JPH0794364A - 電解コンデンサおよびそのタブ端子 - Google Patents

電解コンデンサおよびそのタブ端子

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JPH0794364A
JPH0794364A JP28872593A JP28872593A JPH0794364A JP H0794364 A JPH0794364 A JP H0794364A JP 28872593 A JP28872593 A JP 28872593A JP 28872593 A JP28872593 A JP 28872593A JP H0794364 A JPH0794364 A JP H0794364A
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JP
Japan
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tab terminal
aluminum
tab
electrolytic capacitor
round bar
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Application number
JP28872593A
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English (en)
Inventor
Shinji Matsumoto
伸二 松本
Noboru Haga
昇 羽賀
Kenichi Hitosugi
健一 一杉
Hidemi Yamada
秀美 山田
Manabu Kazuhara
学 数原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Elna Co Ltd
Original Assignee
Elna Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電解コンデンサからの駆動用電解液の漏液を防
止する。 【構成】電解コンデンサに使用されるタブ端子の丸棒部
に、化学的薬剤を用いて化学反応により酸化皮膜を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム電解コン
デンサおよび同電解コンデンサ用タブ端子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサは、アルミ
ニウム陽極箔とアルミニウム陰極箔とをセパレータ紙を
介して巻回したコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸
し、このコンデンサ素子をゴム封口体と共にアルミニウ
ム製外装ケース内に組込み、外装ケースが封止加工され
ることによって密閉した構造を有する。
【0003】また、陽極箔および陰極箔のそれぞれには
引出端子としてのタブ端子がカシメやコールドウェルド
法などにより固着され、ゴム封口体の透孔を通じて外部
に引出されている。
【0004】図1に示すように、タブ端子1はアルミニ
ウムの丸棒部2と、同丸棒部2を偏平に加工した平坦部
3と、丸棒部2に溶接された引出線4とからなる。引出
線4はCP線(銅被覆鋼線)からなり、さらにその表面
には半田メッキや錫メッキが施されることもある。丸棒
部2と引出線4との溶接部を5にて示す。
【0005】タブ端子1の平坦部3は陽極箔や陰極箔に
固着され、丸棒部2はゴム封口体の透孔と嵌合する。
【0006】近年、電解コンデンサに使用される駆動用
電解液はコンデンサの特性を向上させるために、高電導
化のものや高温での使用下において安定性を有するもの
が使用されている。
【0007】例えば、γ−ブチロラクトンやエチレング
リコールなどの溶媒中に、ο−フタル酸の第4級アンモ
ニウム塩やマレイン酸の第4級アンモニウム塩を溶質と
して溶解したものが駆動用電解液として使用されてい
る。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】カルボン酸の第4級アンモニウム塩を溶質
とした、このような駆動用電解液は粘度も低く、活性で
あり、ゴム封口体とタブ端子の丸棒部との間の微小な間
隙からの漏液が発生し易く改善が望まれていた。
【0009】特に、陰極箔に固着されたタブ端子の近傍
においては、電場が印加されることによって、駆動用電
解液のpHが強アルカリとなる。この現象により、タブ
