JPH0794071B2 - 二層管の再溶接方法 - Google Patents

二層管の再溶接方法

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JPH0794071B2
JPH0794071B2 JP2420087A JP2420087A JPH0794071B2 JP H0794071 B2 JPH0794071 B2 JP H0794071B2 JP 2420087 A JP2420087 A JP 2420087A JP 2420087 A JP2420087 A JP 2420087A JP H0794071 B2 JPH0794071 B2 JP H0794071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭化水素類の熱分解・改質反応用二層管を再
使用するための溶接方法に関する。
〔従来の技術〕
炭化水素類の熱分解・改質反応用管(クラッキングチュ
ーブ、リフォーマチューブ)は、実機使用において、管
内部の反応系内に析出する固形炭素が管内面に付着(コ
ーキング)し、管体に浸炭が発生する。反応管に生じる
浸炭は、反応管の材質変化(特に延性低下)を引き起こ
し、高温高圧操業における反応管に割れが発生する原因
となる。
第4図は、反応管(P)の浸炭発生状況を示している。
図中の(d)は浸炭部である。反応管の浸炭は、図示の
ように管の全面に恒って発生するわけではなく部分的に
発生するので、一定期間使用した反応管は、浸炭(d)
が発生した部分(B)を切断除去して、浸炭の生じてい
ない健全部(A)を回収し、回収された健全部(A)同
士を溶接により接合し、またはこれに新しい反応管を継
ぎ足したうえ、再使用に供するのが一般である 近時、反応管として、第3図に示すように、内層(10)
と外層(20)との積層構造を有する二層管が提案されて
いる(特開昭58−198587号)。
その二層管は、内層(10)を低Ni高Mn系耐熱鋼とするこ
とにより、管内反応系に生じる固形炭素の析出を抑制
し、管内面のコーキングおよび管体内部への浸炭を抑制
する一方、反応管材料として使用実績のある高Cr高Ni系
耐熱鋼を以て外層(20)を形成することにより、反応管
として必要な高温強度を保持させたものである。この二
層管は、管内面の固形炭素の析出付着が少なく、浸炭速
度も低いので、耐用寿命が長く、炭化水素類の熱分解・
改質反応操業の安定化・効率化に寄与するところが大き
い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記二層反応管は、すぐれた浸炭抵抗性を有するけれど
も、長期間使用されるうちに、第4図に示したような部
分的な浸炭の発生をみるので、一定期間使用した場合に
は、その浸炭発生部(B)を切断除去し、健全部(A)
を回収して溶接接合したうえ再使用に供される。
ところが、上記二層管の内層(10)は低Ni高Mn系耐熱鋼
であるために、一度使用した二層管の該内層(10)はそ
の金属組織中σ相が析出し、延びが1%以下と極めて低
い状態にある。このため、回収された二層管の溶接を、
内層に残したまま行うと、溶接部に著しい割れが発生し
てしまう。従って、その溶接を行うに先立って、二層管
の溶接されるべき部分の内層(10)を、機械加工または
グラインダ研削等により除去することが必要である。第
2図はそのようにして溶接された二層管の接合部付近の
断面を示している。(30)は溶着金属であり、(a)は
事前に内層(10)が除去されている領域である。
上記のように、溶接に先立って内層(10)を除去するこ
とはめんどうであるばかりか、溶接接合により再生され
た反応管の溶接部分とその近傍は外層(20)の露出した
単相構造であり、内層(10)の効果(固形炭素析出抑
制、浸炭抑制効果)を失っているので、反応管として再
使用に供すると、その部分に固形炭素のコーキングによ
るトラブル(管径の狭窄等)や浸炭の早期進行が生じ、
結局二層管を使用することの意義が、その部分的領域の
不都合によって大きく減殺されてしまう。
本発明は上記問題点を解決するための溶接方法を提供す
る。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の溶接方法は、回収された二層管を1000℃以上の
温度に加熱することにより、内層の金属組織内のσ相を
固溶消失させたうえで、溶接を行うことを特徴としてい
る。
本発明によれば、回収された二層管は、溶接施工に先立
つ熱処理により、内層の金属組織のσ層が消失し、良好
な延性が回復された状態となっているので、内層を削り
取る必要がなく、そのまま溶接を行うことにより、第1
図に示すように、内面全体が内層(10)で被覆されてい
る二層管として再生することができる。
本発明の溶接方法が適用される反応用二層管の内層およ
び外層の代表的な鋼組成を示せば、まずその内層材であ
る低Ni高Mn系耐熱鋼として、 C:0.3〜1.5%、Si:3%以下、Mn:6〜15%、Cr:20〜30
%、Nb:3%以下、N:0.15%以下、残部Feである耐熱鋼、
