JPH0794395A - X線マスク及びその製造方法 - Google Patents

X線マスク及びその製造方法

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JPH0794395A
JPH0794395A JP23705093A JP23705093A JPH0794395A JP H0794395 A JPH0794395 A JP H0794395A JP 23705093 A JP23705093 A JP 23705093A JP 23705093 A JP23705093 A JP 23705093A JP H0794395 A JPH0794395 A JP H0794395A
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JP
Japan
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ray
pattern
mask
transparent support
thin film
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JP23705093A
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Inventor
Soichiro Mitsui
壮一郎 三井
Iwao Tokawa
巌 東川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線吸収体パターン形成後にパターンを所望
のパターン配置位置に移動して配置することにより、位
置精度の高いX線マスクの製造方法およびX線マスクを
提供することにある。 【構成】 形成されたX線吸収体パターンをパターンが
搭載している所望領域のX線透過性支持薄膜の膜厚、あ
るいは(および)膜応力を増減する加工を施し、X線マ
スク面内に作用している力の分布を変えることにより、
X線吸収体パターンを所望のパターン配置位置に移動し
て再配置することにより位置精度の高いX線マスクを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線マスク及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、X線マスクは、図11(a)に
示すように、補強枠101とSi基板枠102により保
持され且つX線に対する吸収率が特に小さいX線透過性
の材料からなるX線透過性薄膜103と、このX線透過
性薄膜103上に設けられ且つX線に対する吸収率が大
きい材料からなるマスクパターン(X線吸収体パター
ン)104とこのX線透過性薄膜103の全体を支持し
ているX線透過性支持基板106とを有した構造となっ
ている。尚、Si基板枠102は、X線透過性薄膜とX
線透過性支持基板106の厚さが極めて薄く機械的に弱
いため、X線吸収体パターン104に歪みを極力生じさ
せないために設けられている。
【0003】このX線マスクの製造方法は、Si基板上
にX線透過性薄膜(メンブレン膜)103とX線吸収パ
ターン104を形成し、Si基板の一部をSi基板枠1
02として周囲のみを残し、少なくとも露光領域の無部
分をエッツチバックして除去し、Si基板枠102を更
に補強枠101で強化し、X線吸収体パターン104に
極力歪みを生じないようにする。
【0004】このようにして得られる従来のX線マスク
の面内パターン位置精度をニコン社製測長機「光波3
I」を用いて、所望パターンに対する形成したパターン
の変位(面内パターン歪み;IPD:In−Plane
Distortion)を測定することにより評価し
た。その結果、図11(b)に示すように、発生したI
PDは平均0.011μm、3σ0.043μm、最大
値0.049μmであった。また変位はほぼ一方向に生
じていた。例えば、0.15μmルールのデバイスをX
線リソグラフィで実現するために要求される重ね合わせ
精度をデザインルールの1/3として0.05μmと考
え、その誤差要因のうち、マスクで許容される値を0.
