JPH0796044B2

JPH0796044B2 - 打球練習装置

Info

Publication number: JPH0796044B2
Application number: JP4214499A
Authority: JP
Inventors: 光雄浦
Original assignee: 光雄浦
Priority date: 1992-04-22
Filing date: 1992-07-20
Publication date: 1995-10-18
Anticipated expiration: 2010-10-18
Also published as: US5332225A; JPH06237A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフやゲートボール
等の打球競技におけるスイング練習、特にゴルフパター
のストローク練習に適したフェース角度表示式の打球競
技練習装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ゴルフクラブ等のスイングの練習
において、スイング軌道の検出やインパクト時のフェー
ス角度を検出表示することにより、ストロークの癖を分
析して適正なフォームに矯正するための電子式のゴルフ
練習装置が知られている。

【０００３】第１のタイプとして、クラブヘッドの予想
軌道付近に埋め込んだり立設した光センサ等により、ボ
ールインパクトの前後におけるクラブヘッドのスピード
やフェース角度を検出し、その電気信号をアナログ表示
又はデジタル表示として視覚的に表示するものがある。

【０００４】第２のタイプとして、クラブ側にセンサを
配設するタイプのものがある。これはフェースのスィー
トスポット部に感圧センサを埋め込み、インパクト時の
衝撃力や方向を検出してその電気信号を有線又は無線に
より、離れた場所に設置した表示装置に出力し、視覚的
表示を行うものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの練習
装置のうち、第１のタイプのものは、クラブ本体の動き
を器具の外方で検出するため、正確なフェース角度を検
出することは困難であるとともに、インパクト点付近で
の検出に限定されるため、アドレスからバックスイン
グ、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォロース
ルーに至るストローク全体を通じたクラブヘッドの状態
を知ることはできないものであった。また、複数個の光
センサ、磁気センサ等をティーやカップおよびクラブヘ
ッドの通過予想ラインに沿って、一定間隔で配設した構
造すなわちティーやカップとともに各種センサを配設し
た練習用マットや練習用の床構造を用意しなければなら
ないため、装置が大型かつ複雑となり、また移動・運搬
に不適当なものであった。

【０００６】更に、第２のタイプのものは、検出精度は
第１のタイプの外部センサ方式のものに比べて正確では
あるが、インパクト時の瞬間的なデータだけが検出され
るだけである。従って、ストローク中のクラブの動き、
例えばシャフト回動によるフェースのブレ特徴を知るこ
とはできないものである。また、ボールがフェース中央
のセンサに正しくインパクトしなければその状態を正確
に信号出力できないため、上手に一定したスイングをし
なければデータ検出が出来ないことになり、ゴルフスイ
ングに不慣れな初心者ほどむしろ適切な練習ができない
という、練習器具の目的に反する結果にもなっていた。

【０００７】本発明は、かかる課題を解消するためにな
されたもので、その目的は、ゴルフクラブ等のシャフト
の軸回転の動きを検出するにより、フェース角度の変化
を表示するための打球練習装置を提供することにある。

【０００８】本発明の他の目的は、バックスイングから
インパクトまでのシャフトの一連の軸回転変化を、連続
的に又は瞬間的に検出表示することのできる打球練習装
置を提供することにある。

【０００９】本発明の更に他の目的は、打球面（フェー
ス）の非常に微細な回動変化も検出表示することのでき
る打球練習装置を提供することにある。

【００１０】本発明の更に他の目的は、ゴルフクラブ等
の打球具本体の外観及びスイングバランスを損なわなう
ことのない打球練習装置を提供することにある。

【００１１】本発明の更に他の目的は、任意の場所で練
習できるとともに、運搬・携帯に便利なコンパクトサイ
ズの打球練習装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るコンパクトな打球練習装置は、シャ
フトの中空部内に着脱装填可能なカートリッジに、ジャ
イロ機構、該ジャイロ機構からの信号を増幅するための
増幅回路、無線送信回路及び駆動用電源回路とを収納配
設し、一方、打球具本体から分離した受信機ボックスに
は無線送信回路からの信号を受信する無線受信回路、増
幅回路、受信した信号に基づき打球面のブレ角度を表示
する表示メータを有する表示回路及び駆動用電源回路と
を収納配設してなることを特徴とする。

