JPH0794503A - シリコン基板の酸化方法 - Google Patents

シリコン基板の酸化方法

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JPH0794503A
JPH0794503A JP23802993A JP23802993A JPH0794503A JP H0794503 A JPH0794503 A JP H0794503A JP 23802993 A JP23802993 A JP 23802993A JP 23802993 A JP23802993 A JP 23802993A JP H0794503 A JPH0794503 A JP H0794503A
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ions
oxide film
silicon
thermal oxidation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱酸化時におけるシリコン基板11の酸化速
度を部分的に減少させることができ、またシリコン基板
11中のドーパント濃度を変化させることなく酸化速度
を部分的に増大させることができ、しかもイオン注入量
等を調節することにより酸化速度を制御して所望の厚さ
のシリコン酸化膜15、16を容易に部分的に形成する
ことができる。従って、酸化膜厚の異なる領域を一度の
熱酸化で形成することができ、ドーパントの拡散の防
止、抵抗率の制御性の向上及び製造コストの削減を図る
ことができ、半導体製造の広い範囲で用いることができ
るシリコン基板11の酸化方法を提供すること。 【構成】 シリコン基板11に窒素イオン及びアルゴン
イオンを注入した後、シリコン基板11表面の熱酸化を
行うシリコン基板11の酸化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン基板の酸化方法
に関し、より詳細にはシリコン基板表面の熱酸化を行う
際に酸化速度を制御することができるシリコン基板の酸
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造において、シリコン酸
化膜の果たしている役割は大きく、該シリコン酸化膜は
個々の能動素子や受動素子等の素子間を電気的に分離す
る素子間分離領域のフィールド酸化膜や、MOSトラン
ジスタのゲート酸化膜等として広く利用されている。し
たがって、前記シリコン酸化膜を形成する技術は重要な
技術となっており、該シリコン酸化膜を形成する技術と
しては、シリコン基板表面を直接酸化する熱酸化法があ
る。
【0003】従来の一般的な熱酸化法を用いたシリコン
基板の酸化方法では、シリコン基板にO2 やH2 +O2
等の酸化雰囲気中で高温の熱処理を施すことにより前記
シリコン基板表面をシリコン酸化膜に変化させている。
【0004】このようなシリコン基板の酸化方法におい
ては、形成される前記シリコン酸化膜の膜厚の制御を、
通常、熱処理時における温度、時間、酸素分圧等の値を
変化させることによって行っている。
【0005】また、前記シリコン基板中の原子空孔濃度
によって酸化速度は制御される。すなわち、該シリコン
基板中の原子空孔濃度が高くなると、小さなエネルギー
でSi−Si結合が切れるため、酸化速度が増大する。
例えば、該シリコン基板中のドーパント(As、P、B
等)濃度が高くなると、フェルミレベルの位置がずれ、
原子空孔の濃度が高くなり、酸化速度が増加することが
知られている(C.P.Hoand J.D.plummer, J.Electroche
m.Soc., 126(1979)1523 )。また、ドーパントの導入に
イオン注入法を用いた場合、誘起される欠陥のうち、原
子空孔は基板表面近傍に多く分布し、このため基板表面
の酸化速度が増大することが知られている(S.Solmi et
al, Appl. Phys. Lett., 51(1987)331 )。したがっ
て、ドーパントの導入をイオン注入法を用いて行い、ま
たイオンの種類、イオン注入時の加速電圧及び注入量等
を制御することにより基板表面の原子空孔の分布が制御
され、酸化速度が制御される。
【0006】また、例えばゲート酸化膜のように素子の
微細化に伴って薄くなってきた前記シリコン酸化膜を形
成する場合には、酸化速度を減少させる方法として、通
常、熱処理時における温度を下げる方法や雰囲気中の酸
