JP2557106B2 - 荷電粒子偏向電磁石装置 - Google Patents
荷電粒子偏向電磁石装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、荷電粒子偏向電磁石装置、例えばシンク
ロトロン放射光発生装置などに用いられ、荷電粒子を偏
向する荷電粒子偏向電磁石装置に関するものである。
ロトロン放射光発生装置などに用いられ、荷電粒子を偏
向する荷電粒子偏向電磁石装置に関するものである。
[従来の技術] 第5図は例えば特開昭64−2300号公報に示されたもの
と同種の従来の荷電粒子装置の概略構成を示す平面図で
あり、図において入射部(図示せず)及び加速部(図示
せず)を経て入射された荷電粒子は、互いに対向する2
個の偏向電磁石装置(30)により偏向されることによ
り、図のように長円形の軌道(20)上を運動する。この
ような荷電粒子装置は、例えばシンクロトロン放射光発
生装置として利用される。
と同種の従来の荷電粒子装置の概略構成を示す平面図で
あり、図において入射部(図示せず)及び加速部(図示
せず)を経て入射された荷電粒子は、互いに対向する2
個の偏向電磁石装置(30)により偏向されることによ
り、図のように長円形の軌道(20)上を運動する。この
ような荷電粒子装置は、例えばシンクロトロン放射光発
生装置として利用される。
第6図は第5図のVI−VI線に沿う従来の偏向電磁石装
置(30)の矢視断面図であり、図において複数の磁性材
部材を磁気的に結合してなる磁気シールド(1)内に
は、例えばステンレス鋼などの非磁性材からなる真空槽
(2)が配置されている。真空槽(2)内には、それぞ
れコイル容器(3)に収容されている一対の超電導コイ
ル(4)が、上下に1個ずつ設けられている。上下のコ
イル容器(3)の間は、軌道(20)の外径側(図の右
側)で、連結片(5)により、機械的に連結されてい
る。この連結片(5)及びコイル容器(3)から補強部
材(15)はなっており、超電導コイル(4)間の電磁力
による超電導コイル(4)の変形や移動を防止してい
る。
置(30)の矢視断面図であり、図において複数の磁性材
部材を磁気的に結合してなる磁気シールド(1)内に
は、例えばステンレス鋼などの非磁性材からなる真空槽
(2)が配置されている。真空槽(2)内には、それぞ
れコイル容器(3)に収容されている一対の超電導コイ
ル(4)が、上下に1個ずつ設けられている。上下のコ
イル容器(3)の間は、軌道(20)の外径側(図の右
側)で、連結片(5)により、機械的に連結されてい
る。この連結片(5)及びコイル容器(3)から補強部
材(15)はなっており、超電導コイル(4)間の電磁力
による超電導コイル(4)の変形や移動を防止してい
る。
真空槽(2)と上下の各コイル容器(3)との間に
は、熱シールド(6)が設けられている。真空槽(2)
には、内径側(図の左側)から外径側(図の右側)へ向
けて凹部(くぼみ)が形成されており、この凹部の内側
には、荷電粒子の軌道(20)を取り囲むようにビームダ
クト(7)が配置されている。このビームダクト(7)
内は、荷電粒子の損失を少なくするため、真空状態にな
っており、かつビームダクト(7)は、組立や保守の都
合上、上記の凹部の内側に配置されている。
は、熱シールド(6)が設けられている。真空槽(2)
には、内径側(図の左側)から外径側(図の右側)へ向
けて凹部(くぼみ)が形成されており、この凹部の内側
には、荷電粒子の軌道(20)を取り囲むようにビームダ
クト(7)が配置されている。このビームダクト(7)
内は、荷電粒子の損失を少なくするため、真空状態にな
っており、かつビームダクト(7)は、組立や保守の都
合上、上記の凹部の内側に配置されている。
次に、動作について説明する。極低温に冷却され超電
導状態となった超電導コイル(4)に電流を流すことに
より、数テスラの高い磁束密度の磁界が得られる。この
磁界により、荷電粒子の軌道(20)は第5図に示すよう
に偏向される。
導状態となった超電導コイル(4)に電流を流すことに
より、数テスラの高い磁束密度の磁界が得られる。この
磁界により、荷電粒子の軌道(20)は第5図に示すよう
に偏向される。
このとき、磁気シールド(1)により、外部への磁界
の漏れを防止し、これにより他の機器への悪影響をなく