端子の丸棒部が腐蝕し、ゴム封口体とタブ端子との間か
ら駆動用電解液が外部に漏液し易いものであった。
【0010】そのために、電解コンデンサからの駆動用
電解液の漏液防止のため、タブ端子の耐蝕性向上を目的
として、陰極側のタブ端子にアジピン酸系水溶液や硼酸
系水溶液などの電解液にて陽極酸化処理を行ない、陽極
酸化皮膜を形成したものを使用することもある。
【0011】しかし、陽極酸化処理を行なうための設備
は高価であるうえ、タブ端子のすべてを陽極酸化処理す
るには多量の電気量を消費するために費用がかかり、コ
ンデンサの安価な価格での提供が困難なものとなってし
まう。さらにはタブ端子を化成する場合には、リード線
およびリード線とタブ端子の丸棒部との溶接部の腐蝕に
注意しなければならない。このために化成液の液面など
を厳しく管理しなければならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】上述した課題を解決するために、本発明者
らは種々の検討と実験を重ねた。この結果、陰極箔側に
固着されるタブ端子の少なくともアルミニウムの丸棒部
に、酸化性を有する化学的薬剤を用いた化学反応によっ
て酸化皮膜を形成することを見い出した。さらに詳述す
ると酸化性を有する化学的薬剤を単独もしくは混合し、
好ましくはさらにリンを含有した化合物類1種以上を加
えて混合した溶液を用いる。この溶液にタブ端子を浸漬
し、電解せずに化学的な酸化反応によって酸化皮膜を形
成する。このようにして酸化皮膜を形成したタブ端子
は、電解処理によって陽極酸化皮膜を形成したタブ端子
と比較して安価に製造することができることを発見し
た。また、第4級アンモニウム塩を溶質とした駆動用電
解液への耐蝕性において、陽極酸化皮膜法により形成さ
れた酸化皮膜と比較しても優れた耐蝕性が得られること
を見い出した。
【0013】本発明においては、タブ端子への酸化皮膜
の形成に電解処理を要しないことから、設備および工程
が陽極酸化皮膜法よりも簡素であり、安価であるため工
業的に有利である。
【0014】さらには、本発明ではタブ端子の電解は行
わないのでタブ端子を浸漬した際に強制的な酸化はされ
ない。よってタブ端子の酸化が自然に進むため、アルミ
ニウムとリード線材の腐蝕電位の差からアルミニウムの
酸化が優先する。このためにリード線およびリード線と
タブ端子の丸棒部との溶接部の腐蝕は問題とはならない
のである。このことは生産管理が容易なことを示し、工
業的な価値が大きいものである。
【0015】本発明においては、タブ端子の丸棒部のみ
ばかりでなく、平坦部にも化学的な酸化皮膜を形成して
もよい。
【0016】化学的酸化皮膜を形成するための化学反応
に際しては、反応浴中にタブ端子の全体を浸漬するのが
好ましい。また、タブ端子の平坦部と丸棒部のみを浸漬
して処理してもよい。
【0017】化成処理するための化成液としては酸化性
を有する化学的薬剤のうち一種以上を混合した水溶液、
もしくはアルコール溶液を使用するのが好ましい。さら
に好ましくは酸化性を有する化学的薬剤のうち一種以上
と、リンを含有した化合物類を1種以上混合した水溶
液、もしくはアルコール溶液を使用するのがよいがこれ
に限定するものではない。
【0018】化成処理をするための反応温度、処理時間
や水溶液の濃度などの化成処理条件は適宜に選定するこ
とができる。
【0019】本発明による酸化性を有する化学的薬剤と
しては硝酸、硝酸化合物、硫酸、硫酸化合物、リン酸、
リン酸化合物、クロム酸、クロム酸化合物、炭酸塩、酸
化物、過酸化物、弗化水素酸またはその塩、酢酸または
その塩、蓚酸またはその塩、醋酸またはその塩、酒石酸
またはその塩、過マンガン酸またはその塩、ペルオクソ
酸またはその塩、その他金属塩類などが好ましいが、こ
れらに限定するものではない。塩のカチオン種としては
H、Na、K、Li、NH4 が選択される。
【0020】本発明によるリンを含有した化合物類とし
ては、正リン酸またはその塩、メタリン酸またはその
塩、ピロリン酸またはその塩、三リン酸またはその塩、
四リン酸またはその塩、亜リン酸またはその塩、次亜リ
ン酸またはその塩、ポリリン酸またはその塩およびヘテ
ロポリリン酸またはその塩などが好ましいが、これらに
限定するものではない。塩のカチオン種としてはH、N
a、K、Li、NH4 が選択される。
【0021】本発明においてはタブ端子に酸化性を有す
る化学的薬剤にて電解せずに酸化皮膜を形成する前に、
少なくともタブ端子もしくはタブ端子の丸棒部を熱湯や
沸騰水などに浸漬もしくは水蒸気雰囲気中に放置するな
