JPH0795478B2 - 荷電粒子偏向電磁石装置 - Google Patents

荷電粒子偏向電磁石装置

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JPH0795478B2
JPH0795478B2 JP1163665A JP16366589A JPH0795478B2 JP H0795478 B2 JPH0795478 B2 JP H0795478B2 JP 1163665 A JP1163665 A JP 1163665A JP 16366589 A JP16366589 A JP 16366589A JP H0795478 B2 JPH0795478 B2 JP H0795478B2
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superconducting coil
magnetic shield
superconducting
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coil body
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武男 川口
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、荷電粒子偏向電磁石装置、例えばシンクロ
トロン放射光発生装置などに用いられ、荷電粒子を偏向
する荷電粒子偏向電磁石装置に関するものである。
[従来の技術] 第3図は例えば特開昭64−2300号公報に示されたものと
同種の従来の荷電粒子装置の概略構成を示す平面図であ
り、図において入射部(図示せず)及び加速部(図示せ
ず)を経て入射された荷電粒子は、互いに対向する2個
の偏向電磁石装置(30)により偏向されることにより、
図のような長円形の軌道(20)上を運動する。
第4図は第3図のIV−IV線に沿う従来の偏向電磁石装置
(30)の矢視断面図であり、図において磁性材からなる
磁気シールド(1)内には真空槽(2)が配置されてい
る。真空槽(2)内には、それぞれコイル容器(3)に
収容されている一対の超電導コイル(4)が、上下に1
個ずつ設けられている。上下のコイル容器(3)の間
は、連結片(連結部材)(5)により、機械的に連結さ
れている。
真空槽(2)と上下の各コイル容器(3)とは、断熱材
からなる支持棒(6)により、それぞれ機械的に連結さ
れている。この支持棒(6)は、上側のコイル容器
(3)の上方、及び下側のコイル容器(3)の下方にそ
れぞれ配置されている。
真空槽(2)には、軌道(20)に対する内径部(図の左
端部)から外径部(図の右端部)へ向けて凹部(2a)が
形成されており、この凹部(2a)の内側には、荷電粒子
の通路を形成するビームダクト(7)が配置されてい
る。なお、コイル容器(3)と真空槽(2)との間に
は、熱シールド(図示せず)が設けられている。
次に、動作についつ説明する。例えば−268℃の極低温
に冷却され超電導状態となった超電導コイル(4)に電
流を流すことにより、数テスラの高い磁束密度の磁界が
得られる。この磁界により、荷電粒子の軌道(20)は第
3図に示すように偏向される。このとき、磁気シールド
(1)により、外部への磁界の漏れを防止し、これによ
り他の機器への悪影響をなくすようにしている。
このように、超電導コイル(4)の外方に磁気シールド
(1)を設けると、超電導コイル(4)と磁気シールド
(1)との間に電磁力が働く。この電磁力により、超電
導コイル(4)は軌道(20)の半径方向への力を受け
る。このため、支持棒(6)を用いて、超電導コイル
(4)やコイル容器(3)などが、電磁力によって半径
方向へ移動するのを防止している。
一方、上下の超電導コイル(4)の間にも、互いに引き
合う電磁力が働く。この電磁力は、超電導コイル(4)
と磁気シールド(1)との間に働く垂直方向への電磁力
と反対向きの力である。このため、一方の超電導コイル
(4)が他方の側へ移動しようとする力の大きさは、超
電導コイル(4)と磁気シールド(1)との間の垂直距
離(図中a1)に依存する。即ち、この垂直距離(a1)が
長いほど、超電導コイル(4)が移動しようとする力は
大きくなり、逆に垂直距離(a1)が短くなれば、超電導
コイル(4)が移動しようとする力は、超電導コイル
(4)間の電磁力が磁気シールド(1)との間の電磁力
により打ち消されるため小さくなる。