すようにしている。
の漏れを防止し、これにより他の機器への悪影響をなく
すようにしている。
また、断熱のために真空槽(2)内は真空状態にされ
るので、真空槽(2)はこの真空圧に耐える強度と剛性
とを有することが必要である。
るので、真空槽(2)はこの真空圧に耐える強度と剛性
とを有することが必要である。
一方、上下の超電導コイル(4)の間には、互いに引
き合う電磁力が働く。また、各超電導コイル(4)と磁
気シールド(1)との間にも、超電導コイル(4)が磁
気シールド(1)を引っ張る方向へ電磁力が働く。つま
り、上下の超電導コイル(4)間の電磁力と、超電導コ
イル(4)と磁気シールド(1)との間に働く垂直方向
への電磁力とは、反対向きである。このため、一方の超
電導コイル(4)が他方の側へ移動しようとする力の大
きさは、超電導コイル(4)と磁気シールド(1)との
間の垂直距離(図中a1)に依存する。即ち、この垂直距
離(a1)が長いほど、超電導コイル(4)が移動しよう
とする力は大きくなり、逆に垂直距離(a1)が短くなれ
ば、超電導コイル(4)が移動しようとする力は、超電
導コイル(4)間の電磁力が磁気シールド(1)との間
の電磁力により打ち消されるため小さくなる。
き合う電磁力が働く。また、各超電導コイル(4)と磁
気シールド(1)との間にも、超電導コイル(4)が磁
気シールド(1)を引っ張る方向へ電磁力が働く。つま
り、上下の超電導コイル(4)間の電磁力と、超電導コ
イル(4)と磁気シールド(1)との間に働く垂直方向
への電磁力とは、反対向きである。このため、一方の超
電導コイル(4)が他方の側へ移動しようとする力の大
きさは、超電導コイル(4)と磁気シールド(1)との
間の垂直距離(図中a1)に依存する。即ち、この垂直距
離(a1)が長いほど、超電導コイル(4)が移動しよう
とする力は大きくなり、逆に垂直距離(a1)が短くなれ
ば、超電導コイル(4)が移動しようとする力は、超電
導コイル(4)間の電磁力が磁気シールド(1)との間
の電磁力により打ち消されるため小さくなる。
このような超電導コイル(4)が移動しようとする力
に対抗するため、上下の超電導コイル(4)には補強部
材(15)が取り付けられており、超電導コイル(4)の
変形や移動を防止している。
に対抗するため、上下の超電導コイル(4)には補強部
材(15)が取り付けられており、超電導コイル(4)の
変形や移動を防止している。
上記のように構成された従来の偏向電磁石装置(30)
においては、真空槽(2)にビームダクト(7)を包む
凹部が設けられ、この凹部が一対の超電導コイル(4)
の間に位置するため、一対の超電導コイル(4)間の寸
法が大きくなり、装置全体が大きくなる。
においては、真空槽(2)にビームダクト(7)を包む
凹部が設けられ、この凹部が一対の超電導コイル(4)
の間に位置するため、一対の超電導コイル(4)間の寸
法が大きくなり、装置全体が大きくなる。
また、磁気シールド(1)とコイル容器(3)との間
に真空槽(2)の壁部が位置しており、かつこの真空槽
(2)の壁部が大気圧に耐えるように相当の厚みを有し
ているため、その分垂直距離(a1)が長くなってしま
い、一方の超電導コイル(4)が他方の側へ移動しよう
とする力が大きくなってしまう。このため、コイル容器
(3)及び超電導コイル(4)に大きな撓みを生じたり
して、磁場精度が悪化してしまう。
に真空槽(2)の壁部が位置しており、かつこの真空槽
(2)の壁部が大気圧に耐えるように相当の厚みを有し
ているため、その分垂直距離(a1)が長くなってしま
い、一方の超電導コイル(4)が他方の側へ移動しよう
とする力が大きくなってしまう。このため、コイル容器
(3)及び超電導コイル(4)に大きな撓みを生じたり
して、磁場精度が悪化してしまう。
この問題を解決する手法として、例えば特開昭61−15
9714号には、超電導コイルを収納するとともに極低温に
保つための真空断熱容器の一部、主として外周部を磁気
シールド効果を有するに十分な厚さの強磁性材料、例え
ば鉄等によって構成することにより、超電導マグネット
の外周に新たに磁気シールドを設ける必要がなくなり、
装置を小形にし得るものが開示されている。
9714号には、超電導コイルを収納するとともに極低温に