どして、水分により疑似ベーマイトと呼ばれる水酸化膜
を形成するのがより好ましい。また、水酸化膜を形成す
る際に熱湯や沸騰水中にアミンなどの添加物を添加して
もよい。
【0022】本発明においては化学的薬剤を単独または
混合し、好ましくはリンを含有する化合物類を混合した
水溶液またはアルコール溶液を化成浴とし、タブ端子の
丸棒部に酸化皮膜を形成するが、化学的薬剤の種類など
種々の条件により多孔質構造の酸化皮膜が形成される場
合もある。このような多孔質構造の酸化皮膜は水蒸気、
沸騰水、無機水溶液、有機水溶液などにて封孔処理を行
ない、水和多孔質酸化皮膜へと変化させるのが好まし
い。
【0023】本発明において、タブ端子は、上述の化学
的酸化処理のほか、アルミニウムの丸棒線材を上述の化
成液を使用して化学的に酸化処理し、その表面に化学的
に反応させ酸化皮膜を形成した後に、その一部を押圧す
ることによって平坦部となし、丸棒部に引出線を溶接す
るようにして製造することもできる。さらには、このタ
ブ端子に対して上述した化成処理を再度実施してもよ
い。
【0024】本発明に係るタブ端子は陰極側に使用する
ばかりではなく、陽極側にも使用することができる。
【0025】本発明においては、化学的な反応により形
成したタブ端子の丸棒部の酸化皮膜表面のさらなる耐蝕
性の向上や、ゴム封口体との接着強度の向上を目的とし
てシラン系、アルミニウム系、チタン系のカップリング
剤を塗布してもよく、その他の樹脂膜を形成してもよ
い。
【0026】
【実施例】〈実施例1〉図1に示すタブ端子、丸棒部の
直径2.0mm、同長さ6mm、平坦部の幅2.5m
m、同厚さ0.35mm、同長さ15mmを用意した。
【0027】一方、リン酸0.5重量%およびクロム酸
カリウム0.5重量%からなる水溶液を沸騰させたもの
を反応浴とした。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、1
0分間化成処理した。タブ端子の平坦部と丸棒部には酸
化皮膜が形成された。
【0028】次に、タブ端子を洗浄した後に、水酸化テ
トラメチルアンモニウム10重量%、γ−ブチロラクト
ン40重量%、水50重量%からなる系の液(85℃)
中にタブ端子の平坦部と丸棒部を200時間浸漬し、タ
ブ端子の重量変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は
0.15mg/cm2 であった。 〈実施例2〉
【0029】実施例1の反応浴に代えて炭酸ナトリウム
4.8重量%、クロム酸ナトリウム1.4重量%および
リン酸ナトリウム0.1重量%からなる水溶液を液温9
0℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中にタブ端子
を浸漬し、20分間化成処理した。その後、実施例1と
同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子の皮膜
溶解量は0.18mg/cm2 であった。 〈実施例3〉
【0030】実施例1の反応浴に代えて過マンガン酸カ
リウム1.0重量%およびメタリン酸ナトリウム0.5
重量%からなる水溶液を沸騰させ、反応浴とした。この
反応浴中にタブ端子を浸漬し、5分間化成処理した。そ
の後、実施例1と同様にタブ端子の重量変化を測定し
た。タブ端子の皮膜溶解量は0.14mg/cm2 であ
った。 〈実施例4〉
【0031】実施例1の反応浴に代えて過硫酸ナトリウ
ム3重量%、次亜リン酸0.5重量%からなる水溶液を
液温70℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中にタ
ブ端子を浸漬し、15分間化成処理した。その後、実施
例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子
の皮膜溶解量は0.18mg/cm2 であった。 〈実施例5〉
【0032】実施例1の反応浴に代えて硝酸ナトリウム
0.2重量%、亜リン酸0.5重量%からなる水溶液を
液温90℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中にタ
ブ端子を浸漬し、20分間化成処理した。その後、実施
例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子
の皮膜溶解量は0.16mg/cm2 であった。 〈実施例6〉
【0033】実施例1の反応浴に代えて、硝酸1重量
%、酒石酸アンモニウム2重量%およびメタリン酸0.