03μmと想定した場合、上記のパターン精度は要求値
に達していない。
【0005】このように、要求されるパターン精度が得
られない理由として、例えば、図12に示すように内部
応力(引張り応力)が均一なX線透過性支持薄膜103
において、図12に示すように、膜厚分布がある場合I
PDは膜厚の厚い方へ変位する。また、図13に示すよ
うに、膜厚が均一な場合には、IPDは応力分布にした
がって内部応力の大きい方へ変位する。さらに、図14
に示すように、膜厚分布と応力分布が共存する場合に
は、膜厚と応力の積(膜内部に作用している力)の大き
い方へパターン104は変位する。尚、図12〜図14
の内各(a)図は膜厚や応力の分布を示す断面図、各
(b)図は変位状態を示す図で、(c)で示す各図は、
それぞれ膜厚分布、応力分布および膜厚と応力の積の分
布と、変位との関係を示す図である。
【0006】従来X線マスクのパターン成形精度を向上
する方法は、パターン形成前のX線透過膜成膜工程にお
けるX線透過膜の膜厚、応力の均一化、およびX線吸収
体パターン成膜工程におけるX線吸収体パターンの低応
力化により達成しようとするものが主であった。しかし
ながら、これらの方法では未だに成膜の再現性が乏し
く、パターン精度を要求値に到達させるには問題が残っ
ている。また、マスクの形成後にパターン精度を向上す
る方法には、パターン直下のX線透過膜にイオンを注入
し、このイオンのX線透過膜の結晶内に入り込み格子間
隔を広げる作用を利用して膜応力を変化させ、X線透過
膜の面外歪みによってX線吸収体パターンによるX線透
過膜の変形や歪みを抑止するものが提案されている(特
開平4−196211)。また最近マスクのパターン精
度を向上する方法としてX線露光領域周辺部のマスク基
板裏面に高伸張フィルムを堆積させて、凹状のマスク歪
みを低減して平坦にするものが提案されている(特開平
5−90137)。この場合には平面度の劣化に伴い生
じるパターン歪みは低減できる。しかし、これらの従来
技術においては、著しく均一な支持膜の作成と無変形枠
の形成、および低応力吸収体の作成が要求され技術的困
難さが伴っている。また膜厚、応力等の面内均一性に関
する要求も厳しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術を用いて作製
するX線マスクは、要求されるパターンに対するパター
ン精度を達成するために、X線マスクを構成する薄膜に
対し膜応力、膜厚などの物性として著しく達成困難な値
および均一性を要求しており、従来技術においては大面
積で高精度のマスクを提供することが困難であった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところはX線吸収体パターン形成後
にこのパターンを所望のパターンに修正することによ
り、パターン精度の高いX線マスクを製造する方法およ
びX線マスクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、枠体に配設さ
れたX線透過性支持基板と、このX線透過性支持基板に
面設されたX線透過性支持薄膜と、このX線透過性支持
薄膜側の面にX線吸収体で形成したX線吸収体パターン
とを具備し、上記X線透過性支持基板側の面の所望の位
置にX線吸収体パターンのパターン歪みを修正するため
の切除部或いは応力付加体或いはイオンが注入されてい
るイオン注入部を設けたX線マスクである。
【0010】また、本発明は、少なくともX線吸収体に
より形成されたX線吸収体パターンがX線透過性支持薄
膜上に保持された構造を有するX線マスクの製造方法に
おいて、上記X線吸収体のパターンを形成後、所望領域
の上記支持薄膜の膜厚を増減する加工、もしくは所望領
域の前記支持薄膜の膜応力を増減する加工のうち少なく
とも何れか一方の加工を施して、上記X線マスク面内に
作用している力の分布を変えることにより上記X線パタ
ーンのパターン歪みを修正するX線マスクの製造方法で
ある。
【0011】
【作用】本発明のX線マスクは、X線吸収体パターン及
びX線透過性薄膜を支持するX線透過性支持基板の板厚
若しくはその支持基板内の応力を増減させることによ
り、X線マスク内に作用している応力分布を変え、X線