素分圧を小さくする方法等が採用されている。
【0007】ところで、同一シリコン基板上に酸化膜厚
の異なる領域を作成するには、通常複数回の熱酸化を組
み合わせて行う方法が用いられており、例えば、半導体
装置の素子分離領域及び素子領域を形成する場合に用い
られる方法としてLOCOS法(Local Oxidation of S
ilicon)が知られている。
【0008】図5は従来のLOCOS法(Local Oxidat
ion of Silicon)により素子分離領域を形成する場合に
おける各工程を示した模式的断面図である。
【0009】まず、pウエルを形成しておいたシリコン
基板41表面の一回目の熱酸化を行ってシリコン酸化膜
43を形成し、このシリコン酸化膜43上の全面にCV
Dによりシリコン窒化膜42を形成する(図5
(a))。
【0010】この後、フォトリソグラフィによるレジス
トパターン(図示せず)を形成し、すなわち後の工程で
厚いシリコン酸化膜45(図5(d))を形成する素子
分離領域上のシリコン窒化膜42に選択的エッチングを
施し、後のイオン注入工程でマスクとなるシリコン窒化
膜パターン42aを形成する(図5(b))。
【0011】次に、前記選択的エッチングにより露出さ
せたシリコン酸化膜43に、シリコン窒化膜パターン4
2aをマスクとしてセルフアライメント的に高濃度のp
型イオンを素子分離用イオンとして注入し、素子分離領
域47を形成する(図5(c))。
【0012】この後、シリコン酸化膜43に二回目の熱
酸化処理を施し、厚いシリコン酸化膜45を形成し(図
5(d))、その後シリコン窒化膜パターン42aと、
素子分離領域47上以外のシリコン酸化膜43とをエッ
チングにより除去する。
【0013】次に、温度、時間、雰囲気中の酸素分圧等
を制御しながら三回目の熱酸化を行い、薄いシリコン酸
化膜46を形成する。その後、薄いシリコン酸化膜46
にセルフアライメント的にしきい値制御用のp型イオン
を注入し、素子領域48を形成する(図5(e))。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の一般的
な熱酸化法によるシリコン基板の酸化方法において、熱
処理時における温度、時間、酸素分圧等により酸化膜厚
を制御する場合、シリコン基板表面全体が制御されるた
め、部分的に酸化膜厚を制御することができないという
課題があり、したがって一度の熱酸化では1種類の膜厚
しか形成できないという課題があった。
【0015】また、図5に示した従来のLOCOS法を
用いたシリコン基板の酸化方法においては、半導体装置
の素子分離領域47及び素子領域48を形成する際、同
一シリコン基板41上に酸化膜厚の異なる領域を形成す
る。その際、通常、3回の熱酸化を行う。
【0016】しかしながら、熱酸化の回数が多いと、ド
ーパントイオンが不要に拡散し、ドーパント分布の制御
性が低下するという課題があり、このため半導体製造工
程上利用できない箇所があるという課題があった。ま
た、複数回の熱酸化工程、シリコン窒化膜の形成工程及
びエッチング工程が必要であるため、工程を簡略化する
ことができず、製造コストが高くつくという課題があっ
た。
【0017】このような問題に対処するため、イオン注
入法を利用してドーパントを注入し、しかもイオンの種
類、イオン注入時の加速電圧及び注入量を制御すること
により部分的に酸化速度を制御する方法も考えられる
が、この方法では酸化速度を増加させる方向にしか制御
することができないという課題があり、また、酸化速度
を増加させたい部分のドーパンド濃度を不要に高くして
しまうため、抵抗率等の制御性が低下するという課題が
あり、半導体製造工程上利用できない場合があり、した
がって酸化膜厚の異なる領域を一度の熱酸化で形成する
ことは困難であるという課題があった。
【0018】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであって、シリコン基板の酸化速度を部分的に減少さ
せることができ、シリコン基板中のドーパント濃度を変
化させることなく酸化速度を部分的に増大させることが
でき、しかもイオン注入量等を調節することにより酸化
速度を制御して所望の厚さのシリコン酸化膜を容易に部
分的に形成することができ、従って酸化膜厚の異なる領
域を一度の熱酸化で形成することができ、ドーパントの
拡散の防止、抵抗率の制御性の向上及び製造コストの削