保つための真空断熱容器の一部、主として外周部を磁気
シールド効果を有するに十分な厚さの強磁性材料、例え
ば鉄等によって構成することにより、超電導マグネット
の外周に新たに磁気シールドを設ける必要がなくなり、
装置を小形にし得るものが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] 従来の荷電粒子偏向電磁石装置は、上記のように構成
されているので、前記の高い磁束密度の磁界を通す磁気
シールド(1)の厚みは大きなものとなり、これを用い
て気密性を有する真空容器とすることは困難であった。
また、超電導コイル(4)間の力に対抗するため、補強
部材(15)に大きな強度と剛性とを必要とし、肉厚を厚
くするなどの必要があり、このため装置全体が重量化し
てしまい、かつ高価になるなどの問題点もあった。さら
に、真空槽(2)の凹部を必要とすることも、装置全体
が大形化する原因となっていた。
されているので、前記の高い磁束密度の磁界を通す磁気
シールド(1)の厚みは大きなものとなり、これを用い
て気密性を有する真空容器とすることは困難であった。
また、超電導コイル(4)間の力に対抗するため、補強
部材(15)に大きな強度と剛性とを必要とし、肉厚を厚
くするなどの必要があり、このため装置全体が重量化し
てしまい、かつ高価になるなどの問題点もあった。さら
に、真空槽(2)の凹部を必要とすることも、装置全体
が大形化する原因となっていた。
この発明は、上記のような問題点を解決するためにな
されたもので、厚みの大きい磁気シールドを用いて気密
性を容易に得るとともに、容易に分解可能な構造とし、
超電導コイルの互いに対向する面の反対側の面と磁気シ
ールドとの距離を短くすることができ、これにより超電
導コイルが移動しようとする力の大きさを小さくし、超
電導コイルの撓みによる磁場精度の悪化を防止でき、ま
た装置全体を軽量化できるとともに、安価にすることが
できる荷電粒子偏向電磁力装置を得ることを目的とす
る。
されたもので、厚みの大きい磁気シールドを用いて気密
性を容易に得るとともに、容易に分解可能な構造とし、
超電導コイルの互いに対向する面の反対側の面と磁気シ
ールドとの距離を短くすることができ、これにより超電
導コイルが移動しようとする力の大きさを小さくし、超
電導コイルの撓みによる磁場精度の悪化を防止でき、ま
た装置全体を軽量化できるとともに、安価にすることが
できる荷電粒子偏向電磁力装置を得ることを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] この発明に係る荷電粒子偏向電磁力装置は、一対の超
電導コイルが配置されている真空空間部を、磁性材から
なる真空磁気シールド体1つにより構成し、この真空磁
気シールド体の外側に磁気的に結合した磁気シールドを
配置したものである。
電導コイルが配置されている真空空間部を、磁性材から
なる真空磁気シールド体1つにより構成し、この真空磁
気シールド体の外側に磁気的に結合した磁気シールドを
配置したものである。
また、一対の超電導コイルが配置されている真空空間
部を、シール材を介して互いに接合された複数の磁気シ
ールドにより構成したものである。
部を、シール材を介して互いに接合された複数の磁気シ
ールドにより構成したものである。
また、一対の超電導コイルの各々を収納する一対のコ
イル容器間を連結する連結片を、荷電粒子軌道の両側に
設けたものである。
イル容器間を連結する連結片を、荷電粒子軌道の両側に
設けたものである。
また、荷電粒子の軌道を包むビームダクトに代えてダ
ンパーを用いたものである。
ンパーを用いたものである。
[作用] この発明においては、真空磁気シールド体が、超電導
コイルと磁気シールドとの磁気的な距離を小さくする。
コイルと磁気シールドとの磁気的な距離を小さくする。
また、シール材によって接合された磁気シールドは容
易に分解できるので、ビームダクトを包む真空槽の凹部
を設けることを必要とせず、一対の超電導コイル間の距
離を小さくすることができる。
易に分解できるので、ビームダクトを包む真空槽の凹部
を設けることを必要とせず、一対の超電導コイル間の距
離を小さくすることができる。
また、コイル容器間を連結する連結片が軌道の両側に
設けられていることにより、コイル容器の強度を低くす