このような超電導コイル(4)が移動しようとする力に
対抗するため、コイル容器(3)や連結片(5)などの
部材は、その力に耐え、撓みが所定量以下になるような
強度と剛性を持たなければならない。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように構成された従来の偏向電磁石装置(30)に
おいては、上側のコイル容器(3)の上方、及び下側の
コイル容器(3)の下方にそれぞれ支持棒(6)が配置
されているため、その分垂直距離(a1)が長くなってし
まい、一方の超電導コイル(4)が他方の側へ移動しよ
うとする力が大きくなってしまう。このため、コイル容
器(3)及び連結片(5)など、この電磁力に対抗する
ための部材に大きな強度と剛性とを必要とし、これらの
部材の肉厚を厚くするなどする必要があり、装置全体が
重量化してしまい、かつ高価になるなどの問題点があ
り、これらの問題点を解決しなければならないという課
題を有していた。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、超電導コイルの互いに対向する面の反対側
の面と磁気シールドとの距離を短くすることができ、こ
れにより超電導コイルが移動しようとする力の大きさを
小さくし、装置全体を軽量化できるとともに、安価にす
ることができる荷電粒子偏向電磁石装置を得ることを目
的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る荷電粒子偏向電磁石装置は、断熱材から
なる支持部材を、超電導コイル体の荷電粒子の軌道に対
する内径部及び外径部の少なくともいずれか一方と、真
空空間部を形成している壁部との間に設けたものであ
る。
[作用] この発明においては、支持部材を超電導コイル体の、荷
電粒子の軌道に対して内径部及び外径部の少なくともい
ずれか一方と真空空間部を形成している壁部との間に設
けることにより、超電導コイルの互いに対向する面の反
対側の面と磁気シールドとの距離を短くする。
[実施例] 以下、この発明をその実施例を示す図に基づいて説明す
る。
第1図はこの発明の一実施例による偏向電磁石装置の断
面図であり、第4図と同一又は相当部分には同一符号を
付し、その説明を省略する。
図において、磁気シールド(11)には、荷電粒子の軌道
(20)の内径部に、上下2カ所に貫通孔(11a)が設け
られている。磁気シールド(11)の内部には、断熱のた
めの真空空間部(12a)を形成する真空槽(12)が設け
られている。真空槽(12)には、2カ所の貫通孔(11
a)からそれぞれ突出する凸部(12b)が形成されてい
る。
真空槽(12)内に配置されている上下2個のコイル容器
(3)のそれぞれ軌道(20)に対する内径部の壁面と、
凸部(12b)の先端部の内壁面との間には、断熱材から
なる所定長の支持部材である支持棒(13)が配置されて
いる。また、この実施例の超電導コイル体(14)は、コ
イル容器(3),超電導コイル(4)及び連結片(5)
からなっている。
上記のように構成された偏向電磁石装置においては、支
持棒(13)を、超電導コイル体(14)の上端面を有する
面と下端面を有する面との間に位置させたことにより、
即ち図の(b1)の範囲に設けたことにより、超電導コイ
ル(4)と磁気シールド(11)との間の垂直距離(図中
a2)が従来例の(a1)より短くなっている。このため、
超電導コイル(4)と磁気シールド(11)との間に働く
垂直方向の電磁力が大きくなり、即ち超電導コイル
(4)間に働く電磁力を打ち消す力が大きくなり、一方
の超電導コイル(4)が他方の側へ移動しようとする力
の大きさは、従来例よりも小さくなる。
従って、コイル容器(3)及び連結片(5)などの部材
の強度は従来よりも低くてよく、これらの部材を軽量化
することにより、装置全体も軽量化できる。また、装置
全体を、その高さ方向へ小形化することができる。
なお、上記実施例ではコイル容器(3)に支持棒(13)
を取り付けたが、超電導コイル体(14)の他の部分に取
り付けてもよい。
例えば、第2図はこの発明の他の実施例による偏向電磁
石装置の断面図であり、図において上下のコイル容器
(3)は、軌道(20)の内径側と外径側との両方におい
て連結片(5)により機械的に連結されており、このた
めビームダクト(7)は真空空間部(12a)内に配置さ
れている。そして、支持棒(13)は、内径側の連結片
(5)と真空槽(12)との間に設けられている。
このように、連結片(5)に支持棒(13)を取り付けて
