JPH0794088B2 - 電解液中ア−ク放電による非導電性材料の加工法 - Google Patents
電解液中ア−ク放電による非導電性材料の加工法Info
- Publication number
- JPH0794088B2 JPH0794088B2 JP62063371A JP6337187A JPH0794088B2 JP H0794088 B2 JPH0794088 B2 JP H0794088B2 JP 62063371 A JP62063371 A JP 62063371A JP 6337187 A JP6337187 A JP 6337187A JP H0794088 B2 JPH0794088 B2 JP H0794088B2
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- machining
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- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
- Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、セラミックスなどの非導電性材料を電解液中
アーク放電により加工する方法に関するものである。
アーク放電により加工する方法に関するものである。
［従来の技術］ 非導電材料の電気的加工法には、電解放電加工と呼ばれ
る方法が知られている（例えば、谷口信夫，「精密機
械」29−10（1963）798、土屋八郎「機械技術」32−12
（1984）77参照）が、通常はNaOH等の強アルカリ液を使
用するので取扱いにくく、また工具電極形状は、針、ワ
イヤ等のコロナ放電を発生しやすいものに限定されるの
で、加工量を大きくすることができない。
る方法が知られている（例えば、谷口信夫，「精密機
械」29−10（1963）798、土屋八郎「機械技術」32−12
（1984）77参照）が、通常はNaOH等の強アルカリ液を使
用するので取扱いにくく、また工具電極形状は、針、ワ
イヤ等のコロナ放電を発生しやすいものに限定されるの
で、加工量を大きくすることができない。
さらに、従来の放電加工あるいは電解放電加工では、ア
ーク放電を避けるために、パルス電源あるいは低電圧の
直流電源を用いている。しかしながら、中性塩電解液を
用いて従来の電解放電加工法でSi3N4等のセラミックス
を加工しようとすると、その加工量が非常に少なく、実
用的ではない。
ーク放電を避けるために、パルス電源あるいは低電圧の
直流電源を用いている。しかしながら、中性塩電解液を
用いて従来の電解放電加工法でSi3N4等のセラミックス
を加工しようとすると、その加工量が非常に少なく、実
用的ではない。
［発明が解決しようとする問題点］ 本発明者は、上述した中性塩電解液による電解放電加工
等の実験において、パルス電源のトランジスタが破損し
て大電流が流れた際、アーク放電となって大きな除去量
が得られたことに注目して実験を重ね、アーク放電によ
って工具電極が高温状態（工具材料である銅の融点に至
る直前の高温状態にある条件のとき、強いアーク放電の
継続によって工具電極温度が上昇して溶融に至るという
問題を残してはいるが、非常に大きい加工量が得られる
ことを見い出した。
等の実験において、パルス電源のトランジスタが破損し
て大電流が流れた際、アーク放電となって大きな除去量
が得られたことに注目して実験を重ね、アーク放電によ
って工具電極が高温状態（工具材料である銅の融点に至
る直前の高温状態にある条件のとき、強いアーク放電の
継続によって工具電極温度が上昇して溶融に至るという
問題を残してはいるが、非常に大きい加工量が得られる
ことを見い出した。
本発明は、かかる知見に基づくものであって、従来の加
工法では加工困難な非導電性セラミックスなどを、アー
ク放電による熱的、化学的、力学的作用などを利用して
加工可能にするものである。
工法では加工困難な非導電性セラミックスなどを、アー
ク放電による熱的、化学的、力学的作用などを利用して
加工可能にするものである。
［問題点を解決するための手段及び作用］ 上記目的を達成するため、本発明の加工法は、非導電性
材料を電解液中における放電によって加工する方法にお
いて、中性塩電解液を用い、この電解液中で被加工物に
対設した工具電極がアーク放電熱により溶融に至る直前
の高温状態に加工条件を設定して、電解液中におけるア
ーク状の放電により加工することを特徴とするものであ
る。
材料を電解液中における放電によって加工する方法にお