または C:0.3〜1.5%、Si:3%以下、Mn:6〜15%、Cr:20〜30
%、Ni:10%以下、Nb:3%以下、N:0.15%以下、残部Fe
である耐熱鋼が挙げられ、 他方外層材である高Cr高Ni系耐熱鋼として、 C:0.01〜0.6%、Si:2.5%以下、Mn:2%以下、Cr:20〜30
%、Ni:18〜40%、N:0.15%以下、残部Fe、またはFeの
一部が5%以下の範囲内において、Mo、WおよびNbから
選ばれる1種以上の元素を以て置換されているオーステ
ナイト型耐熱鋼が挙げられる。
本発明において、加熱処理によりσ相を消失させる、と
いうのは必ずしもσ相の全部を完全に消失させることの
みを意味するのではなく、金属組織中に占める面積率で
1%までの残存を許容するものとする。その程度の残存
量であれば、その後の溶接に支障とはならず、首尾よく
溶接接合を達成することができるからである。
加熱処理を1000℃以上の温度域で行うこととしたのは、
それより低い温度では比較的長い加熱時間を要しても、
所望の残存量までσ相を消失させることができないから
である。処理温度を高める程、短時間で所定の処理を完
了することができるけれども、あまり高温度で行うと、
酸化による表面スケールが発生し、肉厚減となるので、
1200℃を上限とするのがよい。加熱保持時間は処理温度
により適宜設定されるが、例えば1000℃での処理では、
20分以上の保持時間により、十分に目的を達することが
できる。加熱処理後の冷却は空冷とすればよい。
加熱処理を終えた後の溶接条件には特に制限はなく、使
用済みの反応管の再使用のために行われている従来の一
般の溶接条件に従って行えばよい。
〔実施例〕
内層が低Ni高Mn系耐熱鋼で、外層が高Cr高Ni系耐熱鋼で
ある遠心力鋳造二層管(管径:160φ,内層厚:2t,外層
厚:10t,mm)をクラッキングチューブ(操業温度・圧力:
800〜900℃・1.1〜1.3kg/cm2)として2年間実機使用に
供したのち、反応炉内より取出し、浸炭部を切断除去
し、回収した健全部を熱処理したうえ、内層を除去する
ことなく、健全部同士の管端面の突合せ溶接を行った。
なお、回収された二層管の供試材の熱処理前における内
層のσ相は面積率で約5〜6%であった。
供試二層管の内層および外層の鋼組成は次のとおりであ
る。
内層材 C:0.6%、Si:1.8%、Mn:9.5%、Cr:25%、Nb:0.3%、N:
0.06%、残部Fe。
外層材 C:0.45%、Si:1.7%、Mn:0.3%、Cr:25%、Ni:35%、N
b:1.2%、N:0.08%、残部Fe。
第1表に、熱処理条件と、熱処理後の内層のσ相残存量
(面積率,%)、および溶接施工後の溶接部のカラーチ
ェックによる割れ検査結果を示す。表中、No.1〜4は発
明例、No.11および12は比較例である。比較例のうち、N
o.11は熱処理を省略した例、No.12は熱処理を行った
が、σ相消失効果が不足する例である。
第1表に示したように、1000℃の加熱温度で処理した発
明例(No.1〜4)は、σ相の残存量が1%以下に減少
し、それに伴って内層の延性が回復したことにより、溶
接部の割れの発生は皆無である。他方、熱処理を省略し
たNo.11は、内層に多量のσ相が残存し、また熱処理温
度が低いためにσ相消失効果が不足したNo.12は、いず
れも溶接部に割れが発生している。
〔発明の効果〕 本発明方法によれば、低Ni高Mn系耐熱鋼からなる内層を
有する反応管を再使用するための溶接施工において、そ
の内層を削り除く必要がなく、簡単な熱処理を施すだけ
で、内層を残したまま再溶接することができる。従って
再生された反応管は、溶接接合部領域を含む全周面にわ
たって内層で被覆された二相構造を保有しているので、
再使用前と全く同様に、管内面のすぐれた耐コーキング
性と浸炭抵抗性を備えており、長期にわたる安定した操
業を保証し、操業の効率化に奏効する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により形成された反応管の溶接接合部を
示す管軸方向断面図、第2図は従来の溶接法による反応
管の溶接接合部の管軸方向断面図、第3図は反応用二層
管の一部断面正面図、第4図は反応管の浸炭発生状況を
模式的に示す管軸方向断面図である。 10:内層、20:外層、30:溶接金属。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低Ni高Mn系耐熱鋼からなる内層と、高Cr高
    Ni系耐熱鋼からなる外層との積層構造を有する炭化水素
    類熱分解・改質反応用二層管の使用後の再溶接法におい
    て、 該二層管を、1000℃以上に加熱することにより、その内
    層の金属組織内のσ相を固溶消失せしめたのち溶接を行
    うことを特徴とする二層管の再溶接方法。
JP2420087A 1987-02-04 1987-02-04 二層管の再溶接方法 Expired - Lifetime JPH0794071B2 (ja)

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