も、超電導コイル(4)と磁気シールド(1)間の垂直
距離(図中a3)を従来例の(a1)より短くすることがで
き、上記実施例と同様の効果が得られる。
また、上記各実施例ではいずれも超電導コイル体(14)
の、軌道(20)に対する内径部に支持棒(13)を取り付
けたが、外径部に設けもよい。また、両方に設けてもよ
い。
さらに、上記実施例では支持部材として支持棒(13)を
示したが、支持部材の形状はこれに限定されるものでは
ない。また、材質も断熱材であればよく、特に限定され
ない。さらに、支持部材の長さは、真空空間部外からの
熱が侵入しない程度が好ましい。また、支持部材の配置
個数も特に限定されない。
さらにまた、磁気シールド(11)及び真空空間部(12
a)の形状は上記実施例に限定されるものではない。
また、上記実施例では長円形の軌道(20)を有する荷電
粒子装置の偏向電磁石装置について示したが、円形軌道
のものなどであってもよい。また、シンクロトロン放射
光発生装置以外の荷電粒子装置に用いられるものであっ
てもよい。さらに、荷電粒子は、例えば電子ビームやイ
オンビームなど、特に限定されない。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の荷電粒子偏向電磁石装
置は、支持部材を、超電導コイル体の、荷電粒子の軌道
に対する内径部及び外径部の少なくともいずれか一方
と、真空空間部を形成している壁部との間に設けたの
で、超電導コイルの互いに対向する面の反対側の面と磁
気シールドとの距離を短くすることができ、これにより
超電導コイル間の電磁力により超電導コイルが移動しよ
うとする力の大きさを小さくでき、この力に対抗するた
めの部材の強度を軽量化して弱くすることにより、装置
全体を軽量化できるとともに、安価にすることができる
などの効果がある。また、磁気シールドの貫通孔から突
出する凸部を真空槽に設け、その凸部の内側に支持部材
を配置したので、全体を大形化することなく、支持部材
の長さを十分に確保することができ、断熱性を向上させ
ることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による荷電粒子偏向電磁石
装置の断面図、第2図はこの発明の他の実施例による荷
電粒子偏向電磁石装置の断面図、第3図は従来の荷電粒
子装置の一例の概略構成を示す平面図、第4図は第3図
のIV−IV線に沿う従来の荷電粒子偏向電磁石装置の矢視
断面図である。 図において、(4)は超電導コイル、(5)は連結片
(連結部材)、(11)は磁気シールド、(12a)は真空
空間部、(13)は支持棒(支持部材)、(14)は超電導
コイル体、(20)は軌道である。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子の軌道を挟んで互いに対向するよ
    うに設けられ、前記荷電粒子を偏向するための磁界を発
    生する一対の超電導コイルとこの一対の超電導コイル間
    に設けられている連結部材とを有する超電導コイル体、 前記軌道に対する内径部及び外径部の少なくともいずれ
    か一方に貫通孔が設けられており、前記超電導コイル体
    を収容する磁気シールド、 前記超電導コイル体と前記磁気シールドとの間に設けら
    れているとともに、前記貫通孔から突出する凸部が形成
    されており、内部に断熱のための真空空間部を形成する
    真空槽、及び 前記超電導コイル体の前記軌道に対する内径部及び外径
    部の少なくともいずれか一方と前記凸部の先端部の内壁
    面との間に設けられている断熱材からなる支持部材 を備えていることを特徴とする荷電粒子偏向電磁石装
    置。
JP1163665A 1989-06-28 1989-06-28 荷電粒子偏向電磁石装置 Expired - Lifetime JPH0795478B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02137304A (ja) * 1988-11-18 1990-05-25 Furukawa Electric Co Ltd:The 超電導双極電磁石

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JPH0330298A (ja) 1991-02-08

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