いて、中性塩電解液を用い、この電解液中で被加工物に
対設した工具電極がアーク放電熱により溶融に至る直前
の高温状態に加工条件を設定して、電解液中におけるア
ーク状の放電により加工することを特徴とするものであ
る。
第１図を参照して本発明についてさらに詳細に説明する
と、本発明の加工法においては、加工槽１内に、セラミ
ックス等の非導電性材料からなる被加工物２の上面が液
面から数mmの深さになるように中性塩電解液を満たし、
工具電極３の先端を被加工物２に軽く押付けた状態にし
て、加工の進行に応じてその工具電極３に送りを与え、
電解液中に配置する対極４には白金板などの不溶性の材
料を用い、この状態で電解液中におけるアーク放電を利
用して加工を行うものである。
と、本発明の加工法においては、加工槽１内に、セラミ
ックス等の非導電性材料からなる被加工物２の上面が液
面から数mmの深さになるように中性塩電解液を満たし、
工具電極３の先端を被加工物２に軽く押付けた状態にし
て、加工の進行に応じてその工具電極３に送りを与え、
電解液中に配置する対極４には白金板などの不溶性の材
料を用い、この状態で電解液中におけるアーク放電を利
用して加工を行うものである。
上記加工に際し、アーク状の放電によって工具電極３が
融点に近い高温状態にある加工条件のときに、効率的な
加工が行われるが、強いアーク放電が続くと、工具電極
３の表面が蒸発気体層に覆われて熱の散逸が殆どなくな
るため、工具電極３の温度が加速的に上昇して溶融温度
に至り、例えば銅製の電極であれば、200〜400℃であっ
ても急速に昇温して溶融温度に達することが実験的に確
認されている。そのため、この昇温を抑制する加工条件
の設定が必要になる。このような加工条件の設定には、
間欠的な放電の休止、電解液の流れによる工具電極３の
冷却、放電のための電気エネルギーの制御等の手段を用
いることができ、これらによって工具電極３の放電熱に
よる温度上昇を抑制することができる。
融点に近い高温状態にある加工条件のときに、効率的な
加工が行われるが、強いアーク放電が続くと、工具電極
３の表面が蒸発気体層に覆われて熱の散逸が殆どなくな
るため、工具電極３の温度が加速的に上昇して溶融温度
に至り、例えば銅製の電極であれば、200〜400℃であっ
ても急速に昇温して溶融温度に達することが実験的に確
認されている。そのため、この昇温を抑制する加工条件
の設定が必要になる。このような加工条件の設定には、
間欠的な放電の休止、電解液の流れによる工具電極３の
冷却、放電のための電気エネルギーの制御等の手段を用
いることができ、これらによって工具電極３の放電熱に
よる温度上昇を抑制することができる。
なお、第１図において、５は放電用の電源、６はその電
源回路に挿入したスイッチを示している。このスイッチ
６は機械的なスイッチでも、あるいは電子的なスイッチ
でも差支えない。
源回路に挿入したスイッチを示している。このスイッチ
６は機械的なスイッチでも、あるいは電子的なスイッチ
でも差支えない。
図示したようなスイッチ６は、間欠的な放電の休止に用
いるものであり、放電休止時間を適当に変えることによ
って温度上昇を制御することができる。電解液により工
具電極３を冷却する場合には、パイプ状の工具電極を使
用して、その内部を通して電解液を供給しながら、その
流量を調節することにより電極温度を制御する方法が適
切であり、また、上述した放電のための電気エネルギー
の制御には、加工電流の電圧を工具電極温度に応じて調
節する方法が適している。
いるものであり、放電休止時間を適当に変えることによ
って温度上昇を制御することができる。電解液により工
具電極３を冷却する場合には、パイプ状の工具電極を使
用して、その内部を通して電解液を供給しながら、その
流量を調節することにより電極温度を制御する方法が適
切であり、また、上述した放電のための電気エネルギー
の制御には、加工電流の電圧を工具電極温度に応じて調
節する方法が適している。
上述した本発明の方法は、セラミックスをはじめとし
て、各種非導電性材料からなる被加工物に適用すること
ができるが、特に、Si3N4,Al2O3,SiC等の加工に適して
いる。また、上記加工において用いる工具電極３は、例
えば、銅、ステンレス鋼、グラファイト、鋼などによっ
て形成することができ、その工具電極形状は、後述する
実施例において用いているパイプ状ばかりでなく、適当
な太さの丸棒状または角棒状に形成することもできる。
さらに、本発明者の実験においては、断面が５×15mmの
矩形状のものを用いても、その周辺部で加工が行われる
ことを確かめている。