2重量%からなる水溶液を液温70℃に維持し、反応浴
とした。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、40分間化
成処理した。その後、実施例1と同様にタブ端子の重量
変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.25mg
/cm2 であった。 〈実施例7〉
【0034】実施例1の反応浴に代えて硫酸2.0重量
%、クロム酸アンモニウム5.0重量%およびポリリン
酸0.5重量%からなる水溶液を液温70℃に維持し、
反応浴とした。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、20
分間化成処理した。その後、実施例1と同様にタブ端子
の重量変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.1
9mg/cm2 であった。 〈実施例8〉
【0035】実施例1の反応浴に代えて炭酸クロム2.
0重量%、リン酸ナトリウム0.2重量%からなる水溶
液を液温95℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中
にタブ端子を浸漬し、20分間化成処理した。その後、
実施例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ
端子の皮膜溶解量は0.37mg/cm2 であった。 〈実施例9〉
【0036】実施例1の反応浴に代えて炭酸ナトリウム
5.0重量%、過マンガン酸カリウム1.5重量%およ
び三リン酸ナトリウム1.75重量%からなる水溶液を
液温95℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中にタ
ブ端子を浸漬し、20分間化成処理した。その後、実施
例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子
の皮膜溶解量は0.21mg/cm2 であった。 〈実施例10〉
【0037】実施例1の反応浴に代えて硝酸カリウム
0.6重量%、硫酸ニッケル0.25重量%および四リ
ン酸ナトリウム0.1重量%からなる水溶液を液温70
℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中にタブ端子を
浸漬し、40分間化成処理した。その後、実施例1と同
様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子の皮膜溶
解量は0.19mg/cm2 であった。 〈実施例11〉
【0038】実施例1の反応浴に代えて、酢酸アンモニ
ウム0.6重量%および次亜リン酸0.4重量%からな
る水溶液を液温70℃に維持し、反応浴とした。この反
応浴中にタブ端子を浸漬し、40分間化成処理した。そ
の後、実施例1と同様にタブ端子の重量変化を測定し
た。タブ端子の皮膜溶解量は0.29mg/cm2 であ
った。 〈実施例12〉
【0039】実施例1の反応浴に代えてリン酸4.8重
量%、弗化ナトリウム0.3重量%およびクロム酸ナト
リウム1.5重量%からなる水溶液を液温70℃に維持
し、反応浴とした。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、
40分間化成処理した。その後、実施例1と同様にタブ
端子の重量変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は
0.22mg/cm2 であった。 〈実施例13〉
【0040】実施例1の反応浴に代えて、ピロリン酸ア
ンモニウム3.0重量%および過炭酸アンモニウム5.
0重量%からなる水溶液を液温70℃に維持し、反応浴
とした。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、40分間化
成処理した。その後、実施例1と同様にタブ端子の重量
変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.23mg
/cm2 であった。 〈実施例14〉
【0041】実施例1の反応浴に代えてリン酸水素ナト
リウム3.0重量%および過硼酸アンモニウム5.0重
量%からなる水溶液を液温70℃に維持し、反応浴とし
た。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、40分間化成処
理した。その後、実施例1と同様にタブ端子の重量変化
を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.31mg/c
2 であった。 〈実施例15〉
【0042】沸騰水中に5分間タブ端子を浸漬した後
に、実施例1の反応浴に代えて過酸化水素0.5重量%
およびリン酸ナトリウム1.0重量%からなる水溶液を
液温85℃に維持して反応浴とした反応浴中に、タブ端
子を浸漬して30分間化成処理した。その後、実施例1
と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子の皮
膜溶解量は0.08mg/cm2 であった。 〈実施例16〉
【0043】実施例1の反応浴に代えて、シュウ酸8.