ることができる。
設けられていることにより、コイル容器の強度を低くす
ることができる。
また、ビームダクトに代えて用いる開放された形式の
ダンパーは、保守を必要としないため、ビームダクトを
包む真空槽の凹部を設けることを必要とせず、装置全体
の構造が簡単になる。
ダンパーは、保守を必要としないため、ビームダクトを
包む真空槽の凹部を設けることを必要とせず、装置全体
の構造が簡単になる。
[実施例] 以下、この発明をその実施例を示す図に基づいて説明
する。
する。
第1図はこの発明の第1の実施例による荷電粒子偏向
電磁石装置の断面図であり、第6図と同一又は相当部分
には同一符号を付し、その説明を省略する。
電磁石装置の断面図であり、第6図と同一又は相当部分
には同一符号を付し、その説明を省略する。
図において、磁気シールド(1)内には、内部が断熱
のため真空になっているとともに、磁性材からなってい
る真空磁気シールド体(8)が配置されており、これら
磁気シールド(1)と真空磁気シールド体(8)とは磁
気的に結合されており、両方で磁気シールドを行うよう
にされている。また、真空磁気シールド体(8)内に
は、従来例と同様に、コイル容器(3),超電導コイル
(4),連結片(5)及び熱シールド(6)などが配置
されている。
のため真空になっているとともに、磁性材からなってい
る真空磁気シールド体(8)が配置されており、これら
磁気シールド(1)と真空磁気シールド体(8)とは磁
気的に結合されており、両方で磁気シールドを行うよう
にされている。また、真空磁気シールド体(8)内に
は、従来例と同様に、コイル容器(3),超電導コイル
(4),連結片(5)及び熱シールド(6)などが配置
されている。
上記のように構成された偏向電磁石装置においては、
磁気シールド(1)内に、実質的に磁気シールドとして
働く真空磁気シールド体(8)を配置したので、超電導
コイル(4)と磁気シールドとの間の垂直距離は、超電
導コイル(4)と真空磁気シールド体(8)との間の垂
直距離(図中a2)となり、従来例の(a1)より短くなっ
ている。このため、一方の超電導コイル(4)が他方の
側へ移動しようとする力の大きさは、従来例よりも小さ
くなる。
磁気シールド(1)内に、実質的に磁気シールドとして
働く真空磁気シールド体(8)を配置したので、超電導
コイル(4)と磁気シールドとの間の垂直距離は、超電
導コイル(4)と真空磁気シールド体(8)との間の垂
直距離(図中a2)となり、従来例の(a1)より短くなっ
ている。このため、一方の超電導コイル(4)が他方の
側へ移動しようとする力の大きさは、従来例よりも小さ
くなる。
従って、超電導コイル(4)の撓みによる磁場精度の
悪化を防止できる。また、コイル容器(3)及び連結片
(5)などの補強部材(15)の強度は従来よりも低くて
よく、この補強部材(15)を軽量化することにより、装
置全体も軽量化できる。また、装置全体を、その高さ方
向へ小形化することができる。
悪化を防止できる。また、コイル容器(3)及び連結片
(5)などの補強部材(15)の強度は従来よりも低くて
よく、この補強部材(15)を軽量化することにより、装
置全体も軽量化できる。また、装置全体を、その高さ方
向へ小形化することができる。
次に、第2図はこの発明の第2の実施例による荷電粒
子偏向電磁石装置の断面図であり、図において磁気シー
ルド(1)の内部には、シール材(9)を介して磁性材
からなる真空槽部材(10)が取り付けられている。磁気
シールド(1)内の真空槽部材(10)によって仕切られ
た部分が、真空空間部になっており、この真空空間部内
にコイル容器(3),超電導コイル(4),連結片
(5)及び熱シールド(6)などが配置されている。ま
た、磁気シールド(1)を構成する部材の接合部分のう
ち、真空空間部に臨んだ接合部分には、シール材(9)
が設けられている。
子偏向電磁石装置の断面図であり、図において磁気シー
ルド(1)の内部には、シール材(9)を介して磁性材
からなる真空槽部材(10)が取り付けられている。磁気
シールド(1)内の真空槽部材(10)によって仕切られ
た部分が、真空空間部になっており、この真空空間部内
にコイル容器(3),超電導コイル(4),連結片
(5)及び熱シールド(6)などが配置されている。ま