吸収体パターンに歪みがあるときには、その歪みの変位
量を所望のパターンに修正することにより、パターン精
度の高いX線マスクを得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。まず、本発明のX線マスクの基本構成について、図
1を用いて説明する。図1(a)に示すX線マスクは、
本発明のX線マスクを作製する前の状態を示している。
このX線マスクは、枠体1に載置されているX線透過支
持基板2と、このX線透過性支持基板2に面設されたX
線透過性支持薄膜3と、このX線透過性支持薄膜3側の
面にX線吸収体で形成したX線吸収体パターン4とを具
備して構成されている。このX線マスクに形成されるX
線吸収体パターン4は、その製造工程等により、所望の
パターン401とは変位した位置に歪みパターン402
が生じてしまっている状態を示している。
【0013】図1(a)に示すX線マスクは、本発明の
X線マスクを示し、上記X線透過性支持基板2側の面の
所望の位置にX線吸収体パターン4のパターン歪みを修
正するための切除部201が設けられている。この切除
部201を設けることにより、歪みパターン402を所
望の位置に修正した修正パターン403とすることがで
きるのである。この時の所望パターンから修正パターン
への動きを「移動修正」もしくは「パターン配置位置の
移動」と称して説明する。
【0014】即ち、移動修正すべきパターン402を所
望のパターン配置位置401に移動するには、移動させ
る方向にあるX線透過性支持薄膜2,3の膜厚に対し
て、移動修正すべきパターン402の搭載領域近傍のX
線透過性支持薄膜2,3の膜厚を所定量薄く形成するこ
とにより、X線マスク面内に作用している力の分布を変
化させて、これにより発生するIPDによりパターンを
所望のパターン配置位置に移動することが可能となる。
また同様に移動させる方向にあるX線透過性支持薄膜の
膜厚を移動修正すべきパターンの搭載領域近傍のX線透
過性支持薄膜の膜厚に対して厚く形成することにより、
X線マスク面内に作用している力の分布を変化させて、
これにより発生するIPDによりパターンを所望のパタ
ーン配置位置に移動することが可能となる次に、図2
(b)に示すように移動修正すべきパターン404を所
望のパターン配置位置405に移動するには、移動させ
る方向にあるX線透過性支持薄膜応力に対して移動修正
すべきパターンの搭載領域近傍のX線透過性支持薄膜応
力202を所定量小さくなるように形成することによ
り、X線マスク面内に作用している力の分布を変化させ
て、これにより発生するIPDによりパターンを所望の
パターン配置位置に移動することが可能となる。また同
様に移動させる方向にあるX線透過性支持薄膜応力を移
動修正すべきパターンの搭載領域近傍のX線透過性支持
薄膜応力に対して大きくなるように形成することによ
り、X線マスク面内に作用している力の分布を変化させ
て、これにより発生するIPDによりパターンを所望の
パターン配置位置に移動することが可能となる。
【0015】またX線透過性支持薄膜の片面あるいは両
面に反射防止膜、エッチングストッパー膜、チャージア
ップ防止膜、バッファー膜などの薄膜が形成されている
場合でも、前述同様の作用により移動修正すべきパター
ンを所望のパターン配置位置に移動することが可能とな
る。
【0016】このように図1〜2に示したパターンを移
動修正する方法は、X線マスクのように自立支持膜を有
した構造物に対しては非常に有効であるが、通常のフォ
トリソグラフィに使用されているレチクルのように、剛
体とみなせる構造物上にパターンが形成されている場合
には効力はほとんどなく、X線マスクのように自立支持
膜を有した構造物に特有な差別化された技術である。
【0017】次に、本発明のX線マスクの製造方法につ
いて説明する。まず、高周波加熱方式のLPCVD装置
のSiCコーティングしたサセプタ上に、面方位(10
0)の両面研磨した厚さが600μmで、厚さ均一性が
高い(TTV:Total Thickness Variation ≦0.3μ
m)3インチSi基板1を載置し、1000℃において
塩化水素(HCl)ガスによりSi基板1の気相エッチ