0重量%およびリン酸1.0重量%からなる水溶液を液
温60℃に維持し、反応浴とした。この反応浴中にタブ
端子を浸漬し、30分間化成処理した。その後、沸騰水
中に20分浸漬して封孔処理を行った。このタブ端子の
重量変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.16
mg/cm2 であった。 〈実施例17〉
【0044】実施例1の反応浴に代えてクロム酸カリ
0.5重量%からなる水溶液を沸騰させたものを反応浴
とした。この反応浴中にタブ端子を浸漬し、10分間化
成処理した。その後、実施例1と同様にタブ端子の重量
変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は1.23mg
/cm2 であった。 〈実施例18〉
【0045】実施例1の反応浴に代えて炭酸ナトリウム
4.8重量%およびクロム酸ナトリウム1.4重量%か
らなる水溶液を液温90℃に維持し、反応浴とした。こ
の反応浴中にタブ端子を浸漬し、20分間化成処理し
た。その後、実施例1と同様にタブ端子の重量変化を測
定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.95mg/cm2
であった。 〈実施例19〉
【0046】実施例1の反応浴に代えて過マンガン酸カ
リウム1.0重量%および炭酸クロム0.5重量%から
なる水溶液を沸騰させ、反応浴とした。この反応浴中に
タブ端子を浸漬し、5分間化成処理した。その後、実施
例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子
の皮膜溶解量は1.10mg/cm2 であった。 〈実施例20〉
【0047】沸騰水中に5分間タブ端子を浸漬した後
に、実施例1の反応浴に代えて過硫酸ナトリウム5.0
重量%およびリン酸ナトリウム5.0重量%からなる水
溶液を液温50℃に維持して反応浴とした反応浴中に、
タブ端子を浸漬して30分間化成処理した。その後、実
施例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端
子の皮膜溶解量は0.10mg/cm2 であった。 〈実施例21〉
【0048】実施例1の反応浴に代えて、過硫酸ナトリ
ウム5.0重量%およびリン酸ナトリウム5.0重量%
からなる水溶液を液温50℃に維持し、反応浴とした。
この反応浴中にタブ端子を浸漬し、30分間化成処理し
た。その後、実施例1と同様にタブ端子の重量変化を測
定した。タブ端子の皮膜溶解量は0.40mg/cm2
であった。 〈従来例1〉
【0049】実施例1の化成浴に代えて、アジピン酸ア
ンモニウム5重量%の水溶液を液温50℃に維持し、化
成浴とした。この化成浴中にタブ端子の平坦部と丸棒部
を浸漬し、引出線を陽極として化成浴中に対極を配置し
て電流密度10mA/cm2、電圧150Vを2時間印
加して陽極酸化処理するとともに、実施例1と同様にタ
ブ端子の重量変化を測定した。タブ端子の皮膜溶解量は
2.80mg/cm2であった。 〈従来例2〉
【0050】従来例1の化成浴に代えて、硼酸8重量%
の水溶液を液温50℃に維持し、化成浴とした。それ以
外は従来例1と同様に陽極酸化処理するとともに、実施
例1と同様にタブ端子の重量変化を測定した。タブ端子
の皮膜溶解量は2.95mg/cm2 であった。
【0051】実施例1乃至実施例21の皮膜のタブ端子
の皮膜溶解量は0.08mg/cm2 〜1.23mg/
cm2 である。特に、リンを含有した化合物類を混合し
た実施例1乃至実施例16ならびに実施例20および実
施例21のタブ端子の皮膜溶解量は、0.08mg/c
2 〜0.40mg/cm2 と著しく少ない。さらには
前処理として水酸化膜を形成した実施例15はタブ端子
の皮膜溶解量が0.08mg/cm2 と実施例の中でも
1番少ない。これに対して従来例1および従来例2の皮
膜溶解量は2.80mg/cm2 〜2.95mg/cm
2 と多く、劣化が大きいことが分かる。
【0052】次に、実施例1乃至実施例21および従来
例1、従来例2で化成処理したタブ端子をそれぞれ陽極
箔および陰極箔に固着し、陽極箔と陰極箔とセパレータ
紙を介在させてコンデンサ素子とした。
【0053】コンデンサ素子にγ−ブチロラクトン75
重量%とο−フタル酸テトラエチルアンモニウム25重
量%からなる駆動用電解液を含浸した。
【0054】アルミニウム製外装ケース内にコンデンサ
素子をブチルゴム封口体と共に組込み、直径12.5m
m、長さ25mm、定格電圧25V、静電容量1000
μFの電解コンデンサそれぞれ20000個試作した。
【0055】これらの電解コンデンサを温度60℃、湿