減を図ることができ、半導体製造の広い範囲で用いるこ
とができるシリコン基板の酸化方法を提供することを目
的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るシリコン基板の酸化方法は、シリコン基
板に窒素イオンを注入した後、前記シリコン基板表面の
熱酸化を行うことを特徴としている(1)。
【0020】また本発明に係るシリコン基板の酸化方法
は、シリコン基板にアルゴンイオンを注入した後、前記
シリコン基板表面の熱酸化を行うことを特徴としてい
る。(2) また本発明に係るシリコン基板の酸化方法は、シリコン
基板に窒素イオンおよびアルゴンイオンを注入した後、
前記シリコン基板表面の熱酸化を行うことを特徴として
いる(3)。
【0021】さらに本発明に係るシリコン基板の酸化方
法は、窒素イオンとともにシリコンイオンも注入するこ
とを特徴としている(4)。
【0022】
【作用】図1は窒素イオン、窒素イオン及びシリコンイ
オン、アルゴンイオン、ひ素イオンを注入した各シリコ
ン基板と、イオンを注入しないシリコン基板とに酸化温
度を900℃から950℃に変化させて乾燥酸素雰囲気
中で60分間の熱酸化処理を施し、得られた各シリコン
酸化膜の厚みを比較したグラフである。
【0023】図1から明らかなように、イオンを注入し
ない場合、900℃における前記シリコン酸化膜の膜厚
は約18nmであり、酸化速度は約0.3nm/min
であった。また、ドーパントであるひ素(As)イオン
を注入した場合、900℃における膜厚は約56nmで
あり、酸化速度は約0.95nm/minである。
【0024】これに対して窒素イオンを注入した場合お
よび窒素イオンとシリコンイオンとを注入した場合は、
900℃における膜厚は約5nmであり、酸化速度は約
0.08nm/minとイオンを注入しない場合の約1
/4に減少している。このような現象は、注入された窒
素イオンが基板中のシリコン原子と反応して窒化物を形
成し、酸素の拡散と、シリコン原子と酸素との反応とを
抑制することに起因して生じる。また、窒素イオンとシ
リコンイオンとを注入する場合には、注入されたシリコ
ンイオンが基板中のSi−Si結合を切断して窒素イオ
ンと結びつきやすくなること、および注入されたシリコ
ンイオン自身も窒素イオンと結合することから注入した
窒素イオンが有効に利用されるので、窒素イオンだけを
注入する場合に比べて窒素イオンの注入量が少なくてす
む。
【0025】一方、アルゴン(Ar)イオンを注入した
場合は、900℃における膜厚は約26nmであり、酸
化速度は約0.43nm/minとイオンを注入しなか
った場合の約1.4倍に増加している。このような現象
は、注入されたアルゴンイオンによりシリコン基板表面
に原子空孔が増加することに起因して生じ、また酸化温
度が高くなるにしたがって酸化速度が増加している。
【0026】また、図2は乾燥酸素雰囲気中で950
℃、60分間の熱酸化を行った場合における窒素イオ
ン、窒素イオンとシリコンイオン、及びアルゴンイオン
の注入量に対するシリコン酸化膜の膜厚の変化を示した
グラフである。図2からわかるように、熱酸化時におけ
る温度等の条件とは独立して窒素イオン、窒素イオンと
シリコンイオン、及びアルゴンイオンの注入量を変化さ
せることにより前記シリコン酸化膜の膜厚を制御するこ
とが可能である。したがって、熱酸化前に前記シリコン
基板表面の種々の領域に注入量を変化させて窒素イオ
ン、窒素イオンとシリコンイオン、あるいはアルゴンイ
オンを注入しておけば、1回の熱酸化で異なる膜厚の前
記シリコン酸化膜を形成することが可能となる。
【0027】なお、シリコンイオンの注入は窒素イオン
注入の前後いずれに行ってもよく、また同時に行っても
よい。
【0028】上記(1)記載のシリコン基板の酸化方法
によれば、窒素イオンがシリコン基板中のシリコン原子
と反応することにより窒化物が形成されることとなり、
窒素イオン注入領域ではSi−N結合を切るために大き
なエネルギーが必要となり、部分的に酸化速度が減少す
る。しかも窒素はドーパントではないため、抵抗率の制
御性が低下することはない。
【0029】また、窒素イオンの注入量等を調節するこ
とにより熱酸化時の条件とは独立して酸化速度が制御さ
れるため、所望箇所に所望厚さのシリコン酸化膜を容易
に形成することが可能となる。ただし、窒素イオンの注
入量が多すぎると前記シリコン基板に欠陥が生じること