た、磁気シールド(1)を構成する部材の接合部分のう
ち、真空空間部に臨んだ接合部分には、シール材(9)
が設けられている。
また、この実施例の真空磁気シールド体(8)は、磁
気シールド(1),シール材(9)及び真空槽部材(1
0)からなっている。
気シールド(1),シール材(9)及び真空槽部材(1
0)からなっている。
上記のような荷電粒子偏向電磁石装置においては、磁
気シールド(1)の一部が、従来例の真空槽(2)を兼
ねることにより、超電導コイル(4)と磁気シールド
(1)との間の垂直距離が従来例より短くなる。これに
より、第1の実施例と同様の効果が得られる。
気シールド(1)の一部が、従来例の真空槽(2)を兼
ねることにより、超電導コイル(4)と磁気シールド
(1)との間の垂直距離が従来例より短くなる。これに
より、第1の実施例と同様の効果が得られる。
また、この第2の実施例では、第1の実施例に比べ構
造が簡単であるため、全体をより軽量化でき、かつ高さ
方向へ小形化できる。
造が簡単であるため、全体をより軽量化でき、かつ高さ
方向へ小形化できる。
次に、第3図はこの発明の第3の実施例による荷電粒
子偏向電磁石装置の断面図であり、図において磁気シー
ルド(1)を構成する各部材は、シール材(9)により
気密を保つように連結されている。これにより、磁気シ
ールド(1)の内側全体が真空空間部にされている。従
って、この実施例の真空磁気シールド体(8)は、磁気
シールド(1)とシール材(9)とからなっている。
子偏向電磁石装置の断面図であり、図において磁気シー
ルド(1)を構成する各部材は、シール材(9)により
気密を保つように連結されている。これにより、磁気シ
ールド(1)の内側全体が真空空間部にされている。従
って、この実施例の真空磁気シールド体(8)は、磁気
シールド(1)とシール材(9)とからなっている。
磁気シールド(1)内の真空空間部には、コイル容器
(3),超電導コイル(4),連結片(5)及び熱シー
ルド(6)に加え、ビームダクト(7)が配置されてい
る。連結片(5)は、ビーム軌道の外径側だけでなく、
内径側にも設けられている。熱シールド(6)は、ビー
ムダクト(7)とコイル容器(3)との間にも配置され
ている。
(3),超電導コイル(4),連結片(5)及び熱シー
ルド(6)に加え、ビームダクト(7)が配置されてい
る。連結片(5)は、ビーム軌道の外径側だけでなく、
内径側にも設けられている。熱シールド(6)は、ビー
ムダクト(7)とコイル容器(3)との間にも配置され
ている。
このような荷電粒子偏向電磁石装置においては、上記
各実施例と同様に超電導コイル(4)と磁気シールド
(1)との間の垂直距離を短くできるだけでなく、ビー
ムダクト(7)を真空空間部内に配置したことにより、
上下の超電導コイル(4)間の垂直距離(図中b)をも
従来例より短くできる。このため、超電導コイル(4)
に必要な起磁力を小さくすることができる。また、ビー
ム軌道の内周側にも連結片(5)を設けられるため、電
磁力によるコイル容器(3)及び超電導コイル(4)の
撓みをより確実に防止できる。
各実施例と同様に超電導コイル(4)と磁気シールド
(1)との間の垂直距離を短くできるだけでなく、ビー
ムダクト(7)を真空空間部内に配置したことにより、
上下の超電導コイル(4)間の垂直距離(図中b)をも
従来例より短くできる。このため、超電導コイル(4)
に必要な起磁力を小さくすることができる。また、ビー
ム軌道の内周側にも連結片(5)を設けられるため、電
磁力によるコイル容器(3)及び超電導コイル(4)の
撓みをより確実に防止できる。
また、ビーム軌道を真空磁気シールド体(8)内の真
空空間部内に配置することにより、第4図に示すよう
に、ビームダクト(7)の代わりにダンパー(11)を用
いることができる。このダンパー(11)は、冷媒(図示
せず)により冷却され、荷電粒子や発生した放射光が熱
シールド(6)に衝突するのを防ぐもので、軌道の外径
側に置かれている。また、ダンパー(11)は、軌道の内
径側が開放されている。
空空間部内に配置することにより、第4図に示すよう
に、ビームダクト(7)の代わりにダンパー(11)を用
いることができる。このダンパー(11)は、冷媒(図示
せず)により冷却され、荷電粒子や発生した放射光が熱