ングを施すことにより、Si基板1上に存在する自然酸
化膜および重金属類の汚染物を除去した。これによりS
i基板表面清浄化処理が完了する。次に、図3(a)に
示すごとく、Si原料としてシラン(SiH4 )、C原
料としてアセチレン(C22 )、添加ガスとして塩化
水素(HCl)、キャリアガスとして水素(H2 )の各
ガスを供給して基板温度1100℃にて、各ガス流量、
基板温度の制御をしてSiC膜2を1μm堆積した。形
成したSiC膜2の応力はSi基板1の反りから測定し
た結果、1×108 N/m2 の引張り応力であった。
【0018】次に、図3(b)に示すように、マグネト
ロンスパッリング装置によりHe−Neレーザー光に対
して反射防止膜となるようアルミナ膜3を厚さ98nm
に形成する。スパッタリング条件は、印加電力1kW、
Ar圧力を3mTorrとした。
【0019】次に、図3(c)に示すように、マグネト
ロンスパッリング装置により、アルミナ膜3上にX線吸
収体パターンとなるW膜4を0.5μm堆積させた。印
加電力は、1.7kW/cm2 とし、ガス圧力を密度の
大きいW膜を形成できる低圧力側で、低応力が得られる
3mTorrとした。形成したW膜4の応力はSi基板
1の反りから測定した結果、2×107 N/m2 の引張
り応力であった。そして、このW膜4にArイオンをエ
ネルギー180keV、2×1015ions/cm2 のドー
ズ量で注入し、W膜4の応力をゼロとなるようにした。
次に、W膜4上にエッチングマスクとなるアルミナ膜5
をマグネトロンスパッタ装置により厚さ50nmに形成
する。
【0020】そして、図3(d)に示すごとく、表面研
磨した石英ガラスからなる補強枠(外径100mmφ、
開孔径60mmφ、面精度0.1μm以下)6とマスク
基板であるSi基板1を直接接合により室温で接合し
た。Si基板1の領域のマスク平面度は、He−Neレ
ーザー干渉計により測定した結果、約0.3μmであっ
た。
【0021】次に、図3(e)に示すごとく、アルミナ
膜5上に電子ビームレジスト(SAL601、シップレ
ー社製)7を塗布し、電子ビーム描画装置によりレジス
ト7を描画して所望のパターンを形成する。照射量は1
3μC/cm2 とした。
【0022】次に、図3(f)に示すように、プラズマ
エッチング装置により、エッチングガスBCl3 を用い
て、レジスト7をマスクとしてアルミナ膜5をエッチン
グする。そして酸素プラズマによりレジストを除去した
後、図3(g)に示すごとく、エッチングガスにSF6
+CHF3 を用いてアルミナパターン5をマスクにW膜
4を異方性エッチングする。
【0023】次に、図3(h)に示すごとく、Si基板
1表面のパターン面を純水スプレーにより冷却しなが
ら、開口部8より弗化水素酸の硝酸の混合溶液をスプレ
ーしてSi基板1をバックエッチングして除去しX線露
光領域を形成した。
【0024】次に、図3(i)に示すごとく、反射防止
膜としてのアルミナ膜9をスパッタリング法により、X
線透過膜のX線吸収体パターンのある面と反対側の面に
厚さ98nmに形成する。
【0025】ここまでの工程により作製したマスクにつ
いて、マスクのパターン配置位置をニコン社製「光波3
I」により測定し、設計パターン位置と形成したパター
ンとの寸法差を検査した。最大の位置の差は0.054
μmであり、3σで0.044μmであった。また変位
はほぼ一方向(Y方向)に生じていた。
【0026】次に、形成したパターン4の一部を所定量
移動修正して位置歪みを低減するために、パターン4の
裏面に位置するX線透過性支持膜(X線透過性を支持基
板2とX線透過性薄膜3,9からなる構造体をX線透過
性支持膜301と称す)の膜厚を図4(a)に示す装置
を用いてケミカルドライエッチング法(CDE)により
エッチングガスにCF4 とO2 の混合ガス33をエッチ
ングガス発生部20から供給し、チャンバー21内で所
定量薄くした。エッチング量は、各パターンに必要な移
動量となるように計算により求めた値を用いた。装置は
XYステージ34を駆動するX−Yステージ駆動モータ
22を制御することによりマスク35を走査しながら、
各座標位置に対して時間制御してエッチングできる機能
を有している。さらに、図4(b)に示すように、ノズ