があるので、シリコンイオンを合わせて注入するのが好
ましい。
【0030】また上記(2)記載のシリコン基板の酸化
方法によれば、アルゴンイオンを注入することにより前
記シリコン基板の表面における原子空孔濃度が高まり、
アルゴンイオン注入領域では小さなエネルギーでSi−
Si結合が切れ、しかもアルゴンはドーパントではない
ため、前記シリコン基板中のドーパント濃度を変化させ
ることなく部分的に酸化速度を増大させることが可能と
なり、抵抗率の制御性の向上が図られ、半導体製造にお
ける利用範囲が広がる。また、アルゴンイオンの注入量
等を調節することにより熱酸化時の条件とは独立して酸
化速度が制御されるため、所望箇所に所望厚さのシリコ
ン酸化膜を容易に形成することが可能となる。
【0031】また上記(3)記載のシリコン基板の酸化
方法によれば、上記(1)及び(2)記載の方法による
作用と同様の作用が得られ、これに加えて例えばシリコ
ン基板に素子分離領域を形成する場合や異なるゲート酸
化膜厚を有するMOSトランジスタを形成する場合にお
いて、熱酸化前の前記シリコン基板に窒素イオン注入領
域とアルゴンイオン注入領域とを形成しておくことによ
り、酸化速度の速い部分と遅い部分とが形成され、酸化
膜厚の異なる領域が1度の熱酸化で容易に形成される。
このため、複数回の熱酸化によるドーパントの拡散がな
くなり、ドーパント分布の制御性が向上し、また熱酸化
工程やシリコン窒化膜の形成工程及びエッチング工程等
の省略化が図られ、製造コストが大幅に削減される。
【0032】さらに上記(4)記載のシリコン基板の酸
化方法によれば、上記(1)、(3)記載の方法による
作用に加え、注入した窒素イオンがより有効に利用され
るため、窒素イオンの注入量を少なくすることが可能と
なる。
【0033】
【実施例】以下、本発明に係るシリコン基板の酸化方法
の実施例を図面に基づいて説明する。
【0034】図3は実施例に係るシリコン基板の酸化方
法を工程順に示した模式的断面図である。なお、ここで
は素子分離領域を形成する場合について説明する。ま
ず、シリコン基板11上にレジスト(図示せず)を塗布
した後、後の工程で厚いシリコン酸化膜15(図3
(d))を形成する素子分離領域上にフォトリソグラフ
ィによりレジストパターン12aを形成する(図3
(a))。
【0035】次に、このレジストパターン12aをマス
クとして窒素イオンを例えば25kV、5×1015cm
-2の条件で注入し、窒素イオン注入領域13を形成する
(図3(b))。
【0036】この後、レジストパターン12aをエッチ
ングにより除去した後、後の工程で薄いシリコン酸化膜
16(図3(d))を形成する素子領域上にフォトリソ
グラフィによりレジストパターン12bを形成し、この
レジストパターン12bをマスクとしてドーパントでは
ないアルゴンイオンを例えば58.8kV、5×10 15
cm-2の条件で注入し、アルゴンイオン注入領域14を
形成する(図3(c))。なおこの時、同時に素子分離
用のドーパントイオンの注入を行うことができる。
【0037】次に、レジストパターン12bを除去した
後、酸素ガスを用い、1050℃で4時間の熱酸化を行
うと、図1に示したように窒素イオン注入領域13では
酸化速度が減少し、膜厚が約7nmの薄いシリコン酸化
膜16が形成されるとともに、アルゴンイオン注入領域
14では酸化速度が増大し、膜厚が約170nmの厚い
シリコン酸化膜15が形成される(図3(d))。な
お、ここで形成された薄いシリコン酸化膜16が素子領
域、厚いシリコン酸化膜15が素子分離領域となる。
【0038】上記したように本実施例に係るシリコン基
板11の酸化方法にあっては、シリコン基板11に窒素
イオン及びアルゴンイオンを注入した後、シリコン基板
11表面の熱酸化を行うので、窒素イオンがシリコン基
板11中のシリコン原子と反応することにより窒化物が
形成され、窒素イオン注入領域13ではSi−N結合を
切るために大きなエネルギーが必要となり、また酸素の
拡散も抑制されるため、部分的に酸化速度を減少させる
ことができる。しかも、窒素はドーパントではないた
め、抵抗率の制御性が低下することはない。
【0039】また、アルゴンイオンを注入することによ
りシリコン基板11表面における原子空孔濃度が高ま
り、アルゴンイオン注入領域14では小さなエネルギー
でSi−Si結合が切れ、しかもアルゴンはドーパント
ではないため、シリコン基板11中のドーパント濃度が