度95%の雰囲気中で定格電圧を2000時間印加し
た。その後、タブ端子とゴム封口体の透孔との間での電
解液の漏液状態を目視にて検査した。
【0056】検査の結果、実施例1乃至実施例21のタ
ブ端子を使用した電解コンデンサでの漏液は皆無であっ
た。しかし、従来例1のタブ端子を使用した電解コンデ
ンサでは8個が漏液していた。また、従来例2のタブ端
子を使用した電解コンデンサでは10個が漏液してい
た。
【発明の効果】
【0057】本発明においては、タブ端子の丸棒部を酸
化性を有する化学的薬剤を単独もしくは混合するととも
に、好ましくはリンを含有した化合物類1種以上を混合
した反応浴に浸漬し、化学反応によって酸化皮膜を形成
する。更に好ましくは前処理として水酸化膜を形成す
る。これにより丸棒部の駆動用電解液に対しての耐蝕性
が向上し、電解コンデンサからの駆動用電解液の漏液を
防止することができる。
【0058】さらには本願発明は酸化皮膜の形成に電解
処理を要しないことから、その設備も簡素なものとなる
とともに、電気を消費しないために極めて安価に酸化皮
膜を形成したタブ端子を製造できる。また、リード線お
よびリード線とタブ端子の丸棒部との溶接部の腐蝕など
による不良が無く、技術的にも導入が容易である。
【0059】したがって、信頼性の高い電解コンデンサ
を安価に提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】タブ端子を示す模式図。
【符合の説明】
1 タブ端子 2 丸棒部 3 平坦部 4 引出線 5 溶接箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 秀美 神奈川県藤沢市辻堂新町2丁目2番1号 エルナ−株式会社内 (72)発明者 数原 学 神奈川県藤沢市辻堂新町2丁目2番1号 エルナ−株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タブ端子を固着したアルミニウム陽極箔
    とタブ端子を固着したアルミニウム陰極箔とをセパレー
    タ紙を介在して巻回したコンデンサ素子に第4級アンモ
    ニウム塩を溶質とした駆動用電解液を含浸し、該コンデ
    ンサ素子をゴム封口体と共に外装ケース内に組込んだ電
    解コンデンサにおいて、少なくとも該アルミニウム陰極
    箔に固着された該タブ端子は、酸化性を有する化学的薬
    剤により電解せずに化学的に酸化反応させて形成された
    酸化皮膜を有していることを特徴とした電解コンデン
    サ。
  2. 【請求項2】 タブ端子を固着したアルミニウム陽極箔
    とタブ端子を固着したアルミニウム陰極箔とをセパレー
    タ紙を介在して巻回したコンデンサ素子に第4級アンモ
    ニウム塩を溶質とした駆動用電解液を含浸し、該コンデ
    ンサ素子をゴム封口体と共に外装ケース内に組込んだ電
    解コンデンサにおいて、少なくとも該アルミニウム陰極
    箔に固着された該タブ端子は、酸化性を有する化学的薬
    剤にリンを含有した化合物類を混合し、電解せずに化学
    的に酸化反応させて形成した酸化皮膜を有していること
    を特徴とした電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 アルミニウムの丸棒部と、同アルミニウ
    ムの偏平な平坦部と、該丸棒部に溶接された引出線とか
    らなる電解コンデンサ用タブ端子において、少なくとも
    該丸棒部には酸化性を有する化学的薬剤により、電解せ
    ずに化学的に酸化反応させて形成された酸化皮膜を有し
    ていることを特徴とした電解コンデンサ用タブ端子。
  4. 【請求項4】 アルミニウムの丸棒部と、同アルミニウ
    ムの偏平な平坦部と、該丸棒部に溶接された引出線とか
    らなる電解コンデンサ用タブ端子において、少なくとも
    該丸棒部には酸化性を有する化学的薬剤にリンを含有し
    た化合物類を混合し、電解せずに化学的に酸化反応させ
    て形成された酸化皮膜を有していることを特徴とする電
    解コンデンサ用タブ端子。
  5. 【請求項5】 アルミニウムの丸棒部と、同アルミニウ
    ムの偏平な平坦部と、該丸棒部に溶接された引出線とか
    らなる電解コンデンサ用タブ端子において、タブ端子に
    酸化皮膜を形成する前に水酸化皮膜を形成したことを特
    徴とした請求項3または請求項4に記載の電解コンデン
    サ用タブ端子。
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