シールド(6)に衝突するのを防ぐもので、軌道の外径
側に置かれている。また、ダンパー(11)は、軌道の内
径側が開放されている。
このようなダンパー(11)を用いることにより全体の
構造は非常に簡単なものとなる。
構造は非常に簡単なものとなる。
なお、真空磁気シールド体(8)の形状は、上記各実
施例に限定されるものではない。
施例に限定されるものではない。
また、上記実施例では補強部材(15)として連結片
(5)及びコイル容器(3)からなるもの示したが、こ
れに限定されない。
(5)及びコイル容器(3)からなるもの示したが、こ
れに限定されない。
さらに、上記実施例では長円形の軌道(20)を有する
荷電粒子装置の偏向電磁石装置について示したが、円形
軌道のものなどがあってもよい。また、シンクロトロン
放射光発生装置以外の荷電粒子装置に用いられるもので
あってもよい。さらに、荷電粒子は、例えば電子ビーム
やイオンビームなど、特に限定されない。
荷電粒子装置の偏向電磁石装置について示したが、円形
軌道のものなどがあってもよい。また、シンクロトロン
放射光発生装置以外の荷電粒子装置に用いられるもので
あってもよい。さらに、荷電粒子は、例えば電子ビーム
やイオンビームなど、特に限定されない。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の荷電粒子偏向電磁石
装置は、一対の超電導コイルが配置されている真空空間
部を、磁性材からなる真空磁気シールド体により形成
し、この外側にこの真空磁気シールド体と磁気的に結合
した磁気シールドを設けることとしたので、超電導コイ
ルの互いに対向する面の反対側の面と磁気シールドとの
間の磁気抵抗を低くすることができ、これにより超電導
コイル間の電磁力により超電導コイルが移動しようとす
る力の大きさを小さくでき、超電導コイルの撓みによる
磁場精度の悪化を防止できるという効果がある。また、
これにより装置全体を軽量化できるとともに、安価にす
ることができるなどの効果もある。
装置は、一対の超電導コイルが配置されている真空空間
部を、磁性材からなる真空磁気シールド体により形成
し、この外側にこの真空磁気シールド体と磁気的に結合
した磁気シールドを設けることとしたので、超電導コイ
ルの互いに対向する面の反対側の面と磁気シールドとの
間の磁気抵抗を低くすることができ、これにより超電導
コイル間の電磁力により超電導コイルが移動しようとす
る力の大きさを小さくでき、超電導コイルの撓みによる
磁場精度の悪化を防止できるという効果がある。また、
これにより装置全体を軽量化できるとともに、安価にす
ることができるなどの効果もある。
また、互いにシール材を介して接合された複数の磁気
シールドにより真空空間部を構成し、真空空間部の分解
を容易としたことにより、ビームダクトを真空空間部内
に配置するようにしたので、真空槽に凹部を設ける必要
がなくなり、超電導コイルの互いに対向する面の反対側
の面と磁気シールドとの間の距離を短くすることができ
る。
シールドにより真空空間部を構成し、真空空間部の分解
を容易としたことにより、ビームダクトを真空空間部内
に配置するようにしたので、真空槽に凹部を設ける必要
がなくなり、超電導コイルの互いに対向する面の反対側
の面と磁気シールドとの間の距離を短くすることができ
る。
また、これによりコイル容器間の連結片を軌道の両側
に設けられるようになるので、コイル容器の厚みを小さ
くすることができ、上記と同様の効果を得ることができ
る。
に設けられるようになるので、コイル容器の厚みを小さ
くすることができ、上記と同様の効果を得ることができ
る。
また、荷電粒子の軌道を包むビームダクト全体を分解
が容易な真空磁気シールド体内に配置することにより、
ダクトに代えて構造が簡単なダンパーを用いることが可
能となり、装置の構造を簡単にすることができるという
効果がある。
が容易な真空磁気シールド体内に配置することにより、
ダクトに代えて構造が簡単なダンパーを用いることが可
能となり、装置の構造を簡単にすることができるという
効果がある。
第1図はこの発明の一実施例による荷電粒子偏向電磁石
装置の断面図、第2図はこの発明の第2の実施例を示す
断面図、第3図はこの発明の第3の実施例を示す断面