変化することなく部分的に酸化速度が増大し、抵抗率の
制御性が向上し、半導体製造における利用範囲を広げる
ことができる。
【0040】さらに、イオン注入量等を調節することに
より熱酸化時の条件とは独立して酸化速度を制御するこ
とができ、所望箇所に所望厚さのシリコン酸化膜を容易
に形成することができる。
【0041】したがって、例えばシリコン基板11に素
子分離領域を形成する場合において、熱酸化前のシリコ
ン基板11に窒素イオン注入領域13とアルゴンイオン
注入領域14とを形成しておくことにより酸化速度の速
い部分と遅い部分とを形成することができ、一度の熱酸
化であっても厚いシリコン酸化膜15からなる前記素子
分離領域と薄いシリコン酸化膜16からなる前記素子領
域とを同時に形成することができる。このため、複数回
の熱酸化によるドーパントの拡散をなくしてドーパント
分布の制御性を向上させることができ、また熱酸化工程
やシリコン窒化膜の形成工程及びエッチング工程等を省
略して製造コストを大幅に削減することができる。
【0042】また、上記した方法により前記素子分離領
域を形成した後にMOSトランジスタを製造する場合、
薄いシリコン酸化膜16をチャネル用イオン注入時の保
護酸化膜として用いることができ、通常のLOCOS法
における再酸化を省略することができ、製造コストの削
減をより一層図ることができる。
【0043】なお本実施例においては、窒素イオンを単
独で注入した場合を例にとって説明したが、別の実施例
において、窒素イオンとともにシリコンイオンも注入し
た場合には、窒素イオンの注入量を少なくしてもよく、
この場合も本実施例における効果と同等の効果を得るこ
とができ、これに加えてシリコン基板に欠陥を生じさせ
にくくすることができる。
【0044】また、図4は別の実施例に係るシリコン基
板の酸化方法を工程順に示した模式的断面図である。こ
こでは、膜厚の異なるゲート酸化膜を有するMOSトラ
ンジスタを製造する場合について説明する。まず、フィ
ールド酸化膜25が形成されたシリコン基板21上にレ
ジスト(図示せず)を塗布した後、後の工程で厚いシリ
コン酸化膜27を形成する領域(図4(c)参照)上及
びその両側のフィールド酸化膜25上にフォトリソグラ
フィによりレジストパターン22aを形成し、このレジ
ストパターン22aをマスクとして窒素イオンを例えば
25kV、5×1015cm-2の条件で注入する(図4
(a))。
【0045】次に、レジストパターン22aをエッチン
グにより除去した後、後の工程で薄いシリコン酸化膜2
6を形成する領域(図4(c)参照)のシリコン基板2
1上及びその両側のフィールド酸化膜25上にフォトリ
ソグラフィによりレジストパターン22bを形成し、こ
のレジストパターン22bをマスクとしてドーパントで
はないアルゴンイオンを例えば58.8kV、5×10
15cm-2の条件で注入する(図4(b))。これらの注
入の時、同時にそれぞれのトランジスタのしきい値制御
用のドーパントイオンの注入を行うことができる。
【0046】次に、レジストパターン22bをエッチン
グにより除去した後、酸素ガスを用い、950℃で1時
間の熱酸化を行うと、図1に示したように窒素イオン注
入領域23では酸化速度が減少し、膜厚が約6nmの薄
いシリコン酸化膜26が形成されるとともに、アルゴン
イオン注入領域24では酸化速度が増大し、膜厚が約3
9nmの厚いシリコン酸化膜27が形成される(図4
(c))。ここで形成された薄いシリコン酸化膜26及
び厚いシリコン酸化膜27が膜厚の異なるゲート酸化膜
となる。
【0047】このような膜厚の異なる前記ゲート酸化膜
を形成した後に、ゲート電極30、31、ソース・ドレ
イン領域28、29を形成すれば、膜厚の異なる前記ゲ
ート酸化膜を有するMOSトランジスタが製造される。
【0048】以上説明したように本実施例に係るシリコ
ン基板21の酸化方法によれば、膜厚の異なる前記ゲー
ト酸化膜を有するMOSトランジスタを形成する場合に
おいて、上記した実施例に係るシリコン基板11の酸化
方法の場合に得られた効果と略同様の効果を得ることが
できる。
【0049】なお、本実施例では2種類の異なる厚さの
前記ゲート酸化膜を形成する場合について説明したが、
別の実施例では窒素イオン及びアルゴンイオンの注入量
や注入領域等の条件を変化させることにより、同一シリ
コン基板上に2種類以上の異なる厚さのゲート酸化膜を