ル36によりエッチング領域のサイズを調整することが
できる。このCDEにより加工したX線透過性支持膜3
01のエッチング分布を図5(c)に示す。このように
して、X線透過性支持膜301の膜厚を位置歪みを低減
するように制御して加工し、形成後のパターン4を設計
パターン配置位置に移動修正して位置精度を向上させ
た。尚、X線マスク35は、冷却ガス23で冷却され、
スペーサ24を介してマスクホルダ25で固定されてい
る。
【0027】以上の工程により作製したマスクのパター
ン配置位置をニコン社製「光波3I」により測定し、設
計パターンデータと比較検査したところ、最大の位置変
位量0.018μm、平均変位量0.03μm、3σで
0.014μmが得られた。
【0028】つぎに、本発明の他の実施例について詳細
に説明する。前述同様の工程により作製したマスクにつ
いて、図6(a)に示すようにマスクのパターン配置位
置をニコン社製「光波3I」により測定し、設計パター
ン位置と形成したパターンとの寸法差を検査した。最大
の位置の差は0.064μmであり、3σで0.031
μmであった。また変位はほぼ一方向に生じていた。
【0029】次に、図6(b)に示すように形成したパ
ターンの一部41を所定量移動修正するために、図7
(a),(b)に示すような装置を用いてパターン41
の裏面に位置するX線透過膜42およびアルミナ膜43
からなるX線透過性支持膜44の膜厚を弗化水素酸と硝
酸の混合溶液45をスプレーして液相エッチングにより
時間制御しながら所定量薄くした。スプレーノズル46
はXY駆動機能を有し、X線透過性支持膜44の所望位
置をエッチングできるようになっている。またエッチン
グの際にX線透過性支持膜44の周辺部はレジスト47
により保護してエッチングされないようにした。エッチ
ング後、レジスト47は薬品により剥離した。このよう
にして、形成後のパターンを設計パターン配置位置に移
動修正して位置精度を向上させた。以上の工程により作
製したマスクのパターン配置位置をニコン社製「光波3
I」により測定し、設計パターン位置と比較検査したと
ころ、最大の位置変位量0.020μm、平均変位量
0.02μm、3σで0.023μmが得られた。ま
た、図8に示すように上述の液相エッチングをXY駆動
機能を有した二重管48を用い、X線透過性支持膜44
の所望位置に近接して弗化水素酸と硝酸のエッチング溶
液45と純水49を共に供給しながら行い、同様の操作
により形成後のパターンを設計パターン配置位置に移動
修正して位置精度を向上させた。
【0030】さらに、本発明のその他の実施例について
詳細に説明する。前述同様の工程により作製したマスク
について、図9(a)に示すようにマスクのパターン配
置位置をニコン社製「光波3I」により測定し、設計パ
ターン位置と形成したパターンとの寸法差を検査した。
最大の位置の差は0.070μmあり、3σで0.03
1μmであった。また変位はほぼマスク中央方向に生じ
ていた。
【0031】次に、図9(b)に示すように形成したパ
ターンの中央部へ向かう変位を所定量外側へ移動修正し
て位置歪みを低減するために、XY駆動機能を有したア
パーチャー51を介して、中央領域のパターン52の裏
面に位置するX線透過膜53およびアルミナ膜54から
なるX線透過性支持膜55の中央部にArイオン56を
エネルギー180keV、1×1015ions/cm2 のド
ーズ量で注入し、パターン52を搭載している中央領域
のX線透過性支持膜55の内部応力を約10%緩和させ
た。このようにして、形成後のパターンを設計パターン
配置位置に移動修正して位置精度を向上させた。
【0032】以上の工程により作製したマスクのパター
ン配置位置をニコン社製「光波3I」により測定し、設
計パターン位置と比較検査したところ、最大の位置変位
量0.023μm、平均変位量0.03μm、3σで
0.021μmが得られた。
【0033】さらにまた、本発明のその他の実施例につ
いて詳細に説明する。前述同様の工程により作製したマ
スクについて、図10(a)に示すようにマスクのパタ
ーン配置位置をニコン社製「光波3I」により測定し、
設計パターン位置と形成したパターンとの寸法差を検査
した。最大の位置の差は0.064μmあり、3σ0.