図、第4図はこの発明の第4の実施例を示す断面図、第
5図は従来の荷電粒子装置の一例の概略構成を示す平面
図、第6図は第5図のVI−VI線に沿う従来の偏向電磁石
装置の一例の矢視断面図である。 図において、(4)は超電導コイル、(8)は真空磁気
シールド体、(20)は軌道である。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
装置の断面図、第2図はこの発明の第2の実施例を示す
断面図、第3図はこの発明の第3の実施例を示す断面
図、第4図はこの発明の第4の実施例を示す断面図、第
5図は従来の荷電粒子装置の一例の概略構成を示す平面
図、第6図は第5図のVI−VI線に沿う従来の偏向電磁石
装置の一例の矢視断面図である。 図において、(4)は超電導コイル、(8)は真空磁気
シールド体、(20)は軌道である。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】内部に断熱のための真空空間部を形成する
とともに磁性材からなっている真空磁気シールド体と、
前記真空空間部に互いに対向するように設けられ、荷電
粒子の軌道を偏向するための磁界を発生する一対の超電
導コイルとを備えた荷電粒子偏向電磁石装置において、
前記真空磁気シールド体の外側にこの真空磁気シールド
体と磁気的に結合した磁気シールドを有することを特徴
とする荷電粒子偏向電磁石装置。 - 【請求項2】内部に断熱のための真空空間部を形成する
とともに磁性材からなる真空磁気シールド体と、荷電粒
子の軌道を包むビームダクトを挟んで前記真空空間部内
に互いに対向するように設けられ、前記軌道を偏向する
ための磁界を発生する一対の超電導コイルとを備えた荷
電粒子偏向電磁石装置において、前記真空磁気シールド
体は、シール材を介して互いに接合された複数の磁気シ
ールドにより構成され、前記ビームダクトは前記真空空
間部内に配置されていることを特徴とする荷電粒子偏向
電磁石装置。 - 【請求項3】一対の超電導コイルの各々を収納する一対
のコイル容器間を互いに連結する連結片が、荷電粒子の
軌道の両側に設けられていることを特徴とする請求項2
記載の荷電粒子偏向電磁石装置。 - 【請求項4】荷電粒子の軌道を包むビームダクトの軌道
内側壁面に、この軌道に平行な開口部を有することを特
徴とする請求項2記載の荷電粒子偏向電磁石装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16266189A JP2557106B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 荷電粒子偏向電磁石装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16266189A JP2557106B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 荷電粒子偏向電磁石装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0329303A JPH0329303A (ja) | 1991-02-07 |
JP2557106B2 true JP2557106B2 (ja) | 1996-11-27 |
Family
ID=15758876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16266189A Expired - Fee Related JP2557106B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 荷電粒子偏向電磁石装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2557106B2 (ja) |
-
1989
- 1989-06-27 JP JP16266189A patent/JP2557106B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0329303A (ja) | 1991-02-07 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |