2つの結晶化
度の異なる安定状態(ないし準安定状態)を設定し、そ
のうちの一つを未記録状態に、他を記録状態に設定す
る。
光記録層の芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶の消
失しない範囲とは、たとえばX線回折において鋭い結晶
ピークが認められる範囲をさす。
通常は、記録前の光記録層の芳香族ビニレンスルフィド
重合体の結晶のX線回折における最大回折ピーク強度に
対して3%以上、好ましくは5%以上、さらに好ましく
は7%以上の回折強度を有する範囲をいう。
光記録層の芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶の消
失しない範囲に、結晶化度の異なる2つの状態(結晶化
度の高い状態をC相、結晶化度の低い状態を4相とす
る)を設定する限り、下記(2)式に示した方法で、2
つの状態を可逆的に誘起して、情報の記録及び消去を行
なうことができる。
(hν1,hν=特定波長の光を照射してフォトン効果
で相転移を誘起することを示す。
ΔH=光の熱エネルギーにより相転移を誘起することを
示す。) このように本発明の光記録方法は、光記録層に結晶性芳
香族ビニレンスルフィド重合体薄膜を用い、情報により
変調された外部エネルギー、特に好ましくは光学的エネ
ルギーを光記録層に集束照射して、記録された情報を永
久に保存する目的で、実質的に消去のできない記録を行
なう方法を提供するものである。
また、記録された情報を消去して、再び新しい情報を記
録することができる記録方法を併用できる記録方法を提
供するものである。
(4) 記録の再生 記録された情報は、上述の光記録層として用いた芳香族
ビニレンスルフィド重合体薄膜の2つあるいは2つ以上
の安定状態ないしは準安定状態の光学的特性の違いを利
用して再生する。
たとえば、芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶化度
の異なる2つの状態の光反射率の違い、ないしは光吸収
係数の違いを利用して再生することができる。
すなわち、情報を記録してある光記録層に光を照射し、
光記録層にて反射された光の強度で情報を読みとる。あ
るいは情報を記録してある光記録層に光を照射し、光記
録層にて吸収されてでてくる光の強度で情報を読みと
る。この時、記録部と未記録部の光反射率あるいは光吸
収係数の差が大きい程再生時のS/N比を大きくとること
ができる。
記録の再生には、光記録層として用いる芳香族ビニレン
スルフィド重合体薄膜の結晶化度の異なる2つの状態
(C相とA相)の光吸収(反射)スペクトニルの短波長
側のスペクトル端以上で、長波長側のスペクトル端以下
の波長の光を用いることができる。
また、芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶化度の違
いによる複屈折率の差を利用して再生することもでき
る。
偏光子の上に本発明の光記録層を積層し、この偏光子の
振動面に垂直な面で振動する偏光をこの光記録層に照射
すると、光記録層の非晶相を通過した光は偏光子により
消光するが、異方性結晶相を通過した光は偏光子を透過
する。この結晶相と非晶相の光の透過強度により情報を
再生することができる。
以下、実施例を上げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 真空蒸着装置を用い、ボートにp−ジエチニルベンゼン
とp−ベンゼンジチオールの粉末結晶の等モル混合物0.
134gを入れ、排気操作により蒸着室を0.5Torrの真空度
とした。さらに蒸発源を60℃に加熱して30秒間昇華させ
て石英製ガラス基板上にp−ジエチニルベンゼンとp−
ベンゼンジチオールの混合蒸着モノマーの結晶薄膜を形
成した。この混合蒸着モノマーの結晶薄膜を60℃に保持
すると共に高圧水銀ランプ(300W)で紫外線を12分間に
渡って照射した。
かくして得られたp−ジエチニルベンゼンとp−ベンゼ
ンジチオールとの付加重合体結晶は、そのX線回折図に
おいて2θ=14゜(d=7.73Å)に鋭い最大結晶ピーク
を有している。
又、上記重合体の数平均分子量は銅アセチリド法では30
00であった。上記重合体を元素分析、赤外吸収分析、X
線回折等で測定した結果、 を繰り返し単位とする結晶化度がほぼ100%のジエチニ
ルベンゼンとベンゼンジチオールの結晶性重付加体と認
められた。
かくして石英製ガラス基板上に光記録層として を繰り返し単位とする芳香族ビニレンスルフィド重合体
結晶薄膜(厚み10.6μm)を形成した光記録媒体を得
た。この光記録媒体の光記録層に回折格子照射分光器に
て分光した波長567.8nmの光を10mJ/cm2のエネルギーだ
け照射した。この照射により光記録層に用いた芳香族ビ
ニレンスルフィド重合体結晶のX線回折図における2θ
=14゜(d=7.73Å)の最大結晶ピークのピーク強度が
増加した。増加後のピーク強度に対応する結晶化度を有
する状態をC相とする。このC相の状態を未記録の光記
録層の状態とする。
これに回折格子照射分光器にて分光した波長578.1nmの
光を15mJ/cm2のエネルギー密度で照射することで、X線
結晶化度が低下した。すなわちX線回折図において2θ
=14゜(d=7.73Å)における結晶回折ピークのピーク
強度は、未記録の記録層のピーク強度に対して相対強度
で30%迄低下した。この状態をA相とする。A相の状態
を記録した後の光記録層の状態とする。
A相とC相の光反射スペクトルにおける反射率の差は10
%前後で、この光反射率の差を利用して記録を良好に再
生することができる。
つぎに、上述の記録後の光記録層に回折光子照射分光器
にて分光した56.8nmの光を照射して;X線回折図における
2θ=14゜(d=7.73Å)の結晶ピークのピーク強度
が、記録前のピーク強度になる迄増加させた。かくして
記録部のA相をC相に戻すことができる。すなわち記録
を消去することができる。
このようにして記録、再生、消去を繰り返し実施するこ
とができた。
つぎに、この光記録媒体の光記録層に回折格子照射分光
器にて分光した波長799.0nmの光を、光記録層に用いた
芳香族ビニレンスルフィド重合体結晶のX線回折図にお
ける2θ=14゜(d=7.73Å)の最大結晶ピークが消失
する迄、照射した。
この光記録層として用いた芳香族ビニレンスルフィド重
合体の結晶ピークの消失する状態を、記録した後の状態
とすると、記録する前の状態(C相)と、この記録後の
状態との光反射率の差は20%前後であり、良好に再生す
ることができた。
また、この記録した後の光記録層の状態に、回折格子照
射分光器にて分光した波長567.8nmの光を10mJ/cm2のエ
ネルギーだけ照射したが、光記録層に用いた芳香族ビニ
レンスルフィド重合体は非晶のままで少しも変化しなか
った。
すなわち、記録した状態を実質的に消去できない様に、
記録することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−194250(JP,A) 特開 昭63−95993(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量400ないし500,000の下記構造
    式(1)で表わされる基を繰り返し単位とする結晶性芳
    香族ビニレンスルフィド重合体を光学的記録素子とする
    光記録媒体に、芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶
    がほぼ完全に消失する量のエネルギーを印加することに
    よって情報を永久記録することを特徴とする光記録方
    法。 〔式中、m,nは1〜5の整数である。R1,R2,R3,R4,R5,
    R6,R7,R8は水素、ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基
    など任意の置換基で、それぞれは同一であっても異なっ
    ていてもよい。m又はnが2以上であるとき多フェニル
    基中の各フェニル基の構造及び置換基は同一であっても
    異なっていてもよい。〕
JP61241784A 1986-10-11 1986-10-11 光記録方法 Expired - Lifetime JPH0796332B2 (ja)

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