【００１３】

【実施例】以下、本発明に係る打球練習装置を、図面に
示した実施例に基づき更に詳細に説明する。図におい
て、１は打球具本体であり、実施例ではパターを示して
いる。

【００１４】２は該打球具本体１におけるスチール製等
の筒状シャフトであり、その先端にはヘッド３が固定さ
れているとともに、基端部にはラバーグリップ４及びグ
リップエンド４ａが装着されている。３ａはヘッド３に
おけるフェースである。

【００１５】５はプラスチック製等の略筒状の収納用カ
ートリッジであり、シャフト２のグリップ中空部に着脱
装填可能な寸法に形成されている。而して、該カートリ
ッジ５の内部には、ジャイロ機構６、増幅回路７、無線
送信回路８び駆動用電源回路９が収納されている。

【００１６】１０は受信機ボックスであり、打球具本体
１から遊離して携帯運搬可能なサイズに設けられてい
る。而して、該受信機ボックス１０には無線受信回路１
１、増幅回路１２、角度表示メータ１３ａ付きの表示回
路１３及び駆動用電源回路１４が収納配設されている
（図４参照）。なお、必要に応じて角度表示メータ１３
ａの作動タイミングを制御するためのタイマー回路１５
を設けてもよい。１４ａは電源回路中の電源スイッチ、
１５ａはメータ指針１３ｂを一時的に所定タイミングで
停止させるための設定用のストップスイッチ、１５ｂは
ストップスイッチ１５ａの作動を解除するためのリセッ
トスイッチである。

【００１７】１６はジャイロ機構６における小型ジャイ
ロ、１７は駆動源たるモータ、１７ａは該モータ１７の
ケーシング基部、１８はカートリッジ５の内壁に固定さ
れた軸受でありケーシング基部１７ａを回転自在に支持
している。１９はモータ１７の出力軸。２０ａ、２０ｂ
は該出力軸１９の両端に固定されたフライホイールであ
る。

【００１８】而して、基部１７ａを通るケーシング１７
の揺動軸心Ｙは、モータ出力軸１９の出力軸心Ｘ方向に
対して略直交するように設けられている。なお、このＸ
軸Ｙ軸の交点がシャフト２の筒軸線Ｐ上に略一致するよ
うに、カートリッジ５をシャフト２内に装填するのがジ
ャイロ１６の検出精度として望ましいが、打球具本体１
の任意の内外いずれかの箇所に固定されていることで検
出が可能である。

【００１９】２１は回転軸心上にあって基部１７ａの反
対側のモータケーシングに突設固定された永久磁石、２
２は永久磁石に対面する位置でカートリッジ５の内面に
固定設置された磁電変換素子であり、例えば磁気抵抗素
子やホール素子等が用いられる。

【００２０】而して、実施例におけるジャイロ機構６
は、上記の小型ジャイロ１６、モータ１７、ケーシング
基部１７ａ、軸受１８、モータ出力軸１９、フライホイ
ール２０ａおよび２０ｂ、永久磁石２１、磁電変換素子
２２及びその出力回路（図示せず）により構成されてい
る。

【００２１】いま、図５、図６において、カップ２４を
目標にしてパッティングの練習を行うとき、通常、パッ
ティングラインに対してパターのフェース３ａを正対さ
せてボール２３にアドレスする。このとき、モータ出力
軸Ｘはパッティングラインに一致し、一方のケーシング
回転軸Ｙはフェース３ａ面に一致又は平行することにな
る。

【００２２】ここで、パター１をボール後方に引いてバ
ックスイング、次いでヒッティングへの振り出しの動作
を行うが、そのスイング過程でシャフト２が軸回りに回
動しなければ、内蔵のジャイロ１６は作動せず出力信号
の変化もないので、表示メータ１３ａの指針１３ｂもニ
ュートラル点１３ｃのまま動かない。このようにスイン
グ中に表示メータ１３ａが全然動かないということは、
パターのフェース３ａが目標方向に向いたままボール２
３にヒットすることを意味し、正しいスイングがなされ
ていることを示す。

【００２３】ところが、ヒッティング前のスイング中に
手首が回ったり、肩と腕が回ったりすると、グリップ位
置は固定のままパターのシャフト２が回動してしまう。
この回動の瞬間には角速度の変化が生じ、その加速度に
応じてジャイロ１６が反応する。