041μmであった。また変位はほぼ一方向に生じてい
た。
【0034】次に、図10(b)に示すように形成した
パターンの一部61を所定量移動修正するために、パタ
ーン61の裏面に位置するアルミナ膜62上にXY駆動
機能を有したアパーチャー63を介して、マグネトロン
スパッタリング装置により圧縮応力を有する第2のアル
ミナ膜64を50nmの厚さで形成した。スパッタ粒子
65のスパッタリング条件は、印加電力1kW、Ar圧
力を3mTorrとした。このようにして、形成後のパ
ターンを設計パターン配置位置に移動修正して位置精度
を向上させた。
【0035】以上の工程により作製したマスクのパター
ン配置位置をニコン社製「光波3I」により測定し、設
計パターン位置と比較検査したところ、最大の位置変位
量0.015μm、平均変位量0.02μm、3σで
0.018μmが得られた。
【0036】そしてさらに、本発明のその他の実施例に
ついて詳細に説明する。前述同様の工程により作製した
マスクについて、マスクのパターン配置位置をニコン社
製「光波3I」により測定し、設計パターン位置と形成
したパターンとの寸法差を検査したところ、X線吸収体
パターンの面積分布に大きく依存する位置変位が発生し
ていた。パターンの密な領域において、そのパターン領
域のほぼ中央部に向かう位置変位が測定された。このよ
うな位置歪みに対して、形成した吸収体パターンをマス
クにX線透過性支持膜上に形成したネガ型のレジストに
露光処理を施すことによりセルフアラインでレジストパ
ターンを形成し、このレジストパターンをマスクにX線
透過性支持膜の膜厚を図8で示した装置により所定量エ
ッチングして、パターン位置精度を向上させた。さら
に、同様の位置歪みに対して、ポジ型のレジストを用い
て露光処理によりセルフアラインでレジストパターンを
形成し、このレジストパターンをマスクに図10(b)
の装置によりX線透過性支持膜上に引張り応力を有する
SiN膜を所定量成膜して、パターン位置精度を向上さ
せた。いずれの操作もX線吸収体パターンの面積分布に
応じてセルフアラインで、X線透過性支持膜を加工処理
しているので、形成した吸収体パターンが設計パターン
配置位置に自動的に移動修正されている。
【0037】前述した各実施例にあるように、パターン
位置精度は著しく向上している。これはX線吸収体パタ
ーンを形成した後でマスクのパターン配置位置と設計パ
ターン位置との寸法差を測定し、そのパターンの変位量
に応じてマスク上での位置精度低下を低減するように、
X線透過性支持膜の膜厚と内部応力の積で表される力に
最適な分布を与えてパターンを所定量移動配置できるよ
うに、膜厚あるいは(および)応力を制御して加工した
ことによる。但し、これらの操作ではX線透過性支持薄
膜の一部に加工を施し特定のパターンのみを移動修正す
ることは事実上不可能であり、必ず他の部分のパターン
も移動する。そこで加工する際には、所望のパターンを
主に移動修正し、かつ他のパターンになるべく影響のな
いように処理することにより全体の位置精度を向上させ
ることが可能となっている。
【0038】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。実施例1〜5を複数組み合わせて使用
しても構わない。実施例ではマスクの作製において低下
したパターン位置精度を向上させたことについて記述し
てあるが、例えばX線露光においてX線照射損傷などに
よりパターン配置位置に変位が生じたマスクについて
も、本発明を使用してパターン位置精度の向上を図るこ
とが可能である。さらにその他の原因によりパターン位
置精度が低下したマスクについて本発明を適用しても構
わない。また本発明に置けるX線透過性支持薄膜は単層
膜のみでなく多層膜も可能で、X線透過性薄膜やその薄
膜の片面あるいは両面に反射防止膜、エッチングストッ
パー膜、チャージアップ防止膜、応力緩衝膜などの薄膜
で形成された自立支持膜であればよい。また、例えばE
BレジストもSAL601に限るものではなく、CM
S、ZEP−520などでも良い。X線吸収体もWに限
るものではなく、Ta、Au、Reおよびその窒化物や
炭化物、W/Ta、W/Reなどの合金を用いることも
できる。X線透過性薄膜においても、SiCに限らず、
SiNX 、SiCXY 、BN、ボロンドープしたSi
あるいはC膜を用いることもできる。更に、Si基板の
湿式エッチング液も弗化水素酸と硝酸の混合液に限るこ
とはなく、KOH溶液でも良い。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、形成されたX線吸収体