て、各種非導電性材料からなる被加工物に適用すること
ができるが、特に、Si3N4,Al2O3,SiC等の加工に適して
いる。また、上記加工において用いる工具電極３は、例
えば、銅、ステンレス鋼、グラファイト、鋼などによっ
て形成することができ、その工具電極形状は、後述する
実施例において用いているパイプ状ばかりでなく、適当
な太さの丸棒状または角棒状に形成することもできる。
さらに、本発明者の実験においては、断面が５×15mmの
矩形状のものを用いても、その周辺部で加工が行われる
ことを確かめている。
上記加工に際して使用する中性塩電解液としては、NaNO
3、アルミン酸ナトリウム、りん酸、NaCl、水ガラスな
どが適しているが、これ以外の中性塩電解液を使用する
もできる。
3、アルミン酸ナトリウム、りん酸、NaCl、水ガラスな
どが適しているが、これ以外の中性塩電解液を使用する
もできる。
［実施例１］ 被加工物:Si3N4 工具電極：外径3.2mm内径1.6mmの銅パイプ 電解液:200g/l NaNO3 電圧:140V 放電時間＝休止時間 加工時間:15min 第２図は、上記の加工条件において加工を行い、その
際、放電時間と休止時間は等しいという条件の下で放電
周波数を変えた時の15分間の加工時間における加工深さ
を表わしている。この場合、放電周波数が小さくなる
と、長時間放電した後長時間休止することになる。
際、放電時間と休止時間は等しいという条件の下で放電
周波数を変えた時の15分間の加工時間における加工深さ
を表わしている。この場合、放電周波数が小さくなる
と、長時間放電した後長時間休止することになる。
また、この図は、工具電極周辺の温度と加工深さとの関
連を示唆するものとも考えられる。放電周波数が大きい
時は、工具電極の温度が上がらないために加工深さは小
さいが、放電周波数を小さくすると、放電期間が長くな
るため、工具電極の温度が上り、赤熱状態になるのが観
察されて、加工深さも増大する。しかし、0.1Hzまで小
さくすると、工具電極が溶融して加工不能になる。
連を示唆するものとも考えられる。放電周波数が大きい
時は、工具電極の温度が上がらないために加工深さは小
さいが、放電周波数を小さくすると、放電期間が長くな
るため、工具電極の温度が上り、赤熱状態になるのが観
察されて、加工深さも増大する。しかし、0.1Hzまで小
さくすると、工具電極が溶融して加工不能になる。
なお、同様なことは電圧についてもいえる。電極の配置
や形状にもよるが100V以下の電圧では加工量は少なく、
逆に電圧を高くすると工具電極の溶融がおこりやすくな
る。
や形状にもよるが100V以下の電圧では加工量は少なく、
逆に電圧を高くすると工具電極の溶融がおこりやすくな
る。
［実施例２］ 被加工物:Si3N4 工具電極：外径3.2mm内径1.6mmの銅パイプ 電解液：飽和 NaNO3 電圧:164V 放電時間＝休止時間＝0.5s 第３図は、上記の加工条件において加工を行い、加工時
間と加工穴深さ及び入口穴径との関係を調べたものであ
る。最初は加工深さの増大速度が大きいが、時間と共に
それは小さくなってくる。加工穴断面はお椀形となり、
入口穴径は工具電極径3.2mmに対して6mm強である。従っ
て、この加工法の利用は、大小の工具電極を適時使用し
ながら、被加工物と工具電極の三次元的相対運動によっ
て希望形状を加工する場合などに適している。
間と加工穴深さ及び入口穴径との関係を調べたものであ
る。最初は加工深さの増大速度が大きいが、時間と共に
それは小さくなってくる。加工穴断面はお椀形となり、
入口穴径は工具電極径3.2mmに対して6mm強である。従っ
て、この加工法の利用は、大小の工具電極を適時使用し
ながら、被加工物と工具電極の三次元的相対運動によっ
て希望形状を加工する場合などに適している。
なお、電極消耗は外観上のはげしい放電にかかわらず、
加工深さ1mmに対して0.1mm以下と少なかった。
加工深さ1mmに対して0.1mm以下と少なかった。
［発明の効果］ 以上に詳述した本発明の方法によれば、従来の加工法で
は加工困難な非導電性セラミックスなどを、電解液中ア
ーク放電による熱的、化学的、力学的作用などにより効
率的に加工することができ、また従来の方法で中性塩電
解液を用いてSi3N4等を加工すると除去量は非常に少な
いが、本発明の方法によると、加工量が著しく増大し、
しかも針状以外の適宜形状の工具電極によっても加工を
行うことができる。
は加工困難な非導電性セラミックスなどを、電解液中ア
ーク放電による熱的、化学的、力学的作用などにより効
率的に加工することができ、また従来の方法で中性塩電