【００２４】例えば、図５に示すように、パター３がボ
ール２３にヒットする瞬間にシャフト２が反時計回り
（図２におけるｍ方向）に回動すると、モータ１７が作
動中のジャイロ１６は、その特性としてフライホイール
２０ａが図２においてＹ軸回りに上側に回動する。

【００２５】このジャイロ１６の回動により、モータケ
ーシングの先端の永久磁石２１も同方向に回動するの
で、その磁束方向の変化を受けて磁電変換素子２２にお
ける電気抵抗等が変化し、変化に応じた電流信号として
出力される。

【００２６】上記ジャイロ機構６からの信号は、図３に
示すように、増幅回路７により増幅されたのち、送信回
路８により無線で打球具本体１の外方に発信される。こ
の発信効率を上げるため、細線状の発信アンテナ８１を
例えばシャフト２の外周面に沿わせて固定することとし
てもよい。

【００２７】この発信電波は、受信機ボックス１０にお
ける受信アンテナ１１０により受け取られ、受信回路１
１、増幅回路１２を経て表示回路１３に入力される。而
して、パターのフェース３ａが図５において、ニュート
ラル位置Ｙから角度αだけ回転すると、そのときの角速
度の変化信号を受けて表示メータ１３ａでも角度αを表
示するように設けられている。

【００２８】上記図５の場合とは逆に、パター３がボー
ル２３にヒットする瞬間にシャフト２が時計回り（図２
におけるｎ方向）に回動すると、モータ１７が作動中の
ジャイロ１６は、その特性としてフライホイール２０ｂ
が図２においてＹ軸回りに上側に移動するように回動す
る。而して、そのときの変化角度βは表示メータ１３ａ
において角度βとして表示される。

【００２９】なお、フェース３ａのニュートラル角度は
図５のヒッティング点のＹ軸に設定されるだけでなく、
スイング中の全てのＹ軸に平行線が角度変化の検出基準
のためのニュートラル角度とされる。従って、バックス
イング中および振出しスイング中におけるフェース３ａ
のブレも、全てリアルタイムに指針１３ｂの振れとして
表示されるものである。

【００３０】ここで、ゴルフのスイング練習の方法とし
て、ボールを実際にヒットしてそのスピード・方向を確
かめる「ヒット練習」と、ボールヒットを行わない「素
振り練習」とがある。

【００３１】そのうち「素振り練習」の際には、スイン
グ軌道の外方に表示メータ１３ａが視野に入るような床
面に受信機ボックス１０を適宜に置いておけば、上記図
５、図６における指針１３ｂの動きを見ながら素振りで
きるので、スイング中のどのポイントに欠点があるのか
を自己診断し、且つ矯正練習することができる。

【００３２】一方、「ヒット練習」の場合には、一般的
にボールから目を離さずにスイングするので、指針１３
ｂの動きを確認することが出来ない。そこで、図４に示
すように、タイマー回路１５を増設することにより、ボ
ールヒットの瞬間におけるフェース３ａの角度を一時的
に固定表示することとしてもよい。

【００３３】この一時的な固定表示の手段として、例え
ば、クラブフェース３ａとボール２３との衝突時に上記
の回転角速度の変化信号とは別にジャイロ機構６から発
生するインパクト信号を、トリガー信号として捉え、そ
の瞬間におけるシャフト２の回転角速度のピーク信号を
入力した状態で、表示メータ１３ａへの出力レベルをロ
ック保持する回路をタイーマー回路１５中に設けるもの
とする。

【００３４】上記ストップスイッチ１５ａ、リセットス
イッチ１５ｂを選択的に操作することにより、最も重要
なボールインパクトの瞬間におけるヘッド３の動きが、
インパクト角度及びその方向を示したまま任意の時間ス
トップ表示されるので、ストローク後にゆっくり自己診
断することができる。