有するMOSトランジスタを製造することができる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るシリコ
ン基板の酸化方法(1)によれば、窒素イオン注入領域
では窒素イオン及びシリコン原子により形成された窒化
物のSi−N結合を切るために大きなエネルギーが必要
となり、また酸素の拡散が抑制されるので、部分的に酸
化速度を減少させることができる。しかも窒素はドーパ
ントではないため、抵抗率の制御性が低下することはな
い。
【0051】また、窒素イオンの注入量等を調節するこ
とにより熱酸化時の条件とは独立して酸化速度を制御す
ることができるため、所望箇所に所望厚さのシリコン酸
化膜を容易に形成することができる。
【0052】また、本発明に係るシリコン基板の酸化方
法(2)によれば、アルゴンイオン注入領域では小さな
エネルギーでシリコン基板のSi−Si結合が切れ、し
かもアルゴンはドーパントではないため、前記シリコン
基板中のドーパント濃度が変化することなく部分的に酸
化速度が増大し、抵抗率の制御性が向上し、半導体製造
における利用範囲を広げることができる。
【0053】また、アルゴンイオンの注入量等を調節す
ることにより熱酸化時の条件とは独立して酸化速度を制
御することができ、所望箇所に所望厚さのシリコン酸化
膜を容易に形成することができる。
【0054】また、本発明に係るシリコン基板の酸化方
法(3)によれば、上記(1)及び(2)記載の方法に
おける効果と同様の効果が得られ、これに加えて例えば
シリコン基板に素子分離領域を形成する場合や異なるゲ
ート酸化膜厚を有するMOSトランジスタを形成する場
合において、熱酸化前の前記シリコン基板に窒素イオン
注入領域とアルゴンイオン注入領域とを形成しておくこ
とにより、酸化速度の速い部分と遅い部分とを形成する
ことができ、酸化膜厚の異なる領域を一度の熱酸化で形
成することができる。このため、複数回の熱酸化による
ドーパントの拡散をなくしてドーパント分布の制御性を
向上させることができ、また、熱酸化工程やシリコン窒
化膜の形成工程及びエッチング工程等を省略して製造コ
ストを大幅に削減することができる。
【0055】さらに本発明に係るシリコン基板の酸化方
法(4)によれば上記(1)、(3)記載の方法による
作用に加え、注入した窒素イオンがより有効に利用され
るため、窒素イオンの注入量を少なくすることができ、
前記シリコン基板に欠陥を生じにくくさせることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒素イオン、窒素イオン及びシリコンイオン、
アルゴンイオン、ひ素イオンを注入した各シリコン基板
と、イオンを注入しないシリコン基板とに酸化温度を9
00℃から950℃に変化させて乾燥酸素雰囲気中で6
0分間の熱酸化処理を施し、得られた各シリコン酸化膜
の厚みを比較したグラフである。
【図2】乾燥酸素雰囲気中で950℃、60分間の熱酸
化を行った場合における窒素イオン、窒素イオンとシリ
コンイオン、及びアルゴンイオンの注入量に対するシリ
コン酸化膜の膜厚の変化を示したグラフである。
【図3】本発明に係るシリコン基板の酸化方法の実施例
を工程順に示した模式的断面図である。
【図4】別の実施例に係るシリコン基板の酸化方法を工
程順に示した模式的断面図である。
【図5】従来のLOCOS法を用いたシリコン基板の酸
化方法を工程順に示した模式的断面図である。
【符号の説明】
11、21 シリコン基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板に窒素イオンを注入した
    後、前記シリコン基板表面の熱酸化を行うことを特徴と
    するシリコン基板の酸化方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基板にアルゴンイオンを注入し
    た後、前記シリコン基板表面の熱酸化を行うことを特徴
    とするシリコン基板の酸化方法。
  3. 【請求項3】 シリコン基板に窒素イオンおよびアルゴ
    ンイオンを注入した後、前記シリコン基板表面の熱酸化
    を行うことを特徴とするシリコン基板の酸化方法。
  4. 【請求項4】 窒素イオンとともにシリコンイオンも注
    入することを特徴とする請求項1または請求項3記載の
    シリコン基板の酸化方法。
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