パターンを所望領域のX線透過性支持薄膜の膜厚、ある
いは(および)膜応力を増減する加工を施し、X線マス
ク面内に作用している力の分布を所定量制御して変える
ことにより、X線吸収体パターンを所望のパターン配置
位置に所定量移動して再配置することができ、パターン
位置精度の極めて高いX線マスクを製造することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を説明するX線マスクの断面
図。
【図2】 本発明のX線マスクの断面図。
【図3】 本発明のX線マスクの製造工程を示す断面工
程図。
【図4】 本発明のX線マスクの製造装置を示す構造
図。
【図5】 マスクのエッチング分布図。
【図6】 本発明の他の実施例の説明図。
【図7】 本発明の他の実施例の製造装置を示す構造
図。
【図8】 本発明の他の実施例の製造装置を示す構造
図。
【図9】 本発明の他の実施例の説明図。
【図10】 本発明の他の実施例の説明図。
【図11】 従来技術の説明図。
【図12】 従来のX線マスクの説明図。
【図13】 従来のX線マスクの説明図。
【図14】 従来のX線マスクの説明図。
【符号の説明】
1…Si基板 2…SiC膜 3…アルミナ膜 4…W膜 5…アルミナパターン 6…補強枠 7…レジスト 8…開口部 9…アルミナ膜 201…切除部 202…イオン注入部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枠体に配設されたX線透過性支持基板と、
    このX線透過性支持基板に面設されたX線透過性支持薄
    膜と、このX線透過性支持薄膜側の面にX線吸収体で形
    成したX線吸収体パターンとを具備してなるX線マスク
    に於いて、前記X線透過性支持基板の前記薄膜が形成さ
    れた面と反対の面の所望の位置にX線吸収体パターンの
    パターン歪みを修正するための切除部を設けたことを特
    徴とするX線マスク。
  2. 【請求項2】枠体に配設されたX線透過性支持基板と、
    このX線透過性支持基板に面設されたX線透過性支持薄
    膜と、このX線透過性支持薄膜側の面にX線吸収体で形
    成したX線吸収体パターンとを具備してなるX線マスク
    に於いて、前記X線透過性支持基板の前記薄膜が形成さ
    れた面と反対の面の所望の位置にX線吸収体パターンの
    パターン歪みを修正するための応力付加体を設けたこと
    を特徴とするX線マスク。
  3. 【請求項3】枠体に配設されたX線透過性支持基板と、
    このX線透過性支持基板に面設されたX線透過性支持薄
    膜と、このX線透過性支持薄膜側の面にX線吸収体で形
    成したX線吸収体パターンとを具備してなるX線マスク
    に於いて、前記X線吸収体パターンのパターン歪みを修
    正するため、前記X線透過性支持基板の前記薄膜が形成
    された面と反対の面の所望の位置にイオンが注入されて
    いるイオン注入部を設けたことを特徴とするX線マス
    ク。
  4. 【請求項4】少なくともX線吸収体により形成されたX
    線吸収体パターンがX線透過性支持薄膜上に保持された
    構造を有するX線マスクの製造方法において、前記X線
    吸収体のパターンを形成後、所望領域の前記支持薄膜の
    膜厚を増減する加工、もしくは所望領域の前記支持薄膜
    の膜応力を増減する加工のうち少なくとも何れか一方の
    加工を施して、前記X線マスク面内に作用している力の
    分布を変えることにより前記X線パターンのパターン歪
    みを修正することを特徴とするX線マスクの製造方法。
JP23705093A 1993-09-24 1993-09-24 X線マスク及びその製造方法 Pending JPH0794395A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6381300B1 (en) 1999-09-30 2002-04-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Exposure mask, exposure mask manufacturing method, and semiconductor device manufacturing method using exposure mask

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