【００３５】上記の構成において、ジャイロの信号出力
から表示装置までを公知の有線回路で接続すること、検
出データをコンピュータやプリンタ、その他のデータ処
理装置、記録装置、出力装置に接続可能に設計変形する
こと、シャフト以外の本体にジャイロを内蔵し又は外面
に固定すること、表示メータ１３ａにおいて指針１３ｂ
に代えてデジタル表示や他のアナログ表示にすること、
等はいずれも本発明に含まれる実施例である。また、上
記した実施例では、ジャイロ機構６に、図２で示した小
型ジャイロ１６を用いた場合について説明したが、これ
に限定されず、例えば、図７及び図８に示した小型の圧
電振動ジャイロ（株式会社村田製作所製，商標名：ジ
ャイロスター）を用いることもできる。この圧電振動ジ
ャイロ６０は、ケーシング６１と、該ケーシング６１内
に装填された正三角柱振動子６３と、該正三角柱振動子
６３の各側面６３ａ，６３ｂ，６３ｃに取り付けられた
検出用圧電セラミック６４，６５及び帰還用圧電セラミ
ック６６を有して構成されている。なお、図７（ｂ）に
示した符号６２は出力端子である。かかる圧電振動ジャ
イロ６０を用いれば、合成振動モードの方向に２つの検
出用圧電セラミック６４，６５が配設されているため、
回転による振動の変化を直角に近い角度でとらえること
ができ検出精度が高い。また、非常に小型であるため、
上記した実施例のように、筒状シャフトの中空部内に装
填するのに適している。

【００３６】

【発明の効果】上記の構成作用を有する本発明の練習装
置によれば、センサが打球具本体に直接取り付けられる
ので、シャフトの軸回転の動きすなわちフェースのブレ
角度を正確に読みとりかつ表示することができる。

【００３７】また、本発明によれば、バックスイングか
らインパクトまでの打球具シャフトの軸回転変化を、連
続的に又は一時的にストップして検出表示することがで
きるので、素振り練習及びヒット練習のいずれでも適切
な自己診断・矯正のデータを得ることが出来る。。

【００３８】更に、本発明によれば、物体の動きに対し
て極めて感度の良いジャイロセンサを用いるので、フェ
ースの非常に微細な回動変化も検出表示することができ
る。

【００３９】更に、打球具本体に取り付けられる機構
は、超小型・軽量かつ表示機構と分離して本体シャフト
内に収納することができるので、打球具の外観及びスイ
ングバランスを損なうことがなく、競技用の通常クラブ
等と同じフィーリングで扱うことができる。

【００４０】更に、特別な周辺機器や設備を必要としな
いので、任意の場所で練習できるととともに、受信機ボ
ックスもポケットサイズ程度に製作できるので、運搬・
携帯にも便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例に係るゴルフパターの
一部断面図、及び受信機ボックスを示す斜視図である。

【図２】図２は図１におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図３はカートリッジ側における電気回路の実施
例である。

【図４】図４は受信機ボックス側における電気回路の実
施例である。

【図５】図５はヘッドの回転と表示装置との関係を示す
説明図である。

【図６】図６はヘッドの逆回転と表示装置との関係を示
す説明図である。

【図７】図７（ａ）は小型ジャイロの他の例を示す斜視
図、（ｂ）は側面図である。

【図８】図８は該他の小型ジャイロ内に装填されている
正三角柱振動子と圧電セラミックとの配設関係を示す概
略斜視図である。

【符号の説明】

１打球具本体２シャフト３ヘッド３ａフェース５カートリッジ６ジャイロ装置７増幅回路８送信回路９電源回路１０受信機ボックス１３ａ表示メータ２３ボール２４カップ６０圧電振動ジャイロ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シャフトの中空部内に着脱装填可能なカ
ートリッジに、ジャイロ機構、該ジャイロ機構からの信
号を増幅するための増幅回路、無線送信回路及び駆動用
電源回路とを収納配設し、一方、打球具本体から分離し
た受信機ボックスには無線送信回路からの信号を受信す
る無線受信回路、増幅回路、受信した信号に基づき打球
面のブレ角度を表示する表示メータを有する表示回路及
び駆動用電源回路とを収納配設してなる打球練習装置。
【請求項２】前記請求項１において、打球面とボール
との衝突時にジャイロ機構から発生するインパクト信号
をトリガーとし、その瞬間におけるシャフトの回転角速
度のピーク信号を入力した状態で、表示回路の出力レベ
ルを保持する回路を有してなる打球練習装置。