解液を用いてSi3N4等を加工すると除去量は非常に少な
いが、本発明の方法によると、加工量が著しく増大し、
しかも針状以外の適宜形状の工具電極によっても加工を
行うことができる。
第１図は本発明の加工法について説明するための構成
図、第２図及び第３図は実験結果を示すグラフである。 １……加工槽、２……被加工物、 ３……工具電極、４……対極、 ５……電源、６……スイッチ。
図、第２図及び第３図は実験結果を示すグラフである。 １……加工槽、２……被加工物、 ３……工具電極、４……対極、 ５……電源、６……スイッチ。
Claims (1)
- 【請求項１】非導電性材料を電解液中における放電によ
って加工する方法において、中性塩電解液を用い、この
電解液中で被加工物に対設した工具電極がアーク放電熱
により溶融に至る直前の高温状態に加工条件を設定し
て、電解液中におけるアーク状の放電により加工するこ
とを特徴とする電解液中アーク放電による非導電性材料
の加工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62063371A JPH0794088B2 (ja) | 1987-03-18 | 1987-03-18 | 電解液中ア−ク放電による非導電性材料の加工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62063371A JPH0794088B2 (ja) | 1987-03-18 | 1987-03-18 | 電解液中ア−ク放電による非導電性材料の加工法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63229225A JPS63229225A (ja) | 1988-09-26 |
| JPH0794088B2 true JPH0794088B2 (ja) | 1995-10-11 |
Family
ID=13227359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62063371A Expired - Lifetime JPH0794088B2 (ja) | 1987-03-18 | 1987-03-18 | 電解液中ア−ク放電による非導電性材料の加工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0794088B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04256520A (ja) * | 1991-01-31 | 1992-09-11 | Fuji Xerox Co Ltd | 放電加工方法 |
| US20050247569A1 (en) * | 2004-05-07 | 2005-11-10 | Lamphere Michael S | Distributed arc electroerosion |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5367647A (en) * | 1976-11-30 | 1978-06-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Electrolytic working method |
| JPS5669038A (en) * | 1979-11-07 | 1981-06-10 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | Electric discharge machining electrode |
| JPS59187423A (ja) * | 1983-04-04 | 1984-10-24 | Yuichi Inoue | 電解放電による絶縁材料の加工方法ならびに装置 |
| JPS61148531U (ja) * | 1985-03-05 | 1986-09-12 | ||
| JPS62199317A (ja) * | 1986-02-27 | 1987-09-03 | Toshiba Corp | 放電加工方法及びその装置 |
-
1987
- 1987-03-18 JP JP62063371A patent/JPH0794088B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63229225A (ja) | 1988-09-26 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |